JP6232631B2 - 生体皮膜剤 - Google Patents
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1.消毒薬・殺菌剤・抗菌剤:気道の感染予防としては、抗菌剤や消毒薬によるうがい用外用剤が一般的であるが、一部の菌種に対する一時的な抗菌性や消毒・殺菌効果があっても、消毒・殺菌・抗菌は概念自体に限界があり、全ての菌種の持続的壊滅、全滅はあり得ない。呼吸により、連続的に吸引される異物や刺激物質、また飲食により次々に加えられる外的刺激により、気道上皮を含む内壁障害部位がダメージを受け続ける結果、炎症反応が引き起され、炎症反応が一旦発現すると炎症の進行と拡大が抑制できないため、細菌やウイルス等による重大な全身性、感染性炎症疾患に発展してしまう。
真菌感染を受けた果実から、ヒト気道障害組織を感染果実に見立てて模式化、真菌と本剤の相互作用を実験例で説明する。みかんやスダチ等の冷凍障害、イチゴの保存障害等、表皮の傷や打撲による組織崩壊をきっかけとしてネクローシスが起こり、たちまち真核・多細胞生物である青カビ(Penicillium)や灰色カビ(Botrytis)等の真菌(糸状菌)の感染、増殖を受ける。ネクローシスにより分解酵素作用が生じ、障害上皮のみならず周囲の健康な上皮の細胞膜を侵食し分解が進み、防御能が著しく減少し、豊富な栄養源を流出させるため真菌感染(炎症反応)を拡大させる。果実は人の免疫システムとは異なるが、木の根から養分を得ている際には外皮の強度を保持することで感染を防いでいるが、カルシウムの減少やホウ酸欠乏の際にはトマトの尻腐れ病やブドウのアン入り果のように先端部等が壊死を生じるケースや、柿の炭疽病のように斑状の真菌感染を果実の外皮の障害部位に発生させる場合がある。果実では炎症反応は生じないが、ネクローシスにより細胞壁リン脂質やタンパク質が融解遊離することで感染を受けるプロセスは共通しており、本質的には、ヒトや動物、植物も多細胞・真核生物であるから、これらの現象を考える上で共通の認識として立脚できるはずである。真菌や細菌の感染を受けた果実の感染部位の動向を観察する為に、気道雰囲気に見立てた実験装置(写真1)に試料を静置し、本剤を超音波加湿器よりエアロゾルとして、雰囲気に一定量を放出して、障害部位に感染した真菌の動向と、ヒトの気道上皮障害組織へ及ぼす真菌や細菌の動向を模式的に重ね合わせて考察することにした。
結果は(写真4)に示した。
a)食塩濃度0.9%の生理食塩水をエアロゾルとして雰囲気に放出、暴露前後の青カビの様子(写真5)。
b)柿渋ポリフェノール(タンニン酸濃度5%水溶液)をエアロゾルとして雰囲気に放出、暴露前後の青カビの変化。(写真6)
c)1%ゼラチン水溶液をエアロゾルとして雰囲気に放出し暴露後の青カビの様子は極薄い表面の表皮で、本剤の実験例と同様、茶褐色の色調変化が起こったが水玉の形成はb)に類似し、青カビ表層部の剥離脱落は写真通り(写真4)。しかし、青カビに対して、ポリフェノール同様、ゼラチンが何らかの障害を与えたことがわかる。ゼラチンは本剤と良く馴染み、被膜効果に優れている点でも本発明に利用できる。
<実験条件>a)、b)、c)各エアロゾル吐出量0.1g/min、3時間連続放出、平均室温21℃。
<観察結果>本剤以外のエアロゾルでは、呼吸代謝障害により発生する水玉の大きさは小さく、且つ胞子の脱落は観られなかった。柿渋ポリフェノール、生理食塩水では、色調もコロニーの変化にも異常が認められず、水玉も小さいのでエアロゾルが及ぼす呼吸代謝への影響は少ないと考えられる。尚、比較例として本剤で生じる水玉(写真3)は大きく、水疱状と言い換えることができる。
