JP6235247B2 - ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Description
このような自動車天井用基材としては、吸音性や断熱性が高いものが望まれている。
前記「半硬質ポリウレタンフォーム」を製造する場合、原料の厳密な配合比率の確立が必須ゆえ、添加量のわずかなばらつき、製造ロットの違いなどにより、そのセル構造(セル数)を一定に保ちにくい。加えて、セル数を多くしていく、すなわち、セルを細かくしていくと、得られるフォームが収縮しやすくなるので、セル数が60個/25mm以上という微細なセル構造とすることは決して容易ではない。
特に、連続スラブストック成形のような大型で連続的な長尺物を製造する場合、セル構造を一定に保ちにくい現象は顕著となり、さらに難しい課題となっている。
しかし、特許文献1に記載の発泡体は、自動車天井用基材としては嵩密度が大きく、軽量化の面について満足できるものではなかった。また製造方法もプレポリマー法を必須としていることから、工程が複雑となり、製造効率が悪いものであった。
しかし、特許文献2に記載の発泡体は、密度の低減化は達成できているものの、剛性や硬度が不十分であり、これらが重要視される自動車天井用基材としての使用は難しいものであった。
次いで、このような知見の下、疎水性ポリオールと言われている上記ひまし油由来のポリエステルポリオールについて、他の化合物との親和(相溶)性を高める手法を追求したところ、“該ひまし油由来のポリエステルポリオールと馴染み、疎水性が強く水とは相溶しない特定の整泡剤”を併用することで、連続スラブストック成形においても、フォームの収縮が全く生じずに、セル数が60個/25mm以上という微細セル構造を有する半硬質のポリウレタンフォームを安定して得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(A)前記ポリオール化合物は、(i)数平均分子量が4000〜7000、水酸基価が20〜60mgKOH/gのエチレンオキシドとプロピレンオキシドを付加重合してなるポリエーテルポリオール、(ii)数平均分子量が300〜1000、水酸基価が100〜800mgKOH/gのプロピレンオキシドのみを付加重合してなるポリエーテルポリオール、(iii)数平均分子量が560〜3000、平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオール、(iv)多価アルコール、の少なくとも4種を含み、平均水酸基価が250〜350mgKOH/gに調製されたもの、
(B)前記整泡剤は、水と不相溶のポリエーテル変性ポリシロキサン系整泡剤、
(C)前記イソシアネート成分は、NCO含量が28〜33%のクルードMDIであり、
セル数が60個/25mm以上であることを特徴とする。
なお、本発明のポリウレタンフォームは、モールド成形による製造でも、現場施工スプレー成形法であっても、低密度で、かつ硬度や吸音性、断熱性などの諸特性において優れたものが得られることはもちろんである。
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有するポリオール成分と、イソシアネート成分とを反応させて得られ、
(A)ポリオール化合物は、(i)エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)を付加重合してなるポリエーテルポリオール(以下、「EO含有ポリエーテルポリオール」と記す)、(ii)上記(i)よりも分子量が小さく、POのみを付加重合してなるポリエーテルポリオール、(iii)ひまし油由来のポリエステルポリオール、(iv)多価アルコール、の少なくとも4種が混合され、平均水酸基価が250〜350mgKOH/gに調製されたものを用いるものである。
前記混合ポリオールの平均水酸基価が低すぎると、セルの大きさが不均一でまばらな状態のフォーム(以下、「セル荒れ」と記す。)となったり、アスカーゴム硬度計C型で測定した硬度(以下、「C硬度」と記す。)が20未満となる虞があり、高すぎると、スラブストック成形されたブロック内部にスコーチが発生したり、フォームが収縮しやすい。
平均水酸基価は、各ポリオールの水酸基価や配合率を適宜選定することによって、調製することができる。
粘度は、上記平均水酸基価同様、各ポリオールの水酸基価や配合率を適宜選定することによって、調製することができる。
EO含有が0(ゼロ)、すなわち、プロピレンオキシド(PO)のみが付加重合したポリエーテルポリオールでは、良好なフォームが得られず収縮しやすいので、EOとPOの含有率を適宜調整することで、フォームの安定化が促進され、フォームの収縮を防ぐことができる。
