JP6229514B2 - 自吸式ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、自吸式ポンプに係るものであって、特にケーシングにおける駆動部側の流路と反駆動部側の流路とを直列接続する自吸式ポンプに関するものである。
一般に、ポンプの初期始動時において、呼び水を必要とする非自吸式ポンプと、ポンプにおけるケーシング内に水があることで自吸可能であって、呼び水を不要とする自吸式ポンプとに大別される。
このような自吸式ポンプとして、例えば、吸入孔と吐出孔を有し、U字型の移送溝が形成された前方ケーシングと駆動部に結合された後方ケーシングとの間に駆動部の出力軸に結合されたインペラが内蔵されてなる自吸式ポンプであって、インペラは内輪と外輪、及び内輪と外輪との間で内輪を中心として放射状に延びる多数の回転羽を有し、かつ、回転羽は回転方向側に所定角度傾斜するように形成され、後端部には隣り合う回転羽との間に生成された開放空間を一部塞ぐ加圧板が形成される自吸式ポンプが公知である(特許文献1参照)。
特開2013−512384号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、自吸時において、流れ込んだ流体は回転するインペラにより配管内の空気を撹拌した後、インペラにより流体内へと空気が取り込まれ、流体と空気が混合された気液混合水となる。そして、当該気液混合水は遠心力によってインペラの外径方向に運ばれ、ケーシング内にて徐々に移送溝へと導かれて吐出孔側へと運ばれることとなる。
一方で、気液混合水のうち、空気の含有率が比較的多いものはインペラの内径方向に集められ、徐々に吐出孔側へと運ばれることとなるが、その一部においては出力軸が貫通される軸孔から吸入孔側へと循環して残留してしまい、起動開始から揚水運転へ移行するまでの自吸時間を要するものであった。
また、同構造では、吸入口から前方ケーシングの吸入孔にかけて流路断面積が小さくなるとともに、ケーシング内にてインペラが回転することによって、流体の流速が急激に増加するためキャビテーションが発生する。これにより、流量が低下することで揚程が低下し、揚水性能が低下することが懸念されるものであった。また、キャビテーションの発生は、インペラの寿命を著しく低下させるため、可能な範囲において抑制することが望まれるものである。
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、自吸時間を短縮するとともに、キャビテーションの発生を抑制する自吸式ポンプを提供することを課題とする。
前記問題点を解決するために、本発明の請求項1に記載の自吸式ポンプは、駆動部に連結される出力軸と、前記駆動部の一端側に設置されるケーシングと、基部を中心として放射状に延び、反回転方向側に傾斜して前記基部の前縁側に設置される第1羽根と、前記基部の後縁側に設置され、隣接する相互の前記第1羽根を連結するとともに、前記基部側の所定領域に開口部が形成される第2羽根とを有し、前記出力軸の回転により前記開口部を介して流体を圧送するインペラと、前記インペラの中心軸方向における吸入方向を前方、吐出方向を後方としたとき、前記インペラに面する位置には吸入孔が、前記インペラの面する端面には前記吸入孔から取り込まれた流水を移送する移送溝が夫々形成されるとともに、前記インペラの前方に位置し吸入側室を区画形成する第1プレートと、吐出孔を有して前記インペラの後方に位置し吐出側室を区画形成する第2プレートと、圧送される前記流体が前記インペラと前記第1プレートとの間隙から前記出力軸に沿って前記吸入側室へ逆流するのを防止する逆流防止機構とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の自吸式ポンプは、請求項1に記載の自吸式ポンプにおいて、前記吸入孔は、内側円弧線が基部の外周線に一致し、外側円弧線が開口部の外側線の少なくとも一部に重合するものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項1又は2に記載の自吸式ポンプにおいて、前記逆流防止機構は、前記第1プレートにおける前記インペラに面する端面に形成される溝部とされるものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項に記載の自吸式ポンプにおいて、前記溝部は、前記出力軸が内挿されるものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項1又は2に記載の自