JP6228427B2 - 船舶の排気ガス浄化システム - Google Patents

船舶の排気ガス浄化システム Download PDF

Info

Publication number
JP6228427B2
JP6228427B2 JP2013223645A JP2013223645A JP6228427B2 JP 6228427 B2 JP6228427 B2 JP 6228427B2 JP 2013223645 A JP2013223645 A JP 2013223645A JP 2013223645 A JP2013223645 A JP 2013223645A JP 6228427 B2 JP6228427 B2 JP 6228427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
path
exhaust gas
exhaust
composite casing
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013223645A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015086727A (ja
Inventor
横山 哲也
哲也 横山
井上 剛
剛 井上
泰幸 高畑
泰幸 高畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2013223645A priority Critical patent/JP6228427B2/ja
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to PCT/JP2014/078131 priority patent/WO2015064452A1/ja
Priority to EP14858222.4A priority patent/EP3064725B1/en
Priority to KR1020167008526A priority patent/KR101810521B1/ko
Priority to CN201480059188.5A priority patent/CN105683519B/zh
Priority to DK14858222.4T priority patent/DK3064725T3/en
Priority to US15/031,056 priority patent/US10443469B2/en
Publication of JP2015086727A publication Critical patent/JP2015086727A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6228427B2 publication Critical patent/JP6228427B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本願発明は、船舶搭載用のエンジンから排出される排気ガス中の有害成分を除去する排気ガス浄化システムに関するものである。
従来、例えばタンカーや輸送船等の船舶においては、各種補機、荷役装置、照明、空調その他の機器類の消費する電力量が膨大であり、これらの電気系統に電力を供給するために、ディーゼルエンジンと、当該ディーゼルエンジンの駆動にて発電する発電機とを組み合わせてなるディーゼル発電機を備えている(例えば特許文献1等参照)。ディーゼルエンジンは、内燃機関の中で最もエネルギー効率の高いものの1つであることが知られており、単位出力当りの排気ガスに含まれる二酸化炭素量が少ない。しかも、例えば重油のような低質の燃料を使用できるため経済的にも優れるという利点がある。
ディーゼルエンジンの排気ガス中には、二酸化炭素以外に、窒素酸化物、硫黄酸化物及び粒子状物質等も多く含まれている。これらは、主に燃料である重油に由来して生成されるものであり、環境保全の妨げになる有害物質である。特に窒素酸化物(以下、NOxという)は、人体に有害で且つ強い酸性を呈するものであり、酸性雨の原因とも考えられている。従って、例えば船舶のように、ディーゼル発電機を駆動させる機械では、NOxの排出量が極めて多く、地球環境に与える負担が大きいと解される。
NOxを大幅に浄化する後処理の手段としては、還元剤に尿素を使用した選択触媒還元法(以下、SCR法という)が一般化している。SCR法では一般に、Ti等の酸化物の担体にVやCr等の活性成分を担持させた材料からなるハニカム構造のNOx触媒を用いている。NOx触媒の上流側に還元剤水溶液としての尿素水を噴霧すると、尿素水が排気ガスの熱で加水分解されてアンモニアが生成し、アンモニアが還元剤としてNOxに作用し、NOxを無害な窒素と水とに分解する。
特開2006−341742号公報
地球環境に配慮すれば、排気ガス中のNOxを可及的に除去することが必要であり、公海領海を問わず一律に規制するのが好ましいが、現状では、ディーゼルエンジンに関する高次の排ガス規制が適用されるのに伴い、NOxに関して規制海域を設ける予定になっている。前述のように、NOx触媒はハニカム構造であるため、排気ガス中のすすや微粒子によって閉塞するおそれがある。また、NOx触媒は、排気ガス中の硫黄成分やこれに由来する生成物によって性能が劣化する。NOx触媒の寿命を可及的に延ばして、ランニングコスト低減と規制海域での確実な規制遵守とを図るには、規制海域外の航行中はNOx触媒を排気ガスに晒さないようにすることが考えられる。
そこで、本願出願人は従前、エンジンの排気経路中に、NOx触媒を収容する浄化ケーシングを設け、排気経路のうち浄化ケーシングの上流側から、NOx触媒を通過せずに排気ガスを迂回させるバイパス経路を分岐させることを提案した(例えば特開2010−71149号公報等参照)。この場合、規制海域内の航行中は排気ガスを浄化ケーシング側に送り、規制海域外の航行中は排気ガスをバイパス経路側に送る。このため、NOx触媒を長寿命化させることが可能になり、ランニングコスト低減や長時間の浄化性能維持が可能という利点がある。
しかし、前記従来の構成では、NOx触媒を迂回するバイパス経路を排気経路や浄化ケーシングとは別に設けるため、バイパス経路の配管距離を長く取らざるを得ず、製造コストが嵩むという問題があった。また、浄化ケーシングとは別に、バイパス経路の設置スペースを確保しなければならないから、例えば船舶等の機関室が狭い場合、バイパス経路の設置が難しくなるおそれもあった。
