JP6238477B2 - HPV関連腫瘍及び他のp16INK4a発現腫瘍の予防法及び治療法のためのp16INK4a由来ペプチド - Google Patents

HPV関連腫瘍及び他のp16INK4a発現腫瘍の予防法及び治療法のためのp16INK4a由来ペプチド Download PDF

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Description

本発明は、サイクリン依存性キナーゼ阻害因子p16INK4aの特定の断片、及びp16INK4a発現腫瘍に対する免疫性を個体に与えるための該断片の使用に関する。
世界中で毎年数百万人の人々が癌に罹患し、癌が原因で死亡している。集中治療法の研究にもかかわらず、これらの死亡率は何年も変化していない。従来、癌を患う患者は、癌を切除する外科手術、又は化学療法若しくは放射線療法を受けなければならないことが多い。しかしながら、これは、癌を患う患者の死亡率の一因となる非常に過度の副作用を伴う。興味深いことに、ヒトパピローマウイルス(HPV)は、全てのがんの5%超の発生に関連する(非特許文献1)。予防的なHPVワクチン接種が既に利用可能であるが、既に感染した人々においては治療効果は示されていない(非特許文献2)。このため、新規の治療選択が必要とされている。
Parkin and Bray, 2006 Hildesheim et al., 2007
したがって、本発明の目的は、HPV関連腫瘍及び他のp16INK4a発現腫瘍の治療法及び予防法のための手段を提供することである。
本発明によると、この目的は、特許請求の範囲において規定される主題によって達成される。本発明につながる研究は、細胞が、HPVがん遺伝子産物E7による負のフィードバックループの破壊のために形質転換された、おそらくは悪性の表現型を獲得した場合に、細胞タンパク質p16INK4がHPV感染細胞において発現されるという観察によるものであった(Sano et al., 1998、Klaes et al., 2001)。このため、p16INK4aは、子宮頸部、外陰部、膣、陰茎、肛門及び頭頸部の腫瘍を含む、ほぼ全てのHPV誘導癌及び高悪性度の前がん状態において強く発現される(Ishikawa et al., 2006、Samama et al., 2006、Missaoui et al., 2006、Santos et al., 2006、Roma et al., 2008、Hafkamp et al., 2003)。生理的条件下では、p16INK4は、その後の老化を受ける細胞においてのみ発現され、したがって正常組織において発現された状態で見られることはほとんどない(Beausejour et al., 2007)。HPV関連腫瘍におけるHPVがん遺伝子によって推進されるp16INK4aの発現に加えて、一部の黒色腫及び非黒色腫皮膚がん(Nindl et al., 2004、Busch et al., 2010)、肺がん(Leversha et al., 2003、Esposito et al., 2004)、食道がん、胃がん及び結腸直腸がん(Ding et al., 2010、Kim et al., 2005)、並びに腎臓がん、膀胱がん、卵巣がん、子宮内膜がん及び乳がん(Ikuerowo et al. 2007、Buza et al., 2010、Giordano et al., 2008、Giordano et al., 2007、di Vinci et al., 2005)を含む、HPV感染と関連しない様々な腫瘍、又はHPVが見られるが、ウイルスによる発がんが証明されていない腫瘍においても、p16INK4aは過剰発現された状態で見られる。網膜芽細胞腫抑制遺伝子の突然変異がp16INK4a発現の上方調節をもたらすことが知られている(Okamoto et al., 1994)。しかしながら、これらの例における強いp16INK4a発現の基礎にある機序は、より不均一であり、最終的に理解されない可能性が最も高い。
がん細胞における内在性遺伝子産物の過剰発現は、腫瘍関連抗原の貴重な情報源であることが昔から認識されている。かかる抗原に対する免疫応答は様々ながん患者において観察されており、免疫療法試験が進んでいる(Jaeger et al., 2003、Finn, 2008、Rescigno et al., 2007)。
本発明につながる実験において、健常個体の末梢血サンプルから単離されたTリンパ球が、in vitroでp16INK4a由来ペプチドによって特異的に刺激され得ること、並びに子宮頸がん患者に由来するCD4+ T細胞及びCD8+ T細胞が、同じp16INK4aペプチドに対する自発的反応性を示し、共培養したHLA適合p16INK4a負荷細胞及び子宮頸がん細胞株を攻撃し、死滅させることが可能である細胞傷害性T細胞株を生じることを実証することができた。言い換えると、p16INK4の断片は高度に免疫原性であり、p16INK4に対する非常に強い免疫応答を誘導する。さらに、p16INK4aに対する体液性免疫応答も検出可能であることが実証されている。
