JP6229342B2 - プログラム、表示調整支援方法及び表示調整支援装置 - Google Patents

プログラム、表示調整支援方法及び表示調整支援装置 Download PDF

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Description

本件は、プログラム、表示調整支援方法及び表示調整支援装置に関する。
X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の撮影装置によって撮影される医用画像は、表示装置に表示され、専門医による画像診断(読影)が行われる。
特許文献1及び2には、読影作業を効率化する技術が開示されている。特許文献3には、一対の左右の乳房画像の濃淡を合わせる技術が開示されている。特許文献4には、読影対象画像と症例画像とを読影者が比較しやすい形で提示する技術が開示されている。
特開2002−95640号公報 特開2012−20115号公報 特開2009−82561号公報 特開2009−45121号公報
撮影装置によって撮影される医用画像データは、1画素が256乃至65536の階調の値域の何れかの値となるデータになる場合がある。この医用画像データを、256の階調を表示可能な通常のモニタに表示して医師が画像診断を行う場合、モニタに表示可能な階調に合わせて医用画像データの階調の内、適切な範囲が抽出されていなければ、正確な読影をすることは困難であった。
1つの側面では、本発明は、画像診断に適した医用画像を、簡単な操作で表示装置に表示可能にしたプログラム、表示調整支援方法及び表示調整支援装置を提供することを目的とする。
本明細書に記載のプログラムは、撮影日の異なる複数の医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記複数の医用画像を表示させる際に、前記複数の医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと画像のコントラストを変更するウィンドウ幅の少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行うことで、変更した前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅の少なくとも一方に対応する複数の医用画像を生成し、前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を行う際に、前記複数の医用画像でウィンドウレベルとウィンドウ幅に同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させる、処理をコンピュータに実行させる。
また、本明細書に記載のプログラムは、医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を疑似三次元画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の複数の疑似三次元画像を生成し、前記不透明度を変更して生成した前記複数の疑似三次元画像を、所定間隔ごとに逐次的に前記表示装置に表示させる、処理をコンピュータに実行させる。
本明細書に記載の表示調整支援方法は、コンピュータにより実行される表示調整支援方法であって、撮影日の異なる複数の医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記複数の医用画像を表示させる際に、前記複数の医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと画像のコントラストを変更するウィンドウ幅の少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行うことで、変更した前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅の少なくとも一方に対応する複数の医用画像を生成するステップと、前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を行う際に、前記複数の医用画像でウィンドウレベルとウィンドウ幅に同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させるステップと、を有する。
また、本明細書に記載の表示調整支援方法は、コンピュータにより実行される表示調整支援方法であって、医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を疑似三次元画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の複数の疑似三次元画像を生成するステップと、前記不透明度を変更して生成した前記複数の疑似三次元画像を、所定間隔ごとに逐次的に前記表示装置に表示させるステップと、を有する。
本明細書に記載の表示調整支援装置は、撮影日の異なる複数の医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記複数の医用画像を表示させる際に、前記複数の医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと画像のコントラストを変更するウィンドウ幅の少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行うことで、変更した前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅の少なくとも一方に対応する複数の医用画像を生成する生成手段と、前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を行う際に、前記複数の医用画像でウィンドウレベルとウィンドウ幅に同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させる表示制御手段と、を備える。
また、本明細書に記載の表示調整支援装置は、医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を疑似三次元画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の複数の疑似三次元画像を生成する生成手段と、前記不透明度を変更して生成した前記複数の疑似三次元画像を、所定間隔ごとに逐次的に前記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える。
画像診断に適した医用画像を、簡単な操作で表示装置に表示させることができる。
表示調整支援装置の備えるハードウェアの一例を示す図である。 表示調整支援装置の備える制御部の機能ブロックの一例を示す図である。 医用画像データの画素値を輝度値に変換するウィンドウレベル及びウィンドウ幅を示すグラフの一例である。 (A)は範囲設定部が設定した変更範囲に基づいて画像変換部が設定した表示条件の一例を示す図であり、(B)は縦軸に第1ウィンドウレベル、横軸に第1ウィンドウ幅をとったグラフに、(A)に示す表示条件をプロットした図である。 図4(A)に示すa、b、cの表示条件の場合に、表示装置に表示される医用画像の例を示す図である。 (A)は「画像を明るく」との指示が入力された場合に、範囲設定部が設定した変更範囲に基づいて画像変換部が設定した表示条件の一例を示す図であり、(B)は縦軸に第1ウィンドウレベル、横軸に第1ウィンドウ幅をとったグラフに、(A)に示す表示条件をプロットした図である。 (A)は「画像を暗く」との指示が入力された場合に、範囲設定部が設定した変更範囲に基づいて画像変換部が設定した表示条件の一例を示す図であり、(B)は縦軸に第1ウィンドウレベル、横軸に第1ウィンドウ幅をとったグラフに、(A)に示す表示条件をプロットした図である。 (A)は「画像のコントラストを強く」との指示が入力された場合に、範囲設定部が設定した変更範囲に基づいて画像変換部が設定した表示条件の一例を示す図であり、(B)は縦軸に第1ウィンドウレベル、横軸に第1ウィンドウ幅をとったグラフに、(A)に示す表示条件をプロットした図である。 第1実施形態の制御部の処理手順を示すフローチャートである。 図9に示すフローの続きを示すフローチャートであり、「画像を明るく」する指示と、「画像を暗く」する指示が入力された場合の手順を示すフローチャートである。 図10に示すフローの続きを示すフローチャートであり、「画像のコントラストを強くする」する指示が入力された場合の手順を示すフローチャートである。 (A)及び(B)は、同じ表示条件で輝度値に変換した過去画像1、過去画像2及び現在画像を表示装置に連続で表示した様子を示す図である。 第2実施形態の制御部の備える機能ブロックの一例を示す図である。 第3実施形態の制御部の備える機能ブロックの一例を示す図である。 三次元画像のボクセル値と不透明度との対応関係の一例を示す図である。 (A)は範囲設定部が設定した変更範囲に基づいて画像生成部が設定した不透明度の変更条件の一例を示す図であり、(B)は縦軸に第1ウィンドウレベル、横軸に第1ウィンドウ幅をとったグラフに、(A)に示す不透明度の変更条件をプロットした図である。 第3実施形態の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
表示調整支援装置1の備えるハードウェアについて図1を参照しながら説明する。図1には、表示調整支援装置1の備えるハードウェアの一例を示す。表示調整支援装置1は、制御部10を備える。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13を備える。CPU11、ROM12、RAM13の各部は、バス60に接続している。ROM12には、CPU11が制御に使用する制御プログラム等が保存されている。CPU11は、制御プログラムをROM12又はハードディスク装置(以下、HDDと表記する)50から読み出してRAM13に記憶させる。その後、CPU11は、RAM13に記憶させた制御プログラムに従って処理(演算)を行う。RAM13は、CPU11のワークメモリとして使用され、RAM13には、CPU11が演算に使用するデータや、CPU11による演算後のデータ等を保存する。CPU11、RAM13などのハードウェアと、制御プログラムとの協働によって実現される機能ブロックについては、図2を参照しながら後述する。
表示調整支援装置1は、入出力インターフェース(以下、インターフェースをI/Fと略記する)20を備える。入出力I/F20は、キーボード21と、マウス22と、スキャナ24と、プリンタ25とに接続する。また、入出力I/F20は、バス60に接続する。
表示調整支援装置1は、キーボード21と、マウス22と、スキャナ24と、プリンタ25とを備える。なお、キーボード21とマウス22とを総称して呼ぶ場合には、入力デバイス23と呼ぶ。入力デバイス23がユーザによって操作されると、入力デバイス23は、受け付けた操作内容を示す操作情報を、入出力I/F20を介して制御部10に送る。スキャナ24は、画像を光学的に読み取り、表示調整支援装置1内に画像データを取り込む。なお、スキャナ24は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ25は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ25には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
