JP2012239546A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検体内における超音波の速度分布を検出する音速分布検出手段と、音速分布検出手段が検出した速度分布を、超音波の送受信方向に微分して、音速微分値を算出する微分値算出手段とを有することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
これに対して、近年、被検体内の診断部位をより精度よく診断するために、任意の診断部位における音速値(局所音速値)を測定し、このような画像の歪みを補正することが行われている。
超音波画像の歪みを補正することにより、例えば、血管壁の厚みの測定や、腫瘍のサイズなど様々な部位の計測の精度が向上する。
また、特許文献2には、複数の第1の領域において、フォーカス処理におけるビーム集束度を判定し、各領域について音速値を求め、さらに、第1の領域よりも細分化された複数の第2の領域について音速値を求める超音波診断装置が提案されている。
しかしながら、局所音速値を求めるために、設定した格子点や領域に向けて、超音波ビームを送信する際には、正確な音速が不明であるため、設定した格子点や領域とは、ずれた位置に超音波ビームが送信されてしまう。そのため、正確な局所音速値を求めることはできず、超音波画像の歪みを正確に補正することはできない。従って、血管壁の厚みの測定や、腫瘍のサイズなど様々な部位の計測を正確に行なうことはできない。
また、前記微分手段は、前記音速分布を微分して得られる音速微分値を、超音波の送受信方向と直交する方向に配列して出力することが好ましい。
あるいは、前記微分結果を、濃度に変換して、前記超音波画像に重畳して表示することが好ましい。
さらに、前記超音波画像上において、超音波の音速が一定とみなせる領域を設定する領域設定部を有し、前記微分手段は、前記領域設定部が設定した領域内においては、超音波の音速は一定として、超音波の送受信方向の微分を行なうことが好ましい。
また、前記音速分布検出手段が検出した前記速度分布を、前記超音波画像に重畳して表示することが好ましい。
超音波診断装置10は、超音波プローブ12と、超音波プローブ12に接続される送信回路14および受信回路16と、画像生成手段18と、シネメモリ22と、音速マップ生成部24と、微分値算出部26と、表示制御部32と、表示部34と、制御部36と、操作部38と、格納部40とを有する。
なお、図示例の超音波診断装置10は、超音波画像の撮像と音速マップの生成を行なう構成を有すると共に、生成した音速値を、超音波の送受信方向に微分して、音速微分値を算出する構成を有するものである。
振動子アレイ42は、1次元又は2次元に配列された複数の超音波トランスデューサを有している。これらの超音波トランスデューサは、超音波画像の撮像の際に、それぞれ送信回路14から供給される駆動信号に従って超音波ビームを送信すると共に、光照射手段が光を照射することにより発生する超音波と、被検体からの超音波エコーとを受信して受信信号を出力する。
受信回路16は、受信データを画像生成手段18、シネメモリ22、および、音速マップ生成部24に供給する。
画像生成手段18は、信号処理部46、DSC48、画像処理部50、および、画像メモリ52を有する。
表示部34は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部32の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
音速マップ生成部24が行なう局所音速値の演算方法には、特に限定はなく、例えば本願の出願人により出願された特開2010−99452号公報に記載の方法により行うことができる。
さらに、格子点Xにおける仮定的な局所音速値Vを種々変化させて、それぞれ格子点A1、A2、・・・からの受信波W1、W2、・・・の仮想的な合成波Wsumを算出する。このとき、格子点Xと各格子点A1、A2、・・・との間の領域Rxaにおける音速は一様で、格子点Xにおける局所音速値Vに等しいものと仮定する。格子点Xから伝播した超音波が格子点A1、A2、・・・に到達するまでの時間はXA1/V、XA2/V、・・・となる。ここで、XA1、XA2、・・・は、それぞれ格子点A1、A2、・・・と格子点Xとの間の距離である。そこで、格子点A1、A2、・・・からそれぞれ時間XA1/V、XA2/V、・・・だけ遅延して発した反射波を合成することにより、仮想的な合成波Wsumを求めることができる。
以上のようにして、被検体内の各部における局所音速値を演算し、被検体内の音速マップを生成することができる。
音速マップ生成部24は、生成した音速マップを微分値算出部26に供給する。
図4(A)に示すように、対象部位Pとその周辺部位のように、生体内において異なる組織間では、それぞれ音速値が異なる。従って、音速マップを、超音波の送受信方向に微分して、図4(B)に示すような音速微分値を求めることにより、音速微分値が変化する位置から、異なる組織の間の境界、すなわち、対象部位Pの境界の位置を求めることができる。また、求めた音速微分値を、超音波画像に重畳して表示することにより、異なる組織の間の境界を表示することができる。
なお、音速微分値を、超音波画像に重畳して表示する際には、例えば、図3(B)に示すように、所定の第1閾値以上の音速微分値と、所定の第2閾値以下の音速微分値のみを表示するようにしてもよい。あるいは、音速微分値の値に応じて、色分けして表示してもよいし、音速微分値を濃度(輝度)に変換して表示してもよい。
