JP6236939B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御に関する。
ディーゼルエンジンの燃料噴射制御として、主噴射に先立って予備噴射を行なうものが知られている。ところで、ディーゼルエンジンでは、筒内圧が低いほど燃料噴霧の貫徹力が強くなる。したがって、例えば過給機付きディーゼルエンジンにおいて、加速時等の過渡運転時に実過給圧が目標過給圧よりも低い状態にもかかわらず、目標過給圧に基づいて設定した燃料量を予備噴射すると、目標過給圧の状態で予備噴射した場合に比べて燃料噴霧が拡散する。これにより、予備噴射による燃料噴霧の空気過剰率が、目標過給圧での定常運転時における空気過剰率に比べてリーン化して燃焼し難くなり、失火に至るおそれがある。また、予備噴射による燃料噴霧がリーン化すると、主噴射開始時の筒内温度が定常運転時に比べて低くなり、主燃焼の着火遅れ期間が長くなる。その結果、予混合燃焼割合が増大して燃焼騒音が悪化するおそれがある。
これに対して特許文献1には、失火を防止するために、実過給圧の上昇が遅れることによって目標過給圧と実過給圧との差圧が閾値を超えた場合には、予備噴射量を増量する制御が記載されている。
特開2013−36334号公報
しかしながら、上記文献のように予備噴射量を増量することで、過渡運転時における予備噴射の燃料噴霧の空気過剰率を定常運転時と同等に保つと、生成される煤の量が増加して排気が悪化するおそれがある。そこで本発明では、煤の生成量を増加させることなく燃焼騒音の悪化を抑制し得る制御装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、主噴射に先立って予備噴射を行なうディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置が提供される。ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置は、主噴射により噴射された燃料の着火遅れ期間を推定する着火遅れ推定手段を備え、着火遅れ期間が無い場合は予備噴射を分割せず、着火遅れ期間が有る場合は、着火遅れ期間に応じて、貫徹力を低下させかつ複数回に分割して予備噴射を行う。そして、分割した各予備噴射の噴射量の合計は、着火遅れ期間が無く分割せずに予備噴射を行なった場合の噴射量と等しい。
上記態様によれば、貫徹力を低下させかつ分割して予備噴射を行うことにより、予備噴射された燃料の着火遅れ期間中における拡散が抑制されるので、主噴射開始時の燃焼温度の低下が抑制される。これにより、実過給圧が目標過給圧より低い過渡状態のように着火遅れ期間が生じる場合においても、燃焼騒音の悪化を防止することができる。また、着火遅れ期間中における燃料噴霧の拡散によって低下する主噴射開始時の燃焼温度を補填するために増量する予備噴射量を抑制できるので、煤の生成量を抑制できる。
図1は、本発明の実施形態を適用するディーゼルエンジンの構成図である。 図2は、筒内の燃料噴霧分布の時間履歴を示す図である。 図3は、雰囲気圧ごとの燃料噴霧到達距離の特性図である。 図4は、予備噴射の分割の可否を決定するためのフローチャートである。 図5は、予備噴射の分割制御のフローチャートである。 図6は、噴射形態ごとの燃料噴霧到達距離の特性図である。 図7は、分割した予備噴射のタイミングを示すタイミングチャートである。 図8は、予備噴射を分割した場合のタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を適用するディーゼルエンジン1の概略構成図である。ディーゼルエンジン1は、燃料噴射弁11が燃焼室4に直接燃料を噴射する筒内直噴式であり、ピストン2の冠面にはキャビティ3が設けられている。また、ディーゼルエンジン1は排気エネルギで駆動されるターボ過給機10を備える。ターボ過給機10のタービン10Bは排気通路9に介装され、タービン10Bとシャフトを介して接続されているコンプレッサ10Aは吸気通路7に介装されている。コンプレッサ10Aで過給された空気は、インタークーラ8で冷却され、コレクタタンク6、吸気ポート5を介して燃焼室4へ流入する。なお、吸気ポート5にはスワールコントロールバルブ(以下、SCVともいう)14が、コレクタタンク6の入口には吸気絞り弁12が、それぞれ設けられている。
