JP6235853B2 - 回転変動試験機 - Google Patents

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本発明は、回転系に任意の回転変動を与えて、回転系に装着される防振装置の防振性能の評価や、エンジン補機に駆動力を伝達するベルトの耐久性の評価を行うための回転変動試験機に関するものである。
本発明は、回転系に装着される防振装置の防振性能の評価や、エンジン補機に駆動力を伝達するベルトの耐久性の評価を行うために、回転系に回転変動を与える従来の回転変動試験機としては、電動モータによって一定速度で回転する回転軸に、油圧アクチュエータや電磁ソレノイドなどによって回転変動を発生させるものや、電動モータの駆動を制御することによって、電動モータ自体で回転変動を発生させるものや、ユニバーサルジョイントの交角を利用して回転変動を発生させるものなどが知られている。
特開2005−265563号公報 特開昭63−1821号公報
しかしながら、回転軸に油圧アクチュエータや電磁ソレノイドなどによって回転変動を発生させるもの、あるいは電動モータ自体で回転変動を発生させるものの場合は、前者は複雑な校正装置を必要とし、後者は電動モータの駆動を制御するための制御系を必要とするため、装置が複雑化して高額になる問題がある。
ユニバーサルジョイントの交角を利用して回転変動を発生させるものは、簡素な構造にできる反面、回転変動の大きさや次数等の設定の自由度が小さく、汎用性が低いといった問題がある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、構造が簡素でしかも汎用性の高い回転変動試験機を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る回転変動試験機は、一定の角速度で回転可能な等速回転体と、この等速回転体にワンウェイクラッチを介して相対回転可能な状態に設けられた変速回転体と、この変速回転体に回転変動を与えるマス−クランク機構を備え、前記ワンウェイクラッチは、前記変速回転体が前記等速回転体に対して遅角差動状態になったときに前記等速回転体と前記変速回転体を回動連結するものであり、前記マス−クランク機構は、前記変速回転体に設けられたクランクと、反復変位可能なマスと、このマスと前記クランクとを連結するコンロッドからなるものである。
請求項1に記載の構成によれば、等速回転体は回転変動のない一定の角速度で滑らかに回転される一方、変速回転体には、その回転をマスの反復変位に変換するマス−クランク機構の慣性による回転2次の回転変動を生じる。変速回転体に生じる回転変動の大きさは、マスの慣性質量によって変更可能である。そしてこのような回転変動によって変速回転体が等速回転体に対して遅角差動状態になったときに、ワンウェイクラッチを介して等速回転体から変速回転体への回転トルクの伝達が行われる。
請求項2の発明に係る回転変動試験機は、請求項1に記載の構成において、変速回転体に動力伝達機構を介して出力回転体が連結されたものである。
請求項2に記載の構成によれば、変速回転体の有効径と出力回転体の有効径の比によって、変速回転体から動力伝達機構を介して出力回転体へ伝達される回転変動の回転次数が変化するので、この出力回転体に試験対象のサンプルを取り付けることによって、このサンプルに与える回転変動の回転次数を任意に設定することができる。
請求項3の発明に係る回転変動試験機は、請求項1又は2に記載の構成において、マス−クランク機構のクランクに、コンロッドとの結合位置と反対側に位置してカウンターウェイトを設けたものである。
請求項3に記載の構成によれば、コンロッドに作用する遠心力をその反対側のカウンターウェイトに作用する遠心力で相殺することによって回転バランスを図り、余計な曲げ振動などの発生を抑えることができる。
請求項4の発明に係る回転変動試験機は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、等速回転体が、等速回転駆動源側に駆動源側伝動ベルトを介して回転力を与えられるものである。
請求項4に記載の構成によれば、等速回転体が等速回転駆動源に直接結合されているものではないため、ワンウェイクラッチやマス−クランク機構などの構成部品に不具合を生じることによって回転がロックしてしまったような場合、等速回転駆動源に大きな負荷が作用して異常を生じることがないようにすることができる。
