JP6224373B2 - 超音波測定装置および超音波測定システム - Google Patents

超音波測定装置および超音波測定システム Download PDF

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Description

この発明は、家庭等で簡便に超音波によって対象物の情報を得ることができる超音波測定装置および超音波測定システムに関する。
従来、測定対象者の頸部に巻きつけて甲状腺の測定をすることができる超音波測定装置は知られている。例えば、特許文献1によれば、測定対象者の頸部の周りに巻かれ頸部の周方向に延びる連結部を有し、連結部の長手方向に沿ってプローブが移動する超音波測定装置が開示される。プローブでは、超音波の送受信が行われることによって、プローブの移動範囲において測定対象者の甲状腺を簡便に測定することができる。
特開2011−240128号公報
特許文献1に記載されたような従来の超音波測定装置においては、プローブは頸部の周囲に沿って移動するだけであるので、頸部の上方および下方に位置する甲状腺を測定することができない。すなわち、甲状腺全体を測定することができない。特に、頸部の上方は顎に向かって湾曲し、下方は鎖骨に向かって湾曲しているから、周方向にプローブを直線的に移動しただけでは、湾曲部分に沿って対象物を測定することができず、例えば甲状腺の全体を測定することは困難である。
この発明は、測定対象者の頸部にセンサを接触させるだけで、広範囲において甲状腺を測定することができる超音波測定装置および超音波測定システムを提供することを課題とする。
この発明は、超音波測定装置に関する第1の発明と、超音波測定システムに関する第2の発明を含む。
第1の発明は、複数の振動子が横方向へ配列された超音波センサと、前記超音波センサを収納するとともに前記横方向に対して直交する奥行き方向へ延びるセンサケースと、前記センサケースを支持するとともに前記横方向および前記奥行き方向に対してそれぞれ直交する縦方向へ延びるガイドブラケットと、前記超音波センサから測定データを取得する回路部と、を備える超音波測定装置に関する。
前記超音波測定装置は、前記センサケースの両側面に設けられる第1貫通孔および前記第1貫通孔よりも前記超音波センサ側に位置する第2貫通孔と、前記ガイドブラケットの側面に設けられるとともに前記縦方向へ延びる第1ガイド孔および前記第1ガイド孔よりも前記縦方向における寸法が大きく前記第1ガイド孔よりも前記超音波センサ側に位置する第2ガイド孔と、前記第1ガイド孔および前記第1貫通孔を貫通して前記センサケースに挿入される第1シャフトおよび前記第2ガイド孔および前記第2貫通孔を貫通して前記センサケースに挿入される第2シャフトと、前記センサケース内に設けられるとともに前記第1シャフトおよび前記第2シャフトを前記奥行き方向の両側からそれぞれ押圧する押圧部材と、前記第1シャフトを時計回りおよび反時計回りに回転させる駆動源と、前記第1シャフトの回転に伴い回転する第1ピニオンギヤおよび前記第1ピニオンギヤに噛み合うとともに前記第1ガイド孔に沿って延びる第1ラックと、前記第2シャフトの回転に伴い回転する第2ピニオンギヤおよび前記第2ピニオンギヤに噛み合うとともに前記第2ガイド孔に沿って延びる第2ラックと、を備える。
前記第1貫通孔および前記第2貫通孔は、前記奥行き方向における寸法が前記縦方向における寸法よりも大きい。前記超音波センサは、センサ移動機構によって移動可能であるとともに、前記センサ移動機構は、前記第1シャフトおよび前記第2シャフトを前記第1ガイド孔および前記第2ガイド孔に沿って移動させることにより前記超音波センサを前記縦方向に対して平行移動させる平行移動部と、前記第1ガイド孔の上下端において前記第1シャフトを中心に前記超音波センサを回動させる傾斜移動部と、を備える。前記回路部は、前記センサ移動機構を制御して前記超音波センサを測定位置に移動させ、前記測定位置ごとに前記超音波センサから前記測定データを取得することを繰り返す。
前記第1の発明は、前記超音波センサの先端に対してジェルを供給するジェル供給機構をさらに含み、前記ジェル供給機構は、前記超音波センサの前記振動子に沿って延びるジェル吐出口と、前記ジェルを供給するタンクと、前記ジェル吐出口および前記タンクを連結し前記ジェルを前記タンクから前記ジェル吐出口まで搬送する連通路とを有することを特徴とする形態を含む。
第2の発明は、超音波測定装置およびコンピュータから構成される超音波測定システムに関する。
前記超音波測定装置は、複数の振動子が横方向へ配列された超音波センサと、前記超音波センサを収納するとともに前記横方向に対して直交する奥行き方向へ延びるセンサケースと、前記センサケースを支持するとともに前記横方向および前記奥行き方向に対してそれぞれ直交する縦方向へ延びるガイドブラケットと、前記超音波センサから測定データを取得する回路部とを備える。
また、前記超音波測定装置は、前記センサケースの両側面に設けられる第1貫通孔および前記第1貫通孔よりも前記超音波センサ側に位置する第2貫通孔と、
前記ガイドブラケットの側面に設けられるとともに前記縦方向へ延びる第1ガイド孔および前記第1ガイド孔よりも前記縦方向における寸法が大きく前記第1ガイド孔よりも前記超音波センサ側に位置する第2ガイド孔と、前記第1ガイド孔および前記第1貫通孔を貫通して前記センサケースに挿入される第1シャフトおよび前記第2ガイド孔および前記第2貫通孔を貫通して前記センサケースに挿入される第2シャフトと、前記センサケース内に設けられるとともに前記第1シャフトおよび前記第2シャフトを前記奥行き方向の両側からそれぞれ押圧する押圧部材と、前記第1シャフトを時計回りおよび反時計回りに回転させる駆動源と、前記第1シャフトの回転に伴い回転する第1ピニオンギヤおよび前記第1ピニオンギヤに噛み合うとともに前記第1ガイド孔に沿って延びる第1ラックと、前記第2シャフトの回転に伴い回転する第2ピニオンギヤおよび前記第2ピニオンギヤに噛み合うとともに前記第2ガイド孔に沿って延びる第2ラックとを備える。
