以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、16回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[本実施形態のスイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図10を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払出制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことをもって1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、このようにn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。このように、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終了し、説明は図4に戻る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。また、画像音響制御部500は、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の操作に応じて演出ボタン37や演出キー38から出力される操作情報(操作データ)を、ランプ制御部600を介して取得して、当該操作情報が、後述する操作受付期間内に取得された情報である場合に、当該操作情報が有効な操作情報である(つまり、有効な操作が行われた)ものとして、当該操作情報を演出制御部400に伝達する。なお、以下では、画像音響制御部500が操作受付期間内に取得して演出制御部400に伝達する操作情報を有効操作情報と称することにする。また、本実施形態では、操作受付期間内に画像音響制御部500により取得された操作情報であっても、当該操作情報が演出制御部400に伝達されないことがあるが、この詳細については、後述する第1の実施形態において説明する。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400や画像音響制御部500から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400等から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400等により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400等から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400等により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400等から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。なお、演出ボタン37が昇降動作や回転動作等する場合には、CPU601は、ROM602に記憶された演出ボタン37の動作パターンデータの中から、演出制御部400等から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出し、読み出した動作パターンデータに基づいて、演出ボタン37の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37および演出キー38が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の操作に応じて演出ボタン37や演出キー38から出力される操作情報(操作データ)を取得して、当該操作情報を画像音響制御部500に伝達する。
なお、演出制御部400は、画像音響制御部500から伝達される、演出ボタン37や演出キー38の有効操作情報に基づいて、演出ボタン37および演出キー38に対する有効な操作の操作状態を特定し、操作状態に応じた演出内容を決定して、当該演出内容の演出の実行を画像音響制御部500に対して指示する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや連打、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、画像音響制御部500に伝達され、上記操作が有効な操作(例えば、操作受付期間内の操作)である場合、有効操作情報として演出ボタン37の操作状態が演出制御部400に伝達され、この操作状態に基づいて演出制御部400が決定した演出内容の演出が画像音響制御部500に指示される。このため、画像音響制御部500は、演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることが可能となる。なお、上記操作が有効な操作ではない(例えば、操作受付期間外の操作である)場合には、演出ボタン37の操作状態は演出制御部400には伝達されない。このような場合には、画像音響制御部500が、演出ボタン37の操作状態に基づいてランプ制御部600を介して、例えば演出ボタン37を発光させることにより、演出ボタン37が操作されたことが示唆される。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/200)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/50)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)大入賞口23が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けておらず、特別図柄抽選に当選すると、大当り遊技が終了してから、遊技状態は確変遊技状態または通常遊技状態で制御される。
[本実施形態における大当り遊技の概要]
次に、本実施形態における特別図柄抽選の大当り遊技の概要について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳の一例を説明するための図である。図6の(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図6の(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図6の(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が70%であり、大当りBの当選確率が30%である。また、図6の(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りCの当選確率が50%であり、大当りAの当選確率が20%であり、大当りBの当選確率が30%である。以下に、図6の(3)を参照して、各大当りA〜Cに当選した場合の大当り遊技について説明する。
大当りAに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)のラウンド遊技が開始される。1Rにおいて、大入賞口23に遊技球が10個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、大入賞口23が開状態から閉状態にされて1Rのラウンド遊技が終了される。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1Rと同様に大入賞口23が開放されてから2Rのラウンド遊技が開始され、大入賞口23が閉鎖されて2Rのラウンド遊技が終了する。以後同様に、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計4回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから次回特別図柄抽選に当選するまで(より正確には、特別図柄抽選が9999回実行されるまで)の間、確変遊技状態に制御される。
大当りBに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計4回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約500球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから通常遊技状態に制御される。
大当りCに当選した場合に実行される大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、インターバル期間を挟んで大入賞口23の開閉によって計16回のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると、大当り遊技が終了する。したがって、遊技者は、この大当り遊技の間に約2000球の賞球総数を獲得することができる。その後、遊技状態は、大当り遊技が終了してから次回特別図柄抽選に当選するまで(より正確には、特別図柄抽選が9999回実行されるまで)の間、確変遊技状態に制御される。
以上のように、本実施形態では、複数種類の大当りが用意されているが、大当りBに当選すると、大当り遊技後には、非時短状態(通常遊技状態)で遊技が制御され、つまり、遊技者にとっては好ましくない(不利な)遊技状態で遊技が制御される。このため、大当りBの大当り遊技終了後には、専用の演出(例えば、通常とは異なる専用モードの演出)を実行することによって、遊技者の興味が軽減されることを防止するものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図7を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図7のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスを許可して、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図9参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図10参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図8参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、各種の初期値乱数を更新し(カウントアップし)、処理はステップS914に移る。ここで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図10参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図10参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図7参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図10参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当りを発生させる大当り乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図8は、図7のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図8のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図7のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図7のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図9は、図7のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図9のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図7のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図10は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、および各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図12のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図12のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば変動パターン乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを異なる範囲に設定することで、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図11を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113からの出力信号に基づいて、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図12を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図17及び図18を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は払出制御部300へ出力する。
[始動口スイッチ処理]
図11は、図10のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10のステップS2における始動口スイッチ処理について、図11を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの出力信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図12のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図12のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図10のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図12のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図12のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図10のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図12は、図10のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図12を参照して、図10のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図11のステップS210によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1を、1減算した値に更新する。また、その際、CPU101は、RAM103に格納されている図11のステップS204によって取得されて格納された乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出してRAM103から削除する。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。なお、図6からわかるように、本実施形態では、第2特別図柄抽選に当選した場合に実行されるラウンド遊技の回数(ラウンド数)の期待値は、第1特別図柄抽選に当選した場合に実行されるラウンド数の期待値よりも大きい。つまり、第2特別図柄抽選に当選した場合の利益度合は、第1特別図柄抽選に当選した場合の利益度合よりも大きい。なお、利益度合は、このようにラウンド数に依存する獲得賞球数に限られるものではなく、例えば大当り後に制御される遊技状態(大当り後に高確状態で制御される確率や時短回数等)であってもよい。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、通常遊技状態(非時短状態)のときには、図13及び図14に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、確変遊技状態(時短状態)のときには、図15及び図16に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、通常遊技状態(非時短状態)のときに、図13及び図14に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図13は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図14は、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図13を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「90.03秒」に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターンとして「90.03秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「40.02秒」、「40.03秒」、「90.01秒」、「90.02秒」、「90.03秒」、「90.04秒」及び「90.05秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」及び「第1SPSP当り」に対応する。また、「リーチ当り」はリーチが成立した後に大当りするタイプであり、「第1SP当り」〜「第3SP当り」は最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「第1SPSP当り」〜「第5SPSP当り」は最終的にSPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。
