JP6230880B2 - 親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを製造する方法 - Google Patents

親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを製造する方法 Download PDF

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本発明は、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズの製造方法及び当該方法により製造される親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズに関する。
眼組織内には血管が存在しないことから、眼細胞を健全に維持するために必要となる酸素の供給は、血液を介して行うことができず、角膜を介して大気から直接行われる。コンタクトレンズを装用した場合においては、角膜への酸素供給は妨げられるので、コンタクトレンズの長時間にわたる装用は、角膜の酸素欠乏状態を引き起こし、充血、角膜浮腫、血管浸潤などの眼疾患の原因となる。そこで、コンタクトレンズの物性の一つである酸素透過性は、眼細胞への酸素供給量に影響を及ぼす重要な物性である。
コンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズ(HCL)とソフトコンタクトレンズ(SCL)に大別される。HCLは、優れた光学特性と酸素透過性を有するものの、素材の硬さから、装用時に異物感を生じやすいという欠点を有する。SCLは、優れた装用感を有するものの、素材の酸素透過性が低く、さらに装用中にレンズから水分が蒸発することから、装用者が乾燥感を感じるという欠点を有する。
そこで、近年、HCLの高い酸素透過性とSCLの優れた装用感を併せ持つシリコーンハイドロゲル(SHGCL)や軟質性の非含水性酸素透過レンズ(FGPCL)が開発された。SHGCLは従来のSCLと比較すると含水率が低く、FGPCLに至っては非含水性であることから、これらはSCLの欠点であった装用時の乾燥感を軽減することが可能なものである。
ところが、SHGCL及びFGPCLは、構成成分であるシリコーンに由来する表面の高い親油性により、水濡れ性、滑性及び耐汚染性が低い。これらは、コンタクトレンズ表面への脂質の付着や瞬目時における摩擦の増加の原因となり、装用感の低下や眼障害を誘発する恐れがある。そこで、安全かつ衛生的に使用することを目的として、SHGCLやFGPCLの表面を改質する技術が数多く検討されてきた。
特許文献1には、シリコーンハイドロゲルを調製する際に、重合前液に親水性ポリラクタムを配合し、重合後にコンタクトレンズ基材と親水性ポリラクタムとによって相互侵入網目構造を形成させることにより濡れ性の向上と摩擦の軽減を行う方法が開示されている。
特許文献2には、疎水性の表面構造を有する眼用レンズ表面に静電相互作用により積層した親水性膜を吸着させることで、濡れ性、摩擦及び耐汚染性の向上を行う方法が開示されている。
特許文献3には、重合により得られたシリコーンハイドロゲルをポリアクリル酸のアルコール溶液に浸漬し、シリコーンハイドロゲルとポリアクリル酸とを複合化することにより、ゲルの濡れ性の向上と摩擦の軽減を行う方法が開示されている。
特表2005−518826号公報 特表2005−538767号公報 特表2010−513966号公報
特許文献1に記載の方法は、配合する親水性ポリラクタムがコンタクトレンズ基材と相互作用を有さないことから、こすり洗いなどにより親水性を付与する親水性高分子が直接的に物理刺激を受けるために、レンズの表面に存在する親水性ポリラクタムがレンズ表面から脱離しやすいという問題がある。
特許文献2に記載の方法は、基材上に積層された表面処理層を形成するものであるが、表面処理層と基材との接着は、分子間力による脆弱なものであることから、こすり洗いなどの物理刺激により表面処理層はレンズ表面から脱離しやすいという問題がある。また、表面処理層を形成する際、2種以上の対電荷を有するポリイオンを使用することから、表面処理に寄与しない遊離のポリイオンが水に不溶な複合体を形成し、これが異物となってレンズに付着するという問題もある。
特許文献3に記載の方法では、ポリアクリル酸との複合化によってレンズが変形するという問題がある。
したがって、特許文献1〜3に記載の方法は、レンズ表面の親水性処理の維持が難しく、又はレンズの形状を変形させるという問題を有している。
そこで、本発明は、特許文献1〜3に記載の方法に比べて、レンズ形状に影響を及ぼさない、安定的な親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを製造する方法を提供することを、発明が解決しようとする課題とした。
本願発明者らは、上記課題を鑑みて、鋭意検討を進めたところ、シリコーン系軟質性眼用レンズ基材に何らかの修飾を加えて、表面改質層である親水性高分子と強固な静電相互作用により結合(すなわち、イオン結合)することができれば、眼用レンズ表面に安定的に親水性の改質層を形成することが可能になると想定した。そこで、レンズ表面付近に高い電荷を有するシリコーン系軟質性眼用レンズの形成方法について研究を進めた。
表面改質層である親水性高分子をシリコーン系軟質性眼用レンズの表面に静電的に結合するためには、レンズの構成成分としてシリコーン含有モノマーとともにイオン性モノマーを配合することが考えられる。しかし、イオン性モノマーはシリコーン含有モノマーとの相溶性が低く、多量に配合することが困難である。また、重合成分を含む重合前液を重合して得られる眼用レンズ基材はランダムポリマーであることから、表面近傍の電荷密度を選択的に向上させることが難しく、親水性高分子とイオン性高分子との間に生じる静電相互作用を高めることができず、表面改質層を強固に結合させることができない。
そこで、本発明者らは、レンズ基材の電荷密度を向上させる方法について、さらに検討を進めた結果、コンタクトレンズ素材と高い電荷密度を有するイオン性高分子との間で形成される半相互侵入網目構造に着眼するに至った。
半相互侵入網目構造は、2種以上の高分子複合体であって、一方の網目状高分子と、他方の鎖状高分子が相互に侵入しあう構造である。網目状高分子及び鎖状高分子は、互いに独立していることから、その複合体は網目状高分子及び鎖状高分子の両方の特徴を併せ持つ。また、鎖状高分子の両端部は、一方の端部は網目状高分子に侵入し、他方の端部は網目状高分子からはみ出していることから、網目状高分子からはみ出した鎖状高分子の端部は、近接する化合物と相互に作用しあうことができるという特徴を有する。