請求項5の発明に係る回転変動試験機は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、マス−クランク機構のマスは、その移動が略水平方向へ案内されたピストンからなるものである。
請求項5に記載の構成によれば、重力によって、変速回転体の回転に伴うマスの加速度が往動と復動とで異なる大きさになるのを防止することができる。
請求項6の発明に係る回転変動試験機は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、マス−クランク機構のマスは、一端側がコンロッドと結合され支軸を中心としてこの支軸を通る鉛直線の両側へ揺動可能な揺動体からなるものである。
請求項6に記載の構成によれば、請求項5と同様、重力によって変速回転体の回転に伴うマスの加速度が往動と復動とで異なる大きさになるのを防止することができるのに加え、コンロッドの両端で発生する慣性モーメントが、一方でクランクへ伝達され、他方で揺動体へ伝達され、すなわちクランクの回転軸に伝達された励振力と逆向きの力が揺動体の支軸に伝達されることによって、両者が打ち消し合うので、試験機全体の振動が抑制される。
請求項7の発明に係る回転変動試験機は、請求項6に記載の構成において、揺動体が、長手方向中間位置で支軸に取り付けられると共に一端側がコンロッドと結合された揺動アームと、この揺動アームの他端側に結合されたバランスマスからなり、前記アームにおける前記コンロッド又はバランスマスの結合位置を変更可能としたものである。
請求項7に記載の構成によれば、重量の異なる複数のバランスマスを用意しなくても、アームに対するコンロッド又はバランスマスの結合位置の変更によって、揺動体によるトルク反力及び慣性モーメントを調整することができる。
本発明に係る回転変動試験機によれば、回転変動のない一定の角速度で滑らかに回転される等速回転体によって、ワンウェイクラッチを介して差動可能な状態で回転力が伝達される変速回転体に、マス−クランク機構によって回転2次の回転変動を与えるものであるため、構造が簡素であり、しかも変速回転体に動力伝達機構を介して連結される出力回転体の有効径によって、出力回転体の回転変動の回転次数を任意に設定可能であるため、汎用性の高い回転変動試験機を提供することができる。
本発明に係る回転変動試験機の好ましい第一の実施の形態の全体構成を概略的に示す説明図である。 本発明に係る回転変動試験機の好ましい第一の実施の形態を示す要部断面斜視図である。 本発明に係る回転変動試験機の好ましい第一の実施の形態における等速プーリと変速プーリと出力プーリの回転数の実測結果を示す線図である。 本発明に係る回転変動試験機によって評価可能な防振装置の一例を示す断面図である。 本発明に係る回転変動試験機によって評価可能な防振装置の他の例を示す断面図である。 本発明に係る回転変動試験機の好ましい第二の実施の形態の全体構成を概略的に示す説明図である。 図6に示す状態からクランクが反時計方向へ略90度回転した状態を概略的に示す説明図である。 図7に示す状態からクランクが反時計方向へ略90度回転した状態を概略的に示す説明図である。 図8に示す状態からクランクが反時計方向へ略90度回転した状態を概略的に示す説明図である。
以下、本発明に係る回転変動試験機の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず図1は、この回転変動試験機の第一の実施の形態の全体構成を概略的に示すもので、基盤1に、不図示の電動モータの出力軸によって回転力が与えられる駆動源側プーリ2と、この駆動源側プーリ2の回転力が駆動源側伝動ベルト3を介して伝達される等速プーリ4と、この等速プーリ4に同軸的かつ相対回転可能な状態に設けられると共にスプリングクラッチ5を介して等速プーリ4の回転力が伝達される変速プーリ6と、この変速プーリ6に回転変動を与えるマス−クランク機構7と、前記変速プーリ6の回転力が出力側伝動ベルト8を介して伝達される出力プーリ9が配置されている。
詳しくは、基盤1は略鉛直に設置され、駆動源側プーリ2、等速プーリ4、変速プーリ6及び出力プーリ9は基盤1に対して垂直すなわち略水平な軸心の周りに回転されるものである。
