JP6228247B2 - 卵加工用枠およびそれを用いた卵加工品の製造方法 - Google Patents

卵加工用枠およびそれを用いた卵加工品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、卵焼きなどの卵加工品を製造するときの卵加工用枠とそれを用いた卵加工品の製造方法に関する。
従来は、シート状の卵加工品、例えば焼成卵加工品(例えば薄焼き卵)を製造するときは、工業的には、コンベア搬送での温度保持のため重い金属製(例えば約5kg超)の焼成容器を使用して製造されていた。
シート状の焼成卵加工品は、ベルト状(キャタピラー状)に並べた鍋状の金属製容器に液卵を入れ、次々にコンベア搬送で連続して焼成し製造していた。
このようなシート状の焼成卵加工を行う場合に、形状の違う焼成卵加工品を製造する際には、重い焼成容器を複数交換して製造しなければならず、作業効率としては決して良いものとは言えなかった。
さらに、製造法的には、従来の焼成容器の場合には、製品としての焼成卵加工品が焼成容器から剥がれにくく、焼成中或いは焼成後に、製品として取り出すための反転工程を要したり、また剥がれた際にも折りたたまれるなど製品損失を生じたりする問題があった。
このような焼成食品の製造を行うための先行技術としては、例えば特許文献1に記載されているような焼成装置が開示されている。また焼型として特許文献2に記載の容器が開示されている。
これらの先行技術においても、形状の違う焼成卵加工品を製造する際に、作業性が悪かったり、焼成後に、製品として取り出すのに反転装置や押出装置を要するなど多工程となったりする問題点があった。
特許第3672523号公報 実開平1−155778号公報
本発明は上記の問題に鑑み、焼成器具の重量を軽くし、形状の違う卵加工品を製造する際に作業効率が良く、焼成器具から卵加工品を取り出すのに剥がれやすく損失なく取り出せる生産性の高い、卵加工用枠およびそれを用いた卵加工品の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明による一態様の卵加工用枠は、卵加工品を連続的または間欠的に製造するための加工用枠であって、素材が弾性素材からなり、載置部が形成された下面に向けて上面から貫通した空間が形成され、フランジ部を有する内枠と、素材が非変形性素材からなり、前記内枠を保持する外枠と、を備え、前記外枠は、前記内枠を着脱可能にかつ位置ずれすることなく保持するために前記フランジ部が挿入されて前記内枠をはめ込んで固定するための上部ツメと下部ツメを有する凹部を有し、前記内枠が前記外枠に保持された状態で、前記卵加工品を加熱するための焼成板上に前記載置部が載置されたときに、前記フランジ部のうちの相対向するフランジが前記上部ツメと前記下部ツメ間で保持されることにより前記外枠が前記焼成板に接触しないように、前記外枠は形成されている。
本発明による一態様の卵加工品の製造方法は、前記卵加工用枠を使用した方法である。
ここで、本発明の説明において用いる主な用語について説明する。
(卵加工品)
卵加工品とは、卵を含む流動状原料を加熱により凝固させた食品であり、例えば目玉焼き、卵焼き、厚焼き卵、薄焼き卵、錦糸卵、シート状卵焼きなどがあげられる。
(卵加工用枠)
卵加工用枠とは、素材が弾性素材である枠部材と、素材が非変形性素材であって前記枠部材を支持する支持部材とを備えて構成されるものである。
(卵加工用二重枠)
卵加工用二重枠(図6参照)とは、卵加工用枠のうち卵加工品の形状を決める内型(内型により収納空間13が形成される)を有する内枠(図1参照)と、内枠が着脱可能で、内枠を保持する外枠(図3参照)とを二重に備えて構成されるものである。
