JP6238557B2 - 化粧用パフの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧用パフ及びその製造方法に関する。
化粧用パフ(化粧用スポンジパフ)には、しっとりとした肌あたりの風合いが求められる。ここで、化粧用パフの使用方法としては、化粧用パフにそのまま化粧用のファンデーションを適用し、これを皮膚に塗布する方法(水なし使用)の他、一旦化粧用パフに水を含浸させた後で軽く絞ることにより水で湿らせてから化粧用のファンデーションを適用し、これを皮膚に塗布する方法(水あり使用)がある。化粧用パフを水で湿らせることにより、ひんやりとした清涼感や、化粧用パフがより柔軟となりしっとりとした肌あたりとなる他、ファンデーションの伸びが良好で化粧効果に優れたものになる。これは、化粧用パフの樹脂表面が水で濡れていることで、ファンデーションの疎水性粒子が表面に浮き上がることで、肌への移りが良好となるからである。このような特性を発揮する為、特に水あり使用専用のファンデーションが販売されている。また、多くのファンデーションは、水あり、水なしの両用タイプとして製造されている。
このような化粧用パフとして、より効果を上げるため、パフの樹脂表面を親水性とすることで、使用時に水が表面に強く、均一に保持されファンデーションの伸びが優れたものとなっている。このような親水化手法として、例えば、特許文献1では、カルボキシ変性NBRをブレンドしたラテックススポンジゴムにカチオン系活性剤を吸着させる方法が提案されている。また、特許文献2では、ラテックススポンジゴムにポリエチレングリコールジメタクリレートをグラフト重合させる手法が提案されている。更に、特許文献3では、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート水溶液を曇点以下の温度でラテックススポンジゴムに含浸後、曇点以上で析出させて反応させる手法が提案されている。また、特許文献4では、前処理工程として、極性溶媒及びアルカリ水溶液からなる群より選択される1種以上の洗浄液をNBR又はSBRラテックススポンジゴムに接触させる前処理工程を行った後、モノマー溶液に含浸させ反応させる手法が提案されている。
特開2005−139300号公報 特開昭63−268751号公報 特開2012−25874号公報 特開2012−16009号公報
しかし、これらの方法によって形成された化粧用パフは、表面の汚れ落ち性や繰り返し洗いに対する耐性という点で、改良点を有するものである。更には、親水性モノマー成分をゴム骨格に結合させる手法に関しては、当該親水性モノマー成分の多くがゴム骨格内部に浸透してしまう。このようにゴム骨格の内部にまで多くの親水性成分が存在する結果、水に接触させた際に膨潤が生じる。そして、膨潤・乾燥(膨張・収縮)を繰り返すことで、素材の劣化が懸念されるという問題があった。更には、特許文献2に係る親水性ゴム成形体の製造方法は、グラフト重合処理を行うため、処理工程が複雑化・長時間化し易いという課題があった。
前述の課題に関し、本発明者らは、処理工程が複雑なグラフト重合反応等を用いずとも、ゴム成形体の少なくとも表面に特定のプライマー層を設け、特定の方法を用いて当該プライマー層に特定のポリマーを結合させることにより、膨潤を抑え、表面の汚れ落ち性が高く、繰り返しの使用に対しても防汚性を発揮し得る化粧用パフを作成可能なことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明によれば、ゴム成形体の表面の少なくとも一部に存在し、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格として有する網状構造の無機ケイ素化合物からなるプライマー層と、親水性ポリマーと、がシロキサン結合を介して結合している親水性ゴム成形体からなる化粧用パフが提供される。
前記親水性ゴム成形体において、少なくとも一部の前記親水性ポリマーが、主鎖の末端のみで前記プライマー層と結合していることが好ましい。
前記親水性ゴム成形体において、少なくとも一部の前記親水性ポリマーが、ベタイン基を含む(メタ)アクリル酸エステルを有することが好ましい。
前記親水性ゴム成形体において、前記ベタイン基が、カルボキシベタイン基であることが好ましい。
前記親水性ゴム成形体において、前記親水性ポリマーの重量平均分子量が300〜50000であることが好ましい。
前記親水性ゴム成形体において、前記ゴム成形体が発泡体であってもよい。
前記親水性ゴム成形体において、前記発泡体が連続気泡を有していてもよい。
前記親水性ゴム成形体において、前記ゴム成形体がNBRであることが好ましい。