前記第1貫通孔および前記第2貫通孔は、前記奥行き方向における寸法が前記縦方向における寸法よりも大きい。
前記超音波センサは、センサ移動機構によって移動可能であるとともに、前記センサ移動機構は、前記第1シャフトおよび前記第2シャフトを前記第1ガイド孔および前記第2ガイド孔に沿って移動させることにより前記超音波センサを前記縦方向に対して平行移動させる平行移動部と、前記第1ガイド孔の上下端において前記第1シャフトを中心に前記超音波センサを回動させる傾斜移動部とを備える。
前記回路部は、前記センサ移動機構を制御して前記超音波センサを測定位置に移動させ、前記測定位置ごとに前記超音波センサから前記測定データを取得することを繰り返す。
前記コンピュータは、前記回路部によって取得される前記測定データを受信し、計測処理を実行する制御部と、前記制御部によって実行される前記計測処理の結果を、測定時刻情報とともに測定履歴データとして記憶する記憶部と、を備える。
この発明は、超音波センサを移動させるセンサ移動機構において、縦方向に移動する平行移動部と、これに傾斜するように回動移動する傾斜移動部とを有するので、例えば頸部の上下の湾曲に沿って測定することができる。したがって、例えば甲状腺などの対象物全体を測定することができる。
この発明の実施形態に係る超音波測定装置の使用状態の斜視図。 超音波測定装置の斜視図。 センサ移動機構の概要を示す斜視図。 図3の側面図。 (a)超音波センサが下端に位置した時の説明図。(b)超音波センサが回動した時の説明図。 超音波測定システムの構成図。 超音波測定装置による処理の流れを示すフローチャート。 コンピュータによる処理の流れを示すフローチャート。 甲状腺および周辺組織の模式図。 測定履歴データの例を示す図。
図1および図2を参照すると、超音波測定装置1は、互いに直交する縦方向Z、横方向X、奥行き方向Yと、超音波センサ20が収納された一対のセンサ収納部11と、超音波センサ20から測定データを取得する回路部が収納された回路収納部13と、超音波センサ20の近傍に供給されるジェルのタンクが収納されたタンク収納部14とを備える。回路部によって取得された測定データはケーブル17を介してコンピュータに送信される。
この実施形態においてセンサ収納部11は二つ設けられ、軸15を介して回動可能に取り付けられる。すなわち、センサ収納部11の互いのなす角度を変更することができる。センサ収納部11は、超音波センサ20が露出する検出面11Aを有し、検出面11Aを測定対象者の頸部に当接させることによって、甲状腺の形状等を測定することができる。センサ収納部11は互いの角度を変更することができるので、測定対象者の頸部に合わせて角度を調整するとともに、頸部を左右から挟むようにして検出面11Aを頸部に接触させることによって、測定位置を安定的に維持することができる。
検出面11Aにおいて、露出した超音波センサ20の周囲はカーテン12によって覆われ、内部にジェルや埃等が侵入しないようにしている。カーテン12は、後述する超音波センサ20の移動に伴って、縦方向Zに移動可能とされる。カーテン12は、例えば、縦方向Zに離間する一対の巻取りロール(図示せず)で巻き取ることで縦方向Zへ移動可能とすることができる。
センサ収納部11は、通常の取り扱いで大きく湾曲したりすることがない、例えば金属や高剛性樹脂等の材料を用いることができる。したがって、センサ収納部11を測定対象者の頸部に測定のために押し付けた場合であっても、センサ収納部11それぞれが頸部に沿って湾曲することはなく、検出面11Aは平面をほぼ維持した状態で測定対象者の肌に密着する。
図3および図4を参照すれば、超音波センサ20は、縦方向Zにおける寸法よも横方向Xにおける寸法が大きく、横方向Xへ延びる。超音波センサ20を収納するセンサケース22は、ガイドブラケット31によって支持されるとともに、センサ移動機構30によって縦方向Zへ移動可能とされる。超音波センサ20は、ガイドブラケット31の横方向Xに離間する一対の両側面31A,31Bの間に取り付けられる。センサケース22の背面22Bには、図示しないフラットケーブルを介して回路基板が接続される。
センサ移動機構30は、縦方向Zへ移動可能に側面31Aに取り付けられたモータ等の駆動源32と、駆動源32によって回転する第1ヘリカルギヤ33と、第1ヘリカルギヤ33に噛み合って回転する第2ヘリカルギヤ34と、第2ヘリカルギヤ34の回転軸に取り付けられる第1シャフト35と、第1シャフト35の両端に固定される一対の第1ピニオンギヤ36と、第1ピニオンギヤ36に噛み合う一対の第1ラック37とを備える。第1ラック37は、ガイドブラケット31の両側面31A,31Bにそれぞれ設けられ、縦方向Zへ延びる。両側面31A,31Bには、第1ラック37に平行に縦方向Zへ延びる一対の第1ガイド孔38がそれぞれ設けられ、第1シャフト35が第1ガイド孔38を介して超音波センサ20に挿入される。
センサ移動機構30は、ガイドブラケット31の両側面31A,31Bにそれぞれ設けられ、第1ガイド孔38の奥行き方向Yに平行な第2ガイド孔40と、第2ガイド孔40に挿入される第2シャフト41と、第2シャフト41の両端に固定される一対の第2ピニオンギヤ42と、第2ピニオンギヤ42に噛み合う一対の第2ラック43とを備える。第2ラック43は、ガイドブラケット31の両側面31A,31Bにそれぞれ設けられ、縦方向Zへ延びる。第2ガイド孔40は、第1ガイド孔38の縦方向Zの長さ寸法よりも大きく、その上下端40A,40Bは、第1ガイド孔38の上下端38A,38Bよりも縦方向Z外側に位置する。
図5は、センサケース22の概要を示したものであり、ガイドブラケット31を仮想線で示している。図5(a)は第1シャフト35が下端38Bに位置した状態であり、図5(b)は図5(a)から超音波センサ20が回動した状態である。センサケース22の両側面22Aには、第1シャフト35が挿入する第1貫通孔24と、第2シャフト41が貫通する第2貫通孔25とが設けられる。第1貫通孔24および第2貫通孔25の縦方向Zの寸法は第1および第2シャフト35,41の直径よりも大きく、奥行き方向Yの寸法は縦方向Zの寸法よりも大きい。すなわち、第1貫通孔24および第2貫通孔25は、奥行き方向Yへ延びる長穴である。