本願発明は、上記のような現状を検討して改善を施した船舶の排気ガス浄化システムを提供することを目的としている。
請求項1の発明に係る船舶の排気ガス浄化システムは、船舶搭載用である複数基のエンジンの排気経路を単一の集合経路に合流させ、前記集合経路として、外部に連通するメイン経路と、前記メイン経路の中途部から分岐したバイパス経路とを備え、前記メイン経路と前記バイパス経路との分岐部には、排気ガス移動方向を前記メイン経路と前記バイパス経路とに切り換える経路切換部材を配置し、前記メイン経路と前記バイパス経路の一部を構成する複合ケーシングを備え、前記複合ケーシング内の前記メイン経路側に、前記エンジンの排気ガス中にあるNOxの還元を促す選択触媒還元装置を収容し、前記複合ケーシング内は、排気ガス移動方向に沿って延びる仕切板によって、前記メイン経路側と前記バイパス経路側とに区画し、前記複合ケーシング内での前記バイパス経路は前記複合ケーシングと前記仕切板で囲まれる空間で形成され、前記複合ケーシング内における前記メイン経路側の排気入口部は、上流側に向かうに連れて断面積を縮小するようなテーパー状に形成し、前記複合ケーシング内における前記排気入口部の前部内面に前記仕切板の上流側端部を突き合わせて固定することによって、前記複合ケーシング内において前記メイン経路側の排気入口部と前記バイパス経路側の排気入口部とが連通不能になっているというものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載した船舶の排気ガス浄化システムにおいて、前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間には、排気ガス移動方向上流側から順に、排気ガスに還元剤を供給する還元剤供給装置の還元剤噴射体と、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサーとを配置しているというものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載した船舶の排気ガス浄化システムにおいて、前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間には、前記還元剤噴射体よりも排気ガス移動方向上流側に、又は排気ガス移動方向上流側及び下流側に、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサーを配置しているというものである。
請求項1の発明によると、船舶搭載用である複数基のエンジンの排気経路を単一の集合経路に合流させ、前記集合経路として、外部に連通するメイン経路と、前記メイン経路の中途部から分岐したバイパス経路とを備え、前記メイン経路と前記バイパス経路との分岐部には、排気ガス移動方向を前記メイン経路と前記バイパス経路とに切り換える経路切換部材を配置し、前記メイン経路と前記バイパス経路の一部を構成する複合ケーシングを備え、前記複合ケーシング内の前記メイン経路側に、前記エンジンの排気ガス中にあるNOxの還元を促す選択触媒還元装置を収容しているから、例えばエンジンである補機関を複数基搭載した船舶の場合、従来構造であればメイン経路とパイパス経路とを別々に有するため、排気経路としては前記エンジンの基数の2倍の本数が必要であると共に、バイパス経路は造船所で組み付けねばならず、作業工数がかかる。これに対して請求項1の構成では、排気経路を集合させた上で、集合経路としてのメイン経路とパイパス経路とを複合ケーシングでひとまとめにするため、エンジンを複数基有する船舶の排気構造を極めて簡素化できる。造船所でのバイパス経路組み付け作業が不要になり、作業工数を削減してコスト低減を図れる。排気経路全体をコンパクトに構成し、複合ケーシングの小型化を図って設置スペースを小さくできる。このため、例えば船舶等において狭い機関室への複合ケーシングの搭載が容易になる。
請求項2の発明によると、前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間には、排気ガス移動方向上流側から順に、排気ガスに還元剤を供給する還元剤供給装置の還元剤噴射体と、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサーとを配置しているから、前記還元剤供給装置の前記還元剤噴射体及び前記排気ミキサーを前記複合ケーシング外に位置させることになるから、前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間の経路を、還元剤が分散して排気ガスと適正に混合できるだけの長さに設定するのが容易になる。特に、前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間に、前記還元剤噴射体を位置させるから、仮に前記経路切換部材に故障等の不具合が発生したとしても、前記バイパス経路側に尿素水を供給するおそれがなく、未使用のアンモニアを船外にそのまま排出する問題をなくせる。
請求項の発明によると、前記複合ケーシング内は、排気ガス移動方向に沿って延びる仕切板によって、前記メイン経路側と前記バイパス経路側とに区画し、前記複合ケーシングの出口部において、前記メイン経路と前記バイパス経路とを合流させているから、前記仕切板を付加するという簡単な構成だけで、前記複合ケーシング内に二系統の経路を容易に形成できる。従って、前記選択触媒還元装置を収容する前記複合ケーシングの製造コストを低減できる
船舶の全体側面図である。 図1のII−II視正面断面図である。 複合ケーシングの正面図である。 複合ケーシングの側面図である。 複合ケーシングの背面図である。 複合ケーシングの側面断面図である。 排気ミキサーの内部構造を示す断面斜視図である。 排気ミキサーを排気ガス移動方向上流側から見た正面図である。 排気ミキサーの側面断面図である。 排気ミキサーから複合ケーシングに向かう排気ガス流れを説明する側面断面図である。 排気ミキサーの配置態様の第1別例を示す側面断面図である。 排気ミキサーの配置態様の第2別例を示す側面断面図である。 第2実施形態における船舶の正面断面図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、船舶に搭載されたディーゼル発電機に適用した場合の図面に基づいて説明する。
(1).船舶の概要