本発明者らは、網目状高分子としてシリコーン系軟質性眼用レンズ素材を、鎖状高分子として高い電荷密度を有するイオン性高分子を選択し、これらにより半相互侵入網目構造を形成することで、眼用レンズ素材よりはみ出したイオン性高分子の端部の電荷により、眼用レンズ表面が高い電荷を有する状態になることを見出した。さらには、この電荷密度が高いレンズ表面(イオン性高分子の端部)に、対電荷を有する親水性高分子が接触することで、レンズ表面(イオン性高分子の端部)と親水性高分子とは強固な静電相互作用により結合し、結果として、安定な親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得ることができることに成功した。また、この方法は、特殊な有機溶媒などを使用しないことから、レンズの形状に悪影響を及ぼす方法ではない。本発明は、これらの成功例に基づき完成された発明である。
したがって、本発明によれば、(1)(i)シリコーン含有モノマー、(ii)架橋剤、(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子及び(iv)分子内に少なくとも1以上の親水性基及び(メタ)アクリロイル基若しくはビニル基を有する親水性モノマーを少なくとも含む重合前液を、眼用レンズ用モールド内で重合反応に供することによって、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程;(2)前記シリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子を帯電させて、帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程;及び(3)前記帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズと、(v)該イオン性鎖状高分子の電荷と反対の電荷を有する親水性高分子とを接触させ、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程を含む、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを製造する方法が提供される。
好ましくは、前記(i)シリコーン含有モノマーは、下記一般式(I)〜(IV)
(I)
(II)
(III)
(IV)
(式(I)〜(IV)において、Rは水素又は−CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立して水素、C〜Cの炭化水素基又は−OSi(CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立してC〜Cの炭化水素基を表わし;Xは−COO−又は−CONH−を表わし;YはC〜Cの炭化水素基を表わし;Zは1以上の水酸基を有するC〜Cの炭化水素基を表わし;nは1〜10の整数を表わす)
で示される分子内に1以上の親水性基を有するシリコーン含有モノマーを少なくとも1以上含むものである。
好ましくは、前記(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子が、分子量1,000〜30,000のカチオン性の鎖状高分子である。
好ましくは、前記(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子が、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びそれらの誘導体からなるブロックポリマーである。
好ましくは、前記(v)親水性高分子がアニオン性高分子である。
好ましくは、前記(v)親水性高分子がポリアクリル酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース及びデルマタン硫酸からなる群から選択される。
本発明の別の側面によれば、本発明の方法により製造される、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズが提供される。
本発明の方法によれば、レンズの形状を変形させることなく、こすり洗いなどへの耐久性に優れた安定した親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズが得られる。特に、本発明の方法によって得られる眼用レンズは、その表面が親水性高分子によって被覆されていることから、眼用レンズ基材中のイオン性鎖状高分子はこすり洗いによって脱離し難く、結果として親水性高分子の表面被覆が剥がれ難い構造となっている。このような眼用レンズは、長期間にわたる装用においても、脂質の付着や摩擦の増加を抑止することが可能なものであり、それらに起因する装用感の低下や眼障害の誘発を回避することができるものである。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明に係る親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを製造する方法は、以下の工程(1)〜(3)を少なくとも含む:
(1)(i)シリコーン含有モノマー、(ii)架橋剤、(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子及び(iv)分子内に少なくとも1以上の親水性基及び(メタ)アクリロイル基若しくはビニル基を有する親水性モノマーを少なくとも含む重合前液を、眼用レンズ用モールド内で重合反応に供することによって、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程;
(2)前記シリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子を帯電させて、帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程;及び
(3)前記帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズと、(v)該イオン性鎖状高分子の電荷と反対の電荷を有する親水性高分子とを接触させ、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程。