上記のような構成において、駆動源32が時計回りに回転すると、第1ヘリカルギヤ33および第2ヘリカルギヤ34を介して第1シャフト35が回転する。第1シャフト35が回転するとこれに伴い第1ピニオンギヤ36も回転し、第1ラック37に噛み合って、第1ピニオンギヤ36および第1シャフト35が縦方向Zの図面上方へと移動する。したがって、第1シャフト35が挿入された超音波センサ20が上方へ移動する。同様に、駆動源32が反時計回りに回転した場合には、第1ピニオンギヤ36および第1シャフト35が縦方向Zの図面下方へと移動し、超音波センサ20も下方へと移動する。
センサケース22には第2シャフト41が挿入されているから、センサケース22が上下移動することによって、第2シャフト41も上下移動する。第2シャフト41は、第2ピニオンギヤ42が第2ラック43に噛み合って上下移動する。すなわち、センサケース22は、第1シャフト35および第2シャフト41の2点で支持され、さらに、第1および第2ピニオンギヤ36,42と第1および第2ラック37,43によって上下移動するので、安定した移動を実現することができる。したがって、センサケース22に支持された超音波センサ20の安定した移動を実現することができる。
上記のような上下移動の軌跡を概説すると、第1シャフト35が第1ガイド孔38の上下端38A,38Bに接触するまでは、超音波センサ20が縦方向Zに対して直線的に平行移動する軌跡(平行移動部)を形成する。第1シャフト35が第1ガイド孔38の上端38Aまたは下端38Bに接触した後は、超音波センサ20は縦方向Zに対して傾斜するように回動する軌跡(傾斜移動部)を形成する。
図5を参照し、傾斜移動部についてより詳細に説明する。第1シャフト35が第1ガイド孔38の下端38Bに接触することにより、第1シャフト35の移動は規制されるから、それ以上移動することができない。しかし、第2ガイド孔40は、第1ガイド孔38よりも縦方向Zの寸法が大きく、その下端40Bは第1ガイド孔38の下端38Bよりも下方に位置する。したがって、第2シャフト41は、第1シャフト35の移動が規制された後も、さらに下方へと移動しようとする。
第2シャフト41がさらに下方へと移動しようとしたとき、第1シャフト35および第2シャフト41はセンサケース22に設けられた第1貫通孔24および第2貫通孔25をそれぞれ奥行き方向Yへ摺動することができる。したがって、第2シャフト41は第1シャフト35の移動が規制された後でも、さらに下方へと移動する。このように移動することによって、超音波センサ20は図面下端において回動し、縦方向Zに対して傾斜するようにその傾きを変化させる。
同様に、第1シャフト35が第1ガイド孔38の上端38Aに接触した後も、第2シャフト41はさらに上方へと移動可能であって、この移動に伴って超音波センサ20は縦方向Zに対して傾斜するようにその傾きを変化させることができる。
超音波センサ20が、縦方向Zにおける上下端で回動し、その傾きを変化させることによって、上端側においては測定対象者の顎に沿って移動可能であり、下端側においては測定対象者の鎖骨に沿って移動可能となる。したがって、甲状腺が存在する顎から鎖骨までのすべての位置において超音波センサ20が測定対象者の肌に密着し、頸部全体において甲状腺の測定が可能となる。
センサケース22内には、第1シャフト35および第2シャフト41を奥行き方向Yへ押圧する押圧部材16が配置される。押圧部材16としては例えばコイルスプリングを用いることができる。この実施形態において、押圧部材16の押圧力は、第1シャフト35および第2シャフト41の奥行き方向Yの両側から作用するように設けられ、第1シャフト35および第2シャフト41が、第1および第2貫通孔24,25の奥行き方向Yのほぼ中央に位置するようにしている。
押圧部材16を備えることによって、超音波センサ20が縦方向Zの上下端において傾いた際にも、がたつきを最小限にすることができる。また、押圧部材16を設けることによって、超音波センサ20を測定対象者の頸部に押し当てたときに頸部の凹凸に追従して超音波センサ20が移動可能とすることができる。したがって、超音波センサ20は測定対象者の皮膚に密着し、超音波による測定の精度を向上させることができる。
上記のような超音波センサ20は、ガイドブラケット31に取り付けられ縦方向Zに移動する。ガイドブラケット31は、超音波測定装置1の通常の使用において湾曲したりすることがない程度の剛性を有する材料を用いる。すなわち、測定時に測定対象者の頸部に超音波センサ20を密着させても、ガイドブラケット31が湾曲することがない。ガイドブラケット31の材料としては、鉄、ステンレス等の金属、または、高剛性樹脂等を用いることができる。また、センサ収納部11も通常の使用において湾曲したりすることがないので、超音波センサ20の移動の軌跡が一定になる。コンピュータでは、一定の軌跡を前提として計測処理を行うので、その精度が向上する。
上記のような超音波測定装置1は、超音波センサ20近傍にジェルを供給するジェル供給機構を備える。ジェル供給機構は、超音波センサ20の縦方向Z両端に位置するジェル吐出口51と、タンク収納部14に収納されジェルを供給するタンク(図示せず)と、タンクからジェル吐出口51までジェルを搬送する連通路53とを備える。タンクには図示しないピストンが設けられ、ピストンが押されることによってタンクのジェルが連通路53を介してジェル吐出口51から吐出される。
ジェル吐出口51は、横方向Xへ延びるとともに、横方向Xにおける寸法が超音波センサ20とほぼ同じ大きさである。ジェルは駆動源32の始動に伴ってジェル吐出口51から吐出される。すなわち、駆動源32が回転するのに伴い、タンクのピストンが押され、ジェル吐出口51からジェルが吐出される。
