JP6227355B2 - 水素製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水と光触媒と光を用いて水素を発生する装置に関する。
現在、水素は石油精製、化学製品、工業製品、燃料電池など多岐にわたり利用されている。特に、水素を利用した燃料電池は、反応過程で水しか生成されないクリーンなエネルギー源として期待されている。しかし、水素は天然にはほとんど存在しないため、化石燃料を用いた水蒸気改質、部分改質ならびに接触改質や、コークス炉ガスから水素を分離する方法や、水の電気分解などの方法により人工的に製造されている。これらの水素製造方法は、化石燃料の燃焼やCOの大量排出を伴うため、環境負荷が大きいという課題がある。
一方、化石燃料の燃焼やCO排出が小さい水素生成方法として、特許文献1のように、水を光触媒の表面に接触させ、光触媒の表面に光触媒作用に必要な波長と強度をもつ光を照射することにより、水を分解し、水素と酸素を発生させる方法も提案されている。
特開2009−262071号公報
光触媒を利用した水素生成装置の水素の発生量は、光の波長や強度、ならびに光触媒の効率に加え、光触媒の表面積に依存する。水と接触し、光が照射されている光触媒の面積が広いほど水素の発生量が増加する。
光触媒自体の表面積は、光触媒を支持する基材の表面に凹凸を形成したり、光触媒自体を粉末状にすることにより大きくできる。しかし、光触媒を支持する基材が複雑な凹凸形状である場合、太陽光、ランプおよびLEDなどの固定光源に対して影になる部分が生じるため、影になる部分の光触媒には、光を照射することができない。そのため、基材を複雑な凹凸形状にして光触媒の表面積を拡大したとしても、その全面に光を照射することが困難であるため、水素の発生に有効な表面積を大きくできない。
複雑な形状の光触媒に効率よく光を照射するために、自由な形状になり得る液体状の光源を用いることが考えられる。液体状の光源としては、例えば、発光生物を液体に分散させたものが考えられる。発光生物の発する光は可視光であるが、現状の可視光応答光触媒は、酸性の条件下でなければ効率よく水を分解することが難しい。その一方、液体状の光源として発光生物を用いる場合、酸性の環境下で発光することは難しい。また、発光生物は、発光するために酸素を必要とするため、長時間発光を維持することが難しい。
本発明の目的は、複雑な構造を有する光触媒に効率よく光を照射することができる水素製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水素製造装置は、水素発生槽と、水素発生槽の内部を、水と光触媒とが配置される第1槽、および、光触媒に光を照射する液体光源が配置される第2槽に隔てる分離部材とを有する。分離部材は、液体光源が発する光に対して透明であって、酸素を透過する材料によって構成されている。
本発明では、水と光触媒を、分離部材によって液体光源から分離することができるため、光触媒に接する水を酸性にした場合でも、液体光源は酸性の影響を受けない。また、光触媒が水を分解することによって生じる酸素を、分離部材を通して液体光源に供給できる。よって、複雑な構造を有する光触媒に効率よく光を照射することができる。
(a)第1の実施形態の水素製造装置の構成を示すブロック図、(b)流路50の拡大断面図、(c)分離部材150を酸素が透過することを示す説明図。 実施形態の管状の分離部材150の断面形状と、分離部材150を通して液体光源30に酸素が供給され、外周領域ほど発光量が大きくなることを示す説明図。 第2の実施形態の水素製造装置の切り欠き断面図。 第2の実施形態の発電システムの構造を示すブロック図。
以下、本発明の実施の形態の水素製造装置について説明する。
本発明の水素製造装置は、図1に示すように、水素発生槽10と、水素発生槽の内部を、第1槽60および第2槽50に隔てる分離部材150とを備えている。第1槽60には、水と光触媒20とが配置される。第2槽50には、光触媒20に光を照射する液体光源30が配置される。分離部材150は、液体光源30が発する光に対して透明であって、酸素を透過する材料によって構成されている。
