JP5247844B2 - 超音波診断装置および超音波画像生成方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、診断部位の周辺に複数の格子点を設定し、各格子点に対して超音波ビームを送受信することにより得られる受信データに基づいて、局所音速値の演算を行う超音波診断装置が提案されている。
しかしながら、関心領域を設定して所定領域内の局所音速値を複数求める場合には、設定される格子点の位置などによって多くの時間を費やすおそれがある。また、関心領域内の平均局所音速値を正確に演算できないおそれもある。
また、前記制御部は、前記関心領域設定部により設定された関心領域の位置が深いほど前記浅部格子点領域を長くすることができる。また、前記制御部は、前記関心領域設定部により設定された関心領域の深さ方向の長さが長いほど前記浅部格子点領域を長くすることもできる。また、前記制御部は、前記振動子アレイから送信される超音波ビームの同時開口幅が大きいほど前記浅部格子点領域を長くすることもできる。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、振動子アレイ1を備え、この振動子アレイ1に送信回路2および受信回路3が接続されている。受信回路3には、信号処理部4、DSC(Digital Scan Converter)5、画像処理部6、表示制御部7および表示部8が順次接続されている。画像処理部6には、画像メモリ9が接続されている。さらに、受信回路3に素子データメモリ10と音速演算部11とが接続されている。
そして、信号処理部4、DSC5、表示制御部7、素子データメモリ10および音速演算部11に制御部12が接続されている。また、制御部12には、操作部13と格納部14がそれぞれ接続されている。
DSC5は、信号処理部4で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部6は、DSC5から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部7に出力する、あるいは画像メモリ9に格納する。
これら信号処理部4、DSC5、画像処理部6および画像メモリ9により画像生成部15が形成されている。
表示部8は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部7の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
音速演算部11は、制御部12による制御の下で、素子データメモリ10に格納されている受信データに基づいて局所音速値を演算する。
制御部12は、操作者により操作部13から入力された指令に基づいて超音波診断装置各部の制御を行う。
格納部14は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体を用いることができる。
なお、信号処理部4、DSC5、画像処理部6、表示制御部7および音速演算部11は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
この方法は、図2(A)に示されるように、被検体内に超音波を送信した際に、被検体の反射点となる格子点Xから振動子アレイ1に到達する受信波Wxに着目したとき、図2(B)に示されるように、格子点Xよりも浅い位置、すなわち振動子アレイ1に近い位置に複数の格子点A1、A2、・・・を等間隔に配列し、格子点Xからの受信波を受けた複数の格子点A1、A2、・・・からのそれぞれの受信波W1、W2、・・・の合成波Wsumが、ホイヘンスの原理により、格子点Xからの受信波Wxに一致することを利用して、格子点Xにおける局所音速値を求める方法である。
さらに、格子点Xにおける仮定的な局所音速値Vを種々変化させて、それぞれ格子点A1、A2、・・・からの受信波W1、W2、・・・の仮想的な合成波Wsumを算出する。このとき、格子点Xと各格子点A1、A2、・・・との間の領域Rxaにおける音速は一様で、格子点Xにおける局所音速値Vに等しいものと仮定する。格子点Xから伝播した超音波が格子点A1、A2、・・・に到達するまでの時間はXA1/V、XA2/V、・・・となる。ここで、XA1、XA2、・・・は、それぞれ格子点A1、A2、・・・と格子点Xとの間の距離である。そこで、格子点A1、A2、・・・からそれぞれ時間XA1/V、XA2/V、・・・だけ遅延して発した反射波を合成することにより、仮想的な合成波Wsumを求めることができる。
以上のようにして、受信回路3で生成された受信データに基づき、被検体内の局所音速値を高精度に演算することができる。さらに、同様にして、設定された関心領域内の局所音速値の分布を示す音速マップを生成することができる。