また、本発明によれば、ゴム発泡体の表面の少なくとも一部を、水ガラス、アルコキシシラン類又はその部分加水分解物若しくは部分加水分解縮合物、シリコーン、シラザン、含窒素シリコーン樹脂、含窒素シランカップリング剤又はそれらの部分加水分解物からなる群より選択される一以上の成分で処理することで、前記表面に水酸基を有する、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格として有する網状構造の無機ケイ素化合物からなるプライマー層を形成する表面処理工程と、親水性ポリマーを、シランカップリング反応により前記プライマー層の表面に結合させる親水化工程と、を含む親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法が提供される。ここで、本明細書及び本特許請求の範囲においては、先に前記表面処理工程を実行し、その後に前記親水化工程を実行する場合(2段階工程)のみならず、両工程を同時に(分けずに)実行する場合(1段階工程)をも包含する。
前記化粧用パフの製造方法において、前記親水化工程が、前記親水性ポリマーとして、主鎖の末端のみで前記プライマー層と結合可能な親水性ポリマーを用いて行う工程であることが好ましい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記親水化工程が、前記親水性ポリマーとして、前記親水性ポリマーの少なくとも主鎖の一末端に加水分解性シリル基を導入されたものを用い、前記加水分解性シリル基を加水分解した後に前記親水性ポリマーをシランカップリング反応により前記プライマー層の前記水酸基と脱水縮合させることで前記表面に結合させる工程であることが好ましい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記親水性ポリマーが、ベタイン基を含む(メタ)アクリル酸エステルを有することが好ましい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記ベタイン基が、カルボキシベタイン基であることが好ましい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記親水性ポリマーの重量平均分子量が300〜50000であることが好ましい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記ゴム成形体が発泡体であってもよい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記発泡体が連続気泡を有していてもよい。
前記化粧用パフの製造方法において、前記ゴム成形体がNBRであることが好ましい。
本発明によれば、複雑な前処理工程を要さず、油の汚れ落ち性が高く(水のみでもファンデーションの汚れが落ちる)、繰り返し水洗しても親水性が低下し難いために汚れ落ち効果の耐久性が高く(繰り返し洗浄に強い)、水の接触による膨潤率が低い親水性ゴム成形体からなる化粧用パフを提供することが可能である。
図1は、本形態に係る化粧用パフの製造工程例を示した図である。 図2は、本形態に係る化粧用パフの製造工程例と当該製造工程によるパフの表面状態の時系列的概念図(一例)である。
以下、本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの、構造、製造方法及び物性等に関して順次説明するが、本形態はこれらによって何ら限定されない。
≪親水性ゴム成形体の構造等≫
初めに、本形態に係る化粧用パフを構成する親水性ゴム成形体の構造に関して説明する。本形態に係る親水性ゴム成形体は、ゴム成形体の表面の少なくとも一部(全表面でもよい)に存在し、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格として有する網状構造の無機ケイ素化合物からなるプライマー層と、親水性ポリマーと、がシロキサン結合を介して結合している、親水性ゴム成形体に関する。以下に、本形態に係る化粧用パフの構成材料である、ゴム成形体、プライマー層及び親水性ポリマーに関して説明する。
<ゴム成形体>
本形態に係る化粧用パフを構成する親水性ゴム成形体の芯材である、ゴム成形体について説明する。本形態に係るゴム成形体の形状としては、特に限定されるものではないが、長方形、正方形、円形、楕円形、ひし形等の多角形や、短冊状やドーナツ型の内部がくりぬいてあるもの、表面に任意の凹凸を付けたもの等が挙げられる。
(組成)
本実施形態に係るゴム成形体としては、NBR、HNBR、FKM、ACM、VMQ、AU、EPDM、CR、CSM、CO、NR、IR、SBR、BR、T、NOR、TPE等、一般に使用されるゴムからなる様々なものを好適に適用可能である。特に、アミノシラン等の窒素含有有機シランカップリング剤を原料として使用する場合、同じく窒素を含有するNBRに対して強力に密着(アンカー効果)するため、長期親水性保持等の観点から、当該成分との関係ではNBRが極めてよい。
(発泡)
ゴム成形体の構造は発泡構造である。ここで、当該発泡構造としては連続気泡であることが好適である。
<プライマー層>