なお、リーチ(リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄のうち最後に停止される装飾図柄が、特定の図柄で停止表示されると、すでに停止中の他の図柄と合わせて特定の図柄パターンに一致することで大当りとなることを期待させる演出であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄が同じ図柄(例えば7)で停止しており、最後に停止される中央の装飾図柄が、同じ図柄(例えば7)で停止する(つまり、ゾロ目777となる)ことを期待させて変動表示される演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタがミニゲームを行う動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであると判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチの成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「40.05秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「256〜271」に含まれるので、変動パターンとして「40.05秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「40.04秒」、「40.05秒」、「40.06秒」、「90.06秒」、「90.07秒」、「90.08秒」、「90.09秒」及び「90.10秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」及び「第1SPSPハズレ」に対応する。また、「リーチハズレ」はリーチが成立した後にハズレるタイプであり、「第1SPハズレ」〜「第3SPハズレ」は最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「第1SPSPハズレ」〜「第5SPSPハズレ」は最終的にSPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図13に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、通常遊技状態(非時短状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図13に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「リーチ当り」、「第3SP当り」、「第2SP当り」、「第1SP当り」、「第5SPSP当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第1SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「リーチハズレ」、「第3SPハズレ」、「第2SPハズレ」、「第1SPハズレ」、「第5SPSPハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第1SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「リーチ演出」、「第3SPリーチ演出」、「第2SPリーチ演出」、「第1SPリーチ演出」、「第5SPSPリーチ演出」、「第4SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図14を用いて、通常遊技状態(非時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図14に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図14に示すHT1−2は、図13に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。なお、非時短状態では、第2始動口22には遊技球が入賞し難い状態であるため、第2特別図柄抽選が実行されることは稀(レア)である。このため、非時短状態において第2特別図柄抽選が実行される際には、このレア感を示唆するために、非時短状態において第1特別図柄抽選が実行される場合よりも長時間の変動パターンが選択され易いものとしてもよい。具体的には、例えば、HT1−2においては、「ハズレ」の保留数「1、2」、「3」、「4」の各部分において、リーチありと判定されるリーチ乱数値範囲が、HT1−1の該当部分よりも大きいものとすることにより、HT1−1よりもリーチが実行され易いものとして、結果的に長時間の変動パターンが選択され易いものとしてもよい。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図15を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図15に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図15に示すHT2−1は、図13に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図16を用いて、確変遊技状態(時短状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図16に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図16に示すように、HT2−2は、図13に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図13を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図16に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図16に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、ステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、確変遊技状態(時短状態)では、図10のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、ステップS407での処理で説明したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、抽選に当選(大当り)した場合の利益度合が大きい。このことから、逆に言えば、確変遊技状態(時短状態)において、第1特別図柄抽選が実行されると、遊技者の利益度合が小さい大当りに当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図16のHT2−2を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図15のHT2−1を用いて説明したように、確変遊技状態(時短状態)においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図10のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了してその停止図柄を表示する。なお、このとき、CPU101は、図柄確定コマンドをRAM103にセットする。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で大当りしたと判定した場合、RAM103に記憶されている情報(典型的にはフラグによる情報)を大当り遊技中(大当り遊技状態)であることを示すものに変更し、大当り遊技演出の開始を指示するオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、ステップS414における処理は、規定の確定時間(例えば0.5秒)が経過することで終了され、その後、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。このため、次のタイマ割り込み処理によって再び図12に示す特別図柄処理が実行されるタイミングは、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから確定時間(0.5秒)を経過したタイミング(より厳密には、確定時間を経過して初めて到来する割り込みタイミング)となる。なお、上記したオープニングコマンドは、ステップS414の処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、大当り遊技演出が開始される。
ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(いわゆる客待ち状態)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図17及び図18は、図10のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10のステップS6における大入賞口処理について、図17及び図18を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(典型的には、フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmaxと大当り遊技の大入賞口23の動作パターンとを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、大当り遊技に含まれるラウンドの数量(Rmax:本実施形態では「16」)と大当り遊技中の大入賞口23の動作パターンを設定し、その設定情報をRAM103にセットする。ステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている大入賞口23への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して大入賞口23の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて大入賞口23の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS612に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図18のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド中であると判断して、大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、大入賞口23に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6131に移る。
ステップS613において、CPU101は、大入賞口23への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS613の処理が、大入賞口23に遊技球が入賞する毎に実行されることで、1つのラウンド中に大入賞口23に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドが図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信されることにより、演出制御部400は、1つのラウンド中に遊技球が大入賞口23に入賞する毎に、その入賞数C(つまり、1つのラウンド中の何個目の入賞であるか)が通知され、当該通知情報に基づいて、図21のステップS125の入賞処理指示が実行されることとなる。なお、大入賞口23への遊技球の入賞が有効(すなわち、正常な入賞である)とみなされる入賞有効期間(例えば、ラウンド中およびラウンド終了後の所定期間)が予め設定されており、上記した入賞コマンドは、この入賞有効期間において遊技球の入賞が検出された場合に送信される。その後、処理はステップS6131に移る。
ステップS6131において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS6131での判定がYESの場合、処理はステップS614に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS614において、CPU101は、ステップS607の処理で大入賞口23の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間(本実施形態では29.5秒間)が経過したか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、大入賞口23が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した大入賞口23の開放制御を終了する。このように、CPU101は、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、大入賞口23を開放してから29.5秒が経過するまでに大入賞口スイッチ114によって検出された遊技球の総数(入賞数C)が10個(Cmax)に達したこと、又は大入賞口23を開放してから10個の遊技球が入賞することなく29.5秒が経過したことを条件として大入賞口23を閉塞する。その後、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が終了されることとなる。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理は図18のステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図18のステップS619において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図10のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、大当り後に確変遊技状態で制御される大当り(例えば、図6に示す大当りA)を示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドである場合には、大当り遊技終了後に確変遊技状態に制御されることを示すエンディングコマンドが送信された場合、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードの演出を実行する。その後、処理はステップS621に移る。
