JP6226065B2 - ソーナー装置、信号処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、ソーナー装置、該ソーナー装置の信号処理方法及び該信号処理方法をコンピュータで実現するためのプログラムに関する。
一般に、ソーナー装置は、アクティブソーナー装置とパッシブソーナー装置とに大別される。
アクティブソーナー装置は、水中へ音波を放射して目標(例えば、船舶、潜水艦、水中機雷等)からの反射音を検出し、放射音と反射音との時間差や反射音の検出方位から目標の位置(方位)や目標との距離を測定する装置である。
パッシブソーナー装置は、水中や水面に存在する、監視対象となる目標が発する音波を捉え、該目標の存在と目標の位置(方位)とを検出する装置である。
目標が発する音には、エンジン等を発生源とする、比較的長い時間継続する定常音と、操舵音やハッチの開閉音等のように時間的に連続しない、または短い時間だけ継続する過渡音とがある。
また、水中の音には、上記目標が発する音だけでなく、無数に存在する目標以外の音源が発する雑音も含まれる。雑音は定常雑音と過渡雑音とに分類することが可能であり、定常雑音には、例えば降雨等に起因して発生する音があり、過渡雑音には、例えば水棲生物に由来する音や空電雑音等がある。空電雑音とは、雷等に起因して発生する電磁波ノイズのことである。
パッシブソーナー装置は、目標が発する音や雑音を含む受信音を電気信号(アナログ信号)に変換し、所定の前処理を施した後、アナログ信号からデジタル信号に変換する。前処理には、例えば信号増幅やフィルタ処理等がある。デジタル信号に変換された受信信号(RAW信号)は、さらに所定の信号処理が施された後、表示部に表示されると共に聴音部により音声として再生される。
パッシブソーナー装置のオペレータは、表示部に表示された画像や聴音部で再生された音声から目標が発する音に対応する目標信号の有無を判別する。このとき、オペレータは多数の雑音を含む受信信号から目標信号を検出しなければならない。そこで、パッシブソーナー装置は、オペレータによる目標信号の検出を支援するために、受信信号を分析して目標信号と雑音とを類別したり、雑音を除去(抑圧)したりする信号処理を実行する。
受信信号の分析方法としては、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)等を用いて受信信号を周波数分析する方法と、受信信号のレベルを検出してパワー分析する方法とが知られている。
周波数分析には、例えば時間軸方向に一定幅で信号を切り出してフーリエ変換し、該切り出す時間をずらしながら変換処理を繰り返すことで信号の周波数スペクトルの時間変化を求める周知の短時間FFTが用いられる。パワー分析は、目標が発する過渡音あるいは過渡雑音に対応するトランジェント信号の抽出に用いられる。
ところで、一般に、水棲生物由来の過渡雑音は、低周波数領域で発生することが知られている。このため、水棲生物由来の過渡雑音は、バンドパスフィルタ等を用いて比較的容易に除去できる。しかしながら、空電雑音や意図的に発せられたパルス状の発振音(以下、アクティブパルス発振音と称す)等の雑音は、その周波数を特定できない、あるいは目標信号と周波数帯域が重なるため、フィルタを用いて除去できない。アクティブパルス発振音としては、例えばパッシブソーナー装置の近傍に配置された、アクティブソーナー装置から発せられる目標探知用の発振音がある。
パワー分析を用いて受信信号からトランジェント信号を抽出し、抽出した信号から目標が発するトランジェント信号(以下、目標トランジェント信号と称す場合がある)を検出する技術は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、周知のHMM(Hidden Markov Model)法とNN(Neural Networks)法とを組み合わせた音類別方式を用いて、抽出したトランジェント信号を目標信号と雑音とに類別する方法が記載されている。
また、特許文献2には、パワー分析では、目標トランジェント信号の帯域外に大きなパワーの雑音が存在すると、該目標トランジェント信号を認識できないという欠点が指摘され、該欠点を克服するための技術が提案されている。特許文献2には、受信信号をFFT処理して周波数毎に正規化すると共に受信信号から音源の方位を算出し、正規化後の信号と方位信号とを加算する技術が記載されている。このような処理を行うことで、周波数特性に依存することなく、トランジェント信号のレベル変化量を表示できるようになる。
また、ソーナー装置ではなく電波探知装置に関する発明であるが、特許文献3には、インパルス性の雑音(空電雑音)を抑圧する方法として、受信信号を所定の帯域毎に複数の信号に分割して処理する方法が記載されている。
また、特許文献4には、水中に存在する音源(目標)が発する音はその到来方位の指向性が高いことに着目して、受信信号から目標信号を検出するための技術が提案されている。特許文献4には、受信信号から抽出したトランジェント信号の方位ベクトルを求め、該方位ベクトルの大きさ(方位集中度)が予め設定された閾値以上であるとき、該トランジェント信号を目標信号と判定する技術が記載されている。
さらに、特許文献5には、例えば携帯電話機等において、音声信号に重畳されている雑音を抑圧するための技術が記載されている。特許文献5には、抑圧対象となる雑音の情報(雑音情報)を保存しておき、雑音を含む音声信号の分析結果に基づいて混合雑音情報(疑似雑音情報)を生成し、該混合雑音情報を用いて雑音を抑圧する技術が記載されている。
