JP6227266B2 - 監視システム - Google Patents
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一方、CCD(Charge Coupled Device)を撮像素子として使用したカメラ装置では、太陽光等、周囲より極端に明るい被写体からの光が入射した際に、垂直方向若しくは水平方向に直線状に画像の端から端まで白飛びを起こす現象(スミア)がある。
特許文献1には、CCDカメラによって取得した映像信号から、最低レベルが基準値を超えたレベルの補正信号を生成し、該補正信号を映像信号から減算することでコントラスト強調(霞補正)することが記載されている。
特許文献2には、入力画像のヒストグラムの幅を算出し、この度合いによって撮像した画像が物体検出に適応した画像であるかを判断することが記載されている。
また、特許文献3では、固体撮像素子の受光面の有効画素より先に読み出す4ラインの垂直遮光画素から取得した信号の画面垂直方向の暗電流むらを補正してから、垂直遮光画像4ラインの各垂直画素信号の最小値から2番目の値を算出し、垂直スミア補正信号として記憶し、画像AGCに合わせて利得を可変して固体撮像素子の受光面の有効画素から出力されるAGC後の画像信号から減算している。また、前記固体撮像素子から出力される信号を14ビットにA/D変換して前記代表値信号を算出して15/16に減衰して、前記固体撮像素子の受光面の有効画素から出力される画像信号から減算して、スミア補正している。
これらの処理は、いずれも、モニタに表示する映像の視認性を向上させるための映像処理技術として、一般的に用いられている機能である。
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、映像信号に霞補正をする場合に、補正の度合いに応じて霧や霞等の発生状況をクラス分けして、所定の情報を出力する監視カメラシステムを提供することにある。
なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
また、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
図1の監視カメラシステム10は、1台の旋回台14付きの監視カメラ装置11、モニタ17、プリセット制御部15、制御装置16、操作器18、及び外部機器への出力部19で構成される。ただし、各機器の数は、図1に限定されない。例えば、監視カメラ装置11及びプリセット制御部15は、複数台がそれぞれ複数の要所に設置されるのが一般的である。
図1において、監視視野範囲内には、複数の監視ポイントがあり、監視カメラ装置11は、パン及びチルト可能な旋回台14に設置され、かつ、レンズ12のズーム機能を可変するズーム機構13を備える。
なお、各機器は、設置されたそれぞれの場所において、商用電源やバッテリー等の図示しない電源供給部から電力を供給されて稼働する。
モニタ17は、受信した映像信号vを画像に変換して表示部に表示する。
制御装置16は、受信した映像信号vを解析し、解析結果に応じて、システム内の各機器に制御信号を出力して、各機器を制御する。
図4は、上記のプリセット位置における、ズーム倍率、パン角、及びチルト角について格納したテーブルを示した図である。
制御装置16は、映像記憶装置20に、取得した映像信号のデータ(画像データ)を保存し、必要な時に読み出して参照する。
なお、プリセット位置の設定は、モニタ17に表示される監視カメラ装置の取得画像を見ながら、操作者が操作器18を使って設定し、設定された内容が制御装置16の図示しない記憶部に記憶される。
監視カメラ装置11のCPUは、制御装置16から入力される制御信号を受信して、当該制御信号に従って、ズーム機構13を制御し、監視カメラ装置11のズーム量角を変更する。また、プリセット制御部15は、ズーム機構13のズーム結果を監視し、監視カメラ装置11の現在のズーム量のデータを制御装置16に出力する。
図2において、レンズ12で撮像された被写体からの光は、色分解プリズム21で赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色光に分光された上で、夫々の撮像素子22R、22G及び22Bに入射され、R、G、Bの各映像信号に変換される。
次いで、これらR、G、Bの各映像信号は、増幅器23により所定のレベルに増幅されてからA/D変換器24に入力され、ここでデジタル映像信号に変換された上でデジタル信号処理回路25に入力される。
そして、このデジタル信号処理回路25で、R、G、Bのデジタル映像信号毎にブラックバランス、ホワイトバランス、γ補正(ガンマ補正)、黒レベル設定などの信号処理が施されてから、映像信号vとして外部に出力される。このとき、信号処理回路25から出力された映像信号は、R、G、Bのデジタル映像信号毎にCPU26にも供給される。
また、CPU26は、監視カメラシステム10の制御装置16から送られてきた制御信号c1に応じて、ズーム機構13を制御して、所望のズーム量に調整する。
霧や靄等の発生したことが検知された場合には、霞補正を行い、フレア(太陽などの強い光源の周辺に生じる白滲み)が検知された場合にはスミア補正を行う。