ここで、超音波の送受信を行なって局所音速値を求めた場合には、超音波の送受信方向と直交する方向においては、屈折の影響等により、音速値の絶対値のみでなく、相対的な値の変化も、正確に捉える事ができない。一方、超音波の送受信方向においては、音速値の変化については、正確に捉えることができる。そのため、本発明においては、検出した速度分布を、超音波の送受信方向に微分して、音速微分値を算出することによって、音速値が変化した位置、すなわち、異なる組織の間の境界の位置を正確に求めることができる。したがって、血管壁の厚みの測定や、腫瘍のサイズなど様々な部位の計測を正確に行なうことができる。
操作部38は、操作者が入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル等から形成することができる。
なお、信号処理部46、DSC48、画像処理部50、表示制御部32、音速マップ生成部24および微分値算出部26は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
操作者は、超音波プローブ12を被検体の表面に当接する。この状態で、送信回路14から供給される駆動信号に従って振動子アレイ42から超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを、振動子アレイ42が受信し、受信信号を出力する。
受信回路16は、受信信号から受信データを生成し、画像生成手段18に供給する。画像生成手段18の信号処理部46は、受信データを処理してBモード画像信号を生成する。Bモード画像信号を、DSC48がラスター変換し、画像処理部50が画像処理を施し、超音波画像が生成される。生成された超音波画像は、画像メモリ52に格納されると共に、表示制御部32により超音波画像が表示部34に表示される。
また、受信回路16は、受信データを、シネメモリ22および音速マップ生成部24に供給する。音速マップ生成部24は、受信データから被検体内の各部の局所音速値を演算し、音速マップを生成して、微分値算出部26に供給する。微分値算出部26は、音速マップから音速微分値を算出する。算出された音速微分値は、DSC48でラスター変換され、画像処理部50で各種の画像処理が施された後、表示制御部32に送られる。そして、操作者により操作部38から入力された表示モードに従って、Bモード画像に音速微分値を重畳した状態で表示部34に表示される。
なお、平滑化フィルタとしては、特に限定はなく、移動平均フィルタや加重平均フィルタ、あるいはローパスフィルタなど、各種の平滑化フィルタが利用可能である。
なお、領域設定部は、操作者による操作部38からの指示に応じて、領域を設定するようにしても良いし、平滑化を行なった後に、自動的に設定するようにしてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
12 超音波プローブ
14 送信回路
16 受信回路
18 画像生成手段
22 シネメモリ
24 音速マップ生成部
26 微分値算出部
32 表示制御部
34 表示部
36 制御部
38 操作部
40 格納部
42 振動子アレイ
46 信号処理部
48 DSC
50 画像処理部
52 画像メモリ
Claims (8)
- 超音波探触子の振動子アレイから、被検体に超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信した前記振動子アレイが出力する受信信号に基づいて超音波画像を生成する超音波診断装置において、
前記被検体内における超音波の速度分布を検出する音速分布検出手段と、
前記音速分布検出手段が検出した前記速度分布を、超音波の送受信方向に微分する微分手段とを有することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記微分手段が前記音速分布を微分した微分結果を、前記超音波画像に重畳して表示する請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記微分手段は、前記音速分布を微分して得られる音速微分値を、超音波の送受信方向と直交する方向に配列して出力する請求項2に記載の超音波診断装置。
- 前記微分結果を、色に変換して、前記超音波画像に重畳して表示する請求項2または3に記載の超音波診断装置。
- 前記微分結果を、濃度に変換して、前記超音波画像に重畳して表示する請求項2または3に記載の超音波診断装置。
- 前記微分手段は、前記音速分布検出手段が検出した前記速度分布に、超音波の送受信方向に平滑化フィルタを掛けた後に、超音波の送受信方向の微分を行なう請求項1〜5のいずれかに記載の超音波診断装置。
- 前記超音波画像上において、超音波の音速が一定とみなせる領域を設定する領域設定部を有し、
前記微分手段は、前記領域設定部が設定した領域内においては、超音波の音速は一定として、超音波の送受信方向の微分を行なう請求項1〜6のいずれかに記載の超音波診断装置。 - 前記音速分布検出手段が検出した前記速度分布を、前記超音波画像に重畳して表示する請求項1〜7のいずれかに記載の超音波診断装置。
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