等速プーリ4は請求項1に記載の等速回転体に相当するものであり、この等速プーリ4を回転させる不図示の電動モータは請求項4に記載の等速回転駆動源に相当するものであって、等速プーリ4は、図2に示すように、略水平な軸11にボールベアリング12を介して回転可能に支持され、図1に示す駆動源側伝動ベルト3を介して駆動源側プーリ2の回転力が伝達されることにより、軸11の軸心を中心として回転変動のない一定の角速度で滑らかに回転するようになっている。
変速プーリ6は請求項1に記載の変速回転体に相当するものであり、等速プーリ4と変速プーリ6との間に介在するスプリングクラッチ5は、請求項1に記載されたワンウェイクラッチに相当するものである。スプリングクラッチ5は、図2に示すように、変速プーリ6の内周側に配置されて円筒コイル状に巻かれており、一端に形成された係合突部5aが、等速プーリ4の円周方向一カ所に形成された係合切欠4aに係止され、他端(背面側の端部)は非固定で、マス−クランク機構7における後述のクランクホイール71の端面と摺動可能に当接される摺動端5bとなっている。
そしてこのスプリングクラッチ5は、係合突部5aに等速プーリ4から伝達される正回転方向のトルクと、摺動端5bがクランクホイール71と接触していることによる摩擦力によって捩り変形を受け、その捩り変形によって拡径させる方向のトルクを伝達し、その反対方向(捩り変形によって縮経させる方向)のトルクを遮断するものである。すなわち等速プーリ4の回転に対してクランクホイール71に遅角差動が生じた場合(クランクホイール71の回転速度が等速プーリ4の回転速度より遅くなった場合)に拡径変形して、スプリングクラッチ5の外周面が変速プーリ6の内周面に当接することによって等速プーリ4からの回転力を変速プーリ6に伝達し、等速プーリ4の回転に対してクランクホイール71に進角差動が生じた場合(クランクホイール71の回転速度が等速プーリ4の回転速度より速くなった場合)に縮経変形して、変速プーリ6の内周面に対して空転するように、螺旋の方向が設定されている。
変速プーリ6に回転変動を与えるマス−クランク機構7は、軸11に回転可能に支持されると共に変速プーリ6に複数のボルト74によって同心的に結合されたクランクホイール71と、図1に示すように、基盤1にブラケット75を介して両端が固定された水平な一対のガイドロッド76にその長手方向往復動可能に配置された往復動マスであるピストン72と、一端がクランクホイール71の外径部の円周方向一カ所にクランクピン71aを介して枢結されると共に、他端がピストン72にピストンピン72aを介して揺動可能に結合されたコンロッド73からなるものである。なお、クランクホイール71は請求項1に記載のクランクに相当するものである。
すなわちこのマス−クランク機構7は、クランクホイール71が変速プーリ6と一体に回転するのに伴い、このクランクホイール71の外径部にクランクピン71aを介して枢結されたコンロッド73の一端が円運動するのに対し、このコンロッド73を介して連結されたピストン72はガイドロッド76に案内されて水平方向へ反復的に直線運動するので、ピストン72が死点から中立点へ移動する過程では慣性力によってクランクホイール71(変速プーリ6)の角速度を加速するように作用し、中立点から死点へ移動する過程では慣性抵抗によってクランクホイール71(変速プーリ6)の角速度を減速させるように作用する。そしてこのような作用によって、クランクホイール71(変速プーリ6)に回転2次の回転変動を生じさせるものである。
また、クランクホイール71には、コンロッド73との結合位置(クランクピン71a)と反対側に位置して、カウンターウェイト77がボルト77aを介して取り付けられている。このカウンターウェイト77は、コンロッド73の振れ回りによって生じる遠心力を相殺することによって回転バランスを図り、曲げ振動などの発生を抑えるためのものである。
出力プーリ9は、フランジ91aにおいて基盤1に軸心が略水平となるように取り付けられた固定軸91に、不図示のボールベアリング等を介して回転可能に支持されており、出力側伝動ベルト8を介して変速プーリ6の回転変動を含む回転力が伝達されることにより、固定軸91の軸心を中心として、角速度が反復的に変化しながら回転するようになっている。この出力プーリ9には、試験対象の防振装置などのサンプルを取り付けるためのサンプル取付部92が設けられている。