液体光源30は、その流動性により形状を自由に変えることができるため、第2槽の形状を図1のように光触媒20に接近させた形状にすることが可能であり、光触媒に効率よく光を照射することができる。また、分離部材150によって水と光触媒20から液体光源を分離することができるため、光触媒20の反応を高めるために水を酸性にした場合でも、液体光源30は、酸性の水の影響を受けるのを防止できる。また、光触媒20が水を分解することによって生じる酸素を、分離部150を通して液体光源30に供給できる。よって、液体光源30として発光生物を用いた場合に、発光生物が酸素の欠乏状態になることを防ぎ、活性に保つことができるため、発光効率を高めることができる。また、第2槽50を外気に接しない、細く長い管状等の複雑な形状にすることが可能になる。
第2槽50には、液体光源30に酸素を供給する酸素供給装置70が接続されていることが好ましい。これにより、第2槽50の液体光源30が、酸素欠乏になることをさらに防ぐことができる。
酸素供給装置70は、第1槽60で光触媒20が水を分解することにより生成された水素および酸素のうち、酸素を液体光源30に供給する装置であることが好ましい。これにより、第1槽60で発生する酸素を有効利用することができるとともに、酸素ボンベ等の酸素供給源を別途用意する必要がないため、メンテナンスが容易になる。酸素供給装置70としては、例えば、液体光源30中で酸素を含む気体の泡を発生させるバブリング装置を用いることができる。
分離部材150は、例えば、第2槽50として、水素発生槽の内部に液体光源30を流す流路を構成する。この場合、流路50の外側が第1槽60となる。分離部150として、例えば蛇行した管を用いることができる。
第1槽60は、少なくとも水を流す流路の構造にすることができる。光触媒20は、第1槽60の内壁に配置することができる。光触媒20は、表面積を広げるために、凹凸が形成された被着体160に坦持されていることが好ましい。
液体光源30は、液体に分散された発光生物を好適に用いることができる。例えば、発光生物は、発光バクテリアおよび発光プランクトンのうち少なくとも一方を含むものを用いる。
また、水素発生装置は、液体状の光源を発光可能な状態に調整して、水素発生槽の第2槽の流入口に流入させる調整槽をさらに有する構成にすることも可能である。
なお、液体光源30の中には、刺激を受けて発光するものもあるため、水素発生槽に、液体光源30に化学的、物理的または電気的な刺激を与えて発光させる刺激発生部を接続することも可能である。具体的には、液体状の光源を撹拌する撹拌装置、液体状の光源を加熱する加熱装置、または、電気刺激を与える電圧印加装置等を刺激発生部として配置することができる。
水素発生槽は、外部から液体光源30を内部に取り込む流入口と、内部の液体状の光源を流出する流出口と、内部で発生した水素を外部に取り出す水素取り出し口とを有する構成としてもよい。これにより、発光しなくなった液体状の光源を流出口から外部に取り出し、発光可能な状態の液体状の光源を流入口から供給できる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の水素製造装置を図面を用いて具体的に説明する。
図1(a)は、水素製造装置の全体構成を示すブロック図である。この水素製造装置は、水素発生槽10の内部に、分離部材150として蛇行した管が配置されている。管の内部は、液体光源30を流す流路50であり、流路50の外側と水素発生槽10の間の領域は、分解すべき水40を流す流路60となっている。水素発生槽10の内壁には、凹凸構造の被着体(基材)160が配置され、被着体160の表面に光触媒20の層が形成されている。被着体160は、人体の小腸の内壁を模したひだ状の凹凸構造になっている。流路50は、被着体160の間を縫うように蛇行している。
液体光源30としては、発光バクテリア等の発光生物を液体に混合(分散)したものを用いることができる。液体光源30については後で詳しく説明する。
分離部材150は、液体光源30が発する光に対して透明な材料であって、かつ、酸素透過性の材料で構成されている。例えば、シリコーン系の樹脂(一例としてはPDMS(ポリジメチルシロキサン))によって分離部材150を構成することができる。
分離部材150を配置して、液体光源30の流路と、分解すべき水の流路を隔てることにより、光触媒20の光化学反応を効率よく生じさせるために酸性の水を用いる場合であっても、液体光源30は分離部材150によって酸性の水から隔てられる。よって、発光バクテリア等の発光生物を酸性の水から隔てて生存させ、発光させることができる。
また、分離部材150が酸素を透過するため、光触媒20に接近させるために、図1(b)のように管状の流路50を分離部材150で構成した場合であっても、流路50を流れる発光バクテリア等の発光生物は、発光に必要となる酸素を、図1(c)のように分離部材150を通して流路60を流れる水から十分に吸収することができる。よって、流路50の先端から末端まで、明るさに変化のない液体光源30を実現可能である。
