以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による学習支援システムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。同図に示すように、サーバ装置100と、端末装置200とが、ネットワークNを介して相互に通信可能に設定されることにより、学習支援システム1が構成される。
サーバ装置100は、ネットワークNに接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。本実施形態において、サーバ装置100は、学習支援システム1により学習者の学習を支援する事業者等によって提供され得る。
端末装置200は、ネットワークNに接続され、サーバ装置100にアクセス可能なコンピュータである。本実施形態において、端末装置200は、学習支援システム1のユーザである学習者が家庭等で学習する際に使用されるものであるから、このような端末装置200として、好適にはタブレットコンピュータ(以下「タブレット端末」という。)が想定される。そこで、以下においては、理解を容易にするべく、端末装置200がタブレット端末である実施の形態を例にとって説明する。しかしながら、本発明において、端末装置200はタブレット端末に限られるものではなく、他にも、パソコン(PC)、家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器を採用してもよいことは言うまでもない。
ネットワークNは、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100と端末装置200との間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、有線であるか無線であるかも問わない。また、ネットワークNは、複数種の通信回線や通信網及び種々のネットワーク機器を含んで構成され得る。例えば、ネットワークNは、端末装置200に無線接続される基地局や無線LANのアクセスポイント(WiFiルータ等)、基地局に接続された移動体通信網、アクセスポイントからルータやモデムを介して接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光通信回線などの公衆回線、サーバ装置100に接続されたインターネット、移動体通信網や公衆回線とインターネットを接続するゲートウェイ装置を含む。
図2は、本実施形態におけるサーバ装置100の好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。同図に示すように、サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110を備え、これらが、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されて構成される。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、学習支援の実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムや学習支援プログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、学習支援プログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムや学習支援プログラム、その他、学習の進行や複数の端末装置200間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
また、外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100を用いて問題や教材を含む講座を提供する事業者側のユーザが行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
さらに、RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置200のアクセス状況、各端末装置200における学習の進行状況や過去の成績等を示すデータ、端末装置200間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、学習支援に関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
またさらに、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、学習支援に関する音声情報(キャラクタの声や効果音など)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
さらにまた、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワークNへ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するための通信インターフェース回路とから構成される。
なお、サーバ装置100は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成される、いわゆるクラウドコンピューティングの形態のものであってもよい。また、単一のコンピュータが複数のサーバ機能を備えるようなものでもよい。