図3は、上述の構成を備える第一の実施の形態の回転変動試験機における等速プーリ4と変速プーリ6と出力プーリ9の回転数の実測結果を示すものである。そしてこの回転変動試験機によれば、まず、不図示の電動モータによって駆動源側プーリ2を一定方向へ一定の角速度で回転させ、駆動源側伝動ベルト3を駆動すると、この駆動源側プーリ2を介して駆動源側プーリ2の回転力が伝達される等速プーリ4も、図3の線Aに示すように、回転変動のない一定の回転数(図示の例では1000rpm)で滑らかに回転される。
なお、当然ながら、電動モータの回転数は任意に調整することができる。
等速プーリ4の回転力は、スプリングクラッチ5を介して等速プーリ4と同軸上の変速プーリ6に伝達され、これによって変速プーリ6が回転すると、それに伴ってマス−クランク機構7が動作し、先に説明したように、ピストン72が死点から中立点へ移動する過程ではクランクホイール71の角速度が加速され、中立点から死点へ移動する過程ではクランクホイール71の角速度が減速され、このような加速と減速が繰り返されることで、図3の線Bに示すように、クランクホイール71と一体の変速プーリ6に、回転2次の回転変動が与えられる。
また、マス−クランク機構7におけるピストン72は、その移動がガイドロッド76によって水平方向へ案内されているので、重力によって、ピストン72の加速度が往動と復動とで変化してしまうのを避けることができる。
ここで、変速プーリ6の角速度がマス−クランク機構7の作用によって加速されて等速プーリ4より先行する進角差動時には、スプリングクラッチ5が縮径されてトルク伝達が遮断されるので、等速プーリ4は等速回転状態が維持され、また、変速プーリ6の角速度がマス−クランク機構7の作用によって減速されて等速プーリ4に対して遅角差動状態になった時点(図3におけるΔt)で、スプリングクラッチ5が拡径方向へ捩り変形を受け、等速プーリ4の回転力が変速プーリ6へ伝達される。このため図3に示す線Aと線Bの関係からも明らかなように、変速プーリ6の回転数は、等速プーリ4の回転数よりも高くなる。
変速プーリ6の回転変動を含む回転力は、出力側伝動ベルト8を介して出力プーリ9へ伝達され、これによって、出力プーリ9も角速度が反復的に変化しながら回転する。そして図示の例では、変速プーリ6の有効径よりも出力プーリ9の有効径が小さく、このため図3の線Bと線Cに示すように、変速プーリ6の回転数よりも出力プーリ9の回転数が高くなると共に、変速プーリ6の回転変動の次数が低くなる(図示の例では1.5次)。
また、この例とは逆に、変速プーリ6の有効径よりも出力プーリ9の有効径を大きくすれば、そのプーリ比によって、変速プーリ6の回転数よりも出力プーリ9の回転数が低くなると共に、変速プーリ6の回転次数が高次化されることになる。
したがって、サンプル取付部92に取り付けられる防振装置などの試験サンプルに対して、任意の次数の回転変動を与え、しかもその回転変動の大きさは、マス−クランク機構7におけるピストン72の慣性質量を調整することによって任意に設定することができるので、防振性能や耐久性の評価など、種々の試験に用いることができる。
試験サンプルとしては、例えば図4に示すような遠心振り子式ダイナミックダンパや、図5に示すようなトルク変動吸収ダンパや、不図示のフライホイールなどが挙げられる。
このうち、図4に示す遠心振り子式ダイナミックダンパ100は、振動数が回転数に比例して変化する遠心振り子103による吸振機構を備えるもので、例えば、内燃機関のクランクシャフトの端部に取り付けられる円盤状のハブ101と、このハブ101にその軸心Oから所定の半径の円周上の点Pを中心として揺動可能に設けられた複数の遠心振り子102とを備え、ハブ101にクランクシャフトの捩り振動が入力されると、各遠心振り子102が、点Pを中心としてハブ101の軸心Oと点Pとを通る直線Qの両側へ揺動し、その揺動によるトルクの方向が入力振動のトルクと逆向きとなることによって、特定の回転次数の振動に対する制振力を得るものである。
また、図5に示すトルク変動吸収ダンパ200は、内燃機関のクランクシャフトの端部に取り付けられるハブ201と、このハブ201に取り付けられたダンパゴム211及び環状質量体212で構成されるばね−質量系からなるダイナミックダンパ部210と、ハブ201又は環状質量体212にドライベアリング222を介して支持されると共にカップリングゴム223を介して連結されたプーリ本体221からなるフレキシブルカップリング部220を備え、クランクシャフトからハブ200へ入力されたトルクを、フレキシブルカップリング部220において、カップリングゴム223の変形作用によってトルク変動を吸収しながらプーリ本体221へ伝達すると共に、ダイナミックダンパ部210が、クランクシャフトの共振周波数域で捩り方向へ共振することによって、クランクシャフトの共振を動的吸収する制振機能を発揮するものである。