吸式ポンプにおいて、前記逆流防止機構は、前記第1プレートにおける前記吸入側室側の端面にて、前記出力軸に対応して前記第1プレートに形成される貫通孔を封止する封止部材とされるものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項1又は2に記載の自吸式ポンプにおいて、前記逆流防止機構は、前記第1プレートに挿通される前記インペラのボス部に設置される接触形シール部又は非接触形シール部とされるものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項1又は2に記載の自吸式ポンプにおいて、前記逆流防止機構は、前記第1プレートに挿通される前記出力軸に設置される接触形シール部又は非接触形シール部とされるものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の自吸式ポンプにおいて、少なくとも前記第1プレートにおける前記吸入側室側の端面は、前記インペラの回転によって生じる前記流体の流れに沿いながら前記吸入孔に向けて案内されるよう螺旋状の導水路が形成されるものである。
また、本発明の請求項に記載の自吸式ポンプは、請求項に記載の自吸式ポンプにおいて、前記導水路の幅寸法は、前記吸入孔にかけて幅狭となるよう形成されるものである。
本発明の自吸式ポンプでは、逆流防止機構により、圧送される流体が吸入側室へ逆流するのを防止することで自吸時間を短縮することができる。また、吸入孔に向けて案内されるよう形成される螺旋状の導水路により、吸入孔にかけての流体の流速が急激に変化するのを抑制することができる。これにより、キャビテーションの発生を抑制し、流量を低下させることなく、揚水性能を向上させることができる。
本発明の実施例における自吸式ポンプの分解斜視図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプの縦断面図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプのインペラの(a)斜視図、(b)平面図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプのインペラの一部破断斜視図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプの第1プレートの(a)前方端面斜視図、(b)後方端面斜視図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプの第2プレートの(a)前方端面斜視図、(b)後方端面斜視図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプの作動状態を示す縦断面図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプの図7のA−A線一部省略拡大断面図である。 本発明の実施例における自吸式ポンプの図7のB−B線拡大断面図である。 本発明の別実施例における自吸式ポンプの要部拡大断面図である。 本発明のさらに別実施例における自吸式ポンプの要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態における自吸式ポンプを図面に基づいて説明する。当該自吸式ポンプは、図1及び図2に示すように、ケーシングにおける吸入側室側の流路と吐出側室側の流路とが直列接続されるものである。図1は、自吸式ポンプの分解斜視図である。図2は、自吸式ポンプの縦断面図である。当該自吸式ポンプにおいて、ケーシングにおける吸入側室側を前方とし、吐出側室側であって駆動部が設けられる側を後方とする。
本発明の実施例に係る自吸式ポンプは、図1及び図2に示すように、主に、駆動部10に連結される出力軸11と、駆動部10の一端側に設置されるケーシング20と、第1羽根32と開口部36が形成される第2羽根33とを有してなり、出力軸11の回転により流体を圧送するインペラ30と、インペラ30の前後面にそれぞれ設置される第1プレート40、第2プレート50とを備えて構成される。
ケーシング20は、図1及び図2に示すように、前壁21と後壁22とを連結する周壁23とから構成され、中空の略円筒状に形成される。当該周壁23には、上方に向けて開口される吸入口24が前壁21側に設けられ、上方に向けて形成される吐出口25が後壁22側に設けられる。また、吸入口24と吐出口25とは同方向に開口するよう設けられるが、これに限られるものではない。
