JP6223787B2 - 共晶銅鉄合金の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Cuを主成分とするCu基質中にCuとFeの金属間化合物(以下、「Cu/Fe間化合物」と記す。)が分散した共晶銅鉄合金の製造方法に関し、特に、銅鉄ニューセラミックであるCFA ( Cu-Fe Alloy )の製造方法に関する。
近年、例えばICやLSIのリードフレ−ム材に代表される薄板のように、高強度及び高導電性を備えた低コストの電子材料が種々の分野で要望されており、このような要望に沿うものとして、銅鉄合金が注目されている。銅と鉄は、互いに固溶し合わない金属であり、従来の溶融・凝固による方法で製造した場合には、溶解時の偏析等により銅と鉄が個々に微細に分散するに過ぎず、熱間加工性にも難があるとされていた。しかしながら、近年では、ステンレス鋼の製造方法と同様の溶融急冷法が開発され、これにより薄板状の銅鉄合金の製造が可能となっている。
このような銅鉄合金の製造方法として、特許文献1には、炉内へFeを投入し、Feが完全に溶けたところでCuを装入し、晶化反応させ、反応溶湯をインゴットケースに注湯する共晶銅鉄合金の製造方法が開示されている。当該製造方法で得られたインゴットは、Cuを主成分とする基質中にCu/Fe間化合物の晶体片が均一に分布しており、押出し、圧延、引き抜きなどの塑性加工により、様々な工業材料となる。このような複合材料は、Cu基質中に高透磁性体であるCu/Fe間化合物の晶体片が分散されているため、例えば、電磁波に対するシールド材として非常に優れた特性を有する。
特開平6−17163号公報
しかしながら、特許文献1の製法では、Fe溶湯中に固体のCuを装入するため、溶湯面の乱れが大きく、気泡が紛れ込み易い。また、直ぐにCuとFeの晶化反応が開始し、液相中に固相が析出し、液相に対して固相の占める割合が増大し、溶湯の粘度が高くなるため、真空炉で脱気してもすべての気泡を除去することはできない。また、溶湯には、空気だけでなく、原料に付着した油脂汚れの微細な分解ガスも紛れ込んでいる。溶湯中に紛れ込んだ微細な気泡は、鍛造や押し出しによる加工で潰すことが困難である。
溶湯中に気泡が紛れ込んで、インゴット、ビレット等の鋳塊に気孔が形成された場合、塑性加工に大きな障害となる。特に直径0.1mmオーダの細線の引き抜きでは、鋳塊中の微細な気孔でも断線の原因となる。このため、銅鉄合金の製造では、溶湯中の気泡を完全に脱気する方法が望まれている。
また、共晶銅鉄合金は、高い導電性と強い磁性を兼有している金属であり、電場及び磁場に対する両方のシールド材として最適であることから、マイクロ波に対する遮蔽能等の特性を有する。共晶銅鉄合金が当該特性を確実に発揮するためには、銅基質に対して微細な鉄粒子が均一に分散されていることが好ましい。このため、Cu基質中に高透磁性体であるCu/Fe間化合物の晶体片がより確実に均一に分散させた共晶銅鉄合金を効率的に製造することが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、気泡の混入を低減し、かつCu/Fe間化合物の晶体片が均一に分散した高品質な共晶銅鉄合金を効率的に製造することの可能な、新規かつ改良された共晶銅鉄合金の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、銅の基質中に鉄を含む晶体粒片を分散させた銅鉄ニューセラミックであるCFA ( Cu-Fe Alloy )からなる共晶銅鉄合金の製造方法であって、電解銅を第1の溶解炉に、純鉄の粒片を前記第1の溶解炉と別個に分けられた第2の溶解炉にそれぞれ装入する装入工程と、前記第1の溶解炉に前記電解銅を1400℃に加熱して溶融し、銅溶湯中の酸素を含むガスを脱酸させる銅溶湯脱酸工程と、前記第2の溶解炉に前記純鉄を1600℃に加熱して溶融し、鉄溶湯中の酸素を含むガスを脱酸させる鉄溶湯脱酸工程と、前記第2の溶解炉で生成された鉄溶湯の温度を更に1650℃まで上昇させてから、前記第1の溶解炉及び前記第2の溶解炉と別個に分けられた主反応炉に該鉄溶湯を移注させる鉄溶湯移注工程と、前記鉄溶湯移注工程の後に前記第1の溶解炉で生成された銅溶湯の温度を1550℃に上昇させてから、主反応炉に該銅溶湯を移注させる銅溶湯移注工程と、前記主反応炉の温度を1600℃に加熱して前記銅溶湯に含まれる銅と前記鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させる反応工程と、前記主反応炉で生成された混合溶湯を鋳型に移注する注湯工程と、前記鋳型に移注された前記混合溶湯を冷却する冷却工程と、前記鋳型で生成された鋳造物を加工する加工工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、溶湯の粘度が高くなるCu/Fe間の晶化反応の前に酸素を含むガスを十分に脱酸させた双方の溶湯が対流することによって、銅鉄の二層分離を防止して、銅と鉄が多局面的に金属間結合をするようになる。このため、気泡の混入を低減し、かつCu/Fe間化合物の晶体片が均一に分散した高品質な共晶銅鉄合金を効率的に製造できる。
また、本発明の一態様では、前記主反応炉、前記第1の溶解炉、及び前記第2の溶解炉として、高周波電気炉が使用されることとしてもよい。
このようにすれば、誘導電力によって各溶解炉でそれぞれの溶湯が活発に攪拌されるので、各溶湯の粘土を低下させてガスの脱酸を十分に行ってから、主反応炉において、銅溶湯中の純鉄の粒片を均一に分散させることができる。
また、本発明の一態様では、前記銅溶湯脱酸工程で前記銅溶湯中に少なくともケイ素を含む脱酸剤を添加することとしてもよい。
このようにすれば、銅溶湯の脱酸を促進させ、銅溶湯中の気泡の紛れ込みを確実に低減することができる。
また、本発明の一態様では、前記鉄溶湯脱酸工程で前記鉄溶湯中に少なくともフェロシリコンを含む脱酸剤を添加することとしてもよい。
このようにすれば、鉄溶湯の脱酸を促進させ、鉄溶湯中の気泡の紛れ込みを確実に低減することができる。
また、本発明の一態様では、前記注湯工程で前記混合溶湯からシートバーを形成する鋳型に移注してから、前記冷却工程で100℃以下に急冷することとしてもよい。
このようにすれば、シートバーに形成されるデンドライトの成長を抑制できる。
また、本発明の一態様では、前記注湯工程で前記混合溶湯からビレットを形成する鋳型に移注してから、前記冷却工程で300℃以下に徐冷することとしてもよい。
このようにすれば、ビレットに形成されるデンドライトの成長を促進できる。
また、本発明の一態様では、前記加工工程では、前記鋳造物を熱間鍛造して塑性加工用ビレットに成形することとしてもよい。
このようにすれば、熱間鍛造によってデンドライトの晶体を潰乱し、共晶銅鉄合金の物性を異方性から等方性に改善できるようになる。
以上説明したように本発明によれば、溶湯の粘度が高くなるCu/Fe間の晶化反応の前に酸素を含むガスを十分に脱酸させた双方の溶湯が対流するので、銅鉄の二層分離を防止して、銅と鉄が多局面的に金属間結合をするようになる。このため、気泡の混入を低減し、かつCu/Fe間化合物の晶体片が均一に分散した高品質な共晶銅鉄合金を効率的に製造できる。
本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法の概要を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法の概要について図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法の概要を示す説明図である。