本発明の方法は、概略すると、工程(1)により網目状高分子である眼用レンズ素材と鎖状高分子であるイオン性鎖状高分子との間で半相互侵入網目構造を形成させ、次いで工程(2)により半相互侵入網目構造にあるイオン性鎖状高分子を帯電させることにより表面に高い電荷を有する眼用レンズを得て、次いで工程(3)により表面に高い電荷を有する眼用レンズとイオン性鎖状高分子の電荷と対になる電荷の親水性高分子とを接触させることで、レンズ表面に親水性高分子が強固な静電相互作用により結合した眼用レンズを得る方法である。本発明の方法によって、耐久性に優れた、安定的に親水性の表面を有する眼用レンズを得ることが可能となる。本発明の方法において、必ずしも工程(1)〜(3)が連続して実施されなければならないということはなく、本発明の課題を解決し得る限り、工程と工程との間又は工程途中に種々の工程や操作が含まれ得る。
本発明において、半相互侵入網目構造とは、2種以上の高分子複合体であって、少なくとも1種の網目状高分子と、それとは異なる少なくとも1種のイオン性鎖状高分子が相互に侵入しあう構造を有する。本発明においては、網目状高分子はシリコーン系軟質性眼用レンズ基材であり、イオン性鎖状高分子は、帯電可能なイオン性高分子である。当該構成とすることで、半相互侵入網目構造形成後のレンズ基材は、その内部及び表面に電荷を有することができる。
本発明の方法は、工程(1)として、(i)シリコーン含有モノマー、(ii)架橋剤、(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子及び(iv)分子内に少なくとも1以上の親水性基及び(メタ)アクリロイル基若しくはビニル基を有する親水性モノマーを少なくとも含む重合前液を、眼用レンズ用モールド内で重合反応に供することによって、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程を含む。重合前液において、(i)シリコーン含有モノマー、(ii)架橋剤及び(iv)分子内に少なくとも1以上の親水性基及び(メタ)アクリロイル基若しくはビニル基を有する親水性モノマーは網目状高分子を形成するモノマー成分として機能し、(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子は網目状高分子と半相互侵入網目構造を形成する高分子成分として機能する。
(i)シリコーン含有モノマーは、分子内に一種以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を含む重合可能なシリコーン化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)〜(3)で示される化合物が挙げられる。さらに、一般式(1)〜(3)で示される化合物の具体例として、メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、α,ω−ジメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン、α−メタクリロキシ−ω−ブチルポリジメチルシロキサン及びメタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(i)シリコーン含有モノマーとしては、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。
(1)
(2)
(3)
一般式(1)〜(3)において、Rは水素又は−CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立して水素、C〜Cの炭化水素基又は−OSi(CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立してC〜Cの炭化水素基を表わし;Xは−COO−又は−CONH−を表わし;YはC〜Cの炭化水素基を表わし;nは1〜10の整数を表わす。
前記網目状高分子としてSHGCLを選択する場合においては、(i)シリコーン含有モノマーと親水性モノマーの相溶性を向上させるために、さらに1以上の親水性基を修飾したシリコーン含有モノマーを配合することが好ましく、例えば、下記一般式(I)〜(IV)で示される化合物が挙げられる。一般式(I)〜(IV)で示される化合物の具体例として、3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、α−3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシプロピル−ω−ブチルポリジメチルシロキサン、α,ω−ジ−3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピオキシプロピルポリ(ジメチルシロキサン)、α−メタクリロキシ−ω−トリメチルシロキシポリエチレンオキサイド及びメタクリロキシエトキシトリメチルシランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。1以上の親水性基を修飾したシリコーン含有モノマーとしては、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。
(I)
(II)
(III)
(IV)
一般式(I)〜(IV)において、Rは水素又は−CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立して水素、C〜Cの炭化水素基又は−OSi(CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立してC〜Cの炭化水素基を表わし;Xは−COO−又は−CONH−を表わし;YはC〜Cの炭化水素基を表わし;Zは1以上の水酸基を有するC〜Cの炭化水素基を表わし;nは1〜10の整数を表わす。
前記重合前液に含まれるシリコーン含有モノマーの総配合量は特に限定されないが、例えば、全重合成分の重量に対し40〜80wt%であり、好ましくは50〜75wt%である。配合量が40wt%を下回る場合、酸素透過性の高い眼用レンズを得ることができない可能性があり、配合量が80wt%を上回る場合、眼用レンズの軟質性が損なわれるため、装用時に異物感を感じることやステイニングが生じる可能性がある。
(ii)架橋剤は架橋性モノマーを意味し、分子内に2以上の(メタ)アクリル基又はビニル基を有する化合物であれば特に限定されない。(ii)架橋剤の具体例は、エチレングリコールジメタクリレイト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエリチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系架橋性モノマー;アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメリテート、ジアリルエーテル、N,N−ジアリルメラミン、ジビニルベンゼンなどのビニル系架橋性モノマー;α,ω−メタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(ii)架橋剤は、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。