また、後壁22には、前壁21側に向かって延びる出力軸11が挿通されてなる。当該出力軸11には駆動部10が連結されており、これにより後述のインペラ30は回転自在とされる。また、出力軸11には、後壁22との間にシール部材12が設けられる。その他、駆動部10については従来と同様であるので、その説明を省略する。
また、ケーシング20内においては、吸入口24側に出力軸11が内挿される第1プレート40が設置されるとともに、吐出口25側に出力軸11が挿通される第2プレート50が設置される。また、第1プレート40と第2プレート50の間には、出力軸11により回転自在となるインペラ30が固定される。これにより、ケーシング20内は、吸入口24から第1プレート40に至るまでの吸入側室IAと、第2プレート50から吐出口25に至るまでの吐出側室DAとにそれぞれ区画される。すなわち、ケーシング20内において、吸入側室IAと吐出側室DAとが直列に配置される。
本実施例においては、図2に示すように、ケーシング20は、前方ケーシング26、中間ケーシング27及び後方ケーシング28とから構成される。当該ケーシング20は、これらがボルト等の固定手段Pにより連結することで構成される。
前方ケーシング26は、前方側が前壁21により閉塞されるとともに、後方側が開口してなり、当該前方ケーシング26の周壁には上方に向けて開口される吸入口24が設けられる。そして、前方ケーシング26の内部に、吸入側室IAを形成するものである。
また、中間ケーシング27は、前方側及び後方側が開口してなり、中空状に形成される。当該中間ケーシング27の内周には、第1プレート40及び第2プレート50を固定するための内部壁29が内径方向に突出して形成される。また、内部壁29の内側にはインペラ30が収容され、内部壁29の内径はインペラが回転可能となるよう、インペラ30の外径と略同径となるよう形成される。このとき、流体とインペラ30との摩擦力を向上させるため、内部壁29の内径とインペラ30の外径との間隙を微小なものとすることが望ましい。
また、後方ケーシング28は、後方側が後壁22により閉塞されるとともに、前方側が開口してなり、当該周壁には上方に向けて開口される吐出口25が設けられる。そして、後方ケーシング26の内部に、吐出側室DAを形成するものである。また、後壁22には、前方側に向かって延びる出力軸11が挿通されてなり、後方ケーシング26の後方側に位置する出力軸11には駆動部10が設置される。
インペラ30は、図3(a)に示すように、複数の羽根に開口部36を有してなり、直列配置される吸入側室IAと吐出側室DAにおいて、吸入側室IAの流体を吐出側室DAへと送り込むものである。具体的には、基部31を中心として放射状に延びる第1羽根32と第2羽根33とから形成される複数の羽根を有してなる。当該基部31には、出力軸11を挿通するための貫通孔34が形成され、当該貫通孔34には出力軸11を結合するためのキー溝35が形成される。
第1羽根32は、同図(b)に示すように、基部31における幅寸法の3分の2程度の長さ寸法を有してなり、インペラ30の反回転方向側に所定角度αが傾斜するように、基部31の前縁側から後縁側にかけて設けられる。当該第1羽根32は、所定の間隔をもって、基部31における外周の全面に亘って設けられる。このとき、第1羽根32は、インペラ30の回転時に流体を取り込みやすくするため、第1羽根32の先端部(外周方向)が回転方向に開くよう捻転させることが望ましい。
第2羽根33は、第1羽根32と同様にして基部31における幅寸法の3分の2程度の長さ寸法を有してなり、インペラ30の反回転方向側に所定角度βが傾斜するように、基部31の後縁側から前縁側にかけて設けられる。当該第2羽根33は、所定の間隔をもって、基部31における外周の全面に亘って設けられる。このとき、第2羽根33は、インペラ30の回転時に流体を吐き出しやすくするため、第2羽根33の先端部(外周方向)が回転方向に開くよう捻転させることが望ましい。
また、第2羽根33は、隣接する相互の第1羽根32を連結するように設けられる。より詳細には、第1羽根32の後端部と、これに隣接するとともに反回転方向に位置する第1羽根32における基部31の幅方向の略中央部とを結ぶように設けられる。このとき、第1羽根32の後端部は、第2羽根33における基部31における幅方向の略中央部に連結される。
また、隣接する相互の第1羽根32と第2羽根33とから形成され、吸入側室IAに向けて開口する平面視略コ字状の第1開放空間37においては、第2羽根33における基部31側の所定領域に開口部36が形成される。当該開口部36は、吐出側室DAに向けて開口する平面視略コ字状の第2開放空間38に連通するものである。本実施例において、開口部36は、第2羽根33における基部31の基端から外周方向の略中央部に至るまで形成される。