ディーゼルエンジン1には、エンジン回転速度を検出するクランク角センサ21と、コレクタタンク6内の圧力(以下、実過給圧ともいう)を検出する吸気圧センサ20とが設けられており、これらのセンサの検出値はコントローラ30に読み込まれる。コントローラ30には、上記センサの他に、アクセルペダル開度センサ22、冷却水温センサ23等の検出信号も読み込まれる。
コントローラ30は、各センサの検出値に基づいて、ターボ過給機10による目標過給圧の設定、燃料噴射制御、SCV14の制御等を行なう。例えば、目標過給圧をアクセルペダル開度とエンジン回転速度とに基づいて、マップ検索等により設定する。
なお、コントローラ30は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ30を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
ディーゼルエンジン1の燃料噴射機構は、いわゆるコモンレール式である。また、コントローラ30は、燃料噴射量を燃料噴射弁11の開弁時間、つまり燃料噴射時間で制御する。
次に、本実施形態の燃料噴射制御について説明する。
図2は、筒内の燃料噴霧分布の時間履歴を示す図である。なお、図2は上方から見た筒内を四分割した状態を示している。図2の上段は目標過給圧と実過給圧とが一致した状態(以下、定常状態ともいう)を、中段は実過給圧の上昇が遅れて目標過給圧と実過給圧との乖離が生じている状態(以下、過渡状態ともいう)で定常状態と同様の制御を行なう場合を、下段は過渡状態において本実施形態の制御を実行する場合を示している。
ディーゼルエンジン1の燃料噴射制御として、主噴射の前に予備噴射を行なう多段噴射が知られている。予備噴射を行なうと、主噴射により噴射された燃料の燃焼(以下、主燃焼ともいう)が開始する前の筒内温度が高まり、失火を防止できる。また、主噴射から主燃焼開始までの着火遅れ期間が長くなるほど、主燃焼による筒内圧の上昇が急峻になり、燃焼騒音が悪化する。しかし、予備噴射により主燃焼開始前の筒内温度を高めておくことで、着火遅れ期間を短くし、燃焼騒音の悪化を防止できる。本実施形態でも、予備噴射及び主噴射を行なう。
図2の上段に示すように、定常状態でピストン2のキャビティ3に向けて噴射された予備噴射の燃料噴霧は、空気と混合して混合気を形成しながらスワール流動によって図中時計回りに旋回する。そして、この混合気に向けて主噴射が行われる。このように、予備噴射により形成された混合気に主噴射の燃料噴霧が衝突することで、上述した予備噴射の効果が得られる。
そこで、コントローラ30は、混合気が主噴射の燃料噴霧が到達する範囲に存在するように、予備噴射を行なう。具体的には、図3に示すように雰囲気圧力が高くなるほど噴霧到達距離は短く、噴射開始からの時間が長くなるほど慣性力によって噴霧到達距離は長くなるという特性に基づいて、目標過給圧時の筒内圧に応じた燃料噴射時間を設定する。
なお、目標過給圧時の筒内圧は、コレクタタンク6内の圧力、エンジン回転速度、ディーゼルエンジン1の機械圧縮比等を用いる公知の方法で推定すればよい。
ところで、例えば加速時には、アクセルペダル開度センサ22及びクランク角センサ21の検出値に基づいて直ちに目標過給圧が設定されるのに対し、アクセルペダルが踏み込まれてから実過給圧が上昇するまでに遅れ時間が生じる。このため、実過給圧が目標過給圧よりも低い過渡状態が生じる。