なお、流路60を流れる水は、光触媒20が液体光源30から光を照射されている限り、水素と酸素に分解される反応が継続的に生じているため、酸素が豊富に溶存しており、分離部材150を通して流路50の液体光源30に十分酸素を供給できる。
ここで、発光バクテリアの発光に酸素が必要であることをさらに説明する。発光バクテリアの発光メカニズムは、発光基質であるルシフェリンが発光酵素ルシフェラーゼの作用で化学反応することによって光を放出するものである。ルシフェリンが酸化されてエネルギーレベルの高い不安定な過酸化物となり、これがルシフェラーゼによって基底状態に戻る際、極めて高いエネルギーを放出する。したがって、発光バクテリアの発光には酸素が不可欠である。通常の場合、発光バクテリアは周囲の水分から発光に必要な酸素を得ることができるが、本実施形態のように光源として高い発光効率を得るために、発光バクテリアの存在密度を高める場合、発光バクテリアが分散されている水に溶存している酸素のみでは酸素が不足し、発光に寄与しない個体が多数生じてしまう可能性がある。
本実施形態では、上述のように分離部材150を構成する透明部材が、酸素透過性の高い材料であるため、分離部材150の外側の分解すべき水に溶存している酸素を、分離部材150を通して発光バクテリアに供給できる。ここで、物質の酸素の通しやすさは、Dk値(酸素透過係数)で評価される。Dk値=(溶解係数)×(拡散係数) の関係にある。溶解係数は酸素の溶かしやすさ、拡散係数は酸素の移動しやすさを表している。よって、分離部材150は、Dk値が、液体光源30が流路50を流れている間に連続発光出来る程度に大きいことが望ましい。具体的なDk値は、使用する発光バクテリアの種類や存在確率、ならびに、流路50の径と長さ、分離部材150の厚さ等に応じて、計算または実験により定める。
また、図2に示すように、流路50内の液体光源30は、分離部材150に近い外周領域ほど、多くの酸素の供給が供給されるため発光量が大きく、中心領域は、酸素の供給量が小さく発光量も少なくなる傾向を示す。本実施形態では、外周領域で発光された光を分離部材150を通して流路60の光触媒20に照射するため、外周領域の発光領域の発光量が中心領域よりも大きい分布であっても、光を効率よく光触媒に照射できる。
なお、分離部材150は、流路50の流入口50aに近い領域は、発光バクテリアが分散されている水に溶存している酸素を吸収できるため、酸素透過率が低い材料で構成されていてもよく、流入口50aから離れた流出口50bに近い領域にのみ酸素透過性の高い材料で分離部材150を構成してもよい。
また、光触媒20の光化学反応の効率を高めるため、流路60を流れる水は、酸性にすることが望ましいため、分離部材150の材質は、耐酸性のものが望ましい。
また、本実施形態では、図1に示すように流路50の途中で、管状の分離部材150を水素発生槽10の外側に引き出し、酸素供給装置70に接続し、液体光源30に酸素を供給し、再び水素発生槽10に戻す構造としている。これにより、液体光源30の溶存酸素量を増加させることができるため、液体光源30の発光効率を高めることができる。酸素供給装置70は、液体光源30に溶存している酸素が不足しがちになる流入口50aから離れた位置で、流路50に接続されている構成にすることができる。
また、酸素供給装置70によって供給する酸素として、流路60から発生した酸素を水素/酸素分離フィルタ等により水素から分離して用いることが望ましい。これにより、酸素供給源を用意する必要が無く、メンテナンスが容易で、省エネルギーを実現できる。
酸素供給装置70は、酸素を液体光源30の水に溶存させることができるものであれば、どのような構成であってもよい。一般的なバブリング装置や、電力をなるべく消費しない公知のマイクロバブル装置を好適に用いることができる。マイクロバブル装置は、通常のバブリング装置と比べて効率的に酸素を水に溶解させることができるため、本実施形態の流路50のように閉鎖性水域において生じる酸素欠乏の改善には有効な手法である。マイクロバブルとは、一般的に発生時の気泡直径が50μm以下であるものをいう。通常の気泡は、水中を急速に上昇して表面で破裂して消えるのに対して、マイクロバブルは、水中で縮小して完全溶解するため、効率よく溶存酸素量を増加させることができる。マイクロバブル発生装置は、広く知られた装置であるので、ここでは詳しい説明は省略する。例えば、特開2003−305494号公報に記載の装置のように、電力を消費しないマイクロバブル装置が好適である。この他、加圧溶解型マイクロバブル発生装置や気液二相流旋回型マイクロバブル発生装置等の広く知られた装置を用いることももちろん可能である。