(ii)重合前液における架橋剤の配合量は特に限定されないが、例えば、全重合成分の重量に対し0.1〜5.0wt%であり、好ましくは0.3〜3.0wt%である。配合量が0.1wt%を下回る場合、重合体が適切な架橋構造を形成せず、十分な形状保持性が得られない可能性がある。また、5wt%を上回る場合、架橋構造が密になり、レンズの柔軟性が低下する可能性があることから、眼用レンズの装用者がレンズ装用時に異物感を感じやすくなる傾向がある。
本発明において、半相互侵入網目構造の形成に用いる(iii)イオン性鎖状高分子は、非重合性のホモポリマー又はブロックポリマーのいずれかから選択することができる。
(iii)イオン性鎖状高分子の分子量は特に限定されないが、例えば、平均分子量で1,000〜30,000であり、好ましくは1,500〜10,000である。分子量が1,000以下の場合、工程(1)によって得られる半相互侵入網目構造体を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを膨潤離型する際に、イオン性鎖状高分子が溶出し、本発明の目的が達成されない可能性がある。また、分子量が30,000以上である場合、(i)シリコーン含有モノマーとの相溶性が低く、透明な重合前液を調整することが困難となり、重合後に得られる眼用レンズが白濁する可能性がある。
重合前液における(iii)イオン性鎖状高分子の配合量は特に限定されないが、例えば、全重合成分の重量に対して、2〜10wt%、好ましくは3〜8wt%である。(iii)イオン性鎖状高分子の配合量が2wt%未満であると、十分な電荷を付与できないことから、眼用レンズ表面との静電的結合が十分に形成されず、安定した親水性の表面を有する眼用レンズを得られない可能性がある。また、(iii)イオン性鎖状高分子の配合量が10wt%以上であると、シリコーン含有モノマーと親水性高分子とが相分離して、結果として重合後にレンズの白濁が生じる可能性がある。
(iii)イオン性鎖状高分子は、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを形成した後に、工程(2)及び(3)によって当該イオン性鎖状高分子と結合する(iv)親水性高分子の物性を考慮し、カチオン性であることが好ましい。(iii)イオン性鎖状高分子の具体例は、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びそれらの誘導体であるブロックポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、重合前液に(iv)親水性モノマーを配合する。(iv)親水性モノマーとは、分子内に少なくとも1つの親水性基及び(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する重合可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレイト、2−ヒドロキシエチルメタクリレイト、N−ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレイト、グリセロールメタクリレート、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド及びN−ビニルホルムアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合前液おける(iv)親水性モノマーの配合量は特に限定されないが、例えば、全重合成分の重量中に対し20〜60wt%であり、好ましくは30〜55wt%である。配合量が60wt%を上回る場合、シリコーン含有モノマーとの相溶化が困難となることから、透明な眼用レンズを得ることができない可能性がある。また、配合量が20wt%を下回ると、眼用レンズが含水しないことから、SHGCLを得ることができない可能性がある。
工程(1)の重合前液には、上記した成分(i)〜(iv)に加えて、該重合前液を重合反応に供して半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得ることができる限り、他の成分を配合することができる。
また、前記網目状高分子の剛性、含水性及び易滑性を調整するために、重合前液に疎水性モノマーを配合することができる。疎水性モノマーは、分子内に親水性基を有さず、1以上の(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する重合可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、6−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、7−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、2、1,1−ジメチルドデシル(メタ)アクリレート、2、7−ジメチル−4、5−ジエチルオクチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロビス(トリフルオロメチル)ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、トリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、オクタデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ノナデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、エイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−オクタフルオロ−6−トリフルオロメチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−ドデカフルオロ−8−トリフルオロメチルノニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−ヘキサデカフルオロ−10−トリフルオロメチルウンデシル(メタ)アクリレート、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。疎水性モノマーとしては、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。