このような過渡状態において、定常状態と同じ燃料噴射時間で予備噴射を行なうと、上述したように噴霧到達距離が長くなる(貫徹力が強くなる)。つまり、図2の中段に示すように、予備噴射の噴霧到達距離は定常状態に比べて長くなり、スワール流動によって、より広範囲に拡散する。その結果、定常状態に比べて混合気がリーン化し、主噴射開始時の筒内温度が定常状態に比べて低くなる。また、主噴射の燃料噴霧と混合気との空間的な乖離も生じる。これらの要因により、着火遅れ期間が生じて燃焼騒音が悪化するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、予備噴射を複数回に分割して、各予備噴射の噴射量を減少させる。つまり、予備噴射が一回の場合に比べて噴霧到達距離が短い予備噴射を複数回行う。
図2下段は予備噴射を二回に分割した場合を示している。上記のように予備噴射を分割することで、初回の予備噴射の燃料噴霧は、予備噴射が一回の場合よりも筒内中心側に形成される。この燃料噴霧は混合気を形成しながら慣性力等によって外周方向へ移動するが、二回目の予備噴射の燃料噴霧と重なることで、図2中段で説明したようなリーン化は抑制される。その結果、予備噴射による燃料噴霧の温度低下が抑制され、主噴射による燃料が遅れなく着火する。
以下、予備噴射の分割について、より詳細に説明する。
図4は、コントローラ30が実行する、予備噴射の分割を行なうか否かを決定するための制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、例えば数ミリ秒程度の短い間隔で繰り返し実行される。
ステップS1で、コントローラ30は吸気圧センサ20の検出値を実過給圧として読み込む。
ステップS2で、コントローラ30は、クランク角センサ21及びアクセルペダル開度センサ22の検出値に基づいて目標過給圧を設定する。
ステップS3で、コントローラ30は目標過給圧から実過給圧を減算した差圧を算出する。
ステップS4で、コントローラ30は差圧が予め設定した閾値以下か否かを判定し、閾値以下の場合はそのまま今回のルーチンを終了し、閾値より大きい場合はステップS5で予備噴射の分割制御のサブルーチンを実行する。
すなわち、差圧が閾値より大きい場合に、着火遅れ期間があると推定して予備噴射を分割する。これは、差圧が大きいということは実過給圧が低いということであり、実過給圧が低いほど噴霧到達距離が長くなって混合気がリーン化し、着火遅れ期間が長くなるという考えに基づく。一方、差圧が小さくなるほど着火遅れ期間の影響は小さくなるので、閾値以下の場合は厳密には着火遅れ期間はあるものの、これを無視して着火遅れ期間無しとして扱う。
なお、閾値はディーゼルエンジン1の圧縮比や燃料噴射圧等といったエンジンの仕様に応じて異なるので、仕様毎に設定する。
図5は、図4のステップS5で実行する、予備噴射の分割制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS21で、コントローラ30はBase噴霧到達距離を算出する。Base噴霧到達距離とは、目標過給圧時の筒内圧(以下、目標筒内圧ともいう)において、分割せずに予備噴射を行なった場合(以下、この予備噴射をBese予備噴射ともいう)の、主噴射開始までの間の噴霧到達距離である。
図3に示したように、筒内圧(雰囲気圧)が低いほど噴霧到達距離は長く、噴射開始からの時間が長くなるほど噴霧到達距離は長くなる、という特性がある。また、同一量の燃料を連続噴射した場合と分割噴射した場合では、図6に示すように、連続噴射した方が噴霧到達距離は長くなるという特性がある。これは、連続噴射では先に噴射された燃料が雰囲気ガスを押しのけ、後続の燃料は雰囲気ガスが押しのけられたところを進むため、雰囲気ガスの抵抗が小さくなって貫徹力が強くなるのに対し、分割噴射では各回とも同様に雰囲気ガスの抵抗を受けるからである。すなわち、燃料噴射時間を短く(燃料噴射量を少なく)すると、燃料噴霧の貫徹力が弱まる。また、燃料噴射圧が高いほど、噴霧到達距離が長くなる。
