JP6237393B2 - 粘着剤および粘着シート - Google Patents
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Description
タッチパネルの作動原理としては、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式等、種々の方式があるが、それらの中でも静電容量方式のタッチパネルは、実用性に優れるため広く用いられている。当該方式は、指先でのディスプレイ表面へのタッチした際の、そのポイントにおける、指先と導電膜との間の静電容量の変化を感知して作動するものである。
周波数100kHzにおける誘電率が3.5以下である粘着剤層を形成可能である。
周波数100kHzにおける誘電率が3.5以下である粘着剤層を形成可能である。
本発明の粘着剤は、基材または剥離性シート上に塗工することで粘着剤層を形成し、粘着シートとして使用することが好ましい。
2−エチルヘキシルアクリレートと(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)の使用により誘電率の上昇を抑制しながらTgを下げることで低極性部材(低極性被着体)に対する濡れが向上し、粘着力が向上することに加え、分岐したアルキル基による立体障害効果により、ポリマー鎖の分子運動が抑制され、粘着剤層が電気的に分極しにくくなることで誘電率を下げる効果が得られると推測している。
これらの中でもイソオクチルアクリレート等が好ましい。
具体的には、例えば、「シクロヘキシル基」も、「3−メチルシクロヘキシル基」も、本発明においては共に「炭素数6の脂肪族環状置換基」と定義される。
なお、環を形成する原子として、炭素原子と共に炭素原子以外の原子(いわゆるヘテロ原子)が存在してもよいが、それらについても、もちろんのこと、上記計数からは除外される。
イソボルニル骨格を有するイソボルニル(メタ)アクリレート;
ヘテロ環を有する単量体として、フタルイミド骨格を有するN−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドやN−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3―メチルヘキサヒドロフタルイミド、モルフォリン環を有する(メタ)アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリル環を有するテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリンおよびN−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドが好ましい。
前記他のモノマーは、炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数4〜9の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、およびビニルモノマーが好ましい。
炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
炭素数4〜9の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル等が挙げられる。
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有モノマー;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含有モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有単量体およびその無水物;
(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有エチレン性不飽和単量体;
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子含有エチレン性不飽和単量体;
メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびそれらのアルキレンオキサイド付加物;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアリールオキシアルキル(メタ)アクリレートおよびそれらのアルキレンオキサイド付加物;
ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族系(メタ)アクリレート;
スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体;
酢酸ビニル、酢酸プロピル等のビニルエステル系単量体;
ビニルエーテル化合物、α−オレフィン等が挙げられる。
他のビニルモノマーは、本発明の課題を解決できる範囲内であれば単独はらは2種類以上を適宜使用できる。
本発明の粘着シートは、光学部材を使用することで液晶ディスプレイ(特にタッチパネル用途)を構成する部材として使用できる。
また、「Mn」は数平均分子量を、「Mw」は重量平均分子量をそれぞれ表す。
・装置:島津製作所製、LC−GPCシステム「Prominence」
・カラム:東ソー(株)製GMHXL4本、東ソー(株)製HXL-H1本を直列に連結
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・カラム温度:40℃
・流量:1.0ml/min
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置に窒素雰囲気下、2−エチルヘキシルアクリレート25部、イソノニルアクリレート15部、シクロヘキシルアクリレート10部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.25部、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを適量、さらに溶剤として酢酸エチルを仕込んだ。溶液温度が80℃になるまで加熱した。
次いで、滴下管に2−エチルヘキシルアクリレート25部、イソノニルアクリレート15部、シクロヘキシルアクリレート10部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.25部、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを適量、さらに溶剤として酢酸エチルを仕込んだ。
前記反応装置を溶液温度が80℃になるまで加熱し、反応装置内で反応が開始したことを確認後、前記滴下管から溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を約80℃に保持し5時間反応を継続した後、冷却を開始した。次いで酢酸エチルで希釈し、不揮発分を40%に調整した。これにより重量平均分子量は90万の重合体(A1)溶液を得た。
モノマーの種類および配合量(部)を表1に記載した通りに変更した以外は、製造例(A1)と同様に行うことで、重合体(A2)〜(A13)溶液を得た
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
i−NA:イソノニルアクリレート
i−OA:イソオクチルアクリレート