本実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法は、銅溶湯を生成する溶解炉と、鉄溶湯を生成する溶解炉と、銅溶湯に含まれる銅と鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させる主反応炉とを別個に分けた高周波電気炉を使用することを特徴とする。すなわち、本実施形態では、図1に示すように、銅溶湯を生成する第1の溶解炉12と、鉄溶湯を生成する第2の溶解炉14と、銅溶湯と鉄溶湯を混合して当該銅溶湯に含まれる銅と当該鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させる主反応炉10とをそれぞれ別に分けている。なお、本明細書中では、「共晶銅鉄合金」とは、金属とセラミックの中間的性質を有する銅鉄ニューセラミックであるCFA ( Cu-Fe Alloy )を含む広義的な金属関連材料をいうものとする。
また、本実施形態では、これらの主反応炉10、第1の溶解炉12、及び第2の溶解炉14として、誘導電力によって炉内の溶湯を活発に撹拌するために、高周波電気炉が使用され、これらの主反応炉10、第1の溶解炉12、及び第2の溶解炉14は、耐火度がSK38以上のマグネシアレンガから形成されることを特徴とする。特に、共晶銅鉄合金を主反応炉10で生成する過程において、セメンタイト(FeC)反応を防止するためにも、主反応炉10は、耐火度がSK38以上のマグネシアレンガから形成される高周波電気炉を使用することが好ましい。また、第1及び第2の溶解炉12、14としては、燃焼炉又は電気炉を使用することができるが、高品質な共晶銅鉄合金を製造する観点から、電気炉の一つである高周波誘導炉を使用することが好ましい。
第1の溶解炉12は、電解銅が装入されて、当該電解銅を例えば1400℃と少なくともその融点以上に加熱して溶融することによって銅溶湯を生成する。本実施形態では、第1の溶解炉12として高周波誘導炉が使用されるので、第1の溶解炉12で銅溶湯を生成する過程で当該銅溶湯が誘導電力によって撹拌され、当該銅溶湯中のガスが脱気される。当該ガスには、酸素が含まれていることから、かかる脱気工程には、脱酸工程が含まれる。また、本実施形態では、第1の溶解炉12から主反応炉10に銅溶湯を移注する際に、管による押し出し移注をスムーズにし、主反応炉10に移注された鉄溶湯との温度差による擾乱を防止するために、第1の溶解炉12は、生成した銅溶湯を主反応炉10に移注する前に、当該銅溶湯を鉄の融点温度より高くなるように更に加熱して1550℃まで昇温させる。
第2の溶解炉14は、純鉄の粒片が装入されて、当該純鉄の粒片を例えば1600℃と少なくともその融点以上に加熱して溶融することによって鉄溶湯を生成する。本実施形態では、第2の溶解炉14として高周波誘導炉が使用されるので、第2の溶解炉14で鉄溶湯を生成する過程で当該鉄溶湯が誘導電力によって撹拌され、当該鉄溶湯中のガスを脱気しながら脱酸する。また、本実施形態では、主反応炉10において鉄溶湯との晶化反応を効率的に行うために、第2の溶解炉14は、生成した鉄溶湯を主反応炉10に移注する前に当該鉄溶湯を更に加熱して1650℃まで昇温させる。すなわち、主反応炉10における1550℃の銅溶湯との混合溶湯の温度が1600℃に収束し易くするために、鉄溶湯を更に加熱して1650℃まで昇温させる。
主反応炉10は、第1の反応炉12から移注された銅溶湯と第2の反応炉14から移注された鉄溶湯とを混合して、当該銅溶湯に含まれる銅と当該鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させて、1600℃に温度調整した混合溶湯を生成する。本実施形態では、鉄溶湯と銅溶湯との混合溶湯を主反応炉10で効率的に晶化反応させるために、最初に第2の溶解炉14で生成された1650℃の鉄溶湯を主反応炉10に移注してから、次に第1の溶解炉12で生成された1550℃の銅溶湯を主反応炉10に移注する。すなわち、主反応炉10において、第2の溶解炉14で生成した1650℃の鉄溶湯に対して、第1の溶解炉12で生成した1550℃の銅溶湯を移注する。主反応炉10に銅溶湯と鉄溶湯を移注する際には、酸素等を含むガスや原料に付着した油脂汚れの微細な分解ガス等が気泡として混入させないために、液面の乱れに注意しながら移注する。