表示調整支援装置1は、グラフィックI/F30と、表示装置31とを備える。グラフィックI/F30は、バス60と表示装置31とに接続している。グラフィックI/F30は、制御部10で処理されたグラフィックデータを表示装置31に表示させるためのインターフェースである。グラフィックI/F30は、制御部10から受け取ったグラフィックデータを波形電気信号に変換して表示装置31に送る。表示装置31には、例えば、医用画像データや、患者の電子カルテの情報が表示される。表示装置31は、医用画像の画素が取りうる階調の値域(例えば、65536(2の16乗))よりも狭い値域の輝度(例えば、256階調)で画素を表示可能な装置である。
表示調整支援装置1は、ネットワークI/F40を備える。ネットワークI/F40は、バス60と、ネットワーク100とに接続する。ネットワークI/F40は、ネットワーク100を介して他の装置に接続する。例えば、表示調整支援装置1は、CTやMRIなどの検査に使用される撮影装置と接続されている。ネットワークI/F40は、撮影装置で撮影された被検体の医用画像データを受信して、制御部10に送る。医用画像データは、制御部10の制御によってHDD50に保存される。
なお、ネットワーク100は、有線または無線を問わない。また、ネットワーク100は、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。
表示調整支援装置1は、HDD50を備える。HDD50は、撮影装置によって撮影された、複数の医用画像データを記憶する。表示調整支援装置1は、不図示の撮影装置に接続されており、撮影装置によって撮影された医用画像データを撮影装置から受信すると、受信した医用画像データをHDD50に保存する。なお、図1には、HDD50を記憶装置の一例として示したが、記憶装置は、ハードディスク装置に限定されるものではない。例えば、コンピュータで読み込み可能なDVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM等の可搬記憶媒体でもよい。また、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、光磁気ディスク、ICカードなどの可搬記憶媒体であってもよい。
次に、図2を参照しながら表示調整支援装置1の備える機能ブロック70Aについて説明する。機能ブロック70Aとは、制御部10のCPU11、RAM13などのハードウェアと、制御プログラムとの協働によって実現される処理を、一連の処理で実現される機能ごとにまとめたブロックである。表示調整支援装置1は、機能ブロック70Aとして、入力部71と、範囲設定部72と、画像変換部73と、表示制御部74とを備える。
入力部71は、範囲設定部72と、表示制御部74と、入出力I/F20とに接続している。入力部71は、入力デバイス23が受け付けた操作情報を入出力I/F20を介して入力する。入力デバイス23が操作者によって操作されると、入力デバイス23は、受け付けた操作に応じた操作情報を制御部10に送信する。入力部71は、操作情報として、表示装置31に表示させる医用画像データを選択する選択情報を入力した場合、入力した選択情報を範囲設定部72と、表示制御部74とに出力する。なお、選択情報には、患者ごとに付された患者IDや、医用画像データが撮影された日時等の情報が含まれる。また、入力部71は、操作情報として、表示装置31に表示した医用画像の明るさやコントラストを変更する変更指示の情報を入力した場合、入力した変更指示の情報を範囲設定部72に出力する。
範囲設定部72は、入力部71と、画像変換部73と、RAM13とに接続している。範囲設定部72は、入力部71から選択情報を入力した場合、入力した選択情報の示す医用画像データのタグ情報を、当該医用画像データを保存するRAM13から取得する。撮影装置により撮影された医用画像データは、撮影対象の患者を識別する患者IDや撮影日時等が付加されて、表示調整支援装置1に送られる。表示調整支援装置1は、受信した医用画像データをHDD50に保存する。また、入力部71が、選択情報を入力した場合、制御部10の制御によって、選択情報の示す医用画像データがHDD50から読み出され、RAM13に保存される。なお、撮影装置から受信した医用画像データをHDD50に保存する機能ブロック、選択された医用画像データをHDD50から読み出してRAM13に保存する機能ブロックの図2への図示は省略する。
医用画像データは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠したデータ形式で、医用画像の画像データと、当該画像データに付帯する情報を記録したタグ情報とを備える。DICOMとは、医用画像の通信及び保存フォーマットに関する標準規格であり、この規格に準拠することで、異なる医療機器間での相互通信性が確保される。また、タグ情報には、前述の患者IDや撮影日時等の情報の他に、グレースケール深度と、部位情報とが含まれる。範囲設定部72は、タグ情報を取得すると、取得したタグ情報からグレースケール深度と、部位情報とを取得する。グレースケール深度とは、医用画像データの各画素(1画素)が保有する情報の量(単位はビット)を示す。例えば、グレースケール深度が16ビットの場合、医用画像データの1画素で、画像の濃淡値を65536(2の16乗)の階調で表現することができる。また、部位情報は、肺、腹部、頭部等の撮影された体の部位を示す情報である。また、医用画像データとは、医用画像を表示装置等に表示させて、医師が病変等があるか否かを診断する対象となる画像データをいい、例えば、CT画像や、MRI装置によって撮影された画像が含まれる。
範囲設定部72は、グレースケール深度と、部位情報とを取得すると、これらの情報を使用して、ウィンドウレベル(WL)と、ウィンドウ幅(WW)との変更範囲を設定する。ウィンドウレベルとウィンドウ幅とは、表示装置31に表示する医用画像の表示態様を変更するパラメータである。表示態様としての画像の明るさを変更するパラメータがウィンドウレベルである。表示態様としての画像のコントラストを変更するパラメータがウィンドウ幅である。
ここで、ウィンドウレベルとウィンドウ幅とについて説明する。例えば、グレースケール深度が16ビット(65536階調)の医用画像データの場合、画像の濃淡値(画素値)が65536階調で与えられている。このような階調数の大きい画像の場合、例えば256階調を表示可能な表示装置31では濃淡を表示しきれない。このため、65536階調のうち、特に病変の特定に有効な階調の濃淡を切り出して、表示装置31で表示可能な256階調の輝度値に変換する必要がある。この時の切り出し範囲の幅をウィンドウ幅、切り出し範囲の中心値をウィンドウレベル値という。図3には、グレースケール深度が16ビットの医用画像データを、ウィンドウレベル2500、ウィンドウ幅1000で切り出す場合を示す。なお、以下では、ウィンドウレベルとウィンドウ幅とを設定することを、表示条件を設定すると呼ぶ。また、第1実施形態では、ウィンドウレベルを第1ウィンドウレベルと呼び、ウィンドウ幅を第1ウィンドウ幅と呼ぶ。
次に、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅と、医用画像のコントラストと明るさとの関係について説明する。第1ウィンドウレベルの値を下げると、表示装置31のディスプレイに表示する画像全体が明るくなり、第1ウィンドウレベルを上げると、表示装置31のディスプレイに表示する画像全体が暗くなる。また、第1ウィンドウ幅を小さくすることでコントラストの分解能が向上して、医用画像データの画素値の小さな差を表示装置31で表示することが可能となる。このため、画像全体がシャープになる。また、第1ウィンドウ幅を大きくすることで、コントラストの分解能が低下し、表示装置31で表示する画像全体がソフトになる。
範囲設定部72は、医用画像データの撮影部位を示す部位情報に基づいて2つのパラメータの値を変更する変更範囲を設定する。範囲設定部72は、まず、タグ情報から取得した部位情報により、部位に応じて設定された第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との変更範囲の標準値をRAM13から取得する。RAM13には、肺、腹部、頭部等の部位に応じて設定された第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との標準的な変更範囲の値が標準値として保存されている。範囲設定部72は、操作者に選択された医用画像データを最初に表示装置31に表示させる場合、RAM13から取得した標準値よりも広い範囲を変更範囲に設定する。これは、病変の種類や、病変の発生場所によって、病変を発見しやすい画像の明るさやコントラストが様々な値をとるためである。このため、最初は変更範囲を広めに設定しておき、操作者からの指示を入力した場合に、この指示に応じて変更範囲を狭めていったほうが、操作者が病変を特定可能な表示条件を見つける時間を短縮できるからである。例えば、RAM13から取得した第1ウィンドウ幅の変更範囲の標準値が、2000以上3000以下であった場合、範囲設定部72は、第1ウィンドウ幅の変更範囲を、1500以上、3500以下に設定する。範囲設定部72は、第1ウィンドウ幅の変更範囲を設定すると、設定した変更範囲の値を、グレースケール深度に対応した値に変換する。この変換は、グレースケール深度によって1画素の表示する濃淡の階調数が異なるためである。例えば、グレースケール深度が12ビットの医用画像データと、グレースケール深度が16ビットの医用画像データでは、第1ウィンドウ幅の変更範囲が異なるからである。範囲設定部72は、第1ウィンドウレベルについても同様に変更範囲を設定する。範囲設定部72は、設定した変更範囲の情報と、選択情報によって指定された医用画像データの情報とを画像変換部73に出力する。なお、以下では、範囲設定部72が、表示装置31に最初に表示させる医用画像データに最初に設定した変更範囲を第1変更範囲と呼ぶ。
画像変換部73は、範囲設定部72と、表示制御部74と、RAM13とに接続している。画像変換部73は、範囲設定部72から、選択情報によって指定された医用画像データの情報と、第1変更範囲の情報とを取得する。また、画像変換部73は、範囲設定部72から入力した医用画像データの情報に該当する医用画像データの実データをRAM13から取得する。