口腔や鼻腔から採取した培養細菌:黄色ブドウ球菌(通気性嫌気性菌)、肺炎桿菌、カンジダ菌、グラム陰性桿菌、グラム陰性双球菌、グラム陽性菌の寒天培地(写真11、12)を実験装置雰囲気(模式的気道)に静置させ、本剤のエアロゾルに3時間暴露後(写真13、14)の結果は、a)コロニーの色調が変わり硬化変成し、揮発性脂肪酸の酪酸、プロピオン酸等の短鎖脂肪酸、揮発性ステロイド類の生成により強烈な悪臭となって雰囲気に放出され、続いて排気口(模式的口腔)から外気に放出され凄まじい悪臭を周囲に放った。<培養条件>成人女性の鼻腔粘膜、及び口腔粘膜に常在する細菌類を滅菌綿棒(メインテップ)により採取し、標準寒天培地(アズワンサニスペックスタンプ培地2−3301−01)を用いて培養した。培地組成は、ペプトン・酵母エキス・ブドウ糖・寒天、pH7.0、条件25℃ 3週間、判定は外注検査機関に委託。なお酪酸、プロピオン酸の同定は北川式検知管による。
<実験条件>主剤成分:塩化アルミニウム7%、CD1.2%、柿渋ポリフェノール(タンニン酸濃度5%水溶液)1.5%、各エアロゾル吐出量は、本剤が0.1g/min、柿渋ポリフェノール(タンニン酸濃度5%)0.5g/min、3時間連続吐出。試験ケース(写真9):内寸280×280×280(mm)排気口φ10×10個、外気吸入口φ40×1個、φ10×3個。平均室温19℃、なお実験に際し、エチルアルコール(除菌剤)等の成分は外乱となるので添加無し。
d)追加実験:c)の実験後、寒天培地コロニーに、塩化アルミニウム7%・β−CD5%の水溶液を点眼瓶で、0.03ml滴下後に、柿ポリフェノール液(タンニン酸濃度5%)を0.03ml 滴下、24時間経過後(写真17、18)、コロニーは硬化し増殖変化は確認されなかった。
真菌をはじめ細菌の呼吸代謝、細胞呼吸・電子伝達系に対する阻害作用、及び細菌コロニーのバリア構造破壊、変性作用、そして顕著な増殖抑制作用が確認され、しかも主剤による再度の暴露試験においても細菌の増殖変化、呼吸代謝(菌体と基質との接触面で起こる、一種の消化作用による強い蒸発現象)、すなわち、代謝活性を示す水分の垂直蒸発(イチゴの写真8、9)の天蓋の結露現象が観察されない事、さらに揮発性脂肪酸、揮発性ステロイドによる悪臭の再放出が大幅に減少し、臭いの官能試験からも殆んど感じられなかった。本剤が、細胞融解で起こる細胞内液に対する凝集、凝固作用を示す模式的実験例、[0039]〜[0041]の試験結果からも、好気呼吸代謝を伴わない対ウイルス、酸素耐性嫌気性菌による嫌気性菌に対しても模式的とは言え、蓋然性の高い根拠を示唆していると考察される。
<7日経過後のゲル体の性状と触指テスト>
a)牛乳3gと主剤3g. b)牛乳3gと主剤3gとポリフェノール1g.対照として、c)牛乳3gとポリフェノール1gだけを滴下して生じる、各ゲル体の経時変化、乾燥減量の観察、及び触指による物性変化の比較結果を以下に示す。
a)粘性の強いゲル形成、及び弾力性と復元性が有る.b)弾力性と復元性があるゲル形成はa)より優る.c)固く硬化した乾燥ゲル(最初に脂質の分離があり、脂質は経日的に蒸発減少し固化する)の形成。
<実験条件>平均室温19度の雰囲気に暴露。実験に使用した牛乳100g当たりの成分組成は、タンパク質3.4g、脂質3.9g、水分87gである。実験に使用した本剤は、水分100gに対して、塩化アルミニウム6水和物15g、β−CD7g;ポリフェノールとして柿渋5g(タンニン酸濃度5%)を使用した。