サーバ装置100のハードウェア構成は、上述したとおりであるが、図3は、図1及び図2に示すサーバ装置100を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。サーバ装置100は、端末装置200からの学習者の要求に応じて、学習を支援するためのものであり、そのための機能として、少なくともサーバ通信部131、サーバ記憶部132、及びサーバ処理部133を備える。
サーバ通信部131は、サーバ装置100とネットワークNとの間で通信を行うものであり、端末装置200等から受信したデータを、サーバ処理部133に供給するとともに、サーバ処理部133から供給されたデータを、端末装置200へ送信する機能を有する。かかるサーバ通信部131は、具体的には、少なくとも上述した図2に示すネットワークインターフェース110から構成される。
また、サーバ記憶部132は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、図2に示すROM102、RAM103、外部メモリ106、及びスロットドライブ108の少なくとも何れか1つから構成される。ここで、サーバ記憶部132に記憶される学習支援プログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムであり、サーバ記憶部132には、かかる学習支援に係る表示データや各種演算結果のデータも記録される。
また、サーバ記憶部132は、データとして、少なくとも、学習者マスタ及び講座マスタが記憶される。学習者マスタは、学習者の学習の進行状況や過去の成績等を管理するためのものである。また、講座マスタは、学年別(学習者が学生の場合)又はレベル別に設けられた講座毎に、各教科における学習スケジュール、及び、各教科の複数の単元の各回において学習する内容(例えば、授業の解説、テスト問題や課題、及びそれらの解答・解説等)を含む学習過程及び学習内容のカリキュラム全般を管理するためのものである。この他に、サーバ処理部133における所定の演算処理に関する一時的なデータを一時的に記憶してもよい。なお、これらの各マスタは、必要に応じて、例えば学習者を識別するためのID等によって互いに関連付けられている。
サーバ処理部133は、図2に示す演算処理部101から構成されており、演算処理部101による制御指令に基づいて後述の各機能モジュールによる処理が実行される。すなわち、演算処理部101が、本実施形態におけるサーバ処理部133として機能する。本実施形態における学習支援を例にして更に説明すれば、機能モジュールとして、問題提示処理部134、採点処理部135、及び、修了処理部136を備える。これらの各部(機能モジュール)は、演算処理部101のプロセッサで実行される上記各種プログラムにより実現され、或いは、ファームウェアとして演算処理部101に実装されていてもよい。なお、これらの各部の動作については、後述する。
図4は、図1に示す端末装置200の概略構成図であり、機能的な観点を含む機能構成図でもある。なお、端末装置200の好適なシステム構成(ハードウェア構成)は、図2に示すサーバ装置100のシステム構成と共通する構成を備えることに加え、例えば、デジタルカメラ等を含んでいる。本実施形態において、端末装置200は、上述の如く、例えばタブレット端末であり、図4に示すように、端末通信部231、端末記憶部232、操作部233、表示部234、及び端末処理部235を備えている。
端末通信部231は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を備え、端末装置200を、無線通信ネットワークを介してネットワークNに接続する。その場合の通信形態としては、特に制限されず、例えば、通信用の基地局やアクセスポイント等により割り当てられるチャネルを介して、その基地局やアクセスポイントとの間でWCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)方式やWiFi(Wireless Fidelity)方式等による無線信号回線を確立し、基地局やアクセスポイントとの間で通信を行う。そして、端末通信部231は、端末処理部235から供給されたデータをサーバ装置100に送信するとともに、サーバ装置100から受信したデータを端末処理部235に供給する。
端末記憶部232は、例えば、フラッシュメモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか1つを備え、端末処理部235での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。これらのうち、ドライバプログラムとしては、例えば、操作部233を制御するための入力デバイスドライバプログラム、表示部234を制御するための出力デバイスドライバプログラム等が挙げられる。また、アプリケーションプログラムとしては、各単元の解説やテスト問題、その採点結果など、学習に係るデータの取得及び表示を行うためのプログラム等を例示することができる。さらに、データとしては、学習の進行状況や過去の成績に係る表示データ等が挙げられる。なお、端末記憶部232は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