i−BA:イソブチルアクリレート
n−BA:n−ブチルアクリレート
i−DA:イソデシルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
ACMO:アクリロイルモルフォリン
IBOA:イソボルニルアクリレート
PIEA:N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド
重合体(A1)の溶液250部(不揮発分:100部相当)に対して、イソシアネート硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(以下、HDIもヌレート体という)0.7部、およびシランカップリング剤であるKBM−303(信越化学製)0.5部を配合して粘着剤を得た。
得られた粘着剤を、コンマコーターを使用して、剥離ライナー(厚さ38μm)上に塗工し、100℃で2分間乾燥させ、厚み25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層に別の剥離ライナーを貼り合せ、室温にて7日間エージングさせ、キャスト粘着シートを得た。
実施例1の配合を表2および表3に示す配合に変更した以外は実施例1と同様に行うことでそれぞれキャスト粘着シートを得た。
得られたキャスト粘着シートを幅25mm×長さ100mmの大きさに準備し試験用粘着シートを作製した。前記試験用粘着シートの一方の剥離性シートを剥がし、露出した粘着剤層を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという、製品名:A−4300、東洋紡績社製)に貼り合わせた。次いで試験用粘着シートの他方の剥離性シートを剥がし、23℃−50%RH雰囲気下で粘着剤層をガラス板に貼付け、JIS Z−0237に準じてロールで圧着した。圧着から24時間経過後、万能引張試験機にて粘着力(剥離角180°、剥離速度300mm/分;単位N/25mm幅)を測定した。
別途、被着体をガラス板から、COP、ITO/PETフィルムにそれぞれ代えて前記同様に粘着力を測定した。なおITO/PETフィルムは、酸化インジウムスズ(ITO)を蒸着したPETフィルムであり、ITO蒸着面に試験用粘着シートを貼り付けた。評価は以下の通り粘着力により接着性を評価した。
〇:粘着力が5.0N/25mm以上。(良好)
△:粘着力が1.0N/25mm以上、5.0N/25mm未満。(実用可)
×:粘着力が1.0N/25mm未満。(不良)
キャスト粘着シートを幅25mm×長さ100mmの大きさに準備し試験用粘着シートを作製した。前記試験用粘着シートの一方の剥離性シートを剥がし、露出した粘着剤層を厚さ100μmのPETフィルムに貼り合わせた。次いで、試験用粘着シートの他方の剥離性シートを剥がし、23℃−50%RH雰囲気下でガラス板にラミネーターを用いて貼着し、85℃−90%RHの環境下に240時間放置した。その後23℃−50%RHの雰囲気下で24時間冷却した後、Turbidimeter NDH5000W(日本電色工業社製)を使用してHAZE(ヘイズ)を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:HAZEが1.0未満(透明性良好)。
△:HAZEが1.0以上、3.0未満(透明性やや良好)。
×:HAZEが3.0以上(透明性不良)。
誘電率の測定方法を図1を元に説明する。得られたキャスト粘着シートを幅100mm×長さ100mmの大きさに準備し試験用粘着シートを作製した。前記試験用粘着シートの一方の剥離性シートを剥がし、露出した粘着剤層4をガラス板6に形成したアルミニウム蒸着層3Cに貼り合わせた。次いで、試験用粘着シートの他方の剥離性シートを剥がし、露出した粘着剤層4のアルミニウム蒸着層3Cと接していない面にアルミニウム蒸着層3Aおよび3Bを形成することで誘電率測定サンプル1を得た。次いで誘電率測定サンプル1の測定端子接続部5に測定装置7の接続端子2Aを接続し、アルミニウム蒸着層3Aに接続端子2Bを接続した。そして下記の条件で誘電率を測定した。なお評価基準は下記の通りである。
アンプ:英国ソーラトロン社製1296型誘電率測定インターフェイス
電極構成:21mmΦ、40nmの厚みのアルミ蒸着層
対向電極:21mmΦ、40nmの厚みのアルミ蒸着層
交流電流:100mV
端子:ピンプローブ
周波数:100kHz
測定環境:23℃−50%RH
試料の厚み:25μm
(評価基準)
○:誘電率が3.0以下。(良好)
△:誘電率が3.0より大きく、3.5以下。(実用可)
×:誘電率が3.5より大きい。(不良)
前記<透明性>の項で作製した測定試料を、85℃−90%RHの環境下に240時間放置した。その後23℃−50%RHの雰囲気下で24時間冷却した後、粘着剤層における気泡の発生の有無、および粘着シートの浮きや剥がれの有無を以下の条件で目視評価した。
○:気泡、浮きおよび剥がれが全く見られない
△:気泡、浮きおよび剥がれがわずかに見られた
×:気泡、浮きおよび剥がれが多数見られた
得られたキャスト粘着シートを幅40mm×長さ100mmの大きさに準備し試験用粘着シートを作製した。前記試験用粘着シートの一方の剥離性シートを剥がし、露出した粘着剤層を厚さ100μmのPETフィルムに貼り合わせた。次いで試験用粘着シートの他方の剥離性シートを剥がし、露出した粘着剤層を23℃−50%RH雰囲気下で、ITOにより透明導電膜が形成された幅40mm×長さ160mmのPETフィルムの透明導電膜上に、ラミネーターを用いて貼着し積層体を得、ローレスターGP(型番MCP−T600、三菱化学社製)を使用してその抵抗値を測定した。
次いで、前記積層体を85℃−90%RHの環境下に1000時間放置し、その後再度抵抗値を測定した。前記放置前後における抵抗値の変化率を算出することにより透明導電膜の耐腐食性を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:抵抗値の変化率が150%未満。良好。
×:抵抗値の変化率が150%以上。実用不可
2A 測定端子
2B 測定端子
3A アルミニウム蒸着層
3B アルミニウム蒸着層
3C アルミニウム蒸着層
4 粘着剤層
5 測定端子接合部分
6 ガラス板
7 測定装置
Claims (3)
- 2−エチルヘキシルアクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート以外の炭素数4〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)と、炭素数4〜10の脂肪族環状置換基を有するモノマー(b)とを含むモノマー混合物を重合してなる重合体(A)を含有し、
周波数100kHzにおける誘電率が3.5以下である粘着剤層を形成可能な粘着剤。 - モノマー(b)が、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドおよびシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれるいずれかである請求項1記載の粘着剤。
- 基材と、請求項1または2に記載の粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを備えた粘着シート。
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