数平均分子量が4000未満のEO含有ポリエーテルポリオールでは、寸法安定性が乏しく、収縮しやすいフォームとなり、7000を超えるものでは、所望の硬度を発現できにくく、セルの微細化も難しくなるため、好ましくは5000〜6000である。
水酸基価が20mgKOH/g未満では、所望の硬度を発現できなくなり、60mgKOH/gを超えると、フォームが収縮しやすくなる。
このように(i)数平均分子量が4000〜7000、水酸基価が20〜60mgKOH/gのEO含有ポリエーテルポリオールを配合することで、寸法安定性および伸びが優れると共に、所望の硬度を有するものとなる。
(i)の具体例としては、旭硝子社製 商品名“EXCENOL820”、“EXCENOL823”、“EXCENOL828”、“EXCENOL837”;三洋化成工業社製 商品名“FA-702”、“FA-703”、“FA-311E”;ダウ・ケミカル日本社製 商品名“VORANOL4701”、“VORANOL CP6001”等が挙げられる。
数平均分子量が300未満のオールPOポリエーテルポリオールでは、常温下においてフォームが収縮しやすくなるため、寸法安定性を欠くことになり、1000を超えるものでは、所望の硬度を発現できなくなるという問題がある。
水酸基価が100mgKOH/g未満では、所望の硬度を発現できなくなり、800mgKOH/gを超えると、得られたフォームにスコーチが発生したり、伸び難かったり、収縮する虞もある。
このように(ii)数平均分子量が300〜1000、水酸基価が100〜800mgKOH/gのオールPOポリエーテルポリオールを配合することで、硬度や剛性の向上が可能となり、かつ、フォームの収縮がなくなり寸法安定性をも確保できる。
(ii)の具体例としては、旭硝子社製 商品名“EXCENOL430”、“EXCENOL1030”;三洋化成工業社製 商品名“サンニックスGP-400”、“サンニックスGP-600”、“サンニックスGP-700”、“サンニックスGP-1000”;ダウ・ケミカル日本社製 商品名“VORANOL2070A”等が挙げられる。
数平均分子量が560未満のポリエステルポリオールでは、常温下においてフォームが収縮しやすくなるため、寸法安定性を欠くことになり、3000を超えるものでは、所望の硬度を発現できなくなるので、好ましくは600〜2000である。
平均水酸基価が50mgKOH/g未満では、セル荒れが抑制できなかったり、所望の硬度を発現できない。200mgKOH/gを超えると、スラブストックフォーム内部にスコーチが発生したり、収縮する虞があり、好ましくは、55〜125mgKOH/gである。なお、粘度については、低ければ低いほど好ましく、5000mPa・sを超えるものでは、他のポリオール化合物と混合し難くなる。
このように(iii)数平均分子量が560〜3000、平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオールを配合することで、連続スラブストック成形であっても、セル数が60個/25mm以上の微細セル構造を有する半硬質のフォームを、収縮することなく高い寸法安定性を有して、容易かつ確実に得ることができる。
ちなみに、大豆油、パーム油、ヤシ油等のひまし油以外の植物油に由来するポリエステルポリオールでは、フォームの安定性に乏しかったり、所望するセルの微細化が得られず、所望の物性(吸音性、断熱性など)が発現しない等の問題がある。
(iii)の具体例としては、伊藤製油社製 商品名“URIC H-57”、“URIC H-1824”、“POLYCASTOR #30”、“POLYCASTOR #10”、“URIC AC-006”等が挙げられる。
このような(iv)多価アルコールは、架橋剤として作用し、本発明におけるポリウレタンフォームの高い硬度を実現する。
(iv)多価アルコールの配合割合については、(A)ポリオール化合物100重量部中、1〜10重量部配合される。1重量部未満では、架橋剤としての作用が不十分となり、セルが荒れてしまったり、十分な硬さや強度が得られず、10重量部を超えると、フォームが収縮しやすくなり、寸法安定性に乏しくなる。
(B)整泡剤としては、水と不相溶のポリエーテル変性ポリシロキサン系整泡剤を用いる。
ポリエーテル鎖の部分を疎水性の強い構造や分子量とした水と相溶しないものを用いると、前記(iii)ひまし油由来のポリエステルポリオールが他のポリオール化合物と良好に相溶するので好ましい。
本発明において「水と相溶しないもの(水と不相溶の)」とは、水に混合した際に、均一に分散せず又は溶解せず、ゲル化するものを意味する。