操作部233は、例えば、上述したサーバ装置100の入力部105と同等の構成のものを例示することができる。本実施形態においては、操作部233として、例えば、タッチパネルを用いるが、端末装置200の操作が可能であり、プレイヤが文字、数字等を入力することができるものであれば、どのようなデバイスでもよく、例えば、キーボードやマウス、タッチパッド等を用いてもよい。
タッチパネルは、表示部234の画面に対応する形状及び大きさの略矩形の検出面を備えており、この検出面上に物体が接触した場合に、当該物体の接触位置を検出する。本実施形態では、タッチパネルは、物体の接触位置を所定の時間間隔で順次検出する。タッチパネルの検出面は、表示部234の画面と重なるよう配置されている。また、タッチパネルは、必ずしも物体が検出面に接触した場合だけ物体の位置を検出するのではなく、検出面上の検出可能範囲まで物体が近接した場合に、当該物体の検出面に対する位置を検出するようにしてもよい。タッチパネルは、例えば、静電容量式や感圧式、光学式など、検出面上における物体の位置を検出可能なデバイスであれば、どのような方式のものであってもよい。
学習者は、自分の指やスタイラス等の物体をタッチパネルに接触させて操作入力を行う。学習者により操作部233が操作されると、操作部233は、その操作に対応する信号を発生し、その信号を端末処理部235に供給する。端末装置200は、学習者による操作信号を、上記の端末通信部231を介してサーバ装置100へ送信することにより、学習の進行に必要な動作を要求する。
また、表示部234は、端末処理部235から供給された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示するものであり、後述する端末装置200の画面の主要部を構成する。かかる表示部234としては、テキスト、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。
さらに、端末処理部235は、CPUやMPUといった一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備え、端末装置200の全体的の動作を統括制御するものであり、例えば、上述したサーバ装置100の演算処理部101と同等の構成のものを例示することができる。また、端末処理部235は、端末装置200の各種処理が、端末記憶部232に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に沿って、且つ、操作部233の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部231、表示部234等の動作を制御する。
この端末処理部235は、上記の各種プログラムによって実現される、又は、ファームウェアとして端末装置200に実装された機能モジュールとして、少なくとも閲覧実行部236とメモ制御部237とを備えている。
この閲覧実行部236により、上述した学習の進行に係る表示データの取得及び表示が行われる。すなわち、閲覧実行部236は、学習者からの指示に応じて、各単元の学習に係る問題文等の取得要求を、端末通信部231を介してサーバ装置100に送信するとともに、対応する問題文を含む表示データを、サーバ装置100から端末通信部231を介して受信する。さらに、閲覧実行部236により、受信された表示データに基づいて描画データが作成される。すなわち、閲覧実行部236は、受信した表示データを解析して、問題文データ及び手書きエリアデータを特定し、特定したデータに従って問題文表示エリア及び手書きエリアをレイアウトすることにより、描画データを再構成し、その描画データを表示部234に出力する。
メモ制御部237は、学習者がスタイラスペン等でタッチパネル上をなぞったときに、スタイラスペン等の動きに追従して表示部に線を書き込む処理を行う。また、設定により、スタイラスペン等でタッチパネル上をタッチしたときに、線を引く換わりに、チェックマークを書き込んだり、所定のイラスト画像をタッチ位置に挿入したりする。
このように構成された学習支援システム1において実施される学習支援処理の実施形態について、以下に説明する。
図5は、本発明の一実施形態によって実行される処理手順の一部を示す概略フロー図である。ここでは、学習者がタブレット端末(端末装置200)にスタイラス(ペン型デバイス)を用いて算数の演習問題を解く場合について説明する。同図に示すように、学習者がタブレット端末の電源を入れると、タブレット端末の表示部234に、ホーム画面が表示される(S51)。好適には、このホーム画面が表示される際に、タブレット端末からサーバ装置100に学習者のIDが送信される。そして、サーバ装置100が、受信した学習者IDに基づいて学習者マスタを検索し、学習者が受講している講座やコース、学習者の学習進度を判断し、学習者ごとにパーソナライズされたホーム画面情報をタブレット端末に表示させる。
次に、学習者は、学習する教科を選択し、表示部に表示された学習開始ボタンをタップするなどして、学習の開始を指示すると、選択された教科のIDと、学習者IDとを含む学習開始指示データがタブレット端末からサーバ装置100に送信される(S52)。例えば、算数が選択された場合、算数のIDと、学習者のIDとを含む学習開始指示データがサーバ装置100に送信される。