上述してきた本実施形態の水素発生装置で、水素を発生させる際の各部の動作について説明する。まず、流路50の流入口50aから液体光源30を供給し、流出口50bから排出しながら、分解すべき水を流路60の流入口60aから供給し、流出口60bから排出する。液体光源30は、複雑な形状をした被着体160の表面の光触媒20に、分離部材150を通して光を照射する。液体光源30により光が照射された光触媒20表面では、光触媒の作用により水が分解され水素と酸素が生成される。液体光源30には、流路60内で生成された酸素が、分離部材150を通して供給される。また、流路50の途中に設けられた酸素供給装置70は、液体光源30に酸素を供給する。これにより、流路50を流れている間中、液体光源30は発光を維持することが可能である。よって、光触媒20の水の分解反応も流路60を水が流れている全領域で生じる。
発生した水素と酸素は、主に流出口60bから収集され、水素/酸素分離フィルタ等により水素と酸素とを分離して、水素を取得する。
本実施形態では、液体光源30を用いるため、流路50の形状を自由に設計することができる。よって、複雑な構造の被着体160に支持された光触媒20であっても、流路50を蛇行させることにより、液体光源30近接または接触して光を照射することができる。
水素発生槽10の流路50には、液体光源30に化学的、物理的または電気的な刺激を与えて発光させる刺激発生部を接続することも可能である。具体的には、液体光源30を撹拌する撹拌装置、液体光源30を加熱する加熱装置、または、電気刺激を与える電圧印加装置等を刺激発生部として配置することができる。
また、水素発生槽10内の被着体60の形状は、図1(a)の形状に限定されるものではなく、網目状のものや、筒状のものを用いることも可能である。これらの被着体60の外周や内壁に光触媒を付着させ、液体光源30と水40を通過させることにより、水を光触媒により分解して水素を発生させることができる。
<<液体光源30>>
液体光源30についてさらに説明する。液体光源30は、発光生物を水等の液体に分散したものであり、光触媒20に光触媒作用を生じさせる波長の光を出射するものを用いる。光触媒20の作用に必要な波長は、光触媒の材料に依存するが、一般的に、波長が短いほど効率が高くなるため、液体光源の発光波長は、可視光以下、より好ましくは500nm以下に発光ピークをもつことが望ましい。
また、光触媒20は、その種類により光触媒作用を発揮するのに必要な光の強度がきまっているので、液体光源30は、光触媒により水を分解するのに必要な強度の光を出射できるように、発光生物の種類、濃度および量等を調整する。
<発光生物>
液体光源30の発光生物としては、発光バクテリアや発光プランクトンを用いることができる。発光バクテリアの径は1〜2μm、発光プランクトンの径は40μmから1mmと小さいため、いずれも液体に混合して液体光源30とした場合に、流動性に優れた液体になる。また、室温で適度な栄養があれば簡単に培養できるため、取り扱いが容易である。人体への毒性も低いため利用しやすいというメリットもある。
被着体160の凹凸は、凹凸の隙間を液体光源30の発光生物が通過できるように、隙間の幅が使用する発光生物の径の10倍以上になるよう設計することが望ましい。
具体的には、発光バクテリアは、発光波長475nmの青色に発光するPhotobacterium属のPhotobacterium phosphoreumや、発光波長535nmの黄色に発光するVibrio属のVibrio fischeri Y-1など強い発光や波長を示す公知の発光バクテリア(約19種類)等のうちの1種以上を用いることができる。また、これらの公知の発光バクテリアに加え、新規の発光バクテリアや遺伝子組み換えを行った発光バクテリアを用いることも可能である。例えば、バクテリアの中に存在するタンパク質(photobacterium phosphoreumではルマジンタンパク質(Lump)、Vibrio fischeri Y-1ではYFPタンパク質)を遺伝子組み換え等で組み換えたものを用いることができる。
具体的な発光プランクトンの例としては、動物性ではヤコウチュウ、植物性ではウズオビムシを用いることができる。ヤコウチュウは,直径1mmほどの桃の形をした透明な単細胞生物である。