そしてCPU26は、リアルタイムオートブラックと名付けたプログラムを備え、これにより、黒ピーク値PKの入力に応じて処理を実行し、これにより黒レベル制御信号MBnを生成し、デジタル信号処理回路25に出力する。ここで、MBとは、Master Blackの略称であり、添字の(n)は、このMBが次々と更新されるべき値であって、その順序を表わす。
デジタル信号処理回路25は、CPU26から供給される黒レベル制御信号MBnに基づいて、R、G、Bの各デジタル映像信号の黒レベルを設定するのである。
この結果、映像信号vは、所定分だけ黒ピーク値が下げられてから、デジタル信号処理回路25から出力されるようになる。即ち、コントラストが高くなり、暗い部分の画像が鮮明に表示できる。
例えば、制御装置16は、所定時間毎に各プリセット位置での代表画面を映像記憶装置20に記憶しておき、同一のプリセット位置において、当該画面と現在取得した映像信号の画像とを比較する。
そして、比較の結果、強く白浮きすれば、霧とみなして、(1)出力部19から出力して出力部19に接続された外部機器(例えば、警報発生器等の通知装置)から警報を出力させるか、(2)モニタ17に警告を表示させるかの少なくともいずれかの通知を行う。
また、比較の結果、遠景部分のみ白浮きすれば、靄とみなして、(1)出力部19から出力して出力部19に接続された警報発生器から警報を出力させるか、(2)モニタ17に警告を表示させるかの少なくともいずれかを行う。
なお、記憶装置は、各監視カメラ装置それぞれに備えさせて、それぞれのCPU26が、検知を行い、制御装置16を介してまたは直接外部機器に警報を出力するか、モニタ17に警告を表示させるようにしても良い。
またさらに、本発明では、監視カメラ装置11は、霞補正位置及びズーム位置と、AGC値等のカメラ処理情報を制御装置16に出力する。
制御装置16は、当該監視カメラ装置11の現在のプリセット位置情報(ズーム量、並びにパン角及びチルト角の情報)と、現在の太陽の位置から、現在の画角範囲に太陽光が影響しないか否かを判定する。例えば、太陽光が監視カメラ装置に入射する位置であるか否かを判定し、入射する位置にある場合には、フレアが発生したと判定する。また、例えば、太陽光が監視カメラ装置に入射する位置にない場合には、霧や靄が発生したと判定する。
制御装置16は、クラス分けされたそれぞれの黒ピーク値の範囲について、制御装置16は、映像記憶装置20または図示しない記憶部に格納しておき、それぞれのクラスに応じて、警報を出力部19に接続された外部機器(例えば、警報発生器)から警報を出力させる。また、モニタ17に警告を表示させる。
モニタ17には、黒ピーク値PK1以上の時には“霧最大”と表示させ、黒ピーク値PK1未満PK2以上の時には“霧やや大”と表示させ、黒ピーク値PKがPK2未満PK3以上の時には“霧中”と表示させ、黒ピーク値PKがPK3未満PK4以上の時には“霧小”と表示させ、黒ピーク値PKがPK4未満の時には“霧なし”と表示させる。なお、黒ピーク値PKがPK4未満の時には、外部機器による警報出力も、モニタによる警告表示もしないことにしても良い。
霧や靄の情報は、陸上や水上で基準が異なる上、場所(道路、畑、登山道、門や敷地内の侵入者監視、等)によっても異なり、従って、クラス分けの数や値は、それぞれ異なる。
図3の監視カメラシステム10’は、矢印方向に走行する道路(車道)31の道路脇に設置され、車両の進行方向の監視エリア(監視視野範囲)32を撮像する1台の旋回台14付きの監視カメラ装置11、及び監視カメラ装置11の近傍に設置され、旋回台14を制御する旋回台制御部15’、遠隔地若しくは所望の地点に設置された監視センタ30、及び、監視エリア32より後方の道路31の道路脇若しくは道路の上方に設置され車両(移動体)33に乗車した運転者若しくは同乗者が見ることができる交通情報表示板34で構成される。
監視カメラ11は、図2の構成と同様である。ただし、監視カメラ11は、監視センタ30とネットワーク回線で接続されている場合には、Webカメラ装置(またはWebエンコーダ部を含むカメラ装置)であり、監視センタ30は、デコーダ部を含む。
ただし、図1と同様に、監視カメラシステム10’を構成する各機器の数は、図3に限定されない。例えば、監視カメラ装置11及び旋回台制御部15’は、複数台がそれぞれ複数の要所に設置されるのが一般的である。
図3において、監視エリア32内には、複数の監視ポイントがあり、監視カメラ装置11は、パン及びチルト可能な旋回台14に設置され、かつ、レンズ12のズーム機能を可変するズーム機構13を備える。
また、図3において、監視エリア32を固定(パン角、チルト角及びズーム倍率が固定)の場合もある。この場合には、旋回台14及び旋回台制御部15’も不要であり、旋回台制御部15’と監視センタ30の制御装置16と接続する信号線も不要である。複数の監視カメラ装置を有する監視カメラシステムの場合には、これら旋回台付きの監視カメラ装置と旋回台の無い監視カメラ装置とが混在する場合もあり、場合によっては、旋回台の無い監視カメラ装置だけで構成される場合もある。
なお、各機器は、設置されたそれぞれの場所において、商用電源やバッテリー等の図示しない電源供給部から電力を供給されて稼働する。