ステップS621において、CPU101は、ステップS620でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図17のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS621での判定がYESの場合、処理はステップS622に移り、この判定がNOの場合、処理は図17のステップS612に移る。
ステップS622において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技中であることを示す設定情報(典型的には、フラグによる情報)を解除して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。具体的には、CPU101は、ステップS622で大当り遊技を終了した場合に、今回の大当りの種類(大当り図柄)に応じて遊技状態を切り替える(つまり、特別図柄抽選の当選確率設定および電動チューリップ27の開放設定を切り替える)。その後、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
[演出制御部による演出制御処理]
図19は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図19を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図19に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図19以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS11において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から図10のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。このコマンド受信処理については、図20及び図21を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、遊技者の操作により演出ボタン37および演出キー38から出力される操作情報(操作データ)が有効な操作情報であることに基づいて画像音響制御部500から伝達される有効操作情報に応じて、演出内容を設定し、設定した内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットする演出入力制御処理を実行する。なお、この演出入力制御処理については、図27を参照して後に詳述する。
次に、ステップS13において、CPU401は、ステップS11およびステップS12の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11およびステップS12の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図10のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図20および図21は、図19のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図20および図21を参照して、図19のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、ステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図11のステップS206及びS212参照)。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111の処理で受信した保留増加コマンドに応じて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に特別図柄抽選の保留を示す保留画像の追加表示処理や、保留画像を先読み表示態様に変化させる保留画像表示処理を行う。なお、表示された保留画像は、後述するステップS115の処理に基づいて報知演出が開始される際に順番に消去される。また、この画像音響制御部500への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。また、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。その後、処理はステップS113に移る。
ステップS113において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、CPU401は、RAM403に記憶されている特別図柄抽選の保留数(保留データの数)が、ステップS112で追加された保留を含めて2以上である場合、直近にRAM403に記憶された(つまり、直近の保留データに含まれる)事前判定情報に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、事前判定情報が、「大当り」を示すものである場合、「ハズレ」かつ「リーチ演出あり」を示すもの(リーチありハズレ)である場合、または、「ハズレ」かつ「リーチ演出なし」を示すもの(リーチなしハズレ)である場合のそれぞれにおいて、先読み乱数を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、先読み予告演出を実行すると決定する。なお、この先読み当選値は、事前判定情報が「大当り」の場合と、「リーチありハズレ」の場合と、「リーチなしハズレ」の場合とで、それぞれ異なる個数が設定されるものとしてもよい。具体的には、「大当り」の場合の先読み当選値の個数は、「リーチありハズレ」の場合の先読み当選値の個数よりも多く設定することにより、「大当り」時には先読み予告演出が実行され易いものとしてもよい。そして、先読み予告演出を実行すると決定した場合、CPU401は、この事前判定情報の条件(大当りしたか否かの条件等)を満たす多数の先読み予告演出のパターンから、抽選等によって、実行する先読み予告演出の内容を設定する。つまり、先読み予告演出として、各報知演出においてどの様な予告演出を行うかを設定する。なお、先読み予告演出は、例えば複数の報知演出に亘って大当りの可能性を示唆する予告演出である。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図12のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、画像表示部6等による報知演出の演出内容を設定し、設定した内容の報知演出の実行を画像音響制御部500等に指示して開始させる報知演出設定処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば、装飾図柄が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄が停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。
[報知演出設定処理]
ここで、図22を参照して、演出制御部400による報知演出設定処理について説明する。図22は、図20のステップS115の報知演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS701において、演出制御部400のCPU401は、今回実行する報知演出における演出モードを決定する。ここで、演出モードは、報知演出における演出様式であり、本実施形態では、確変遊技状態での演出モードとして、報知演出を赤色背景とする赤背景演出モードを実行し、通常遊技状態での演出モードとして、報知演出を青色背景とする青背景演出モード又は報知演出を緑色背景とする緑背景演出モードを実行する。具体的には、CPU401は、図20のステップS114で受信した遊技状態通知コマンドが確変遊技状態を示す場合には、今回実行する報知演出における演出モードを赤背景演出モードに決定する。一方、CPU401は、この遊技状態通知コマンドが通常遊技状態を示す場合には、今回実行する報知演出における演出モードを例えば抽選により青背景演出モード又は緑背景演出モードに決定する。その後、処理はステップS702に移る。
ステップS702において、CPU401は、図20のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンを決定する。具体的には、図13〜図16に示したように、CPU401は、設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)が「90.05秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.04秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.03秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.02秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第4SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.01秒」の場合には第5SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第5SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.03秒」の場合には第1SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.02秒」の場合には第2SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.01秒」の場合には第3SPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.01秒」の場合にはリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(リーチ当り)を決定する。またCPU401は、設定情報が示す変動パターンが「90.10秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.09秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.08秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.07秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第4SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.06秒」の場合には第5SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第5SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.06秒」の場合には第1SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.05秒」の場合には第2SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.04秒」の場合には第3SPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.02秒」の場合にはリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(リーチハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「13.50秒」以下の場合にはリーチも実行せずハズレ報知する演出パターン(即ハズレ)を決定する。その後、処理はステップS703に移る。
ステップS703において、CPU401は、ステップS702で決定された演出パターンに基づく演出の詳細な内容(シナリオ)を決定する。具体的には、CPU401は、ステップS702で決定された演出パターンに基づいて最終的に実行する演出(リーチ演出や即ハズレ演出)を決定するが、最終的な演出が実行されるまでのシナリオとして、どのような予告演出を構成するかを、演出乱数等に基づいて決定する。なお、予告演出とは、演出パターンに基づいて決定された最終的に実行される演出に至るまでに、あるいは当該演出中に、実行される種々の演出であり、例えば、装飾図柄が再変動表示される擬似連演出や、装飾図柄がリーチ状態となるリーチ目成立演出や、リーチ演出中に信頼度を予告するカットイン演出や、演出ボタン37の操作に応じた操作対応演出等が挙げられる。また、抽出された演出乱数を照会するテーブルは、ステップS702によって決定された演出パターンに応じて異なる(例えば、決定された演出パターンの信頼度が高いほど、遊技者の期待感をより高める予告演出が実行され易いテーブルが照会される)ことにより、演出パターンに応じて(つまり、変動パターンに応じて)、構成される予告演出が異なることになる。また、CPU401は、予告演出として操作対応演出の実行を決定する場合には、演出パターンに基づいて、演出ボタン37の操作に応じて参照する操作対応演出テーブルの種類(例えば、後述する図28に示すT1またはT2)を決定してその情報をRAM403に更新記憶する。なお、操作対応演出の詳細や操作対応演出テーブルの詳細については後に詳述する。その後、処理はステップS704に移る。
ステップS704において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS703において決定された演出内容の報知演出を実行させる。その後、報知演出設定処理は終了して、処理は図20のステップS116に移る。
説明は図20に戻り、ステップS116において、CPU401は、図12のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS120に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図21のステップS120に移る。
図21のステップS120において、CPU401は、図12のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、オープニング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のオープニング演出の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するオープニング演出処理について、図23を参照して説明する。
[オープニング演出処理]
図23のステップS1210において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信したオープニングコマンドに基づいて、大当りが通常遊技状態からの大当り(いわゆる初当り)であるか否かを判定する。ステップS1210での判定がYESの場合、処理はステップS1211に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1212に移る。
ステップS1211において、CPU501は、RAM503に記憶された履歴情報を消去する。ところで、CPU501は、例えば通常遊技状態において第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り遊技状態において大入賞口23等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り回数等の履歴情報を記憶している。そして、ステップS1211の処理によって、この履歴情報が消去されるため、オープニング演出が開始されてから(すなわち、大当り遊技が開始されてから)大入賞口23等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が新たにカウント開始されることとなる。その後、処理はステップS1212に移る。
ステップS1212において、CPU501は、RAM503に大当り履歴を記憶する。具体的には、CPU501は、RAM503に記憶された大当り回数Wcの値に1を加算して履歴情報としてRAM503に更新する。この処理により、連続して大当りした回数Wcが履歴情報としてRAM503に記憶される。なお、この大当り回数Wcは初期値として0がセットされており、前述したステップS1211の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。また、大当り履歴として、上記した大当り回数Wcに加えて、大当りの種類(図6に示す大当りA〜Cのいずれか)を示す情報がRAM503に記憶されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1213に移る。