発光プランクトンを用いる場合、液体光源30における発光プランクトンの濃度(密度)を大きくすることで発光強度を高めることができるため、生成される水素量が増加する。一方、発光バクテリアは、バクテリアの密度がある程度以上でなければ発光しないという特性があるため、濃度(密度)を5重量%以上に設定することが望ましい。ただし、濃度が高くなりすぎると、液体光源30の粘度が増し、流動性が低下するため、濃度は90重量%以下であることが望ましい。
また、発光強度は、濃度(密度)以外にも、液体光源30の塩分濃度、酸素濃度、温度、撹拌など化学、物理的・電気的刺激などに依存するため、これらを考慮して十分な光を光触媒20に照射できるように設計する。
発光バクテリアやプランクトンを混合(分散)する溶媒(液体)は、発光バクテリアやプランクトンに応じて選択する。例えば、発光バクテリアやプランクトンが海洋性の場合は溶媒として食塩水を、淡水性の場合は水を用いる。食塩水を用いて発光バクテリアを培養する場合には、塩分濃度を一般的な海水の濃度である3〜5%に設定することが好ましいが、液体光源30として利用する場合には、塩分濃度により発光強度が変化するため、必要な発光強度が得られる塩分濃度に設定する。
<<光触媒>>
次に、光触媒20についてさらに詳しく説明する。光触媒の種類は、水を水素と酸素に分解できるものであればいずれでもよい。ただし、液体光源30の発光生物の発光波長が400〜700nm程度のものが多いことを考慮し、可視光によって光触媒作用を生じるものが望ましい。その場合、2段階励起機構をもつ可視光応答の人工光合成型の光触媒が望ましい。2段階光励起(Z-スキーム)型水分解システムは、水の分解が水素生成系と酸素生成系に2分され、その間が電子伝達体であるヨウ素酸・ヨウ化物(IO3−/I)やFeイオンのような可逆的なイオン対によって連結された形となっている。これより、各系に必要な光のエネルギーが小さくなるため、エネルギーの小さな長波長の可視光も利用することが可能となる。
2段階励起機構の光触媒の材料はいずれでもよいが、代表的な水素生成用光触媒と酸素生成用光触媒の組み合わせの例を以下に示す(ただし、「水素生成用光触媒」−「酸素生成用光触媒」で表す。)Pt/SrTiO:Cr−Ta/WO、Pt/TaON−WO、Pt/StTiO:Rh−BiVO、Pt/StTiO:Rh−WO、Ru/StTiO:Rh−BiVO、Ru/StTiO:Rh−WO、Cr−Rh/GaN:ZnO、および、BaTaON−WOのうちのいずれか、もしくは、2以上を用いることができる。
光触媒20を被着体160上に配置する方法としては、粒子状にした光触媒20を樹脂や無機物等のバインダーに混ぜ、被着体160の表面に塗布や滴下した後、固化させる方法や、EB蒸着やスパッタ等の気相成長法により被着体の表面に成膜する方法を用いることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態の水素製造装置は、水素発生槽10のみを備えている構成であったが、液体状の光源を発光可能な状態に調整して流入口に流入させる調整槽をさらに有する構成にすることが可能である。図3に、調整槽111を備えた水素発生装置の全体構成例を示す。図4に、図3の水素製造装置を用いた発電システムの全体構成の例を示す。
図3の水素製造装置は、水素発生槽10の前段に、調整槽111として制御槽101と培養槽102とが順に配置されている。制御槽101は、液体光源30の温度や塩分濃度を調整し、酸素を供給し、さらに、液体光源30に化学的、物理的または電気的な刺激を与えて発光する状態にする。制御槽101の処理により、発光バクテリア全体の発光タイミングを合わせることができる。制御槽101には、制御槽101における温度等の調整、酸素供給、刺激発生を制御する制御ユニット112が接続されている。
一方、培養槽102は、発光生物を培養する。培養槽102には、外部から液体培地(水や塩分)や養分(有機物やメタンガス等)が供給される。養分を培養槽102に供給するため、生活排水等を微生物分解する微生物分解槽を培養槽102に連結してもよい。
また、図4のように水素発生槽10の流出口から流出した液体光源30を、培養槽102に戻す循環機構103をさらに有することが好ましい。これにより、水素発生槽で発光しなくなった液体状の光源を再び発光するように調整することができるため、液体光源30を再利用することができる。
水素発生槽10には、水素ガスおよび酸素ガスを取り出すガス取出口10cが備えられ、ガス取出口10cには、水素/酸素分離フィルタ105が取り付けられている。水素/酸素分離フィルタ105には、純化器106、圧縮器107、水素貯蔵ボンベ108、燃料電池109、および、変換器110が順に接続されている。