また、銅と鉄は、下記の表1に示すように、融点と密度がそれぞれ異なる。すなわち、融点は、鉄の方が高く、密度は、固体、液体共に銅の方が大きい。このため、本実施形態では、密度が小さく融点が高い鉄溶湯を先に主反応炉10に移注してから、密度が大きく融点が低い銅溶湯を移注することによって、上層の銅溶湯と下層の鉄溶湯の間に密度差と温度差があることから、これらの差違による対流で二層分離が防止され、多局面的に金属間化合が始まるようになる。このため、効率的に銅基質中に高透磁性体である鉄を含むCu/Fe間化合物の晶体片がより均一に分散された高品質な共晶銅鉄合金が確実に生成されるようになる。









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さらに、本実施形態では、主反応炉10として高周波誘導炉が使用されるので、主反応炉10で混合溶湯を晶化反応させながら生成する過程で当該混合溶湯が誘導電力によって撹拌されるので、混合溶湯の粘度を低下させてガスの脱酸を十分に行うことができる。このため、主反応炉10において、銅溶湯中の純鉄の粒片を均一に分散させるので、銅溶湯の粘度を低下させ、ガスの脱酸を十分に行うことができるので、気泡の混入が低減された良質な共晶銅鉄合金が生成されるようになる。
また、本実施形態では、銅溶湯を生成する第1の溶解炉12と、鉄溶湯を生成する第2の溶解炉14と、銅溶湯と鉄溶湯を混合して当該銅溶湯に含まれる銅と当該鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させる主反応炉10とをそれぞれ別個に分けている。前述したように、これら第1の溶解炉12、第2の溶解炉14、主反応炉10は、何れも高周波電気炉が使用され、誘導電力によって炉内の溶湯を活発に撹拌しながら溶湯温度を上昇させる。このため、これらの炉10、12、14を別個に分けることによって、それぞれの炉10、12、14を所望の異なる温度に調整し易くなるので、共晶銅鉄合金を効率的に生成できるようになる。
次に、本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法のフローについて、図面を使用しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法のフローを示すフローチャートである。
本実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法は、銅の基質中に鉄を含む晶体粒片であるCu/Fe間化合物を分散させた共晶銅鉄合金のうち、特に、銅鉄ニューセラミックであるCFA ( Cu-Fe Alloy )を効率的に製造可能としたものである。共晶銅鉄合金のうち、CFAは、銅と鉄の特性を併せ持ち、磁波と電波を1つの材料で電流に変えられ、かつ、薄板・棒・細線等の用途に応じて自在に加工可能な金属とセラミックの中間的な性質を有する銅鉄ニューセラミックである。このため、CFAは、導電材や電熱材、電磁波遮断材、構造材、磁性材、バネ材等に適用可能な有用で新しい金属関連材料となる。
本実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法は、装入工程S101、銅溶湯脱酸工程S102、鉄溶湯脱酸工程S103、鉄溶湯移注工程S104、銅溶湯移注工程S105、反応工程S106、注湯工程S107、冷却工程S108、再調合要否判定工程S109、再調合工程S110、及び加工工程S111を含む。そして、これらの工程S101乃至S111が図2に示すフローで行われる。
装入工程S101では、電解銅を第1の溶解炉12に、純鉄の粒片を第2の溶解炉14にそれぞれ装入する。電解銅は、粗銅を電解精錬することによって得られる、いわゆる電気銅であり、純度が99.99%以上の純銅である。純鉄は、炭素含有量が0.02%以下であり、その他の不純物元素が非常に少ない鉄であり、鋼材、特に炭素鋼の使用は不可である。また、純鉄の粒片は、焼鈍などにより球状化処理された球状であることが好ましい。さらに、装入工程S101において、共晶銅鉄合金として、例えば、優れた電磁波遮蔽効果を得るために、電解銅と純鉄の粒片と共に、コバルト、ニッケル、マンガンクロム等を少量添加してもよい。