ステップS1213において、CPU501は、オープニング演出を開始する。ここで、オープニング演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、大入賞口23に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。そして、CPU501は、オープニング演出処理を終了する。
説明は図21に戻り、ステップS122において、CPU401は、図19のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、ラウンド演出開始指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のラウンド演出処理の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するラウンド演出処理について、図24を参照して説明する。
[ラウンド演出処理]
図24のステップS1230において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、大当り履歴としてRAM503に記憶された大当りした回数Wcを示す情報を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS1231に移る。
ステップS1231において、CPU501は、演出制御部400を介して受信したラウンド開始通知コマンドに含まれる現在のラウンド数Rを示す情報に基づいて、現在のラウンド数を画像表示部6に表示する。その後、処理はステップS1232に移る。
ステップS1232において、CPU501は、ラウンド演出を実行する。ここで、ラウンド演出は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行される演出であり、例えば、遊技機のテーマに関するキャラクタの紹介画像等による演出である。そして、CPU501は、ラウンド演出処理を終了する。
説明は図21に戻り、ステップS124において、CPU401は、図19のステップS613等の処理でセットされ、図10のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、入賞処理指示を行う。具体的にはCPU401は、画像音響制御部500に対して、入賞処理の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行する入賞処理について、図25を参照して説明する。
[入賞処理]
図25のステップS1250において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400を介して受信した入賞コマンドに基づいて、各入賞口(第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24)への遊技球の入賞数をカウントアップして、RAM503に記憶する。その後、処理はステップS1251に移る。
ステップS1251において、CPU501は、大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞コマンドを受信すると(すなわち、大入賞口23へ遊技球が1つ入賞すると)、大入賞口23に対応する賞球数「13」を、RAM503に記憶された賞球総数Tに加算して更新する。なお、賞球総数Tは、初期値として0がセットされており、前述したステップS1211の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。このステップS1251の処理により、大当りした間に獲得された賞球総数Tが大当り履歴としてRAM503に記憶される。また、本実施形態では、賞球総数Tは、大入賞口23への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が加算されて算出されるものとしたが、大入賞口23への遊技球入賞のみならず、他の入賞口への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数も併せて加算されるものとしてもよい。例えば、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に対応する入賞コマンドを受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。また、普通入賞口24への遊技球入賞に対応する入賞コマンドを受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。すなわち、賞球総数Tには、上記した第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数のいずれが組み合わせて加算されてもよく、すべてが加算されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1252に移る。
ステップS1252において、CPU501は、ステップS1251の処理によってRAM503に更新された賞球総数Tを示す情報を画像表示部6に表示する。これにより、画像表示部6には、ラウンド遊技中に大入賞口23に遊技球が入賞する毎に更新される賞球総数Tが表示される。そして、CPU501は、入賞処理を終了する。
説明は図21に戻り、ステップS126において、CPU401は、図17のステップS617の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出を終了する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図18のステップS620の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、エンディング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のエンディング演出の開始を指示する。ここで、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するエンディング演出処理について図26を参照して説明する。
[エンディング演出処理]
図26のステップS1290において、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、エンディング演出を実行する。ここで、エンディング演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、典型的には、遊技機1のメーカーのマークを表示させる演出である。その後、処理はステップS1291に移る。
ステップS1291において、CPU501は、エンディングコマンドに基づいて、エンディング演出後(すなわち、大当り遊技演出の終了後)に実行されるモード演出(例えば、確変遊技状態であることを示すモード演出)を、画像表示部6に表示されるエンディング演出の下層レイヤで事前に実行する。具体的には、エンディングコマンドは、大当り図柄(例えば図6に示す大当りA)に基づいて送信され、大当り遊技終了後のモード演出の情報が含まれているため(言い換えると、大当り遊技終了後の演出状態に対応したエンディングコマンドが送信されるため)、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドに伴って送信される遊技状態通知コマンドを受信する前に、大当り遊技終了後のモード演出を知ることができる。このため、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドが送信されるよりも前に、それぞれの遊技状態に対応したモード演出を事前に実行することで、エンディング演出が終了するタイミングで即座にモード演出を開始させることができる。そして、CPU501は、エンディング演出を終了する。
説明は図21に戻り、ステップS130において、CPU401は、図12のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理を終了し、処理は図19のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、ステップS130で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500に指示して、客待ち処理を開始させる。そして、コマンド受信処理を終了し、処理は図19のステップS12に移る。なお、客待ち処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、客待ち処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、例えば、報知演出の開始指示を受けるまで、この客待ち処理を実行し、報知演出の開始指示を受けることで、この客待ち処理を終了する。ただし、CPU501は、ゲート25を遊技球が通過したことを示す情報や、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを示す情報を通知された場合には、客待ち処理を終了せずに継続する。また、客待ち処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、所定の客待ち画面を画像表示部6に表示する。ここで、客待ち画面とは、変動表示されていた装飾図柄が全て完全に停止して特別図柄抽選の結果がハズレであることが報知されてから規定の確定時間(0.5秒)そのまま停止表示された時点において、続いて実行される次の報知演出がない場合(つまり、保留がない場合)に表示される停止画面であって、報知演出が実行されていないことを示す画面である。客待ち画面としては、典型的には、報知演出の終了時に装飾図柄が完全に停止表示された画像が引き継がれて停止表示された画面であるが、報知演出が実行されていないことを示すものであればよく、この典型例に限定されるものではない。なお、CPU501は、上記した客待ち画面の表示を開始してから、所定時間(例えば90秒)が経過したときに、CPU401から他の演出の指示を受けない場合、デモ演出を開始する。ここで、デモ演出とは、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を、予め定められた所定時間(例えば再生時間60秒)表示させる演出であり、このデモ演出によって、遊技が中断又は終了していることが示唆されるとともに、画像表示部6に静止画像の焼き付き(ゴーストイメージ)が発生することが防止される。
[演出入力制御処理]
図27は、図19のステップS12の演出入力制御処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図27を参照して、図19のステップS12の演出入力制御処理について説明する。
まず、ステップS1201において、CPU401は、操作受付期間内において演出ボタン37に対する操作があったことに基づいて画像音響制御部500から伝達される操作情報(有効操作情報)を受信したか否かを判定する。ここで操作受付期間とは、演出ボタン37に対する操作を受け付ける期間であり、当該操作受付期間中には、演出ボタン37の操作に応じた操作対応演出が実行され得る。つまり、遊技者は演出ボタン37をいつでも操作することは可能ではあるが、操作に応じた操作対応演出が実行され得る期間が操作受付期間であるといえ、換言すれば、操作受付期間における操作は、演出に反映され得る有効な操作である一方、操作受付期間外における操作は演出に反映されない無効な操作であるといえる。なお、操作対応演出は、遊技者による演出ボタン37に対する操作に応じて実行される演出であればどのようなものであってもよいが、本実施形態では、SPリーチ中に実行され、SPSPリーチに発展するか否かを示唆する演出として機能する。具体的には、操作対応演出は、画像表示部6上にメータ画像MI(後述する図33参照)が表示され、演出ボタン37の操作に応じてメータ画像MIの表示態様が変化する(具体的には、メータ値が変化する)演出であり、メータ画像MIのメータ値が最大値(例えば10)に達するとSPSPリーチに発展することが示唆される。また、操作受付期間中には、後述する図29に示す画像音響制御部500の制御によって、当該操作受付期間中であることを示すゲージ画像GI(後述する図33参照)が画像表示部6に表示される。つまり、このゲージ画像GIは、遊技者による演出ボタン37に対する操作を受け付け中であることを示唆する示唆演出として機能する。なお、本実施形態では、一例として、上記した有効操作情報には、演出ボタン37が押下されたことを示す情報として、操作受付期間中における何回目の押下であるかを示す連打回数情報が含まれるとともに、現在の操作対応演出の表示態様を示す情報(具体的には、図33に示すメータ画像MIのメータ値)が含まれている。ステップS1201での判定がYESの場合、処理はステップS1202に移り、この判定がNOの場合、演出入力制御処理を終了し、処理は図19のステップS13に移る。
ステップS1202において、CPU401は、受信した有効操作情報に含まれる連打回数情報と現在の操作対応演出の表示態様を示す情報(図33に示すメータ画像MIのメータ値)とに基づいて、操作対応演出の演出内容(具体的には、図33に示すメータ画像MIのメータ値を上昇させるか否か等)を決定する。より具体的には、CPU401は、ROM402に記憶された複数の操作対応演出テーブルの中から、図22のステップS703の処理でRAM403に記憶された操作対応演出テーブルの種類の情報に対応した操作対応演出テーブル(例えば、図28に示すT1またはT2)を参照し、連打回数情報と現在の操作対応演出の表示態様を示す情報とに基づいて、操作対応演出の演出内容を決定する。なお、操作対応演出テーブルの詳細については、図28を参照して後述する。その後、処理はステップS1203に移る。
ステップS1203において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS1204において決定された操作対応演出を実行させる。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、演出入力制御処理を終了して、処理は図19のステップS13に移る。
[操作対応演出テーブル]
次に、図28を参照して操作対応演出テーブルについて説明する。本実施形態では、演出パターンに応じて複数の操作対応演出テーブルが用意されているが、一例として、2つの操作対応演出テーブルT1、T2について説明する。図28の(1)に示す操作対応演出テーブルT1は、SPリーチを経由してSPSPリーチに発展する演出パターンが決定された場合に参照されるテーブルの一例であり、図28の(2)に示す操作対応演出テーブルT2は、SPリーチに発展するがSPSPリーチには発展しない演出パターンが決定された場合に参照されるテーブルの一例である。なお、本実施形態では、第1SPSPリーチは、SPリーチ(第1SPリーチ等)を経由して発展するSPSPリーチ演出であり、図28の(1)に示す操作対応演出テーブルT1は、一例として、第1SPSPハズレまたは第1SPSP当りの演出パターンが決定された場合(つまり、第1SPSPリーチが実行されるとき)に参照されるテーブルを示し、図28の(2)に示す操作対応演出テーブルT2は、一例として、第1SPハズレまたは第1SP当りの演出パターンが決定された場合(つまり、第1SPリーチが実行されるとき)に参照されるテーブルを示す。また、操作対応演出は、SPリーチ中に実行され、操作対応演出の演出内容が遊技者の操作に応じて特定の成功表示態様になる(具体的には、メータ画像MIのメータ値が最大値10になる)と、SPSPリーチに発展することが示唆され、一方、操作対応演出の演出内容が上記した特定の成功表示態様にならない場合には、SPSPリーチに発展せずSPリーチが終了することが示唆される。このため、演出パターンとして第1SPSP当り、または第1SPSPハズレが決定されたときには、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様になり得る操作対応演出テーブルT1が参照され、演出パターンとして第1SPハズレまたは第1SP当りが決定されたときには、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様にはなり得ない操作対応演出テーブルT2が参照されることになる。なお、本実施形態では、演出パターンとして第1SP当りが決定されたときには、特定の成功表示態様にはならず、SPSPリーチには発展しないことが示唆されるが、その後、例えば可動役物が突如動作することにより大当りであることが報知される。以下、この操作対応演出テーブルT1、T2について具体的に説明する。