まず始めに、図1を参照しながら、第1実施形態における船舶1の概要について説明する。第1実施形態の船舶1は、船体2と、船体2の船尾側に設けたキャビン3(船橋)と、キャビン3の後方に配置したファンネル4(煙突)と、船体2の後方下部に設けたプロペラ5及び舵6とを備えている。この場合、船尾側の船底7にスケグ8を一体形成している。スケグ8には、プロペラ5を回転駆動させる推進軸9を軸支している。船体2内の船首側及び中央部には船倉10を設けている。船体2内の船尾側には機関室11を設けている。
機関室11には、プロペラ5の駆動源である主エンジン21(第1実施形態ではディーゼルエンジン)及び減速機22と、船体2内の電気系統に電力を供給するための発電装置23とを配置している。主エンジン21から減速機22を経由した回転動力によって、プロペラ5が回転駆動する。機関室11の内部は、上甲板13、第2甲板14、第3甲板15及び内底板16によって上下に仕切られている。第1実施形態では、機関室11最下段の内底板16上に主エンジン21及び減速機22を据え付け、機関室11中段の第3甲板15上に発電装置23を据え付けている。なお、詳細な図示は省略するが、船倉10は複数の区画に分割している。
図2に示すように、発電装置23は、ディーゼル発電機24を複数基(第1実施形態では3台)備えたものである。ディーゼル発電機24は、発電用エンジン25(第1実施形態ではディーゼルエンジン)と、発電用エンジン25の駆動によって発電する発電機26とを組み合わせて構成される。ディーゼル発電機24は基本的に、船体2内の必要電力量に対応して効率的に稼働するように構成している。例えば大量の電力を消費する出入航時等には、全てのディーゼル発電機24を稼働させ、比較的電力消費の少ない停泊時等には、任意の台数のディーゼル発電機24を稼働させる。各発電機26の作動によって生じた発電電力は船体2内の電気系統に供給される。詳細な図示は省略するが、電力トランスデューサが各発電機26に電気的に接続している。電力トランスデューサは各発電機26による発電電力を検出するものである。
(2).発電装置の排気系統
次に、図2〜図6を参照しながら、発電装置23の排気系統について説明する。各発電用エンジン25には、空気取り込み用の吸気経路(図示省略)と排気ガス排出用の排気経路30とを接続している。吸気経路を通じて取り込まれた空気は、発電用エンジン25の各気筒内(吸気行程の気筒内)に送られる。各気筒の圧縮行程完了時に、燃料タンクから吸い上げた燃料を燃料噴射装置によって気筒毎の燃焼室内に圧送し、各燃焼室によって混合気の自己着火燃焼に伴う膨張行程が行われる。
各発電用エンジン25の排気経路30は、ファンネル4まで延びていて外部に直接連通している。前述の通り、発電用エンジン25は三基あるため、排気経路30は三本存在する。各発電用エンジン25の排気経路30は、ファンネル4まで延びたメイン経路31と、メイン経路31の中途部から分岐したバイパス経路32と、メイン経路31とバイパス経路32との両方に連通する複合ケーシング33とを備えている。すなわち、第1実施形態では発電用エンジン25を複数基搭載し、各発電用エンジン25に対して、メイン経路31、バイパス経路32及び複合ケーシング33等からなる排気ガス浄化システムを一対一対応させている。
複合ケーシング33は、耐熱金属材料製で略筒状(第1実施形態では角筒状)に構成していて、各発電用エンジン25を配置した第3甲板15よりも上方に配置している。この場合、複合ケーシング33は機関室11の上部側(機関室11上段の第2甲板14上)に位置している。複合ケーシング33内のメイン経路31側には、発電用エンジン25の排気ガス中にあるNOxの還元を促す選択触媒還元装置としてのNOx触媒34及びスリップ処理触媒35(詳細は後述する)を収容している。バイパス経路32は、NOx触媒34及びスリップ処理触媒35を通さずに排気ガスを迂回させるための経路である。複合ケーシング33の排気出口部42(スリップ処理触媒35より排気ガス移動方向下流側(以下、単に下流側という))では、メイン経路31とバイパス経路32とを合流させている。なお、選択触媒還元装置としては、スリップ処理触媒35をなくしてNOx触媒34のみにしたものでもよい。
複合ケーシング33外にあるメイン経路31とバイパス経路32との分岐部には、排気ガス移動方向をメイン経路31とバイパス経路32とに切り換える経路切換部材として、気体作動式のメイン側切換バルブ37及びバイパス側切換バルブ38を設けている。メイン側切換バルブ37は、メイン経路31における複合ケーシング33への入口側に設けている。バイパス側切換バルブ38は、バイパス経路32における複合ケーシング33への入口側に設けている。
各切換バルブ37,38は排気ガスの通過する経路を選択するためのものであり、気体供給源(図示省略)からの圧縮気体(空気)によって一方を開けば他方を閉じるという関係に構成している。メイン側切換バルブ37を開いてバイパス側切換バルブ38を閉じた状態では、排気経路30中の排気ガスは、複合ケーシング33内のメイン経路31側にあるNOx触媒34及びスリップ処理触媒35を通過して浄化処理をされてから、船舶1外に放出される。バイパス側切換バルブ38を開いてメイン側切換バルブ37を閉じた状態では、排気経路30中の排気ガスは、NOx触媒34及びスリップ処理触媒35を迂回して浄化処理をすることなく、船舶1外に放出される。
(3).複合ケーシングの構造
次に、図3〜図10を参照しながら、複合ケーシング33の構造について説明する。前述の通り、複合ケーシング33はメイン経路31とバイパス経路32との両方に連通している。複合ケーシング33内のメイン経路31側は、排気ガス移動方向上流側(以下、単に上流側という)から順に、排気ガス中のNOxの還元を促進させるNOx触媒34と、余分に供給された還元剤(尿素水(尿素水溶液)、より詳しくは加水分解後のアンモニア)の酸化処理を促進させるスリップ処理触媒35とを直列に並べて収容している。各触媒34,35は、多孔質な(ろ過可能な)隔壁にて区画された多数個のセルからなるハニカム構造になっており、例えばアルミナ、ジルコニア、バナジア/チタニア又はゼオライト等の触媒金属を有している。
NOx触媒34は、後述する尿素水噴射ノズル61からの尿素水の加水分解にて生じたアンモニアを還元剤として排気ガス中のNOxを選択還元することによって、複合ケーシング33内のメイン経路31側に送られた排気ガスを浄化する。また、スリップ処理触媒36は、NOx触媒34から流出した未反応(余剰)のアンモニアを酸化して無害な窒素にする。この場合、複合ケーシング33内のメイン経路31側では、下記の反応式:
(NHCO+HO → 2NH+CO(加水分解)
NO+NO+2NH → 2N+3HO(NOx触媒34での反応)
