JP6225507B2 - デュアルicカード - Google Patents

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Description

本発明は、デュアルICカードに関する。例えば、接触通信と非接触通信とが可能なデュアルICカードに関する。
従来、接触通信と非接触通信とが可能なデュアルICカードが提案されている。例えば、特許文献1〜3には、通信機能を有するICモジュールを、カード本体に設けられたアンテナと電磁的に結合(電磁結合、トランス結合)することにより、ICモジュールとアンテナとの間に電気接点を有しない構成としたデュアルICカードが記載されている。
国際公開第WO99/26195号 国際公開第WO98/15916号 国際公開第WO96/35190号
しかしながら、上記のような従来のデュアルICカードには、以下のような問題があった。
接触通信と非接触通信とが可能なデュアルICカードの場合、例えば、ISO14443に規定されるTypeAおよびTypeB方式を用いた非接触通信を行う。この場合、デュアルICカードから外部機器であるリーダーライターへのデータ伝送に副搬送波が使用される。
ところが、ICモジュールとアンテナとが電磁的に結合されたデュアルICカードでは、カード本体側のアンテナがICチップに直接的に接続されないため、アンテナがICチップに直接的に接続される場合に比べて、共振回路の負荷が低くなる。すなわち、デュアルICカード全体としての共振回路のQ値は高くなる。
このため、搬送波に対してデュアルICカード側の共振周波数が、例えば、製造ばらつきなどによりばらついた場合、上側波帯および下側波帯のレベル差が大きくなり、通信品質に影響を与える可能性があるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ICモジュールをアンテナに電磁的に結合しつつ共振回路のQ値が低い構成とすることができ、安定した通信品質が得られるデュアルICカードを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様のデュアルICカードは、外部機器と接触するための接触端子部と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイルと、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップと、を有するICモジュールと、該ICモジュールの前記接続コイルと電磁的に結合するための結合用コイル部と、外部機器との非接触通信を行うために前記結合用コイル部に接続された主コイル部とを有するアンテナと、該アンテナが配置される板状のカード本体と、を備え、前記アンテナは、前記結合用コイル部および前記主コイル部が、それぞれのインダクタンスを規定するスパイラル状のコイル配線経路に沿って形成され、記主コイル部の前記コイル配線経路上の区間に、該区間の長さに比べて線路長が長い配線を設けることにより、前記区間を前記配線と同断面積、同材質の配線によって前記コイル配線経路に沿って結んだ場合に比べて前記区間における電気抵抗を増加させた抵抗増加部形成されており、前記カード本体は、
エンボス部が形成されており、前記抵抗増加部は、前記エンボス部と重ならない領域に形成されている構成とする。
本発明の第2の態様のデュアルICカードは、外部機器と接触するための接触端子部と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイルと、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップと、を有するICモジュールと、該ICモジュールの前記接続コイルと電磁的に結合するための結合用コイル部と、外部機器との非接触通信を行うために前記結合用コイル部に接続された主コイル部とを有するアンテナと、該アンテナが配置される板状のカード本体と、を備え、前記アンテナは、前記結合用コイル部および前記主コイル部が、それぞれのインダクタンスを規定するスパイラル状のコイル配線経路に沿って形成され、前記主コイル部の前記コイル配線経路上の区間に、該区間の長さに比べて線路長が長い配線を設けることにより、前記区間を前記配線と同断面積、同材質の配線によって前記コイル配線経路に沿って結んだ場合に比べて前記区間における電気抵抗を増加させた抵抗増加部が形成されており、前記カード本体は、平面視の外形が矩形状に形成されるとともに、この矩形外形の一方の長辺の近傍に該一方の長辺に沿ってエンボス加工可能領域が、他方の長辺の近傍に該他方の長辺に沿ってエンボス加工禁止領域が形成され、前記抵抗増加部は、前記エンボス加工禁止領域に形成されている構成とする。
上記デュアルICカードでは、前記抵抗増加部の電気抵抗は、前記抵抗増加部の両端の間に、前記コイル配線経路に沿って、前記抵抗増加部の配線と同材質、同断面積の配線が配置された場合の電気抵抗の2倍以上であることが好ましい。
上記デュアルICカードでは、前記抵抗増加部は、前記配線のパターンが、前記コイル配線経路に複数回交差する第1の屈曲パターンを有することが好ましい。
上記デュアルICカードでは、前記抵抗増加部は、前記配線のパターンが、前記コイル配線経路に対して多重に並列する第2の屈曲パターンを有することが好ましい。
上記デュアルICカードでは、前記カード本体は、矩形状に形成され、前記抵抗増加部は、前記主コイル部の最外周において、前記カード本体の長辺に沿う直線状の前記コイル配線経路上に形成されていることが好ましい。
上記デュアルICカードでは、前記抵抗増加部の前記配線は、第1の線幅を有し、外周側に開口するU字状に形成された単位パターンが、前記コイル配線経路に沿って複数配列されたU字状パターン部と、前記第1の線幅よりも広い第2の線幅を有し、互いに隣り合う前記単位パターン同士を、前記カード本体の長辺に沿って接続する直線状パターン部と、を有することが好ましい。
上記デュアルICカードでは、前記主コイル部における最外周に、前記抵抗増加部の前記配線よりも広い第3の線幅を有する最外周配線部が形成され、前記抵抗増加部は、前記最外周配線部の内周側に隣り合うコイル配線経路に沿って形成されていることが好ましい。
上記デュアルICカードでは、前記抵抗増加部は、線幅0.4mm以下のアルミニウム層で形成されていることが好ましい。
本発明のデュアルICカードによれば、アンテナが抵抗増加部を備えるため、ICモジュールをアンテナに電磁的に結合しつつ共振回路のQ値が低い構成とすることができ、安定した通信品質が得ることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態のデュアルICカードの模式的な平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の実施形態のデュアルICカードのアンテナの配置を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態のデュアルICカードの凹部近傍の結合用コイル部を示す模式的な拡大図である。 本発明の実施形態のデュアルICカードにおける抵抗増加部を示す平面視の部分拡大図、および配線パターンの模式図である。 本発明の実施形態の第1変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。 本発明の実施形態の第2変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。 本発明の実施形態の第3変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。 本発明の実施形態の第4変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。 本発明の実施形態の第5変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。 本発明の実施形態の第6、7変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
以下では、本発明の実施形態のデュアルICカードについて説明する。