操作対応演出テーブルT1、T2は、有効操作情報に含まれる連打回数と現在の操作対応演出の表示態様(具体的にはメータ画像MIの現在のメータ値)に基づいて次に実行する操作対応演出の演出内容(メータ画像MIのメータ値をどの程度増加させるか)を決定する参照テーブルである。具体的には、図28に示す操作対応演出テーブルT1、T2において、例えば「60%(+1)」の表記は、メータ値を1増加させる演出内容が60%の割合で決定されることを意味し、残りの記載されていない割合(つまり40%)でメータ値を変化させない演出内容が決定されることを意味する。つまり、図28に示すテーブルでは、メータ値を増加させる演出内容が決定される割合と、そのときのメータ値の増加数についてのみ表記しており、表記していない残りの割合では、メータ値を変化させない演出内容が決定される。なお、上記の演出内容が決定される割合は、演出乱数に基づいて設定される。具体的には、例えば、演出乱数1〜100のうち、1〜60がメータ値を1増加させる演出内容に対応付けられ、61〜100がメータ値を変化させない演出内容に対応付けられており、1〜100の演出乱数の中から1つの演出乱数が抽選で決定されて、当該演出乱数に対応付けられた演出内容が決定されることにより、60%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定されることになる。また、本実施形態では、メータ画像MIのメータ値は、初期値0から最大値10までの整数値であり、メータ値が最大値である10に達することは、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様になったことを意味し、すなわち、後続の演出(SPSPリーチ)に発展することを意味する。このため、メータ値が10に達すると、後続の演出に発展することを示唆するために、特定の成功表示態様になったことを報知する成功報知演出(例えば、「成功」の文字画像を表示する表示演出)が実行され、これ以上演出ボタン37を操作しても、操作に応じた操作対応演出が実行されることはない。したがって、操作対応演出が特定の成功表示態様で表示されると(メータ値が10に達すると)、実質的に操作受付期間は終了することになり、操作受付期間中であることを示唆するゲージ画像GIの表示や演出ボタン37の発光が終了する。
図28の(1)に示すように、操作対応演出テーブルT1において、連打回数が1〜4回目(つまり、操作受付期間中の1〜4回目の演出ボタン37に対する押下操作)である場合には、現在のメータ値が0である場合には60%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定され、現在のメータ値が1である場合には50%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定され、現在のメータ値が2である場合には40%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定され、現在のメータ値が3である場合には30%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定される。つまり、現在のメータ値が小さいほどメータ値を増加させる演出内容が決定され易い。
操作対応演出テーブルT1において、連打回数が5回目(つまり、操作受付期間中の5回目の演出ボタン37に対する押下操作)である場合には、現在のメータ値が0である場合には100%の割合でメータ値を2増加させる(つまり、メータ値が2となる)演出内容が決定され、現在のメータ値が1である場合には100%の割合でメータ値を1増加させる(つまり、メータ値が2となる)演出内容が決定され、現在のメータ値が2である場合には50%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定され、現在のメータ値が3である場合には40%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定され、現在のメータ値が4である場合には30%の割合でメータ値を1増加させる演出内容が決定される。つまり、連打回数が5回目である場合も、現在のメータ値が小さいほどメータ値を増加させる演出内容が決定され易いが、必ずメータ値が2以上となる演出内容が決定されることになる。したがって、連打回数が5回目に達した後には、現在のメータ値は必ず2以上となり、連打をし続けたにもかかわらず抽選によりメータ値がいっこうに変化しないという事態が回避される。
同様にして、操作対応演出テーブルT1において、連打回数が6〜19回目である場合には、現在のメータ値が小さいほどメータ値を増加させる演出内容が決定され易く、連打回数が10回目である場合には、必ずメータ値が4以上となる演出内容が決定され、連打回数が15回目である場合には、必ずメータ値が6以上となる演出内容が決定される。そして、連打回数が20回目である場合には、現在のメータ値が6である場合には100%の割合でメータ値を4増加させる(つまり、メータ値が10となる)演出内容が決定され、現在のメータ値が7である場合には100%の割合でメータ値を3増加させる(つまり、メータ値が10となる)演出内容が決定され、現在のメータ値が8である場合には100%の割合でメータ値を2増加させる(つまり、メータ値が10となる)演出内容が決定され、現在のメータ値が9である場合には100%の割合でメータ値を1増加させる(つまり、メータ値が10となる)演出内容が決定される。したがって、連打回数が20回目に達した後には、現在のメータ値は必ず10になる。なお、前述したように、メータ値が最大値の10に達すると、これ以上演出ボタン37を操作しても、操作に応じた操作対応演出が実行されることはなく、操作受付期間は終了する。このため、演出テーブルT1では、21回目以上の演出ボタン37の操作が行われた場合について規定されていない。
以上のように、第1SPSP当りまたは第1SPSPハズレが決定されることにより操作対応演出テーブルT1が参照されると、操作受付期間中に連打回数が少なくとも20回目に達すると、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が最大値10)になり、第1SPSPリーチに発展することが示唆される。つまり、操作対応演出テーブルT1は、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様になり得る参照テーブルである。なお、操作受付期間中に連打回数が20回目に達することが無く、かつ、メータ値が最大値10に達しなかった場合には、操作受付期間が終了することを契機に、強制的にメータ値が10になり成功報知演出が実行される。
図28の(2)に示すように、操作対応演出テーブルT2において、連打回数が1〜9回目である場合には、割合の数値に若干の差異はあるものの操作対応演出テーブルT1と同様に、現在のメータ値が小さいほどメータ値を増加させる演出内容が決定され易く、連打回数が5回目である場合には、必ずメータ値が2以上となる演出内容が決定される。一方、連打回数が10回目以降になると、現在のメータ値が9未満である場合には現在のメータ値が小さいほどメータ値を増加させる演出内容が決定され易いが、現在のメータ値が9である場合にはメータ値を増加させる演出内容が決定されることはない(0%の抽選割合である)。つまり、現在のメータ値が9である場合には、連打回数が何回目であってもメータ値を増加させる演出内容が決定されることはなく、メータ値が最大値の10に達することはない。したがって、操作対応演出テーブルT2が参照される場合には、メータ値が最大値10に達することはなく、すなわち、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様になることはなく、操作受付期間が終了すると特定の成功表示態様にならなかったことを報知する失敗報知演出(例えば、「残念」の文字画像を表示する表示演出)が実行される。なお、操作対応演出テーブルT2では、連打回数が10回目である場合には、必ずメータ値が4以上となる演出内容が決定され、連打回数が15回目である場合には、必ずメータ値が5以上となる演出内容が決定され、操作受付期間内に連打回数が20回を超えても操作に応じた操作対応演出が実行され得るので、操作対応演出テーブルT2では、21回目以上の演出ボタン37の操作が行われた場合についても規定されている。
以上のように、第1SPハズレまたは第1SP当りの演出パターンが決定されることにより操作対応演出テーブルT2が参照されると、操作受付期間中に連打回数が何回目に達しても、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が10)になることはなく、後続の演出には発展しないことが示唆される。つまり、操作対応演出テーブルT2は、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様になり得ない参照テーブルである。
次に、本実施形態で特徴的な、上記した操作対応演出等を含む報知演出を実行する画像音響制御部500による演出実行処理および操作情報送受信処理について説明する。なお、本実施形態における画像音響制御部500による操作情報送受信処理として、第1の実施形態と第2の実施形態について説明する。
[画像音響制御部による演出実行処理]
まず、図29を参照して、画像音響制御部500において行われる演出実行処理について説明する。画像音響制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図29に示す一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図29のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部500で行われる処理は、ROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、図29に示す演出実行処理では、本実施形態で特徴的な操作対応演出以外の部分については、その説明を簡略化している。
まず、ステップS801において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から報知演出を指示するコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS801での判定がYESの場合、処理はステップS802に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS803に移る。
ステップS802において、CPU501は、ステップS801で受信したコマンドにしたがって設定された演出内容に基づいて、構成された予告演出(操作対応演出等)の実行タイミングや実行時間等のスケジュールを設定する。例えば、画像音響制御部500は、受信した報知演出を指示するコマンドに操作対応演出を含む演出内容が規定されている場合には、構成された操作対応演出の実行タイミングや実行時間等のスケジュールを設定し、当該設定に基づいて操作受付期間(例えば、報知演出が開始されてから30秒後から36秒後までの6秒間)を設定する。その後、処理はステップS803に移る。
ステップS803において、CPU501は、ステップS802の処理によって演出がスケジュール設定されているか否かを判定する。ステップS803での判定がYESの場合、処理はステップS804に移り、この判定がNOの場合、一連の演出実行処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図29に示した一連の演出実行処理を繰り返す。
ステップS804において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された演出(つまり、演出制御部400から指示された報知演出)が、操作対応演出を含むものであるか否かを判定する。ステップS804での判定がYESの場合、処理はステップS805に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS811に移る。
ステップS805において、CPU501は、ステップS802で設定されたスケジュールに基づいて、操作受付期間中であるか否かを判定する。ステップS805での判定がYESの場合、処理はステップS806に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS807に移る。
ステップS806において、CPU501は、操作受付期間中であることを示唆する操作受付中示唆演出として、横長の棒状のゲージ部分によって操作受付期間の経過時間(あるいは操作受付期間の残余時間)を示すゲージ画像GIを、操作受付期間中の経過時間に応じた表示態様で画像表示部6に表示する。具体的には、ゲージ画像GIのゲージ部分は、操作受付期間の残余時間を示す例えば赤色の残余ゲージ部分(図33に示すゲージ画像GIのドット部で示す部分)と、操作受付期間の経過時間を示す例えば白色の経過ゲージ部分(図33に示すゲージ画像GIのドット部を除いた白抜き部で示す部分)とから成り、CPU501は、操作受付期間中の経過時間が0のときには残余ゲージ部分と経過ゲージ部分の割合を10対0にした表示態様で表示し、経過時間が増加するほど残余ゲージ部分の割合を減少するとともに経過ゲージ部分の割合を増加させた表示態様で表示し、経過時間が操作受付期間に一致すると残余ゲージ部分と経過ゲージ部分の割合を0対10にした表示態様で表示する。これにより、操作受付期間が開始されてから終了されるまでの間に時間の経過に伴って、赤色の残余ゲージ部分が最大の状態(つまり、操作受付期間の長さに相当する状態)から徐々に減少されて0の状態に遷移されると同時に、白色の経過ゲージ部分が0の状態から徐々に増加されて上記最大の状態に遷移表示される。なお、ステップS806の処理において、CPU501は、ランプ制御部600に対して、操作受付期間中に演出ボタン37を発光させることを指示するものとしてもよい。この指示に基づいてランプ制御部600が操作受付期間中に演出ボタン37を発光させることにより、遊技者は、画像表示部6に表示されるゲージ画像GIだけでなく、演出ボタン37の発光を視認することで操作が受け付け中であるか否かを確認することができる。つまり、演出ボタン37の発光演出も、操作受付中示唆演出として機能する。その後、処理はステップS807に移る。
ステップS807において、CPU501は、演出制御部400から操作対応演出を指示する演出指示コマンド(図27のステップS1203参照)を受信したか否かを判定する。ステップS807での判定がYESの場合、処理はステップS808に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS809に移る。
ステップS808において、CPU501は、ステップS807で受信した操作対応演出を指示する演出指示コマンドに基づいて、設定された演出内容の操作対応演出(例えば、メータ値を1増加させる演出内容の演出)を実行する。その後、処理はステップS809に移る。
ステップS809において、CPU501は、ステップS802で設定されたスケジュールに基づいて、操作受付期間の終了タイミングであるか否かを判定する。また、CPU501は、ステップS808の処理において実行される操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が10)である場合には、これ以上演出ボタン37が操作されても操作に応じた操作対応演出が実行されることはないので、操作受付期間が終了したものと判定する。その後、処理はステップS810に移る。
ステップS810において、CPU501は、操作受付中示唆演出を終了する。具体的には、CPU501は、画像表示部6に表示していたゲージ画像GIの表示を終了し、操作受付期間中に演出ボタン37を発光させていた場合にはその発光を終了する。その後、処理はステップS811に移る。