これらの特性に基づいて、目標筒内圧、予備噴射での噴射量、予備噴射開始から主噴射開始までの時間、及び燃料噴射圧をパラメータとしてBase噴霧到達距離を算出する。予備噴射の噴射量及び予備噴射開始から主噴射開始までの時間は、エンジン回転速度、負荷等の運転状態に基づいて定まる。目標筒内圧は、上述したように目標過給圧等に基づいて公知の方法で推定する。燃料噴射圧はコモンレール圧を読み込む。
ステップS22で、コントローラ30は予備噴射#1上限噴射量を算出する。予備噴射#1上限噴射量とは、主噴射に最も近いタイミングで行う予備噴射(以下、予備噴射#1ともいう)での噴射量の上限値である。より具体的には、目標過給圧より低い実筒内圧の雰囲気における噴霧到達距離が、Base噴霧到達距離と同じになる噴射量である。すなわち、本ステップでは、過渡状態における予備噴射#1の噴霧到達距離を、定常状態におけるBase予備噴射の噴霧到達距離と同等以下に抑えることができる燃料噴射量を算出する。同一噴射量の場合には雰囲気圧が低いほど噴霧到達距離は長くなってしまうので、予備噴射#1上限噴射量はBase予備噴射の噴射量(以下、Base予備噴射量ともいう)より少なくなる。
具体的には、実筒内圧、Base噴霧到達距離、予備噴射#1開始から主噴射開始までの時間、及び燃料噴射圧をパラメータとして算出する。ここで、予備噴射#1開始から主噴射開始までの時間は、Base噴霧到達距離の演算で用いた「予備噴射開始から主噴射開始までの時間」をそのまま用いる。実筒内圧は、実過給圧及びエンジン回転速度等から公知の方法で推定する。
ステップS23で、コントローラ30は、予備噴射#2上限噴射量を算出する。予備噴射#2上限噴射量とは、予備噴射#1の前に行う予備噴射(以下、予備噴射#2ともいう)での噴射量の上限値である。基本的には予備噴射#1上限噴射量と同様に、実筒内圧、Base噴霧到達距離、主噴射開始までの時間、及び燃料噴射圧をパラメータとして算出する。
ただし、主噴射開始までの時間は、予備噴射#1から主噴射開始までの時間に代えて、予備噴射#2から主噴射開始までの時間となる。すなわち、予備噴射#1の開始から主噴射の開始までの時間に、予備噴射#2開始から予備噴射#1開始までの時間を加算したものである。予備噴射#2開始から予備噴射#1開始までの時間は、予備噴射#1の噴霧が上述した雰囲気ガスの抵抗を受けるようになる時間、すなわち、予備噴射#1と予備噴射#2とが実質的な連続噴射にならないような時間を確保する。なお、燃料噴射弁11の機構上可能な最短の間隔で開閉しても、この条件を満たす。
ステップS24で、コントローラ30は、予備噴射#3を算出する。予備噴射#3上限噴射量とは、予備噴射#2の前に行う予備噴射(以下、予備噴射#3ともいう)での噴射量の上限値であり、予備噴射#2上限噴射量と同様に算出する。
なお、上記S21−S24は、予め各パラメータに割り付けたマップを作成しておき、これを検索するようにしてもよい。
ステップS25で、コントローラ30は、予備噴射#1での噴射量(予備噴射#1噴射量)を算出する。具体的には、予備噴射#1上限噴射量とBase予備噴射量とを比較し、少ない方を予備噴射#1噴射量とする。
すなわち、予備噴射#1では、噴霧到達距離の増大により燃料噴霧が広範囲に広がって混合気がリーン化する事態(以下、単に「リーン化する」ともいう)が生じない量を噴射する。なお、ステップS25で予備噴射量#1噴射量としてBase予備噴射量が選択された場合は、予備噴射を分割しないということになるので、後述するステップS26、S27の処理を省略できる。
ステップS26で、コントローラ30は、予備噴射#2での噴射量(予備噴射#2噴射量)を算出する。具体的には、予備噴射#2上限噴射量と、Base予備噴射量から予備噴射#1噴射量を減算したものとを比較し、少ない方を予備噴射#2噴射量とする。