前記重合前液における疎水性モノマーの配合量は特に限定されないが、例えば、全重合成分の重量に対し、0〜60wt%であり、好ましくは0〜55wt%である。配合量が60wt%を上回る場合、得られる網目状高分子の酸素透過性が低くなる可能性があることから、好ましくない。
本発明の第一工程である重合前液には、配合されるモノマー及びイオン性高分子などの各成分の相溶性を向上させるために任意の溶媒を用いることができる。本発明においては、溶媒として特に限定されないが、三級アルコール又は飽和カルボン酸が好ましく用いられる。三級アルコールの具体例としては、ターシャリ−ブタノール、ターシャリーアリルアルコール、2−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2、3−ジメチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2-メチル−2−ヘキサノール、2、3−ジメチル−2−ペンタノール、2,4−ジメチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2、3、3−トリメチル−2−ブタノール、2−エチル−3−メチル−2−ブタノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。飽和カルボン酸の具体例としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒は、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。飽和カルボン酸は、イオン性鎖状高分子の電荷を中和し、飽和脂肪酸基がイオン性高分子に付与されることで、イオン性鎖状高分子の極性が低下し、シリコーン含有モノマーとの相溶性が向上することから、好ましく用いられる。
前記構成成分を混合した重合前液を重合反応に供し、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを形成するために、重合前液には種々の開始剤が配合される。例えば、熱重合開始剤として、種々のアゾ化合物又は過酸化物が挙げられる。具体的には、メタクリル酸2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2,4、4−トリメチルペンタン)ジイソブチリールパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリ−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ターシャリ−ブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリ−ヘキシルパーオキシピバレート、ターシャリ−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−ヘキサノイル)パーオキシヘキサン、ターシャリ−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリ−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリ−ブチルパーオキシイソブチレート、ターシャリ−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、ターシャリ−ブチルパーオキシマレイン酸、ターシャリ−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリ−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ターシャリ−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ターシャリ−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、ターシャリ−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ターシャリ−ブチルパーオキシ酢酸、ターシャリ−ブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられる。光重合開始剤としては、種々のベンゾイン誘導体が挙げられる。具体的には、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリルノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4、6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、ビス(2,4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1、2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンソイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。重合開始剤としては、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。
単独で、或いは2種類以上を混合して用いることができるが、本発明においては、重合反応を短時間で完了するために、光重合剤が好ましく用いられる。重合前液における重合開始剤の配合量は特に限定されないが、例えば、全重合成分の重量に対し、0.01〜1.0wt%であり、好ましくは0.05〜0.5wt%である。重合開始剤の配合量が0.01wt%未満である場合、重合反応が不十分で適切な強度を有する眼用レンズが得られない可能性がある。重合開始剤の配合量が1.0wt%以上である場合、重合速度が速く、不均一な反応になり、適切な強度を有する眼用レンズが得られない可能性がある。
工程(1)の反応生成物である半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズは、眼用レンズ用モールドから離型することにより得られる。離型手段は特に限定されないが、例えば、有機溶媒や有機溶媒/水の混合液などを用いる膨潤離型手段を採用できる。膨潤離型の際に用いる有機溶媒は、シリコーン含有モノマーを溶媒和できるものであり、かつ、水と混和可能であるものであれば特に限定されず、例えば、1級又は2級アルコールである。膨潤離型の際に用いられる有機溶媒の具体例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。膨潤離型の際に用いられる有機溶媒としては、これらのうちの1種を単独で使用することができ、又は2種以上を混合して配合することができる。眼用レンズ用モールドから離型すると、未反応成分から分離された、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得ることができる。