そして、第一の実施の形態に係る回転変動試験機によれば、変速プーリ6の回転変動は等速プーリ4よりも高回転域で発生するため、出力プーリ9のサンプル取付部92に、上述の遠心振り子式ダイナミックダンパ100やトルク変動吸収ダンパ200などの試験サンプルを取り付けることによって、出力プーリ9の回転変動を減少させることができる。したがって、サンプル取付部92に試験サンプルを取り付けない場合の出力プーリ9の回転変動と、サンプル取付部92に遠心振り子式ダイナミックダンパ100やトルク変動吸収ダンパ200などの試験サンプルを取り付けた場合の出力プーリ9の回転変動と、あるいは他の試験サンプルを取り付けた場合の出力プーリ9の回転変動を比較することで、これらの試験サンプルの性能を適切に評価することができる。
しかもこの回転変動試験機は、マス−クランク機構7によって強制的に回転変動を与えるものであるため、出力プーリ9に取り付ける試験サンプル自体によって回転変動の次数などが変化してしまうことはない。
また、この回転変動試験機によれば、上述の遠心振り子式ダイナミックダンパ100やトルク変動吸収ダンパ200などのような防振装置の性能評価のほか、回転変動によりベルトスリップを発生させてベルトの耐久性を検証する試験や、滑り軸受の耐久性試験などにも有用である。
また、上記構成の回転変動試験機によれば、駆動源は駆動源側プーリ2を回転させる不図示の電動モータのみであり、回転変動はマス−クランク機構7による往復動の慣性抵抗で得るものであるため、複雑なアクチュエータや制御系が不要であり、簡素な構造とすることができる。
なお、駆動源側プーリ2及び動源側伝動ベルト3を省略し、電動モータによって直接、等速プーリ4を回転させるようにすれば、さらに構造を簡素にすることができるが、図示の形態によれば、駆動源側プーリ2及び動源側伝動ベルト3を介して電動モータの回転力を等速プーリ4に伝達するように構成されているため、スプリングクラッチ5やマス−クランク機構7などの構成部品に不具合を生じることによって回転がロックしてしまったような場合、動源側伝動ベルト3に滑りを生じるので、電動モータに大きな負荷が作用して異常を生じることがないといった利点がある。
次に図6〜図9は、この回転変動試験機の第二の実施の形態の全体構成を概略的に示すもので、上述した第一の実施の形態と異なるところは、変速プーリ6に回転変動を与えるマス−クランク機構7のマスとして、ピストンによる往復動マスに代えて揺動体70を用いたことにある。
詳しくは、この揺動体70は、基盤1に軸心が略水平となるように取り付けられた支軸79に、長手方向中間位置において回転可能に取り付けられ、上側(一端側)がピン78aを介してコンロッド73と結合された揺動アーム78と、この揺動アーム78の下部(他端側)にボルト72bを介して着脱可能に結合されたバランスマス72Aからなる。バランスマス72Aは、揺動体70の重心G(図6参照)が、揺動体70の揺動中心(支軸79の軸心)よりも下側となるように、所要の重量を有するものとなっている。
揺動アーム78にはコンロッド73を結合するためのピン78aを挿通可能な取付孔78b、及びバランスマス72Aを結合するためのボルト72bを挿通可能な取付孔78cがそれぞれ複数開設されている。そして、これら複数の取付孔78b及び複数の取付孔78cは、支軸79の軸心からの距離が互いに異なっている。
また、支軸79の軸心と、揺動アーム78とコンロッド73との結合部(ピン78a)との距離、言い換えれば支軸79の軸心を中心とする前記結合部の揺動半径r(図7参照)は、図2に示す軸11の軸心を中心とする揺動アーム78とクランクホイール71との結合部(クランクピン71a)の回転半径よりも大きいものとなっている。したがって、支軸79の軸心と、複数の取付孔78bのうち支軸79に最も近い位置にある取付孔との距離、すなわち揺動アーム78とコンロッド73との結合部の最小揺動半径rminも、前記クランクピン71aの回転半径よりも大きいものとなっている。