記載のp16INK4の発現パターン、及びいかなる自己免疫疾患とも関連しないp16INK4に対する自発的免疫応答の研究結果から、p16INK4はp16INK4a発現がんを有する患者の免疫付与に有望な候補となる。p16INK4に対する積極的に誘導された強い免疫応答は、HPV形質転換細胞及び他のp16INK4a発現がん細胞を特異的に破壊することができた。これらのp16INK4ペプチドによるドナーT細胞のワクチン接種を細胞培養実験において行った。p16INK4ペプチドを用いた更なる実験から、子宮頸がん患者における自発的T細胞応答が明らかとなり、特定のp16INK4ペプチドがin vivoでも免疫原性であることが確認された。このため、これらのペプチドを用いた免疫付与に基づくがんの予防法又は治療法は、患者に対して幾つかの利益を有するはずである。p16INK4は、HPVタイプにかかわらず全てのHPV関連がんにおいて、また様々な他のがんタイプにおいて強く発現される。p16INK4が正常組織ではほとんど発現されず、p16INK4に対する自発的免疫応答を有する個体において自己免疫現象が観察されていないため、p16INK4免疫付与の重度の副作用は予想されない。最後に、p16INK4発現は腫瘍細胞の悪性の表現型と複雑に関連するため、抗原欠損に起因する免疫回避の可能性は極めて低い。
p16INK4aペプチドによるドナーT細胞の刺激前(A)及び刺激後(B)のELISpot(インターフェロンγ)の結果を示す図である。スポット数を、ペプチドを含まないウェルにおけるバックグラウンドスポット検出を減算することによって正規化する。Bから、0日目と比較した、ペプチドp16INK4a_37−63、p16INK4a_51−80及びp16INK4a_73−104で刺激した細胞におけるスポット数の増加が明らかになる。CEF=CMV、EBV、インフルエンザ(flu)のペプチドミックス陽性対照。 陽性対照ウイルスミックス(CEF)及び7つの30mer p16INK4aペプチド(表1)に対する23人の患者(Tx及びFx)及び15人の健常対照(BCx)におけるELISpot(インターフェロンγ)の結果を示す図である。結果をバックグラウンド補正し、カットオフ(陰性対照ウェルにおけるスポット数の2倍+それぞれのp16INK4aペプチドに対する反応性の2標準偏差)を超えるスポットのみを検討する。2人の個体がCD4応答を有し、残りの個体がCD8応答を有していた。na=分析せず。 クロム放出アッセイを示す図である。子宮頸がん患者(HLA A2、A3、B7、B15、Cw3、Cw7)に由来するCD8 T細胞は、p16INK4a_37−63を負荷したHLA適合B細胞(黒四角)の溶解を誘導するが、p16INK4aペプチドを含まない同じB細胞(白三角)の溶解は誘導しない。子宮頸がん細胞株HeLa(p16INK4a+、HLA A68、B15、B95、Cw7、Cw12)及びCaski(p16INK4a+、HLA A2、A3、B7、B37、Cw5、Cw7)は溶解されるが、ME180及びK562の溶解は検出されない。 7つのp16INK4aペプチド(表1)による刺激後の子宮頸部異形成を有する女性に由来する末梢血単核細胞の増殖を示す図である。PBMCとp16INK4aペプチド、陽性対照(マイトジェンPHA及び破傷風トキソイド)及び陰性対照(抗原なし)とのインキュベーション後に行ったBrdU増殖アッセイの光学密度を示す。点線は陽性応答のカットオフを示す。アスタリスクは増殖を誘導するp16INK4aペプチドを示す。3人の反応を示す患者及び1人の陰性患者からの結果を示す。 ウエスタンブロットにおける血清学的p16INK4a反応性を示す図である。(a)(1)精製Hisタグ付きp16INK4aの銀染色。(2)モノクローナルp16INK4a抗体E6H4を用いた精製Hisタグ付きp16INK4aのウエスタンブロット。(b)6つの代表的な陽性血清を示す。タンパク質サイズは、組換えタンパク質に対するモノクローナル抗体(E6H4)の反応に対応する。(c)陰性血清の例(1及び2)。(d)血清と組換えp16INK4aとのプレインキュベーションの前(1)及び後(2)のp16INK4a血清の反応性。(3)子宮頸がん患者から得られた血清によって沈殿し、HRP直接標識p16INK4aモノクローナル抗体によって検出されるp16INK4aタンパク質の検出(Reuschenbach et al., 2008)。