工程(1)の反応生成物である半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズは、工程(2)に供する前に、重合前液中の未反応成分や膨潤離型に用いた溶媒などを除去するなどの目的で、洗浄や乾燥などの工程に供してもよい。例えば、半相互侵入網目構造を有する膨潤離型後に得られるシリコーン系軟質性眼用レンズの乾燥工程では、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズから膨潤離型に使用した溶媒を除去する。当該乾燥工程としては、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズに熱及び/又は陰圧を加えることで、短時間で乾燥を完了する工程を採用できる。網目状高分子としてSHGCLを選択した場合においては、通常、乾燥工程を経ずに、次工程に移行する。
本発明の方法では、工程(1)で得られた半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子を帯電させて、帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程である工程(2)を含む。
工程(2)において、イオン性鎖状高分子を帯電する方法は特に限定されず、例えば、得られた半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズをpH2.0〜5.0の水溶液に浸漬することによって、シリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子を帯電させることができる。この際、イオン性鎖状高分子の端部であるアミノ基がプロトン化されるので、結果としてシリコーン系軟質性眼用レンズの表面がカチオン電荷を帯びることとなる。シリコーン系軟質性眼用レンズがSHGCLである場合においては、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズをpH2.0〜5.0の水溶液に浸漬することにより、レンズが膨潤するとともにイオン性鎖状高分子が帯電することから、SHGCLの水和膨潤とイオン性鎖状高分子の帯電とを同時に実施することが可能となる。
本発明の方法は、工程(2)で得られた帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズと、(v)該イオン性鎖状高分子の電荷と反対の電荷を有する親水性高分子とを接触させ、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程である工程(3)を含む。
シリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子と親水性高分子との静電的な結合を介して、前記シリコーン系軟質性眼用レンズの表面に親水性表面を形成させることができる。
例えば、(iii)イオン性鎖状高分子がアニオン性高分子である場合は(v)親水性高分子はカチオン性高分子である。また、例えば、(iii)イオン性鎖状高分子がカチオン性高分子、特にポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びそれらの誘導体であるブロックポリマーである場合、(v)親水性高分子はアニオン性高分子であり、眼用レンズ装用時の眼組織への生体適合性を考慮すると、具体的には、ポリアクリル酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、デルマタン硫酸などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
工程(3)の実施態様は特に限定されないが、例えば、少なくとも1種のアニオン性親水性高分子を含む水溶液に、工程(2)で得られた帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを浸漬することによって、親水性の表面改質層を形成させ、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズが得られる。
水溶液中にある(v)親水性高分子の配合量は特に限定されないが、例えば、溶液成分の0.01〜1.0wt%程度であり、好ましくは0.05%〜1.0%程度である。配合量が0.01wt%より低いと、眼用レンズ表面に親水性を付与するための親水性高分子が不足することから、基材表面に充分な表面親水層が形成されない可能性がある。工程(3)の実施条件は、所望により設定され、特に限定されないが、工程(2)で得られたシリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子と(v)親水性高分子との静電的な結合の形成速度を考慮すると、室温以上で行うことが好ましく、静電的な結合の形成を迅速に終了させる場合、高温高圧下で行うことがより好ましく、121℃の高圧下で行うことがさらに好ましい。工程(3)を高温高圧条件下で行うことにより、高圧蒸気滅菌処理を兼ねることができ、結果として、本発明の方法により得られる親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを安全かつ健全に装用することができるようになり、作業工程を一つ省略できるという効果を奏する。
工程(3)を実施することにより得られる親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズは、軟質性のシリコーンハイドロゲル眼用レンズという基本特性を維持しつつ、親水性高分子とレンズ表面(イオン性鎖状高分子)とが静電的に結合したものであることからこれらの結合力は強く、レンズ表面に形成された親水性表面はこすり洗いなどへの物理的耐久性に優れるものである。このような眼用レンズは、長期間にわたる装用においても、脂質の付着や摩擦の増加を抑止することが可能なものであり、それらに起因する装用感の低下や眼障害の誘発を回避することができる、非常に有用なものである。