また特許文献6には、時系列データから同一周波数成分を積分しノイズを除去する積分回路、信号方位を演算する方位検出手段としての方位検出回路、演算結果から信号方位の分散dを演算する手段としての方位分散計算回路、分散dが小さい信号方位を強調荷重する手段としての方位分散荷重回路が記載されている。また音響信号はスピーカから音響出力され、強調荷重された信号方位を濃淡画像描画回路がソナグラムの濃淡画像上に表示することが記載されている。
なお、音声信号のS/N(Signal to Noise)を改善する方法としては、例えば非特許文献1に記載された技術がある。非特許文献1には、音声信号のレベルからノイズフロアレベルを推定して背景雑音(定常雑音)を抑圧する方法が示されている。
特開平10−177066号公報 特開2014−032081号公報 特開2011−244275号公報 特開2010−169644号公報 特表2012−148860号公報 特開平08−184660号公報
加藤正徳他、重み付き雑音推定とMMSE STSA法に基づく高音質雑音抑圧、電子情報通信学会論文誌 2004/7 Vol. J87-A No.7
上述した特許文献1に記載された技術では、目標信号の検出精度を向上させるために十分な数のサンプルデータを用いた事前学習が必要となる。そのため、目標信号と雑音とを類別するための処理に要する計算量が大きくなる。一方、特許文献4に記載された技術は、特許文献1に記載された技術のように事前学習の必要がなく、計算量も少なくて済む。
しかしながら、特許文献1及び4に記載された技術は、どちらも目標信号の検出精度を向上させるためのものあり、受信信号から雑音を除去(抑圧)するものではない。そのため、オペレータの目視・聴音による目標信号の検出容易性(探知性)を向上させることはできない。
また、上述した特許文献2に記載された技術は、受信信号の信号レベルの変化を容易に確認できるようになるが、周波数分析結果の表示方法を改善したり、聴音装置から出力される音声を改善したりするものではない。そのため、特許文献2に記載された技術もオペレータによる目標信号の探知性を向上させるものではない。また、特許文献2に記載された技術では、雑音と目標信号の識別が困難であり、雑音を誤って目標信号として検出してしまう可能性もある。以下では、雑音を誤って目標信号として検出することを「誤警報」と称す。
なお、上述した特許文献3や5に記載された技術をパッシブソーナー装置に適用すれば、受信信号に含まれる空電雑音を抑圧できる。しかしながら、特許文献3や5に記載された技術では、目標トランジェント信号まで空電雑音と共に抑圧してしまう可能性がある。
また、非特許文献1に記載された雑音抑圧技術をパッシブソーナー装置に適用すれば、受信信号に含まれる背景雑音(定常雑音)を低減できる。しかしながら、非特許文献1に記載された技術は、目標から発せられる定常音や過渡音まで低減してしまう可能性があるため、受信信号から目標信号を検出するパッシブソーナー装置にそのまま適用することはできない。
本発明は上述したような背景技術の問題を解決するためになされたものであり、オペレータによる目標信号の探知性の向上に寄与するソーナー装置、信号処理方法及びプログラムを提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するため本発明の一側面によるソーナー装置は、受信音の大きさや周波数、並びに前記受信音の到来方位の情報を含む電気信号である受信信号を、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数の周波数セルに分割し、前記周波数セル毎に前記受信音の到来方位を示す方位ベクトルを算出すると共に、全ての前記周波数セルの方位ベクトルを合成した合成ベクトル及び前記合成ベクトルで示される方位である合成ベクトル方位を算出する信号検出処理ユニットと、
前記合成ベクトル方位と前記方位ベクトルで示される方位である信号方位との差を前記周波数セル毎に算出し、前記合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、前記合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、前記受信信号に含まれる定常雑音を抑圧するための所定の第1雑音抑圧処理を施す雑音抑圧処理ユニットと、を有する。
一方、本発明の他の側面による信号処理方法は、
受信音の大きさや周波数、並びに前記受信音の到来方位の情報を含む電気信号である受信信号を、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数の周波数セルに分割し、
前記周波数セル毎に前記受信音の到来方位を示す方位ベクトルを算出すると共に、全ての前記周波数セルの方位ベクトルを合成した合成ベクトル及び前記合成ベクトルで示される方位である合成ベクトル方位を算出し、
前記合成ベクトル方位と前記方位ベクトルで示される方位である信号方位との差を前記周波数セル毎に算出し、
前記合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、前記合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、前記受信信号に含まれる定常雑音を抑圧するための所定の第1雑音抑圧処理を施す方法である。