0.1mlの精液を顕微鏡用プレパラートに滴下して、各凝固作用を観察する、a)本剤、b)本剤と柿ポリフェノール(タンニン酸濃度5%)、c)本剤と五倍子(タンニン酸濃度5%)、d)柿ポリフェノールのみ、e)五倍子のみ。
<実験結果>a)精子(細胞成分)、精漿等の成分は乳白色にゲル化する、b)精子、精漿等の成分は茶褐色に凝固、c)精子、精漿等の成分は乳白色に凝固、d)精子は凝固するが、精漿等の成分は分離して凝固しない、e)精子は凝固するが、精漿等の成分は分離して凝固しない。
3)尚、前立腺液で2)と同一の試験をした結果も類似の状態を示した、凝固物はタンパク質である。(参考)精液はpH7.3であった。
使用範囲は、水100gに対して1〜20重量%を溶解して使用するのが好ましい。
<吸引し易さテスト>該被膜剤を温水バスで30度に加温し、小型の超音波ディフューザに導入してエアロゾルを発生させ、吐出量:0.2g/min、連続的に5分間、深く吸引した結果、初回は咽せたが、次第に慣れて咽せることなく吸引することができた。
<実施例1の症例1>花粉症により止めどなく出るサラサラした鼻水の症状に対して、主剤のエアロゾルを3分程度、朝晩吐出量0.1g/min吸引を繰り返えすことで、より鼻水の出方が亢進する場合があるが、この原因は、風邪などの合併症により、患部の炎症の程度に左右されて誘発されて起こるが、吸引後、概ね7〜12時間経過後は、劇的に症状が改善され爽快感が感じられ、数日経過してもリバウンドは感じられなかった。
<吸引し易さテスト>該被膜剤を温水バスで30度に加温し、小型の超音波ディフューザに導入してエアロゾルを発生させ、吐出量:0.2g/min、連続的に3分間、大きく深呼吸した結果、初回は咽せたが、次第に慣れて咽せることなく吸引することができた。
本実施例は塩化アルミニウムの酸性度による患部刺激性を[実施例1]よりもさらに低刺激性が求められる場合、水酸化ナトリウムで中和し、キサンタンガムを含む凝集沈殿物(反応生成物、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウムを含む)を生成させて濾過することでpHを約3.9に調整した溶液に柿渋ポリフェノールを添加し撹拌混合して製造した。
3名の被験者(うち男性2名、女性1名)により、市販の超音波加湿器をネブライザーとして代用し、1日2回(朝・寝る前)、1回3分吸引後、多数の人の行き交う混雑したショッピングモールで1時間滞在した結果と、平均6kmの登山または市街地を含むトレイルランニングを行った結果、診察室に外部塵埃を持ち込む患者60名を診察した結果を格比較した。
A群:ポリフェノール化合物だけを吸引した場合。
1.紅茶抽出液(50g乾燥茶葉を200gの熱水で3分間抽出濾過した溶液)
2.緑茶抽出液(50gの乾燥茶葉を200g熱水で3分間抽出濾過した溶液)
3.コーヒー抽出液(50gブラジルモカを200g熱水で3分間抽出濾過した溶液)
4.柿渋溶液(タンニン酸濃度3%)、
5.五倍子溶液(タンニン酸濃度3%)
B群:1)7%塩化アルミニウム、5%β−CDの溶液のみを吸引した場合。
2)7%塩化アルミニウム、5%α−CDの溶液のみを吸引した場合。
3)7%塩化アルミニウム、5%γ−CDの溶液のみを吸引した場合。
C群:7%塩化アルミニウム、5%β−CD、ポリフェノール化合物として以下の1〜4を添加した。
1.紅茶抽出液(紅茶50gを200gの熱水で5分間抽出濾過した溶液)
2.緑茶抽出液(緑茶50gを200gの熱水で5分間抽出濾過した溶液)
3.柿渋2%溶液
4.五倍子2%溶液
D群:0.9%生理的食塩水のみを吸引した場合。