図1は、本発明の実施形態のデュアルICカードの模式的な平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、本発明の実施形態のデュアルICカードのアンテナの配置を示す模式的な平面図である。図4は、本発明の実施形態のデュアルICカードの凹部近傍の結合用コイル部を示す模式的な拡大図である。図5(a)は、本発明の実施形態のデュアルICカードにおける抵抗増加部を示す平面視の部分拡大図である。図5(b)は、図5(a)における配線パターンの模式図である。
図1〜3に示すように、本実施形態のデュアルICカード1は、外部機器との間で、接触型通信と非接触型通信とが可能とされた装置であり、平面視の外形が略矩形状のカード本体2に、ICモジュール3と、アンテナ4とを備えている。
デュアルICカード1の外形等の形状は、適宜のカード規格に準じた外形等の形状を採用することができる。
カード本体2は、長辺に沿う方向の幅がLx(図1参照)、短辺に沿う方向の幅がLy(図1参照、ただし、Ly<Lx)、厚さがt(図2参照)の板状に形成され、平面視の四隅の角が丸められた略矩形状の外形輪郭を備える。例えば、JIS X6301:2005(ISO/IEC7816:2003)に準拠している場合、それぞれの公称値は、Lx=85.60(mm)、Ly=53.98(mm)、t=0.76(mm)、角Rは、R=3.18(mm)である。
カード本体2の材質は、適宜の電気絶縁性と耐久性が得られる樹脂材料を採用することができる。好適な材質の例としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)などの塩化ビニル系材料、ポリカーボネート系材料、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PET−G)などの例を挙げることができる。
また、カード本体2は、これらの材質からなるカード基材を複数積層したものを用いることができる。
カード本体2の表面2eには、図示略の文字等が記載されるか、または凸状にエンボス成形されており、図1に示すように長辺が横向きとなる配置状態で、これらの文字等の情報が正しい向きに配列されるようになっている。
以下では、このようにカード本体2を配置したとき、上側の長辺を構成する側面を第1長辺部2a、下側の長辺を構成する側面を第2長辺部2b、左側の短辺を構成する第1短辺部2c、右側の短辺を構成する側面を第2短辺部2dと称する。
また、方向参照の便宜のため、各長辺に沿う方向をx方向、各短辺に沿う方向をy方向と称する場合がある。
ここで、カード本体2に配置されたICモジュール3について説明する。
ICモジュール3は、図2に示すように、外部機器と接触して、電気的に接続するための接続端子部31(接触端子部)と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイル34と、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップ33と、を有している。
接続端子部31は、モジュール基板32の一方の面に形成された複数の電極から構成されており、カード本体2の表面2eに沿って整列された状態で、カード本体2の外部に露出されている。なお、接続端子部31の端子位置が、ISO/JIS規格に規定された端子位置に収まれば、接触端子部31およびモジュール基板32の外形・寸法は問われない。
接続端子部31の平面視の外形は、モジュール基板32の外形と一致されており、図1に示すように、四隅が丸められた矩形形状を有している。
接続端子部31およびモジュール基板32の外形の直線部分は、それぞれx方向またはy方向に沿って延ばされている。
接続端子部31における各電極の形状や配置は、デュアルICカード1が準拠する規格に基づいて設定されている。本実施形態では、x方向では第1短辺部2cの近傍に位置し、y方向では幅方向の中心よりもやや第1長辺部2a寄りに位置している。
例えば、図1に一例として示す形状は、JIS X6320−2:2009(ISO/IEC7816:2007)に規定される端子配置に対応している。
すなわち、当該規格の「C1端子」、「C2端子」、および「C3端子」と接触するためにそれぞれ設けられた第1端子部3a、第2端子部3b、および第3端子部3cがy方向に沿って配列されている。また、これらとx方向に対向する位置に、当該規格の「C5端子」、「C6端子」、および「C7端子」と接触するためにそれぞれ設けられた第4端子部3d、第5端子部3e、および第6端子部3fが配列されている。なお、「C1端子」等の位置は、図1において、第1端子部3a等の上に二点鎖線で示し、符号C1等を付している。
第1端子部3a、第2端子部3b、第3端子部3c、第4端子部3d、第5端子部3e、および第6端子部3fは、図示略の配線により、ICチップ33と電気的に接続されている。
このような電極配置とするため、本実施形態では接続端子部31の外形は、x方向の幅が13.0mm、y方向の幅が11.8mmである。
また、接続端子部31の外形において、カード本体2の第1短辺部2cに面する辺は、第1短辺部2cからx方向に9.0mmだけ離間した位置に配置され、カード本体2の第2長辺部2bに面する辺は、第2長辺部2bからx方向に26.0mmだけ離間した位置に配置されている。
接続コイル34は、図1、2に示すように、接続端子部31と反対側のモジュール基板32上において、接続端子部31の外形に沿って周回する渦巻き状に形成され、ICチップ33と電気的に接続されている。
ICチップ33は、接続端子部31と反対側のモジュール基板32上において、接続コイル34の内周側に配置され、図示略の配線により、接続端子部31および接続コイル34と電気的に接続されている。
このようなICモジュール3を製造するには、例えば、厚さ50μm〜200μmのガラスエポキシ基板やPETシートなどの絶縁基板で構成されたモジュール基板32の表裏面に、例えば、エッチングなどにより形成された銅箔パターンなどで、接続端子部31、接続コイル34を含む配線パターンを形成する。このとき、表裏の配線を接続する必要がある場合には、例えば、スルーホールなどを形成して表裏の配線を電気的に接続する。
表裏の銅箔パターンの露出部分には、例えば、0.5μm〜3μmのニッケルメッキが施され、さらにその上に0.01μm〜0.3μmの金メッキが施されている。
ICチップ33は、モジュール基板32の裏面に、例えば、ダイアタッチ用接着剤によって接着し、例えば、直径10μm〜40μmの金あるいは銅などのワイヤーによって、接続端子部31、接続コイル34、またはそれらに接続された配線パターンに対して、ワイヤーボンディングして接続され、例えば、エポキシ樹脂等からなる樹脂封止部36により封止される。
なお、このような製造方法は一例であって、例えば、接続端子部31を厚さ50μm〜200μmのリードフレームで形成し、その裏面側に銅線によって接続コイル34を形成した構成としてもよい。
このような構成のICモジュール3を収容するため、図2、3に示すように、カード本体2には、表面2eに開口する凹部からなるICモジュール収容部21が形成されている。
ICモジュール収容部21は、接続端子部31およびモジュール基板32の外形が嵌め込まれる開口を有する略矩形状の第1穴部22と、接続コイル34よりも突出する樹脂封止部36を収容するため第1穴部22の底部に設けられた略矩形状の第2穴部23とを備える。
第1穴部22の平面視の開口の直線部分は、図3、4に二点鎖線で示すように、第1長辺部2aに面して第1長辺部2aと平行な第1側面部22aと、第2長辺部2bに面して第2長辺部2bと平行な第2側面部22bと、第1短辺部2cに面して第1短辺部2cと平行な第3側面部22cと、第2短辺部2dに面して第2短辺部2dと平行な第4側面部22dとからなる。
第1側面部22aは、第1長辺部2aからの距離が16.6mmの位置に形成されている。
第2側面部22bは、第2長辺部2bからの距離が25.4mmの位置に形成されており、カード本体2のy方向の幅方向の略中心に位置する。
第3側面部22cは、第1短辺部2cからの距離が8.4mmの位置に形成されている。
第4側面部22dは、第2短辺部2dからの距離が64.0mmの位置に形成されており、カード本体2のx方向の幅方向の中心と、第1短辺部2cとの間で、第1短辺部2cにより近い位置に形成されている。