このような関心領域Rに対して、関心領域Rよりも浅い位置すなわち振動子アレイ1に近い位置と関心領域Rよりも深い位置すなわち振動子アレイ1とは反対側の音線上にそれぞれ格子点が設定される。図3では、関心領域Rよりも浅い位置で且つその近傍の位置に方位方向に沿って「●」で示される複数の格子点E1が音線S2〜S8上にそれぞれ設定されると共に、関心領域Rよりも深い位置で且つその近傍の位置に方位方向に沿って「▲」で示される複数の格子点E2が音線S4〜S6上にそれぞれ設定されている。この時、関心領域Rよりも浅い位置に設定される格子点E1は、関心領域Rの最浅部の深度D1、関心領域Rの深さ方向の縦長さH、および振動子アレイ1から送信される超音波ビームの同時開口幅Waに応じて決定される浅部格子点領域内に設定される。そして、深い位置に設定された格子点E2のそれぞれと浅い位置に設定された複数の格子点E1との間の領域の音速が一定と仮定して各領域間の局所音速値が演算されると共に関心領域R内の平均局所音速値の演算が行われる。
まず、送信回路2からの駆動信号に従って振動子アレイ1の複数の超音波トランスデューサから超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各超音波トランスデューサから受信信号が受信回路3に出力されて受信データが生成され、さらに、画像生成部15で生成されたBモード画像信号に基づいて表示制御部7によりBモード画像が表示部8に表示される。
ここで、浅部格子点領域は、深い位置に設定されたそれぞれの格子点E2に送信焦点を形成して送受信されるいずれかの超音波ビームの領域内に収まるように設定されることで、超音波ビームBを送受信した際に歪の少ない受信波の合成波を得るのに必要な位置にのみ格子点E1を設定することができる。これは、深い位置の格子点E2からの受信波を受けた浅い位置の複数の格子点E1からの受信波の合成波が、ホイヘンスの原理により、格子点E2からの受信波に一致することを利用して、局所音速値を演算することによるものである。このように浅部格子点領域を設定することで、ΔW=Wg−Wrとした時に、ΔW:H=Wa:(H+D1)が成り立ち、Wg=Wr+Wa/(1+(D1/H))の関係式が求められる。すなわち、浅部格子点領域の幅Wgは、関心領域Rの深さ位置D1、関心領域Rの深さ方向の長さH、および振動子アレイ1から送信される超音波ビームの同時開口幅Waに応じた最適な範囲に決定される。
超音波ビームBを受信する毎に受信回路3で生成される音速測定用の受信データは順次素子データメモリ10に格納される。すべての格子点E1およびE2に送信焦点を形成して超音波ビームBの送受信を行うことで取得された音速測定用の受信データが素子データメモリ10に格納されると、音速演算部11は、深い位置に設定された格子点E2のそれぞれと浅い位置に設定された複数の格子点E1との間の各領域の音速が一定と仮定し、素子データメモリ10に格納されている音速測定用の受信データを用いて、それぞれの領域の局所音速値を演算すると共にこれらの局所音速値を平均して関心領域R内の平均局所音速値を演算する。
音速演算部11は、このようにして演算された格子点E2のそれぞれと格子点E1との間の領域の局所音速値の平均したものを関心領域R内の平均局所音速値とする。
関心領域Rの深さ方向の長さHおよび超音波ビームBの同時開口幅Waの値を固定して関心領域Rの深さ位置D1の値を変化させた場合において、関心領域Rが図4(A)に示す深さ位置D1に存在する時は、音線S2〜S8が含まれるように浅部格子点領域が設定される。これに対し、関心領域Rの深さ位置D1が深くなるほど格子点E2に送信焦点を形成して送受信される超音波ビームBの領域幅が短くなると共に浅部格子点領域も短く設定され、関心領域Rが図4(B)に示す深さ位置D1に存在する時には、音線S3〜S7が含まれるように浅部格子点領域が設定される。
また、関心領域Rの深さ位置D1および超音波ビームBの同時開口幅Waの値を固定して関心領域Rの深さ方向の長さHの値を変化させた場合において、関心領域Rが図5(A)に示す長さHを有する時は、音線S3〜S7が含まれるように浅部格子点領域が設定される。これに対し、関心領域Rの深さ方向の長さHが長くなるほど格子点E2に送信焦点を形成して送受信される超音波ビームBの領域幅が長くなると共に浅部格子点領域も長く設定され、関心領域Rが図5(B)に示す長さHまで長くなった時には、音線S2〜S8が含まれるように浅部格子点領域が設定される。
さらに、関心領域Rの深さ位置D1および関心領域Rの深さ方向の長さHの値を固定して超音波ビームBの同時開口幅Waの値を変化させた場合において、同時開口幅Waを図6(A)に示す大きさで超音波ビームBを送受信する時は、音線S3〜S7が含まれるように浅部格子点領域が設定される。これに対し、同時開口幅Waが大きくなるほど格子点E2に送信焦点を形成して送受信される超音波ビームBの領域幅が長くなると共に浅部格子点領域も長く設定され、同時開口幅Waが図6(B)に示すまで大きくなった時には、音線S2〜S8が含まれるように浅部格子点領域が設定される。
上述した実施の形態1において、関心領域R内の平均局所音速値を測定するだけでなく、関心領域R内の音速マップを生成するように構成することができる。
例えば、図7に示されるように、操作部13からの操作によりBモード画像上に関心領域Rが設定されると、制御部12は、関心領域Rよりも浅い位置と深い位置に格子点E1およびE2を設定すると共に、格子点E1およびE2の間の位置D3に方位方向に沿ってそれぞれ「■」で示される複数の音速マップ用格子点E3を設定する。なお、音速マップ用格子点E3は、深い位置に設定されたそれぞれの格子点E2に送信焦点を形成して送受信されるいずれかの超音波ビームBの領域に収まるように設定するのが好ましい。