前述のように、本形態に係る化粧用パフを構成する親水性ゴム成形体のプライマー層は、少なくともゴム成形体の表面に存在し、無機ケイ素結合からなり、当該プライマー層と親水性ポリマーとがシロキサン結合を介して結合することで、ゴム成形体に親水性を付与する。
(組成)
本形態に係るプライマー層は、無機ケイ素結合を有し、当該無機ケイ素結合は、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格とする。プライマー層がこの骨格を基本とする網目構造を有しており、当該網目に存在する多数の結合点を介して親水性ポリマーが結合することで、多数の親水性ポリマーを強固に結合させることが可能となる(即ち、結合しないポリマー量を低減させることができ、結果、ゴム成形体から親水性ポリマーが流れ落ちずに存在してくれるようになる)。
(網状構造)
本形態に係るプライマー層の無機ケイ素結合は、網状構造を有している。共有結合という強固な結合で網目状の無機ケイ素結合が形成されているため、親水性ゴム成形体において水による膨潤が抑制される。また、無機ケイ素結合が網状構造であることにより親水性ポリマーが広い範囲で結合することが可能となる(換言すれば、多数の結合点を有している)ため、化粧用パフの親水性・汚れ落ち性が向上する。また、本形態によれば、網目上の多数の結合点に親水性ポリマーが結合していること(換言すれば、結合していない親水性ポリマーの量が少ないこと)に加え、プライマー層のゴム成形体への密着性が高く、プライマー層(+それに結合した親水性ポリマー)の剥離が抑制されるため、化粧用パフの繰り返し洗浄に対する耐性を向上させることが可能となる。尚、網状構造の無機ケイ素化合物とは、当業界にて周知の通り、無機ケイ素化合物のシロキサン結合又はシラザン結合が、多数の点で交差・結合し、網目のように広がり、2次・3次構造を形成していることを示す。
(層厚)
本形態に係るプライマー層の厚さ(塗布量:固形分量)は、特に規定されないが、例えば、好適には0.001〜0.05g/16cmであり、より好適には0.003〜0.03g/16cmである。プライマー層厚が0.05g/cmを超えると、親水性ゴム成形体が変形した際に、変形に対する追従性が悪くなり、プライマー層にひび割れが生じ易くなることがある。また、得られるゴム成形体が硬くなり、化粧用パフとしての触感を損ねる恐れがある。プライマー層厚が0.001g/16cm未満であると、プライマー層のゴム成形体に対する密着強度が不足し、繰り返し洗浄に対する十分な耐性が得られないことがある。
<親水性ポリマー>
本形態に係る化粧用パフを構成する親水性ポリマーは、シロキサン結合を介してプライマー層と結合されている。当該シロキサン結合は、一つのポリマー構造に対して、1又は複数存在していてもよく、また主鎖及び側鎖のどのような箇所に存在していてもよい。ここで、一つのポリマー構造中に、プライマー層と結合している複数のシロキサン結合が存在する場合には、親水性ポリマーがより強くプライマー層に結合されているため繰り返し洗浄に対する耐性は高くなり得るが、化粧用パフが圧縮・変形した際等に、ポリマーが結合箇所から受ける荷重によって破断し、汚れ落とし性に劣り易くなり得る。他方、ポリマー構造中に、プライマー層との複数の結合箇所が存在しない場合には、そのような問題が生じ難い。尚、親水性ポリマーが、主鎖の末端のみでシロキサン結合を介してプライマー層と結合されている場合には、親水性ポリマーの周囲が水雰囲気となった際に、当該親水性ポリマーが末端結合部を足として大きく立ち上がり汚れを浮かび上がらせ、汚れ落とし性を向上させる効果が強くなるためより好適である。尚、当該親水性ポリマーとしては、ブラシ状の骨格を持つことがより好適である。
(組成)
本形態に係る親水性ポリマーは、親水性を有する限り特に限定されず好適に適用可能である。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩や、アルカリ金属−及びアンモニウム塩の如き水溶性モノマー成分のホモ−及びコポリマー等が挙げられる。別のモノマー成分としては、アクリルアミド、N−ビニルアミド、アクリル−及びメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル並びに塩基性−及びカチオン性モノマー成分、例えばアクリル−及びメタクリル酸の塩基性エステル及びアミド、例えばジメチルアミノエタノールのエステル、又はN−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド並びにジメチルジアリルアンモニウムクロライド又はビニルイミダゾーリン等が挙げられる。ここで、本形態に係る親水性ポリマーとしては、強い親水性を発揮し得るという観点から、ベタイン基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることがより好適であり、親水性をより強めるという観点から、カルボキシベタイン基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが更に好適である。尚、本形態において、親水性を有するとは、水雰囲気にて湿潤し得ることを示す。湿潤するとは、液体(例えば、水溶液)が試料内に浸透する、又はその表面に拡散することが可能であることを示す。