また、本発明のさらに他の側面によるプログラムは、コンピュータに、
受信音の大きさや周波数、並びに前記受信音の到来方位の情報を含む電気信号である受信信号を、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数の周波数セルに分割させ、
前記周波数セル毎に前記受信音の到来方位を示す方位ベクトルを算出させ、
全ての前記周波数セルの方位ベクトルを合成した合成ベクトル及び前記合成ベクトルで示される方位である合成ベクトル方位を算出させ、
前記合成ベクトル方位と前記方位ベクトルで示される方位である信号方位との差を前記周波数セル毎に算出させ、
前記合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、前記合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、前記受信信号に含まれる定常雑音を抑圧するための所定の第1雑音抑圧処理を施させるための処理を実行させるためのプログラムである。
本発明の上記側面によれば、オペレータによる目標信号の探知性の向上に寄与するソーナー装置が得られる。
本発明の実施形態における定常雑音の抑圧処理の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態のソーナー装置の一構成例を示すブロック図である。 図2に示した雑音抑圧処理ユニットによる処理の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態の信号処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の効果の一例を示す模式図である。
次に本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施形態では、以下の(1)〜(3)で示す3段階の処理を実行することで、誤警報の発生を抑制しつつ受信信号に含まれる雑音を抑圧し、雑音抑圧後の受信信号から目標信号を検出する。
(1)空電雑音及びアクティブパルス発振音の性質を利用して、受信信号(RAW信号)から空電雑音及びアクティブパルス発振音に対応する信号をそれぞれ検出する(誤警報検出処理)。
(2)上記(1)の処理で検出した空電雑音(過渡雑音)の信号を抑圧すると共に、定常雑音の信号を抑圧する(雑音抑圧処理)。アクティブパルス発振音については、該発振音の信号自体を抑圧するのではなく、後述するように該アクティブパルス発振音に起因して発生する誤警報を抑制する。
(3)上記(2)の処理による雑音抑圧後のRAW信号から、信号レベルが予め設定された閾値を超える信号を目標信号として検出する。
まず、上記(1)に記載の誤警報検出処理について説明する。
上述したように空電雑音は雷等で発生する電波波ノイズが受信信号に混入することで発生する。空電雑音は、その信号レベルが目標信号と同程度であることが多い。しかしながら、上記特許文献3に記載されているように、目標が発する音は指向性を有し、空電雑音は指向性を有さない。そこで、本発明の実施形態では、目標信号や空電絶音を含む、信号レベルが予め設定された閾値(γ)よりも大きいトランジェント信号を抽出し、該抽出した信号の指向性を示す値を算出する。指向性を示す値としては、例えば上記引用文献4に記載された「方位集中度」を用いればよい。そして、該指向性を示す値が予め設定された閾値以下となる信号を指向性が無い空電雑音(過渡雑音)として検出する。
一方、アクティブパルス発振音は、上述したようにパッシブソーナー装置の近傍に配置されたアクティブソーナー装置から発せられる目標探知用の発振音であり、通常は周囲音と比べて極めて大きな音である。そのため、受信音を電気信号に変換する音声センサ(マイクロフォン)では、アクティブパルス発振音を受信すると、その周波数の信号出力が飽和する。逆に、それ以外の周波数領域では、音のエネルギーがアクティブパルス発振音の周波数に集中しているため、音声センサからの出力レベルが非常に小さくなる。
そこで、本発明の実施形態では、予め設定された閾値(α)以上の大きなレベルの信号をアクティブパルス発振音として検出する。あるいは、信号レベルが予め設定された閾値(β)以下であり、その状態が所定時間だけ継続する期間をアクティブパルス発振音として検出する。
閾値(α)は、アクティブパルス発振音が音声センサの動作周波数帯域内の周波数で発生している場合に用いる閾値であり、例えば信号の飽和レベルに設定すればよい。また、閾値(β)は、アクティブパルス発振音が音声センサの動作周波数帯域外の周波数で発生している場合に用いる閾値であり、例えば零よりもわずかに大きな値に設定すればよい。
ここで、アクティブパルス発振音の周波数が既知の場合は、その周波数が音声センサの動作周波数帯域内であるか否かに応じて最適な閾値を用いればよい。アクティブパルス発振音の周波数が不明の場合は、受信信号のレベルを閾値(α)及び(β)とそれぞれ比較することでアクティブパルス発振音を検出すればよい。
上述したように、アクティブパルス発振音の発生期間では該発振音以外の周波数の信号レベルが非常に小さくなる。一方、それ以外の期間では、定常雑音等が存在するため、該発振音の開始時や終了時において信号レベルが急激に変化する。そのため、ソーナー装置が採用している信号処理方式によっては、該レベルの変化をトランジェント信号として検出してしまうことがある。