したがって、本発明は、p16INK4aに対する免疫応答を誘導することが可能なサイクリン依存性キナーゼ阻害因子p16Ink4の特定の断片に関する。免疫応答は、以下の基準の少なくとも1つを満たす状態として定義される:1.ELISpot、又は細胞内サイトカイン染色、又はサイトカインELISA、又は同等の方法によってバックグラウンドを超えるものとして(as above background)測定可能な、細胞傷害性アッセイ、若しくはIFN−γ分泌、若しくはパーフォリン発現、若しくはグランザイムB発現、若しくはCD8陽性T細胞によって産生され得る他のサイトカインによって検出可能なCD8陽性T細胞の誘導。2.ELISpot、又は細胞内サイトカイン染色、又はサイトカインELISA、又は同等の方法によってバックグラウンドを超えるものとして測定可能な、サイトカイン分泌によって検出可能なCD4陽性T細胞の誘導。サイトカインはIFN−α、IFN−γ、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−12、IL−13、IL−17、TNF−α、TGF−β、又はCD4陽性T細胞によって産生され得る他のサイトカインを含み得る。3.ウエスタンブロット、ELISA、及び同等又は関連の方法によって検出可能な抗体の誘導。4.1及び2に記載のCD8陽性T細胞又はCD4陽性T細胞によって媒介されない、任意の種類の細胞性免疫応答の誘導。
サイクリン依存性キナーゼ阻害因子p16INK4aの断片は、
(a)以下のアミノ酸配列のいずれか1つ:
(a)MEPAAGSSMEPSADWLATAAARGRV、
(a)TAAARGRVEEVRALLEAGALPNAPNSY、
(a)LPNAPNSYGRRPIQVMMMGSARVAELL、
(a)VMMMGSARVAELLLLHGAEPNCADPATLTR、
(a)ADPATLTRPVHDAAREGFLDTLVVLHRAGARL、
(a)HRAGARLDVRDAWGRLPVDLAEELGHRDVAR、
(a)GHRDVARYLRAAAGGTRGSNHARIDAAEGPSDIPD、
(b)依然としてp16INK4aに対する免疫応答を誘導することが可能な、(a)の断片の機能的等価物、又は、
(c)(a)及び/若しくは(b)の断片の組合せ、
からなる。
「機能的等価物」という用語は、本明細書中で使用される場合、例えば、依然としてp16INK4aに対する免疫応答を誘導することが可能であり、したがって依然として有効なワクチンとして有用である(a)の変異体又は断片に関する。変異体はアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を特徴とする。好ましくは、アミノ酸差異は1つ又は複数の保存的なアミノ酸置換に起因するものである。「保存的なアミノ酸置換」という用語は、脂肪族又は疎水性のアミノ酸Ala、Val、Leu及びIleの置き換え、ヒドロキシル残基Ser及びThrの置き換え、酸性残基Asp及びGluの置き換え、アミド残基Asn及びGlnの置き換え、塩基性残基Lys、Arg及びHisの置き換え、芳香族残基Phe、Tyr及びTrpの置き換え、並びに小型アミノ酸Ala、Ser、Thr、Met及びGlyの置き換えを包含する。
特定の程度の同一性を示すペプチドの生成については、ペプチド機能に重要な領域を同定するために、例えば遺伝子操作を用いてクローン化DNA配列の特定の位置にアミノ酸変化を導入することができる。例えば、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発(分子内の残基毎の単一のアラニン突然変異の導入)を用いることができる(Cunningham and Wells, 1989)。次いで、得られる突然変異分子を、実施例のアッセイを用いて免疫原性について試験することができる。
好ましくは、変異体は8個以下のaa、より好ましくは6個以下のaa、更により好ましくは4個以下のaaの置換、欠失及び/又は付加を特徴とする。
元のp16Ink4a断片の断片において、特定のアミノ酸配列の少なくとも5個の連続したaa、好ましくは少なくとも10個の連続したaa、より好ましくは少なくとも15個の連続したaa、更により好ましくは少なくとも20個の連続したaaが残存する。かかる断片は、依然としてp16INK4aに対する免疫応答を誘導することが可能であり、したがって依然として有効なワクチンとして有用である。