ポリマーの重量平均分子量は、300〜500,000であることが好適であり、5,000〜300,000であることがより好適である。重量平均分子量が300未満であると、前述のような、親水性ポリマーの周囲が水雰囲気となった際に、当該親水性ポリマー結合部を足として立ち上がることによる、汚れ落とし性能(汚れを押し出す力)が十分に得られない。他方、重量平均分子量が500,000を超えると、水雰囲気下で膨潤が起こり易くなる。ここで、当該重量平均分子量は、GPC−LALLS法により測定される重量平均分子量である。測定法を下記に示す。
1)GPC
装置:Waters製244型ゲル浸透クロマトグラフ
カラム:東ソー製TSK−gel−GMPW
(内径8mm、長さ30cm、2本)
溶媒:0.1M−トリス緩衝液(pH7.9)
流速:0.5ml/min
温度:23℃
試料濃度:0.040%
ろ過:東ソー製0.45μmマイショリディスクW−25−5
注入量:0.2ml
検出感度(示差屈折率検出器):4倍
2)LALLS
装置:Chromatrix製KMX−6型低角度レーザー光散乱光度計
温度:23℃
波長:633nm
第2ビリアル係数×濃度:0mol/g
屈折率濃度変化(dn/dc):0.159ml/g
フィルター:MILLIPORE製0.45μmフィルターHAWP01300
ゲイン:800mV
≪親水性ゴム成形体の製造方法≫
次に、本形態に係る親水性ゴム成形体の製造工程として、製造工程、原料等に関して説明する。ここで、本形態に係る化粧用パフの製造方法は、図1に示すように、大別して、(1)2段階製法{プライマーに水ガラス系(溶剤系)を使用する場合の製造例}と、(2)1段階製法(水系プライマーを使用する場合の製造例)と、がある。そして、それぞれの製法により、図2に示す作用機序により各層が形成される。但し、図2はあくまで概念図(更には材料として特定材料を例示)であり、例えば、1段階製法の場合には、プライマー層上に親水性ポリマー層が綺麗に形成されるのではなく、網目構造の骨格中に親水性ポリマーが組み込まれることもある。以下、それぞれについて詳述する。
≪2段階工程≫
<製造工程>
本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法は、ゴム成形体に対してプライマー層を形成する表面処理工程と、当該プライマー層に、シランカップリング反応により親水性ポリマーを結合させる親水化工程と、を含む。以下、それぞれに関して詳述する。尚、本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法においては、更に当該表面処理工程の前に、ゴム成形体の不純物を取り除く脱脂工程等を有していてもよい。
(表面処理工程)
液状のプライマー剤をゴム成形体の少なくとも一部の表面に適用した後、乾燥させ、ゴム成形体の当該表面を、水酸基が表面に存在するプライマー層で被覆する。以下に表面処理工程における諸条件を説明する。
・原料(1)プライマー剤
プライマーは、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格として有する無機ケイ素化合物を形成し得るものであれば限定されない。具体的には、酸化ケイ素マトリックスを形成させる成分としては、例えば、水ガラス、ゾルゲル法で利用されるアルコキシシラン類又はその部分加水分解物若しくは部分加水分解縮合物、シリコーンが挙げられる。また、酸化ケイ素マトリックス中に窒素を含有させる場合には、シラザン、含窒素シリコーン樹脂、含窒素シランカップリング剤(例えば、アミノシラン)、それらの部分加水分解物等が挙げられる。これらを組み合わせて使用してもよい。尚、プライマーが高粘度の場合等、溶媒(希釈剤)を適宜用いてもよい。
ここで、「水ガラス」とは、一般式[nSiO・「M」O](「M」はアルカリ金属、「n」は正の整数)で表わされる水溶性アルカリ金属ケイ酸塩である。特に、ケイ酸ソーダが安価で好ましい。
また、シラザンとは、Si-N-Si結合を有する化合物であり、ポリシラザン、例えば、ジシラザン(RSi)NH、シクロシラザン(RSiNH)、ポリシクロシラザン[RSi(NH)1.5n等が挙げられる。ここで、ポリシラザンは、化学式:−SiR1 2−NR2−SiR1 2−(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表す。)で表される構造を有する線状又は環状の化合物の総称である。ポリシラザンは、加熱又は水分との反応によってSi−NR2−Si結合が分解してSi−O−Siネットワークを形成する材料である。ポリシラザンとしては、上記化学式におけるR1及びR2がいずれも水素原子であるペルヒドロポリシラザン、上記化学式におけるR1がメチル基等の炭化水素基でありR2が水素原子である部分有機化ポリシラザン、及びこれらの混合物が好ましい。上記式において、R1及びR2で表される炭化水素基の炭素数は特に限定されないが、少ないことが好ましく、20以下がより好ましく、4以下が特に好ましい。