銅溶湯脱酸工程S102では、第1の溶解炉12に電解銅を少なくともその融点以上に加熱して溶融し、銅溶湯中の酸素を含むガスを脱酸させる。具体的には、第1の溶解炉12の温度を例えば1400℃とCuの融点(1083℃)以上、Feの融点(1535℃)以下にして、電解銅を溶解させて銅溶湯を生成する。なお、第1の溶解炉12の温度は、脱気促進の観点から、なるべく高温域である方が好ましい。
また、銅溶湯脱酸工程S102では、電解銅を溶解させた後に、第1の溶解炉12の温度を保ち、銅溶湯中のガスを十分に脱気させる。脱気時間は、電解銅の投入量によるが、例えば100kgを投入した場合、20〜50分程度である。
さらに、本実施形態では、銅溶湯の脱酸を促進させ、銅溶湯中の気泡の紛れ込みを確実に低減するために、銅溶湯脱酸工程S102で銅溶湯中に少なくともケイ素を含む脱酸剤を添加する。なお、Cu用脱酸材として、ケイ素以外にリンやリチウム等を含む脱酸材を使用してもよい。
鉄溶湯脱酸工程S103では、第2の溶解炉14に純鉄を少なくともその融点以上に加熱して溶融し、鉄溶湯中の酸素を含むガスを脱酸させる。具体的には、第2の溶解炉14の温度を例えば1600℃と少なくともFeの融点(1535℃)以上にして、純鉄を溶解させて鉄溶湯を生成する。なお、第2の溶解炉14の温度は、脱気促進の観点から、なるべく高温域である方が好ましい。
また、鉄溶湯脱酸工程S103では、純鉄を溶解させた後、第2の溶解炉14の温度を保ち、鉄溶湯中のガスを十分に脱気させる。脱気時間は、純鉄の投入量によるが、例えば100kgを投入した場合、20〜50分程度である。
さらに、本実施形態では、鉄溶湯の脱酸を促進させ、鉄溶湯中の気泡の紛れ込みを確実に低減するために、鉄溶湯脱酸工程S103で鉄溶湯中に少なくともフェロシリコンを含む脱酸剤を添加する。なお、Fe用脱酸材として、フェロシリコン以外にアルミニウム、マンガン、チタン、ケイ素等を含む脱酸剤を使用してもよい。
なお、図2に示すフローチャートでは、銅溶湯脱酸工程S102の次に鉄溶湯脱酸工程S103が行われているが、銅溶湯脱酸工程S102より先に鉄溶湯脱酸工程S103を行ってもよく、また、本実施形態では、銅溶湯と鉄溶湯を生成する溶解炉がそれぞれ別個であることから、銅溶湯脱酸工程S102と鉄溶湯脱酸工程S103を同時に行って、共晶銅鉄合金の製造の効率化を図るようにしてもよい。
鉄溶湯移注工程S104では、第2の溶解炉14で生成された鉄溶湯の温度を例えば1650℃と更に上昇させてから、主反応炉10に当該鉄溶湯を移注させる。その後、銅溶湯移注工程S105では、第1の溶解炉12で生成された銅溶湯の温度を例えば1550℃と少なくとも鉄の融点以上に上昇させてから、主反応炉10に当該銅溶湯を移注させる。このように、銅溶湯を鉄の融点以上に上昇させてから、鉄溶湯が移注された主反応炉10に移注することによって、後続の反応工程S106での銅鉄の晶化反応が効率的に行われるようになる。
また、本実施形態では、密度が小さく温度が高い鉄溶湯を先に主反応炉10に移注してから、密度が大きく温度が鉄溶湯より低い銅溶湯を移注するので、上層の銅溶湯と下層の鉄溶湯の間に密度差と温度差による対流がされる。このため、後続の反応工程S106において、銅溶湯と鉄溶湯の二層分離が防止され、多局面的に金属間化合が始まるようになり、効率的に銅基質中にCu/Fe間化合物の晶体片がより均一に分散された高品質な共晶銅鉄合金が確実に生成されるようになる。