超音波センサ20にジェルが吐出されることによって、測定対象者の皮膚と超音波センサ20とをジェルを介して密着することができ、超音波センサ20および測定対象者の皮膚の間に空気層が介在せず、測定精度の低下を予防することができる。この実施形態では、ジェル吐出口51を超音波センサ20の縦方向Zの上下両端に備えているが、いずれか一方であってもよい。ジェルの吐出量は、適宜決定することができる。ジェル吐出口51を超音波センサ20の上下に備えることによって、超音波センサ20が上下に移動したときに、進行方向に吐出されたジェルを測定対象者の皮膚との間で拡散し、超音波センサ20と皮膚との間にジェルを保持することができる。
この実施形態において、測定対象者は自ら超音波センサ20が頸部に接触するように超音波測定装置1を配置し、図示しない起動ボタンを押下する。起動ボタンが押下されると、駆動源32であるモータが励磁され、時計回りに回転し、超音波センサ20が測定位置に移動する。超音波センサ20は、例えば2mmずつ移動し、移動した地点でそれぞれ測定をおこなう。モータを励磁する電力はケーブル17を介して供給することもできる。駆動源32が回転すると、上述した通り、超音波センサ20が縦方向Z下方へ移動する。超音波センサ20が下端まで移動すると、すなわち、第2シャフト41が第2ガイド孔40の下端40Bまで移動すると、駆動源32は反時計回りに回転し、超音波センサ20が縦方向Z上方へ移動する。超音波センサ20が上端まで移動すると、すなわち、第2シャフト41が第2ガイド孔40の上端40Aまで移動すると、一回の測定が終了し、駆動源32が停止する。
上記起動ボタンが押下されたとき、タンクのピストンが押され、ジェル吐出口51からジェルが吐出される。ジェルは、超音波センサ20が測定位置に移動する度に吐出される。したがって、測定中はジェルが供給され、検出精度を向上させることができる。
図6は、超音波測定システムの構成図である。超音波測定システム100は、超音波測定装置1およびコンピュータ2から構成される。超音波測定装置1およびコンピュータ2は、有線または無線を介してデータ送受信可能に接続される。
超音波センサ20は、振動子、整合層、ダンパー、音響レンズ等で構成されている。超音波センサ20は、例えば、128個の振動子が横方向Xに1列に配列されている。振動子の数は128個に限らず、128個よりも少なくても良いし、多くても良い。振動子は、例えば、直線状に配列されるが、凸状や短冊状に配列されても良い。振動子の素材は、セラミック材であるPZT(ジルコル酸チタン酸鉛)や、高分子圧電膜材料であるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、従来用いられているものであれば、どのような素材でも良い。また、整合層、ダンパー、音響レンズ等の構成は、従来のアレイ型探触子と同様の構成を採用することができる。
回路部を構成する回路基板120には、制御回路121、送受信回路122、信号処理回路123、AD変換回路124、データ転送回路125、駆動回路126、電源回路127等が配置されている。
制御回路121は、CPU(「Central Processing Unit」の略)、ROM(「Read Only Memory」の略)、RAM(「Random Access Memory」の略)等を有し、各回路を駆動制御する。
送受信回路122は、超音波センサ20の振動子を1つずつ駆動して超音波パルスを送信するとともに、測定対象者内からの反射波を受信し、超音波受信信号(エコー信号)を生成する処理を、振動子の数だけ繰り返す。送受信回路122には、超音波の伝搬距離または深度に相当する時間に対して感度を調節するためのダイナミックレンジを制御する波形処理回路も含まれる。信号処理回路123は、超音波受信信号から必要な周波数成分を抽出した後、ログアンプ(対数増幅器)により信号を圧縮増幅する。AD変換回路124は、信号処理回路123から出力されるアナログデータをデジタルデータに変換する。
データ転送回路125は、デジタルデータをコンピュータ2に転送する。データ転送回路125は、例えば、USB(「Universal Serial Bus」の略)であるが、IEEE802.11シリーズの無線LAN規格による無線通信や赤外線通信等であっても良い。
駆動回路126は、後述するセンサ移動機構30、ジェル供給機構50の動作を制御する。センサ移動機構30、ジェル供給機構50は駆動源32であるモータを有し、駆動回路126はモータを駆動することによって、センサ移動機構30、ジェル供給機構50の動作を制御する。
コンピュータ2は、制御部201、記憶部202、メディア入出力部203、通信制御部204、入力部205、表示部206、周辺機器I/F部207等が、バス208を介して接続される。
制御部201は、CPU、ROM、RAM等によって構成される。CPUは、記憶部202、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス208を介して接続された各装置を駆動制御し、コンピュータ2が行う後述する処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータ2のブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部202、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部201が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部202は、HDD(「Hard Disk Drive」の略)等であり、制御部201が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(「Operating System」の略)等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータ2に実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部201により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部203(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)等のメディア入出力装置を有する。通信制御部204は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータ2とネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。ネットワークは、有線、無線を問わない。