このように形成されたICモジュール収容部21の開口において、第2側面部22bは、4つの直線部分である第1側面部22a、第2側面部22b、第3側面部22c、第4側面部22dのうち、カード本体2の短辺方向においてカード本体2の中央に最も近い位置に形成されカード本体2の長手方向に延ばされた直線部分になっている。
第1穴部22の深さは、図2に示すように、接続端子部31、モジュール基板32、および接続コイル34を合計した厚さよりも深くなるように設定されている。このため、接続端子部31の表面が表面2eに整列した状態において、第1穴部22の底部と接続コイル34との間に隙間が形成されるようになっている。
第2穴部23の深さは、接続端子部31の表面が表面2eに整列した状態において、第2穴部23の底部と樹脂封止部36との間に隙間が形成されるようになっている。
ICモジュール3は、このような構成のICモジュール収容部21に接続端子部31の表面が表面2eに対してJIS X6320-1:2009(ISO7816−1:1998,Amd1:2003)に規定される範囲に収まるように嵌め込んだ状態で接着により固定されている。
このため、図2に示すように、第1穴部22および第2穴部23の底部と、モジュール基板32との間には、接着剤が固化した接着剤層35が形成されている。ただし、第2穴部23の底部には接着剤層35を有しない構成も可能である。
カード本体2は、特定の領域において、適宜の文字情報をエンボス成形することが可能である。本実施形態では、図1に示す第1エンボス領域5(エンボス加工可能領域)と第2エンボス領域6(エンボス加工可能領域)とにおいて、エンボス成形することが可能である。
例えば、JIS X6302−1:2005 (ISO/IEC 7811−1:2002)に準拠する場合、第1エンボス領域5は、「識別番号領域」であり、1列の文字列をエンボス成形することが可能である。第2エンボス領域6は、「氏名および住所領域」であり、1列の文字列をエンボス成形することが可能である。
第1エンボス領域5、第2エンボス領域6の範囲は、カード本体2の長手方向に延びる帯状の領域であり、y方向には、第2長辺部2bから遠い順に第1エンボス領域5、第2エンボス領域6が配列されている。第1エンボス領域5、第2エンボス領域6の具体的な配置位置は、上記規格に規定されている通りである。
例えば、第1エンボス領域5における第1長辺部2a側の境界5aは、第2長辺部2bから最大24.03mm離間した位置になっており、y方向の幅の中心よりもわずかに第2長辺部2bよりである。
第1エンボス領域5、第2エンボス領域6のx方向の範囲は、第1短辺部2c、第2短辺部2dの近傍の数ミリ程度の領域を除いた範囲である。
次に、アンテナ4の構成について説明する。
アンテナ4は、ICモジュール3の接続コイル34を介してICチップ33と電磁的に結合して、外部からの電力をICチップ33に供給し、ICチップ33と図示略の外部機器との間で非接触通信を行うことを可能にしている。アンテナ4は、図3に示すように、カード本体2の外形より小さい平面視矩形状の絶縁体からなるシート基板41の表面に形成され、カード本体2の厚さ方向の略中心部に埋設されている。
アンテナ4の厚さ方向の配置位置は、ICモジュール収容部21の第1穴部22よりも深く、第2穴部23よりも浅い位置とされている。このため、シート基板41には、第2穴部23と同形状の略矩形状の孔が貫通されている。
アンテナ4の概略構成は、シート基板41上に配置された配線により形成された、結合用コイル部4Aおよび主コイル部4Bと、結合用コイル部4Aの端部と主コイル部4Bの端部との間に接続された容量性素子42とを備える。
結合用コイル部4Aは、ICモジュール3の接続コイル34と電磁的に結合するため、ICモジュール3の接続コイル34の近傍に配置されたコイル部である。結合用コイル部4Aは、接続コイル34の外周側の領域を周回する1〜10ターンの配線で構成される。なお、本実施形態では、5ターンの配線で構成されている。結合用コイル部4Aの配線は、厚さTの金属層を、例えば、エッチングなどによってパターニングすることにより形成されている。
結合用コイル部4Aの最内周の端部には、図4に示すように、容量性素子42と導通をとるための略円形のランド部R1が形成されている。
本実施形態のランド部R1は、第1穴部22の第4側面部22dと交差する位置関係にあるシート基板41上の部位に形成されている。
ランド部R1は、クリンピングによりシート基板41の裏面側に形成された略円形のランド部R2に電気的に接続されている。ランド部R1、R2は、導電性ペースト、抵抗溶接やレーザー溶接等により電気的に接続されていてもよい。
結合用コイル部4Aの最内周の1ターン目を構成するコイル配線A1は、ランド部R1から第4側面部22dに沿って配回された線幅Wの細線部A1dと、第1側面部22aに沿って配回された線幅Wの細線部A1aと、第3側面部22cに沿って配回された線幅Wの細線部A1cと、第2側面部22bに沿って配回された線幅W1bの太線部A1bとからなる。なお、線幅は、W1b>Wとすることができる。
結合用コイル部4Aの2ターン目を構成するコイル配線A2は、コイル配線A1の太線部A1bの第2短辺部2d側の端部から、ランド部R1を含むコイル配線A1の外周に沿う経路を周回する配線であり、ランド部R1、細線部A1d、A1a、A1cに沿って、それぞれ、線幅Wの細線部A2d、A2a、A2cが配回され、太線部A1bに沿って線幅W2bの太線部A2bが配回されている。なお、線幅は、W2b>W1bとすることができる。
同様にして、図3に示すように、太線部A2bの第2短辺部2d側の端部から、3ターン目のコイル配線A3が配回され、コイル配線A3の端部から4ターン目のコイル配線A4が配回され、コイル配線A4の端部から5ターン目のコイル配線A5が配回されている。
それぞれの配線構成は、コイル配線A3が細線部A3d、A3a、A3c(図4参照)、L字状の太線部A3b(図3参照)からなり、コイル配線A4が細線部A4d、A4a、A4c(図4参照)、L字状の太線部A4b(図3参照)からなり、コイル配線A5が細線部A5d、A5a、A5c(図4参照)、太線部A5b(図3参照)からなる。
コイル配線A3、A4、A5における各細線部の線幅はWである。
太線部A3b、A4b、A5bの線幅は、いずれも共通でW3bである。なお、線幅は、W1b<W3b<W2bとすることができる。
また、太線部A3bは、x方向に延びる太線部A2bに対して平行に配回されてから、太線部A2bの第2短辺部2d側の端部に沿ってy方向に屈曲されている。
また、太線部A4bは、x方向に延びる太線部A3bに平行に配回されてから、y方向に延びる太線部A3bに沿ってy方向に屈曲されている。
各細線部は、線幅Wは、0.1mm以上1mm未満が好適であり、本実施形態では、一例として、0.4mmである。
太線部A1bの線幅W1bは、1mm以上であって、かつ第1エンボス領域5に重ならない線幅としている。これにより、太線部A1bは、第1エンボス領域5の境界5aに沿って延ばされるとともに、第1エンボス領域5の範囲外に位置している(図1参照)。
本実施形態では、太線部A2bは、図1に示すように、第1エンボス領域5と重なる位置に形成されている。太線部A2bの線幅W2bは、第1エンボス領域5のy方向の幅と略同じ(同じ場合も含む)線幅であり、第1エンボス領域5の形成される文字のy方向の幅よりも大きくなっている。これにより、第1エンボス領域5にエンボス部が形成されても、太線部A2bが破断されるおそれはない。
また、太線部A3b、A4b、A5bの線幅W3bは、第2エンボス領域6に形成される各行の文字のy方向の幅よりも大きな線幅になっている。これにより、第2エンボス領域6にエンボス部が形成されても、太線部A3b、A4b、A5bが破断されるおそれはない。
図4に示すように、太線部A1bの端部と細線部A1cの端部との間には、線幅がWからW1bまで漸次変化する線幅遷移部Atcが設けられている。同様に、太線部A1bの端部と細線部A2dの端部との間には、線幅がW1bからWまで漸次変化する線幅遷移部Atdが設けられている。
線幅遷移部Atc、Atdの形状は、曲げに対する耐久性を向上するために、第2側面部22bの延長線Lbに沿う線幅Wc、Wdがそれぞれ1mm以上になるように設定されている。