それぞれ鼻・咽頭痛、鼻腔内の痒み(ムズムズ感、くしゃみが出そうな感覚)、鼻閉感(鼻詰まり)、咽頭違和感、咳、呼吸のしやすさについて官能試験結果を示した。
A群:症状改善なし。
B群:独特の化学的な臭気がややあり吸入時の咽る感覚が強いが一時的であり、全ての症状を顕著に改善し、特に起床時の鼻閉感の顕著な改善、及びランニング・ウオォーキング時の息切れの軽快、筋力の持続力の増加、日曜日の混雑したショッピングモール滞在時と診察時の患者対面時の急な咳き込みが生じない効果が確認された。
C群:B群よりも幾分吸入時の刺激性が無く香りもよく違和感なく吸入ができ、全ての症状を顕著に改善し、特に起床時の鼻閉感の顕著な改善、及びランニング・ウオォーキング時の息切れの軽快、筋力の持続力の増加、日曜日の混雑したショッピングモール滞在時と診察時の患者対面時の急な咳き込みが生じない効果が確認された。緑茶抽出濃縮液の使用例ではやや効果が希薄であった。B群と比べて効果は同等であった。
D群:症状改善なし。尚、B群、C群において用いられたCDはα・β(ヒドロキシルβ−CDを含む)・γでの優位差は殆んど認められなかった。塩化アルミ化合物では、塩化アルミニウム及び無水塩化アルミニウム)>ヒドロキシクロリド>明礬(カリ明礬)>その他の塩化アルミニウム化合物。以上で有効性が確かめられた。C群に於いてのみ気道呼吸器系症状の改善作用について分かり易い効果が確かめられた。また、ハードな運動時の酸素必要量の増大時の呼吸苦または息切れの軽快作用及び筋力持続力の増加は、呼吸細気管支・終末細気管支・肺胞嚢・肺胞を含む呼吸器系管腔臓器の障害上皮細胞や内壁構造に対する塩化アルミニウム6水和物・CD・ポリフェノール化合物(紅茶抽出液、緑茶抽出液、2%柿渋液、2%五倍子液)の抗炎症性複合皮膜形成に伴い、細胞・組織の障害により損なわれていた機能が補足され、肺胞周囲毛細血管への酸素導入率が促進した可能性が考えられた。
これまで、鼻炎症状が強い場合は、該薬剤の効果は感じられず、長期間の連日服用は、患者の心理的、経済的負担にもなっていた。本剤の吸引と薬剤を併用することで医療費の負担削減に極めて有効である。
<実験>スギ花粉症を有する被験者10人について、1月下旬から2月初旬に発症することの多い花粉症症状に対する治療法として数週間前からの毎日抗アレルギー薬を投与する治療法を基準とし、平成28年1月1日から平成28年3月31日までの3ヶ月間において、ステロイド系消炎薬配合旧世代抗ヒスタミン薬を投与した場合と、市販されている抗ヒスタミン薬配合点鼻薬を使用した場合、本願出願の各実施例を用いた場合、本願実施例と市販されている抗ヒスタミン薬配合点鼻薬を併用した場合で、通常毎日内服し続けてアレルギー症状を緩和する抗アレルギー薬の内服日数をどこまで削減できるかを調査し、棒グラフで示した。尚、コントロール群は生理的食塩水の吸入とした。抗アレルギー薬は、エピナスチン塩酸塩錠20mgを、用法通りに1日1回(朝)内服とした。抗アレルギー薬はレボセチリジン塩酸錠が新薬であるが、多くの抗アレルギー薬と比べて、症状改善の優位差は実感として感じられない為、複数の薬剤では実施せず、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩等の旧世代の即効性短時間型の抗アレルギー薬に対し、持続性抗アレルギー薬としてひとまとめにした。