入力部205は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部205を介して、コンピュータ2に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。表示部206は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータ2のビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。尚、入力部205及び表示部206は、タッチパネルディスプレイのように、一体となっていても良い。
周辺機器I/F(「Interface」の略)部207は、コンピュータ2に周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部207を介してコンピュータ2は周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部207は、USBやIEEE1394やRS−232C等によって構成されており、通常複数のI/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。バス208は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
ここで、超音波測定システム100の優位性の一つを説明する。例えば、特許文献1の超音波診断装置は、超音波信号を送受信するプローブ、及びプローブの動作を制御する移動制御部に加えて、プローブと有線又は無線で連結され、超音波受信信号を画像信号に変換するメイン制御部、及び画像を表示するディスプレイ部を備える。特許文献1ではメイン制御部及びディスプレイ部の詳細が不明であるが、従来技術の超音波診断装置であれば、メイン制御部及びディスプレイ部も、超音波診断のみに用いる専用装置として構成される。これは、特許文献1を含む従来技術では、プローブに内蔵されないメイン制御部が超音波信号を画像信号に変換するので、プローブの他にも専用装置の筐体が必要なためである。一方、図6に示す超音波測定システム100は、超音波測定のみに用いる専用装置としての超音波測定装置1、及び汎用のコンピュータ2によって構成されるので、従来技術と比較して、専用装置部分の小型化を図ることができ、製品コストを抑えることができる。
超音波測定システム100において汎用のコンピュータ2を利用できる理由は、超音波測定装置1において超音波受信信号(アナログデータ)をデジタルデータに変換し、汎用のデータ転送回路125を介して、汎用のコンピュータ2が送受信可能なデジタルデータを出力するためである。すなわち、超音波測定装置1の回路部が、信号処理回路123およびAD変換回路124を備え、信号処理回路123が、超音波受信信号から必要な周波数成分を抽出した後、ログアンプ(対数増幅器)により信号を圧縮増幅するとともに、AD変換回路124が、信号処理回路123から出力されるアナログデータをデジタルデータに変換し、データ転送回路125が、デジタルデータをコンピュータ2に転送するためである。
図7は、超音波測定装置1による処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1〜S3は、使用者による動作を示し、ステップS4〜S10は、超音波測定装置による動作を示している。
使用者は、超音波測定装置1およびコンピュータ2をUSBによってデータ送受信可能に接続し(ステップS1)、超音波測定装置1を測定対象者に装着し(ステップS2)、超音波測定装置1の起動ボタンを押下する(ステップS3)。尚、コンピュータ2は起動済とする。また、測定対象者自身が、使用者としてステップS1〜S3を実行しても良い。
起動ボタンが押下されると、超音波測定装置1の制御回路121がデータ番号を「1」に初期化する(ステップS4)。そして、制御回路121が駆動回路126に制御命令を送信し、駆動回路126がジェル供給機構50の動作を制御し、ジェル供給機構50が定量のジェルを超音波測定装置1の検出面11Aに吐出する(ステップS5)。
次に、制御回路121が駆動回路126に制御命令を送信し、駆動回路126がセンサ移動機構30の動作を制御し、センサ移動機構30が超音波センサ20を測定位置に移動させる(ステップS6)。
次に、制御回路121が送受信回路122に制御命令を送信し、送受信回路122が超音波パルスを送信して超音波受信信号を生成し、信号処理回路123が超音波受信信号から必要な周波数成分を抽出して増幅し、AD変換回路124がアナログデータをデジタルデータに変換することによって、測定データを取得する(ステップS7)。ステップS7の1回分の処理で取得される測定データは、横方向X(=振動子の配列方向)および奥行き方向Y(=超音波送受信方向)を座標軸とする2次元データである。
次に、制御回路121がデータ転送回路125に制御命令を送信し、データ転送回路125がUSBを介してコンピュータ2に測定データを転送する(ステップS8)。コンピュータ2の制御部201は、転送されるデジタルデータを記憶部202に記憶しておく。
次に、制御回路121は、データ番号をインクリメントし(ステップS9)、超音波センサ20の移動余地があるか否か判定する(ステップS10)。例えば、制御回路121は、予め超音波センサ20の移動回数を記憶しておき、データ番号が移動回数以内であれば移動余地があると判定し、データ番号が移動回数を超えれば移動余地がないと判定する。