4NH+3O → 2N+6HO(スリップ処理触媒35での反応)
が生ずる。
図6に詳細に示すように、複合ケーシング33内には、メイン経路31とバイパス経路32との両方を並べて設けている。この場合、複合ケーシング33内には、排気ガス移動方向に沿って延びる仕切板40を配置している。仕切板40の存在によって、複合ケーシング内33をメイン経路31側とバイパス経路32側とに区画している。仕切板40で複合ケーシング33内を区画することによって、排気ガスがバイパス経路32を通過する際に、排気ガスの熱を用いて、メイン経路31側にあるNOx触媒34及びスリップ処理触媒35を暖機することが可能である。このため、排気ガスを浄化するか否かに拘らず、NOx触媒34及びスリップ処理触媒35を常時暖機して、活性化状態の維持を簡単に行える。メイン側経路31を排気ガスが通過する際は暖機運転が不要になるから、早急な排気ガス浄化が可能になる。
仕切板40の上流側端部は、複合ケーシング33内のメイン経路31側のうちNOx触媒62より上流側にある排気入口部41の前部内面に突き合わせて固着している。複合ケーシング33内のメイン経路31側の排気入口部41は、上流側に向かうに連れて断面積を縮小するような先窄まりのテーパー状(錐形状)に形成している。これに対して仕切板40の下流側端部は、複合ケーシング33のうちスリップ処理触媒35より下流側にある排気出口部42内で途切れている。このため、複合ケーシング33の排気出口部42において、メイン経路31側とバイパス経路32側とが合流する。
複合ケーシング33の一側面には、NOx触媒34の上流側とスリップ処理触媒35の上流側とに、噴気体としての噴気ノズル43を複数個取り付けている。第1実施形態では、NOx触媒34の上流側に三個の噴気ノズル43を複合ケーシング33の一側面に設け、スリップ処理触媒35の上流側にも三個の噴気ノズル43を複合ケーシング33の一側面に設けている。各噴気ノズル43によって、気体供給源(図示省略)からの圧縮気体(空気)をNOx触媒34やスリップ処理触媒35に向けて吹き付ける。噴気ノズル43の作用によって、使用中に複合ケーシング33内のメイン経路31側に溜まった煤塵を強制的に除去できる。
複合ケーシング33の他側面には、複数の点検開口窓44(第1実施形態では三箇所)を形成している。各点検開口窓44は、複合ケーシング33内部や、噴気ノズル43、NOx触媒34及びスリップ処理触媒35の点検、並びにメンテナンスのために形成したものである。各点検開口窓44は通常、蓋カバー45によって開閉可能に塞いでいる。各蓋カバー45は、対応する点検開口窓44の周縁部にボルトによって着脱可能に締結している。
複合ケーシング33の排気入口部41前面側には、メイン側流入口47とバイパス側流入口48とを形成している。メイン側流入口47が複合ケーシング33内のメイン経路31側に連通し、バイパス側流入口48が複合ケーシング33内のバイパス経路32側に連通している。複合ケーシング33の排気入口部41の前部外面側には、メイン側流入口47に連通するメイン側導入管51と、バイパス側流入口48に連通するバイパス側導入管52とを設けている。メイン側導入管51とバイパス側導入管52とは、それぞれ中継管55,56を介して二股配管53に連結している。この場合、二股配管53のメイン側出口部57に、フランジを介してメイン側中継管55の入口側を締結している。メイン側中継管55の他端側は、メイン側導入管51に連通している。二股配管53のバイパス側出口部58には、フランジを介してバイパス側中継管56の入口側を締結している。バイパス側中継管56の出口側は、長さ調節用である蛇腹構造の調節管69を介してバイパス側導入管52を締結している。調節管69の存在によって熱膨張による導入管51,52や中継管55,56の延びを吸収している。調節管69はメイン側かバイパス側かの一方にあれば足りる。メイン側もバイパス側も二股配管53に連結しているからである。
詳細な図示は省略するが、二股配管53の入口部59は、メイン経路31の上流側にフランジを介して連結している。二股配管53は、メイン経路31とバイパス経路32との分岐部に相当する。複合ケーシング33内のメイン経路31側に連通する二股配管53のメイン側出口部57内に、メイン側切換バルブ37を設けている。複合ケーシング33内のバイパス経路32側に連通する二股配管53のバイパス側出口部58内に、バイパス側切換バルブ38を設けている。メイン側切換バルブ37を切換駆動させるメイン側バルブ駆動器67を、メイン側中継管55及び二股配管53のメイン側出口部57の外周側に設けている。バイパス側切換バルブ38を切換駆動させるバイパス側バルブ駆動器68は、バイパス側中継管56及び二股配管53のバイパス側出口部58の外周側に設けている。両バルブ駆動器67,68は、両中継管55,56と同様に並列状に並んでいる。複合ケーシング33の排気出口部42後面側に、流出口49をメイン経路31側に寄せて形成している。複合ケーシング33の排気出口部42の後部外面側に、流出口49に連通する排気排出管60を設けている。排気排出管60は、メイン経路31の下流側にフランジを介して連結している。
メイン経路31のうちメイン側切換バルブ37と複合ケーシング33に連結したメイン側導入管51との間には、上流側から順に、排気ガスに還元剤である尿素水を供給する還元剤供給装置の還元剤噴射体としての尿素水噴射ノズル61と、排気ガスと尿素水とを混合させる排気ミキサー62とを配置している。還元剤供給装置は、尿素水を貯留する尿素水タンク(図示省略)と、尿素水タンクから尿素水を吸い上げるフィードポンプ(図示省略)と、メイン側中継管55に設けた尿素水噴射ノズル61とを備えている。フィードポンプの駆動によって尿素水タンクから尿素水噴射ノズル61に尿素水を送り、尿素水噴射ノズル61からメイン側中継管55内に尿素水を霧状に噴射するように構成している。
なお、メイン側中継管55において尿素水噴射ノズル61の近傍には、尿素水噴射ノズル61の点検及びメンテナンス等のためのノズル点検窓63を設けている。ノズル点検窓63も、前述の各点検開口窓44と同様に、通常は蓋カバー64によって開閉可能に塞いでいる。蓋カバー64は、ノズル点検窓63の周縁部にボルトによって着脱可能に締結している。