画像変換部73は、医用画像データの階調の値域の一部を表示装置31の輝度の値域に割り当てるパラメータを変更することで、変更したパラメータに対応する複数の表示画像を生成する。具体的には、画像変換部73は、まず、表示装置31に表示される医用画像データの明るさとコントラストとを変更する2つのパラメータである第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を設定する。画像変換部73は、設定した2つのパラメータの値に基づいて医用画像データの画素値を輝度値に変換する。画像変換部73は、これらの処理を、2つのパラメータの値の少なくとも一方を変更しながら複数回行う。具体的には、画像変換部73は、範囲設定部72から取得した第1変更範囲内で第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とを変更する。そして、画像変換部73は、変更した第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とで規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する。
画像変換部73の処理の詳細について説明する。画像変換部73は、一方のパラメータの値を一定の値に固定して、他方のパラメータの値を連続的に変化させる。そして、画像変換部73は、一定の値の一方のパラメータと、変化させた各値の他方のパラメータとで規定される医用画像データの画素値を、輝度値に変換する第1変換処理を実行する。また、画像変換部73は、一定の値に固定した一方のパラメータの値を他の値に固定して、他方のパラメータの値を連続的に変化させる。そして、画像変換部73は、他の値の一方のパラメータと、変化させた各値の他方のパラメータとで規定される医用画像データの画素値を、輝度値に変換する第2変換処理を実行する。
画像変換部73が行う処理の詳細について、図4を参照しながら説明する。図4(A)には、範囲設定部72が設定した第1変更範囲に基づいて画像変換部73が設定した表示条件の例を示す。また、図4(B)には、図4(A)に示す表示条件をプロットしたグラフを示す。グラフの縦軸は第1ウィンドウレベルを示し、横軸は第1ウィンドウ幅を示す。画像変換部73は、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を第1変更範囲内の値に固定し、他方の値を第1変更範囲で一定値ずつ変更する。例えば、範囲設定部72が設定した第1変更範囲が、第1ウィンドウ幅2000以上、3000以下、第1ウィンドウレベルも2000以上、3000以下であったとする。まず、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅、第1ウィンドウレベルをそれぞれ最低値の2000に設定して(図4(A)及び(B)に示す点a)、医用画像データの画素値を輝度値に変換する。輝度値に変換された医用画像データは、シリアル番号が付与されてRAM13に保存される。次に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を2000に固定し、第1ウィンドウレベルを2000に一定値を加算した値に変更する。例えば、一定値を500とした場合、画像変換部73は、第1ウィンドウレベルを2500に設定する(図4(A)及び図4(B)に示す点b)。画像変換部73は、設定した第1ウィンドウ幅、第1ウィンドウレベルで規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する。画像変換部73は、輝度値に変換した医用画像データに、シリアル番号を付与してRAM13に保存する。画像変換部73は、以下、同様にして第1ウィンドウ幅を固定し、第1ウィンドウレベルを一定値(500)ずつ大きな値に変更する(図4(A)及び図4(B)に示す点c)。そして、画像変換部73は、固定した第1ウィンドウ幅と変更後の第1ウィンドウレベルで規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する。以上の処理が第1変換処理に該当する。
次に、第2変換処理について具体的に説明する。第1ウィンドウレベルの値が、第1変更範囲の上限値である3000まで到達した場合、画像変換部73は、固定値としていた第1ウィンドウ幅に一定値を加算して、第1ウィンドウ幅の値を一定値大きな値に変更する。この一定値は、第1ウィンドウレベルを変更する一定値と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。図4(A)及び図4(B)に示す例では、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を500広げて、2500に設定している。第1ウィンドウ幅の値を変更すると、画像変換部73は、第1ウィンドウレベルを、変更範囲内の最低値である2000に設定する(図4(A)及び図4(B)に示す点d)。画像変換部73は、変更後の第1ウィンドウ幅2500と、変更範囲内の最低値である2000に設定した第1ウィンドウレベルで規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する。画像変換部73は、以降、同様に、第1ウィンドウ幅を変更後の値に固定して、第1ウィンドウレベルを一定値ずつ大きくし、医用画像データの画素値を輝度値に変換する。画像変換部73は、上述の処理を、第1ウィンドウ幅と第1ウィンドウレベルとが第1変更範囲内で設定可能な最大値に達するまで行う。すなわち、画像変換部73は、図4(B)に示す点e、f、g、h、iの順に表示条件を設定し、設定した表示条件で医用画像データの画素値を輝度値に変換する。ここまでの処理が、第2変換処理に該当する。なお、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅の設定順序は、上述のものに限定されるものではない。例えば、第1ウィンドウレベルのほうを最初に一定値に固定しておいて、第1ウィンドウ幅を一定値ずつ変更していき、第1ウィンドウ幅が上限値に達した場合には、第1ウィンドウレベルを一定値大きな値に変更してもよい。また、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更する値は、500に限定されない。また、最初に、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とを第1変更範囲内の最大値に設定し、一定値ずつ第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とを小さくしていくものであってもよい。
表示制御部74は、画像変換部73で生成した複数の表示画像を逐次的に表示装置31に表示させる。すなわち、表示制御部74は、前述の第1変換処理で輝度値に変換した医用画像データを、変換した順に表示装置31に表示させる。また、表示制御部74は、第2変換処理で輝度値に変換した医用画像データを、変換した順に表示装置31に表示させる。具体的には、表示制御部74は、輝度値に変換された複数の医用画像データをシリアル番号順にRAM13から読み出して、表示装置31に表示させる。表示制御部74は、RAM13から読み出した医用画像データを所定間隔ごとに切替えながら表示装置31に表示させる。例えば、1〜2秒間隔で、表示装置31に表示させる医用画像データを切り換える。これによって、表示調整支援装置1の操作者は、静止画である医用画像データを動画のように視認することができる。なお、この所定間隔は、操作者による入力デバイス23の操作により、長く変更することも、短く変更することもできる。また、表示制御部74が、医用画像データを表示装置31に表示させる順番は、画像変換部73が付加したシリアル番号の小さい順である。すなわち、表示制御部74は、画像変換部73が変換した医用画像データの順に、表示装置31に表示させる。図4(A)及び図4(B)に示す例では、a〜iの順番に医用画像データを連続再生する。図5には、図4(A)及び(B)に示すa、b、cの表示条件で変換した医用画像データを、a、b、cの順番に表示装置31に表示した様子を示す。明るさとコントラストとの少なくとも一方を所定値ずつ変更した医用画像データが、表示装置31に連続的に表示されるため、操作者は、画像診断に適した医用画像を表示装置31に表示する表示条件を容易に見つけることができる。なお、表示制御部74は、iの表示条件で変換した医用画像データを表示装置31に表示させると、最初に戻りa、b、c、・・・、iの順番で医用画像データを表示させる。
また、操作者は、入力デバイス23を操作することで、表示装置31に表示させる医用画像データの明るさとコントラストを変更することができる。すなわち、入力デバイス23の操作で、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更する第1変更範囲を変更することができる。例えば、操作者は、入力デバイス23としてのマウスを右クリックすることで、画像の明るさを明るくする操作情報を、表示調整支援装置1に入力する。また、マウスを左クリックすることで、画像の明るさを暗くする操作情報を、表示調整支援装置1に入力する。また、マウスを上下方向に移動させることで、画像のコントラストを調整する操作情報を、表示調整支援装置1に入力する。
図6(A)には、「画像の表示を明るく」との操作入力を受け付けた場合に、範囲設定部72が設定した変更範囲に基づいて画像変換部73が設定した表示条件の例を示す。図6(B)には、図6(A)に示す表示条件をプロットしたグラフを示す。
図4(A)に示す表示条件で変換した医用画像データを表示装置31に表示している間に、入力デバイス23により、「画像の表示を明るく」との操作入力を受け付けた場合、範囲設定部72は、第1変更範囲を変更する。変更後の変更範囲を第2変更範囲と呼ぶ。範囲設定部72は、第1ウィンドウレベルを変更する範囲を、第1変更範囲内で値が小さい範囲に再設定する。第1ウィンドウレベルを変更する範囲を、値の小さい第2変更範囲に下げることで、表示装置31に表示する画像の明るさが明るくなる。例えば、範囲設定部72は、「画像の表示を明るく」との操作入力を受け付けた場合、2000以上、3000以下に設定していた第1ウィンドウレベルの第1変更範囲を、例えば、2000以上、2500以下に設定する。第1ウィンドウレベルの第2変更範囲が、2000以上、2500以下に設定されたため、画像変換部73は、変更された第2変更範囲内で表示条件を設定して、医用画像データの画素値を輝度値に変換する。例えば、図6(A)及び(B)に示す例では、画像変換部73は、最初に、第1ウィンドウ幅を2000に固定して、第1ウィンドウレベルを点a(2000)、点b(2250)、点c(2500)の順に変更する。次に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を2500に固定して、第1ウィンドウレベルを点d(2000)、点e(2250)、点f(2500)の順に変更する。最後に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を3000に固定して、第1ウィンドウレベルを点g(2000)、点h(2250)、点i(2500)の順に変更する。
図7(A)には、「画像の表示を暗く」との操作入力を受け付けた場合に、範囲設定部72が設定した変更範囲に基づいて画像変換部73が設定した表示条件の例を示す。図7(B)には、図7(A)に示す表示条件をプロットしたグラフを示す。