アクティブパルス発振音の発生期間では、非常に大きな音である該アクティブパルス発振音の信号によって、目標信号や雑音等を含むその他の信号がマスキングされる。すなわち、アクティブパルス発振音が発生している期間では、目標信号や雑音等を検出できない。したがって、アクティブパルス発振音の発生期間内あるいはその直前や直後で検出されるトランジェント信号は誤警報の可能性が高い。このことは、アクティブパルス発振音が音声センサの動作周波数帯域外で発生していても動作周波数帯域内で発生していても同様である。
そこで、本発明の実施形態では、アクティブパルス発振音を検出すると、該発振音の検出期間、並びにその前後の一定期間を無効期間に設定し、該無効期間では、上記前処理を除いて、受信信号に含まれる目標信号または雑音を検出するための信号検出処理を停止する。その場合、アクティブパルス発振音の開始時や終了時に信号レベルが急激に変化しても、該レベルの変化がトランジェント信号として検出されることはない。その結果、アクティブパルス発振音に起因して発生する誤警報を抑制できる。
なお、アクティブパルス発振音が音声センサの動作周波数帯域内で発生している場合、表示部には非常に大きいレベルの信号が表示され、聴音部からは非常に大きな音が出力される。したがって、上記無効期間では、例えば受信信号を受け付けない、あるいは表示部や聴音部へ信号を出力しないことで、アクティブパルス発振音の表示や音声による再生を停止してもよい。
次に上記(2)に記載の雑音抑圧処理について説明する。
雑音抑圧処理では、まず上記(1)の誤警報検出処理で検出された過渡雑音(空電雑音)を、例えば特許文献5に記載された技術を用いて抑圧する。その結果、目標トランジェント信号を抑圧することなく、過渡雑音のみを抑圧できる。
次に、上記過渡雑音を抑圧した後、受信信号に含まれる定常雑音を、例えば上記非特許文献1に記載された技術を用いて抑圧する。このとき、目標から発せられる定常音や過渡音に対応する信号が抑圧されるのを防止するため、以下の処理を併せて実行する。
ソーナー装置では、例えば特許文献4に記載されているように、全方位、南北方向、あるいは東西方向に指向性が形成された複数種類の音声センサを用いて音波が受信される。そのため、各音声センサの出力信号を合成した受信信号には、受信音の大きさや周波数だけでなく、受信音の到来方位の情報が含まれる。受信信号は、所定の周期毎にFFT処理された後、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数のセル(以下、周波数セルと称す)に分割され、周波数セル毎に受信音の到来方位や大きさを示す方位ベクトルが算出される。
ここで、上述したように目標(音源)から発せられた音波は、その到来方位の指向性が高い。そのため、該音波の周波数に対応する周波数セルの方位ベクトルで示される方位(信号方位)が、該目標からの音波の正しい到来方位を示していると考えられる。但し、目標から発せられる音波の周波数は既知とは限らない。そこで、本発明の実施形態では、所定の時刻tにおいて算出された全ての周波数セルの方位ベクトルを合成(加算)して合成ベクトルを求める。そして、該合成ベクトルで示される方位(合成ベクトル方位)を、該時刻tにおける音波の到来方位と仮定する。
さらに、本発明の実施形態では、合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、周波数セル単位で雑音抑圧処理を施す。例えば、図1に示すように、合成ベクトル方位との差が予め設定された閾値以下の信号方位の周波数セルの信号については雑音抑圧処理を施さない(抑圧処理OFF)。一方、合成ベクトル方位との差が予め設定された閾値よりも大きい信号方位の周波数セルの信号については所定の雑音抑圧処理を施す(抑圧処理ON)。
上記の処理により、周波数セル毎の信号方位のバラツキが小さい信号は抑圧されず、周波数セル毎の信号方位のバラツキが大きい信号は抑圧されることになる。すなわち、到来方位の指向性が高い目標信号が抑圧されるのを抑制しつつ、指向性が低い定常雑音(背景雑音)等を効果的に抑圧できる。図1は、合成ベクトル方位が45°であり、信号方位が45±10°以内の周波数セルの信号に雑音抑圧処理を施さず、信号方位が45±10°を超える周波数セルの信号に雑音抑圧処理を施す例を示している。
なお、雑音抑圧処理は、合成ベクトル方位と周波数セルの信号方位との差の値に応じて抑圧効果を変化させることができればよく、上述したように抑圧処理をONまたはOFFへ切り替える方法に限定されるものではない。例えば、合成ベクトル方位との差の値に応じて抑圧効果が変化する変換関数を予め作成しておき、該変換関数に基づいて抑圧効果を制御してもよい。
また、雑音の抑圧方法は、上述した特許文献5や非特許文献1に記載された方法に限定されるものではなく、例えばウィーナーフィルタを用いた雑音抑圧方法等、周知のその他の方法を用いてもよい。
さらに、上記(2)で示した雑音抑圧処理を実行する前に、音波の到来方位と思われる方向に対して周知の指向性合成処理を実行することで、受信信号のS/Nを改善してから雑音抑圧処理を実行してもよい。
次に本発明の実施形態のソーナー装置の構成及び動作について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の実施形態のソーナー装置の一構成例を示すブロック図である。図2は、本発明の実施形態の信号処理方法をパッシブソーナー装置に適用する場合の構成例を示している。