ステップS811において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された所定の演出の開始タイミングであるか否かを判定する。なお、この所定の演出は、操作対応演出を除く様々な演出であり、例えば、リーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、成功報知演出、失敗報知演出等である。また、ステップS802の処理によってスケジュール設定された演出が、操作対応演出を含むものであって、かつ、SPSPリーチ演出に発展する演出である場合において、操作受付期間が終了したときに操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が最大値10)でない場合には、CPU501は、所定の演出として強制的にメータ値を10にして成功報知演出を実行するタイミングであると判定する。ステップS811での判定がYESの場合、処理はステップS812に移り、この判定がNOの場合、一連の演出実行処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図29に示した一連の演出実行処理を繰り返す。
ステップS812において、CPU501は、ステップS811の処理で開始タイミングであると判定された所定の演出を開始する。その後、一連の演出実行処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図29に示した一連の演出実行処理を繰り返す。
[第1の実施形態]
[画像音響制御部による操作情報送受信処理]
次に、図30を参照して、第1の実施形態における、画像音響制御部500による操作情報送受信処理について説明する。画像音響制御部500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図30に示す一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図30のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部500で行われる処理は、ROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
ステップS821において、CPU501は、ランプ制御部600から送信された、演出ボタン37が操作されたことを示す操作情報を受信したか否かを判定する。ステップS821での判定がYESの場合、処理はステップS822に移り、この判定がNOの場合、一連の操作情報送受信処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図30に示した一連の操作情報送受信処理を繰り返す。
ステップS822において、CPU501は、操作受付期間内であるか否かを判定する。なお、操作受付期間内であるか否かは、図29のステップS802を参照して前述したスケジュール情報に基づいて判定される。ステップS822での判定がYESの場合、処理はステップS823に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS826に移る。
ステップS823において、CPU501は、操作受付期間のうち特定期間内であるか否かを判定する。ここで、特定期間とは、操作受付期間のうち最後の所定期間を示し、本実施形態では、操作受付期間である180f(フレーム)(すなわち6秒間)のうち最後の2f(2/30秒間)の期間が特定期間として設定されている(後述の図32参照)。なお、特定期間内であるか否かは、図29のステップS802を参照して前述したスケジュール情報に基づいて判定される。ステップS823での判定がYESの場合、処理はステップS825に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS824に移る。
ステップS824において、CPU501は、ステップS821で受信した操作情報が有効な操作情報である(つまり、操作受付期間内において取得された操作情報である)ことに基づいて、有効操作情報を演出制御部400に送信する。その後、処理はステップS826に移る。
ステップS825において、CPU501は、ステップS821で受信した操作情報が有効な操作情報である(つまり、操作受付期間内において取得された操作情報である)が、特定期間内において取得された操作情報であることに基づいて、有効操作情報を演出制御部400に送信しない。その後、処理はステップS826に移る。
ステップS826において、CPU501は、ステップS821で操作情報を受信したことに基づいて、演出ボタン37が操作されたことを示す演出(例えば、演出ボタン37を点灯させる演出や、操作音を出力する演出)をランプ制御部600に実行させる。そして、一連の操作情報送受信処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図30に示した一連の操作情報送受信処理を繰り返す。
以上に説明したように、第1の実施形態では、操作受付期間内であっても特定期間内の場合には、CPU501は、ランプ制御部600から受信した操作情報が有効であるにもかかわらず、操作情報が有効であることに基づく有効操作情報を演出制御部400に送信しない。この理由について以下に詳述する。
図27、図29を参照して説明したように、本実施形態では、ランプ制御部600からの操作情報を取得した画像音響制御部500が、当該操作情報が有効である(つまり、操作受付期間内において取得された操作情報である)場合に、演出制御部400に有効操作情報を送信し、演出制御部400が、画像音響制御部500から受信した有効操作情報に基づいて操作対応演出の演出内容を決定し、当該演出内容の操作対応演出の実行を画像音響制御部500に指示する。しかし、画像音響制御部500が有効操作情報を送信する処理タイミングにおいては、当該有効操作情報に基づいて決定される演出内容の操作対応演出の演出指示コマンドが演出制御部400から未だ送信されていないため、画像音響制御部500は、送信した有効操作情報に基づいた操作対応演出の演出指示コマンドを受信することができず、次の処理タイミングにおいて操作対応演出の演出指示コマンドを受信し、当該演出指示コマンドに基づいて演出処理(描画処理)を実行する。以下、図31を用いて具体的に説明する。
図31は、従来の操作対応演出に関するタイミングチャートの一例である。図31に示すように、操作受付期間が6秒間(180f)であり、SPリーチ中の特定の時刻t=0f〜180fが操作受付期間であるものとする。このとき、画像音響制御部500のCPU501は、33ms毎(つまり、1f毎)に描画処理等を実行する。具体的には、まず、画像音響制御部500のCPU501は、時刻t=0fにおいて操作受付期間が開始されると、操作受付期間を示すゲージ画像GIの表示(描画処理)を画像表示部6において開始する。
そして、CPU501は、例えば時刻t=5fにおいて連打回数が1回目の操作情報をランプ制御部600から受信すると、当該操作情報が有効であることに基づいて、有効操作情報を演出制御部400に送信する。なお、この時刻t=5fにおいては、演出制御部400から操作対応演出を指示する演出指示コマンドが送信されていないため、画像表示部6において連打回数1回目の操作に応じた操作対応演出は実行されない(初期表示のままである)。演出制御部400のCPU401は、画像音響制御部500のCPU501とは異なる処理周期(4ms毎)であるため、画像音響制御部500から送信される有効操作情報を待機して受信し、受信した有効操作情報に基づいて操作対応演出の演出内容を決定して、当該演出内容の演出指示コマンドを画像音響制御部500に送信する。なお、このとき、CPU401の処理周期は、CPU501の処理周期よりも短いので、演出制御部400から送信された演出指示コマンドは、画像音響制御部500の受信バッファに格納され、CPU501は、その処理周期(33m毎)に応じた処理タイミングにおいて、受信バッファに格納された演出指示コマンドを受信する。したがって、画像音響制御部500のCPU501は、時刻t=6f(つまり、連打回数1回目の有効操作情報を送信したフレーム処理の次のフレーム処理のタイミング)において、演出制御部400からの演出指示コマンドを受信し、当該演出指示コマンドに基づいて連打回数1回目の操作に対応する演出内容の操作対応演出の表示(描画処理)を画像表示部6において実行する。このように、処理周期の異なる画像音響制御部500と演出制御部400との間でコマンド等の送受信処理が行われることで操作対応演出の描画処理が実行されるため、画像音響制御部500は、ランプ制御部600から操作情報を受信したフレーム処理のタイミングではなく、次のフレーム処理のタイミングで当該操作情報に基づいた操作対応演出の表示(描画処理)を実行する。なお、本実施形態においては、演出制御部400から演出指示コマンドを受信したフレーム(演出指示受信フレーム)において、演出指示コマンドに基づいた演出内容の演出が画像表示部6に表示(出力)されるものとするが、一方のフレームバッファから画像を出力している間に他方のフレームバッファに描画処理を行うダブルバッファ方式を適用するものとしてもよい。この場合には、演出指示受信フレームにおいてはフレームバッファに描画処理が行われ、次のフレームにおいてフレームバッファの描画内容が画像表示部6に出力される。このため、ダブルバッファ方式を採用する場合には、画像表示部6に演出が表示される(描画処理が行われる)タイミングは、演出指示受信フレームよりもさらに1フレーム遅れることになる。
同様に、画像音響制御部500のCPU501が、操作受付期間の最後である時刻t=180fにおいて、連打回数N回目の操作情報をランプ制御部600から受信すると、操作受付期間中の有効な操作であるため当該操作情報が有効であることに基づいて、有効操作情報を演出制御部400に送信する。また、時刻t=180fでは、操作受付期間の終了タイミング(最後のタイミング)となるため、CPU501は、画像表示部6におけるゲージ画像GIの表示を終了する。そして、演出制御部400のCPU401は、受信したN回目の有効操作情報に基づいて決定した演出内容の操作対応演出の演出指示コマンドを画像音響制御部500に送信するが、CPU501が当該演出指示コマンドに基づいて操作対応演出の描画処理を行うタイミングは、時刻t=181fとなる。そして、画像音響制御部500は、演出制御部400から演出指示コマンドを受信すると当該演出指示コマンドに基づいて描画処理を実行するので、時刻t=181fにおいて、N回目の操作情報が有効であること(有効操作情報)に基づく操作対応演出の表示(描画処理)を画像表示部6において実行することになる。すると、操作受付期間内の操作に基づく操作対応演出が、操作受付期間が終了してから(すなわち、操作受付期間を示すゲージ画像GIの表示が終了してから)、表示されてしまうことになり、違和感のある演出が実行されてしまうことになる。
以上のように、従来では、操作受付期間が終了したにもかかわらず、操作対応演出が実行されてしまう場合があり、不自然な演出が実行されてしまうことがあった。なお、上記のように、操作対応演出が操作受付期間の終了後に実行されることを回避する方法として、操作対応演出の制御処理を、画像音響制御部500のCPU501と演出制御部400のCPU401による分担処理ではなく、1つのCPU(例えばCPU501)による集中処理で実行するということが考えられる。このようにすれば、CPU501とCPU401の間のコマンド等の送受信処理が不要となるので、CPU501の操作情報の受信処理のタイミングと、当該操作情報が有効であることに基づく操作対応演出の描画処理のタイミングがずれてしまう(例えば1f分ずれる)という問題が解決され得る。しかしながら、昨今の遊技機では遊技演出は遊技者の興味を惹くために非常に重要な要素となっており、そのため、遊技演出の制御処理の処理負荷も増加する傾向にある。したがって、今後も複数のCPUを用いて演出制御処理を実行することが有益であり、また、複数のCPUを用いて処理を分担して互いにコマンド等の送受信を行うことで、エラー時にどの処理が原因であるかを特定し易いという利点もある。したがって、本実施形態では、複数のCPUを用いて遊技演出の制御処理を行い、かつ、操作対応演出が操作受付期間外に実行されることを回避する方法を採用することにし、第1の実施形態では、操作受付期間内であっても特定期間内の場合には、CPU501は、ランプ制御部600から受信した操作情報を演出制御部400に送信しないことにした。
具体的には、図32に示すように、第1の実施形態では、操作受付期間内であっても最後の特定期間(例えば、時刻t=178f〜180f)において、連打回数N回目の操作情報をランプ制御部600から受信しても、画像音響制御部500のCPU501は、当該操作情報を有効な操作情報とはみなさず、これを演出制御部400に送信しないことにする。すると、当該特定期間中(つまり、操作受付期間内)の操作情報が有効であることに基づく有効操作情報は演出制御部400に受信されることがないので、当該特定期間中の有効操作情報に基づく演出内容の操作対応演出の演出指示コマンドが演出制御部400から送信されることもない。このため、画像音響制御部500は、特定期間中の操作情報が有効であること(有効操作情報)に基づいて、特定期間終了後(すなわち、操作受付期間の終了後)に、操作対応演出の描画処理を実行することがない。つまり、第1の実施形態では、操作受付期間を示唆するゲージ画像GIは、180f分(6秒間)表示されることにより、当該180fの期間が操作受付期間であることが示唆されるが、操作対応演出に用いられる有効な操作とみなされる期間は、操作受付期間から特定期間を除いた178fの期間となる。したがって、第1の実施形態では、表示されるゲージ画像GIによって示唆される操作受付期間と実際に操作が有効とみなされる期間は異なることになる。なお、特定期間内の直前の操作受付期間内(例えば、時刻t=177f)において操作情報が画像音響制御部500によって受信された場合には、画像音響制御部500は、特定期間内(時刻t=178f)において当該操作情報が有効であることに基づく演出内容の操作対応演出の演出指示コマンドを演出制御部400から受信するため、特定期間内において操作対応演出が実行されることになるが、操作受付期間外において操作対応演出が実行されることはない。
なお、本実施形態では、CPU401の処理周期は、CPU501の処理周期よりも短いため、CPU501は、ランプ制御部600から操作情報を受信したフレーム処理の次の処理のタイミングで当該操作情報が有効であること(有効操作情報)に基づいた操作対応演出の表示を実行することが可能となる。しかし、CPU501が操作対応演出の表示を実行するタイミングは、CPU401とCPU501の処理周期の差異によって異なるものとなる。具体的には、CPU401の処理周期がCPU501の処理周期よりも長い場合には、CPU501は、ランプ制御部600から操作情報を受信したフレーム処理の次の処理のタイミングでは、当該操作情報が有効であることに基づいた操作対応演出の演出指示コマンドをCPU401から未だ受信できない場合がある。このような場合には、CPU501は、さらに次の処理のタイミング等で当該操作情報が有効であることに基づいた操作対応演出の表示を実行することになり、操作情報を受信したフレーム処理のタイミングと、当該受信した操作情報に対応する操作対応演出の表示を行うフレーム処理タイミングとが、さらにずれることになる。また、このような処理のずれが発生するのは、ダブルバッファ方式を適用する場合においても同様である。このことから、上記した第1の実施形態では、特定期間の長さは操作受付期間の最後の2フレームとしているが、CPU401とCPU501の処理周期の差異や、ダブルバッファ方式を適用する等の何らかの事情により処理が遅れる場合等を考慮して、特定期間の長さを設定することが好ましい。また、CPU401の処理周期とCPU501の処理周期が同じであったとしても処理タイミングが一致(完全同期)していない限り、CPU501は、操作情報を受信したフレーム処理のタイミングでは、当該操作情報が有効であることに基づいた操作対応演出の演出指示コマンドを受信することはできないので、操作情報を受信したフレーム処理のタイミングと、当該受信した操作情報に対応する操作対応演出の表示を行うフレーム処理タイミングとは、ずれることになる。
[特徴的動作の一例]
次に、以上にフローチャートを用いて説明した第1の実施形態による特徴的動作(操作対応演出)の一例について、図33、図34を用いて具体的に説明する。図33、図34は、本発明の第一の実施形態において実行される操作対応演出の一例を示す。なお、図33は、演出パターンとして第1SPハズレが決定されたとき(すなわち、SPSPリーチには発展しないとき)に実行される操作対応演出の一例を示し、図34は、演出パターンとして第1SPSPハズレが決定されたとき(すなわち、SPSPリーチに発展するとき)に実行される操作対応演出の一例を示す。