メイン側中継管55とメイン側導入管51との間に排気ミキサー62を設けている。排気ミキサー62は、メイン側中継管55に設けた尿素水噴射ノズル61から所定距離だけ下流側に位置している。この場合の所定距離は、尿素水噴射ノズル61から噴射した尿素水を、メイン側中継管55内でアンモニアに加水分解させるのに必要な距離である。図7〜図10に示すように、第1実施形態の排気ミキサー62は、メイン側中継管55及びメイン側導入管51と同一内径に形成した筒状のミキサー管体71と、ミキサー管体71の内周側に設けた複数枚の混合フィン72(第1実施形態では四枚)と、ミキサー管体71の軸芯に位置する軸芯体73とを備えていて、混合フィン72群及び軸芯体73によって、排気ミキサー62を通過する排気ガス及び霧状の尿素水に旋回流を生じさせるように構成している。
各混合フィン72は、排気ガスの流れを旋回流にするための部材であり、ミキサー管体71の内周側に軸芯体73を中心として放射状に配置している。この場合、各混合フィン72の半径方向内側の側端面を軸芯体73に固着し、各混合フィン72の半径方向外側の側端面をミキサー管体71の内周面に固着している。各混合フィン72は、ミキサー管体72の円周方向に沿って等角度ごとに位置している(軸芯体73を中心とする点対称状に位置している)。なお、混合フィン72の枚数は第1実施形態の四枚に限るものではない。
各混合フィン72の上流側と下流側とは、排気ガス移動方向(ミキサー管体71等の軸芯方向)に対してそれぞれ所定角度をなすように構成している。すなわち、各混合フィン72は排気ガス移動方向の中途部で屈曲している。この場合、排気ガス移動方向に対する上流側フィン板部72aの角度を傾斜角θ1とし、排気ガス移動方向に対する下流側フィン板部72bの角度を傾斜角θ2とするように、各混合フィン72を屈曲させている。下流側フィン板部72bの傾斜角θ2を上流側フィン板部72aの傾斜角θ1よりも大きく設定している。すなわち、各フィン板部72a,72bの傾斜角θ1,θ2は、上流側よりも下流側のほうが大きくなっている。換言すると、各フィン板部72a,72bの傾斜角θ1,θ2は、上流側から下流側に向かうに連れて連続的又は段階的に大きくなっている。
各混合フィン72の半径方向内側の側端面を支持する軸芯体73の上流側先端部は、上流側に向かうに連れて断面積を縮小するような先窄まりのテーパー状(錐形状)に形成している。また、軸芯体73の下流側基端部は、下流側に向かうに連れて断面積を縮小するような後窄まりのテーパー状(錐形状)に形成している。このため、ミキサー管体71の軸芯付近に流れ込む排気ガスは、軸芯体73のテーパー状の上流側先端部によって半径方向外側の各混合フィン72に向けて案内される。
図4及び図5に示すように、複合ケーシング33のメイン経路31側の排気入口部41には、複合ケーシング33内のメイン経路31側に流入する排気ガスの温度を検出するメイン側入口温度センサ65aを配置している。バイパス側中継管56には、複合ケーシング33内のバイパス経路32側に流入する排気ガスの温度を検出するバイパス側入口温度センサ65bを配置している。複合ケーシング33の排気排出管60には、メイン経路31側又はバイパス経路32側を通過した排気ガスの温度を検出する出口温度センサ65cを配置している。
図3〜図5に示すように、複合ケーシング33の上部外周側には、複数の吊り上げ用金具66を一体的に設けている。この場合、略角筒状である複合ケーシング33の互いに平行な位置関係にある二側面の上部側に、二個ずつの吊り上げ用金具66(計四個)を取り付けている。船舶1の組立工場等において、例えばチェンブロックのフック(図示省略)に吊り上げ用金具66群を係止し、チェンブロックによって複合ケーシング33を昇降させ、機関室11の上部側(機関室11上段の第2甲板14上)に複合ケーシング33を簡単に組み付けできる。
以上の構成において、メイン側切換バルブ37を開いてバイパス側切換バルブ38を閉じた場合、排気ガスは終始、メイン経路31を通過する。すなわち、二股配管53のメイン側出口部57、メイン側中継管55、排気ミキサー62、メイン側導入管51及びメイン側流入口47を経由して複合ケーシング33内のメイン経路31側に流入し、NOx触媒34及びスリップ処理触媒35を通過して浄化処理をされる。
この場合、尿素水噴射ノズル61から噴射した霧状の尿素水を含む排気ガスは、メイン側中継管55を通じて排気ミキサー62に案内される。各混合フィン72の上流側フィン板部72aが排気ガス移動方向を傾斜角θ1の方向に変更してから、下流側フィン板部72bが排気ガス移動方向を更に傾斜角θ2の方向に変更する結果、ミキサー管体71の内周面に向けて尿素水を含む排気ガスが流れ、ミキサー管体71の内周面に沿った円周方向に移動する。このため、複合ケーシング33内のメイン経路31側の排気入口部41に排気ガスの旋回流が形成され、排気ガスと尿素水とがスムーズに効率よく混合される。複合ケーシング33内のメイン経路31側の排気入口部41は、上流側に向かうに連れて断面積を縮小するような先窄まりのテーパー状(錐形状)であるため、排気ガスの旋回流の旋回径が大きくなる。その結果、排気ガスは、尿素水とより一層均一に混合されながら、複合ケーシング33内のメイン経路31側にあるNOx触媒34に行き渡ることになる。
第1実施形態では、各混合フィン72の上流側フィン板部72aと下流側フィン板部72bとの傾斜角θ1,θ2を異ならせ、下流側フィン板部72bの傾斜角θ2を上流側フィン板部72aの傾斜角θ1よりも大きく設定しているから、各混合フィンによって排気ガスに加わる流れ抵抗を抑制しながら、大きな旋回流を形成し易くなる。なお、前述した通り、ミキサー管体71の軸芯付近に流れ込む排気ガスは、軸芯体73のテーパー状の上流側先端部によって半径方向外側の各混合フィン72に向けて案内されるので、この点でも、排気ガスと尿素水との混合効率を向上できる。
浄化処理後の排気ガスは、複合ケーシング33の排気出口部42の流出口49から排気排出管60を経て、排気経路30の下流側に流入し、複合ケーシング33外ひいては船舶1外に放出される。
逆に、バイパス側切換バルブ38を開いてメイン側切換バルブ37を閉じた場合、排気ガスはメイン経路31からバイパス経路32に移動する。すなわち、二股配管53のバイパス側出口部58、バイパス側中継管56、バイパス側導入管52及びバイパス側流入口48を経由して複合ケーシング33内に流入し、NOx触媒34及びスリップ処理触媒35を迂回して浄化処理をすることなく、バイパス経路32を通過する。バイパス経路32通過後の排気ガスは、複合ケーシング33の排気出口部42の流出口49から排気排出管60を経て、排気経路30の下流側に流入し、複合ケーシング33外ひいては船舶1外に放出される。