本実施形態では、線幅遷移部Atcは、細線部A1cの端部から線幅が第1穴部22の外方に向かって漸次増大し、第1穴部22の角の丸みに沿うコーナー部で、線幅が最大値Wr(なお、線幅はWr≧W1bとすることができる)となり、線幅W1bの太線部A1bの直線部分に滑らかに接続する形状に設けられている。具体的な寸法例としては、W=0.4(mm)、Wr=1.6(mm)、W1b=1.5(mm)、Wc=2.6(mm)の例を挙げることができる。
また、線幅遷移部Atdと接続する太線部A1bは、線幅W1bを保って、第1穴部22の角の丸みに沿って曲げられ、ランド部R1に沿って斜め方向に進むにつれて、漸次線幅が減少して線幅Wとなり、ランド部R1の第2短辺部2d側の外周に沿って円弧状に周回する細線部A2dの端部に滑らかに接続する形状に設けられている。このような形状による具体的な寸法例としては、Wd=2.6(mm)の例を挙げることができる。
このような構成により、結合用コイル部4Aのインダクタンスは、コイル配線A1、A2、A3、A4、A5の線幅の中心線を連ねたスパイラル状(渦巻き状)の配線パターンを有するコイルのインダクタンスとして計算される。このため、コイル配線A1、A2、A3、A4、A5の線幅の中心線を連ねた経路は、結合用コイル部4Aのインダクタンスを規定するコイル配線経路と一致している。
なお、結合用コイル部4Aを、ICモジュール収容部21の外方に配置しているのは、デュアルICカード1に外力が作用して、デュアルICカード1が曲げられたときに、応力集中が発生する隅部、例えば、第1側面部22a、第2側面部22b、第3側面部22c、および第4側面部22dと第1穴部22の底面とが交差する部位(図4の二点鎖線参照)の直下に配線が配置されないようにするためである。
さらに、第2側面部22bに沿って延びるコイル配線A1を線幅1mm以上の太線部A1bとしているのは、製造ばらつきによりアンテナ4やICモジュール収容部21がずれてコイル配線A1が第2側面部22bによる隅部に重なった場合に、y方向に沿う曲げによって発生し、隅部に集中する応力に対して、コイル配線A1の配線の耐久性を向上させるためである。
また、第2側面部22bの延長線Lbと重なる位置で交差する部位に線幅遷移部Atc、Atdを設け、延長線Lbと重なる線幅Wc、Wdをそれぞれ1mm以上としているのは、第2側面部22bにより形成される隅部の延長線上の高応力場によるコイル配線A1の断線を防止するためである。
主コイル部4Bは、図3に示すように、外部機器と非接触通信の送受信を行うとともに、外部機器からの電力供給を受けるため、ICモジュール3に隣接する領域にコイル開口を形成するコイル部であり、結合用コイル部4Aの太線部A5bの第2短辺部2d側の端部に接続されている。主コイル部4Bは、本実施形態では、全体としては、場所により線幅が異なる3ターンの配線で構成されている。主コイル部4Bの配線は、主コイル部4Bと同様に、厚さTの金属層を、例えば、エッチングなどによってパターニングすることにより形成されている。
主コイル部4Bの最外周の配線である3ターン目を構成するコイル配線B3は、第2長辺部2bに近接する位置でx方向に配回された、線幅W3bの太線部B3bと、第2短辺部2dに近接する位置でy方向に配回された、線幅W3d(ただし、W<W3d<W3b)の太線部B3dと、第1長辺部2aに近接する位置でx方向に配回された抵抗増加部B3aと、結合用コイル部4Aに近接する位置でy方向に配回された太線部B3cとからなる。
太線部B3cの線幅は、第1長辺部2a寄りでは太線部B3dと同様のW3dであり、結合用コイル部4Aの太線部A4bと並行する部位では太線部A4bと同様のW3bに拡幅されている。
抵抗増加部B3aは、図5(a)に詳細形状を示すように、x方向に延びる直線Oに沿って±haの領域における点P1、P2の間に形成された矩形波状の配線パターンを有する配線部である。
抵抗増加部B3aの線幅は一定値Wa(ただし、Wa≦W)とされ、図5(b)に線幅の中心線を連ねた配線パターンを示すように、直線Oに沿う波長はdaである。このため、抵抗増加部B3aの配線パターンの振幅は、ha−Wa/2である。
線幅Waは、一般的なICカード用途向けのグラビア版レジスト印刷方式によるエッチングアンテナの製造において安定した製造に適し、また外力が作用した際に、デュアルICカード1として必要な耐久性を備えるのに必要な線幅の下限値以上の適宜値に設定する。
線幅Waは、電磁結合方式のデュアルICカードにおいては、限られたアンテナ形状の中で電気抵抗を増大させQ値を低下させるために狭いことが好ましい。例えば、各細線部の線幅Wは、0.1mm以上1mm以下が好ましく、0.4mm程度の寸法とすることが特に好ましい。
これに対して、抵抗増加部B3aの線幅は、各細線部の線幅W以下であることの好ましく、特に0.4mm以下であることが好ましい。また、抵抗増加部B3aの線幅は、各細線部の線幅W未満、特に、0.4mm未満であればより好ましい。
このような配線パターンを有する抵抗増加部B3aによれば、配線経路が、直線Oを中心に振動する矩形波状に設けられている。このため、抵抗増加部B3aの配線のパターンは、コイル配線経路に複数回交差する第1の屈曲パターンを有している。
このため、y方向に延びる配線部分は、互いに隣り合う配線部分同士の電流方向が異なるため、磁界が打ち消し合って、インダクタンスに寄与しない。
x方向に延びる配線部分は、コイル配線B3の開口面積を縮小する位置に配置された配線部分L1と、コイル配線B3の開口面積を拡大する位置に配置された配線部分L2とが交替に配置され、開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっている。
この結果、コイル配線B3のインダクタンスを規定する開口面積は、太線部B3b、B3dの線幅の中心線と、直線Oと、太線部B3cの線幅の中心線とを連ねたコイル配線経路によって決まる。したがって、コイル配線B3によるインダクタンスは、抵抗増加部B3aに代えて、直線Oに沿う直線状の配線を配置した場合に計算されるコイル配線のインダクタンスと等価である。
一方、抵抗増加部B3aの線幅の中心に沿って測った長さである線路長LB3aは、抵抗増加部B3aの直線Oに沿う長さ(点P1、P2間の長さ)をL、矩形波の個数をNとすると、次式(1)で表される。
B3a=L+4・N・(ha−Wa/2) ・・・(1)
コイル配線B3の抵抗増加部B3aを、抵抗増加部B3aの配線と断面積、材質が同一で、長さがLの配線に置き換えた、インダクタンスの等しいコイル配線(以下、等価コイル配線B3’と称する)を考えると、コイル配線B3の電気抵抗は、等価コイル配線B3’の電気抵抗に比べると、抵抗増加部B3aにおける線路長の増分(LB3a−L)に比例して増加している。
すなわち、コイル配線B3では、抵抗増加部B3aを有することにより、等価コイル配線B3’のインダクタンスを変えることなく電気抵抗が増加されている。
抵抗増加部B3aの電気抵抗は、アンテナ4による共振回路の電気抵抗を好ましい値にするために必要な値に設定する。特に、アンテナ4のQ値が適正な値になるように設定することが好ましい。
また、抵抗増加部B3aの電気抵抗は、抵抗増加部B3aの両端部をコイル配線経路に沿う同断面積、同材質の長さの配線、本実施形態では、長さLの直線状の配線の電気抵抗の2倍以上に設定することが好ましい。
主コイル部4Bの2ターン目を構成するコイル配線B2は、太線部B3cの第2長辺部2b側の端部からコイル配線B3の内周に沿って配回された配線であり、太線部B3bに沿う線幅W3bの太線部B2bと、太線部B3dに沿う側方配線部B2dと、抵抗増加部B3aに沿う線幅Wの細線部B2aと、太線部B3cに沿う側方配線部B2cとからなる。
側方配線部B2d、B2cの線幅は、いずれも結合用コイル部4Aの太線部A4bと並行する第2長辺部2b寄りの部位ではW3bであり、それ以外の第1長辺部2a寄りの部位ではWである。これらの線幅が異なる部位同士は、線幅W以上の中間配線部を介して連結されている。
本実施形態では、これらの中間配線部は、第2側面部22bの延長線Lbよりも第1長辺部2a側に形成されている。このため、延長線Lb上では線幅は、いずれもW3bにすることができる。