本発明によれば、焼成器具の重量を軽くし、形状の違う卵加工品を製造する際に作業効率が良く、焼成器具から卵加工品を取り出すのに剥がれやすく損失なく取り出せる生産性の高い、卵加工用枠およびそれを用いた卵加工品の製造方法を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態の卵加工用二重枠のうちの内枠を示す斜視図。 図1の平面図及び側面図。 本発明の第1の実施の形態の卵加工用二重枠のうちの外枠の表側を示す斜視図。 図3の裏側を示す斜視図。 外枠に内枠を組み込む前の、外枠と内枠の対応関係を示す斜視図。 外枠に内枠を組み込んだ状態の斜視図。 内型の形状が違う複数の内枠を外枠に組み込んだ状態の斜視図。 図6のA方向から見た側面図。 図6のB−B線断面図。 外枠に内枠を載せる構造にした場合における卵加工用二重枠の、図6のB−B線断面である。 本発明の第2の実施の形態に関わる、卵加工用枠30Bの斜視図。 卵加工品の製造装置による製造方法の概略を説明する斜視図。 本発明の第2の実施の形態に関わる、卵加工品の製造装置による製造方法の概略を説明する斜視図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、卵加工用二重枠30の概要を説明するために、図5及び図6から説明する。
図5は本発明の一実施形態に係る卵加工用二重枠30における、外枠20(図3参照)に内枠10(図1参照)を組み込む前の、外枠20と内枠10の対応関係を示している。図6は内枠10を外枠20に組み込んで、卵加工用二重枠30を形成した状態を示している。
卵加工用二重枠30は、ベルトコンベアの搬送ベルト上に連続的に配列固定された複数の焼成板40(図10参照)の各々の上に載置される焼成用器具である。卵加工用二重枠30は、ベルトコンベア搬送の過程で、搬送ベルトと共に移動する焼成板40の板面上に上方から降下させて載置される。そして、卵加工用二重枠30における内枠10内に流動状原料(例えば卵液)を供給することで、卵液が焼成板上に落下し焼成される。適宜の焼き具合となった状態で、卵加工用二重枠30がベルトコンベアの搬送ベルト上の焼成板から上方に取り去られることにより、焼成板上に卵焼きが得られる。
卵加工用二重枠30は、素材が耐熱性の弾性素材である内枠10と、素材が耐熱性の非変形性素材である外枠20とを備えた二重枠である。外枠20は、内枠10を支持する支持部材である。耐熱性の弾性素材としては例えばシリコーンゴムが用いられる。
枠部材である内枠10の材質は例えばシリコーンゴムのため弾力性を有すると共に、折り曲げてもその弾性力に基づいて元の形に復帰する復帰力を備えている。このため、内枠10の4辺のフランジ部11の一辺のフランジを、外枠20の保持枠21に形成されている互いに相対向する一対の内枠保持用凹部21a,21aのうちの一方の凹部21aに挿入し、内枠10全体を折り曲げて、対向するもう一辺のフランジを保持枠21の対向するもう一方の凹部21aに挿入することによって、内枠10を外枠20に装着して組み込むことができる、逆に内枠10を外枠20から取り外すことも容易である。なお、外枠20の枠保持用凹部21aは、内枠10のフランジ部11のうちの相対向するフランジを外枠20の上部ツメと下部ツメ間で保持するものである(図8参照)。外枠に内枠を保持する際にはめ込むだけでなく固定しても良い。
図1は本発明の一実施形態の卵加工用二重枠30のうちの内枠10を示し、図2は図1の平面図及び側面図を示している。
図1において、内枠10は平面的には所定の形状(図では略正方形)を有しており、上面から下面に貫通した空間13を備える、焼成食品の焼成後の外形を規定する内型(型枠)の機能を有している。貫通方向は下面に対し、垂直でも傾斜角をつけてもよい。
内枠10は、構造的には、4辺のフランジから成るフランジ部11と、このフランジ部11の下方側に一体的に連接して形成され、焼成板40(図10参照)上に載置するための載置部12と、中央を貫通して形成された、流動状原料を収納するための収納空間13と、を備えている。
図2において、内枠10の各辺の寸法の一例は次の通りである。a=24cm、b=20cm、c=d=1cmである。フランジ部11の形状および大きさは適宜変更可能であり、対応する外枠のツメの形状および大きさも適宜変更可能である。例えば内枠を保持するツメの部分は非連続的なツメでも(保持枠21に突起状のツメを形成しても)よいが、連続的ツメ(例えば図6の保持枠21)がより内枠を安定に保持することができる。