前記成分としては、市販品を用いることができ、また任意の方法で製造することも可能である。例えば、ゾルゲル法で利用されるアルコキシシラン類としては、特開2007−246872号公報に記載のものを用いることができ、例えば、TSR127B(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等を用いることができる。ポリシラザンとしては、アクアミカNP−110AZ(商品名、エレクトロマテリアルズ社製;ペルヒドロポリシラザン)等を用いることができる。含窒素シリコーン樹脂としては、特開2002−13077号公報に記載のものを用いることができる。含窒素シランカップリング剤としては、特開2004−124000号公報に記載のものを用いることができる。
・プロセス
ゴム成形体にプライマー剤を適用する方法としては、例えば、プライマー剤中にゴム成形体を含侵する方法でも、スプレーコート等の方法でゴム成形体にプライマー剤を塗布するといった方法でもよく、何ら限定されない。尚、当該ゴム成形体を親水化工程により親水化処理を施す際には、プライマー剤により湿ったままの状態としても、乾燥させてもよい。プライマー剤の温度や作業環境等も特に限定されないが、例えば、30℃以下の環境としてもよい。プライマーを乾燥させる場合にも、乾燥方法は限定されず、空気中に放置しても熱風機等を用いた乾燥(例えば、30℃以下の送風による乾燥)であってもよい。ここで、表面処理工程としては、必要であれば当該プライマー層の表面に水酸基を形成するための工程を更に含んでいてもよく、このような工程を要する場合にも、プライマー層の表面に水酸基を形成し得る工程であれば、選択した原料等の性質に合わせ適宜自由に選択可能である。例えば、ゴム成形体にプライマー層を形成した後に、当該プライマー層を気中に晒す工程等が考え得るが、プライマー層を形成した段階でプライマー層の表面に水酸基が形成される等の場合には、このような工程は必ずしも必要ではない。
(親水化工程)
表面処理工程においてゴム発泡体の少なくとも一部の表面を被覆したプライマー層に、シランカップリング反応により親水性ポリマーを結合させることで、ゴム発泡体に親水性を与える。以下に親水化工程における諸条件を説明する。
・原料(2)親水性ポリマー
本形態に係る親水性ゴム成形体の製造方法における、親水性ポリマーの組成等に関しては上述した通りであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
・原料(3)シランカップリング剤
親水化工程で用いられるシランカップリング剤としては、プライマー層及び親水性ポリマーとの結合性を有するものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、有機官能基として、アミノ、ビニル、メタクリル、イソシアネート、メルカプト、サルファー、ウレイド、エポキシ等から、加水分解基として、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ等から、適宜選択し、シランカップリング剤とすればよい。
・プロセス
前記表面処理工程を経てプライマー層が形成されたゴム成形体に、親水化処理剤を適用する方法としては、例えば、親水化処理剤中にゴム成形体を含侵する方法でも、スプレーコート等の方法でゴム成形体に親水化処理剤を塗布するといった方法でもよく、何ら限定されない。その後、例えばオーブンで加熱(例えば80℃1時間)する等し、ゴム成形体表面(プライマー層)に存在する水酸基を結合手として、ゴム成形体のプライマー層と親水性ポリマーとを、シランカップリング反応により結合させる。尚、親水化工程におけるプロセス条件(例えば、オーブン温度や加熱時間等)は特に限定されず、カップリング剤の種類やゴム成形体の種類等に応じて適宜設定可能である。
尚、親水化工程としては、上述のように、(第一の手法)プライマー層に対してシランカップリング剤を用いたシランカップリング処理を行い、次にシランカップリング処理された層に対して親水性ポリマーを結合させてもよいし、(第二の手法)予めシランカップリング剤と親水性ポリマーを重合させることでシラノール基含有親水性ポリマーを形成し、当該シラノール基含有親水性ポリマーをプライマー層に結合させるシランカップリング工程を含むものであってもよい。更には、(第三の手法)プライマー層に対してシランカップリング剤を用いたシランカップリング処理を行い、次に親水性モノマー(場合により疎水性モノマーを添加してもよい)を重合させて親水性ポリマー基を形成させる工程であってもよい。但し、処理工程の単純化及び短時間化の観点からは、第二の手法が好適である。また、第二の手法は、親水性ポリマーの主鎖の末端のみにシラノール基を位置させるように制御し易いため、親水性ポリマーの主鎖の末端のみでプライマー層とシロキサン結合されるよう制御し易くなるという観点からも好適である。