移動余地がある場合(ステップS10のYes)、超音波測定装置1はステップS5から処理を繰り返す。移動余地がない場合(ステップS11のNo)、制御回路121が駆動回路126に制御命令を送信し、駆動回路126がセンサ移動機構30の動作を制御し、センサ移動機構30が超音波センサ20を初期位置に移動させる(ステップS11)。その後、使用者は、超音波測定装置1を脱着し、超音波測定装置1の停止ボタンを押下することによって、測定作業を終了する。
図8は、コンピュータによる処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、図7の処理によってコンピュータ2に測定データが転送された後に実行される。
コンピュータ2の制御部201は、データ番号を初期化し(ステップS21)、現在のデータ番号に関する測定データを記憶部202から読み込む(ステップS22)。
ここで、制御部201は、2つの超音波センサ20によって取得される測定データ同士の整合処理や、超音波センサ20の縦方向Zへの傾斜角度に起因した測定データの整合処理を実行する。
前述の通り、各超音波センサ20を収納するセンサ収納部11は、軸15を介して回動可能に取り付けられる。そこで、センサ収納部11の互いのなす角度を検出する角度検出センサ(不図示)を設けておく。そして、制御部201は、角度検出センサから受信する角度に基づいて、2つの超音波センサ20によって取得される測定データ同士の画素単位の位置合わせを行う。位置が重複する画素の画素値については、例えば、両者の平均値を後述する処理に用いれば良い。
また、前述の通り、超音波センサ20は、縦方向Zにおける上下端で回動し、その傾きを変化させる。そこで、コンピュータ2は、予め記憶部202に各測定位置(=データ番号によって一意に定まる位置)の傾斜角度を記憶しておく。そして、制御部201は、記憶部202から読み出す傾斜角度に基づいて、隣接するデータ番号に関する測定データを用いて補間処理を行う。画素値が存在しない画素(隙間となっている画素)については、例えば、隣接するデータ番号に関する測定データに含まれる隣接画素の画素値を用いて画素値を内挿し、後述する処理に用いれば良い。
図9は、甲状腺および周辺組織の模式図である。図9(a)は、測定対象者の体幅方向をX軸、測定対象者の体軸方向をZ軸とし、測定対象者の正面から見た頸部300付近の模式図である。図9(b)は、測定対象者の体幅方向をX軸、測定対象者の体厚方向をY軸とし、図9(a)に示す切断線401を断面とする断層像の模式図である。図9(c)は、測定対象者の体厚方向をY軸、測定対象者の体軸方向をZ軸とし、図9(a)に示す切断線402を断面とする甲状腺の断層像の模式図である。
図9(a)に示すように、甲状腺310は、頸部300の中央に位置する。図9(b)では、甲状腺310の領域を斜線によって図示している。図9(b)に示すように、甲状腺310は、気管320の周囲に位置し、右葉311、左葉312、峡部313から構成される。右葉311、左葉312は、測定対象者の正面側を頂点とする円錐形状を有する。峡部313は、第2〜第3気管軟骨の高さで気管320の前面側(=測定対象者の正面側)に位置する。甲状腺310の周囲には、気管320の他、食道330、動脈340、静脈350、筋肉360等が位置する。ステップS22において読み込まれるデータは、図9(b)に示すX軸およびY軸を座標軸とする2次元データである。
図8の説明に戻る。次に、制御部201は、甲状腺領域の輪郭抽出処理を行う(ステップS23)。甲状腺領域とは、甲状腺の一部と判断される画素が連結された領域(連結部)を意味し、1または複数の連結部の集合である。
例えば、制御部201は、ステップS22によって読み込まれるデータをBモード表示データに変換する。Bモード表示データは、超音波受信信号の強さを明るさの強弱に変換(輝度変調)したデータである。
次に、制御部201は、輪郭抽出のための一般的なフィルタを用いてフィルタ処理を行い、Bモード表示データ内の輪郭を抽出し、組織ごとの輪郭を確定する(図9(b)を参照)。そして、制御部201は、例えば、「甲状腺は、蝶の形状を有し、気管の周囲に存在する」といった解剖学的知見や各組織の一般的な輝度値(既知の値)などに基づき、組織ごとの輪郭の中から甲状腺領域の輪郭を決定する(図9(b)の斜線部を参照)。尚、輪郭抽出処理は、特に限定されるものではなく、超音波画像に対する従来の画像処理技術を用いることができる。
次に、制御部201は、甲状腺領域の抽出処理を行う(ステップS24)。制御部201は、ステップS23において抽出された甲状腺領域の輪郭内に含まれる画素を、甲状腺領域の画素として抽出する。
次に、制御部201は、ステップS24において抽出された甲状腺領域の画素ごとに、3次元位置情報を付与する(ステップS25)。制御部201は、X座標、Y座標として、図9(b)に示すXY平面の座標を付与する。また、制御部201は、Z座標として、図9(a)に示すZ軸方向の座標を付与する。Z軸方向の座標は、データ番号から算出可能である。すなわち、制御部201は、ステップ6における1回当り移動量を予め記憶しておき、1回当り移動量および現在のデータ番号に基づいてZ軸方向の座標を算出する。
次に、制御部201は、データ番号をインクリメントし(ステップS26)、データ番号が最後か否か判定する(ステップS27)。データ番号が最後ではない場合(ステップS27のNo)、制御部201は、ステップS22から処理を繰り返す。データ番号が最後の場合(ステップS27のYes)、制御部201は、ステップS28に進む。
ステップS28では、制御部201は、甲状腺領域の計測処理を行う。ステップS25において3次元位置情報が付与された各データは、甲状腺領域に含まれる画素の位置データであるから、全体のデータは、甲状腺領域を示すボクセルデータである。制御部201は、このボクセルデータを用いて、甲状腺領域の計測処理を行う。
図10は、測定履歴データの例を示す図である。測定履歴データ500は、測定日時510、甲状腺310の体積520、右葉311の長径531、横径532および厚径533、左葉312の長径541、横径542および厚径543、峡部313の厚径550、ならびに、病変の位置561および最大径562等のデータ項目を有する。