具体的には、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 商品名“L-626”、“L-670”などが挙げられる。
該整泡剤は、(A)ポリオール化合物100重量部に対し、0.5〜5重量部配合する。0.5重量部未満だと、(iii)ひまし油由来のポリエステルポリオールが他の化合物と十分に馴染まず、発泡しなかったり、たとえ発泡したとしても均一で微細なセル構造が得られない。5重量部を超えると、フォームが収縮しやすくなり、寸法安定性に乏しくなる。
なお、水に混合した際に、均一に分散したり又は溶解する整泡剤、すなわち、水と相溶する整泡剤だと、(iii)ひまし油由来のポリエステルポリオールが他のポリオール化合物と十分に馴染まず、良好なウレタンフォームを得ることが難しい。
発泡剤として、水を用いた場合には、(A)ポリオール化合物100重量部に対し、2.5〜4.5重量部とすることが好ましい。4.5重量部を超えると、イソシアネート成分との反応による発熱量が大きくなり、スラブストックフォーム内部にスコーチが発生する。2.5重量部未満だと、得られるフォームが高密度(35kg/m3を超える)となり、コスト面や軽量化といった点から好ましくない。
また、水以外の発泡剤(水と併用させる発泡剤)については、気化熱によりスラブストックフォーム内に蓄積する反応熱を緩和させる効果があり、その効果は添加量が多いほど期待できるが、添加量としては、(A)ポリオール化合物100重量部に対し、5〜15重量部が好ましい。15重量部を超えると、得られるウレタンフォームが軟化したり、セルが荒くなるといった不具合が生じる。5重量部未満だと、気化熱冷却効果が低くなり、スラブストックフォーム内部にスコーチが発生しやすい。
触媒は、ウレタンフォームの発泡において公知のものを使用すればよく、特に限定されないが、第三級アミン系触媒が好適である。第三級アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルなどが挙げられ、これらのうちの少なくとも一種とすればよい。
なお、本発明では、触媒として、上記第三級アミン系触媒のみを用いてもよいし、用途に応じて、第三級アミン系以外の触媒を併用してもよい。
(C)イソシアネート成分としては、NCO含量が28〜33%であるクルードジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)用いることで、ブロック内部にスコーチを発生させることなく、高硬度のスラブストックフォームを製造することが可能になる。分子量やNCO含量の異なった2種以上のクルードMDIを混合させ、前記NCO含量の範囲に調整したものを使用しても良い。
NCO含量が28%未満のクルードMDIでは、所望の硬度が得られず、33%を超えるクルードMDIでは、ポリオール化合物との反応による発熱量が大きくなり、ウレタンフォーム中にスコーチを発生させやすい。ちなみに、ピュアMDI単体のみでは、架橋密度が高くなり、硬く、折り曲げられなくなるので、本発明においては主にクルードMDIを使用する。なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、ピュアMDIを併用しても構わない。
また、TDI(トリレンジイソシアネート)だと、そのNCO含量は、48.3%と非常に高く、反応性が高すぎて、スコーチの発生が抑制できないことに加え、セル荒れが生じたり、硬度が低下するといった不具合も発生する。
従来は、低密度かつ高硬度のポリウレタンフォームを製造するには、発泡剤である水の量を増やし、ポリオールの水酸基価を高く設定する必要があったため、スラブストック方式で製造する際には、発熱温度が高くなり、その結果、ブロック内部に蓄熱によるスコーチが発生しやすく、火災の危険性も懸念されることから製造に困難を極めたが、上記のように、本発明では、発熱温度が約170℃以下と低いため、火災の危険性を低減でき、連続スラブ発泡などのスラブストック方式による製造も安全に行うことができ、ブロック内部におけるスコーチなどの発生も効果的に防止できる。
セル数が60個/25mm未満では、後述の吸音性(吸音率)や断熱性(熱伝導率)に劣った半硬質ポリウレタンフォームとなり、本発明の課題が解決できない。
また、本発明のポリウレタンフォームでは、JIS K6400−5に準拠して測定される伸びを15%以上とすることが好ましい。
本発明のような連通気泡の半硬質ポリウレタンフォームの場合、同程度の密度のもので同様な試験を行うと、一般的に、垂直入射吸音率は0.1程度、熱伝導率は0.44W/(m・K)程度であることから、本発明のポリウレタンフォームが吸音性および断熱性において非常に優れていることがわかる。