本発明の方法は、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得ることができる限り、上記した工程以外に、当業者により知られている種々の工程を組み合わせて含有することができ、特に限定されないが、例えば、具体的な工程として下記工程を含むことができる:網目状高分子を形成するモノマー並びに少なくとも1種のイオン性鎖状高分子を混合し、重合前液を得る工程、得られた重合前液をレンズ成形用の樹脂型に分注し、重合硬化により半相互侵入網目構造を有する重合体を得る工程、得られた重合体を有機溶媒、或いは有機溶媒/水の混合液により膨潤離型する工程、膨潤離型後の重合体を乾燥させ、シリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程、得られたシリコーン系軟質性眼用レンズをpH2〜5の水溶液に浸漬し、シリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子を帯電させる工程、前記帯電させたシリコーン系軟質性眼用レンズを親水性高分子の生理食塩水溶液に浸漬し、重合体表面に親水性高分子を結合させ、前記眼用レンズの表面を親水化する工程。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜7:シリコーン系軟質性眼用レンズ1〜7の調製]
各成分を表1の実施例1〜7に示す比率で秤量した後、30分程度撹拌し、室温で均一に混合することで重合前液を調整した。得られた重合前液をポリプロピレン製眼用レンズ用モールドの雌型に入れ、対応する雄型と雌型とを嵌合した。嵌合した眼用レンズ用モールドごと、重合前液に波長405nmのLED光源を照度1.00mW/cmで15分間照射し、重合を完了させた。
重合完了後、雄型と雌型とを分離し、重合体が付着した雌(雄)型を純水/エタノール混合液(体積比30/70)に1時間浸漬し、重合体を雌(雄)型から離型した。次いで、得られた重合体をエタノール溶液に1時間浸漬し、未反応の原料を除去した後、pH2.0の純水/エタノール混合液(体積比50/50)に1時間浸漬して重合体を帯電処理した。
その後、帯電処理した重合体を、表2に示した処方の親水性高分子を含有する生理食塩水に1時間浸漬し、121℃で30分間高圧蒸気滅菌することで、表面を親水性に改質したシリコーン系軟質性眼用レンズ1〜7を得た。
[レンズ形状及び表面特性の評価]
(1)レンズ形状の評価
得られた眼用レンズ1〜7の形状について、目視確認による評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。
○:レンズを真上から観察した際に、真円状である。
×:レンズを真上から観察した際に、楕円状である。或いは、著しい形状の歪みが確認される。
(2)湿潤性の評価
得られた眼用レンズ1〜7の湿潤性について、目視確認による評価を行った。評価基準は、以下のとおりとした。
○:純水中にレンズを浸漬し、その後水中より引き上げた際に、表面に水の膜が存在し、安定である。
×:純水中にレンズを浸漬し、その後水中より引き上げた際に、表面に水の膜が存在せず、水滴が確認される。
(3)易滑性
得られた眼用レンズ1〜7の易滑性について、触指確認による評価を行った。評価基準は、以下のとおりとした。
○:滑りやすい表面である。
×:粘着感、摩擦感を感じる。
(4)スダンブラック染色試験
表面親水層による表面改質の効果を確認するため、スダンブラック染色試験を行った。スダンブラックは、親油性の高い染料であり、水に溶解しない性質を有する。油又は親油性溶媒を用いて調整したスダンブラック溶液にシリコーン系のコンタクトレンズを浸漬した場合において、表面の親水性が高いコンタクトレンズであれば、コンタクトレンズ表面及び内部にスダンブラックが浸透しないため、スダンブラックによる染色は確認されない。ところが、表面の親水性が低いコンタクトレンズは、コンタクトレンズ内部までスダンブラックが浸透するため、スダンブラックによる染色が確認される。本試験において、コンタクトレンズ基材であるシリコーン系軟質性眼用レンズは親油性であるため、適切な表面改質により眼用レンズ表面が親水化されていなければ、基材がスダンブラックにより染色されることとなる。試験操作は、以下の通りに行った。
スダンブラックB(Aldrich)の0.5重量%トコフェロール溶液を調製し、評価対象レンズを当該溶液に5分間浸漬した。浸漬後、温水にて余剰の染液をすすぎ落とし、その後、レンズを乾燥させ、目視で染色の程度を評価した。
○:染色が確認されない、或いは、ほとんど確認されない。
×:染色がはっきりわかる。
(5)接触角評価
表面親水層の濡れ性を評価するため、接触角測定により評価した。固体表面に液を滴下すると、液滴の固体表面に対する接触角は、固体の濡れ性に応じて変化するため、接触角の評価により固体表面の濡れ性を評価できる。本発明の評価においては、純水を滴下し、接触角が90°以上で撥水性、接触角が90°未満で親水性と判定することとした。試験操作は、以下の通りに行った。
眼用レンズをピンセットで保存液から取り出し、眼用レンズ型の雌型の上に配置した。ブロアーで余剰の水分を除去し、その後、キムワイプで残った水分をふき取った。純水3μgをレンズ頂点部に滴下し、接触角計を用い、接触角を測定した。
(6)表面処理の耐久性試験
得られた眼用レンズ1〜7の表面処理の耐久性を以下の試験により評価した。オプティーフリー(アルコン社製)を用い、1回20秒間のレンズ表面のこすり洗いを20回行った。20回のこすり洗い後の眼用レンズ1〜5をオプティーフリーに4時間浸漬させ、浸漬後の眼用レンズに対して、前記(1)〜(5)の試験を実施し、浸漬前後の測定結果を比較することで、表面処理の耐久性について、評価した。
○:同様の結果であった。
×:結果が異なった。
各評価結果を表3に示した。
(比較例1):半相互侵入網目構造を有さない眼用レンズの調製
各成分を表1の比較例1に示す比率で秤量し、実施例1と同様にして重合体を得た後、pH2.0の純水/エタノール混合液(体積比50/50)にて1時間浸漬処理した。
その後、浸漬処理した重合体を生理食塩水に1時間浸漬し、121℃で30分間高圧蒸気滅菌することで、半相互侵入網目構造を有さないシリコーン系軟質性眼用レンズを得た。得られた眼用レンズは実施例と同様の手法で評価し、結果を表3に示した。
(比較例2):ポリビニルピロリドンの半相互侵入網目構造による表面処理
各成分を表1の比較例2に示す比率で秤量し、実施例1と同様にして重合体を得た後、pH2.0の純水/エタノール混合液(体積比50/50)にて1時間浸漬処理した。
その後、浸漬処理した重合体を生理食塩水に1時間浸漬し、121℃で30分間高圧蒸気滅菌することで、ポリビニルピロリドンの半相互侵入網目構造を有したシリコーン系軟質性眼用レンズを得た。得られた眼用レンズは実施例と同様の手法で評価し、結果を表3に示した。