サーバ装置100は、学習開始指示データを受信すると、問題提示処理部134が問題提示処理を行う(S53)。すなわち、当該データに含まれる教科IDと学習者IDとに基づいて、講座マスタ及び学習者マスタを検索し、学習者が学習すべき単元を判断し、当該単元の解説文や問題文等を抽出する。なお、本実施形態において、「単元」とは、学習のカリキュラムの構成単位であり、例えば、小学2年生向け講座の7月号の算数が、全部で10回分のまとまりによって構成されているとき、各回のまとまりを単元という。各単元は、複数の解説文及び複数の問題文を含み得る。本学習支援システム1は、学習者の学習履歴を学習マスタによって管理しているので、学習者は、学習したい教科を選択すれば、サーバ装置100側で学習すべき教材や問題を判断して、学習者に提示する。
サーバ装置100は、抽出された解説文や問題文に基づいて、解説文や問題文をタブレット端末に表示させるための画面データを生成し、タブレット端末に送信する(S54)。例えば、算数の演習問題を解く場合であれば、サーバ装置100は、タブレット端末に表示させる学習画面のデータを生成し、送信する。このとき、学習画面データは、問題文に加え、手書きのメモを学習者が自由に書き込むことのできる手書きエリアに関する情報も含み得る。
タブレット端末は、学習画面データを受信すると、当該データに基づいて、表示部に学習画面20を表示する(S55)。
図6は、本実施形態においてタブレット端末に表示される学習画面20の一例を示す図である。同図に示すように、学習画面20は、問題文が表示される問題文表示エリア21と、解答記入後に答え合わせを実行するための答え合わせボタン22と、学習者が問題文の解答を記入するための解答記入エリア23と、テンキー等パネル24と、学習者が手書きの書き込みをすることが可能な手書きエリア25と、手書きエリア25に書き込んだメモやノート等を消すためのメモ消しボタン26と、を含んで構成される。
問題文は、問題文表示エリア21内に表示される。例えば、問題文表示エリア21には、ステップS53でサーバ装置100がサーバ記憶部に記憶されている問題文の中から取得した問題文が記述される。図6に示す例では、「75+68=」という問題文が表示されている。学習者は、問題文表示エリア21に表示された問題文を解いて、その解答を、解答記入エリア23に入力する。このとき、学習者は、解答記入エリア23に解答を手書きしてもよいし、テンキー等パネル24を用いて解答を入力してもよい。解答記入エリア23に解答を手書きする場合、学習者が手書きで記入した数字を、タブレット端末が文字認識処理を実行して、テキストデータに変換する。また、テンキー等パネル24は、いわゆるソフトウェアキーボードであり、学習者がテンキー等パネル24上で選択した数字や記号等が、解答記入エリア23に入力されるように構成される。
また、本実施形態において、問題文が表示される学習画面20は、問題文表示エリア21に加えて、手書きエリア25を含む。手書きエリア25は、スタイラスペンなどを用いて、学習者が手書きで自由に線を書き込むことのできる領域である。すなわち、本実施形態では、例えば計算問題の問題文表示エリア21の近傍に、学習者が自由に筆算等のメモを書き込むことができる欄を設けるものである。学習画面20の全部を自由にメモ書きできる手書きエリア25としてもよいが、図6に示すように、学習画面20の一部に手書きエリア25を形成することが好ましい。
学習画面20上の領域のうち、答え合わせボタン22、解答記入欄23、テンキー等パネル24及び手書きエリア25以外の領域については、操作部233(タッチパネル等)が学習者の手などの物体を検出しても、当該検出を無効化することが好ましい。このとき、答え合わせボタン22、解答記入欄23、テンキー等パネル24及び手書きエリア25のいずれかの領域で、操作部233が物体をさらに検出したとき、当該検出された位置が、操作入力として受け付けられることが好ましい。
さらに、問題文表示エリア21、答え合わせボタン22、解答記入欄23及びテンキー等パネル24と重ならないように手書きエリア25を配置することがさらに好ましい。また、手書きエリア25は、予め枠取りされていて学習画面20内で、他の領域と視覚的に区別可能に構成されることが好ましい。このとき、単に枠取りされているのみならず、図7に示すように、実際のメモ帳を模した画像で手書きエリア25を形成すると、当該領域に自由にメモを書けることが、学習者がより直感的に認識できるようになる。さらに詳細は後述するが、本実施形態において、手書きエリア25内に、問題文表示エリア21に表示される問題文に関連する所定の画像を予め挿入しておくことによって、学習効果及び効率の向上が期待される。
メモ消しボタン26をタップすると、手書きエリア25に書き込まれたメモが削除され、手書きエリア25の表示が、メモを書き込む前の状態に戻る。手書きエリア25内に所定の画像が予め挿入されているとき、メモ消しボタン26をタップしても、予め挿入されていた当該所定の画像は削除されず、学習者が手書きしたメモが削除される。なお、ボタン形状のインターフェースに換えて、例えば、ゴミ箱のイラスト画像をメモ消しボタン26として利用してもよい。
図5に戻り、学習者は、タブレット端末に表示された学習画面20を見ながら、問題文を解いて、問題の解答を解答記入エリア23に記入する。例えば、図6に示す例では、学習者は「75+68」の答えを暗算で計算してもよいが、手書きエリア25を利用して手書きで算式を書き込んで、筆算で解いてもよい(S55)。