すなわち、同図に示すように、インペラ30の平面視において、略T字状に連結される第1羽根32と第2羽根33とが所定角度をもって傾斜した状態で、基部31における外周の全面に亘って連続して設けられることとなる。これにより、図4に示すように、それぞれの第1開放空間37から第2開放空間38にかけては、開口部36を介して連通され、略ヘ字状に屈曲した流路39が形成されることとなる。当該インペラ30内の流路39は、第1開放空間37側が第2開放空間38側より長くなるよう形成される。
図1及び図2に示すように、第1プレート40は、インペラ30の前方側に設けられ、ケーシング20内にて吸入側室IAを区画形成するものである。また、第2プレート50は、インペラ30の後方側に設けられ、ケーシング20内にて吐出側室DAを区画形成するものである。これらの第1プレート40と第2プレート50は、後述の溝部41を除いて同一形状に形成されるものであり、吸入孔42と吐出孔52とが左右対称に位置するよう、ケーシング20内に設置されるものである。
第1プレート40は、図5に示すように、略中央部に出力軸11が内挿される溝部41が形成され、当該溝部41の近傍には略三日月状の吸入孔42が形成される。当該吸入孔42の中心位置は、溝部41の中心位置から所定距離だけ上方に偏心させ、この中心から上方の開口領域を減少させるようにして形成される。
また、同図(a)に示すように、第1プレート40における吸入側室IAの端面には、インペラ30の回転によって生じる流水の流れに沿いながら、吸入孔42に向けて案内されるよう螺旋状の導水路43が形成される。
本実施例においては、導水路43の始端は、溝部41の中心位置から所定距離だけ上方に位置させ、吸入孔42の上端部に向けて連接するよう形成されるが、これに限られるものではない。当該導水路43の始端は、溝部41の中心位置より下方に位置させて、吸入孔42に連接するよう形成することもできる。
また、当該導水路43の深さは、吸入側室IAの端面から吐出側室DAの端面にかけて、徐々にその深さが大きくなるよう設定される。これにより、吸入孔42にかけての流体の流速が急激に変化するのを抑制することができる。更に、導水路43の幅は、導水路43の始端から吸入孔42の上端部にかけて、徐々にその幅が狭くなるよう設定される。これにより、吸入孔42にかけての流体を案内しやすいものとすることができる。
また、同図(b)に示すように、第1プレート40における吐出側室DAの端面には、吸入孔42から取り込まれた流水を加圧しながら移送するよう略U字状の移送溝44が形成される。当該移送溝44は、上方が閉塞するよう形成されるとともに、流水を効率よく移送させるために、吸入孔42側の一端から他端にかけて、溝の深さが小さくなるよう設定される。
本実施例においては、第1プレート40の移送溝44は、吸入孔42側の一端に位置し、下方に向けて徐々に溝の深さが大きくなるよう設定される吸入側傾斜部45と、略半円状に形成され、略一定の溝の深さを有する中央溝部46と、吸入孔42側と対向する他端に位置し、上方に向けて徐々に溝の深さが小さくなるよう設定される吐出側傾斜部47とが連続することで形成される。
第2プレート50は、図6に示すように、略中央部に出力軸11を挿通するための貫通孔51が形成され、第1プレート40と同様にして、当該貫通孔51の近傍には略三日月状の吐出孔52が形成される。当該吐出孔52の中心位置は、貫通孔52の中心位置から所定距離だけ上方に偏心させ、この中心から上方の開口領域を減少させるようにして形成される。
また、同図(a)に示すように、第2プレート50における吸入側室IAの端面には、吸入側室IAから取り込まれた流水を加圧しながら移送するよう略U字状の移送溝53が形成される。当該移送溝53は、同様にして上方が閉塞するよう形成されるとともに、流水を効率よく移送させるために、吐出孔52側に対向位置する一端から他端にかけて、溝の深さが小さくなるよう設定される。
本実施例においては、第2プレート50の移送溝53は、吐出孔52側と対向する一端に位置し、下方に向けて徐々に溝の深さが大きくなるよう設定される吸入側傾斜部54と、略半円状に形成され、略一定の溝の深さを有する中央溝部55と、吐出孔52側の他端に位置し、上方に向けて徐々に溝の深さが小さくなるよう設定される吐出側傾斜部56とが連続することで形成される。