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩は、旧世代の即効性短時間型の抗ヒスタミン薬であるが、脳の血液関門を通過するため、内服後の眠気・ぼんやり感が強い為、用法は1日1錠(夜)とした。結果は、77%でやや抗アレルギー薬の内服数が減少した。これは、ベタメタゾンが0.25mg配合されている為感染性の無いと考えられる鼻咽頭炎症状を効果的に抑制したことに起因する。この為、鼻咽頭症状改善度(爽快感)も35%と満足感が高かった。しかし、短時間作用であり、眠気の副作用が強い為1日2錠(朝・夕)の内服は日常生活に支障があり、ステロイド含有の為二次感染を生じた場合に使用できない等の制約がある。この為、結果として朝持続性抗アレルギー薬を内服し、夜ベタメタゾンd−クロルフェニラミンマレイン酸塩錠を内服すると効果が高いが、従来からの内服薬のみに頼る手法に変わりはなく抗アレルギー薬の内服を減少することは困難である。
鼻咽頭症状改善度(爽快感)が70%、即ち3,0%しか改善せず不満や不安を感じる為毎日欠かさず飲まざるを得ないという実情であった。これは、持続性抗アレルギー薬に消炎作用が無い為であると、1)ベタメタゾンd−クロルフェニラミンマレイン酸塩錠の内服群の結果から結論付けられる。つまり、原因がアレルゲンでありヒスタミン等のケミカルメディエイターが症状の増悪に関与していることは事実だが、症状の発言はケミカルメディエイターによるものではなく、炎症反応の増減によるものであり黄砂やハウスダストを含む等異物性外傷等の増悪因子に対し無抵抗な為である。
市販されている塩酸ナファゾリン・クロルフェニラミンマレイン酸塩・ベンザルコニウム塩化物を配合した点鼻薬を用いた。原理としては、塩酸ナファゾリンによる血管収縮作用により軽度血管収縮作用を示し鼻腔粘膜の腫脹が和らぎ鼻閉感が緩和され、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩による抗ヒスタミン作用とベンザルコニウム塩化物は逆性石鹸であるため抗菌作用がある為、花粉症症状と細菌性二次感染を抑制するが、実感的な効果持続時間は15分程度であり、用法に記載された1日6回、即ち4時間の効果持続は明らかに無かった。この為▲2▼の持続性抗アレルギー薬の内服が基準となることから、内服回数を削減出来なかったが、塩酸ナファゾリンが一過性に消炎様作用を生じる為、持続性抗アレルギー薬内服単独群よりも、鼻咽頭症状改善度(爽快感)が65%(35%改善)と幾分改善を感じたと言える。ただし、圧倒的な改善に繋がらない理由は、花粉症の炎症反応を効果的に抑制できていない為である。
▲4▼は実施例1吸入群、▲5▼は実施例2吸入群、▲6▼は実施例3吸入群、▲7▼は実施例1吸入+市販点鼻薬併用群であり、吸入の用法は、1日4回(朝、昼、4時、就寝前)で、1回吸入時間を3分とした。結果、抗アレルギー薬の内服頻度が、▲4▼で5.5%、▲5で6.6%、▲6▼で5.2%、▲7▼で5.0%であり、優位な差なく顕著な内服頻度の減少が得られた。また、鼻咽頭症状改善度(爽快感)においても、内服薬の服用頻度に比例して▲4▼で10%、▲5▼で12%、▲6▼で9%、▲7▼で8%と顕著な爽快感が得られた。また、柿渋液や五倍子液等のポリフェノール化合物を含む場合と含まない場合とにおいて鼻咽頭症状改善度(爽快感)に優位差は認められなかったが、幾分ポリフェノールを含まない▲6▼の方がより効果が高い結果となった。▲7▼では市販点鼻薬を併用しているが、優位差は無いが幾分点鼻をしない場合よりも鼻咽頭症状改善度(爽快感)が高い結果となった。