そしてこのように構成することで、マス−クランク機構7は、クランクホイール71の外径部にクランクピン71aを介して枢結されたコンロッド73の一端が円運動するのに対し、上部がこのコンロッド73を介して連結された揺動体70の揺動アーム78は、クランクホイール71に同調して回り続けることなく、支軸79を中心としてこの支軸79を通る鉛直線の両側へシーソー状に反復的に揺動し、その慣性力によってクランクホイール71(変速プーリ6)に回転2次の回転変動を生じさせるものである。その他の部分は、基本的に第一の実施の形態と同様に構成することができる。
マス−クランク機構7の動作をさらに詳しく説明すると、クランクホイール71(変速プーリ6)が反時計方向へ回転している場合、図6に示すように、コンロッド73の一端(クランクピン71a)及び他端(ピン78a)が、共に時計の12時位置にある状態から、図7に示すように、回転によってコンロッド73の一端(クランクピン71a)が時計の9時位置へ移動する過程では、コンロッド73が図における左方向へ移動し、これに伴い、揺動アーム78は支軸79を中心として反時計方向へ揺動し、バランスマス72Aは図7に示す右側の死点へ向けて変位する。
そして図7に示す状態から、図8に示すように、回転によってコンロッド73の一端(クランクピン71a)が時計の6時位置へ移動する過程では、コンロッド73が図における右方向へ移動するので、それまで反時計方向へ揺動していた揺動アーム78は揺動方向が時計方向へ反転し、すなわちバランスマス72Aは図7に示す右側の死点位置で変位の方向がそれまでと逆向きになって左方向へ変位する。
そして図8に示す状態から、図9に示すように、回転によってコンロッド73の一端(クランクピン71a)が時計の3時位置へ移動する過程では、コンロッド73が引き続き図における右方向へ移動し、これに伴い、揺動アーム78は時計方向へ揺動し、バランスマス72Aは図9における左側の死点へ向けて変位する。
さらに図9に示す状態から、図6に示すように、回転によってコンロッド73の一端(クランクピン71a)が時計の12時位置へ移動する過程では、コンロッド73が図における左方向へ移動するので、それまで時計方向へ揺動していた揺動アーム78は揺動方向が反時計方向へ反転し、すなわちバランスマス72Aは図9に示す左側の死点位置で変位の方向がそれまでと逆向きになって右方向へ変位する。
そしてこのような揺動体70の反復動作(揺動)によって、クランクホイール71(変速プーリ6)に1回転あたり2回の回転反力が発生し、すなわち回転2次の回転変動を生じさせるものである。
また、揺動体70におけるバランスマス72Aは、その移動が支軸79を中心として揺動する揺動アーム78によって、支軸79を通る鉛直線の両側へ略水平方向へ案内されているので、重力によって、バランスマス72Aの加速度が往動と復動とで変化してしまうのを避けることができる。
そして、この第二の実施の形態においても、第一の実施の形態と同様、出力プーリ9のサンプル取付部92に取り付けられる図4に示すような遠心振り子式ダイナミックダンパ100や図5に示すようなトルク変動吸収ダンパ200などの試験サンプルに対して、任意の次数の回転変動を与えることができる。しかもその回転変動の大きさは、揺動アーム78における複数の取付孔78b又は複数の取付孔78cによるコンロッド73又はバランスマス72Aの結合位置の変更によって任意に調整することができる。
詳しくは、揺動アーム78におけるコンロッド73の結合位置を支軸79に近づけるほど、すなわち支軸79の軸心を中心とする揺動アーム78とコンロッド73との結合部(ピン78a)の揺動半径rを小さくするほど、揺動角が大きくなるのでトルク反力が大きくなり、揺動アーム78における支軸79とバランスマス72Aの結合位置との距離を大きくするほど重心が下がるので、バランスマス72Aの重量や揺動角が同じでもトルク反力及び慣性モーメントが大きくなる。
したがって、重量の異なる複数のバランスマス72Aを用意してこれを付け替えたりしなくても、揺動体70によるトルク反力及び慣性モーメントを容易に変更して、変速プーリ6に与える回転変動の大きさを調整することができる。