図4(A)に示す表示条件で変換した医用画像データを表示装置31に表示している間に、入力デバイス23により、「画像の表示を暗く」との操作入力を受け付けた場合、範囲設定部72は、第1変更範囲を第2変更範囲に変更する。範囲設定部72は、第1ウィンドウレベルを変更する範囲を、第1変更範囲内で値が大きい範囲に再設定する。第1ウィンドウレベルを変更する範囲を値の大きい範囲に上げることで、表示装置31に表示する画像の明るさを暗くする。例えば、範囲設定部72は、「画像の表示を暗く」との操作入力を受け付けた場合、2000以上、3000以下に設定していた第1ウィンドウレベルを変更する範囲を、例えば、2500以上、3000以下に設定する。第1ウィンドウレベルの第2変更範囲が、2500以上、3000以下に設定されたため、画像変換部73は、変更された第2変更範囲内で表示条件を設定して、医用画像データの画素値を輝度値に変換する。例えば、図7(A)及び(B)に示す例では、画像変換部73は、最初に、第1ウィンドウ幅を2000に固定して、第1ウィンドウレベルを点a(2500)、点b(2750)、点c(3000)の順に変更する。次に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を2500に固定して、第1ウィンドウレベルを点d(2500)、点e(2750)、点f(3000)の順に変更する。最後に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を3000に固定して、第1ウィンドウレベルを点g(2500)、点h(2750)、点i(3000)の順に変更する。
図8(A)には、「画像のコントラストを強くする」との操作入力を受け付けた場合に、範囲設定部72が設定した変更範囲に基づいて画像変換部73が設定した表示条件の例を示す。図8(B)には、図8(A)に示す表示条件をプロットしたグラフを示す。
図4(A)に示す表示条件で変換した医用画像データを表示装置31に表示している間に、入力デバイス23により、「画像のコントラストを強くする」との操作入力を受け付けとする。この場合、範囲設定部72は、第1変更範囲を第2変更範囲に変更する。範囲設定部72は、第1ウィンドウ幅を変更する範囲を狭くした範囲に再設定する。第1ウィンドウ幅を変更する範囲を小さくすることで、画像のコントラスト分解能が向上し、医用画像データの画素値の小さな差を表示装置31で表示することが可能となる。例えば、範囲設定部72は、「画像のコントラストを強くする」との操作入力を受け付けた場合、2000以上、3000以下に設定していた第1ウィンドウ幅の第1変更範囲を、例えば、1500以上、2500以下に設定する。第1ウィンドウ幅の第2変更範囲が、1500以上、2500以下に設定されたため、画像変換部73は、変更された第2変更範囲内で表示条件を設定して、医用画像データの画素値を輝度値に変換する。例えば、図8(A)及び図8(B)に示す例では、画像変換部73は、最初に、第1ウィンドウ幅を1500に固定して、第1ウィンドウレベルを点a(2000)、点b(2500)、点c(3000)の順に変更する。次に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を2000に固定して、第1ウィンドウレベルを点d(2000)、点e(2500)、点f(3000)の順に変更する。最後に、画像変換部73は、第1ウィンドウ幅を2500に固定して、第1ウィンドウレベルを点g(2000)、点h(2500)、点i(3000)の順に変更する。
なお、操作者は、入力デバイス23の操作により、表示装置31に表示させた医用画像を拡大表示させたり、回転させる指示を入力することもできる。
例えば、画像を拡大させる指示入力と、拡大させる画像の中心座標値との指示入力とを入力デバイス23で受け付けたとする。この場合、制御部10は、シリアル番号を付してRAM13に保存した各医用画像を、指示された座標値を中心に拡大処理した医用画像を生成してRAM13に保存する。なお、拡大処理した医用画像には、新たなシリアル番号が付与されてRAM13に保存される。制御部10は、RAM13に保存した医用画像を、付与されたシリアル番号の順に読み出して表示装置31に表示させる。したがって、表示装置31には、操作者が指定した位置を中心に画像が拡大表示され、明るさとコントラストとの少なくとも一方が変化する医用画像が、所定間隔ごとに表示される。
次に、図9〜図11に示すフローチャートを参照しながら、制御部10の処理手順を説明する。まず、制御部10は、医用画像データを選択する選択情報の入力を入力デバイス23で受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。例えば、医師等の操作者は、患者のIDや、医用画像データの撮影日等の医用画像データを選択する情報を入力デバイス23を操作して入力する。医用画像データを選択する情報の入力を受け付けると(ステップS1/YES)、制御部10は、選択された医用画像データをHDD50から読み出してRAM13に保存する。次に、制御部10は、RAM13に保存した医用画像データを取得して、医用画像データのタグ情報から、部位情報と、グレースケール深度とを取得する(ステップS2)。制御部10は、取得した部位情報と、グレースケール深度とから第1ウィンドウ幅と第1ウィンドウレベルとを変更する変更範囲である第1変更範囲を設定する(ステップS3)。RAM13には、肺、心臓、頭部等の部位に応じて設定された、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との変更範囲の標準値が保存されている。制御部10は、医用画像データのタグ情報から取得した部位情報により、該当する部位の標準値を取得する。次に、制御部10は、取得した標準値を使用して、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との第1変更範囲を設定する(ステップS4)。第1変更範囲は、標準値よりも広めに設定するとよい。
次に、制御部10は、第1ウィンドウ幅と、第1ウィンドウレベルとを設定する。まず、制御部10は、設定した第1変更範囲の下限値に第1ウィンドウ幅と第1ウィンドウレベルを設定する(ステップS4)。例えば、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との第1変更範囲がともに2000以上、3000以下であった場合、第1ウィンドウレベル、第1ウィンドウ幅ともに2000に設定する。制御部10は、第1変更範囲の下限値に設定した第1ウィンドウ幅と第1ウィンドウレベルとで規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する(ステップS4)。制御部10は、輝度値に変換した医用画像データにシリアル番号を付与してRAM13に保存する(ステップS4)。
次に、制御部10は、第1ウィンドウ幅の値は変更せずに、第1ウィンドウレベルの値を一定値大きな値に変更する(ステップS5)。例えば、ステップS4で使用した第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅がともに2000であった場合に、制御部10は、第1ウィンドウ幅は2000のまま、第1ウィンドウレベルを例えば500上げて、2500に設定する。なお、変更する第1ウィンドウレベルの値は、500に限定されるものではない。
第1ウィンドウレベルを変更すると、制御部10は、変更後の第1ウィンドウレベルが第1変更範囲の上限値を越えたか否かを判定する(ステップS6)。例えば、第1ウィンドウレベルの第1変更範囲が2000以上、3000以下であった場合、制御部10は、変更後の第1ウィンドウレベルが3000よりも大きくなったか否かを判定する。ステップS6の判定が否定判定の場合、制御部10は、変更後の第1ウィンドウレベルと、固定の第1ウィンドウ幅で規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する(ステップS7)。制御部10は、輝度値に変換した医用画像データにシリアル番号を付与してRAM13に保存する(ステップS7)。その後、制御部10は、ステップS5の処理に戻り、第1ウィンドウレベルの値をさらに一定値大きな値に変更する(ステップS5)。そして、制御部10は、ステップS6の判定を再度行う。また、ステップS6の判定が肯定判定であった場合、制御部10は、固定にしていた第1ウィンドウ幅の値を一定値大きな値に変更する(ステップS8)。そして、制御部10は、変更後の第1ウィンドウ幅が第1変更範囲の上限値を越えたか否かを判定する(ステップS9)。上述のように、例えば、第1ウィンドウ幅の第1変更範囲が2000以上、3000以下であった場合、変更後の第1ウィンドウ幅が3000よりも大きくなったか否かを判定する。
ステップS9の判定が否定判定の場合、制御部10は、変更後の第1ウィンドウ幅と、第1変更範囲の下限値の第1ウィンドウレベルとで規定される医用画像データの画素値を輝度値に変換する(ステップS10)。制御部10は、輝度値に変換した医用画像データをRAM13に保存する(ステップS10)。その後、制御部10は、ステップS5の処理に戻り、ウィンドウ幅は変更せずに、第1ウィンドウレベルの値をさらに一定値大きな値に変更する(ステップS5)。そして、制御部10は、ステップS6の判定を再度行う。
また、ステップS9の判定が肯定判定の場合、制御部10は、医用画像データの輝度値への変換を終了する。この場合、制御部10は、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とを変更範囲内の全範囲で変更して、医用画像データの画素値を輝度値に変更したと判定する。このため、医用画像データの輝度値への変換を終了する。医用画像データの輝度値への変換が終了すると、制御部10は、変換後の医用画像データを、RAM13に保存した順番が小さい順に表示装置31に表示させる(ステップS11)。すなわち、制御部10は、最初に、第1ウィンドウ幅を変更範囲の下限値に設定し、第1ウィンドウレベルを値が徐々に大きくなるように設定して変換した医用画像データを、表示装置31に所定間隔ごとに表示する。次に、制御部10は、第1ウィンドウ幅を一定値大きな値に設定し、第1ウィンドウレベルを値が徐々に大きくなるように設定して変換した医用画像データを、表示装置31に所定間隔ごとに表示する。この医用画像データの表示を、第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とが、第1変更範囲内で設定可能な最大の値となるまで繰り返し行う。第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅が第1変更範囲内で設定可能な最大の値に設定して変換した医用画像データを表示装置31に表示させると、制御部10は、表示した医用画像データを再度、表示装置31に表示させる。すなわち、制御部10は、第1ウィンドウ幅を変更範囲の下限値に設定し、第1ウィンドウレベルを値が徐々に大きくなるように設定して変換した医用画像データを、表示装置31に連続表示する。
次に、医用画像データを表示装置31に表示させている際に、表示中の医用画像データの明るさ又はコントラストを変更する操作入力があった場合の処理フローについて、図10及び11のフローチャートを参照しながらを説明する。