まず、図33を参照して、演出パターンとして第1SPハズレが決定されたときに実行される操作対応演出の一例について説明する。
操作対応演出を伴う報知演出が実行される場合には、特別図柄の変動が開始されると、画像表示部6において、3つの装飾図柄DIの変動表示が開始され、図33の(1)に示すように、左に配された装飾図柄DIと、右に配された装飾図柄DIとが同一の出目(例えば、出目「4」)で仮停止表示されるリーチ目成立演出が実行される(いわゆるリーチ状態が成立する)。なお、仮停止とは、装飾図柄DIの変動が停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに変動した状態で表示される。これにより、特別図柄が未だ変動中であることが示される。また、図33では、変動中または仮停止中の装飾図柄DIを点線で表示し、完全に停止(本停止)した装飾図柄DIを実線で表示している。
次に、図33の(2)に示すように、画像表示部6において、SPリーチ演出が実行される。なお、SPリーチ演出はどのようなものであってもよいが、例えば2Dアニメーションの主人公のキャラクタが敵のキャラクタと戦う動画像のバトル演出が実行される。なお、この際、装飾図柄DIは、左上隅に縮小表示されて変動表示されるが、非表示であってもよい。
次に、図33の(3)に示すように、画像表示部6において、SPリーチ演出中の最終局面において、後続のSPSPリーチ演出に発展するか否かを決定する操作対応演出の説明を行うボタン指示演出が開始される。具体的には、演出ボタン37の操作に応じて表示態様が変わるメータ画像MIを表示するとともに、演出ボタン37を操作することによりメータ画像MIのメータ値を上昇させてその値をMAX(最大値10)にすることを指示するボタン指示演出が開始される。これにより、遊技者は、演出ボタン37の操作を行う準備をすることができる。なお、本実施形態では、このメータ画像MIのメータ値は、SPリーチの演出内容と関連付けられており、一例として、SPリーチ中に敵キャラクタに敗北した主人公キャラクタの体力値に関連付けられており、当該メータ値がMAXに達すると主人公キャラクタが復活し、SPSPリーチ(後半のバトル)に発展することが期待される。
次に、図33の(4)に示すように、操作受付期間が開始されることに伴って、画像表示部6には、操作受付期間を示すゲージ画像GIが始期態様で表示される。具体的には、ゲージ画像GIの赤色の残余ゲージ部分(図33のドットで示す部分)が最大であり、白色の経過ゲージ部分が0の状態で表示される。なお、このゲージ画像GIは、時間の経過に伴って徐々に遷移表示され、具体的には、赤色の残余ゲージ部分が減少し、白色の経過ゲージ部分が増加され(図33の(5)〜(7)参照)、終期態様では、赤色の残余ゲージ部分が0となり、白色の経過ゲージ部分が最大となる(図33の(8)参照)。
次に、図33の(5)、(6)に示すように、特定期間ではない操作受付期間内に演出ボタン37の操作が行われると、その連打回数と現在のメータ画像MIのメータ値に応じて、図28の(2)に示す操作対応演出テーブルT2が参照されて決定された演出内容の操作対応演出が実行されることにより、メータ画像MIのメータ値が上昇等される。
次に、図33の(7)に示すように、特定期間中に演出ボタン37の操作が行われても、当該操作に基づく操作情報が画像音響制御部500から演出制御部400に送信されないため、当該操作に基づいてメータ画像MIのメータ値は変化しない(つまり、メータ値が7であれば演出ボタン37の操作が行われてもメータ値は7のままである)。すなわち、特定期間中に演出ボタン37の操作が行われても当該操作は有効な操作であるとはみなされず、当該操作に応じた操作対応演出は実行されない。しかしながら、演出ボタン37の操作を受け付け中であることを示唆するゲージ画像GIは表示される。つまり、特定期間中には、実際には演出ボタン37に対する操作が有効であるとはみなされないが、操作を受け付け中であることを示唆するゲージ画像GIは表示されることとなり、結果として、表示されるゲージ画像GIによって示唆される操作受付期間と、実際に操作が有効とみなされる期間(特定期間を除いた操作受付期間)とは異なることになる。なお、特定期間の直前の操作受付期間内において演出ボタン37の操作が行われていた場合には、当該操作は有効であるとみなされるので特定期間中に当該操作に基づいてメータ画像MIのメータ値が変化する場合がある。
次に、図33の(8)に示すように、操作受付期間の終了タイミングが到来することに伴って、画像表示部6には、操作受付期間を示すゲージ画像GIが終期態様で表示される。具体的には、ゲージ画像GIの赤色の残余ゲージ部分が0となり、白色の経過ゲージ部分が最大となる。なお、その後、ゲージ画像GIの表示は終了する。
次に、図33の(9)に示すように、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が最大値10)にはならなかったことを報知する失敗報知演出(例えば、「残念…」という文字画像の表示)が実行される。これにより、後続の演出(SPSPリーチ演出)には発展しないことが示唆される。
次に、図33の(10)に示すように、画像表示部6において、装飾図柄DIとして確定図柄が停止表示される。具体的には、ハズレであることを報知するために、装飾図柄DIとしてハズレ図柄(例えば、数字図柄「4」「1」「4」のばらけ目)が確定して停止表示される。
次に、図34を参照して、演出パターンとして第1SPSPハズレが決定されたときに実行される操作対応演出の一例について説明する。なお、図34の(1)〜(4)に示す第1SPSPハズレが決定されたときの操作対応演出は、図33の(1)〜(4)に示す第1SPハズレが決定されたときの操作対応演出と同様であるため、その説明は省略する。
図34の(5)、(6)に示すように、特定期間ではない操作受付期間内に演出ボタン37の操作が行われると、その連打回数と現在のメータ画像MIのメータ値に応じて、図28の(1)に示す操作対応演出テーブルT1が参照されて決定された演出内容の操作対応演出が実行されることにより、メータ画像MIのメータ値が上昇等される。なお、特定期間ではない操作受付期間内に連打回数が少なくとも20回目に達すると、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が最大値10)になり、これ以上の操作が行われたとしても操作に応じた操作対応演出が実行されることはなく操作受付期間が終了する(つまり、ゲージ画像GIが非表示となる)が、ここでは、特定期間ではない操作受付期間内にメータ値が最大値10に達しなかったものとする。
次に、図34の(7)に示すように、特定期間中に演出ボタン37の操作が行われても、当該操作に基づく操作情報が画像音響制御部500から演出制御部400に送信されないため、当該操作に基づいてメータ画像MIのメータ値は変化しない(つまり、メータ値が7であれば演出ボタン37の操作が行われてもメータ値は7のままである)。すなわち、特定期間中に演出ボタン37の操作が行われても当該操作は有効な操作であるとはみなされず、当該操作に応じた操作対応演出は実行されない。しかしながら、演出ボタン37の操作を受け付け中であることを示唆するゲージ画像GIは表示される。
次に、図34の(8)に示すように、操作受付期間の終了タイミングが到来することに伴って、画像表示部6には、操作受付期間を示すゲージ画像GIが終期態様で表示される。具体的には、ゲージ画像GIの赤色の残余ゲージ部分が0となり、白色の経過ゲージ部分が最大となる。なお、その後、ゲージ画像GIの表示は終了する。
次に、図34の(9)に示すように、操作受付期間が終了したことを契機に、現在のメータ画像MIのメータ値にかかわらず、操作対応演出の演出内容が特定の成功表示態様(メータ値が最大値10)になったことを報知する成功報知演出(例えば、「成功…」という文字画像の表示)が実行される。これにより、後続の演出(SPSPリーチ演出)に発展することが示唆される。
次に、図34の(10)に示すように、画像表示部6において、SPSPリーチ演出が実行される。なお、SPSPリーチ演出はどのようなものであってもよいが、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば実写版の主人公が敵と戦う動画像のバトル演出が実行される。なお、この際、装飾図柄DIは、左上隅に縮小表示されて変動表示されるが、非表示であってもよい。
以上のように、第1の実施形態では、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において演出ボタン37に対する操作があった場合には、当該操作に基づく操作情報を画像音響制御部500が演出制御部400に送信しないことにより、当該操作を有効な操作とみなさず、結果として、特定期間の終了後(つまり、操作受付期間の終了後)に操作対応演出(メータ画像MIの変化)が実行されないようにすることができる。
[第2の実施形態]
[画像音響制御部による操作情報送受信処理]
次に、上記した操作対応演出等を含む報知演出を実行する画像音響制御部500による操作情報送受信処理の第2の実施形態について説明する。図35は、画像音響制御部500によって行われる操作情報送受信処理の第2の実施形態を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態における操作情報送受信処理は、図30を参照して説明した第1の実施形態における操作情報送受信処理と対比して、一部の処理が異なる。したがって、以下に、図35を参照して、図30の処理と異なる処理について説明し、図30の各処理と共通する処理については、同じステップ番号を付してその説明を省略する。
図35に示す処理では、図33に示す処理のうちステップS823の判定処理が割愛される。このため、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、操作受付期間内であれば特定期間内であっても(ステップS822でYES)、ランプ制御部600から受信した操作情報(有効操作情報)が演出制御部400に送信される(ステップS824)。
また、ステップS827において、CPU501は、操作受付期間において特定期間の開始タイミングであるか否かを判定する。なお、特定期間の開始タイミングであるか否かは、図29のステップS802を参照して前述したスケジュール情報に基づいて判定される。ステップS827での判定がYESの場合、処理はステップS828に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS829に移る。
ステップS828において、CPU501は、特定期間が開始されたことを示す特定期間開始情報を演出制御部400に送信する。その後、処理はステップS829に移る。
ステップS829において、CPU501は、操作受付期間において特定期間の終了タイミング(つまり、操作受付期間の終了タイミング)であるか否かを判定する。なお、特定期間の終了タイミングであるか否かは、図29のステップS802を参照して前述したスケジュール情報に基づいて判定される。ステップS829での判定がYESの場合、処理はステップS830に移り、この判定がNOの場合、一連の操作情報送受信処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図35に示した一連の操作情報送受信処理を繰り返す。
ステップS830において、CPU501は、特定期間が終了されたことを示す特定期間終了情報を演出制御部400に送信する。そして、一連の操作情報送受信処理を終了し、所定サイクルで(33ミリ秒毎に)図35に示した一連の操作情報送受信処理を繰り返す。
上記したように、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、操作受付期間内であれば特定期間であっても画像音響制御部500から演出制御部400に有効操作情報が送信されるが、特定期間の開始タイミングおよび終了タイミングを示す情報も併せて送信される。このため、第2の実施形態では、図27を参照して説明した演出制御部400による演出入力制御処理が、図36に示す演出入力制御処理に修正される。以下に、図36に示す第2の実施形態における演出入力制御処理について説明する。なお、第2の実施形態における演出入力制御処理は、図27を参照して説明した第1の実施形態における演出入力制御処理と対比して、一部の処理が異なる。したがって、以下に、図36を参照して、図27の処理と異なる処理について説明し、図27の各処理と共通する処理については、同じステップ番号を付してその説明を省略する。
図36に示すように、ステップS1201での判定がYESの場合、ステップS1204において、演出制御部400のCPU401は、特定期間内であるか否かを判定する。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500から特定期間開始情報を受信した処理タイミングから特定期間終了情報を受信した処理タイミングまでの期間を特定期間内であると判定し、それ以外の処理タイミングでは特定期間内ではないと判定する。ステップS1204での判定がYESの場合、処理はステップS1205に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1202に移る。
ステップS1205において、CPU401は、有効操作情報を受信しても、受信した有効操作情報に基づいて操作対応演出の演出内容を決定することなく、画像音響制御部500等に対して操作対応演出を実行させることを指示しない(指示を禁止する)。その後、演出入力制御処理を終了して、処理は図19のステップS13に移る。
以上に説明したように、第2の実施形態では、特定期間内であっても画像音響制御部500から演出制御部400に有効操作情報は送信されるが、演出制御部400は、画像音響制御部500から送信される特定期間の開始情報と終了情報とに基づいて、特定期間内に有効操作情報を受信した場合には画像音響制御部500に対して操作対応演出の指示を行わない。これは、第1の実施形態において説明した理由と同様の理由による。具体的には、図31を参照して説明したように、従来では、操作受付期間が終了したにもかかわらず、操作対応演出が実行されてしまう場合があり、不自然な演出が実行されてしまうことがあった。しかし、図37に示すように、第2の実施形態では、操作受付期間内のうち最後の特定期間(例えば、時刻t=178f〜180f)において、画像音響制御部500は、連打回数N回目の操作情報をランプ制御部600から受信すると、当該操作情報を有効な操作情報とみなして、有効操作情報を演出制御部400に送信する。しかし、この有効操作情報を受信した演出制御部400は、時刻t=178fにおいて画像音響制御部500から送信される特定期間開始情報と時刻t=180fにおいて画像音響制御部500から送信される特定期間終了情報とに基づいて、連打回数N回目の操作情報が特定期間内の有効操作情報であると判定し、当該有効操作情報に対応する操作対応演出の実行を画像音響制御部500に対して指示しない。このため、画像音響制御部500は、特定期間中の操作情報が有効であること(有効操作情報)に基づいて、特定期間終了後(すなわち、操作受付期間の終了後)に、操作対応演出の描画処理を実行することがない。なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、表示されるゲージ画像GIによって示唆される操作受付期間と実際に操作が有効とみなされる期間は異なることになる。また、第2の実施形態による特徴的動作(操作対応演出)は、図33、図34を参照して説明した第1の実施形態による特徴的動作と同様である。
以上のように、第2の実施形態では、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において演出ボタン37に対する操作があった場合には、当該操作に基づく操作情報が有効であることに基づく有効操作情報に対応した操作対応演出を演出制御部400が画像音響制御部500に指示しないことにより、当該操作を有効な操作とみなさず、結果として、特定期間の終了後(つまり、操作受付期間の終了後)に操作対応演出(メータ画像MIの変化)が実行されないようにすることができる。