本発明は、本発明の断片をコードする核酸、又はかかる核酸を含有するベクターも提供する。生きた宿主への遺伝物質の直接注射によって、その細胞の少量が導入遺伝子産物を産生する。宿主内でのこの不適切な遺伝子発現は、重大な免疫学的重要性を有し、遺伝子送達抗原に対する宿主の特異的な免疫活性化をもたらす。裸のプラスミドDNAの直接注射は、その遺伝子ワクチンによってコードされる抗原に対する強い免疫応答を誘導する。プラスミドDNA構築物を注射すると、宿主細胞は外来DNAを取り込み、ウイルス遺伝子を発現し、p16INK4aが細胞内で産生される。このような形の抗原提示及びプロセシングは、MHCクラスI及びMHCクラスIIの両方によって制限される細胞性及び体液性の免疫応答を誘導する。DNAワクチンは、通常は2つの単位(プロモーター/エンハンサー配列、それに続く抗原(FSP)コード配列及びポリアデニル化配列から構成される抗原発現単位、並びにベクターの増幅及び選択に必要とされる配列から構成される産生単位)を含有するベクターから構成される。ワクチンインサート(inserts)を含むベクターの構築は、組換えDNA技術を用いて達成され、このアプローチに使用することのできるベクターは当業者に既知である。DNA免疫付与の効率は、DNAを分解に対して安定化すること、及び抗原提示細胞へのDNA送達の効率を増大させることによって改善することができる。これは、生分解可能なカチオン性微粒子(例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウムを配合したポリ(ラクチド−co−グリコリド))にDNAをコーティングすることによって実証されている。かかるDNAコーティング微粒子は、とりわけアラム(alum)と混合した場合に、CTLを惹起する点で組換えワクシニアウイルスと同程度に効果的である。直径300nmの粒子が、抗原提示細胞による取り込みに最も有効なようである。
様々な発現ベクター、例えばプラスミド又はウイルスベクターを利用して、本発明の断片をコードする核酸配列を含有させ、発現させることができる。
好ましいウイルスベクターがポックスウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、又はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。特に好ましいポックスウイルスがワクシニアウイルス、NYVAC、アビポックスウイルス、カナリア痘ウイルス、ALVAC、ALVAC(2)、鶏痘ウイルス又はTROVACである。
アルファウイルス由来の組換えベクターも、DNAワクチン接種の効率を改善するために使用されている。本発明の断片をコードする遺伝子をアルファウイルスレプリコンに挿入して、構造遺伝子を置き換えるが、非構造性レプリカーゼ遺伝子は無傷のままにする。シンドビスウイルス及びセムリキ森林熱ウイルスが、組換えアルファウイルスレプリコンを構築するために使用されている。しかしながら、従来のDNAワクチン接種とは異なり、アルファウイルスベクターは一時的にしか発現されない。アルファウイルスレプリコンは、このベクターによって発現される高レベルのタンパク質に起因した免疫応答、レプリコン誘導性サイトカイン応答、又はレプリコン誘導性アポトーシスを惹起し、樹状細胞による抗原取り込みの向上がもたらされる。
本発明は、本発明の断片、核酸配列又はベクターを、好ましくは1つ又は複数の一般的な助剤とともに、個体の免疫付与に好適な量で含有する医薬組成物も提供する。かかる断片、核酸配列又はベクターは、単独で、又は担体と組み合わせて存在し得る。担体が個体中で免疫原性を示さないことが好都合である。かかる担体は、個体自身のタンパク質若しくは外来タンパク質、又はそれらの断片であり得る。血清アルブミン、フィブリノーゲン若しくはトランスフェリン、又はそれらの断片等の担体が好ましい。断片は、細胞傷害性T細胞、例えばCD8 T細胞又はCD4 T細胞によって認識され、免疫応答を誘導し得るエピトープを含有する。細胞周期調節タンパク質のかかるエピトープは、当業者が精通している方法によって決定することができる。様々な断片が同時に存在することも有益であり得る。上記の断片の組換え生産については、例えばSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor N.Y. (1989)を参照する。
本発明は、p16INK4aを発現する前がん状態、新生物又は癌(進行癌を含む)を予防又は治療するワクチンの生産のための本発明の断片、核酸配列又はベクターの使用にも関する。
これらは例えば、HPV誘導性のp16INK4aを発現する肛門性器癌、特に子宮頸癌又は頭頸部がん、及び非HPV誘導性のp16INK4a発現腫瘍であり得る。同様に、乳頭腫、腺腫、過形成等の良性の形態(modifications)、又は上皮、間葉若しくは造血細胞の増殖等の同様の増殖も、これらの一つに数えられる。