すなわち、Base予備噴射量のうち予備噴射#1で噴射し切れない燃料のうち、リーン化を生じない量を予備噴射#2で噴射する。なお、本ステップにおいてBase予備噴射量から予備噴射#1噴射量を減算したものが予備噴射#2噴射量として設定された場合は、予備噴射を二分割すればBase予備噴射量の全部を噴射できるということなので、後述するステップS27の処理を省略できる。
ステップS27で、コントローラ30は、予備噴射#3での噴射量(予備噴射#3噴射量)を算出する。具体的には、予備噴射#3上限噴射量と、Base予備噴射量から予備噴射#1噴射量及び予備噴射#2噴射量を減算したものとを比較し、少ない方を予備噴射#3噴射量とする。すなわち、ステップS26と同様の考えからにより、予備噴射#1、予備噴射#2で噴射し切れなかった燃料のうち、予備噴射#3で噴射できる量を設定する。
なお、本実施形態では予備噴射の分割回数を最大で3回と想定し、予備噴射#1−予備噴射#3について上限噴射量および噴射量を算出しているが、システム上実現可能な分割回数に応じて、さらに多くの予備噴射上限噴射量を算出してもよい。ただし、燃料噴射弁11の機構上可能な最小値噴射量や、一般に想定されるBase噴射量及び主噴射量を勘案すると、分割回数として3回まで想定しておけば十分である。
上記ステップS25−S27により、まず予備噴射#1にてリーン化の生じない燃料量が噴射され、Base予備噴射量のうち予備噴射#1で噴射し切れない分があれば予備噴射#2が行われ、予備噴射#2でも噴射し切れない分があれば、さらに予備噴射#3が行われる。
なお、本実施形態ではターボ過給機10を備える場合について説明したが、機械式過給機や電動過給機の場合も同様に適用できる。ただし、機械式過給機等の場合はターボ過給機10に比べて過給圧の応答遅れが短くなる。また、過給機を備えない場合でも、例えば運転状態に応じて目標コレクタタンク圧を設定する制御を行なうエンジンであれば適用可能である。
図7は、上記分割制御ルーチンにしたがって予備噴射を三分割する場合の、各噴射の通電パルス及び雰囲気圧の変動(ピストン位置の変化に伴う筒内圧の変動)を示すタイミングチャートである。横軸はクランク角である。なお、比較のため、定常状態で予備噴射を分割しない場合についても示している。
予備噴射を三分割する場合の予備噴射#1では、予備噴射#1上限噴射量が噴射されるが、これは分割しない場合のBase予備噴射量に比べて少ない。そこで、予備噴射#2、予備噴射#3により予備噴射#1で噴射できなかった分を噴射する。ただし、主噴射から遠くなるほど、主噴射開始までの時間が長く、雰囲気圧も低いので、予備噴射#2噴射量は予備噴射#1噴射量よりも少なくなり、同様に予備噴射#3噴射量は予備噴射#2噴射量よりも少なくなっている。
図8は、過渡状態から定常状態へ移行する場合のタイミングチャートである。なお、比較の為、Base予備噴射量についても記載してある。
タイミングT1でアクセルペダルが踏み込まれると、エンジン回転速度が上昇を開始し、また、目標過給圧が増大して実過給圧との差圧が生じる。なお、タイミングT1での差圧は閾値を超えているものとする。
エンジン回転速度の上昇に応じてBase予備噴射量が増大する。一方、予備噴射#1噴射量も増大するがBase予備噴射量に比べて少ない。ただし、Base予備噴射量に対して不足する分は、予備噴射#2、予備噴射#3により噴射される。
実過給圧の上昇にともなって予備噴射#1上限噴射量が増大するので、予備噴射#1噴射量はBase予備噴射量に近づく。これに伴い、予備噴射#2噴射量及び予備噴射#3噴射量は減少する。
そして、タイミングT3で目標過給圧と実過給圧との差圧が閾値以下となったら予備噴射の分割を終了する。このとき、予備噴射#1噴射量はBase予備噴射量と一致している。閾値は着火遅れ期間を無視し得る程度の差圧であるから、差圧が閾値となる時点で、予備噴射#1上限噴射量がBase予備噴射量と等しくなるからである。