各側葉(右葉311および左葉312)の長径531、541は、図9(c)に示す距離406である。また、各側葉(右葉311および左葉312)の横径532、542は、図9(b)に示す距離404である。また、各側葉(右葉311および左葉312)の厚径533、543は、図9(b)および図9(c)に示す距離405である。また、峡部313の厚径550は、図9(b)に示す距離403である。
制御部201は、例えば、ボクセルデータの画素数および1画素当りの体積を乗算することによって、甲状腺310の体積520を算出し、測定履歴データ500とする。また、制御部201は、ボクセルデータの各断面における各距離403、404、405、406を算出し、例えば、その最大値を測定履歴データ500とする。
図8の説明に戻る。次に、制御部201は、病変候補領域の計測処理を行う(ステップS29)。病変候補領域は、病変候補の一部と判断される画素が連結された領域(連結部)を意味し、1または複数の連結部の集合である。病変候補領域の探索処理は、例えば、閾値処理を用いることが考えられるが、特に限定されるものではなく、超音波画像に対する従来の画像処理技術を用いることができる。
病変候補領域が存在する場合、制御部201は、病変候補領域の位置561を特定するとともに、最大径562を計測し、図10に示すように、測定履歴データ500とする。
次に、制御部201は、計測結果を表示部206に表示するとともに(ステップS30)、計測結果を記憶部202に保存する(ステップS31)。
表示処理の一例として、例えば、制御部201は、過去の測定履歴データ500と今回の測定履歴データ500とを比較し、必要に応じて警告処理を行う。例えば、制御部201は、特定の測定値が、所定回数以上連続して増加している場合、特定のメッセージ(例えば、病院での検査を推奨する旨のメッセージ)を表示部206に表示する。
この実施形態によれば、測定対象者が頸部に超音波測定装置1を接触させるだけで、甲状腺全体の測定を容易に行うことができる。また、測定を一定期間経過毎に行うことによって、甲状腺の経時的変化の値を得ることができる。甲状腺等の検査においては、短期の周期(例えば、半年以下の周期)で経時的な変化を測定することはあまりない。したがって、病変候補と判断される部位の大きさが規定値以上になった場合に異常値と判断し、精密検査等をおこなう。しかし、甲状腺の大きさは個人差があり、規定値を万人の基準値とすることはできない。規定値に対する大小を比較するよりも、測定対象者の測定値がどのように変化しているかを検出する方が病変の検出に役立つ。
測定対象者が若年の場合、病変の速度は急激である。したがって、経時的に測定をすることによって、より早期に異変を察知することができる。また、測定に大掛かりな装置が必要ないから、家庭で測定をすることができ、経時的な測定が測定対象者の負担にならない。
この実施形態において、超音波センサ20は、測定対象者の頸部の上下方向に移動するようにしているが、頸部の周方向に移動するようにしてもよい。また、超音波センサ20を二つ設けることとしているが、一方を測定対象者の頸部の右側、他方を頸部の左側に配置することによって、甲状腺の右葉および左葉をそれぞれ別個に測定することができる。例えば、右葉から左葉へと一連の移動で測定する場合には、頸部の周方向に沿って湾曲しながら超音波センサ20が移動することとなる。湾曲することによって検出精度が低下する可能性があるが、この実施形態では、これを予防することができる。なお、一対の超音波センサ20において、右葉および左葉を互いに一部重複して測定することもある。
超音波センサ20は、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。超音波センサ20を一つだけ用いる場合には、センサ収納部11のいずれか一方にのみ超音波センサ20を設け、いずれか他方のセンサ収納部11には超音波センサ20を設けないようにすることができる。このように超音波センサ20を設けないセンサ収納部11を配置することによって、超音波測定装置1を測定対象者の頸部の左右から保持するように密着させることができ、測定精度の低下を予防することができる。また、センサ収納部11のいずれか一方にのみ超音波センサ20を設けるので甲状腺の右葉または左葉のいずれか一方を重点的に測定することができる。未測定の右葉または左葉のいずれか他方を測定する場合には、超音波測定装置1を縦方向Zにおいて逆さまにして用いることができる。
超音波センサ20のセンサ移動機構としては、一般的なものを例示して説明したが、この機構に限定するものではなく、直線移動と回動とを実現するものであれば、公知の種々の機構を用いることができる。ジェル供給機構についても、この実施形態で説明した機構のほか、公知の機構を採用することができる。
1 超音波測定装置
2 コンピュータ
20 超音波センサ
22 センサケース
24 第1貫通孔
25 第2貫通孔
30 センサ移動機構
31 ガイドブラケット
31A 側面
31B 側面
32 駆動源
35 第1シャフト
36 第1ピニオンギヤ
37 第1ラック
38 第1ガイド孔
40 第2ガイド孔
41 第2シャフト
42 第2ピニオンギヤ
43 第2ラック
50 ジェル供給機構
51 ジェル吐出口
53 連通路
100 超音波測定システム

Claims (3)

  1. 複数の振動子が横方向(X)へ配列された超音波センサ(20)と、前記超音波センサ(20)を収納するとともに前記横方向(X)に対して直交する奥行き方向(Y)へ延びるセンサケース(22)と、前記センサケース(22)を支持するとともに前記横方向(X)および前記奥行き方向(Y)に対してそれぞれ直交する縦方向(Z)へ延びるガイドブラケット(31)と、前記超音波センサ(20)から測定データを取得する回路部と、を備える超音波測定装置であって、
    前記センサケース(22)の両側面に設けられる第1貫通孔(24)および前記第1貫通孔(24)よりも前記超音波センサ(20)側に位置する第2貫通孔(25)と、