反応工程S106は、主反応炉10で銅溶湯に含まれる銅と鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させる。晶化反応工程S106では、主反応炉10の温度を例えば1600℃と少なくともFeの融点(1535℃)以上にして銅と鉄を溶湯状態にし、これら銅と鉄とを晶化反応させる。主反応炉10の温度は、晶化反応の促進と完結の観点から、なるべく高温域の方が好ましい。なお、晶化反応時間は、原料の投入量によるが、例えば合計200kgを投入した場合、5〜40分程度である。また、反応工程S106において、優れた電磁波遮蔽効果を得るために、コバルト、ニッケル、マンガンクロムなどを少量添加してもよい。
Feは、Cuに対する溶解度が2%と低いため、大半が過飽和成分となり、直ぐにCuと結合し、さらに、これらの結合単位は、晶化反応を繰り返して金属間化合物に成長する。金属間化合物の密度は、前述の表1に示すように、CuFeが7909kg/m、CuFeが7796kg/mとCu液相の密度7940kg/mと同程度であるから、これらの晶体粒片もCuの分散媒に懸濁する。すなわち、反応工程S106において、主反応炉10に移注された高温液相である銅溶湯と鉄溶湯の混合溶湯は、当該金属間化合物の固相と銅溶湯の液相が含まれる高温固液混相となる。晶体粒片の粒径は10−9〜10−7mと微細であり、晶体粒片の一部は球状化し、大半が扁平な紐状を呈している。晶化反応を繰り返して分散粒片の濃度が高くなると、Cu液相との混相は分散コロイドになり、流動抵抗が増大し、高粘度を発現する。
また、Cu/Fe間の晶化反応は、不完全な場合、品質低下となるFe偏析が発生してしまい、結晶の生長により巨晶化した場合、材料の物性が劣化する。すなわち、金属間結合による胞粒化が進んで固相の濃度が上がると、固液混相溶湯の粘度が急増して、これに応じて胞粒の生長が減退し、晶化反応も衰える。このため、反応温度、及び反応時間を最適化し、更には反応溶湯の粘度の変化によって反応の進行度を判定することが好ましい。なお、晶化反応時間は、粘度増大の手応えで判定できる。
注湯工程S107では、主反応炉10で生成された混合溶湯を所望の鋳型に移注する。例えば、混合溶湯から鋳造物としてシートバーを製造する場合には、注湯工程S107でシートバーを形成する鋳型に移注する。また、混合溶湯から鋳造物としてビレットを製造する場合には、注湯工程S107で混合溶湯からビレットを形成する鋳型に移注する。
冷却工程S108では、鋳型に移注された混合溶湯を冷却する。すなわち、反応工程S106で生成された高温固液混相となる混合溶湯は、冷却されることによって低温複合体である銅鉄ニューセラミックが生成されるようになる。混合溶湯から鋳造物としてシートバーを製造するために、注湯工程S107でシートバー用の鋳型に移注した場合には、シートバーが板状で冷却効果が高いことから、シートバーに形成されるデンドライトの成長を抑制する目的で例えば100℃以下となるように水中で急冷する。これに対して、混合溶湯から鋳造物としてビレットを製造するために、注湯工程S107でビレット用の鋳型に移注した場合には、ビレットが略直方体のブロック状で保温効果が高いことから、ビレットに形成されるデンドライトの成長を促進する目的で例えば300℃以下となるように自然冷却で徐冷する。なお、微結晶体粒片が均一に分散した銅鉄合金インゴットを得るために、冷却工程S108において、超音波発振器等によって鋳型に振動を与えることが好ましい。
なお、必要な場合には、冷却工程S108を経て得られた鋳塊(インゴット)に適宜純銅を追加、調合した上で、例えば1300℃以上1500℃以下の温度で再溶融させてもよい。具体的には、再調合要否判定工程S109で鋳造物の再調合の要否を判定して、当該鋳造物の用途に応じて再調合が必要と判断された場合に、再調合工程S110で銅を追加してCu/Fe比を調整して再調合し、1400℃で再溶融する。再溶融させた調合溶湯は、後続の加工工程S111において、連続鋳造方式で鋳片(ビレット)にし、鋳片を熱間加工(押出し、圧延、引き抜きなど)、熱処理することにより、安定した材料に製品化することが実現される。なお、再調合要否判定工程S109で再調合が不要と判断された場合には、再調合工程S110をスキップして、後続の加工工程S111に移行する。