主コイル部4Bの1ターン目を構成するコイル配線B1は、側方配線部B2cの第2長辺部2b側の端部からコイル配線B2の内周に沿って配回された配線であり、太線部B2bに沿う線幅W3bの太線部B1bと、側方配線部B2dに沿う側方配線部B1dと、細線部B2aに沿う線幅Wの細線部B1aと、側方配線部B2cに沿う幅Wの細線部B1cとからなる。
側方配線部B1dの線幅は、結合用コイル部4Aの太線部A4bと並行する第2長辺部2b寄りの部位ではW3bであり、それ以外の第1長辺部2a寄りの部位ではWである。これらの線幅が異なる部位同士は、線幅W以上の中間配線部を介して連結されている。
本実施形態では、これらの中間配線部は、第2側面部22bの延長線Lbよりも第1長辺部2a側に形成されている。このため、延長線Lb上では線幅は、いずれもW3bにすることができる。
細線部B1cは、側方配線部B2cの線幅Wの部位の中間部まで延ばされて終端し、この終端部が配線Taを介して容量性素子42に電気的に接続されている。
このような構成により、主コイル部4Bのインダクタンスは、コイル配線B1、B2と、等価コイル配線B3’との線幅の中心線を連ねたスパイラル状の配線パターンを有するコイルのインダクタンスとして計算される。このため、コイル配線B1、B2と、等価コイル配線B3’との線幅の中心線を連ねた経路は、主コイル部4Bのインダクタンスを規定するコイル配線経路を構成している。
容量性素子42は、非接触通信を行うためのアンテナ4の共振周波数を設定する静電容量を形成する回路要素である。本実施形態では、結合用コイル部4A、主コイル部4Bが形成されたシート基板41の表面に設けられた矩形状の第1電極42aと、シート基板41の裏面側において第1電極42aと対向する位置に設けられた矩形状の第2電極42bとで構成されている。
第1電極42aは、配線Taを介して主コイル部4Bの最内周の端部と電気的に接続されている。
第2電極42bには、配線Tbを介してランド部R2と電気的に接続されている。
ランド部R2は、上述したようにランド部R1と導通されているため、第2電極42bは、結合用コイル部4Aの最内周の端部と電気的に接続されている。
このような構成により、アンテナ4は、結合用コイル部4A、主コイル部4B、および容量性素子42が直列に接続された閉回路を構成している。
このような構成のアンテナ4を製造するには、まず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の絶縁性のシートからなるシート基板41の表裏に、例えば、銅箔やアルミニウム箔などの金属層を、例えば、ラミネート加工などによって形成する。次に、この金属層を、例えば、エッチングなどによってパターニングすることにより、アンテナ4における配線パターンを形成する。これにより、アンテナ4が製造される。
シート基板41の厚さとしては、15μm〜50μmが好適である。
金属層の厚さTとしては、5μm〜50μmが好適であり、5μm〜20μmであることがより好ましい。
アンテナ4の一例としては、例えば、シート基板41として、厚さ38μmのPETフィルムを採用し、結合用コイル部4A、主コイル部4B、第1電極42a等を形成する表面に厚さ10μm、その裏面に厚さ30μmのアルミニウム箔(アルミニウム層)をラミネートした基材をエッチング加工し、上述した配線パターンを形成した構成を採用することができる。
上述の構成を有するデュアルICカード1を製造するには、まず、ICモジュール3、アンテナ4をそれぞれ製造する。次に、このアンテナ4を、カード本体2を形成するための合成樹脂シートに挟みこみ、熱圧によるラミネートあるいは接着等の加工を行って一体化する。
次に、この一体化されたシートを、1枚のカード本体2に対応する個片形状に打ち抜く。
次に、カード本体2の表面2eに、例えば、ミリング加工を施すなどして、ICモジュール収容部21を形成する。
次に、ICモジュール収容部21に、例えば、ホットメルトシート等の接着剤と、ICモジュール3とを配置して、ICモジュール収容部21内にICモジュール3を接着する。
第1エンボス領域5、第2エンボス領域6に文字列などのエンボス部を形成する場合には、さらに、エンボス加工を行う。このとき、第1エンボス領域5、第2エンボス領域6に重なる部位の結合用コイル部4A、主コイル部4Bは、配線の線幅が、文字列の高さよりも広くなっているため、エンボス加工により、配線に応力が作用しても、配線が破断されることはない。
このようにして、デュアルICカード1が製造される。
次に、デュアルICカード1の作用について説明する。
デュアルICカード1を製造するには、まず、非接触通信を行うため、使用するICチップ33の特性と規格等に規定された通信特性を満足するよう、共振周波数を設定し、アンテナ4のインダクタンス、容量性素子42の静電容量を決定する。
次に、ICモジュール3の形状や配置位置などに基づいて、カード本体2のスペースに収まるように、アンテナ4の配線パターンを設計する。
デュアルICカード1のアンテナ4は、ICチップ33に直接的に接続されないため、アンテナがICチップ33に直接的に接続される場合に比べて、共振回路の負荷が低くなり、デュアルICカード1の全体としての共振回路のQ値は高くなる。
一方、Q値があまり高くなると、共振帯域が狭くなりすぎて、例えば、アンテナ4の製造誤差により、共振周波数にばらつきが生じると、通信品質が低下するおそれがある。
そこで、アンテナ4のQ値を適正化するため、アンテナ4に適宜の電気抵抗を設定する必要がある。
アンテナ4の抵抗を増大させるには、配線の長さを伸ばす方法や、配線の断面積を低減する方法が考えられる。
しかし、コイルのターン数を増やして配線の長さを伸ばすと、インダクタンスも変化するため、所望の通信特性を得られなくなる。また、ターン数単位でしか電気抵抗が変えられないため、抵抗を微調整することは難しい。
また、第1エンボス領域5や第2エンボス領域6に重なる領域の配線は、線幅を細くできないため、ターン数を増やすことは限界がある。
配線の断面積を低減すると、外力に対する強度が低下するため、カード化の工程や使用上において、断線が起こりやすくなるという問題がある。
本実施形態では、抵抗増加部B3aを備えるため、抵抗増加部B3aの配線パターンを適宜に設定して線路長を変えることにより、電気抵抗を増加させることができる。
すなわち、まず、コイル配線B3に代えて、等価コイル配線B3’を用いて、配線パターンの設計を行い、インダクタンスやQ値の計算を行う。Q値が高すぎる場合には、増加すべき電気抵抗を算出し、この電気抵抗の増分に対応する抵抗増加部B3aの線路長を算出する。そして、この線路長を実現するための、矩形波状の配線パターンを算出する。
このとき、インダクタンスは、等価コイル配線B3’と同じであるため、共振回路の再設計が不要となり、効率的な設計が可能となる。
このように、本実施形態のデュアルICカード1によれば、ICモジュール3をアンテナ4に電磁的に結合しつつ共振回路のQ値が低い構成とすることができ、安定した通信品質が得られる。
また、設計が容易となるため、設計時間を短縮することができ、設計コストを削減することができる。
[第1変形例]
次に、本実施形態の第1変形例のデュアルICカードについて説明する。
図6は、本発明の実施形態の第1変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。ただし、図6は模式図であるため、配線の線幅の図示を省略し、線幅の中心線のみを実線で示している(後出の図7〜10も同様)。
図1に示すように、本変形例のデュアルICカード1Aは、上記実施形態のデュアルICカード1の抵抗増加部B3aに代えて抵抗増加部51(第1の屈曲パターン)を備える。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。また、本変形例において、上記実施形態と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
抵抗増加部51は、図6に示すように、点P1、P2の間に形成された直線Oを中心に振動する振幅A、波長λ、線幅Wa(図6では図示略)の正弦波を波長λの整数倍だけ連続させた配線パターンを有する配線部である。
図6では、一例として、5波長の場合の例を図示しているが、抵抗増加部51の配線パターンは、これには限定されず、波長数、振幅A(ただし、A≦ha−Wa/2)、波長λ、線幅Waは、アンテナ4に必要な電気抵抗値に応じて設定することができる。