制御部10は、操作入力を受け付けると(ステップS12/YES)、まず、受け付けた操作入力は、画像の明るさを明るくする指示であったか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定が肯定判定の場合、制御部10は、第1ウィンドウレベルを変更する範囲を、第1変更範囲内で値が小さい第2変更範囲に再設定する(ステップS15)。第1ウィンドウレベルの変更範囲を値の小さい第2変更範囲に変更することで、表示装置31に表示される医用画像の明るさが明るくなる。例えば、再設定前の第1ウィンドウレベルの第1変更範囲が2000以上、3000以下であった場合に、第1ウィンドウレベルを変更する範囲を2000以上、2500以下である第2変更範囲に再設定する。その後、制御部10は、再設定した第2変更範囲の第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を使用して、図9に示すS4〜S11の処理を繰り返す。また、操作入力を受け付けていない場合(ステップS12/NO)、制御部10は、RAM13に保存している、輝度値に変換した医用画像データを、シリアル番号順に表示装置31に表示させる(ステップS13)。
また、ステップS14の判定が否定判定の場合、制御部10は、受け付けた操作入力は、画像の明るさを暗くする指示であったか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16の判定が肯定判定であった場合、制御部10は、第1ウィンドウレベルを変更する範囲を、第1変更範囲内で値が大きい第2変更範囲に再設定する(ステップS17)。例えば、再設定前の第1ウィンドウレベルの変更範囲が2000以上、3000以下であった場合に、第1ウィンドウレベルの範囲を2500以上、3000以下である第2変更範囲に再設定する。その後、制御部10は、再設定した第2変更範囲の第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を使用して、図9に示すS4〜S11の処理を繰り返す。
また、ステップS16の判定が否定判定の場合、制御部10は、受け付けた操作入力は、画像のコントラストを高くする指示であったか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定が否定判定であった場合、制御部10は、第1ウィンドウ幅を変更する第1変更範囲を再設定する(ステップS19)。この場合、制御部10は、第1ウィンドウ幅を変更する第1変更範囲を値の小さい第2変更範囲に変更する。第1ウィンドウ幅を小さくすることでコントラスト分解能が向上し、医用画像データの画素値の小さな差を表示装置31で表示することが可能となる。例えば、変更前の第1ウィンドウ幅の第1変更範囲が、2000以上、3000以下であった場合に、第1ウィンドウ幅を変更する範囲を、1500以上、2200以下の第2変更範囲に変更する。この後、制御部10は、再設定した第2変更範囲の第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を使用して、図9に示すS4〜S11の処理を繰り返す。
また、ステップS18の判定が肯定判定であった場合、制御部10は、受け付けた操作入力は、医用画像を選択する指示であったか否かを判定する(ステップS20)。肯定判定であった場合、制御部10は、選択された医用画像データを表示させる(ステップS21)。すなわち、制御部10は、選択された医用画像データだけを表示装置31に表示させ、他の医用画像は、表示装置31に表示させない。
以上、詳細に説明したように本実施形態は、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更しながら輝度値に変換した医用画像データを、所定間隔ごとに切替えて表示装置31に表示させる。したがって、表示装置31には、明るさとコントラストとの少なくとも一方が切り替わる医用画像を表示させることができる。このため、操作者は、表示装置31に表示される医用画像を見ながら、病変を診断可能な表示条件を見つけることができる。したがって、画像診断に適した医用画像を、簡単な操作で表示装置に表示可能にすることができる。
また、本実施形態は、医用画像の撮影部位を示す部位情報に基づいて2つのパラメータの変更範囲である第1変更範囲を設定し、設定した範囲内で2つのパラメータの値を変更する。このため、画像診断に適した医用画像が含まれる範囲で、医用画像の明るさとコントラストとを変更することができる。したがって、画像診断に適した医用画像を効率的に表示装置に表示させることができる。
なお、上述した第1実施形態では、第1変換処理と第2変換処理との両方の処理を行って、これらの変換処理で輝度値に変換された医用画像データを表示装置31に表示させていた。これ以外に、例えば、第1変換処理と第2変換処理とのいずれか一方を行って、輝度値に変換した医用画像データを表示装置31に表示させるものであってもよい。すなわち、2つのパラメータのうちの一方を変更せずに固定し、他方を連続的に変更して輝度変換した医用画像データを表示装置31に表示させるものであってもよい。
(変形例)
上述した実施形態では、1つの医用画像データの画素値を、表示条件を変更しながら輝度値に変更して、表示装置31に表示する場合を説明した。この変形例では、1つの医用画像データだけではなく複数の医用画像データを使用する。
入力デバイス23により選択を受け付けた医用画像データが、同じ患者の医用画像データであって、撮影日が異なるものであったとする。例えば、撮影日の異なる2つの過去の医用画像データと、患者の現在の状態を示す現在の医用画像データであったとする。以下、2つの過去の医用画像データを過去画像1、過去画像2と呼ぶ。過去画像1は、過去画像2よりも過去に撮影された医用画像データであるとする。また、患者の現在の状態を示す医用画像データを現在画像と呼ぶ。また、これらの医用画像データを総称する場合には、画像セットという。
範囲設定部72は、画像セットに共通に使用する第1変更範囲を設定する。画像変換部73は、画像変換の際に、同じ表示条件を使用して、過去画像1、過去画像2及び現在画像の画素値を輝度値に変換する。例えば、図4(A)に示す表示条件で、画像セットの画素値を輝度値に変換する場合には、a〜iの各点に規定された表示条件で輝度値に変換された過去画像1、過去画像2、現在画像の画像セットを生成する。
表示制御部74は、各パラメータに同一の値を設定して変換された画像セットを表示装置31に連続して表示させる。具体的には、表示制御部74は、同じ表示条件で輝度値に変換された医用画像データを、過去画像1、過去画像2、現在画像の順に表示装置31に表示させる。図12(A)には、同じ表示条件で変換された医用画像データを、過去画像1、過去画像2、現在画像の順に表示装置31に表示させた様子を示す。表示条件の同じ過去画像1、過去画像2、現在画像を表示装置31に表示させると、表示制御部74は、次の表示条件で変換された医用画像データの過去画像1、過去画像2、現在画像を表示装置31に表示させる。図12(B)には、(A)とは表示条件を変更して変換した医用画像データを、過去画像1、過去画像2、現在画像の順に表示装置31に表示させた様子を示す。
この変形例では、同じ表示条件で変換された過去画像1、過去画像2、現在画像が連続的に表示装置31に表示される。このため、患者の過去に撮影された医用画像と、現在の医用画像とを比較する画像を表示装置31に表示させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。なお、本実施形態のハードウェア構成は、図1に示す構成と同一であるため、説明を省略する。
図13に、本実施形態の機能ブロック70Bの一例を示す。本実施形態は、図2に示す機能ブロック70Aの構成に加えて、異常陰影候補検出部75をさらに備えている。異常陰影候補検出部75は、入力部71と、範囲設定部72と、RAM13とに接続している。
異常陰影候補検出部75は、入力部71から医用画像データを選択する選択情報を入力する。異常陰影候補検出部75は、選択情報の示す医用画像データの実データをRAM13から取得して、画像解析を行うことにより異常陰影の候補を検出する。異常陰影候補検出部75が異常陰影の候補を検出する技術として、例えば、CAD(Computer Aided Diagnosis)と呼ばれる異常陰影候補検出装置に用いられる技術を用いることができる。病変部の陰影は、特徴的な濃度分布を有することが多く、CADは、このような濃度特性に基づいて病変部と推測される画像領域を異常陰影候補として検出する。異常陰影候補検出部75の異常陰影の候補の検出技術は、この他にも一般的に知られた公知の方法を用いることができる。異常陰影候補検出部75は、異常陰影候補を検出すると、入力部71から入力した選択情報の示す医用画像データと、この医用画像データから検出した候補領域の座標値とを範囲設定部72に出力する。
範囲設定部72は、異常陰影候補検出部75から医用画像データと、候補領域の座標値とを入力する。範囲設定部72は、入力した候補領域の座標値が示す医用画像データの画素値を取得する。範囲設定部72は、取得した候補領域の画素値を用いて第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とを設定する。範囲設定部72は、例えば、候補領域の画素値を値の小さい順に並べて、最も値の小さい画素値から数えて25%にあたる25%点、中央にあたる50%点(中央値)、75%にあたる75%点の画素値をそれぞれ検出する。範囲設定部72は、検出した50%点を、第1ウィンドウレベルの値に設定する。さらに、範囲設定部72は、75%点の画素値から25%点の画素値までの画素数を第1ウィンドウ幅に設定する。この他に、画素値の最小値と最大値の幅を第1ウィンドウ幅に設定することもできる。
次に、範囲設定部72は、設定した第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を基準にして、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更する範囲である第1変更範囲を設定する。第1変更範囲の設定は、例えば、第1ウィンドウレベルの場合、第1ウィンドウレベルの値を中央値に設定して、第1ウィンドウレベルに所定値を加算、減算して第1変更範囲を設定してもよい。また、所定値は、肺、心臓、胃等の体の部位ごとに用意された値を使用することができる。例えば、候補領域の画素値から設定した第1ウィンドウレベルが1000で、第1ウィンドウ幅が1500であったとする。この場合、範囲設定部72は、第1ウィンドウレベル1000に、所定値として500を加算した値を、第1ウィンドウレベルの上限値に設定する。また、範囲設定部72は、第1ウィンドウレベル1000から、所定値として500を減算した値を、第1ウィンドウレベルの下限値に設定する。範囲設定部72は、第1ウィンドウ幅についても同様に処理する。
なお、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅の変更範囲である第1変更範囲を設定した後の制御部10の処理については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上説明したように本実施形態は、異常陰影候補検出部75が画像解析により検出した異常陰影の候補の画素値に基づいて、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更する第1変更範囲を設定する。このため、画像診断に適した医用画像をより効率的に表示装置に表示させることができる。