従って、両切換バルブ37,38の切換作動によって、排気ガスの浄化処理が必要な場合(例えば規制海域内での航行中)と、浄化処理が不要な場合(例えば規制海域外での航行中)とにおいて、排気ガスの通過する経路を簡単に選択できる。従って、浄化処理の要不要に応じて排気ガスを効率よく処理できる。
なお、実施形態の排気ミキサー62はメイン側中継管55の尿素水噴射ノズル61から所定距離だけ下流側に位置しているが、このような位置関係に限定するものではない。例えば図11に示すように、尿素水噴射ノズル61の上流側に排気ミキサー62を配置して、尿素水噴射前に予め排気ガスを旋回流にしておいてもよい。図12に示すように、尿素水噴射ノズル61を挟んで上流側と下流側との両方に、排気ミキサー62を配置することも可能である。上流側と下流側との排気ミキサー62の構造は共通であってもよいし、異なっていてもよい。このように構成すると、より一層旋回流を形成し易くなり、排気ガスと霧状の尿素水との混合状態の更なる均一化を図れる。
(4).第1実施形態の作用及び効果
以上の構成によると、船舶1搭載用のエンジン25の排気経路30として、外部に連通するメイン経路31と、前記メイン経路31の中途部から分岐したバイパス経路32とを備える一方、前記メイン経路31と前記バイパス経路32との両方を連通させる複合ケーシング33を備え、前記複合ケーシング33内の前記メイン経路31側に、前記エンジン25の排気ガス中にあるNOxの還元を促す選択触媒還元装置34,35を収容し、前記メイン経路31と前記バイパス経路32との分岐部53には、排気ガス移動方向を前記メイン経路31と前記バイパス経路32とに切り換える経路切換部材37,38を配置し、前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間には、排気ガスに還元剤を供給する還元剤供給装置の還元剤噴射体61を配置しているから、前記メイン経路31と前記バイバス経路32とを別々のケーシングに分けて設ける場合に比べて、前記バイパス経路32の形成が簡単であり、排気ガスの効率よい処理と前記選択触媒還元装置34,35の長寿命化とを可能なものでありながら、製造コストの低減を図れる。
また、前記還元剤供給装置の前記還元剤噴射体61と前記排気ミキサー62とを前記複合ケーシング33外に位置させることになるから、前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間の経路を、還元剤が分散して排気ガスと適正に混合できるだけの長さに設定するのが容易になる。前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間に、前記還元剤噴射体61を位置させるから、仮に前記経路切換部材37,38に故障等の不具合が発生したとしても、前記バイパス経路32側に尿素水を供給するおそれがなく、未使用のアンモニアを船外にそのまま排出する問題をなくせる。
第1実施形態において、前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間には、前記還元剤噴射体61よりも排気ガス移動方向下流側に、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサー62を配置しているから、排気ガスと還元剤とをできるだけ均一に混合でき、前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間の経路をより短尺に構成して、前記排気経路30全体をコンパクトに構成できる。更に、前記複合ケーシング33の小型化を図って設置スペースを小さくできる。このため、例えば船舶1等において狭い機関室11への前記複合ケーシング33の搭載が容易になる。
また、前記複合ケーシング33内は、排気ガス移動方向に沿って延びる仕切板40によって、前記メイン経路31側と前記バイパス経路32側とに区画しているから、前記仕切板40を付加するという簡単な構成だけで、前記複合ケーシング33内に二系統の経路31,32を容易に形成できる。従って、前記選択触媒還元装置34,35を収容する前記複合ケーシング33の製造コストを低減できる。
更に、前記複合ケーシング33の出口部42において、前記メイン経路31と前記バイパス経路32とを合流させているから、前記メイン経路31を通って浄化した排気ガスと、前記バイパス経路32を通過した排気ガスとの両方を、前記複合ケーシング33の前記出口部42につながる前記排気経路30の下流側に送り込める。従って、排気構造を簡単化して製造コストの低減に寄与する。
ところで、エンジン25である補機関(例えば発電用エンジン)を複数基搭載した船舶1の場合、従来構造であれば前記メイン経路31と前記パイパス経路32とを別々に有するため、排気経路30としては前記エンジン25の台数の2倍の本数が必要であると共に、前記バイパス経路32は造船所で組み付けねばならず、作業工数がかかる。これに対して第1実施形態によると、前記メイン経路31と前記パイパス経路32とを前記複合ケーシング33でひとまとめにするため、排気経路30としては前記エンジン25の台数と同じ本数で済むことになる。また、造船所でのバイパス経路32組み付け作業が不要になる。作業工数を削減してコスト低減を図れる。
(5).第2実施形態における発電装置の排気系統
次に、図13を参照しながら、第2実施形態における発電装置23の排気系統について説明する。第2実施形態では、各発電用エンジン25の排気経路30が単一の集合経路80に合流している。第2実施形態の発電用エンジン25は三基あるため、排気経路30は三本存在する。そして、三本の排気経路30を単一の集合経路80に集合させている。各排気経路30の中途部には、発電用エンジン25から集合経路80に向かう方向にのみ開放可能な逆止弁81を設けている。各逆止弁81によって他の発電用エンジン25からの排気ガスの逆流を防止している。集合経路80はファンネル4まで延びていて外部に直接連通している。集合経路80は、ファンネル4まで延びたメイン経路31と、メイン経路31の中途部から分岐したバイパス経路32と、メイン経路31とバイパス経路32との一部を構成してメイン経路31とバイパス経路32との両方に連通する複合ケーシング33とを備えている。すなわち、第2実施形態では発電用エンジン25を複数基搭載し、各発電用エンジン25の排気系統として、メイン経路31、バイパス経路32及び複合ケーシング33等からなる単一の排気ガス浄化システムに取りまとめている。その他の構成は第1実施形態と略同様である。
(6).第2実施形態の作用及び効果