抵抗増加部51の線路長は、正弦波を表す関数を線積分することにより、算出することができる。
抵抗増加部51によれば、上記実施形態の抵抗増加部B3aと同様、コイル配線B3の開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっているため、本変形例のコイル配線B3のインダクタンスは等価コイル配線B3’のインダクタンスと変わらない。一方、抵抗増加部51の線路長は、距離Lよりも長いため、電気抵抗のみが増加している。
[第2変形例]
次に、本実施形態の第2変形例のデュアルICカードについて説明する。
図7は、本発明の実施形態の第2変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
図1に示すように、本変形例のデュアルICカード1Bは、上記実施形態のデュアルICカード1の抵抗増加部B3aに代えて抵抗増加部52(第1の屈曲パターン)を備える。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。また、本変形例において、上記実施形態と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
抵抗増加部52は、図7に示すように、点P1、P2の間に形成された直線Oを中心に複数の正弦波が重ね合わされた合成波であって、抵抗増加部B3aと同様、コイル配線B3の開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっている配線パターンを有する配線部である。
重ね合わせる正弦波の個々の振幅、波長、位相は、特に制限されず、重ね合わせる正弦波の個数も特に制限されない。
抵抗増加部52の線路長は、波形を表す関数を線積分することにより、算出することができる。
抵抗増加部52によれば、上記実施形態の抵抗増加部B3aと同様、コイル配線B3の開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっているため、本変形例のコイル配線B3のインダクタンスは等価コイル配線B3’のインダクタンスと変わらない。一方、抵抗増加部52の線路長は、距離Lよりも長いため、電気抵抗のみが増加している。
[第3変形例]
次に、本実施形態の第3変形例のデュアルICカードについて説明する。
図8は、本発明の実施形態の第3変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
図1に示すように、本変形例のデュアルICカード1Cは、上記実施形態のデュアルICカード1の抵抗増加部B3aに代えて配線部53を備える。
配線部53は、図8に示すように、細線部53A、抵抗増加部53B(第1の屈曲パターン)、および細線部53Cからなる。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。また、本変形例において、上記実施形態と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
細線部53Aは、太線部B3cの端部の点P1から、配線部53の中間部の直線O上の点Q1まで、直線Oに沿って形成された線幅Waの配線部である。
抵抗増加部53Bは、点Q1と、直線O上において点Q1、P2の間に位置する点Q2とを結ぶ直線Oを中心に振動する振幅A、波長λ’(ただし、λ’<λ)、線幅Wa(図8では図示略)の正弦波を波長λ’の整数倍だけ連続させた配線パターンを有する配線部である。
図8では、一例として、5波長の場合の例を図示しているが、抵抗増加部53Bの配線パターンは、これには限定されず、波長数、振幅A(ただし、A≦ha−Wa/2)、波長λ’、線幅Waは、アンテナ4に必要な電気抵抗値に応じて設定することができる。
抵抗増加部53Bの線路長は、正弦波を表す関数を線積分することにより、算出することができる。
細線部53Cは、点Q2から、太線部B3dの端部の点P2まで、直線Oに沿って形成された線幅Waの配線部である。
このように、本変形例のデュアルICカード1Cの抵抗増加部53Bは、上記第1変形例のコイル配線経路に沿って長さLの範囲に形成された抵抗増加部51の波長を変更して、点Q1、Q2間の距離に等しい、コイル配線経路に沿って長さL53B(ただし、L53B<L)の範囲に形成した場合の例になっている。
このように、抵抗増加部は、電気抵抗の必要な増加量が確保される場合には、コイル配線経路上の直線部分の一部に設けてもよい。
抵抗増加部53Bによれば、上記第1変形例の抵抗増加部51と同様、コイル配線B3の開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっているため、本変形例のコイル配線B3のインダクタンスは等価コイル配線B3’のインダクタンスと変わらない。一方、抵抗増加部53Bの線路長は、距離L53Bよりも長いため、電気抵抗のみが増加している。
[第4変形例]
次に、本実施形態の第4変形例のデュアルICカードについて説明する。
図9は、本発明の実施形態の第4変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
図1に示すように、本変形例のデュアルICカード1Dは、上記実施形態のデュアルICカード1の抵抗増加部B3aに代えて配線部53を備える。
配線部54は、図9に示すように、細線部54A、抵抗増加部54B、および細線部54Cからなる。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。また、本変形例において、上記実施形態と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
細線部54Aは、太線部B3cの端部の点P1から、配線部53の中間部の直線O上の点Q1まで、直線Oに沿って形成された線幅Waの配線部である。ただし、点Q1の位置は、上記第3変形例の点Q1と同じでもよいし、異なっていてもよい。
抵抗増加部54Bは、点Q1と、直線O上において点Q1、P2の間に位置する点Q2とを結んで、直線Oに沿う方向に往復する矩形波状の配線パターンを有する配線部である。
図9には、一例として、抵抗増加部54Bが、端部配線55と、往復配線56(第2の屈曲パターン)と、端部配線57とからなる場合の例を図示している。
端部配線55は、点Q1からy方向に沿ってコイル配線B3の外側に距離3・y0だけ延びてからx方向に沿って点Q2の側に距離x0だけ延びるL字状の配線部である。
往復配線56は、端部配線55の端部である点U1から、x方向に沿って点Q2の側に距離x1だけ進み、y方向に沿ってコイル配線B3の内側に距離y0だけ進み、x方向に沿って点Q1の側に距離x1だけ戻り、さらにy方向に沿ってコイル配線B3の内側に距離y0だけ進み、というように、直線Oに沿って幅x1の間を、y方向におけるピッチy0で3.5往復する矩形波状のパターンが構成されている。
すなわち、直線Oを含むコイル配線B3の外側に、y方向の間隔がy0でx方向の距離x1の間を2往復する配線パターンが形成され、直線Oを除くコイル配線B3の内側に、y方向の間隔がy0でx方向の距離x1の間を1.5往復する配線パターンが形成されている。
このような往復配線56は、点U1から点U2まで延ばされている。ここで、点U2は、点Q1に対して、x方向にx0+x1だけ離間し、直線Oに対して、コイル配線B3の内側に距離3・y0だけ離間した点になっている。
端部配線57は、点U2からx方向に沿って点Q2の側に距離x0だけ延び、y方向に沿ってコイル配線B3の外側に距離3・y0だけ延びるL字状の配線部である。
このような構成により、抵抗増加部54Bは、直線O上の線分Q1Q2の中点QMを中心として、180°回転対称な配線パターンを構成しており、往復配線56が、コイル配線B3の開口面積の拡大分S1と、縮小分S2との総和は0になっている。
細線部54Cは、点Q2から太線部B3dの端部の点P2まで、直線Oに沿って形成された線幅Waの配線部である。