(第3実施形態)
本第3実施形態は、X線CT装置やMRI装置等の撮影装置により撮影された三次元医用画像を表示装置31に表示させる際の表示条件を調整する実施形態である。
図14に、本実施形態の制御部10が備える機能ブロック70Cの構成の一例を示す。本実施形態は、図2に示す機能ブロック70Aが備えるブロックの他に、異常陰影候補検出部75と、断層画像生成部76と、画像生成部77とを備える。
異常陰影候補検出部75は、入力部71と、断層画像生成部76と、範囲設定部72と、RAM13とに接続している。異常陰影候補検出部75は、三次元医用画像を選択する選択情報を入力部71から入力する。異常陰影候補検出部75は、選択情報で指定された三次元医用画像をRAM13から取得し、取得した三次元医用画像に画像解析を行う。画像解析の結果、三次元医用画像に異常陰影の候補を検出した場合、異常陰影候補検出部75は、異常陰影の候補領域の座標値と三次元医用画像とを、断層画像生成部76と範囲設定部72とに出力する。
断層画像生成部76は、異常陰影候補検出部75と、RAM13とに接続している。断層画像生成部76は、異常陰影候補検出部75から候補領域の座標値と、三次元医用画像とを入力する。断層画像生成部76は、三次元医用画像を、候補領域を含む所定の切断面で切断して、2次元の断層画像を生成する。断層画像生成部76は、生成した断層画像をRAM13に保存する。なお、生成する断層画像は、1つであっもよい。これは、異常陰影候補検出部75が検出する異常陰影の画素値は、ほぼ一定の値をとるからである。
範囲設定部72は、異常陰影候補検出部75から候補領域の座標値と三次元医用画像とを入力する。範囲設定部72は、入力した候補領域の座標値が示す三次元医用画像データのボクセル値を取得する。範囲設定部72は、取得した候補領域のボクセル値を用いて第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅とを設定する。第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅の設定方法は、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、範囲設定部72は、設定した第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を基準にして、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更する範囲である第1変更範囲を設定する。第1変更範囲の設定方法についても第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。範囲設定部72は、設定した第1変更範囲を画像生成部77に出力する。
この後、第1実施形態で説明したように、画像変換部73は、第1変更範囲内で、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更して、変更した表示条件でRAM13から取得した断層画像のボクセル値を輝度値に変換する。表示制御部74は、画像変換部73が変換した断層画像を、表示装置31に所定間隔ごとに表示させる。
操作者は、図6〜図8を参照しながら説明したように、画像を明るくする等の操作入力を入力しながら、表示装置31に表示される断層画像のなかから、病変があるか否かを診断可能な輝度値の断層画像を選択する。断層画像を選択する選択入力を入力デバイス23により受け付けると、範囲設定部72は、選択された断層画像を輝度値に変換した際の表示条件をRAM13から取得する。範囲設定部72は、断層画像の表示条件を取得すると、取得した表示条件を使用して、三次元画像の不透明度を設定する。
図15には、三次元画像のボクセル値と不透明度との対応関係の一例を示すグラフを示す。図15に示すボクセル値と不透明度との対応関係を示す曲線がオパシティカーブ(不透明度曲線)を示す。
不透明度は、0.0〜1.0の範囲で設定されており、0.0を完全な透明、1.0を完全な不透明としている。また、図15に示すa及びbの範囲は、不透明度が段階的に変化する領域である。このa及びbの範囲では、ボクセル値が、不透明度に応じた値で表示される。また、不透明度のウィンドウ幅は、不透明度が1.0のボクセル値の範囲の幅を示し、不透明度のウィンドウレベルは、不透明度が1.0のボクセル値の範囲の中央値を示す。なお、以下では、不透明度のウィンドウレベル及びウィンドウ幅の変更範囲を第3変更範囲と呼ぶ。また、不透明度のウィンドウレベルを第2ウィンドウレベルと呼び、不透明度のウィンドウ幅を第2ウィンドウ幅と呼ぶ。第2ウィンドウレベルと第2ウィンドウ幅とが、表示装置31に表示される医用画像の表示態様を変更するパラメータに該当する。第2ウィンドウレベルと第2ウィンドウ幅とを変更することで、医用画像データの各ボクセルに割り当てる不透明度が変更される。
範囲設定部72は、RAM13から表示条件として取得した、断層画像の第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を使用して、第3変更範囲を設定する。まず、範囲設定部72は、断層画像の第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅に設定する。次に、範囲設定部72は、設定した2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅を使用して、第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅を変更する第3変更範囲を設定する。範囲設定部72は、第2ウィンドウレベルと第2ウィンドウ幅との値に、それぞれ所定値を加算し、又は減算して、第3変更範囲を設定する。例えば、第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅がともに2500であったとする。この場合、範囲設定部72は、第2ウィンドウレベル2500に一定値として500を加算した値を第3変更範囲の上限値に設定し、第2ウィンドウレベル2500から一定値として500を減算した値を第3変更範囲の下限値に設定する。範囲設定部72は、第2ウィンドウ幅についも同様に処理する。
画像生成部77は、範囲設定部72が設定した第3変更範囲内で第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅を設定する。そして、画像生成部77は、設定した第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅で規定される不透明度に基づいて、三次元画像のボリュームレンダリングを実行することにより、疑似三次元画像を生成する。
図16(A)には、範囲設定部72が設定した第3変更範囲に基づいて画像生成部77が設定した不透明度の条件の一例を示す。画像生成部77は、図16(A)に示すa〜iの順に、第2ウィンドウ幅及び第2ウィンドウレベルを設定する。画像生成部77は、設定した第2ウィンドウ幅及び第2ウィンドウレベルで規定される不透明度に基づいて、三次元画像のボリュームレンダリングを実行する。画像生成部77は、ボリュームレンダリングにより疑似三次元画像を生成するごとに、生成した疑似三次元画像にシリアル番号を付与してRAM13に保存する。
表示制御部74は、疑似三次元画像をシリアル番号順にRAM13から読み出して表示装置31に表示させる。表示制御部74は、疑似三次元画像を所定間隔ごとに切替えながら表示装置31に表示させる。
次に、図17に示すフローチャートを参照しながら本実施形態の処理手順を説明する。
まず、制御部10は、三次元医用画像データを選択する入力を入力デバイス23で受け付けたか否かを判定する(ステップS51)。三次元医用画像データを選択する情報の入力を受け付けると(ステップS51/YES)、制御部10は、選択された医用画像データをHDD50から読み出してRAM13に保存する。次に、制御部10は、三次元医用画像データをRAM13から取得し、取得した三次元医用画像データに解析処理を行い、異常陰影の候補領域を検出する(ステップS52)。候補領域を検出した場合、制御部10は、候補領域のボクセル値を三次元医用画像データから取得し、取得したボクセル値を使用して第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を設定する(ステップS53)。また、制御部10は、設定した第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅に基づいて、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更する範囲である第1変更範囲を設定する(ステップS54)。次に、制御部10は、三次元医用画像データを所定の断面で切断して、候補領域を含む断層画像を生成する。そして、制御部10は、設定した第1変更範囲内で第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を変更しながら、候補領域を含む断層画像のボクセル値を輝度値に変換する(ステップS55)。制御部10は、輝度値に変換した断層画像に、変換順にシリアル番号を付与してRAM13に保存する。
次に、制御部10は、シリアル番号順にRAM13から断層画像を読み出して表示装置31に表示させる(ステップS56)。制御部10は、断層画像を所定間隔ごとに切替えながら表示装置31に表示させる(ステップS56)。表示装置31に表示させた複数の断層画像のなかから、断層画像を選択する選択入力を入力デバイス23で受け付けた場合(ステップS57)、制御部10は、選択された断層画像の表示条件をRAM13から取得する。すなわち、制御部10は、選択された断層画像のボクセル値を輝度値に変換した際に使用した第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅をRAM13から取得する(ステップS58)。
次に、制御部10は、取得した第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を、ボクセル値ごとの不透明度を設定する際に使用する第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅に設定する(ステップS59)。制御部10は、設定した第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅を使用して、第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅の変更範囲である第3変更範囲を設定する(ステップS60)。制御部10は、設定した第3変更範囲内で第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅を変更する。制御部10は、変更した第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅で規定される不透明度に基づいて、三次元画像のボリュームレンダリングを実行し、疑似三次元画像を生成する(ステップS61)。制御部10は、ボリュームレンダリングにより疑似三次元画像を生成するごとに、生成した疑似三次元画像にシリアル番号を付与してRAM13に保存する。