≪1段階工程≫
本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法は、ゴム成形体に対してプライマー層を形成する表面処理工程と、当該プライマー層に、シランカップリング反応により親水性ポリマーを結合させる親水化工程と、を同時に(分けずに)行う方法である。具体的には、本製造方法は、プライマー剤とシラノール基含有親水性ポリマー(又はシランカップリング剤及び親水性ポリマー)との混合液をゴム成形体に適用(例えば含浸)させ、加熱反応させる方法である。
より具体的には、プライマー剤とシラノール基含有親水性ポリマーのいずれもが水に溶解する成分か又は沈降・分離せず安定に分散する成分である場合には1段階工程を採用可能である(例えば、プライマー剤が、2段階工程で例示した、アミノシランの場合)。
≪備考≫
ここで、プライマー剤としてシラザンを用いる場合の留意点を説明する(必要に応じて図2を参照)。一般的なシラザンは水の無い溶剤中だけでしか存在できない。このような性質の下、溶剤乾燥後、湿気によりアンモニアと水素を放出しながら加水分解して、最終的にSi−O−Siが形成される。プライマー効果を発揮させるのは、加水分解の第一段階でSiOHが発生した段階である。この状態で親水化処理剤を作用させることでアンカー効果が発揮される。
加えて、Si−O−Si又はSi−N−Siの網目構造が形成される作用機序と、当該網目構造に親水性成分を結合させる作用機序と、を説明する。尚、これら作用機序自体は周知である。
まず、プライマー剤としてシラザンや溶剤系を用いた場合を説明する。これらプライマー剤を用いた場合、プライマー剤を適用(例えば塗布)・乾燥後に加熱される過程で縮合してネットワークが形成される。より具体的に説明すると、例えば、シラザンを用いた場合には、水があると分解してSi―OHが発生する。更に加熱する事で、Si−O−Si結合になる。次に、プライマー剤としてアルコキシシラン類を用いた場合、通常はSi−ORの状態であるが、溶媒が飛んでから水の存在下で加熱されることで、加水分解(Si―OH発生)・脱水縮合をしてSi−O−Si結合になる。このように、シラザンや溶剤系の場合は、表面に薄いガラスの膜を形成しておいて、その上に新たにシランカップリング骨格を介して親水性ポリマーを当該ガラスの膜に結合させる。
次に、プライマー剤として水系を用いた場合を説明する。水系の場合も、プライマー剤を適用(例えば塗布)・乾燥後に加熱される過程で縮合してネットワークが形成される。より具体的に説明すると、プライマー成分(例えばアミノシラン)は、水溶液中で加水分解された状態(Si−OH)で存在している。その後、適用(例えば塗布)されて乾燥・加熱すると縮合してSi−O−Si結合が生成する。但し、一段階工程の場合、Si−O−Siネットワーク形成時に親水性処理剤が存在する結果、網目構造の一部に親水性処理剤が組み込まれる場合もある(当該態様も本発明の範囲内である)。
本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法によれば、少なくともゴム成形体の表面の一部に、共有結合という強固な結合で、網目状の無機ケイ素結合を形成可能であるため、前述のように、親水性ゴム成形体において水による膨潤が抑制される。また、前述のように、親水性ポリマーが広い範囲で結合することが可能となる(換言すれば、網目上の多数の結合点と結合する)ため、親水性ゴム成形体の親水性・汚れ落ち性が向上する。また、結合していない親水性ポリマー量を低減できると共にプライマー層のゴム成形体への密着性を高くすることが可能であるため、結合していない親水性ポリマーの流出やプライマー層の剥離に起因した親水性の低下を防止でき、化粧用パフの繰り返し洗浄に対する耐性を向上させることが可能となる。尚、例えばゴム成形体を気泡体(特に連泡体)とした場合にも、表層に近い部分に親水性ポリマーを存在させ、ゴム成形体の内部には親水性ポリマーが存在しないようにすることが可能であるため、親水性ゴム成形体を水に含侵した際にも、ゴム成形体の内部で親水性ポリマーが水を吸着し膨潤することを防ぎ、低膨潤性の化粧用パフを得ることが可能となる。
≪親水性ゴム成形体の物性≫
次に、本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの物性に関して説明する。本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフは、低い膨潤率、耐繰り返し洗浄性、高い親水性・高い油汚れ落ち性(典型的にはファンデーション落ち性)を有する。
<膨潤率>