図3は本発明の一実施の形態の卵加工用二重枠のうちの外枠の表側を示し、図4は図3の裏側を示している。
図3及び図4において、支持部材である外枠20は、金属(例えばステンレスまたはアルミニウム)で形成されている。外枠20は、1つ以上(図では3つ)の内枠10の各フランジ部11と係合して該フランジ部11を表面側に保持すると共に、1つ以上の内枠10の各載置部12を裏面側に貫通させる1つ以上(図では3つ)の空間26を備える保持枠21と、該保持枠21の図示左右両端部を支持する2つの保持枠支持板22,22とを備えている。保持枠21は、内枠10の各フランジ部11と係合して該フランジ部11を表面側に保持する前述の凹部21aと、内枠10の各載置部12を裏面側に貫通させる前述の1以上(図では3つ)の空間26とを備えている。
保持枠21には、その4隅にそれぞれ金属製の枠の一部に連接した4つの保持枠連結片21bが設けられ、該保持枠連結片21bそれぞれには貫通孔(図示せず)が設けられ、また2つの保持枠支持板22には、一端に外ねじが切られた、各保持枠支持板22ごとに2本ずつ計4本の棒状のリフト用支持ピン25を貫通させるための4つの貫通孔(図示せず)が設けられている。この4つの保持枠連結片21bに設けられた4つ貫通孔(図示せず)と、2つの保持枠支持板22に設けられた4つ貫通孔(図示せず)と、前記の一端に外ねじが切られた4本の棒状のリフト用支持ピン25とを用いて、当該保持枠21と2つの保持枠支持板22とを機械的に接続し連結している。
互いに対向して配置される2つの保持枠支持板22,22の下面側から外側面に沿って半円錐状の溝23,23(図4参照)が形成されている。
また、図3に示される外枠20の表側の斜視図のように、互いに対向して配置される2つの保持枠支持板22,22の表面側の各中央には、コンベア搬送による焼成卵加工品の移動が終了した後に、図6のような卵加工用二重枠30を複数、たて(鉛直)方向に集積しておく際の位置決めを担う二重枠積載用ピン24が積載する上方向に突設されている。この二重枠積載用ピン24は、卵加工用二重枠30の積載時に上段の卵加工用枠30の保持枠支持板22,22の裏側の溝23,23に係合するようになっている。さらに、2つの保持枠支持板22,22の各外側面には、図示する様に外側方向に向かって2本ずつ4本の棒状のリフト用支持ピン25が突設されている。
4本のリフト用支持ピン25は、図10に示す製造装置50の搬送ベルト52に固定されている焼成板40が所定の位置に搬送されてきたときに、図6の卵加工用二重枠30を多数集積してある集積場所から図示しないフォークリフト機構等によって卵加工用二重枠30を順次に持ち上げて製造装置(図10参照)の焼成板40上に移動して載置させるための運搬用に用いるピンである。なお、フォークリフト機構と同様な働きをするものとして、ロボット技術を用いたロボットアームを適用してもよい。
なお、図3において、外枠20の各箇所の寸法の一例は次の通りである。e=22cm、f=24.5cm、g=27.5cm、h=78cm、i=2.5cmである。外枠の大きさは、内枠の大きさに合わせて適宜変更が可能である。
図7は図6のA方向から見た側面図、図8は図6のB−B線断面図である。
図7及び図8から分かるように、卵加工用二重枠30を焼成板40(図10参照)上に載置した状態では、卵加工用二重枠30における内枠10の下方部分に相当する載置部12が外枠20の保持枠21の下方に突出(露出)する構造となっている。すなわち、載置部12の下端面が焼成板40の表面に接触して載置されることになる。しかしながら、卵加工用二重枠30における外枠(金属製)の保持枠21は焼成板40の表面に接触することはない。
本発明の第1の実施の形態に用いられる内枠10の材質としては、外枠20に保持させやすく、軽量(例えば100g〜1.5kg)で、また耐熱性(例えば200℃以上)のある弾性素材が好ましく、特に耐熱性および焼成食品の低付着性から、シリコーンゴムが好ましい。また表面をフッ素系樹脂などでコーティング(フッ素樹脂加工)されていてもよい。