加工工程S111は、鋳型で生成された鋳造物を加工する。具体的には、加工工程S111では、鋳塊(インゴット)に対して、塑性加工(熱間加工・冷間加工)、焼鈍等を行って製品化する。例えば、線材に加工する場合、インゴットを鍛造して丸棒材にし、熱間ロール圧延して線材とし、この線材を複数回冷間線引きすることにより、直径0.1mmオーダの細線まで伸線することができる。また、加工工程S111で本実施形態の共晶銅鉄合金の製造方法で生成された鋳造物を熱間鍛造して塑性加工用ビレットに成形することによって、デンドライトの晶体を潰乱し、共晶銅鉄合金の物性を異方性から等方性に改善できるようになる。
このように、本実施形態では、溶湯の粘度が高くなるCu/Fe間の晶化反応の前に酸素を含むガスを十分に脱酸させた双方の溶湯が対流することによって、銅鉄の二層分離を防止して、銅と鉄が多局面的に金属間結合をするようになる。このため、気泡の混入を低減し、かつCu/Fe間化合物の晶体片が均一に分散した高品質な共晶銅鉄合金を効率的に製造できるようになる。
特に、本実施形態では、第2の溶解炉14から主反応炉10に鉄の融点以上の温度に加熱して生成した鉄溶湯を主反応炉10に移注させてから、少なくとも鉄の融点以上の温度に加熱した銅溶湯を主反応炉10に移注させる。このため、反応工程S106において、主反応炉10に移注された高温液相である銅溶湯と鉄溶湯の混合溶湯は、Cu/Fe間化合物の晶体片である金属間化合物の固相と銅溶湯の液相が含まれる高温固液混相となってから、冷却工程S108で低温複合体となる銅鉄ニューセラミックであるCFAを効率的に製造できるようになる。
また、本実施形態では、銅溶湯と鉄溶湯を生成する溶解炉12、14をそれぞれ別個に分けているので、溶湯の粘度が高くなるCu/Fe間の晶化反応の前の銅溶湯脱気工程S102及び鉄溶湯脱気工程S103において、銅溶湯中及び鉄溶湯中のガスをそれぞれ十分に脱気することができる。従来のように同じ溶解炉で銅溶湯と鉄溶湯を混合すると、銅溶湯の液相中で銅と鉄との間に晶化結合反応が起こり、混合溶湯の粘度が急増するので、当該混合溶湯の脱気は困難になる。従って、本実施形態では、銅と鉄を別々の溶解炉12、14に溶解して脱酸後に主反応炉10で混合するようにしている。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、共晶銅鉄合金(50Cu−50Fe)のインゴット(1000Kg)を前述した本発明の一実施形態に係る共晶銅鉄合金の製造方法によって製造した。実施例1は、冷却工程S108で急冷して共晶銅鉄合金として導電材を生成する場合の実施例であり、実施例2は、冷却工程S108で徐冷して共晶銅鉄合金として電磁波遮蔽材を生成する実施例である。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、耐火度がSK38以上のマグネシアレンガで形成される高周波電気炉からなる容量が1000kgの主反応炉10と、銅溶湯生成用の補助溶解炉となる容量が500kgの第1の溶解炉12と、鉄溶湯生成用の補助溶解炉となる容量が500kgの第2の溶解炉14とをそれぞれ1基ずつ設備する。
次に、第1の溶解炉12に500kg分の高純度の電気銅を装入する。その際に、揮発性溶剤を用いて油脂等の汚れを洗浄する。そして、第1の溶解炉12を1400℃に加熱して、電気銅を溶融して脱酸する。銅溶湯の脱酸には、ケイ素を使用して、完全に脱酸が行われるようにする。
また、第2の溶解炉14に500kg分の純鉄を装入する。その際に、揮発性溶剤を用いて油脂等の汚れを洗浄する。そして、第2の溶解炉14を1600℃に加熱して、純鉄を溶融して脱酸する。鉄溶湯の脱酸には、フェロシリコンを使い、完全に脱酸が行われるようにする。
その後、第2の溶解炉14の鉄溶湯を1650℃に上げて、その全量を主反応炉10に移注してから、第1の溶解炉12の銅溶湯を1550℃に上げて、その全量を主反応炉10に移注する。溶湯の移注に際しては、1650℃の鉄溶湯に対して1550℃の銅溶湯を液面の乱れに注意して流し込む。そして、主反応炉10の混合溶湯の温度を1600℃に調整してから保持する。金属間化合である共晶反応の反応時間は、30分とする。このとき、上層の銅溶湯と下層の鉄溶湯の間には、密度差と温度差があることから、これらの差違による対流で二層分離が防止され、多局面的に金属間化合が始まる。