膨潤は、ゴム成形体(特に連泡体)からなる化粧用パフを水に浸漬した場合に構造内部に水分をため込むことで生じる。即ち、ゴム成形体の親水性が高い程膨潤率が高くなり得るが、本形態に係る親水性ゴム成形体は、前述のように、共有結合という強固な結合で網目状の無機ケイ素結合が形成されていることから、膨潤率が低く抑えられている。更には、本形態に係る製造方法でゴム成形体を製造した場合、プライマー層の網目構造には多数の結合点が存在するため、使用する親水性ポリマーの大部分がプライマー層に結合する結果、ゴム成形体(特に連泡体)の内部には親水性ポリマーが殆ど侵入しないと理解される。これによっても、即ち、内部に存在する親水性ポリマーが殆ど存在しないことによっても、膨潤が抑制されると考えられる。
<耐繰り返し洗浄性>
本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフは、結合していない親水性ポリマー量が少ないことに加え、親水性ポリマーとプライマー層とが強く結合されているため、水洗いを行ってもポリマーの剥離が少ない。そのため、継続して使用しても所期の油汚れ落ち性を維持し得る。
<油汚れ落ち性>
油汚れ落ち性の高さは、親水性や親油性を計測することで把握することが出来る。即ち、親油性が高い場合には、油汚れが表面から剥がれ難いため油汚れ落ち性が低く、親水性が高い場合には、油汚れの下に水が入り込み易いため油汚れ落ち性が高いと言える。本形態に係る親水性ゴム成形体からなる化粧用パフは、前述のように、無機ケイ素結合が網状構造であることにより親水性ポリマーが広い範囲で結合している(換言すれば、多数の結合点にて結合している)ことから十分な親水性を有するため、高い油汚れ落ち性(具体的には、高いファンデーション落ち性)を有する。
≪化粧用パフの使用方法≫
本形態に係る化粧用パフは、水あり用、水なし用、水あり・水なし両用タイプ用のいずれにも使用可能である。
≪親水性ゴム成形体の準備≫
以下の手順に従って、実施例及び比較例に係る親水性ゴムを準備した。
<実施例1>
ゴム成形体として、50×40mm、厚み8mmのNBRラテックススポンジゴム(連続気泡体)を用意し、溶媒を水とするプライマーA(水系アミノシラン、KBP−90、信越化学工業製)を1.00質量%濃度としたプライマー剤に、末端シラノール基を有するカルボキシベタイン基含有親水性ポリマーA(大阪有機化学工業社製、LAMBIC−500WP、重量平均分子量約30万)を5.00質量%濃度に調整した親水化処理剤(希釈剤はイオン交換水)を等量混合し、当該ラテックススポンジゴムに含侵させ、80℃1時間で反応させた(親水化工程)。親水性ポリマーAのシラノール基と、ラテックススポンジゴムの表面に形成されたプライマー層表面とが、シランカップリング反応を起こし、親水性ポリマーAがプライマー層に結合された実施例1に係る親水性ゴム成形体を得た。
<実施例2>
親水性ポリマーAを10.00質量%濃度とした親水化処理剤を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、実施例2に係る親水性ゴム成形体を得た。
<実施例3>
親水性ポリマーB(重量平均分子量約10万)を5.00質量%濃度とした親水化処理剤を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、実施例3に係る親水性ゴム成形体を得た。
<実施例4>
親水性ポリマーBを10.00質量%濃度とした親水化処理剤を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、実施例4に係る親水性ゴム成形体を得た。
<実施例5>
ゴム成形体として、50×40mm、厚み8mmのNBRラテックススポンジゴム(連続気泡体)を用意し、溶媒を水とするプライマーA(水系アミノシラン、KBP−90、信越化学工業製)を1質量%濃度としたプライマー剤に、当該ラテックススポンジゴムを含侵した(表面処理工程)。その後、当該ラテックススポンジゴムを取り出し、遠心分離機にて、2000rpmで1分間遠心分離することで余分なプライマーを取り除いた後、末端シラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーA(大阪有機化学工業社製、LAMBIC−500WP、重量平均分子量15000)を5質量%濃度に調整した親水化処理剤(希釈剤はイオン交換水)に当該ラテックススポンジゴムに含侵させ、80℃1時間で反応させた(親水化工程)。親水性ポリマーAのシラノール基と、ラテックススポンジゴムの表面に形成されたプライマー層表面とが、シランカップリング反応を起こし、親水性ポリマーAがプライマー層に結合された実施例5に係る親水性ゴム成形体を得た。
<実施例6>
プライマーAの代わりに、ジブチルエーテルを溶媒とするプライマーB(ポリシラザン(アクアミカ NL120A、AZ Electronic Materials製))を用いたこと以外は実施例5と同様の方法により、実施例6に係る親水性ゴム成形体を得た。