このような構成の抵抗増加部54Bは、その対称性から、上記実施形態の抵抗増加部B3aと同様、コイル配線B3の開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっているため、本変形例のコイル配線B3のインダクタンスは等価コイル配線B3’のインダクタンスと変わらない。一方、抵抗増加部54Bの線路長は、距離2・x0+x1よりも長いため、電気抵抗のみが増加している。
本変形例の抵抗増加部54Bの往復配線56は、配線のパターンが、コイル配線経路に対して多重に並列する第2の屈曲パターンを構成している。
[第5変形例]
次に、本実施形態の第5変形例のデュアルICカードについて説明する。
図10は、本発明の実施形態の第5変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
図1に示すように、本変形例のデュアルICカード1Eは、上記実施形態のデュアルICカード1の抵抗増加部B3aに代えて配線部58を備える。
配線部58は、図10に示すように、上記第4変形例の配線部54において、抵抗増加部54Bを、3つの抵抗増加部59A、59B、59C(第1の屈曲パターン)に置換した配線パターンである。
以下、上記実施形態および上記第4変形例と異なる点を中心に説明する。また、本変形例において、上記実施形態および上記第4変形例と同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
抵抗増加部59Aは、渦巻き配線59a、59bからなる雷文状の配線パターンが線幅Waで形成された配線部である。
渦巻き配線59aは、点Q1から、直線O上において点Q1、Q2の間に位置する点V1まで、x方向、y方向に平行な配線の組合せにより、直線Oを挟んでコイル配線B3の外側から内側に向かって、1.5巻された角状の渦巻きパターンからなる配線部である。
渦巻き配線59bは、点V1に関して、渦巻き配線59aと180°回転対称な角状の渦巻きパターンからなる配線部である。
渦巻き配線59bの一端は、点V1に一致し、他端は、直線O上で、点V1に関してから、点Q1と点対称な位置にある点V2に一致している。
なお、点Q1、V2間の距離L59は、点Q1、Q2間の距離の3分の1である。
抵抗増加部59Bは、抵抗増加部59Aを直線Oに沿って、距離L59だけ平行移動した配線パターンであり、抵抗増加部59Aの始点Q1、対称中心点V1、終点V2に対応して、それぞれ始点V2、対称中心点V3、終点V4を有する。
抵抗増加部59Cは、抵抗増加部59Bを直線Oに沿って、距離L59だけ平行移動した配線パターンであり、抵抗増加部59Bの始点V2、対称中心点V3、終点V4に対応して、それぞれ始点V4、対称中心点V5、終点Q2を有する。
このような構成により、抵抗増加部59A、59B、59Cは、それぞれ、直線O上の対称中心点V1、V3、V5に関して、180°回転対称な配線パターンを構成しており、それぞれにおいて、コイル配線B3の開口面積の拡大分S1と、縮小分S2との総和は0になっている。
また、抵抗増加部59A、59B、59Cの各配線のパターンは、コイル配線経路に複数回交差する第1の屈曲パターンになっている。
このような構成の抵抗増加部59A、59B、59Cは、それぞれコイル配線B3の開口面積の縮小分S2と、開口面積の拡大分S1との総和が0になっているため、本変形例のコイル配線B3のインダクタンスは等価コイル配線B3’のインダクタンスと変わらない。一方、抵抗増加部59A、59B、59Cの各線路長は、距離L59よりも長いため、電気抵抗のみが増加している。
なお、上記実施形態および各変形例の説明では、抵抗増加部を、主コイル部4Bの最外周となる3ターン目の第1長辺部2aに沿う配線部に形成した場合の例で説明したが、抵抗増加部は、エンボス加工可能領域である第1エンボス領域5および第2エンボス領域6と重ならない領域(エンボス加工禁止領域)であれば、主コイル部4B上の任意の位置に設けることが可能である。
上記実施形態では、一方の長辺である第1長辺部2aに沿って、デュアルICカード1の短辺方向の約半分に相当する第1長辺部2aの近傍の領域はエンボス加工禁止領域になっており、他方の長辺である第2長辺部2bの近傍に第2長辺部2bに沿って、エンボス加工可能領域である第1エンボス領域5および第2エンボス領域6が形成されている。
そこで、例えば、エンボス加工禁止領域にある細線部B1cに代えて、抵抗増加部を設けることが可能である。
また、例えば、太線部B3c、B3d、側方配線部B2c、B2d、細線部B1c、側方配線部B1dにおいて、エンボス加工禁止領域に重なる領域には、部分的に抵抗増加部を設けることが可能である。
ただし、第1長辺部2aに沿って、第1長辺部2aの近傍に延びるコイル配線経路上に抵抗増加部を設ける方が、エンボス加工可能領域が設けられていないため、抵抗増加部の長さを長くすることができ、抵抗の増加量を増やすことができるため、より好ましい。
抵抗増加部を主コイル部の最外周以外に設ける場合、最外周の配線の線幅は、0.4mm以上とすることが好ましい。
図11(a)に、このような構成の一例である第6変形例の配線パターンを示す。
図11(a)は、本発明の実施形態の第6変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
図11(a)に示すように、本変形例では、主コイル部の最外周が、0.4mm以上の線幅W4aを有する太線部B4aで形成され、その内側に0.4mm未満の線幅Wの抵抗増加部B3aが配置されている。
アンテナ製造工程において、エッチング液が最も当たりやすい主コイル部の最外周では、コイルの断線が発生しやすいが、本変形例によれば、最外周に太線部B4aを設けているため、エッチング工程でのコイル断線を防止しつつ、その内周側に設けられた0.4mm未満の抵抗増加部B3aによって、抵抗値を効率よく増加させることができる。
また、後述する結合用コイル部の内周側に抵抗増加部を設ける場合の線幅も同様である。
また、上記実施形態および各変形例の説明では、抵抗増加部を、主コイル部4Bに形成した場合の例で説明したが、抵抗増加部は、エンボス加工禁止領域であれば、結合用コイル部4A上の任意の位置に設けることが可能である。
また、上記実施形態および各変形例の説明では、抵抗増加部が、エンボス加工禁止領域に形成された場合の例で説明したが、エンボス加工可能領域であっても、エンボス加工により形成されたエンボス部と重ならない領域であれば、結合用コイル部4Aおよび主コイル部4Bのコイル配線経路上の適宜の位置に、抵抗増加部を配置することが可能である。
また、上記第1変形例の説明では、抵抗増加部51の配線パターンが正弦波であるとして説明したが、厳密な正弦波には限定されず、開口面積の拡大分S1と縮小分S2とが等しくなる適宜の波状が可能である。例えば、頂部がとがった三角波のパターンや、鋸歯状は、矩形波の角部を丸めたU字状の波形が連ねられた波形のパターンなども可能である。
また、上記実施形態および各変形例の説明では、アンテナ4内に、抵抗増加部が1つ設けられた場合の例で説明したが、抵抗増加部は複数設けられていてもよい。
複数の抵抗増加部が設けられている場合、各抵抗増加部における抵抗の増分は、それぞれ異なっていてもよい。この場合、抵抗増加部の電気抵抗の総和が、コイル配線経路に沿う同断面積、同材質の長さの配線の電気抵抗の2倍以上となるように設定することが好ましい。
また、上記実施形態および各変形例の説明では、抵抗増加部の線幅、および断面積が一定の場合の例で説明したが、抵抗増加部の線幅、断面積は、一定とは限らず、線路長に沿って変化していてもよい。この場合、好ましい電気抵抗を算出する等価コイル配線の配線は、抵抗増加部の線幅、断面積の平均値に等しい配線によって算出するものとする。
抵抗増加部の線幅を部分的に変える場合、最外周に位置する配線の線幅は、0.4mm以上とすることが好ましい。
図11(b)に、このような構成の一例である第7変形例の配線パターンを示す。
図11(b)は、本発明の実施形態の第7変形例のデュアルICカードにおける抵抗増加部の配線パターンの模式図である。
図11(b)に示すように、本変形例では、主コイル部の最外周に配置された抵抗増加部B3aのうち最も外周側に、線幅Woutが、0.4mm以上の線幅Woutを有する広幅部Boutが形成され、これより内側の抵抗増加部B3aは、0.4mm未満の線幅Wになっている。