なお、予備噴射#3噴射量は、タイミングT3より早いタイミングT2でゼロになる。これは、実過給圧の上昇に伴って予備噴射#1上限噴射量及び予備噴射#2上限噴射量が増大すると、予備噴射#3を行なわなくてもBase予備噴射量相当の燃料を噴射可能になるからである。
以上説明した本実施形態の作用効果をまとめると、次のようになる。
(1)コントローラ30は、着火遅れ期間を推定し、主噴射された燃料の着火遅れ期間が無い場合は予備噴射を分割せず、着火遅れ期間が有る場合は、着火遅れ期間に応じて、貫徹力を低下させ(噴射時間を短縮し)かつ複数回に分割して予備噴射を行う。予備噴射を、貫徹力を低下させかつ分割して行うことにより、予備噴射された燃料の着火遅れ期間中における拡散(混合気のリーン化)が抑制されて、主噴射開始時の燃焼温度の低下が抑制される。これにより、実過給圧が目標過給圧より低い過渡状態等においても、燃焼騒音の悪化を防止することができる。また、着火遅れによる混合気のリーン化によって低下する主噴射開始時の燃焼温度を補填するために増量する予備噴射量を抑制できるので、煤の生成量を抑制できる。
(2)予備噴射を分割して行う場合には、各予備噴射で噴射された燃料噴霧の主噴射が開始されるまでの到達距離が、着火遅れ期間が無い場合の予備噴射で噴射された燃料噴霧の主噴射が開始されるまでの到達距離と同等になるように、各予備噴射の貫徹力(噴射時間)を設定する。これにより、主噴射開始までの間の燃料噴霧の拡散を抑制できる。
(3)分割した各予備噴射の噴射量の合計は、着火遅れ期間が無く分割せずに予備噴射を行なった場合の噴射量と等しくなる。これにより、過渡状態における煤の発生を抑制できる。
(4)着火遅れ期間が長いほど予備噴射の分割回数が多くなる。これにより、着火遅れ期間が長くなる場合でも上述した効果を得ることができる。
(5)予備噴射量は、主噴射から離れるほど少なくなる。これにより、予備噴射による燃料噴霧の、主噴射開始までの拡散を抑制でき、結果的に主噴射開始時の温度低下を抑制できる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 ディーゼルエンジン
2 ピストン
3 キャビティ
6 コレクタタンク
10 ターボ過給機
11 燃料噴射弁
20 吸気圧センサ
21 クランク角センサ
30 コントローラ(燃料噴射制御装置、着火遅れ推定手段)

Claims (4)

  1. 主噴射に先立って予備噴射を行なうディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記主噴射により噴射された燃料の着火遅れ期間を推定する着火遅れ推定手段を備え、
    前記着火遅れ期間が無い場合は前記予備噴射を分割せず、
    前記着火遅れ期間が有る場合は、前記着火遅れ期間に応じて、貫徹力を低下させかつ複数回に分割して前記予備噴射を行い、
    分割した各予備噴射の噴射量の合計は、着火遅れ期間が無く分割せずに予備噴射を行なった場合の噴射量と等しくなることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記予備噴射を分割して行う場合には、各予備噴射で噴射された燃料噴霧の前記主噴射が開始されるまでの到達距離が、前記着火遅れ期間が無い場合の予備噴射で噴射された燃料噴霧の前記主噴射が開始されるまでの到達距離と同等になるように、各予備噴射の噴射時間を設定することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記着火遅れ期間が長いほど前記予備噴射の分割回数が多くなることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記予備噴射を分割する場合は、主噴射から離れるほど予備噴射量が少ないことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
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