このようにして、関心領域R内の局所音速値または平均局所音速値を測定するだけでなく、Bモード画像の生成と音速マップの生成の双方を行うことが可能となる。
上述した実施の形態1および2において、制御部12により設定された各格子点に対して送信焦点を形成して送受信される超音波ビームBは格子点間の距離が近いものほど近い時刻で送受信されるようにその順番を設定することもできる。
例えば、図8に示される格子点において、超音波ビームの送信焦点を格子点Ea,Ec,Ef,Ei,・・・,Eb,Ee,・・・の順番で形成する、すなわち、同一の深度に位置する格子点に対して方位方向に超音波ビームの送信焦点を順次形成し、これを深さ方向に繰り返すことができる。また、超音波ビームの送信焦点を格子点Ea,Eb,Ec,Ed,Ee,・・・の順番で形成する、すなわち、同一の音線上に設定された格子点に対して一方向に超音波ビームの送信焦点を順次形成し、これを音線毎に繰り返すこともできる。
また、上記の実施の形態1〜3では、簡略化のため、図示された振動子アレイ1の開口数すなわち音線の本数、格子点の個数等が小さな値で示されていたが、これに限るものではなく、Bモード画像による診断および音速の測定に適した開口数および格子点の個数とすることが好ましい。
Claims (7)
- 送信回路から供給された駆動信号に基づいて超音波プローブの振動子アレイから被検体に向けて超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記超音波プローブの振動子アレイから出力される受信信号を受信回路で処理することで得られる受信データに基づいてBモード画像を生成する超音波診断装置であって、
前記Bモード画像上で関心領域を設定するための関心領域設定部と、
前記関心領域設定部により設定された前記関心領域より浅い位置および深い位置における音線上にそれぞれ格子点を設定し、前記格子点に送信焦点を形成してそれぞれ超音波ビームの送受信を行うことにより音速測定用の受信データを取得するように前記送信回路および前記受信回路を制御する制御部と、
取得された前記音速測定用の受信データに基づき前記関心領域内の平均局所音速値を演算する音速演算部と
を備え、
前記浅い位置に設定される前記格子点は、前記関心領域の深さ位置、前記関心領域の深さ方向の長さ、および前記振動子アレイから送信される前記超音波ビームの同時開口幅に応じて決定される浅部格子点領域内に設定されることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記浅い位置に設定される前記格子点の範囲は、前記深い位置に設定されたそれぞれの前記格子点に送信焦点を形成して送受信されるいずれかの超音波ビームの領域に収まるように設定される請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記制御部は、前記関心領域設定部により設定された関心領域の位置が深いほど前記浅部格子点領域を長くする請求項1または2に記載の超音波診断装置。
- 前記制御部は、前記関心領域設定部により設定された関心領域の深さ方向の長さが長いほど前記浅部格子点領域を長くする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 前記制御部は、前記振動子アレイから送信される超音波ビームの同時開口幅が大きいほど前記浅部格子点領域を長くする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
- 前記制御部は、前記深い位置と前記浅い位置との間の位置に前記格子点をさらに設定し、これら設定された全ての前記格子点に送信焦点を形成してそれぞれ超音波ビームの送受信を行うことにより音速マップ用の受信データを取得するように前記送信回路および前記受信回路を制御し、
前記音速演算部は、前記音速マップ用の受信データに基づいて前記格子点の局所音速値をそれぞれ演算し、前記関心領域内の音速マップを生成する請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。 - 送信回路から供給された駆動信号に基づいて超音波プローブの振動子アレイから被検体に向けて超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記超音波プローブの振動子アレイから出力される受信信号を受信回路で処理することで得られる受信データに基づいてBモード画像を生成する超音波画像生成方法であって、
前記Bモード画像上で関心領域を設定し、
設定された前記関心領域より浅い位置および深い位置における音線上にそれぞれ格子点を設定すると共に、前記浅い位置に設定される前記格子点は、前記関心領域の深さ位置、前記関心領域の深さ方向の長さ、および前記振動子アレイから送信される前記超音波ビームの同時開口幅に応じて決定される浅部格子点領域内に設定され、
前記格子点に送信焦点を形成してそれぞれ超音波ビームの送受信を行うことにより音速測定用の受信データを取得し、
取得された前記音速測定用の受信データに基づき前記関心領域内の平均局所音速値を演算する
ことを特徴とする超音波画像生成方法。
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