≪使用原料≫
(A)ポリオール化合物
(i)EO含有ポリエーテルポリオール
・数平均分子量5100、平均官能基数3、水酸基価33mgKOH/gのEO含有ポリエーテルポリオール(旭硝子(株)製 商品名“EXCENOL823”)
・数平均分子量6000、平均官能基数3、水酸基価28mgKOH/gのEO含有ポリエーテルポリオール(旭硝子(株)製 商品名“EXCENOL837”)
・数平均分子量3000、平均官能基数3、水酸基価56mgKOH/gのEO含有ポリエーテルポリオール(旭硝子(株)製 商品名“EXCENOL230”)
・数平均分子量8000、平均官能基数4、水酸基価28mgKOH/gのEO含有ポリエーテルポリオール(旭硝子(株)製 商品名“EXCENOL838”)
(ii)オールPOポリエーテルポリオール
・数平均分子量400、平均官能基数3、水酸基価400mgKOH/gのオールPOポリエーテルポリオール(旭硝子(株)製 商品名“EXCENOL430”)
・数平均分子量1000、平均官能基数3、水酸基価160mgKOH/gのオールPOポリエーテルポリオール(旭硝子(株)製 商品名“EXCENOL1030”)
・数平均分子量200、平均官能基数2、水酸基価562mgKOH/gのオールPOポリエーテルポリオール(ライオン(株)製 商品名“PEG#200”)
・数平均分子量5000、平均官能基数3、水酸基価34.2mgKOH/gのオールPOポリエーテルポリオール(三井化学(株)製 商品名“アクトコール T-5000”)
(iii)ポリエステルポリオール
・数平均分子量1680、平均水酸基価100mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオール(伊藤製油(株)製 商品名“URIC H-57”)
・数平均分子量1950、平均水酸基価66mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオール(伊藤製油(株)製 商品名“URIC H-1824”)
・数平均分子量2490、平均水酸基価45mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオール(伊藤製油(株)製 商品名“URIC PH-5001”)
・数平均分子量495、平均水酸基価340mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオール(伊藤製油(株)製 商品名“URIC H-81”)
・数平均分子量750、平均水酸基価150mgKOH/gのフタル酸を開始剤とするポリエステルポリオール(川崎化成工業(株)製 商品名“マキシモールRLK-035”)
・数平均分子量1800、平均水酸基価112mgKOH/gの大豆油由来のポリエステルポリオール(BioBased Technologies社製 商品名“Agro13.6”)
・数平均分子量510、平均水酸基価165mgKOH/gのパーム油由来のポリエステルポリオール(PolyGreen Chemicals社製 商品名“POLYGREEN 3010”)
(iv)多価アルコール
・ジプロピレングリコール
・グリセリン
・水と不相溶のポリエーテル変性ポリシロキサン系整泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 商品名“L-670”)
・水溶性ポリエーテル変性ポリシロキサン系整泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 商品名“L-638J”)
・水(イオン交換水)
・メチレンクロライド
○触媒
・第三級アミン系触媒:トリエチレンジアミンの33重量%溶液(エアプロダクツジャパン(株)製 商品名“DABCO-33LX”)
・NCO含量が31.5%のクルードMDI(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名“MILLIONATE MR-200”)
・NCO含量が24.8%のクルードMDI(三井化学(株)製 商品名“COSMONATE MC-82”)
・NCO含量が48.3%のTDI(三井化学(株)製 商品名“COSMONATE T-80”)
その後、乾燥炉内で硬化(キュア)し、長尺ブロック状(幅:約1000mm、高さ:約50mm)のポリウレタンフォームを得た。