第1実施形態でも説明したように、例えばエンジン25である補機関(例えば発電用エンジン)を複数基搭載した船舶1の場合、従来構造であればメイン経路31とパイパス経路32とを別々に有するため、排気経路としては前記エンジン25の基数の2倍の本数が必要であると共に、バイパス経路32は造船所で組み付けねばならず、作業工数がかかる。これに対して第2実施形態の構成では、排気経路30を集合させた上で、集合経路80としてのメイン経路31とパイパス経路32とを複合ケーシング33でひとまとめにするため、エンジン25を複数基有する船舶1の排気構造を極めて簡素化できる。造船所でのバイパス経路32組み付け作業が不要になり、作業工数を削減してコスト低減を図れる。排気経路30全体をコンパクトに構成し、複合ケーシング33の小型化を図って設置スペースを小さくできる。このため、例えば船舶1等において狭い機関室11への複合ケーシング33の搭載が容易になる。
また、第2実施形態の場合も、前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間には、排気ガス移動方向上流側から順に、排気ガスに還元剤を供給する還元剤供給装置の還元剤噴射体61と、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサー62とを配置しているから、前記還元剤供給装置の前記還元剤噴射体61及び前記排気ミキサー62を前記複合ケーシング33外に位置させることになるから、前記メイン経路31のうち前記経路切換部材37と前記複合ケーシング33との間の経路を、還元剤が分散して排気ガスと適正に混合できるだけの長さに設定するのが容易になる。特に、前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間に、前記還元剤噴射体を位置させるから、仮に前記経路切換部材に故障等の不具合が発生したとしても、前記バイパス経路32側に尿素水を供給するおそれがなく、未使用のアンモニアを船外にそのまま排出する問題をなくせる。
更に、第2実施形態の場合においても、前記複合ケーシング33内は、排気ガス移動方向に沿って延びる仕切板40によって、前記メイン経路31側と前記バイパス経路32側とに区画し、前記複合ケーシング33の出口部42において、前記メイン経路31と前記バイパス経路32とを合流させているから、前記仕切板40を付加するという簡単な構成だけで、前記複合ケーシング33内に二系統の経路を容易に形成できる。従って、前記選択触媒還元装置34,35を収容する前記複合ケーシング33の製造コストを低減できる。また、前記メイン経路31を通って浄化した排気ガスと、前記バイパス経路32を通過した排気ガスとの両方を、前記複合ケーシング33の前記出口部42につながる前記集合経路80の下流側に送り込める。従って、排気構造を簡単化して製造コストの低減に寄与する。
(7).その他
なお、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。上記の各実施形態では、発電用エンジン25の排気経路30中に設ける排気ガス浄化システムに、本願発明を適用したが、これに限らず、例えば主エンジン21の排気系統中の排気ガス浄化システムに適用してもよい。
1 船舶
11 機関室
21 主エンジン
22 減速機
23 発電装置
24 ディーゼル発電機
25 発電用エンジン
26 発電機
30 排気経路
31 メイン経路
32 バイパス経路
33 複合ケーシング
34 NOx触媒
35 スリップ処理触媒
37 メイン側切換バルブ
38 バイパス側切換バルブ
40 仕切板
61 尿素水噴射ノズル(還元剤噴射体)
62 排気ミキサー
80 集合経路
81 逆止弁

Claims (3)

  1. 船舶搭載用である複数基のエンジンの排気経路を単一の集合経路に合流させ、前記集合経路として、外部に連通するメイン経路と、前記メイン経路の中途部から分岐したバイパス経路とを備え、前記メイン経路と前記バイパス経路との分岐部には、排気ガス移動方向を前記メイン経路と前記バイパス経路とに切り換える経路切換部材を配置し、
    前記メイン経路と前記バイパス経路の一部を構成する複合ケーシングを備え、前記複合ケーシング内の前記メイン経路側に、前記エンジンの排気ガス中にあるNOxの還元を促す選択触媒還元装置を収容し、
    前記複合ケーシング内は、排気ガス移動方向に沿って延びる仕切板によって、前記メイン経路側と前記バイパス経路側とに区画し、前記複合ケーシング内での前記バイパス経路は前記複合ケーシングと前記仕切板で囲まれる空間で形成され、
    前記複合ケーシング内における前記メイン経路側の排気入口部は、上流側に向かうに連れて断面積を縮小するようなテーパー状に形成し、前記複合ケーシング内における前記排気入口部の前部内面に前記仕切板の上流側端部を突き合わせて固定することによって、前記複合ケーシング内において前記メイン経路側の排気入口部と前記バイパス経路側の排気入口部とが連通不能になっている、
    船舶の排気ガス浄化システム。
  2. 前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間には、排気ガス移動方向上流側から順に、排気ガスに還元剤を供給する還元剤供給装置の還元剤噴射体と、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサーとを配置している、
    請求項1に記載した船舶の排気ガス浄化システム。
  3. 前記メイン経路のうち前記経路切換部材と前記複合ケーシングとの間には、前記還元剤噴射体よりも排気ガス移動方向上流側に、又は排気ガス移動方向上流側及び下流側に、排気ガスと還元剤とを混合させる排気ミキサーを配置している、
    請求項1又は2に記載の船舶の排気ガス浄化システム。
JP2013223645A 2013-10-28 2013-10-28 船舶の排気ガス浄化システム Active JP6228427B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013223645A JP6228427B2 (ja) 2013-10-28 2013-10-28 船舶の排気ガス浄化システム
EP14858222.4A EP3064725B1 (en) 2013-10-28 2014-10-22 Exhaust gas purification system and ship using same
KR1020167008526A KR101810521B1 (ko) 2013-10-28 2014-10-22 배기가스 정화 시스템 및 이것을 구비한 선박