監視センタ30のモニタ17は、受信した映像信号vを画像に変換して表示部に表示する。また、監視センタ30の制御装置16は、受信した映像信号vを解析し、解析結果に応じて、システム内の各機器に制御信号を出力して、各機器を制御する。
また制御装置16は、映像記憶装置20に、取得した映像信号のデータ(画像データ)を保存し、必要な時に読み出して参照する。
制御信号c3を受信した交通情報表示板34は、制御信号c3の内容に応じて表示部に警報を表示する。
付近を走行中の車両33に乗車している運転者若しくは同乗者は、この情報を見て今後の対応を考える。また、その情報が、徐行などの運転指示の場合には、その指示に従って、車両33を操縦する。
なお、上記実施例のように、クラス分けして、細かく交通規制する他、クラス分けを2つ程度にして、黒ピーク値PK3未満PK4以上の時には“視界不良、運転注意”等の注意情報を表示するようにしても良い。
また、これらを交通情報表示板34に表示させるだけではなく、監視センタ30では、制御装置16は、警報を外部機器に出力し、モニタ17に発生箇所(または、その映像を取得した監視カメラ装置の位置)情報の表示、クラス分け、表示させた交通情報表示板34の位置情報を表示するようにしても良い。
その結果、監視員は、警戒が必要な道路の交通量を別の監視カメラ装置の映像で確認する等、必要な処置を迅速に行うことができる。
そのため、本実施形態では、実施例1または実施例2に、さらに追加したカメラの状態情報として、制御装置16が、さらに、監視カメラ装置11の映像を取得した時のズーム倍率を考慮するようにした。
即ち、制御装置16の映像記憶装置20または記憶部20には、ズーム倍率の値によって複数のクラス分けに対する対応表を格納して、ズーム倍率の値と黒ピーク値PKの値に応じて、警報出力または警告表示を行うようにしたものである。
例えば、ズーム倍率が小さい広角時には、実施例1または実施例2のクラス分けの対応に従うか、さらに条件を緩やかにする。また、ズーム倍率が大きい望遠時には、実施例1または実施例2のクラス分けの対応よりさらに条件を厳しくする。
以下の例は、実施例2での対応である。
なお、本発明は、霧や霞の発生に対応する他、霧や霞の発生によく似た現象、例えば、スモッグや噴煙等他の発生等、他の気象現象にも適応できることは言うまでもない。
実施例1〜実施例3によれば、スミア補正が必要か、霞補正が必要かを自動的に判定し、判定に従って補正し、明瞭な画像を監視員に提供できる。また、霧や霞の発生に応じて警報や警告表示ができるため、監視員は迅速に対応できる。
さらに、黒ピーク値範囲によって、霧や霞の濃度をクラス分けし、クラス分けしたクラスの内容(程度)に応じて、適切な情報を必要な対象に連絡することができる。この結果、信頼性の高い監視が実現できる。
Claims (4)
- 映像を取得し、取得した映像に対してコントラスト強調処理を実施する機能を備えた監視カメラと、
受信した情報を音声または視覚的表示により周囲に通知する通知装置と、
前記監視カメラからの信号に応じて前記通知装置を制御する制御装置と、
複数のクラスに分けたコントラスト強調処理の補正値の範囲と、各クラスに対応した通知の内容を記憶した記憶部と、を備え、
前記監視カメラは、前記映像からコントラスト強調処理の補正値を算出し、前記補正値を示す信号を前記制御装置へ送信し、
前記制御装置は、前記コントラスト強調処理の補正値を示す信号に基づいて、前記通知装置に対する制御が必要か否かを判断し、必要と判断した場合には、前記記憶部に基づいて前記コントラスト強調処理の補正値のクラスを判定し、当該クラスに対応した通知の内容を示す情報を前記通知装置へ送信することを特徴とする監視システム。 - 霞補正回路、スミア補正回路、及びズーム機構を備えた監視カメラ装置、前記監視カメラ装置のパン角及びチルト角を制御する旋回台、前記旋回台を制御する旋回台制御部、前記監視カメラ装置が撮像した映像を表示するモニタ、並びに、前記監視カメラ装置、前記旋回台、前記旋回台制御部及び前記モニタを制御する制御装置を有する監視カメラシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記監視カメラ装置の設置位置、前記監視カメラ装置のプリセット位置、及び前記監視カメラ装置を設置した場所の太陽の位置情報を格納する記憶部を備え、
前記霞補正回路若しくはスミア補正回路から出力される黒ピーク値またはズーム倍率と、前記旋回台制御部から出力されるパン角及びチルト角の情報と、前記記憶部から取得する現在の太陽の位置に基づいて、前記黒ピーク値が所定の範囲の場合に、霧若しくは霞が発生したか、またはフレアが発生したかを判定し、霧若しくは霞が発生した場合には、当該監視カメラ装置に霞補正するように第1の制御信号を出力し、かつ、出力端子に接続した外部機器に警報または警告を出力することを特徴とする監視システム。 - 請求項2記載の監視カメラシステムにおいて、前記黒ピーク値の範囲を複数のクラスに分け、前記複数のクラス毎に、異なる警報または警告を出力することを特徴とする監視システム。
- 請求項3に記載の監視カメラシステムにおいて、前記監視カメラ装置のズーム倍率によって、前記複数のクラス毎に出力する警報または警告を変更することを特徴とする監視システム。
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