また、同図(b)に示すように、第2プレート50における吐出側室DAの端面には、インペラ30の回転によって生じる流水の流れに沿いながら、吐出孔52から排出されるよう螺旋状の導水路57が形成される。
逆流防止機構は、吐出側室DAから吸入側室IAへと流体が逆流するのを防止又は抑制するものである。より詳細には、当該逆流防止機構は第1プレート40に設置され、インペラ30と第1プレート40との前後方向の間隙から出力軸11の軸周りに沿って、吸入側室IAへと逆流するのを防止又は抑制するものである。換言すると、インペラ30の第1開放空間37から、基部31と第1プレート40におけるインペラ30側の端面との間隙を通って、吸入側室IAへと逆流するのを防止又は抑制するものである。または、インペラ30の第2開放空間38から、基部31と第2プレート50におけるインペラ30側の端面との間隙を通って、吸入側室IAへと逆流するのを防止又は抑制するものである。
本実施例においては、逆流防止機構は、図2に示すように、出力軸11が内挿される第1プレートの溝部41とされる。当該溝部41は、同図に示すように、出力軸11の外形が当接又は摺動することがないように形成され、例えば、第1プレート40における吐出側室DA側の端面を断面略コ字状となるよう凹状に形成してなる。また、溝部41は、これに限られることなく、出力軸11の外形に当接又は摺動しない範囲において、適宜の形状とすることができるし、吸入側室IA側の端面に至るまでの範囲で形成することができるものである。すなわち、溝部41が第1プレート40を貫通しない範囲で形成されていればよい趣旨である。これにより、出力軸11が吸入側室IA側へと露呈することがない構造となる。
このようにして構成される自吸式ポンプは、図2に示すように、中間ケーシング27における内部壁29の内側にて、インペラ30が出力軸11に回転自在に連結される。また、当該インペラ30の前後方向においては、第2プレート50の貫通孔51に出力軸11が挿通されるとともに、第1プレート40の溝部41に出力軸11が内挿され、それぞれが回転不能な状態で中間ケーシング27に固定される。このとき、吸入孔42と吐出孔52が左右対称となるよう配置される。
更に、図9に示すように、第1プレート40の吸入孔42とインペラ30の開口部36との関係においては、吸入孔42の内側円弧線が基部31の外周線に一致するよう設定される。また、吸入孔42の外側円弧線を投影させた位置に開口部36の外側線の少なくとも一部が重合するよう設定される。これにより、吸入孔42から流路39にかけての流体を案内しやすいものとすることができる。第2プレート50の吐出孔52とインペラ40の開口部36との関係においても同様である。
当該自吸式ポンプの作動について、図7から図9に基づいて以下に説明する。図7は、作動状態を示す縦断面図である。図8は、図7のA−A線一部省略拡大断面図である。図9は、図7のB−B線一部省略拡大断面図である。
自吸式ポンプは、通常運転となる揚水運転と、起動開始から揚水運転へ移行するまでの自吸運転とを行う。図7及び図9に示すように、自吸式ポンプの起動時においては、ケーシング20内における第1プレート40の吸入孔42及び第2プレート50の吐出孔52の上方位置(図中W1)まで流体、例えば、水が貯留された状態となる。
当該状態にて、駆動部10を駆動させると、インペラ30が図9の反時計回り方向(図7中手前方向から奥方向)に回転することで、吸入側室IA側に負圧がかかりながら内部の流体がインペラ30に吸い込まれ、インペラ30の遠心力によって、流路39から吐出側室DA側へと吐出される。
そして、徐々に吸入側室IA側から吐出側室DA側へと流体が吐出されることで、吸入側室IAにおける流体の液面位置が低下(図中W2)するとともに、吐出側室DA側における流体の液面位置が上昇する。これにより、両者間にて液面位置の高低差が生じた状態となる。
そして、第1プレート40の吸入孔42が空気に露呈した状態となることで、回転するインペラ30により流体内へと空気が取り込まれ、流体と空気が混合された気液混合水となる。当該気液混合水は、同様にしてインペラ30により流路39から吐出側室DA側へと吐出される。この状態を気液混合状態とする。
後に、吸入側室IAにおける空気が吐出側室DAに送られることで、吸入側室IAには負圧が発生し、これにより、吸入口24に連結される配管(図示しない)内の空気を吸い上げるとともに、当該配管内の流体の液面位置を上昇させる。そして、当該配管内の空気が全て吐出されると、ケーシング20内は流体で満たされ、自吸運転から揚水運転へと移行する。