アンテナ製造工程において、エッチング液が最も当たりやすい主コイル部の最外周では、コイルの断線が発生しやすいが、本変形例によれば、最外周に広幅部Boutを設けているため、エッチング工程でのコイル断線を防止しつつ、その内周側に設けられた0.4mm未満の線幅を有する抵抗増加部B3aの部分によって、抵抗値を効率よく増加させることができる。
また、上記実施形態および各変形例の説明では、抵抗増加部の線幅を他のコイル配線と変えることで、線路長当たりの電気抵抗も増大させている場合の例で説明したが、抵抗増加部の線路長当たりの電気抵抗は、他のコイル配線と同一でもよい。
また、抵抗増加部の線路長当たりの電気抵抗は、断面積を変更して変更することが可能であり、例えば、線幅以外にも、例えば、配線の厚さを変化させることで、他のコイル配線に比べて線路長当たりの電気抵抗が増大された構成も可能である。
また、上記実施形態および各変形例の説明では、抵抗増加部を直線状のコイル配線経路に設けた場合の例で説明したが、抵抗増加部は、曲線状のコイル配線経路上に設けてもよい。例えば、コイル配線経路が円弧である場合、抵抗増加部によるコイルの開口面積の拡大分と縮小分とは、円弧を境界として算出される。
また、上記第3〜第5変形例の説明では、角形の渦巻き状のコイル配線経路において、直線部分の中間部に抵抗増加部を設けた場合の例で説明したが、抵抗増加部は、直線部分の端部に設けてもよい。例えば、第3〜第5変形例において、細線部53A、54A、または細線部53C、54Cを削除した構成としてもよい
また、上記に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを変えたり、削除したりして実施することができる。
1、1A、1B、1C、1D、1E デュアルICカード
2 カード本体
2a 第1長辺部(一方の長辺)
2b 第2長辺部(他方の長辺)
2c 第1短辺部
2d 第2短辺部
2e 表面
3 ICモジュール
4 アンテナ
4A 結合用コイル部
4B 主コイル部
5 第1エンボス領域
5a 境界
6 第2エンボス領域
31 接続端子部(接触端子部)
32 モジュール基板
33 ICチップ
34 接続コイル
41 シート基板
42 容量性素子
51、52、53B、59A、59B、59C、B3a 抵抗増加部(第1の屈曲パターン)
53、53C、54、58 配線部
53A、54A、53C、54C、A1a、A1c、A1d、A2a、A2c、A2d、54B 抵抗増加部(第2の屈曲パターン)
A3a、A3c、A3d、A4a、A4c、A4d、A5a、A5c、A5d、B1a、B1c、B2a 細線部
55 端部配線
56 往復配線(第2の屈曲パターン)
57 端部配線
59a、59b 渦巻き配線
A1、A2、A3、A4、A5、B1、B2、B3 コイル配線
A1b、A2b、A3b、A4b、A5b、B1b、B2b、B3b、B3c、B3d 太線部
Atc、Atd 線幅遷移部
B1d、B2c、B2d 側方配線部
B3’ 等価コイル配線
O 直線
S1 開口面積の拡大分
S2 開口面積の縮小分

Claims (9)

  1. 外部機器と接触するための接触端子部と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイルと、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップと、を有するICモジュールと、
    該ICモジュールの前記接続コイルと電磁的に結合するための結合用コイル部と、外部機器との非接触通信を行うために前記結合用コイル部に接続された主コイル部とを有するアンテナと、
    該アンテナが配置される板状のカード本体と、
    を備え、
    前記アンテナは、
    前記結合用コイル部および前記主コイル部が、それぞれのインダクタンスを規定するスパイラル状のコイル配線経路に沿って形成され、
    記主コイル部の前記コイル配線経路上の区間に、該区間の長さに比べて線路長が長い配線を設けることにより、前記区間を前記配線と同断面積、同材質の配線によって前記コイル配線経路に沿って結んだ場合に比べて前記区間における電気抵抗を増加させた抵抗増加部形成されており、
    前記カード本体は、
    エンボス部が形成されており、
    前記抵抗増加部は、
    前記エンボス部と重ならない領域に形成されている
    デュアルICカード。
  2. 外部機器と接触するための接触端子部と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイルと、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップと、を有するICモジュールと、
    該ICモジュールの前記接続コイルと電磁的に結合するための結合用コイル部と、外部機器との非接触通信を行うために前記結合用コイル部に接続された主コイル部とを有するアンテナと、
    該アンテナが配置される板状のカード本体と、
    を備え、
    前記アンテナは、
    前記結合用コイル部および前記主コイル部が、それぞれのインダクタンスを規定するスパイラル状のコイル配線経路に沿って形成され、
    前記主コイル部の前記コイル配線経路上の区間に、該区間の長さに比べて線路長が長い配線を設けることにより、前記区間を前記配線と同断面積、同材質の配線によって前記コイル配線経路に沿って結んだ場合に比べて前記区間における電気抵抗を増加させた抵抗増加部が形成されており、
    前記カード本体は、
    平面視の外形が矩形状に形成されるとともに、この矩形外形の一方の長辺の近傍に該一方の長辺に沿ってエンボス加工可能領域が、他方の長辺の近傍に該他方の長辺に沿ってエンボス加工禁止領域が形成され、
    前記抵抗増加部は、
    前記エンボス加工禁止領域に形成されている、
    デュアルICカード。
  3. 前記抵抗増加部の電気抵抗は、
    前記抵抗増加部の両端の間に、前記コイル配線経路に沿って、前記抵抗増加部の配線と同材質、同断面積の配線が配置された場合の電気抵抗の2倍以上である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルICカード。
  4. 前記抵抗増加部は、
    前記配線のパターンが、前記コイル配線経路に複数回交差する第1の屈曲パターンを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデュアルICカード。
  5. 前記抵抗増加部は、
    前記配線のパターンが、前記コイル配線経路に対して多重に並列する第2の屈曲パターンを有する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のデュアルICカード。
  6. 前記カード本体は、
    矩形状に形成され、
    前記抵抗増加部は、
    前記主コイル部の最外周において、前記カード本体の長辺に沿う直線状の前記コイル配線経路上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のデュアルICカード。
  7. 前記抵抗増加部の前記配線は、
    第1の線幅を有し、外周側に開口するU字状に形成された単位パターンが、前記コイル配線経路に沿って複数配列されたU字状パターン部と、
    前記第1の線幅よりも広い第2の線幅を有し、互いに隣り合う前記単位パターン同士を、前記カード本体の長辺に沿って接続する直線状パターン部と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載のデュアルICカード。
  8. 前記主コイル部における最外周に、前記抵抗増加部の前記配線よりも広い第3の線幅を有する最外周配線部が形成され、
    前記抵抗増加部は、
    前記最外周配線部の内周側に隣り合うコイル配線経路に沿って形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデュアルICカード。
  9. 前記抵抗増加部は、
    線幅0.4mm以下のアルミニウム層で形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のデュアルICカード。
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