用いられる「個体」という用語は、癌に罹患し得る任意の種類の個体を含む。かかる個体の例はヒト及び動物、並びにそれらの細胞である。
用いられる「個体の免疫付与に好適な量」という用語は、上記の説明が適用され、個体に免疫性を与えることのできる、本発明の断片の任意の量を含む。その量は例えば、免疫付与が予防的処置を目的とするか、又は治療的処置を目的とするかに応じて異なる。加えて、個体の年齢、性別及び体重も量の決定に影響を与える。個体に100μg〜1gのp16断片を注射によって与えることが好都合である。注射は個体の様々な部位で筋肉内、皮下、皮内に、又は任意の他の適用形態で行うことができる。ほぼ等量の1回又は複数回の「ブースター注射」を行うことも好都合であり得る。この場合、それぞれの細胞周期調節タンパク質の種々の断片を個々の注射に使用することが特に好都合であり得る。
用いられる「一般的な助剤」という用語は、個体に免疫性を与える医薬組成物に好適な任意の助剤を含む。かかる助剤は例えば、GM−CSF又はフロイントアジュバント等の免疫アジュバント(immunization adjuvants)、緩衝食塩溶液、水、油/水エマルション等のエマルション、湿潤剤、滅菌溶液等である。
本発明を用いて、個体、特にヒト及び動物に免疫性を与えることが可能である。免疫付与は、抗体の誘導及びT細胞の刺激の両方によって行われる。これにより、前がん状態、新生物及び癌に対する予防的及び治療的な措置を講じることが可能である。
本発明を下記の実施例によって説明する。
実施例1
HPV関連新生物を有する患者におけるp16INK4aペプチドに対するT細胞反応性
HPV関連腫瘍を有する患者が、強く過剰発現したp16INK4aに対してT細胞応答を惹起するか否か、及びその程度を評価するために、p16INK4a抗原に対する免疫応答の詳細な特性化を可能にする種々の方法を適用した。子宮頸がん患者におけるp16INK4aに対する自発的免疫応答の研究結果は、一般的な抗原及び特定のp16INK4a断片の免疫原性を証明し、p16INK4a断片を用いてp16INK4a発現腫瘍を有する患者に免疫性を与えることの根拠を提供する。
p16INK4aを発現する高悪性度の子宮頸部異形成(CIN2/3)を有する13人の女性に由来する末梢血単核細胞(PBMC)を、p16INK4aペプチド(表1)とともにインキュベートし、p16INK4aペプチドによるチャレンジ後のリンパ球増殖能の包括的尺度としてBrdUアッセイを適用することによって、免疫細胞の増殖能を決定した。BrdUアッセイは、DNA合成時のチミジン類似体5−ブロモ−2’−デオキシウリジンの取り込みの測定に基づく、細胞増殖の定量化に適用される比色イムノアッセイである。10%ヒト血清を添加したIMDM培地中のPBMCを、96ウェルマイクロタイタープレート(平底)に、150000細胞/50μl/ウェルの密度で播種した。各々の4連(4 replicate)ウェル内の細胞を、7つのp16INK4aペプチド(表1)、陽性対照として破傷風トキソイド(20ng/ml、Calbiochem(La Jolla,CA))及びマイトジェンPHA−L(5μg/ml、Roche(Mannheim,Germany))の存在下(陰性対照では抗原の非存在下)で、37℃、5%CO2で6日間インキュベートした。6日目に、IMDM培地+10%ヒト血清で1:100に希釈した、10μl/ウェルのBrdU標識溶液(全てのBrdUアッセイ試薬は、Roche(Mannheim,Germany)によるCell Proliferation ELISA、BrdU(colorimetric)のものを使用した)を各々のウェルに添加し、更に18時間にわたって37℃、5%CO2でインキュベートした。7日目に、プレートを1200rpmで10分間遠心分離し、50μlの上清を取り出し、新たなV字底プレートに移し、最終的にサイトカイン分析のために−80℃で貯蔵した。残りの細胞を、ヘアドライヤーを用いて約15分間乾燥させ、150μl/ウェルのFixDenat溶液を細胞に添加し、30分間室温でインキュベートした後、FixDenatをはじき飛ばし、慎重にタッピングすることによって除去した。100μl/ウェルの抗BrdU−POD希釈標準溶液を添加し、室温で90分間インキュベートした後、除去して100μlのTMB基質に置き換え、これを室温で30分間インキュベートした。25μl/ウェルの1N HSOを添加することによって酵素反応を停止させ、光学密度(OD)を450nm(参照波長620nm)で測定した。陽性反応のカットオフを、抗原を含まない陰性対照ウェルにおけるODの3倍の標準偏差として設定した。試験した13人の女性のうち3人に由来するPBMCが、p16INK4aペプチドに応答した増殖を示し、ペプチドとのインキュベーションが増殖性記憶T細胞の応答を活性化したことが示された。全体として、応答を誘導するペプチドのパターンは、不均一であり、p16抗原における様々なT細胞エピトープを示した。1人の患者がペプチドp16INK4a_18−44、p16INK4a_37−63、p16INK4a_73−107及びp16INK4a_123−156に対する応答、1人の患者がペプチドp16INK4a_51−80及びp16INK4a_98−128に対する応答、1人の患者がペプチドp16INK4a_1−25及びp16INK4a_37−63に対する応答を示した(図4)。