・フォーム性状は、正常なフォームが形成され、セルの大きさが均一で整っているものを「良好」、セルの大きさが不均一でまばらなものを「セル荒れ」、切り出した後、時間経過とともに目視で若干フォームの収縮が見られたが、セルの大きさが均一で整っており、使用には問題のない程度のものを「微収縮」、フォームの収縮現象が顕著に確認されたものを「収縮」とした。
・スコーチの有無は、スコーチが無かったものを「○」、スコーチが発生したものを「×」とした。
・密度(kg/m3)は、JIS K7222に基づいて測定を行った。
・C硬度は、アスカーゴム硬度計C型で測定した。
・伸び(%)は、JIS K6400−5に基づいて測定を行った。
・セル数(個/25mm)は、JIS K6400−1に基づいて測定を行った。
・吸音性(垂直入射吸音率)は、JIS A1405に基づいて測定を行い、1000Hzの垂直入射吸音率が0.3以上を「○」とし、0.3未満を「×」とした。
・断熱性(熱伝導率(W/(m・K)))は、JIS A9511に基づいて測定を行い、熱伝導率が0.040W/(m・K)以下を「○」とし、0.040W/(m・K)を超えるものを「×」とした。
比較例1は、ポリオール化合物の平均水酸基価が243mgKOH/gと低すぎたことから、セル荒れが生じた。
比較例2は、比較例1とは逆に、ポリオール化合物の平均水酸基価が375mgKOH/gと高すぎたことから、フォームが収縮し、スコーチも発生した。
比較例3は、数平均分子量が3000と低すぎるEO含有ポリエーテルポリオールを用いたところ、フォームが収縮した。
比較例4は、比較例3とは逆に、数平均分子量が8000と高すぎるEO含有ポリエーテルポリオールを用いたところ、セルの微細化が達成できず、所望の吸音性、断熱性が得られなかった。
比較例5は、数平均分子量が低すぎるオールPOポリエーテルポリオールを用い、且つ、ポリオール化合物の平均水酸基価が高すぎたことから、フォームが収縮し、スコーチも発生した。
比較例7は、EO含有ポリエーテルポリオールを用いなかったところ、フォームが収縮した。
比較例8は、平均水酸基価が45mgKOH/gと低すぎるひまし油由来のポリエステルポリオールを用いたところ、セル荒れが生じた。
比較例9は、分子量が低すぎ、平均水酸基価が高すぎるひまし油由来のポリエステルポリオールを用いたうえ、ポリオール化合物の平均水酸基価が高すぎたことからも、フォームが収縮し、スコーチも発生した。
比較例10は、ひまし油由来のポリエステルポリオールの代わりにフタル酸を開始剤とするポリエステルポリオールを用いたところ、良好なフォーム性状は得られたが、セルの微細化が達成できず、所望の吸音性、断熱性が発現しなかった。
比較例12は、ひまし油由来ではなくパーム油由来の分子量が510と低すぎるポリエステルポリオールを用いたところ、セル荒れ、スコーチが生じた。
比較例13は、整泡剤として、水溶性ポリエーテル変性ポリシロキサン系整泡剤を用いたところ、4種のポリオール化合物同士が上手く混合されず、良好なフォームを得られなかった。
比較例14は、NCO含量が24.8%と低すぎるクルードMDIを用いたところ、良好なフォーム性状は得られたが、セルの微細化が達成できず、所望の吸音性、断熱性が発現しないうえ、硬度も低かった。
比較例15は、NCO含量が48.3%と高いTDIを用いたところ、スコーチの発生を抑制できず、且つセル荒れも生じた。
Claims (1)
- ポリオール化合物、発泡剤、整泡剤、及び触媒を含有するポリオール成分と、イソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタンフォームであって、
(A)前記ポリオール化合物は、(i)数平均分子量が4000〜7000、水酸基価が20〜60mgKOH/gのエチレンオキシドとプロピレンオキシドを付加重合してなるポリエーテルポリオール15〜25重量部、(ii)数平均分子量が300〜1000、水酸基価が100〜800mgKOH/gのプロピレンオキシドのみを付加重合してなるポリエーテルポリオール40〜50重量部、(iii)数平均分子量が560〜3000、平均水酸基価が50〜200mgKOH/gのひまし油由来のポリエステルポリオール25〜35重量部、(iv)多価アルコール1〜10重量部、の少なくとも4種を含み、平均水酸基価が250〜350mgKOH/gに調製されたもの、
(B)前記整泡剤は、水と不相溶のポリエーテル変性ポリシロキサン系整泡剤が、ポリオール化合物100重量部に対し、0.5〜5重量部、
(C)前記イソシアネート成分は、NCO含量が28〜33%のクルードMDIであり、
セル数が60個/25mm以上であることを特徴とするポリウレンタンフォーム。
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