<比較例1>
プライマー処理工程を行わない以外は実施例4と同様の方法により、比較例1に係る親水性ゴム成形体を得た。
≪評価試験≫
次に、準備した実施例及び比較例に係る親水性ゴム成形体を用いて評価試験を行った。
<評価1>膨潤率
式(1)に基づき、水に浸漬させる前の体積と、浸漬後の体積変化から膨潤率を求める。水は、試験片に対して過剰な程度の量とし、全体を浸漬させ、揉んで内部まで水を含浸させる。
(式1)
<評価2>汚れ落ち性
試験前のパフのYI値(JIS K7373)を分光硬度計で測定する。処理したパフにファンデーションを0.02g塗布する。水道水で3分間揉み洗いながらすすぐ。80℃で1時間乾燥させた後、分光硬度計にてYI値を測定する。最初に測定したYI値との差をΔYIとし、汚れ落ち性とした。値が小さいほど汚れが落ちている。
<評価3>繰り返し洗浄性
評価対象のパフを40℃のお湯で3分間洗浄する。80℃で1時間乾燥させる。お湯(40℃)での洗浄と乾燥を10回繰り返す。10回繰り返した後、パフのYI値を分光硬度計で測定する(初期のYI値)。次に、ファンデーションを0.02g塗布し、分光光度計にてYI値を測定する(ファンデーションを塗布後のYI値)。次に、水道水で3分間揉み洗いながらすすぐ。80℃で1時間乾燥させた後、分光硬度計にてYI値を測定する(洗浄試験後のYI値)。ここで、汚れ落ち率は、(ファンデーションを塗布後のYI値から初期のYI値を引いた値)をAとし、(洗浄試験後のYI値から初期のYI値を引いた値)をBとする。式(2)に基づき算出される。この汚れ落ち率の値が高いほど繰り返し洗浄性に優れる。
(式2)
表1に結果を示す。

Claims (10)

  1. ゴム成形体の表面の少なくとも一部を、水ガラス、アルコキシシラン類又はその部分加水分解物若しくは部分加水分解縮合物、シリコーン、シラザン、含窒素シリコーン樹脂、含窒素シランカップリング剤又はそれらの部分加水分解物からなる群より選択される一以上の成分で処理することで、前記表面に水酸基を有する、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格として有する網状構造の無機ケイ素化合物からなるプライマー層を形成する表面処理工程と、
    親水性ポリマーを、シランカップリング反応により前記プライマー層の表面に結合させる親水化工程と
    を含み、前記表面処理工程及び前記親水化工程の両方を一段階で行うことを特徴とする親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法。
  2. ゴム成形体の表面の少なくとも一部を、シラザンで処理することで、前記表面に水酸基を有する、Si−O−Siで表されるシロキサン結合又はSi−NH−Siで表されるシラザン結合を骨格として有する網状構造の無機ケイ素化合物からなるプライマー層を形成する表面処理工程と、
    親水性ポリマーを、シランカップリング反応により前記プライマー層の表面に結合させる親水化工程と
    を含み、前記表面処理工程及び前記親水化工程を当該順序にて二段階に分けて行うことを特徴とする親水性ゴム成形体からなる化粧用パフの製造方法。
  3. 前記親水化工程が、前記親水性ポリマーとして、主鎖の末端のみで前記プライマー層と結合可能な親水性ポリマーを用いて行う工程である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記親水化工程が、前記親水性ポリマーとして、前記親水性ポリマーの少なくとも主鎖の一末端に加水分解性シリル基を導入されたものを用い、前記加水分解性シリル基を加水分解した後に前記親水性ポリマーをシランカップリング反応により前記プライマー層の前記水酸基と脱水縮合させることで前記表面に結合させる工程である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記親水性ポリマーが、ベタイン基を含む(メタ)アクリル酸エステルを有する、請求項のいずれか一項記載の製造方法。
  6. 前記ベタイン基が、カルボキシベタイン基である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記親水性ポリマーの重量平均分子量が300〜500,000である、請求項のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 前記ゴム成形体が発泡体である、請求項のいずれか一項記載の製造方法。
  9. 前記発泡体が連続気泡を有する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記ゴム成形体がNBRである、請求項のいずれか一項記載の製造方法。
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