特定のp16断片が、Th1応答の1つの兆候であるインターフェロンγの分泌を誘導することが可能であると証明するために、侵襲性子宮頸がん、及び強いp16INK4a過剰発現を有する高悪性度の前がん病変(CIN2/3)を有する23人の患者に由来するT細胞を、インターフェロンγ ELISpotアッセイにおいて7つのp16INK4aペプチド(表1)に対して試験した。T細胞を、ヘパリン添加血からFicoll遠心分離、プラスチック接着法及び抗体結合磁気ビーズ(CD11、CD16、CD19、CD36、CD56、汎T細胞単離キット(Milteny(Bergisch Gladbach,Germany))を用いて分離した。樹状細胞を、プラスチック接着細胞をIL4及びGM−SCF(各々1000U/ml)とともに7日間培養することによって生成し、ELIspotにおいて抗原提示細胞として使用した。各々10個のT細胞を、2×10個の樹状細胞によって提示されたそれぞれのペプチドによる短期間(2日間〜5日間)のin vitro前感作後に試験した。
7人の子宮頸がん患者におけるバックグラウンド(陰性対照ウェルにおけるスポットの2倍+それぞれのp16INK4aペプチドに対する反応性の2標準偏差)を減算すると、p16INK4a_37−63ペプチドに対して反応するT細胞(CD4又はCD8)を同定することができた(図2)。
実施例2
p16INK4aペプチドによる健常ドナーT細胞のin vitroプライミング
各々が7個〜13個のアミノ酸オーバーラップを有する、p16INK4aアミノ酸配列の全体をカバーする7つの長鎖25mer〜35merペプチドを試験して、in vitroで健常ドナーからインターフェロンγ分泌T細胞を誘導することが可能なp16INK4a断片を規定した(表1)。
Figure 0006238477
p16INK4a断片が健常ドナーT細胞をin vitroで刺激して、インターフェロンγを分泌させ、最も免疫原性の高いp16INK4a由来エピトープを同定することができることを示すために、健常ドナーの末梢血から単離されたT細胞が、in vitroでこれらのp16INK4aペプチドによって刺激され得るか否かを調査した。p16INK4aペプチドが細胞培養実験において特異的なT細胞応答を誘導することが可能である場合、いわゆるELISpot実験において、T細胞は、それぞれのp16INK4aペプチドでチャレンジするとサイトカインを分泌する。ELISpotアッセイでは、その後の呈色反応を用いて、サイトカイン(インターフェロンγ)を特異的な抗体によって検出することができる。
末梢血単核細胞(PBMC)を、1人の健常ドナーのヘパリン添加血(100ml)からFicoll Plaque密度勾配遠心分離によって単離した。5×10〜10×10個のPBMCを、プラスチック接着法及び抗体結合磁気ビーズ(CD11、CD16、CD19、CD36、CD56、汎T細胞単離キット、Milteny(Bergisch Gladbach,Germany))によって単球及びT細胞に分離した。単球を7日間にわたってGM−CSF及びIL−4(各々1000U/ml)とともに培養し、抗原提示樹状細胞を生成した。
2×10個のT細胞を、p16INK4aペプチド(10μg/ml)で事前にパルスした2×10個の樹状細胞とともに4時間インキュベートして、抗原の提示を達成した。7つのp16INK4aペプチドの各々について、別個の刺激アプローチを行った。
5週間にわたって7日毎に、T細胞をp16INK4aペプチドでパルスした樹状細胞によって再刺激し、IL−2及びIL−7(10U/ml)で処理した。
p16INK4aペプチドに特異的なT細胞応答を、インターフェロンγ ELISpotアッセイにおいて刺激前(0日目)及び最後の刺激後(35日目)に測定した。ELISpotアッセイについては、96ウェルニトロセルロースプレート(MilliporeのMAHA N4550)を、0.75ug/ウェルの濃度の抗インターフェロンγ抗体1−D1K(Mabtech(Nacka Strand,Sweden))でコーティングした。各々10個のT細胞を、2×10個の樹状細胞によって提示されたそれぞれのペプチドを用いて試験した。37℃で12時間のインキュベーションの後、分泌されたインターフェロンγの検出を、ビオチン化二次抗インターフェロンγ抗体7BG−1(Mabtech)、ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート及びBCIP/NBT基質溶液(Sigma Aldrich(St. Louis,USA))を用いた検出によって達成した。