    前記ガイドブラケット(31)の側面に設けられるとともに前記縦方向(Z)へ延びる第1ガイド孔(38)および前記第1ガイド孔(38)よりも前記縦方向(Z)における寸法が大きく前記第1ガイド孔(38)よりも前記超音波センサ(20)側に位置する第2ガイド孔(40)と、
    前記第1ガイド孔(38)および前記第1貫通孔(24)を貫通して前記センサケース(22)に挿入される第1シャフト(35)および前記第2ガイド孔(40)および前記第2貫通孔(25)を貫通して前記センサケース(22)に挿入される第2シャフト(41)と、
    前記センサケース(22)内に設けられるとともに前記第1シャフト(35)および前記第2シャフト(41)を前記奥行き方向(Y)の両側からそれぞれ押圧する押圧部材(16)と、
    前記第1シャフト(35)を時計回りおよび反時計回りに回転させる駆動源(32)と、
    前記第1シャフト(35)の回転に伴い回転する第1ピニオンギヤ(36)および前記第1ピニオンギヤ(36)に噛み合うとともに前記第1ガイド孔(38)に沿って延びる第1ラック(37)と、
    前記第2シャフト(41)の回転に伴い回転する第2ピニオンギヤ(42)および前記第2ピニオンギヤ(42)に噛み合うとともに前記第2ガイド孔(40)に沿って延びる第2ラック(43)と、を備え、
    前記第1貫通孔(24)および前記第2貫通孔(25)は、前記奥行き方向(Y)における寸法が前記縦方向(Z)における寸法よりも大きく、
    前記超音波センサ(20)は、センサ移動機構(30)によって移動可能であるとともに、前記センサ移動機構(30)は、前記第1シャフト(35)および前記第2シャフト(41)を前記第1ガイド孔(38)および前記第2ガイド孔(40)に沿って移動させることにより前記超音波センサ(20)を前記縦方向(Z)に対して平行移動させる平行移動部と、前記第1ガイド孔(38)の上下端において前記第1シャフト(35)を中心に前記超音波センサ(20)を回動させる傾斜移動部と、を備え、
    前記回路部は、前記センサ移動機構を制御して前記超音波センサを測定位置に移動させ、前記測定位置ごとに前記超音波センサから前記測定データを取得することを繰り返すことを特徴とする超音波測定装置。
  2. 前記超音波センサ(20)の先端に対してジェルを供給するジェル供給機構をさらに含み、
    前記ジェル供給機構は、前記超音波センサの前記振動子に沿って延びるジェル吐出口(51)と、前記ジェルを供給するタンクと、前記ジェル吐出口(51)および前記タンクを連結し前記ジェルを前記タンクから前記ジェル吐出口まで搬送する連通路(53)とを有することを特徴とする請求項1記載の超音波測定装置。
  3. 超音波測定装置およびコンピュータから構成される超音波測定システムであって、
    前記超音波測定装置は、
    複数の振動子が横方向(X)へ配列された超音波センサ(20)と、前記超音波センサ(20)を収納するとともに前記横方向(X)に対して直交する奥行き方向(Y)へ延びるセンサケース(22)と、前記センサケース(22)を支持するとともに前記横方向(X)および前記奥行き方向(Y)に対してそれぞれ直交する縦方向(Z)へ延びるガイドブラケット(31)と、前記超音波センサ(20)から測定データを取得する回路部と、を備えるとともに
    前記センサケース(22)の両側面に設けられる第1貫通孔(24)および前記第1貫通孔(24)よりも前記超音波センサ(20)側に位置する第2貫通孔(25)と、
    前記ガイドブラケット(31)の側面に設けられるとともに前記縦方向(Z)へ延びる第1ガイド孔(38)および前記第1ガイド孔(38)よりも前記縦方向(Z)における寸法が大きく前記第1ガイド孔(38)よりも前記超音波センサ(20)側に位置する第2ガイド孔(40)と、
    前記第1ガイド孔(38)および前記第1貫通孔(24)を貫通して前記センサケース(22)に挿入される第1シャフト(35)および前記第2ガイド孔(40)および前記第2貫通孔(25)を貫通して前記センサケース(22)に挿入される第2シャフト(41)と、
    前記センサケース(22)内に設けられるとともに前記第1シャフト(35)および前記第2シャフト(41)を前記奥行き方向(Y)の両側からそれぞれ押圧する押圧部材(16)と、
    前記第1シャフト(35)を時計回りおよび反時計回りに回転させる駆動源(32)と、
    前記第1シャフト(35)の回転に伴い回転する第1ピニオンギヤ(36)および前記第1ピニオンギヤ(36)に噛み合うとともに前記第1ガイド孔(38)に沿って延びる第1ラック(37)と、
    前記第2シャフト(41)の回転に伴い回転する第2ピニオンギヤ(42)および前記第2ピニオンギヤ(42)に噛み合うとともに前記第2ガイド孔(40)に沿って延びる第2ラック(43)と、を備え、
    前記第1貫通孔(24)および前記第2貫通孔(25)は、前記奥行き方向(Y)における寸法が前記縦方向(Z)における寸法よりも大きく、
    前記超音波センサ(20)は、センサ移動機構(30)によって移動可能であるとともに、前記センサ移動機構(30)は、前記第1シャフト(35)および前記第2シャフト(41)を前記第1ガイド孔(38)および前記第2ガイド孔(40)に沿って移動させることにより前記超音波センサ(20)を前記縦方向(Z)に対して平行移動させる平行移動部と、前記第1ガイド孔(38)の上下端において前記第1シャフト(35)を中心に前記超音波センサ(20)を回動させる傾斜移動部とを備え
    前記回路部は、前記センサ移動機構を制御して前記超音波センサを測定位置に移動させ、前記測定位置ごとに前記超音波センサから前記測定データを取得することを繰り返すものであり、
    前記コンピュータは、
    前記回路部によって取得される前記測定データを受信し、計測処理を実行する制御部と、
    前記制御部によって実行される前記計測処理の結果を、測定時刻情報とともに測定履歴データとして記憶する記憶部と、
    を備えることを特徴とする超音波測定システム。
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