学習者は、解答記入エリア23に解答を記入した後、答え合わせボタン22をタップして、答え合わせを行う。答えあわせボタン22のタップに応答して、タブレット端末は、解答記入エリア23に記入された解答を含む解答データを、サーバ装置100に送信する(S56)。本実施形態において、解答データは、解答のほかに、学習者のIDと、問題文のIDとを含むものとする。しかし、1つの単元を学習している間、サーバ装置100とタブレット端末との間に通信セッションが確立され続ける場合には、学習を始めるために通信セッションを確立したときに、学習者のIDを送信しておけば、解答の都度、学習者IDを送受信する必要はない。また、解答データは、解答に要した時間を含めてもよい。
本実施形態においては、タブレット端末からサーバ装置100に送信される解答データに、手書きエリア25に書き込まれたメモの画像データを含めてもよい。その場合、サーバ装置100が収集したメモ画像データは、学習者の指導など、サーバ装置100側で適宜に活用することができる。例えば、採点者が人手で採点を行う場合、解答だけでは正誤を判定できても、誤答だった場合にどこで間違えたのかとか、学習者がどこまで理解しているのか等を採点者が把握することは困難である。しかし、採点者が利用する採点用端末装置に、学習者の解答に加え、当該解答を求めたときのメモ画像データを同時に表示するように構成すれば、メモ画像を参照することにより、学習者がどこで間違えてしまったのかといったことを採点者が把握し易くなるため、より的確な指導を行えることが見込まれる。また、個々の学習者の指導のみならず、学習者全体のメモ画像データを分析して、学習者が間違えやすいところを見つけたり、カリキュラムの作成に役立てたりしてもよい。
サーバ装置100は、タブレット端末から解答データを受信すると、採点処理部135が採点処理を行う(S57)。例えば、解答データに含まれる問題文IDに基づいて講座マスタを検索して、当該問題文の正答を抽出し、それを解答データに含まれる解答と比較することによって、学習者の解答が正解であるか誤っているかを判断する。また、サーバ装置100は、解答データに含まれる任意のデータ及び採点結果を、学習者IDに紐付けて学習者マスタに記憶する。
採点処理が終わると、サーバ装置100は、採点結果を含む採点結果データを学習者のタブレット端末に送信する(S58)。タブレット端末は、採点結果データを受信したことに応答して、採点結果画面を表示部に表示する(S59)。学習者は採点結果を見て、さらに、必要に応じて画面上に表示されたボタンを選択等することによって、模範解答を表示させたり、解説を表示させたりする。そして、採点結果画面に表示されている次の問題に進むためのボタンをタップすると、当該指示を含む次問題指示データがサーバ装置100に送信される(S60)。この次問題指示データは、次の問題に進むことの指示のほか、学習者のIDと、採点結果に係る問題文のIDを含む。
サーバ装置100は、次問題指示データを受信すると、講座マスタを参照して、学習者が受講中の単元に次の問題があるか否かを判断する(S61)。次の問題がある場合は、ステップS53に戻り、上述の処理を繰り返す。次の問題がなく、単元が修了した場合は、修了処理部136が修了処理を行う(S62)。例えば、学習者マスタに、学習者IDに紐付けて、当該単元を修了した旨の履歴を記録する。これにより、学習者が次回学習をするときには、次の単元から学べばよいことが分かる。
次に、手書きエリア25の実施例をいくつか説明する。上述のとおり、手書きエリア25には、テキスト、図版、イラストなどの画像が、予め表示されることが好ましい。さらに、手書きエリア25内に予め表示される画像、又は、問題文表示エリア21に表示される問題文に応じて、書き込み可能な内容や場所を決定してもよい。このように、手書きエリアに問題文に関連する画像を表示、また、書き込みの場所や内容が特定されることにより、問題文と直接関係のない書き込みを抑制することができるため、学習効果及び学習効率がより高まることが見込まれる。
図7は、問題文が計算問題の場合における、手書きエリア25の表示の一例である。同図に示すように、例えば、問題文が計算問題のとき、当該計算問題の問題部分を筆算の形式で記述した画像が手書きエリア25内に表示される。図示省略しているが、図7に示す例では、図6と同様に、問題文表示エリア21には「75+68=」という問題文が表示されているという想定である。
図7(A)は、タブレット端末に問題文が新規に表示された直後の状態を図示したものである。本実施例では、問題文表示エリア21に表示される問題文と同じ計算式を筆算の形で書いた画像が手書きエリア25に挿入される。学習者は、手書きエリア25に予め挿入された筆算の画像を利用して、その上から、手書きで筆算を行い、適宜繰り上がりや繰り下がりの桁を書きながら、計算式を解いていく。
このとき、図7(B)に示すように、学習者が手書きエリア25にメモ書きを入力しているとき、テンキー等パネル24は非表示となる。また、テンキー等パネル24を非表示にする代わりに、テンキー等パネル24をグレーアウトして、テンキー等パネル24が使えない状態であることを学習者に知らせてもよい。