図2に示すように、ソーナー装置は、第1FFT部1、信号検出処理ユニット10、雑音抑圧パラメータ制御部2、雑音抑圧処理ユニット20、第2FFT部3、検出部4、表示部31及び聴音部32を有する。
図2に示す第1FFT部1、信号検出処理ユニット10、雑音抑圧パラメータ制御部2、雑音抑圧処理ユニット20、第2FFT部3及び検出部4は、例えば周知の情報処理装置(コンピュータ)によって実現できる。情報処理装置は、例えば不揮発性メモリ、作業メモリ、A/D(Analog to Digital)変換器、D/A(Digital to Analog)変換器、各種の論理回路から成るLSI(Large Scale Integration)、DSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)等を備えた構成である。情報処理装置は、予め不揮発性メモリに格納された所定のプログラムにしたがってCPUやDSPが処理を実行することで、後述する本発明の実施形態の信号処理方法を実現する。プログラムは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等、非一時的な記録媒体に格納されてもよい。表示部31は周知のディスプレイ装置で実現され、聴音部32は周知のスピーカで実現される。
信号検出処理ユニット10は、アクティブパルス検出処理ユニット11、閾値超検出溜め込み部14及び空電雑音検出処理ユニット15を備えている。
第1FFT部1は、受信信号(RAW信号)に対して所定の周期毎にFFT処理を実行して周波数スペクトル信号を生成する。
信号検出処理ユニット10は、上述した誤警報検出処理により、周波数スペクトル信号に含まれる空電雑音及びアクティブパルス発振音を検出する。また、信号検出処理ユニット10は、空電雑音やアクティブパルス発振音の検出時に得られる上記方位集中度、合成ベクトル方位、目標信号を検出した時刻(目標検出時刻)、誤警報を検出した時刻(誤警報検出時刻)等の情報を出力する。
アクティブパルス検出処理ユニット11は、レベル判定部12及び無効化処理部13を備えている。
レベル判定部12は、予め設定された閾値(α,β)を用いて受信信号(RAW信号)に含まれるアクティブパルス発振音を検出する。上述したように、レベル判定部12は、予め設定された閾値(α)以上の大きなレベルの信号をアクティブパルス発振音として検出する。あるいは、信号レベルが予め設定された閾値(β)以下であり、その状態が所定時間だけ継続する期間をアクティブパルス発振音として検出する。さらに、レベル判定部12は、目標信号や空電雑音を抽出するために、信号レベルが予め設定された閾値(γ)を超えるトランジェント信号のデータを閾値超検出溜め込み部14に出力する。
無効化処理部13は、レベル判定部12で検出された、信号レベルが閾値(α)を超える期間、または信号レベルが閾値(β)以下となる期間と、その前後X秒間を無効期間に指定する。そして、無効化処理部13は、該無効期間の開始時刻及び終了時刻をそれぞれ雑音抑圧パラメータ制御部2へ通知する。Xの値は、例えばアクティブパルス発振音の開始時及び終了時における信号レベル変化をトランジェント信号として検出しないように、該トランジェント信号として想定される継続時間よりも長い時間に設定すればよい。無効期間では、レベル判定部12による上記閾値(γ)を用いた目標信号や空電雑音を抽出するための信号検出処理も停止される。あるいはレベル判定部12で検出された信号が無効化される。なお、アクティブパルス発振音が音声センサの動作周波数帯域外の周波数で発生している場合、無効化処理部13は、該無効期間の開始時刻及び終了時刻を雑音抑圧パラメータ制御部2へ通知しなくてもよい。
閾値超検出溜め込み部14は、レベル判定部12で検出された信号レベルが閾値(γ)を超える期間の信号データを蓄積し、信号レベルが閾値(γ)以下となった時点で蓄積したデータを空電雑音検出処理ユニット15へ出力する。
空電雑音検出処理ユニット15は、集中度計算部16及び集中度判定部17を備えている。
集中度計算部16は、閾値超検出溜め込み部14から出力された、閾値(γ)を超えるトランジェント信号のうち、例えば信号レベルが最大となる時刻(検出ピーク時刻)における方位集中度を計算する。また、集中度計算部16は、方位集中度と共に合成ベクトル方位を算出して雑音抑圧パラメータ制御部2に出力する。周波数セル毎の方位ベクトルや合成ベクトル方位は、集中度計算部16で算出してもよく、ソーナー装置が備える不図示の目標信号検出装置で算出して集中度計算部16に供給してもよい。目標信号検出装置の構成や処理は、上記特許文献4に記載されている。
集中度判定部17は、集中度計算部16で求めた方位集中度を予め設定された閾値と比較し、該閾値よりも大きい信号を目標信号と判定し、該閾値よりも小さい信号を空電雑音と判定する。集中度判定部17は、目標信号を検出した時刻(目標検出時刻)や空電雑音を検出した時刻(誤警報検出時刻)を含む判定結果を雑音抑圧パラメータ制御部2へ通知する。
なお、上記説明では、方位集中度を用いて目標信号と空電雑音を類別する例を示したが、方位集中度に代えて、例えば周知の位相誤差分散を用いて目標信号と空電雑音を類別することも可能である。その場合、対象となる信号の位相に広がりがある場合は空電雑音と判定し、該位相が一定の範囲に集まっている場合は目標信号と判定すればよい。位相誤差分散の算出方法は、例えば特開2002−107446号公報に記載されている。