また、外枠20への着脱が容易となるシリコーンゴムの硬さとしては、常温において容易に手で変形させ、外枠20に保持すること(例えば嵌め込むこと)ができる硬さがよく、JIS K 6253デュロメータ(タイプA)で測定したときのシリコーンゴムの硬さが20〜80°であればよく、取扱いやすさから、30〜70°のものが好ましい。20°より小さいと軟らかいため外枠20で保持しにくく、また、80°より大きいと硬すぎて内枠10を外枠20に嵌め込むことが難しい。特に好ましいシリコーンゴムの硬さとしては、40〜60°のシリコーンゴムがよい。
内枠10の内型の形状としては特に限定されないが、略円形、略方形あるいは略多角形があげられ、丸型、正方形や長方形、菱形等の四角型、三角型、キャラクター型、花形などがあげられる。また、一つの内枠10に複数の内型を形成していてもよく、その内型は同一のものでも異なっていてもよい。
外枠20の材質としては、卵加工用二重枠30を卵加工品の製造装置に組み込むことから、内枠10を保持し、外枠20そのものは200℃を超える高温まで加熱しても変形しない素材が好ましい。また、外枠20は少なくとも内枠10より硬い素材が好ましく、金属製素材があげられる。特に耐熱性を有し、錆びにくく、軽量であるステンレス製(ステンレススチール)あるいはアルミニウム製(アルミニウム合金)、強化アルミなどが好ましく、ステンレス製が特に好ましい。
外枠に内枠を保持する方法としては、外枠の下部にツメ状の係合手段を設け、内枠を支える構造とするとよい。好ましくは図1のように内枠にフランジを設け、また図3のように外枠にはツメを設けて、互いに勘合(内枠のフランジを外枠の上部のツメと下部のツメで保持)させれば、内枠は着脱可能であるにもかかわらず、安定した取扱いのしやすい卵加工用二重枠を構成することができる。また、フランジおよびツメは、内枠の外縁にそって、連続的あるいは非連続的であってもよい。図8のように外枠の上下のツメにより内枠を固定すれば、外枠が焼成板に接触することがなく、外枠への加熱エネルギーの無駄が省ける利点があり、また外枠と内枠の加熱膨張率の違いによる内枠の脱離を防ぐことができる。
なお、本明細書において「保持」とは、内枠が外枠に着脱可能な状態で近接している状態を意味するが、内枠が外枠に固着、癒着あるいは結合している状態をも含んでもよい。
本発明において「二重枠」とは少なくとも一つの内枠と一つの外枠から構成されていればよく、一つの外枠に複数の内枠を保持していてもよい。また、内枠を保持している外枠同士を結合して一つの二重枠を構成していてもよい。
また、外枠に内枠を保持する別の方法としては、内枠に図1に示すようなフランジを設け、外枠に載せる構造としてもよい。
図9は、外枠に内枠を載せる構造にした場合の、図6卵加工用二重枠30AのB−B線断面である。
外枠20Aは、内枠10のフランジ部11の形状に沿った段差を有している。内枠10は、フランジ部11が外枠の段差部20Aaに嵌まるようにして、外枠20Aの上側から載せる構造となっている。
図9に示すように、内枠10が外枠20Aに載せられたとき、内枠10の載置部12の底面が焼成板40の表面に密着すると共に、外枠20Aの底面も焼成板40の表面に密着する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、卵加工用枠30は、内枠10と外枠20とにより構成された二重枠であるが、第2の実施の形態では、卵加工用枠は、1つの枠と、その枠を支える支持部材とから構成される。
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
図10は、第2の実施の形態に関わる、卵加工用枠30Bの斜視図である。卵加工用枠30Bは、所定の厚さを有する直方体形状を有する枠部材120を有する。
枠部材120は、第1の実施の形態の内枠10と同様に、素材が耐熱性の弾性素材からなる。耐熱性の弾性素材としては例えばシリコーンゴムが用いられる。枠部材120は、の材質は例えばシリコーンゴムのため弾力性を有すると共に、折り曲げてもその弾性力に基づいて元の形に復帰する復帰力を備えている。