次に、制御部10は、シリアル番号順にRAM13から疑似三次元画像を読み出して表示装置31に表示させる(ステップS62)。制御部10は、断層画像を所定間隔ごとに切替えながら表示装置31に表示させる(ステップS62)。表示装置31に表示させた複数の疑似三次元画像のなかから、疑似三次元画像を選択する入力を受け付けた場合(ステップS63)、制御部10は、選択された疑似三次元画像を表示装置31に表示させる(ステップS64)。
以上、詳細に説明したように本実施形態は、不透明になるボクセル値の範囲が連続的に切り替わる疑似三次元画像を生成して、表示装置31に表示することができる。操作者は、表示装置31に表示される疑似三次元画像を見ながら、見たい部位が不透明となり、不要な部位が透明となる疑似三次元画像を容易に選択することができる。また、疑似三次元画像を生成する際に使用する第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅は、操作者が、病変を診断可能と判断した断層画像の表示条件を反映している。このため、表示装置31に表示される疑似三次元画像は、画像の明るさとコントラストとが調整された画像となり、病変の診断に適した画像となる。
なお、上述した第3実施形態では、第1ウィンドウレベル及び第1ウィンドウ幅を、そのまま第2ウィンドウレベル及び第2ウィンドウ幅として使用した。これ以外に、第1実施形態で使用した第1ウィンドウレベルと第1ウィンドウ幅との変更範囲の標準値をそのまま第3変更範囲として設定してもよい。すなわち、断層画像を生成して、画像の明るさとコントラストを調整する処理を行わなくても、図17に示すS59〜S64の処理を独立して行うことができる。
上述した実施形態は、本発明の好適な実施の形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を表示画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てるパラメータを変更することで、変更した前記パラメータに対応する複数の表示画像を生成し、
生成した前記複数の表示画像を逐次的に前記表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記2) 前記パラメータは、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと、画像のコントラストを変更するウィンドウ幅とを含み、
前記複数の表示画像を生成する処理は、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する処理を、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を変更しながら複数回行う処理であることを特徴とする付記1記載のプログラム。
(付記3) 前記複数の表示画像を生成する処理は、前記医用画像の撮影部位を示す部位情報に基づいて前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅とを変更する変更範囲を設定し、設定した前記変更範囲内で前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換することを特徴とする付記2記載のプログラム。
(付記4) 前記複数の表示画像を生成する処理は、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との一方のパラメータの値を一定の値に固定して、他方のパラメータの値を連続的に変化させ、前記一定の値の前記一方のパラメータと、変化させた各値の前記他方のパラメータとで規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する第1変換処理と、前記一定の値に固定した前記一方のパラメータの値を他の値に固定して、前記他方のパラメータの値を連続的に変化させ、前記他の値の前記一方のパラメータと、変化させた各値の前記他方のパラメータとで規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する第2変換処理とを含み、
前記表示装置に表示させる処理は、前記第1変換処理で輝度値に変換した前記医用画像を、変換した順に前記表示装置に表示させる処理と、
前記第2変換処理で輝度値に変換した前記医用画像を、変換した順に前記表示装置に表示させる処理とを含むことを特徴とする付記2又は3記載のプログラム。
(付記5) 前記医用画像には、撮影日の異なる複数の医用画像が含まれ、
前記複数の表示画像を生成する処理は、前記医用画像の画素値を前記輝度値に変換する処理を、前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行い、
前記表示装置に表示させる処理は、前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する際に、前記複数の医用画像で各パラメータに同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させることを特徴とする付記2記載のプログラム。
(付記6) 前記複数の表示画像を生成する処理は、前記医用画像に画像解析を行って、異常な陰影を示す前記医用画像の候補領域を検出し、前記検出した候補領域の画素値に基づいて、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との変更範囲を設定して、設定した前記変更範囲内で前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方を変更しながら、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅とに基づいて前記医用画像の画素値を輝度値に変換することを特徴とする付記2記載のプログラム。
(付記7) 前記パラメータとして、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータとを含み、
前記複数の表示画像を生成する処理は、前記中央値パラメータと前記幅値パラメータとの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の疑似三次元画像を複数生成し、
前記表示装置に表示させる処理は、前記不透明度を変更しながら生成した疑似三次元画像を、所定間隔ごとに前記表示装置に表示させることを特徴とする付記1記載のプログラム。
(付記8) コンピュータにより実行される表示調整支援方法であって、
医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を表示画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てるパラメータを変更することで、変更した前記パラメータに対応する複数の表示画像を生成するステップと、
生成した前記複数の表示画像を逐次的に前記表示装置に表示させるステップを有することを特徴とする表示調整支援方法。
(付記9) 前記パラメータは、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと、画像のコントラストを変更するウィンドウ幅とを含み、
前記複数の表示画像を生成するステップは、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する処理を、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を変更しながら複数回行うステップであることを特徴とする付記8記載の表示調整支援方法。
(付記10) 前記複数の表示画像を生成するステップは、前記医用画像の撮影部位を示す部位情報に基づいて前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅とを変更する変更範囲を設定し、設定した前記変更範囲内で前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換することを特徴とする付記9記載の表示調整支援方法。
(付記11) 前記複数の表示画像を生成するステップは、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との一方のパラメータの値を一定の値に固定して、他方のパラメータの値を連続的に変化させ、前記一定の値の前記一方のパラメータと、変化させた各値の前記他方のパラメータとで規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する第1変換ステップと、前記一定の値に固定した前記一方のパラメータの値を他の値に固定して、前記他方のパラメータの値を連続的に変化させ、前記他の値の前記一方のパラメータと、変化させた各値の前記他方のパラメータとで規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する第2変換ステップとを含み、
前記表示装置に表示させるステップは、前記第1変換ステップで輝度値に変換した前記医用画像を、変換した順に前記表示装置に表示させるステップと、
前記第2変換ステップで輝度値に変換した前記医用画像を、変換した順に前記表示装置に表示させるステップとを含むことを特徴とする付記9又は10記載の表示調整支援方法。
(付記12) 前記医用画像には、撮影日の異なる複数の医用画像が含まれ、
前記複数の表示画像を生成するステップは、前記医用画像の画素値を前記輝度値に変換する処理を、前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行い、
前記表示装置に表示させるステップは、前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する際に、前記複数の医用画像で各パラメータに同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させることを特徴とする付記9記載の表示調整支援方法。
(付記13) 前記複数の表示画像を生成するステップは、前記医用画像に画像解析を行って、異常な陰影を示す前記医用画像の候補領域を検出し、前記検出した候補領域の画素値に基づいて、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との変更範囲を設定して、設定した前記変更範囲内で前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方を変更しながら、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅とに基づいて前記医用画像の画素値を輝度値に変換することを特徴とする付記9記載の表示調整支援方法。
(付記14) 前記パラメータとして、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータとを含み、