(比較例3):ポリアクリル酸を使用した表面処理
各成分を表1の比較例3に示す比率で秤量した後、得られた重合前液を実施例1と同様にして重合反応に供した。
重合完了後、雄型と雌型を分離し、重合体が付着した雌(雄)型を純水/エタノール混合液(体積比30/70)に1時間浸漬し、重合体を雌(雄)型から離型した。次いで重合体を1.0%のポリアクリル酸(分子量80万)を溶解したエタノール溶液に浸漬し、その後、生理食塩水に30分間浸漬した。その後、新しい生理食塩水に浸漬し、121℃で30分間高圧蒸気滅菌した。得られた眼用レンズは実施例と同様の手法で評価した。結果を表3に示した。
(比較例4):LbLコーティングによる眼用レンズの表面処理
各成分を表1の比較例4に示す比率で秤量した後、得られた重合前液を実施例1と同様にして重合反応に供した。
重合完了後、雄型と雌型を分離し、重合体が付着した雌(雄)型を純水/エタノール混合液(体積比30/70)に1時間浸漬し、重合体を雌(雄)型から離型した。ついで、重合体をエタノール溶液に浸漬し、余剰の原料を除去した。次いで重合体を1.0重量%のアクリル酸(分子量800000)溶液に眼用レンズを浸漬し、純水で濯いだ後にpH2.0の0.1wt%ポリアリルアミン溶液に浸漬した。最後に1.0wt%ポリビニルピロリドン(K値=90)溶液に浸漬し、121℃で30分間高圧蒸気滅菌した。得られた眼用レンズは実施例と同様の手法で評価し、結果を表3に示した。比較例4の眼用レンズは濡れ性、易滑性が良好であったが、LbLコーティング処理中に、ポリアリルアミンとポリアクリル酸の複合体と考えられる糸状の物体が形成され、レンズ基材への付着が確認された。

略称一覧:
FM7711;α,ω−ジメタクリロキシプロピルポリ(ジメチルシロキサン)
分子量1500(JNC株式会社製)
FM7725;α,ω−ジメタクリロキシプロピルポリ(ジメチルシロキサン)
分子量15000(JNC株式会社製)
ED;エチレングリコールジメタクリレイト
FM0711;α−メタクリロキシ−ω−ブチル−ポリ(ジメチルシロキサン)
分子量1500(JNC株式会社製)
MHPS;3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン
MEOSi;メタクリロキシエトキシトリメチルシラン
PDMS−DAHP;α,ω−ジ−3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピオキシプロピルポリ(ジメチルシロキサン)
HEMA;ヒドロキシエチルメタクリレイト
DMAA;ジメチルアクリルアミド
PEI−10000;ポリエチレンイミン(分子量10000)
PEI−1800;ポリエチレンイミン(分子量1800)
PVP;ポリビニルピロリドン(分子量90000)
RUVA;メタクリル酸2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチル
IC819;ビス(2,4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
3M3P;3−メチル3−ペンタノール
TAA;ターシャリーアリルアルコール
溶媒:実施例1〜7/pH7.5 生理食塩水、比較例3/エタノール

Claims (6)

  1. (1)(i)シリコーン含有モノマー、(ii)架橋剤、(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子及び(iv)分子内に少なくとも1以上の親水性基及び(メタ)アクリロイル基若しくはビニル基を有する親水性モノマーを少なくとも含む溶液を眼用レンズ用モールド内に入れる前に混合して得られる重合前液を、眼用レンズ用モールド内で重合反応に供することによって、半相互侵入網目構造を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程;
    (2)前記シリコーン系軟質性眼用レンズ中のイオン性鎖状高分子を帯電させて、帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程;及び
    (3)前記帯電したイオン性鎖状高分子を有するシリコーン系軟質性眼用レンズと、(v)該イオン性鎖状高分子の電荷と反対の電荷を有する親水性高分子とを接触させ、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを得る工程
    を含む、親水性の表面を有するシリコーン系軟質性眼用レンズを製造する方法。
  2. 前記(i)シリコーン含有モノマーは、下記一般式(I)〜(IV)
    (I)
    (II)
    (III)
    (IV)
    (式(I)〜(IV)において、Rは水素又は−CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立して水素、C〜Cの炭化水素基又は−OSi(CHを表わし;R〜Rはそれぞれ独立してC〜Cの炭化水素基を表わし;Xは−COO−又は−CONH−を表わし;YはC〜Cの炭化水素基を表わし;Zは1以上の水酸基を有するC〜Cの炭化水素基を表わし;nは1〜10の整数を表わす)
    で示される分子内に1以上の親水性基を有するシリコーン含有モノマーを少なくとも1以上含むものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子が、分子量1,000〜30,000のカチオン性の鎖状高分子である、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記(iii)重合性基を有さないイオン性鎖状高分子が、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びそれらの誘導体からなるブロックポリマーである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記(v)親水性高分子がアニオン性高分子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記(v)親水性高分子がポリアクリル酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース及びデルマタン硫酸からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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