上記気液混合状態において、より詳細には、吸入側室IAの空気は、インペラ30における第1羽根32の第1開放空間37から取り込まれる。そして、空気が混合された気液混合水は、図8に示すように、第1プレート40の移送溝44を経由する流路Xと、第1開放空間37から開口部36を介して第2開放空間38に流れ込み、第2プレート50の移送溝53を経由する流路Yとに分岐される。
まず、気液混合水が経由する流路Xについて説明する。第1開放空間37によって取り込まれた気液混合水は、回転するインペラ30の遠心力により外径方向へと運ばれ、さらに第1プレート40の移送溝44へと運ばれる。このとき、当該移送溝44内の気液混合水は、回転するインペラ30の第1開放空間37を形成する第1羽根32との摩擦により、吸入側傾斜部45から吐出側傾斜部47へと反時計方向に運ばれる。吐出側傾斜部47においては、徐々に溝の深さが小さくなるよう設定されているため、気液混合水は加圧されながら圧送され、第1開放空間37から開口部36を介して第2開放空間38に流れ込む。
そして、第2開放空間38においては、第1開放空間37と同様にして、気液混合水が回転するインペラ30の第2開放空間38を形成する第2羽根33との摩擦により、第2プレート50の移送溝53へと運ばれる。そして、移送溝53内の気液混合水は、第2プレート50の吸入側傾斜部54から吐出側傾斜部56へと反時計方向に運ばれる。吐出側傾斜部56においては、徐々に溝の深さが小さくなるよう設定されているため、気液混合水は加圧されながら圧送され、吐出孔52より吐出側室DA側へと吐出される。
一方、気液混合水が経由する流路Yについては、第1開放空間37から開口部36を介して第2開放空間38に流れ込むため、上記の第2プレート50における気液混合水の圧送と同様である。
このようにして、気液混合水は吐出側室DA側へと吐出されることになり、吐出口25内の液面から空気が分離されることになる。このとき、気液混合水のうち、空気の含有率が比較的多いものは、遠心力の作用によりインペラ30の内径方向に集められ、徐々に吐出孔52側へと運ばれることとなる。そして、その一部においては、図7に示すように、インペラ30の基部31と第1プレート40の微小な間隙から吸入側室IA側へと循環するものであるが、第1プレート40における溝部41によりこれを回収することができる。これにより、気液混合水が逆流するのを溝部41、すなわち逆流防止機構によって防止することができるので、起動開始から揚水運転へ移行するまでの自吸時間を短縮することができる。
また、揚水運転については、自吸運転における気液混合水が吐出され、空気が混合されることのない流体のみの状態となり、自吸運転と同様にして、インペラ30の回転により、吸入側室IA側から吐出側室DA側へと吐出される。このとき、吸入側室IAにおいては、第1プレート40に導水路43が形成されるため、吸入孔42にかけての流体の流速が急激に変化するのを抑制することができる。これにより、キャビテーションの発生を抑制し、流量を低下させることなく、揚水性能を向上させることができる。
以上、説明した本発明に係る自吸式ポンプによれば、第1プレート40におけるインペラ30側の端面に、吸入側室IA側へ逆流する気液混合水を回収する溝部41が形成されるとともに、インペラ30の吸入側室IA側の端面に、流体の流速が急激に変化するのを抑制する導水路43が形成されるので、自吸時間を短縮するとともに、キャビテーションの発生を抑制することができる。
上述した実施例において、逆流防止機構は、第1プレート40における吐出側室DA側の端面を凹状に形成してなる溝部41であったが、これに限られるものではない。例えば、出力軸11の位置に対応して第1プレート40の略中央部に形成される貫通孔を封止する封止部材(図示しない)を第1プレート40の吸入側室IA側の端面に設置することもできる。このとき、出力軸11は、当該貫通孔を挿通する場合もあるし、当該貫通孔に内挿される場合もあるため、封止部材の形状は特に制限されるものではない。当該封止部材は、例えば、板状部材、波状部材等であってもよいし、挿通される出力軸11を覆設するような断面略コ字状の筒状部材等であってもよく、これに限られない。これにより、インペラ30と第1プレート40との前後方向の間隙から流体が吸入側室IAへと逆流するのを防止することができる。
また、上記のように、逆流防止機構は第1プレート40に設置されるものであったが、これに限られるものではない。例えば、インペラ30と第1プレート40との境界に接触形シール部又は非接触形シール部とする逆流防止機構を設置することもできる。