0日目では、7つのp16INK4aペプチドのいずれに対する反応性も検出可能でなく、陽性対照として使用したウイルスペプチドミックス(CEF=CMV及びEBV及びflu)に対してのみ反応性が検出可能であったが、35日目では、ペプチドp16INK4a_37−63、p16INK4a_51−80及びp16INK4a_73−104で刺激したT細胞が、それぞれのp16INK4aペプチドでパルスした標的細胞に対して試験した場合に、ELISpotにおいてインターフェロンγ分泌の増大を示し、残りのp16INK4aペプチドでパルスした細胞に対して試験した場合にはこれは示されなかった(図1)。
実施例3
p16INK4a反応性T細胞による子宮頸がん細胞株の溶解
p16INK4aを発現する子宮頸がん細胞を溶解する活性化T細胞の能力を、種々の子宮頸がん細胞株、及び標的としてp16INK4aペプチドを負荷したHLA適合B細胞を用いたクロム放出アッセイによって試験した。10×6個の標的細胞(ペプチドを負荷したHLA適合B細胞、ペプチドを含まないB細胞)を、51Cr(100μCi)とともに、その後、ELIspotアッセイにおいてペプチドp16INK4a_37−63を負荷した標的細胞に対して反応した1人の代表的な子宮頸がん患者に由来する種々の比率のT細胞とともに1時間インキュベートした。T細胞による標的細胞の特異的な溶解は、放出された放射能の検出によって測定することができる。
ELIspotアッセイにおいてペプチドp16INK4a_37−63を負荷した標的細胞に対して反応した子宮頸がん患者のCD8+ T細胞が、p16INK4a_37−63ペプチドを負荷したHLA適合B細胞、並びに子宮頸がん細胞株HeLa及びCaski(どちらもHPV及びp16INK4aに陽性)を溶解することが可能であるが、p16INK4a_37−63ペプチドを含まない同じHLA適合B細胞、並びに他のHPV及びp16INK4aに陰性の細胞株では溶解を検出することができないことを示すことができた(図3)。これらの結果は、p16INK4aペプチド特異的T細胞の細胞傷害活性を実証し、p16INK4aエピトープが子宮頸がん細胞上に提示され、患者のp16INK4a反応性T細胞クローンによって認識されることを実証する。
実施例4
p16INK4aに対する体液性免疫応答
900個を超える血清の分析から、一部の個体が、p16INK4a由来エピトープに特異的に結合する抗体を生じ(図4)(Reuschenbach et al., 2008)、体液性免疫応答を誘導するp16INK4aの能力を示すことが更に実証された。
さらに、in vitroでT細胞による最も強いインターフェロンγ分泌を誘導するようであったペプチドp16INK4a_37−63に対しても、抗体を血清中で検出することができることが実証された。子宮頸がん、小細胞肺がん、頭頸部がんを有する患者及び健常個体に由来する合計で374個の血清を、ペプチドELISAにおいて試験した。ペプチド(20ug/ml)を、96ウェルマイクロタイタープレート(Maxisorp、Nunc(Roskilde,Denmark))に4℃で一晩コーティングし、非特異的結合部位を0.5%カゼインでブロッキングし、血清をペプチドに対する抗体について1:100で試験した。結合した血清抗体を、HRP結合抗ヒトIgG抗体(Jackson Immuno(West Grove,USA))及びTMB基質(Sigma Aldrich(St. Louis,USA))によって検出した。バックグラウンドによって正規化した光学密度のカットオフ(0.03)で、試験した血清の15%(56/374)がp16INK4a_37−63に対する抗体を有していた。
まとめると、これらの観察から、HR−HPVによって誘導される異形成又は新生物を患う患者が、抗p16INK4a免疫応答を生じることが可能であると実証される。この免疫応答によってHR−HPV形質転換細胞を排除することが可能であれば、p16INK4a抗原が、p16INK4a発現新生物(前がん状態)、特にHR−HPV誘導腫瘍を予防及び/又は治療する今後のワクチンにとって非常に魅力的な候補となり得る。
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配列表
SEQUENCE LISTING