枠部材120には、上面から下面に貫通した複数の、ここでは3つの孔121が形成されている。各孔121は、流動状原料を収納するための収納空間を構成する。よって、各孔121は、焼成食品の焼成後の外形を規定する内型(型枠)の機能を有している。各孔121の貫通方向は下面に対し、垂直でも傾斜角をつけてもよい。
支持部材としての2本の棒状部材122が、枠部材120の長手軸方向に沿って、枠部材120内を貫通するように設けられている。図10に示すように、2本の棒状部材122は、3つの孔121を挟むように平行に配置されて、枠部材120内を貫通している。
各棒状部材122は、耐熱性の非変形性素材であるアルミニウム、鉄、樹脂などからなり、弾性素材である枠部材120の形状を保持して支持する機能を果たしている。
なお、図10では、2本の棒状部材122は、枠部材120の長手軸方向に沿って設けられているが、二点鎖線で示すように、2本の棒状部材122aを、枠部材120の長手軸方向に直交する方向に沿って設けられてもよい。
図10において、2本の棒状部材122は、第1の実施の形態におけるリフト用支持ピン25の機能も果たしている。
(焼成卵加工品の製造装置)
図11は第1の実施の形態における焼成卵加工品の製造装置の概略を示す。図11はコンベア搬送を用いた製造装置の一部を示している。
図11において、製造装置50は、モータ等の駆動力に基づいて駆動用回転軸51aを回転させ、2つの駆動用プーリ51が回転することによって、搬送ベルト52が移動する。なお、駆動用プーリ51として歯付きプーリを使用し、ベルト52として歯付きタイミングベルトを使用してもよい。複数の焼成板40は、搬送ベルト52上に連続的に固定されている。焼成板40は例えばテフロン(登録商標)コーティングしたアルミニウム板で形成されている。焼成板40が、搬送路下方に配置された加熱ヒーター(電熱加熱器)53によって所定の温度にまで加熱されていく。例えばフォークリフト機構(図示せず)のフォークがリフト用支持ピン25と係合することによって、卵加工用二重枠30が焼成板40上に載置される。図8に示す卵加工用二重枠30の場合、内枠10だけが焼成板40上に載置されるので、焼成板40上における内枠10の安定性はよい。
焼成板40上に対する卵加工用二重枠30の位置決めは、焼成板40上に突設された一対の焼成用位置決めピン41と、卵加工用二重枠30の外枠20に設けられた一対の溝23とが係合することによって行われる。そして、焼成板40上に載置された卵加工用二重枠30の内枠10内に流動状原料(例えば卵液)60が供給されることで、卵液60が内枠10の空間13内を通して焼成板40上に落下し焼成される。このとき、焼成板40上に落された卵液60は内枠10の内型の形状に規制され、出来上がる焼成卵加工品(卵焼き)の外形が形作られる。従って、色々な別の形の焼成卵加工品(例えば卵焼き)を製造したい場合には、内枠10の内型の形状を略円形、略方形または略多角形などの種々の形状にした内枠を用意し、特別な工具を使用せずに内枠のみを取り替えることで容易に可能となる。
例えば、図1において、二点鎖線で示すように、所望の形状の孔部13aを形成することによって、色々な別の形の焼成卵加工品(例えば卵焼き)を製造することができる。図では孔部13aは、円形の形状であるが、孔部13aの形状を略多角形などに変更することによって、種々の形状の焼成卵加工品を製造可能となる。
さらには、図6Aの様に内型の形状の違う内枠を外枠に複数並べて使用した場合には、違う形状の加工品を同時に製造することも可能となる。
また、内枠が弾性素材で変形可能であり、焼成用二重枠からの内枠の脱着が容易で交換が速やかに行えるため、焼成卵加工品を連続的または間欠的に製造している途中でも、焼成形状の変更が短時間で行える。