前記複数の表示画像を生成するステップは、前記中央値パラメータと前記幅値パラメータとの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の疑似三次元画像を複数生成し、
前記表示装置に表示させるステップは、前記不透明度を変更しながら生成した疑似三次元画像を、所定間隔ごとに前記表示装置に表示させることを特徴とする付記8記載の表示調整支援方法。
(付記15) 医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を表示画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てるパラメータを変更することで、変更した前記パラメータに対応する複数の表示画像を生成する生成手段と、
生成した前記複数の表示画像を逐次的に前記表示装置に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする表示調整支援装置。
(付記16) 前記パラメータは、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと、画像のコントラストを変更するウィンドウ幅とを含み、
前記生成手段は、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する処理を、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を変更しながら複数回行う手段であることを特徴とする付記15記載の表示調整支援装置。
(付記17) 前記生成手段は、前記医用画像の撮影部位を示す部位情報に基づいて前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅とを変更する変更範囲を設定し、設定した前記変更範囲内で前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換することを特徴とする付記16記載の表示調整支援装置。
(付記18) 前記生成手段は、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との一方のパラメータの値を一定の値に固定して、他方のパラメータの値を連続的に変化させ、前記一定の値の前記一方のパラメータと、変化させた各値の前記他方のパラメータとで規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する第1変換処理と、前記一定の値に固定した前記一方のパラメータの値を他の値に固定して、前記他方のパラメータの値を連続的に変化させ、前記他の値の前記一方のパラメータと、変化させた各値の前記他方のパラメータとで規定される前記医用画像の画素値を、輝度値に変換する第2変換処理とを実行し、
前記表示制御手段は、前記第1変換処理で輝度値に変換した前記医用画像を、変換した順に前記表示装置に表示させる処理と、前記第2変換処理で輝度値に変換した前記医用画像を、変換した順に前記表示装置に表示させる処理とを実行することを特徴とする付記16又は17記載の表示調整支援装置。
(付記19) 前記医用画像には、撮影日の異なる複数の医用画像が含まれ、
前記生成手段は、前記医用画像の画素値を前記輝度値に変換する処理を、前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行い、
前記表示制御手段は、前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する際に、前記複数の医用画像で各パラメータに同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させることを特徴とする付記16記載の表示調整支援装置。
(付記20) 前記生成手段は、前記医用画像に画像解析を行って、異常な陰影を示す前記医用画像の候補領域を検出し、前記検出した候補領域の画素値に基づいて、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との変更範囲を設定して、設定した前記変更範囲内で前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅との少なくとも一方を変更しながら、前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅とに基づいて前記医用画像の画素値を輝度値に変換することを特徴とする付記16記載の表示調整支援装置。
(付記21) 前記パラメータとして、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータとを含み、
前記生成手段は、前記中央値パラメータと前記幅値パラメータとの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の疑似三次元画像を複数生成し、
前記表示制御手段は、前記不透明度を変更しながら生成した疑似三次元画像を、所定間隔ごとに前記表示装置に表示させることを特徴とする付記15記載の表示調整支援装置。
1 表示調整支援装置
10 制御部
13 RAM
31 表示装置
71 入力部
72 範囲設定部
73 画像変換部
74 表示制御部
75 異常陰影候補検出部
76 断層画像生成部
77 画像生成部

Claims (6)

  1. 撮影日の異なる複数の医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記複数の医用画像を表示させる際に、前記複数の医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと画像のコントラストを変更するウィンドウ幅の少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行うことで、変更した前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅の少なくとも一方に対応する複数の医用画像を生成し、
    前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を行う際に、前記複数の医用画像でウィンドウレベルとウィンドウ幅に同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させる、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  2. 医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を疑似三次元画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の複数の疑似三次元画像を生成し、
    記不透明度を変更して生成した前記複数の疑似三次元画像を、所定間隔ごとに逐次的に前記表示装置に表示させる、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  3. コンピュータにより実行される表示調整支援方法であって、
    撮影日の異なる複数の医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記複数の医用画像を表示させる際に、前記複数の医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと画像のコントラストを変更するウィンドウ幅の少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行うことで、変更した前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅の少なくとも一方に対応する複数の医用画像を生成するステップと、
    前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を行う際に、前記複数の医用画像でウィンドウレベルとウィンドウ幅に同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させるステップと、
    を有することを特徴とする表示調整支援方法。
  4. コンピュータにより実行される表示調整支援方法であって、
    医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を疑似三次元画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の複数の疑似三次元画像を生成するステップと、
    前記不透明度を変更して生成した前記複数の疑似三次元画像を、所定間隔ごとに逐次的に前記表示装置に表示させるステップと、
    を有することを特徴とする表示調整支援方法。
  5. 撮影日の異なる複数の医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記複数の医用画像を表示させる際に、前記複数の医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、画像の明るさを変更するウィンドウレベルと画像のコントラストを変更するウィンドウ幅の少なくとも一方の値を変更しながら、前記ウィンドウレベル及び前記ウィンドウ幅で規定される前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を前記撮影日の異なる前記複数の医用画像のそれぞれについて行うことで、変更した前記ウィンドウレベルと前記ウィンドウ幅の少なくとも一方に対応する複数の医用画像を生成する生成手段と、
    前記複数の医用画像の画素値を輝度値に変換する処理を行う際に、前記複数の医用画像でウィンドウレベルとウィンドウ幅に同一の値を設定して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させた後に、前記同一の値を他の値に変更して変換した医用画像を前記表示装置に連続して表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする表示調整支援装置。
  6. 医用画像の画素が取りうる階調の値域よりも狭い値域の輝度で画素を表示可能な表示装置に、前記医用画像を疑似三次元画像として表示させる際に、前記医用画像の階調の値域の一部を前記表示装置の輝度の値域に割り当てる、ボリュームレンダリング処理におけるオパシティカーブの不透明度の中央値を変更する中央値パラメータと、前記オパシティカーブの不透明度の幅値を変更する幅値パラメータの少なくとも一方の値を変更しながら、前記医用画像の各画素に割り当てる不透明度を変更して、前記医用画像の複数の疑似三次元画像を生成する生成手段と、
    前記不透明度を変更して生成した前記複数の疑似三次元画像を、所定間隔ごとに逐次的に前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
    を有することを特徴とする表示調整支援装置。
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