<110> Ruprecht-Karls-Universitat Heidelberg

<120> p16INK4a derived peptides for prophylaxis and therapy of HPV-associated tumors and other p16INK4a expressing tumors

<160> 7

<170> BiSSAP 1.0

<210> 1
<211> 25
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..25
<223> /mol_type="protein"
/note="a1 (p16INK4a_1-25)"
/organism=null

<400> 1
Met Glu Pro Ala Ala Gly Ser Ser Met Glu Pro Ser Ala Asp Trp Leu
1 5 10 15
Ala Thr Ala Ala Ala Arg Gly Arg Val
20 25

<210> 2
<211> 27
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..27
<223> /mol_type="protein"
/note="a2 (p16INK4a_18-44)"
/organism=null

<400> 2
Thr Ala Ala Ala Arg Gly Arg Val Glu Glu Val Arg Ala Leu Leu Glu
1 5 10 15
Ala Gly Ala Leu Pro Asn Ala Pro Asn Ser Tyr
20 25

<210> 3
<211> 27
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..27
<223> /mol_type="protein"
/note="a3 (p16INK4a_37-63)"
/organism=null

<400> 3
Leu Pro Asn Ala Pro Asn Ser Tyr Gly Arg Arg Pro Ile Gln Val Met
1 5 10 15
Met Met Gly Ser Ala Arg Val Ala Glu Leu Leu
20 25

<210> 4
<211> 30
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..30
<223> /mol_type="protein"
/note="a4 (p16INK4a_51-80)"
/organism=null

<400> 4
Val Met Met Met Gly Ser Ala Arg Val Ala Glu Leu Leu Leu Leu His
1 5 10 15
Gly Ala Glu Pro Asn Cys Ala Asp Pro Ala Thr Leu Thr Arg
20 25 30

<210> 5
<211> 32
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..32
<223> /mol_type="protein"
/note="a5 (p16INK4a_73-104)"
/organism=null

<400> 5
Ala Asp Pro Ala Thr Leu Thr Arg Pro Val His Asp Ala Ala Arg Glu
1 5 10 15
Gly Phe Leu Asp Thr Leu Val Val Leu His Arg Ala Gly Ala Arg Leu
20 25 30

<210> 6
<211> 31
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..31
<223> /mol_type="protein"
/note="a6 (p16INK4a_98-128)"
/organism=null

<400> 6
His Arg Ala Gly Ala Arg Leu Asp Val Arg Asp Ala Trp Gly Arg Leu
1 5 10 15
Pro Val Asp Leu Ala Glu Glu Leu Gly His Arg Asp Val Ala Arg
20 25 30

<210> 7
<211> 35
<212> PRT
<213> null

<220>
<221> SOURCE
<222> 1..35
<223> /mol_type="protein"
/note="a7 (p16INK4a_123-156)"
/organism=null

<400> 7
Gly His Arg Asp Val Ala Arg Tyr Leu Arg Ala Ala Ala Gly Gly Thr
1 5 10 15
Arg Gly Ser Asn His Ala Arg Ile Asp Ala Ala Glu Gly Pro Ser Asp
20 25 30
Ile Pro Asp
35

Claims (10)

  1. サイクリン依存性キナーゼ阻害因子p16INK4の断片であって、p16INK4aに対する免疫応答を誘導することが可能であり、
    LPNAPNSYGRRPIQVMMMGSARVAELL
    からなる、サイクリン依存性キナーゼ阻害因子p16INK4の断片。
  2. 請求項1に記載の断片をコードする配列を有する核酸。
  3. 請求項2の核酸を含有するベクター。
  4. 前記ベクターがプラスミド又はウイルスベクターである、請求項に記載のベクター。
  5. 前記ウイルスベクターがポックスウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルス由来のベクター、又はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである、請求項に記載のウイルスベクター。
  6. 前記ポックスウイルスがワクシニアウイルス、NYVAC、アビポックスウイルス、カナリア痘ウイルス、ALVAC、鶏痘ウイルス又はTROVACである、請求項に記載のウイルスベクター。
  7. 請求項1に記載の断片を含有する医薬組成物。
  8. 請求項2に記載の核酸を含有する医薬組成物。
  9. 請求項3〜6のいずれか一項に記載のベクターを含有する医薬組成物。
  10. 免疫アジュバンドを更に含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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