以上に説明したように、第1の実施形態および第2の実施形態によれば、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において演出ボタン37に対する操作があった場合には、当該操作を有効な操作とみなさず、結果として、特定期間の終了後(つまり、操作受付期間の終了後)に操作対応演出(メータ画像MIの変化)が実行されないようにすることができる。また、見方を変えれば、画像表示部6に表示されるゲージ画像GIによって示唆される操作受付期間と実際に操作が有効とみなされる期間(操作受付期間から特定期間を除いた期間)を異ならせることにより、操作受付期間の終了後に操作対応演出が実行されないようにすることができるともいえる。以上のことから、本実施形態によれば、遊技者による演出ボタン37の操作に応じた操作対応演出を実行するうえで不自然な描画処理を回避することができ、遊技者の興味を惹きつけるために適切な遊技演出を行うことができる。
[第3の実施形態]
なお、操作受付期間が終了したにもかかわらず、操作対応演出が実行されてしまうことを回避するために、以下の第3の実施形態を適用するものとしてもよい。具体的には、図示はしないが、第3の実施形態では、画像音響制御部500は、操作受付期間内の操作情報を有効な操作情報とみなして、有効操作情報を演出制御部400に送信し、演出制御部400は、受信した有効操作情報に基づく演出内容の操作対応演出の実行を画像音響制御部500に対して指示する。しかし、画像音響制御部500は、操作受付期間終了後に演出制御部400からの操作対応演出の実行指示を受信した場合には、この実行指示を無効な指示であるとみなして、当該指示に基づく描画処理(画像表示部6における演出の表示)を実行しない。このようにしても、操作受付期間の終了後には操作対応演出(メータ画像MIの変化)が実行されないようにすることができる。
また、上記した第1の実施形態〜第3の実施形態を適切に組み合わせることで、操作受付期間が終了したにもかかわらず、操作対応演出が実行されてしまうことを回避するものとしてもよい。
また、上記した第1の実施形態〜第3の実施形態においてダブルバッファ方式を適用してもよい。ダブルバッファ方式を適用する場合には、前述したように、演出制御部400から演出指示コマンドを受信したフレーム(演出指示受信フレーム)においてフレームバッファに対して描画処理が行われ、演出指示受信フレームの次のフレームにおいてフレームバッファの描画内容が画像表示部6に出力される。すなわち、ダブルバッファ方式では、あるフレームにおいて画像表示部6に演出が表示されるときには、1つ前のフレームにおいてフレームバッファに描画された描画内容が出力(表示)される。したがって、ダブルバッファ方式において、フレームバッファに描画処理が行われなければ、次のフレームにおいて画像表示部6に描画内容が出力されることはない(演出が表示されない)。このため、ダブルバッファ方式を適用する場合には、上記した第1の実施形態〜第3の実施形態では、フレームバッファに対する描画処理が制限されるものとしてもよい。具体的には、第1の実施形態においてダブルバッファ方式を適用すると、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において演出ボタン37に対する操作があった場合には、当該操作に基づく操作情報を画像音響制御部500が演出制御部400に送信しないことにより、特定期間における操作に対応した操作対応演出の指示が演出制御部400から送信されることがなく、したがって、画像音響制御部500は、特定期間における操作に対応した操作対応演出の描画処理をフレームバッファに対して行わない。第2の実施形態においてダブルバッファ方式を適用すると、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において演出ボタン37に対する操作があった場合には、演出制御部400が、特定期間における操作に基づく操作情報を受信しても、当該操作情報に対応した操作対応演出の指示を画像音響制御部500に送信しないことにより、画像音響制御部500は、特定期間における操作に対応した操作対応演出の描画処理をフレームバッファに対して行わない。第3の実施形態においてダブルバッファ方式を適用すると、画像音響制御部500は、操作受付期間終了後に演出制御部400から操作対応演出の指示を受信しても当該指示に基づく描画処理をフレームバッファに対して行わない。以上のように、第1の実施形態〜第3の実施形態において、フレームバッファに対する描画処理が制限されることで、結果として画像表示部6に表示される演出が制限され、操作受付期間の終了後には操作対応演出(メータ画像MIの変化)が実行されないようにすることができる。
[変形例]
なお、上記した実施形態では、図4に示すように、ランプ制御部600と画像音響制御部500との間で送受信制御されることにより、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の操作が行われると、当該操作に応じて出力される操作情報(操作データ)は、ランプ制御部600から画像音響制御部500に伝達されるものとした。しかし、図38に示すように、ランプ制御部600と画像音響制御部500との間では送受信制御が行われないものとしてもよい。図38に示す制御装置の構成例では、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の操作が行われると、当該操作に応じて出力される操作情報(操作データ)は、ランプ制御部600から演出制御部400に伝達され、当該操作情報が伝達された演出制御部400は、その操作情報をそのまま画像音響制御部500に伝達する。つまり、ランプ制御部600から伝達される操作情報は、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。なお、このような図38に示す制御装置の構成を適用する場合には、上記した第1の実施形態は、以下の第1の変形例に修正される。すなわち、第1の変形例では、演出ボタン37に対する操作があった場合には、画像音響制御部500は、当該操作に基づく操作情報を演出制御部400から受信するが、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において受信した操作情報(有効操作情報)を演出制御部400に伝達しない。また、図38に示す制御装置の構成を適用する場合には、上記した第2の実施形態は、以下の第2の変形例に修正される。すなわち、第2の変形例では、演出ボタン37に対する操作があった場合には、画像音響制御部500は、当該操作に基づく操作情報を演出制御部400から受信し、操作受付期間内に受信した操作情報(有効操作情報)を演出制御部400に伝達するが、演出制御部400は、操作受付期間内であっても最後の特定期間内において伝達された有効操作情報に基づく操作対応演出を画像音響制御部500に指示しない。また、図38に示す制御装置の構成を適用する場合には、上記した第3の実施形態は、以下の第3の変形例に修正される。すなわち、第3の変形例では、演出ボタン37に対する操作があった場合には、画像音響制御部500は、当該操作に基づく操作情報を演出制御部400から受信し、操作受付期間内に受信した操作情報(有効操作情報)を演出制御部400に伝達し、演出制御部400は、伝達された有効操作情報に基づく操作対応演出を画像音響制御部500に指示するが、画像音響制御部500は、当該指示を操作受付期間終了後に受信した場合には、当該指示を無効な指示とみなして当該指示に基づく描画処理を実行しない。したがって、図38に示す構成例を適用することにより、第1の変形例〜第3の変形例のいずれを採用したとしても、上記した第1の実施形態〜第3の実施形態と同様に、操作受付期間の終了後に操作対応演出(メータ画像MIの変化)が実行されないようにすることができる。
また、上記した実施形態では、画像音響制御部500は、ランプ制御部600(変形例においては演出制御部400)から伝達された操作情報が操作受付期間内である場合に、当該操作情報が有効であることに基づく有効操作情報を演出制御部400に伝達するものとしたが、加えて、上記操作情報が操作受付期間外である場合には、当該操作情報が無効であることに基づく無効操作情報を演出制御部400に伝達するものとしてもよい。このようにした場合、演出制御部400は、有効操作情報に基づいて操作対応演出の実行を画像音響制御部500に指示する一方、無効操作情報に基づいては操作対応演出の実行を画像音響制御部500に指示しないものとし、あるいは、無効操作情報に基づいて操作受付期間外の無効な操作であることを示唆する演出の実行を画像音響制御部500に指示するものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、操作対応演出は、SPリーチ中に実行され、SPSPリーチに発展するか否かを示唆する演出であるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、操作対応演出は、リーチ目が成立するか否かを示唆する演出であってもよいし、擬似連が成立するか否かを示唆する演出であってもよい。また、操作対応演出は、特別図柄抽選の結果(大当りか否か)に関連した演出(リーチ演出や信頼度を示唆する演出等)として用いられる場合に限られるものではない。例えば、操作対応演出は、特別図柄抽選の結果には関連しない、操作受付期間中の演出ボタン37の操作に応じて遊技ポイントが付与されるゲーム演出として用いられるものとしてもよい。ここで、遊技ポイントは、そのポイント数に応じて特典(例えば、レア画像を見ることができる特典や、カスタマイズ内容が追加される特典など)が付与されるものであり、特別図柄抽選の結果とは関連を有さない。
また、上記した実施形態では、連打回数と現在の操作対応演出の表示態様に基づいて、参照される操作対応演出テーブルに規定された抽選割合で抽選されることで次に実行する操作対応演出の演出内容が決定されるものとした。しかし、連打回数と操作対応演出の演出内容が1対1に対応付けられた操作対応演出テーブルが、演出パターンに応じて予め複数用意されており、いずれの操作対応演出テーブルが選択されるかが抽選に応じて決定され、抽選で決定された操作対応演出テーブルに基づいて、操作(連打回数)に対応付けられた操作対応演出が実行されるものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、演出ボタン37に対する操作として、操作受付期間中に複数回操作する連打操作を例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば操作受付期間中に演出ボタン37を押下した状態で所定時間保持し続ける長押しや、操作受付期間中にタイミングよく1回だけ押下操作する1回押し等であってもよい。なお、この場合の操作対応演出テーブルは、長押しの場合には、長押しにおいて保持された時間の長さと現在の操作対応演出の表示態様に基づいて次に実行する操作対応演出の演出内容が決定されるテーブルであり、1回押しの場合には、押下操作されたタイミングに基づいて次に実行する操作対応演出の演出内容が決定されるテーブルであるものとすればよい。また、上記した実施形態では、演出ボタン37に対する操作を例に説明したが、演出キー38に対する操作に適用してもよい。
また、上記した実施形態では、一例として先読み予告演出を含まない報知演出において、操作対応演出が実行される場合について説明した。しかし、本発明は、先読み予告演出を含む報知演出に応用されてもよい。つまり、先読み予告演出として操作対応演出が実行されるものとしてもよい。例えば、先読み予告演出を実行すると判定された場合に、先読み予告演出として、操作対応演出が実行されるものとし、この操作対応演出は、先読み予告演出を実行すると判定された事前判定情報を有する保留の変動表示まで、互いに関連ある演出(例えば、変動表示毎にメータ画像MIのメータ値の最大値が増加する演出)として各変動表示において実行され、各変動表示において操作対応演出が特定の成功表示態様になる(例えば、メータ値が最大値になる)ことにより、先の変動表示において大当りとなる可能性が高いことを示唆するものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、操作対応演出が実行される際の遊技状態については特に言及しなかったが、操作対応演出は、特定の遊技状態(例えば確変遊技状態)のときに実行されるものとし、その他の遊技状態においては実行されないものとしてもよい。また、同様に、同じ遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても複数の演出モードが実行されるものとし、そのうち特定の演出モード(例えば、緑背景演出モード)のときに操作対応演出が実行されるものとしてもよい。このように、操作対応演出が実行される条件を限定することにより、操作対応演出を専用演出として位置付けることができ、操作対応演出が表示されたときに、遊技者に対して、より高揚感を与えることができる。
また、上記した実施形態では、予告演出として操作対応演出の実行が決定された場合に、演出制御部400のCPU401が、そのときの演出パターンに基づいて演出ボタン37の操作に応じて参照される操作対応演出テーブルの種類の情報を予めRAM403に記憶するものとし、ROM402に記憶された複数の操作対応演出テーブルの中から、このRAM403に記憶されたテーブルの種類の情報に対応した操作対応演出テーブルを参照するものとした。しかし、これに限られるものではなく、予告演出として操作対応演出の実行が決定された場合には、当該演出の指示を受けた画像音響制御部500のCPU501が、指示された演出の内容に基づいて操作対応演出テーブルの種類を決定し、例えば、有効操作情報を送信するタイミングで、有効操作情報とともに当該種類の情報を演出制御部400に送信し、演出制御部400のCPU401は、ROM402に記憶された複数の操作対応演出テーブルの中から、受信した種類の情報に対応した操作対応演出テーブルを参照するものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、演出制御部400が、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンを決定し、演出パターンに基づいて各種予告パターン等を決定することで演出内容を設定し、当該演出内容を指示するコマンドを画像音響制御部500に送信し、画像音響制御部500が、当該コマンドにしたがって、各種演出等の実行タイミングや実行時間等の実行スケジュールを設定して演出を実行するものとした。しかし、演出制御部400と画像音響制御部500の処理分担は、これに限られるものではなく、例えば、演出制御部400は、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンのみを決定し、画像音響制御部500は、演出制御部400から送信される演出パターンに基づいて各種予告パターン等を決定し、さらに、これらの実行スケジュールを決定して演出を実行するものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、所定の割合(例えば70%)で、次回大当りするまで(正確には特別図柄の変動表示が9999回に達するまで)確変遊技状態に設定されるゲーム構成(いわゆるループ機)を一例に挙げて説明した。しかし、これには限られず、例えば特別図柄抽選に当選(大当り)した場合には、100%の割合で、その後に特別図柄の変動表示が所定の回転数(例えば80回)実行されるまで確変遊技状態に設定されるゲーム構成(いわゆるST機)であってもよい。
また、上記した実施形態では、パチンコ遊技機を一例に挙げて本発明の説明を行った。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に限られず、例えば、適用可能な範囲において、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ)に適用されてもよい。この場合、スロットマシンにメダルが投入された状態でレバーがオン操作されることによって、当たりを判定するための遊技情報(乱数;判定情報)が取得されることとなる(つまり、遊技情報が取得されるための条件が成立することとなる)。また、この場合、上記した各実施形態での「報知演出」は、スロットマシンにおけるレバーのオン操作によってリールが変動してから停止するまでの演出に対応することとなる。
また、以上に本実施形態の特徴やその変形例の特徴等について説明したが、これらの特徴を適切に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。