雑音抑圧パラメータ制御部2は、信号検出処理ユニット10から出力された判定結果、目標検出時刻、誤警報検出時刻等の情報に基づき、雑音抑圧処理ユニット20へ雑音抑圧用の各種パラメータを出力する。上述したように、過渡雑音(空電雑音)を抑制するためのパラメータは、例えば特許文献5に記載された技術を用いて生成すればよい。また、定常雑音を抑制するためのパラメータは、例えば非特許文献1に記載された技術を用いて生成すればよい。さらに、雑音抑圧パラメータ制御部2は、定常雑音の抑圧処理時に周波数セル単位で雑音の抑圧効果を変化させるための情報(パラメータ)を雑音抑圧処理ユニット20に出力する。また、雑音抑圧パラメータ制御部2は、無効化処理部13から通知された無効期間の開始時刻及び終了時刻を雑音抑圧処理ユニット20へ通知する。
雑音抑圧処理ユニット20は、雑音抑圧パラメータ制御部2から供給された各種パラメータを用いて、RAW信号に含まれる過渡雑音(空電雑音)及び定常雑音を抑圧し、雑音抑圧後のRAW信号を出力する。
雑音抑圧処理ユニット20は、インパルス雑音抑圧処理部21及び定常雑音抑圧処理部22を備えている。インパルス雑音抑圧処理部21は、RAW信号に含まれる過渡雑音を、該過渡雑音を抑圧するための雑音抑圧処理(第2雑音抑圧処理)により抑圧する。また、定常雑音抑圧処理部22は、RAW信号に含まれる定常雑音を、該定常雑音を抑圧するための雑音抑圧処理(第1雑音抑圧処理)により抑圧する。
なお、上記無効期間において、アクティブパルス発振音の表示や音声再生を停止する場合、雑音抑圧処理ユニット20は、上記無効期間の開始時刻及び終了時刻の情報に基づいて、信号入力の受付あるいは信号出力を停止すればよい。
雑音抑圧処理ユニット20による雑音抑圧処理の実行例を図3に示す。図3は、図2に示した雑音抑圧処理ユニットによる処理の一例を示す模式図である。
図3(a)は雑音抑圧処理を実行する前の信号波形の一例を示し、図3(b)は図3(a)に示した信号の方位集中度の変化を示している。また、図3(c)は、図3(a)に示した信号において、誤警報として検出された過渡雑音に対する抑圧処理のタイミングを示している。図3(d)は、図3(a)に示した信号において、定常雑音に対する抑圧処理のタイミングを示している。図3(e)は、雑音抑圧処理ユニットによる雑音抑圧処理後の信号波形の様子を示している。
なお、図3(a)及び(e)の縦軸はそれぞれ信号レベル(レベル変化量の大きさ)を示し、図3(b)の縦軸は方位集中度の値を示している。図3(a)〜(e)の横軸はそれぞれ時間を示している。図3(c)及び(d)におけるON期間は雑音抑圧処理の実行期間をそれぞれ示し、OFF期間は雑音抑圧処理の非実行期間をそれぞれ示している。
雑音抑圧処理ユニット20から出力された雑音抑圧後の受信信号は、第2FFT部3により周波数スペクトル信号に変換され、検出部4により目標信号が検出される。検出部4は、信号レベルが予め設定された閾値(γ)を超える信号を目標信号として判定すればよい。その場合、検出部4は、雑音抑圧後のRAW信号を用いて目標信号の有無を判定するため、より正確に目標信号を検出できる。
表示部31は、検出部4から出力された信号処理結果を示す画像を表示する。
聴音部32は、雑音抑圧処理ユニット20から出力された雑音抑圧後のRAW信号をアナログ信号に変換し、変換後の信号を増幅し音声として再生する。
図4は、本発明の実施形態の信号処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、不図示の音声センサで受信され、所定の前処理が施された受信信号(RAW信号)は、第1FFT部1にてFFT処理されて周波数スペクトル信号に変換される(ステップSA1)。第1FFT部1から出力された周波数スペクトル信号はレベル判定部12に入力される。
レベル判定部12は、予め設定された閾値(α,β)を用いて受信信号にアクティブパルス発振音が含まれているか否かを判定する(ステップSA2)。レベル判定部12は、アクティブパルス発振音を検出すると、その検出結果を無効化処理部13に通知する。無効化処理部13は、レベル判定部12から通知される、信号レベルが閾値(α)を超える期間、または信号レベルが閾値(β)以下の期間、並びにその前後のX秒間を無効期間に指定する。また、無効化処理部13は、該無効期間におけるレベル判定部12による信号検出処理を停止させる、あるいはレベル判定部12で検出された信号を無効化する。
さらに、無効化処理部13は、該無効期間の開始時刻及び終了時刻を雑音抑圧パラメータ制御部2へ通知する。この場合、雑音抑圧パラメータ制御部2は、ステップSA6の処理へ移行して雑音抑圧処理ユニット20に無効期間における信号入力の受付あるいは信号出力を停止させる。
レベル判定部12は、アクティブパルス発振音を検出しない期間では、予め設定された閾値(γ)を用いて受信信号から目標信号や空電雑音を抽出する(ステップSA3)。このとき、レベル判定部12は、受信信号のレベルが予め設定された閾値(γ)を超えると、その信号データを閾値超検出溜め込み部14に蓄積する。そして、レベル判定部12は、受信信号のレベルが閾値(γ)以下となったか否かを判定し(ステップSA4)、閾値(γ)以下でない場合はステップSA3に戻ってステップSA3及びSA4の処理を繰り返す。受信信号のレベルが閾値(γ)以下となると、レベル判定部12は、閾値超検出溜め込み部14に蓄積された信号データを集中度計算部16へ出力させる。