メモ書きを終えた後、学習者が解答記入エリア23をタップすると、解答記入エリア23に解答を記入できる状態になり、テンキー等パネル24も再度表示される。図7(C)に示すように、学習者は、手書きエリア25に記入したメモ書きなどを利用して、解答記入欄23に解答を記入する。学習者が答え合わせボタン22をタップすると、解答記入エリア23に記入された解答がサーバ装置100に送信される。また、上述のとおり、手書きエリア25の画像データをサーバ装置100に送信してもよい。このとき、予め挿入された画像も含めて手書きエリア25の画像データをサーバ装置100に送信してもよいし、予め挿入された画像は含めずに、学習者がメモ書きした画像データのみをサーバ装置100に送信してもよい。
なお、本実施例では、学習者が手書きエリア25にメモ書きを入力している間、解答記入エリア23に解答を記入できないものとしたが、これに限られず、手書きエリア25にメモ書きを入力しているときに、解答も入力できるように構成してもよい。
図8は、問題文がオブジェクトの数量に関する問題の場合における手書きエリア25の表示の一例である。同図に示すように、例えば、問題文がオブジェクト(例えば、りんごやみかんなどの数を数える問題等)の数量に関する問題のとき、問題文中に現れる当該オブジェクトの種類又は数量に基づいたイラスト画像が手書きエリア25内に表示される。同図(A)が初期状態であり、同図(B)に示すように、スタイラスペン等でタッチしたイラストにチェックマークが付き、同図(C)に示すように、同じイラストを再度タッチすると、チェックマークが消えるように構成される。このように、物の数を数えるような問題の場合には、手書きエリア25にイラスト画像を表示するとともに、自由にメモを書き込む代わりに、タッチしたイラストにチェックマークがつくように、書き込み可能な内容(本実施例では、メモの場所や形状)を限定することが好ましい。
図9は、問題文が図形に関する問題の場合における手書きエリア25の表示の一例である。同図に示すように、例えば、問題文が図形に関する問題のとき、当該問題文に対応する図形の画像が表示される。例えば、三角形に関する問題であれば、同図(A)に示すとおり、手書きエリア25に三角定規のイラスト画像が表示される。このとき、三角形の各頂点近傍に、矢印マークが表示される。同図(B)に示すとおり、矢印マークを押下すると、押下している間、矢印が指している角と、当該角からでている2つの辺に接するように、第2の三角定規が重畳縦横字される。押下中の矢印マークは、他の矢印マークと識別可能に表示されることが好ましい。そして、スタイラスペンを矢印マークから離すと、同図(C)に示すように、初期状態に戻る。
図10は、本実施形態における手書きエリア25の一例として、学習者が利き手を設定したときに表示される右利き用または左利き用の学習画面20の一例を示す図である。学習者が右利きを設定した場合には、同図(A)に示すように、手書きエリア25は、学習画面20の右側に表示される。すなわち、相対的にみて解答記入欄23の右側に手書きエリア25が配置される。一方、学習者が左利きを設定した場合には、同図(B)に示すように、手書きエリア25は、学習画面20の左側に表示される。すなわち、相対的にみて解答記入欄23の左側に手書きエリア25が配置される。このように、学習者の利き手に応じて手書きエリア25の配置を変えることによって、学習者の学習効率をより高められることが見込まれる。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。すなわち、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。また、上述の各処理フローは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
例えば、図2に示すサーバ装置100の構成の任意の部分は、処理能力等に相違はあるものの、端末装置200についても適合する。逆言すれば、端末装置200を、サーバ装置100として使用することも可能である。すなわち、ネットワークNを介して接続されているコンピュータ装置の何れもサーバ装置として機能させることができる。
さらに、サーバ装置100においては、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、スロットドライブ108に装荷されるメモリデバイス等と同等の機能を果たすように構成してもよく、それらの記憶装置は、RAID等による冗長化が行われていてもいなくてもよく、また、伝送路120を介して演算処理部101に接続されていなくてもよく、例えば、クラウドコンピューティングの一環として、ネットワークNを介して別の外部装置等に接続されていてもよい。
またさらに、サーバ装置100及び端末装置200におけるネットワークインターフェースとしては、無線LAN装置及び有線LAN装置の何れでもよく、それらは、内部に装着されていても、LANカードの如く外部デバイスタイプのものでもよい。さらにまた、端末装置200としては、ネットワークNに接続可能な任意のコンピュータ機器を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、解答を記入する解答記入エリアを、手書きエリアとは別に設けるものとしたが、証明問題などのように、最終的な解答のみならず、解答を導き出す過程を含めて採点するような問題の場合には、解答記入エリアを設けることなく、手書きエリアを解答記入エリアとして使用してもよい。