急性上気道炎(急性鼻咽頭炎):40代男性。数日前から徐々に上咽頭及び鼻腔深部に疼痛が増大し、咳も出現した。この為、ポビドンヨードによる1日3回のうがいと、ロキソプロフェンナトリウム錠60mgを1日2回(朝・夕)、デキストルメトルファン臭化水素酸塩水和物30mg(1錠15mgを1回2錠、1日3回)3日間内服したが、鼻咽頭痛と咳が軽減しない為、内服を中止し、実施例1を超音波加湿器により1日3回(朝・昼・夜)3日間行った。1回目投与後、鼻腔深下部と上咽頭に自覚できる刺激感が生じた後、強い咳が停止。1時間後鼻腔深下部と上咽頭の疼痛が顕著に減少し4時間効果が持続後、軽い咳と鼻腔深下部と上咽頭の軽度疼痛が出現したが、3日間の吸入により咳と疼痛は完全に消失した。鼻腔深下部と上咽頭の扁平上皮細胞の障害細胞膜断面や細胞内小器官からのリン脂質やタンパク質の遊離が進行し、障害組織がネクローシス化している為、従来の消毒とNSAIDによる消炎と中枢性鎮咳薬により一過性の消炎と鎮咳効果があっても、薬剤の血中濃度が減少し、吸気中異物が患部を刺激することにより炎症反応が再燃する為、鼻腔深下部と上咽頭の疼痛や咳のぶり返しが生じる。しかし強い炎症反応は抑制されている為、実施例1による抗炎症皮膜剤の使用により、ネクローシス化即ち炎症が持続する過程がブロックされ急性上気道炎とこれに伴う鼻腔深下部と上咽頭の疼痛と咳が治癒した。
花粉症、アレルギー性鼻炎を伴う60代女性。通年性のアレルギー性鼻炎があり、平成28年2月初旬頃よりスギ花粉症が発症し、鼻汁・鼻閉感・くしゃみ・目の痒みが出現した。この為、例年エピナスチン塩酸塩錠20mg(1日1回)やオロパタジン塩酸塩錠5mg(1日2回朝・夜)、レボセチリジン塩酸塩錠5mg(1日1回夜)等の抗アレルギー薬を毎日内服し、トラニラスト点眼液(1日3回点眼)を毎日行ってきたが、症状改善が得られ難い為、実施例1の処方により、超音波加湿器により1回3分(1日2回)の吸入を行った。吸入初回は鼻粘膜の炎症部位を一過性に刺激し鼻粘膜の血管収縮による鼻閉感と鼻腔粘膜に刺激性疼痛が出現する為、市販されている塩酸ナファゾリン・d−クロルフェニラミンマレイン酸塩・ベンザルコニウム塩化物を主剤とする点鼻薬を左右の鼻孔より1回1噴霧を行った。抗炎症皮膜が形成されると、炎症性浮腫性鼻粘膜から水分が流出し蒸散する為、一過性に鼻汁に類似したサラサラとした水分が漏出し、鼻汁が止まらない様な錯覚を覚えるが10分程で停止し20分後には鼻汁・鼻閉感・くしゃみが消失し鼻が通り爽快感が出現し効果は4時間持続した。その後4時間間隔で吸入を行うことにより症状改善状態が保持され抗アレルギー薬の内服無しで良好な効果を保持できた。花粉症が悪化する場合、微熱や悪寒、反応性リンパ節腫脹と関連する頭痛や首・肩の抹消神経痛が併発することがあるがこれらの症状は皆無であった。
<吸引し易さテスト>得られた微粉末を散布器から飛散させたエアロゾルを鼻から吸引したが、何ら咽せる事も無く容易に吸引することができた。
得られた微粉末を散布器から飛散させたエアロゾルを鼻及び口から吸引したが、何ら咽せる事も無く容易に吸引することができた。
上記に加えて、今後、動物試験を通じて、膣注入式の避妊薬とした新用途も考えられる。
Claims (3)
- 主剤に塩化アルミニウムとシクロデキストリンとを含む、該主剤の水溶液又は粉末を皮膜形成剤として、鼻・咽頭を含む気道上皮・鼻涙管上皮・涙嚢上皮・涙点・眼球結膜・眼瞼結膜・耳管・中耳・副鼻腔の内壁の障害組織に塗布することにより融解・壊死を抑制し、さらに異種抗原の二次感染と定着を阻害して呼吸器諸症状(鼻・咽頭の疼痛・鼻閉感・鼻漏の増加・鼻内の痒み・咳)を緩和する為の皮膜形成剤。
- 主剤の作用及び皮膜の強度を助長するポリフェノールを含む[請求項1]に記載の皮膜形成剤。
- 主剤の皮膜補強材としてゼラチンを含む[請求項1]に記載の皮膜形成剤。
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