集中度計算部16は、閾値超検出溜め込み部14から出力されたデータに基づき、例えば検出ピーク時刻における周波数セル毎の方位集中度を計算し、該方位集中度に基づき、集中度判定部17にて目標信号であるか空電雑音であるかを判定する(ステップSA5)。
雑音抑圧パラメータ制御部2は、信号検出処理ユニット10から出力された判定結果に基づき、雑音抑圧用のパラメータを雑音抑圧処理ユニット20に供給する。雑音抑圧処理ユニット20は、雑音抑圧パラメータ制御部2から受け取ったパラメータを用いて受信信号(RAW信号)に上述した雑音抑圧処理を施す(ステップSA6)。
第2FFT部3は、雑音が抑圧されたRAW信号に対してFFT処理を行い、周波数スペクトル信号を出力する(ステップSA7)。
検出部4は、第2FFT部3から出力された周波数スペクトル信号から目標信号を検出する(ステップSA8)。
表示部31は信号処理結果を示す画像を表示し、聴音部32は雑音抑圧後のRAW信号を音声として再生する(ステップSA9)。
図5は、本発明の実施形態の効果の一例を示す模式図である。図5(a)は本発明の実施形態の信号処理を適用する前の信号波形の一例を示し、図5(b)は図5(a)に示した信号のスペクトログラムの一例を示している。また、図5(c)は本発明の実施形態の信号処理を適用した後の信号波形の一例を示し、図5(d)は図5(c)に示した信号のスペクトログラムの一例を示している。なお、図5(a)及び(c)の縦軸は信号レベル(レベル変化量の大きさ)を示し、図5(b)及び(d)の縦軸は周波数を示している。図5(a)〜(d)の横軸はそれぞれ時間を示している。
上述したように、本発明の実施形態では信号レベルが所定の閾値(γ)を超えるトランジェント信号について、到来方位の指向性を示す値(方位集中度)が算出され、到来方位に指向性が無いと判定された信号が抑圧される。図5(a)に示す例では、目標信号が検出される以前に検出閾値を超えた各トランジェント信号がそれぞれ抑圧対象となる。その場合、本発明の実施形態の信号処理方法を適用すると、図5(c)で示すように、これらの信号が抑圧されていることが確認できる。また、図5(c)に示す信号波形では、定常雑音の抑圧効果により、図5(a)に示した信号波形と比べて背景雑音のレベルが低減し、その一方で目標信号のレベルが低減していないことが確認できる。
本発明の実施形態によれば、定常雑音の抑圧処理時に、合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、該差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように雑音抑圧処理を施す。そのため、所要の目標信号が抑圧されるのを抑制しつつ、定常雑音(背景雑音)を効果的に抑圧できる。
また、本発明の実施形態では、空電雑音の性質を利用して、受信信号から該空電雑音に対応する信号を検出して抑圧する。そのため、目標トランジェント信号を抑圧することなく、空電雑音(過渡雑音)のみを抑圧できる。
さらに、本発明の実施形態では、アクティブパルス発振音の性質を利用して受信信号から該アクティブパルス発振音の発生期間を検出し、該発生期間及びその前後の一定期間を無効期間に設定し、該無効期間における信号検出処理を停止する。そのため、アクティブパルス発振音に起因して発生する誤警報を抑制できる。
したがって、誤警報の発生が抑制されると共に、目標信号を抑圧することなく定常雑音(背景雑音)のレベルを低減できる。そのため、オペレータの目視・聴音による目標信号の探知性の向上に寄与するパッシブソーナー装置が得られる。
なお、本発明の実施形態は、上述したパッシブソーナー装置だけでなく、到来方位の情報を備えた信号を処理対象とする装置であれば、その他の信号処理装置にも適用可能である。そのような装置としては、アクティブソーナー装置や複数の方位から到来する音声を収集して処理する音声収集装置等がある。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2014年5月19日に出願された日本出願特願2014−103101を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 第1FFT部
2 雑音抑圧パラメータ制御部
3 第2FFT部
4 検出部
10 信号検出処理ユニット
11 アクティブパルス検出処理ユニット
12 レベル判定部
13 無効化処理部
14 閾値超検出溜め込み部
15 空電雑音検出処理ユニット
16 集中度計算部
17 集中度判定部
20 雑音抑圧処理ユニット
21 インパルス雑音抑圧処理部
22 定常雑音抑圧処理部
31 表示部
32 聴音部

Claims (9)

  1. 受信音の大きさや周波数、並びに前記受信音の到来方位の情報を含む電気信号である受信信号を、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数の周波数セルに分割し、前記周波数セル毎に前記受信音の到来方位を示す方位ベクトルを算出すると共に、全ての前記周波数セルの方位ベクトルを合成した合成ベクトル及び前記合成ベクトルで示される方位である合成ベクトル方位を算出する信号検出処理ユニットと、