具体的には、図10に示すように、第1プレート40の略中央部に挿通孔を設けてなり、インペラ30の基部31に第1プレート40の当該挿通孔を挿通するボス部60を設けてなる。また、ボス部60の外周には、当該挿通孔との境界に接触形シール部61が設けられる。接触形シール部61には、例えば、メカニカルシール、リップパッキン等の成形パッキン、グランドパッキン等を採用することができる。これにより、インペラ30と第1プレート40との前後方向の間隙からボス部60に沿って吸入側室IAへと逆流するのを抑制することができる。
また、図11に示すように、ボス部60の外周及び第1プレート40の挿通孔に非接触形シール62を設けることもできる。非接触形シール部62には、例えば、ラビリンスシール等を採用することができる。これにより、接触形シール部61と同様にして、吸入側室IAへと逆流するのを抑制することができる。
更に、インペラ30にボス部60を設けることなく、第1プレート40の挿通孔と出力軸11との境界に接触形シール部61又は非接触形シール部62を設けることもできる。これにより、同様にして、吸入側室IAへと逆流するのを抑制することができる。
また、上述した実施例において、ケーシング20、インペラ30を構成する第1羽根32、第2羽根33、第1プレート40及び第2プレート50の吸入孔42、吐出孔52、導水路43、57の形状、寸法、材質等を適宜変更して実施することが可能である。更に、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。
10 駆動部
11 出力軸
20 ケーシング
30 インペラ
31 基部
32 第1羽根
33 第2羽根
36 開口部
39 流路
40 第1プレート
41 溝部
42 吸入孔
43、57 導水路
44、53 移送溝
50 第2プレート
51 貫通孔
52 吐出孔
60 ボス部
61 接触形シール部
62 非接触形シール部

Claims (9)

  1. 駆動部に連結される出力軸と、
    前記駆動部の一端側に設置されるケーシングと、
    基部を中心として放射状に延び、反回転方向側に傾斜して前記基部の前縁側に設置される第1羽根と、前記基部の後縁側に設置され、隣接する相互の前記第1羽根を連結するとともに、前記基部側の所定領域に開口部が形成される第2羽根とを有し、前記出力軸の回転により前記開口部を介して流体を圧送するインペラと、
    前記インペラの中心軸方向における吸入方向を前方、吐出方向を後方としたとき、前記インペラに面する位置には吸入孔が、前記インペラの面する端面には前記吸入孔から取り込まれた流水を移送する移送溝が夫々形成されるとともに、前記インペラの前方に位置し吸入側室を区画形成する第1プレートと、
    吐出孔を有して前記インペラの後方に位置し吐出側室を区画形成する第2プレートと、
    圧送される前記流体が前記インペラと前記第1プレートとの間隙から前記出力軸に沿って前記吸入側室へ逆流するのを防止する逆流防止機構と、
    を備えることを特徴とする自吸式ポンプ。
  2. 前記吸入孔は、内側円弧線が基部の外周線に一致し、外側円弧線が開口部の外側線の少なくとも一部に重合することを特徴とする請求項1に記載の自吸式ポンプ。
  3. 前記逆流防止機構は、前記第1プレートにおける前記インペラに面する端面に形成される溝部とされる請求項1又は2に記載の自吸式ポンプ。
  4. 前記溝部は、前記出力軸が内挿される請求項に記載の自吸式ポンプ。
  5. 前記逆流防止機構は、前記第1プレートにおける前記吸入側室側の端面にて、前記出力軸に対応して前記第1プレートに形成される貫通孔を封止する封止部材とされる請求項1又は2に記載の自吸式ポンプ。
  6. 前記逆流防止機構は、前記第1プレートに挿通される前記インペラのボス部に設置される接触形シール部又は非接触形シール部とされる請求項1又は2に記載の自吸式ポンプ。
  7. 前記逆流防止機構は、前記第1プレートに挿通される前記出力軸に設置される接触形シール部又は非接触形シール部とされる請求項1又は2に記載の自吸式ポンプ。
  8. 少なくとも前記第1プレートにおける前記吸入側室側の端面は、前記インペラの回転によって生じる前記流体の流れに沿いながら前記吸入孔に向けて案内されるよう螺旋状の導水路が形成される請求項1から請求項のいずれか1項に記載の自吸式ポンプ。
  9. 前記導水路の幅寸法は、前記吸入孔にかけて幅狭となるよう形成される請求項に記載の自吸式ポンプ。
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