また、第一の実施の形態による回転変動試験機では、大きな回転変動を得るためにピストン72による往復動マスの重量を大きくすると、これを支持するガイドロッド76やブラケット75に作用する支持荷重が大きくなって、ピストン72のリニアベアリング等への負荷が増大し、しかもピストン72の往復動による慣性質量が大きくなることによってクランクホイール71に生じる慣性反力も増大すると共に試験機全体が水平方向へ励振されることになるのに対し、第二の実施の形態によれば、これらの問題を解消することができる。
すなわち第二の実施の形態においては、上述のように、重量の大きなバランスマス72Aを用いなくても、揺動アーム78におけるコンロッド73の結合位置や、揺動アーム78における支軸79とバランスマス72Aの結合位置との距離によって、大きなトルク反力及び慣性モーメントを得ることができるので、支持荷重の増大を抑えることができる。
しかも、コンロッド73の両端で発生した慣性モーメントが、一方でクランクホイール71へ伝達され、他方で揺動体70へ伝達され、クランクホイール71の回転軸(図2に示す軸11)に伝達される水平方向の励振力と逆向きの力が揺動体70の支軸79に伝達されることによって両者が打ち消し合うので、回転変動試験機全体の水平振動が防止される。したがって、回転変動試験機の耐久性が高いものとなり、出力プーリ9に取り付けられた試験サンプルに水平振動による悪影響を及ぼすことなく、揺動体70の大きな揺動角で高回転域まで試験することが可能である。
なお、第二の実施の形態においては、揺動アーム78におけるコンロッド73又はバランスマス72Aの結合位置を、複数の取付孔78b又は複数の取付孔78cにより変更可能としたが、この取付孔78b及び取付孔78cを、たとえば揺動アーム78の長手方向へ延びるスリット状とすることによって、前記結合位置によるトルク反力及び慣性モーメントを無段階に調整可能とすることもできる。
1 基盤
2 駆動源側プーリ
3 駆動源側伝動ベルト
4 等速プーリ(等速回転体)
5 スプリングクラッチ(ワンウェイクラッチ)
6 変速プーリ(変速回転体)
7 マス−クランク機構
70 揺動体
71 クランクホイール(クランク)
72 ピストン
72A バランスマス
73 コンロッド
77 カウンターウェイト
78 揺動アーム
79 支軸
8 出力側伝動ベルト
9 出力プーリ
92 サンプル取付部

Claims (7)

  1. 一定の角速度で回転可能な等速回転体と、この等速回転体にワンウェイクラッチを介して相対回転可能な状態に設けられた変速回転体と、この変速回転体に回転変動を与えるマス−クランク機構を備え、前記ワンウェイクラッチは、前記変速回転体が前記等速回転体に対して遅角差動状態になったときに前記等速回転体と前記変速回転体を回動連結するものであり、前記マス−クランク機構は、前記変速回転体に設けられたクランクと、反復変位可能なマスと、このマスと前記クランクとを連結するコンロッドからなることを特徴とする回転変動試験機。
  2. 変速回転体に動力伝達機構を介して出力回転体が連結されたことを特徴とする請求項1に記載の回転変動試験機。
  3. マス−クランク機構のクランクに、コンロッドとの結合位置と反対側に位置してカウンターウェイトを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転変動試験機。
  4. 等速回転体が、等速回転駆動源側に駆動源側伝動ベルトを介して回転力を与えられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転変動試験機。
  5. マス−クランク機構のマスは、その移動が略水平方向へ案内されたピストンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転変動試験機。
  6. マス−クランク機構のマスは、一端側がコンロッドと結合され支軸を中心としてこの支軸を通る鉛直線の両側へ揺動可能な揺動体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転変動試験機。
  7. 揺動体が、長手方向中間位置で支軸に取り付けられると共に一端側がコンロッドと結合された揺動アームと、この揺動アームの他端側に結合されたバランスマスからなり、前記アームにおける前記コンロッド又はバランスマスの結合位置を変更可能としたことを特徴とする請求項6に記載の回転変動試験機。
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