    前記合成ベクトル方位と前記方位ベクトルで示される方位である信号方位との差を前記周波数セル毎に算出し、前記合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、前記合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、前記受信信号に含まれる定常雑音を抑圧するための所定の第1雑音抑圧処理を施す雑音抑圧処理ユニットと、
    を有するソーナー装置。
  2. 前記雑音抑圧処理ユニットは、
    前記合成ベクトル方位との差が予め設定された第1閾値以下の信号方位の周波数セルの信号に前記第1雑音抑圧処理を施さず、前記合成ベクトル方位との差が前記第1閾値を超える信号方位の周波数セルの信号に前記第1雑音抑圧処理を施す請求項1記載のソーナー装置。
  3. 前記信号検出ユニットは、
    前記受信信号から信号レベルが予め設定された第2閾値よりも大きいトランジェント信号を抽出し、該抽出したトランジェント信号の指向性を示す値を算出し、前記指向性を示す値が予め設定された第3閾値以下となるトランジェント信号を過渡雑音として検出し、
    前記雑音抑圧処理ユニットは、
    前記信号検出ユニットで検出された前記過渡雑音に、前記過渡雑音を抑圧するための所定の第2雑音抑圧処理を施す請求項1または2記載のソーナー装置。
  4. 前記信号検出ユニットは、
    前記受信信号の信号レベルが予め設定された第4閾値以上の期間、または前記信号レベルが予め設定された第5閾値以下であり、その状態が所定時間だけ継続する期間をアクティブパルス発振音の発生期間として検出し、該検出した発生期間と前記発生期間前後の予め設定した期間とを無効期間に設定し、前記無効期間における、前記受信信号に含まれる監視対象となる目標が発する音波に対応する目標信号または前記受信信号に含まれる雑音を検出するための信号検出処理を停止する請求項1から3のいずれか1項記載のソーナー装置。
  5. 受信音の大きさや周波数、並びに前記受信音の到来方位の情報を含む電気信号である受信信号を、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数の周波数セルに分割し、
    前記周波数セル毎に前記受信音の到来方位を示す方位ベクトルを算出すると共に、全ての前記周波数セルの方位ベクトルを合成した合成ベクトル及び前記合成ベクトルで示される方位である合成ベクトル方位を算出し、
    前記合成ベクトル方位と前記方位ベクトルで示される方位である信号方位との差を前記周波数セル毎に算出し、
    前記合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、前記合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、前記受信信号に含まれる定常雑音を抑圧するための所定の第1雑音抑圧処理を施す信号処理方法。
  6. 前記合成ベクトル方位との差が予め設定された第1閾値以下の信号方位の周波数セルの信号に前記第1雑音抑圧処理を施さず、前記合成ベクトル方位との差が前記第1閾値を超える信号方位の周波数セルの信号に前記第1雑音抑圧処理を施す請求項5記載の信号処理方法。
  7. 前記受信信号から信号レベルが予め設定された第2閾値よりも大きいトランジェント信号を抽出し、
    該抽出したトランジェント信号の指向性を示す値を算出し、前記指向性を示す値が予め設定された第3閾値以下となるトランジェント信号を過渡雑音として検出し、
    該検出された前記過渡雑音に、前記過渡雑音を抑圧するための所定の第2雑音抑圧処理を施す請求項5または6記載の信号処理方法。
  8. 前記受信信号の信号レベルが予め設定された第4閾値以上の期間、または前記信号レベルが予め設定された第5閾値以下であり、その状態が所定時間だけ継続する期間をアクティブパルス発振音の発生期間として検出し、
    該検出した発生期間と前記発生期間前後の予め設定した期間とを無効期間に設定し、
    前記無効期間における、前記受信信号に含まれる監視対象となる目標が発する音波に対応する目標信号または前記受信信号に含まれる雑音を検出するための信号検出処理を停止する請求項5から7のいずれか1項記載の信号処理方法。
  9. コンピュータに、
    受信音の大きさや周波数、並びに前記受信音の到来方位の情報を含む電気信号である受信信号を、周波数軸方向に所定の周波数範囲から成る複数の周波数セルに分割させ、
    前記周波数セル毎に前記受信音の到来方位を示す方位ベクトルを算出させ、
    全ての前記周波数セルの方位ベクトルを合成した合成ベクトル及び前記合成ベクトルで示される方位である合成ベクトル方位を算出させ、
    前記合成ベクトル方位と前記方位ベクトルで示される方位である信号方位との差を前記周波数セル毎に算出させ、
    前記合成ベクトル方位との差が小さい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が弱く、前記合成ベクトル方位との差が大きい信号方位の周波数セルの信号ほど雑音の抑圧効果が強くなるように、前記受信信号に含まれる定常雑音を抑圧するための所定の第1雑音抑圧処理を施させるための処理を実行させるためのプログラム
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