第1の実施形態で説明したように、水素発生槽10で発生した水素と酸素は、水素/酸素分離フィルタ105によって分離される。酸素は、水素発生槽10に接続されている酸素供給装置70に供給される。酸素供給装置70は、液体光源30に酸素を供給する。一方、水素は、図4のように、純化器106によって高純度化され、圧縮器107で圧縮され、水素貯蔵ボンベ108に貯蔵される。図示していない燃料電池制御装置の制御下で、燃料電池109は、水素貯蔵ボンベ108から水素の供給を受けるとともに、空気(酸素)を外気から取り込み、発電を行う。発電した電気は、変換器110により直流から交流に変換されるとともに、必要に応じて変圧され、家庭用の電気機器等の負荷に供給される。
このように、第2の実施形態の発電システムは、発光生物である発光バクテリアや発光プランクトンを定常的に外部から追加するのではなく、装置内で培養することができるため、メンテナンスが容易な発電システムを提供できる。また、光触媒により水を分解するため、COを発生せず、環境負荷の少ない発電を行うことができる。
10:水素発生槽、20:光触媒、30:液体光源、40:水、50:液体光源の流路、60:分解すべき水の流路、101:制御槽、102培養槽、103:循環機構、105:水素/酸素分離フィルタ、106:純化器、107:圧縮器、108:水素貯蔵ボンベ、109:家庭用燃料電池、110:変換器、150:分離部材、160:被着体

Claims (12)

  1. 水素発生槽と、前記水素発生槽の内部を、水および光触媒が配置される第1槽と前記光触媒に光を照射する液体光源が配置される第2槽とに隔てる分離部材と、を有し、
    前記分離部材は、前記液体光源が発する光に対して透明であって、酸素を透過する材料によって構成されていることを特徴とする水素製造装置。
  2. 請求項1に記載の水素製造装置において、前記第2槽には、前記液体光源に酸素を供給する酸素供給装置が接続されていることを特徴とする水素製造装置。
  3. 請求項2に記載の水素製造装置において、前記酸素供給装置は、前記第1槽で前記光触媒が前記水を分解することにより生成された水素および酸素のうちの酸素を前記第2槽の液体光源に供給する装置であることを特徴とする水素製造装置。
  4. 請求項2または3に記載の水素製造装置において、前記酸素供給装置は、前記液体光源中で酸素を含む気体の泡を発生させるバブリング装置であることを特徴とする水素製造装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水素製造装置において、前記分離部材は、前記第2槽として、前記水素発生槽の内部に前記液体光源を流す流路を構成し、前記流路の外側が前記第1槽であることを特徴とする水素製造装置。
  6. 請求項5に記載の水素製造装置において、前記分離部は、前記液体光源を流す蛇行した管であることを特徴とする水素製造装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水素製造装置において、前記第1槽は、少なくとも前記水を流す流路であることを特徴とする水素製造装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水素製造装置において、前記液体状の光源は、液体に分散された発光生物であることを特徴とする水素製造装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水素製造装置において、前記光触媒は、前記第1槽の内壁に配置されていることを特徴とする水素製造装置。
  10. 請求項9に記載の水素製造装置において、前記光触媒は、凹凸が形成された被着体に坦持されていることを特徴とする水素製造装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の水素製造装置において、前記液体状の光源を発光可能な状態に調整して前記第2槽の流入口に流入させる調整槽をさらに有することを特徴とする水素製造装置。
  12. 請求項8に記載の水素製造装置において、前記発光生物は、発光バクテリアおよび発光プランクトンのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする水素製造装置。
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