CN201480059188.5A CN105683519B (zh) 2013-10-28 2014-10-22 排出气体净化系统及具备它的船舶
PCT/JP2014/078131 WO2015064452A1 (ja) 2013-10-28 2014-10-22 排気ガス浄化システム及びこれを備えた船舶
DK14858222.4T DK3064725T3 (en) 2013-10-28 2014-10-22 EXHAUST GAS CLEANING SYSTEM AND SHIP USING THE SAME
US15/031,056 US10443469B2 (en) 2013-10-28 2014-10-22 Exhaust gas purification system and ship having the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013223645A JP6228427B2 (ja) 2013-10-28 2013-10-28 船舶の排気ガス浄化システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086727A JP2015086727A (ja) 2015-05-07
JP6228427B2 true JP6228427B2 (ja) 2017-11-08

Family

ID=53049789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013223645A Active JP6228427B2 (ja) 2013-10-28 2013-10-28 船舶の排気ガス浄化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6228427B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10113463B2 (en) * 2015-10-13 2018-10-30 Clark Equipment Company Remote fluid supply for an engine
JP6419672B2 (ja) 2015-10-16 2018-11-07 ヤンマー株式会社 船舶の排気ガス浄化装置
JP6560093B2 (ja) * 2015-10-16 2019-08-14 ヤンマー株式会社 船舶の排気ガス浄化装置
KR102431898B1 (ko) * 2017-01-04 2022-08-16 우미코레 아게 운트 코 카게 연도 가스 정화를 위한 카세트 통합형 촉매

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4625511A (en) * 1984-08-13 1986-12-02 Arvin Industries, Inc. Exhaust processor
US5082479A (en) * 1990-07-16 1992-01-21 Cummins Engine Company, Inc. Diesel particulate trap mounting system
SE526912C2 (sv) * 2003-09-09 2005-11-15 Munters Europ Ab Anordning vid katalytisk avgasrening av förbränningsmotorer i ett fartyg eller anna farkost
JP2007198316A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Bosch Corp 内燃機関の排気浄化装置及び排気浄化方法
JP4930796B2 (ja) * 2008-03-10 2012-05-16 株式会社三五 排気ガス浄化装置及びディーゼルエンジン用排気管
JP5465407B2 (ja) * 2008-09-17 2014-04-09 ヤンマー株式会社 船舶搭載用の排気ガス浄化装置
JP5190396B2 (ja) * 2009-03-02 2013-04-24 株式会社サムソン 脱硝装置
JP2011528088A (ja) * 2009-09-18 2011-11-10 クワン ソン カンパニー リミテッド バイパスシステムを有するscrシステム
SE537084C2 (sv) * 2012-01-27 2014-12-30 D E C Marine Ab Ett avgasreningssystem och en anordning däri
DE102012008539A1 (de) * 2012-04-27 2012-10-11 Daimler Ag Abgasanlage für ein Fahrzeug und Verfahren zum Betreiben einer solchen Abgasanlage

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015086727A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015064452A1 (ja) 排気ガス浄化システム及びこれを備えた船舶
JP6232257B2 (ja) 排気ガス浄化システム及びこれを備えた船舶
US10125651B2 (en) Exhaust purification system for ship
JP6560093B2 (ja) 船舶の排気ガス浄化装置
KR102010198B1 (ko) 선박의 배기가스 정화 장치
WO2010092855A1 (ja) 排気ガス浄化システム
JP6228427B2 (ja) 船舶の排気ガス浄化システム
JP6151657B2 (ja) 船舶の排気ガス浄化システム
JP2010185337A (ja) 排気ガス浄化システム
JP6249869B2 (ja) 船舶の排気ガス浄化システム
JP2015206305A (ja) 船舶の排気ガス浄化システム
JP2015183555A (ja) 船舶の排気ガス浄化システム
JP2010185336A (ja) 排気ガス浄化システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6228427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350