そして、適宜の焼き具合となった状態で、卵加工用二重枠30がベルトコンベア上の焼成板40から上方に取り去られることにより、焼成板40上に置かれた卵加工品としての卵焼きが得られる一方、その状態で更に卵加工品の上面および/または下面に対する焼成工程を追加することも可能となる。なお、シリコーン製の内枠10を用いることで、焼成中または焼成後の卵焼きは内枠10から剥がれやすく好適である。
また、図12は、第2の実施の形態における卵加工用枠30Bを用いた焼成卵加工品の製造装置の概略を示しているが、卵加工用枠30Bを用いた場合でも、第1の実施の形態と同様に、焼成器具の重量を軽くし、形状の違う卵加工品を製造する際に作業効率が良く、焼成器具から卵加工品を取り出すのに剥がれやすく損失なく取り出せる生産性の高い、卵加工用枠およびそれを用いた卵加工品の製造装置を実現することができる。
(焼成卵加工品の製造方法)
焼成卵加工品は、以下に例示する工程によって製造できる。
耐熱性の弾性素材である枠部材を、耐熱性の非変形性素材である支持部材に保持する工程。
キャタピラー状に配置された焼成板を70〜250℃に加熱する工程。
耐熱性の弾性素材である枠部材を耐熱性の非変形性素材である支持部材に保持した焼成用二重枠である卵加工用枠を焼成板に載置する工程。
流動状原料を枠部材の内型内に供給する工程(流動状原料を10〜60℃に保温してもよい)。
流動状原料を70〜300℃で30秒〜8分間焼成する工程。
卵加工用枠を焼成板から外す工程。
この工程では、流動状原料が完全に凝固する前に、卵加工用枠は外される。枠部材10内で卵液等の流動状原料を焼成している過程では、枠部材10内で焼成された焼成品(例えば焼成卵加工品)に体積膨張が生じて枠部材10の壁に当たって変形するため、そのまま枠部材10内での焼成を続けて焼成品を完全に凝固させると、焼成品の形状(特に厚さ)が不均一になる可能性がある。そこで、均一な厚さの焼成品を製造するためには、流動状原料が完全に凝固する前で且つ枠部材10の内型の形状に成形された後に、卵加工用枠を外す工程が必要となる。この工程により、フラットで焼きむらの少ない均一な厚さの製品(例えば焼成卵加工品)の製造が可能となる。しかし厚さのバラツキを許容できる場合は、流動状原料が完全に凝固してから卵加工用枠を外しても差支えない。
また、卵加工用枠を、流動状原料が完全に凝固する前で、少なくとも流動状原料の形状が内型の形状を保てている状態で外す場合には、さらにトンネル式加熱装置にて70〜300℃で30秒〜8分間焼成する工程を加えて製造してもよい。
焼成板としては、卵加工用枠を支持し、流動状原料に熱を伝えることのできる素材で構成されていれば特に限定されない。例えばアルミニウム製の金属素材(アルミニウム製板)があげられる。また、キャタピラー状の、あるいはキャタピラー状に配置した焼成板を用いれば、連続的あるいは間欠的に流動性原料を搬送することができる。
流動状原料とは、例えば割卵した生卵や液卵(調味料を含んでよい)、小麦粉等に卵を加えたものなど、半固体状あるいは液体状の食品材料を意味し、流動状原料が自重のみで枠部材の内型内に十分に広がる程度の粘度や特性を有するものをいう。なお、自重で枠部材の内型内に十分に広がらない場合には、エアーを吹き付けるなどの手段により流動状原料を広げる工程を製造工程に加えてもよい。
前記製造方法における加熱手段(焼成手段を含む)は、ガスバーナー加熱、蒸煮加熱、熱風加熱、電熱加熱、遠赤外線加熱などがあげられるが、本発明の加熱する手段としてはガスバーナー加熱や電熱加熱、それらの併用が好ましい。
前記流動状原料の供給量は、枠部材の内型の面積および焼成後の焼成卵加工品の高さにもよるが、例えば、流動状原料10〜200gが70〜300℃で30秒〜8分加熱されて少なくとも前記枠部材の内型に接している部分が凝固する量を供給すればよい。
流動状原料が完全に凝固する前で且つ枠部材の内型の形状に成形された後に卵加工用枠を外し、トンネル式加熱装置にて焼成する場合には、卵加工用枠の寿命(耐久期間)をのばす(コストを下げる)ことができる。よって、蒸気を供給する手段(あるいは工程)を省くことも可能となる。また、流動状原料が完全に凝固する前で且つ枠部材の内型の形状に成形された後に卵加工用枠を外せば、完全に凝固した焼成卵加工品の押出装置や反転装置による取り外し手段(あるいは工程)が不要となり、製造装置(あるいは製造工程)を簡略化できる利点を有する。
上述した卵加工用枠を用いた焼成卵加工品の製造例を以下に記載する。
[製造例]
(流動状原料)
流動状原料として、鶏卵液70%、食用植物油脂1%、加工デンプン3%、水を含むその他調味液26%の配合で製造した。
(製造例1)薄焼き卵
卵加工用枠として、硬さ50°のシリコーンゴムである内枠とステンレス製の外枠を使用した。また、内枠重量は480gで、その内型が四角型(一辺20cm)である内枠を使用し、流動状原料を内型一つに対し、90g供給して製造した。
製造工程を以下のようにして製造した。
(1)焼成板を110℃に加熱した。
(2)卵加工用枠を焼成板に載置した。
(3)保温した流動状原料を内枠内に供給し、焼成板上で20〜30秒間焼成した。
(4)卵加工用枠を焼成板上より除去した。
(5)トンネル式加熱装置で250℃で60〜90秒間焼成した。
焼成後の製品を包装、必要に応じ殺菌、冷却して製造した。
本製品は、他の食材を包むのに使用したり、太巻きやサンドイッチ等、食材間に挟んだりして使用することができる。
(製造例2)錦糸卵
製造例1で製造した薄焼き卵を、 スライサーを用いて幅3mmにカットし、包装、冷却して製造した。
(製造例3)オムライス用卵焼き(シート状卵焼きの例)
卵加工用枠の内枠を内型が丸型(直径16cm)で約1kgの内枠に、焼成板の温度を130℃に、流動状原料を内型一つに対し50g供給した以外は、製造例1と同様に製造した。
本製品は、オムライスの表皮部分に使用することができる。
10…内枠、20…外枠、30、30A、30B…卵加工用枠、40…焼成板、50…焼成卵加工品製造装置、60…流動状原料(卵液など)。

Claims (8)

  1. 卵加工品を連続的または間欠的に製造するための加工用枠であって、
    素材が弾性素材からなり、載置部が形成された下面に向けて上面から貫通した空間が形成され、フランジ部を有する内枠と、
    素材が非変形性素材からなり、前記内枠を保持する外枠と、
    を備え、
    前記外枠は、前記内枠を着脱可能にかつ位置ずれすることなく保持するために前記フランジ部が挿入されて前記内枠をはめ込んで固定するための上部ツメと下部ツメを有する凹部を有し、
    前記内枠が前記外枠に保持された状態で、前記卵加工品を加熱するための焼成板上に前記載置部が載置されたときに、前記フランジ部のうちの相対向するフランジが前記上部ツメと前記下部ツメ間で保持されることにより前記外枠が前記焼成板に接触しないように、前記外枠は形成されていることを特徴とする卵加工用枠。
  2. 前記弾性素材がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の卵加工用枠。
  3. 前記シリコーンゴムの硬さが、JIS K 6253デュロメータ(タイプA)で測定したときに20〜80°の硬さであることを特徴とする請求項2に記載の卵加工用枠。
  4. 前記外枠が、2個以上の前記内枠を保持することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の卵加工用枠。
  5. 前記内枠は、少なくとも2個以上の異なる内型を有していることを特徴とする請求項に記載の卵加工用枠。
  6. 請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の卵加工用枠を使用したことを特徴とする卵加工品の製造方法。
  7. 流動状原料が完全に凝固する前で且つ前記内枠の内型の形状に成形された後に前記卵加工用枠を外す工程を有することを特徴とする請求項に記載の卵加工品の製造方法。
  8. 前記卵加工品が、薄焼き卵、錦糸卵、またはシート状卵焼きである請求項または請求項に記載の卵加工品の製造方法。
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