主反応炉10で共晶反応が終了したら、主反応炉10の晶化溶湯をシートバー生成用の鋳型へ移注し、急冷してシートバーにする。シートバーの寸法(a×b×t)は、250mm×500mm×30mmとなるべく偏平にする。このとき、鋳型内では、晶化溶湯の凝結が始まり、胞粒の分散密度が上がると、分子間力の作用で胞粒が集合、付着し、分子格子、結晶胚、デンドライトへと成長する。特に、晶体界面に揺動が起こると、それが駆動力となって樹枝葉状のデンドライトに成長するので、本実施例では、デンドライト成長を防止するために急冷する。
その後、シートバーは、用途に応じて再調合し、1400℃で再溶融する。このとき、再調合では、共晶銅鉄合金であるCFA50に銅を追加して、Cu/Fe比を調整する。また、再溶融では、金属間化合物の胞粒が分解されない。再調合溶湯は、冷却してインゴットにする。そして、インゴットは、800℃で熱間鍛造して、塑性加工用ビレットに成形する。このように熱間鍛造することによって、デンドライトの晶体を潰乱し、共晶銅鉄合金であるCFAの物性を異方性から等方性へ改善することが分かった。
[実施例2]
まず、耐火度がSK38以上のマグネシアレンガで形成される高周波電気炉からなる容量が1000kgの主反応炉10と、銅溶湯生成用の補助溶解炉となる容量が500kgの第1の溶解炉12と、鉄溶湯生成用の補助溶解炉となる容量が500kgの第2の溶解炉14とをそれぞれ1基ずつ設備する。
次に、第1の溶解炉12に500kg分の高純度の電気銅を装入する。その際に、揮発性溶剤を用いて油脂等の汚れを洗浄する。そして、第1の溶解炉12を1400℃に加熱して、電気銅を溶融して脱酸する。銅溶湯の脱酸には、ケイ素を使用して、完全に脱酸が行われるようにする。
また、第2の溶解炉14に500kg分の純鉄を装入する。その際に、揮発性溶剤を用いて油脂等の汚れを洗浄する。そして、第2の溶解炉14を1600℃に加熱して、純鉄を溶融して脱酸する。鉄溶湯の脱酸には、フェロシリコンを使い、完全に脱酸が行われるようにする。
その後、第2の溶解炉14の鉄溶湯を1650℃に上げて、その全量を主反応炉10に移注してから、第1の溶解炉12の銅溶湯を1550℃に上げて、その全量を主反応炉10に移注する。溶湯の移注に際しては、1650℃の鉄溶湯に対して1550℃の銅溶湯を液面の乱れに注意して流し込む。そして、主反応炉10の混合溶湯の温度を1600℃に調整してから保持する。金属間化合である共晶反応の反応時間は、30分とする。このとき、上層の銅溶湯と下層の鉄溶湯の間には、密度差と温度差があることから、これらの差違による対流で二層分離が防止され、多局面的に金属間化合が始まる。
主反応炉10で共晶反応が終了したら、主反応炉10の晶化溶湯をビレット生成用の鋳型へ移注し、徐冷してビレットにする。ビレットの寸法(a×b×l)は、150mm×150mm×225mmとなるべくブロック状の長方体にする。このとき、鋳型内で晶化溶湯の凝結が始まり、胞粒の分散密度が上がると、分子間力の作用で胞粒が集合、付着し、分子格子、結晶胚、デンドライトへと成長する。特に、晶体界面に揺動が起こると、それが駆動力となって樹枝葉状のデンドライトに成長するので、本実施例では、デンドライト成長を促進するために徐冷する。
その後、シートバーは、用途に応じて再調合し、1400℃で再溶融する。このとき、再調合では、共晶銅鉄合金であるCFA50に銅を追加して、Cu/Fe比を調整する。また、再溶融では、金属間化合物の胞粒が分解されない。再調合溶湯は、冷却してインゴットにする。そして、インゴットは、800℃で熱間鍛造して、塑性加工用ビレットに成形する。このように熱間鍛造することによって、デンドライトの晶体を潰乱し、共晶銅鉄合金であるCFAの物性を異方性から等方性へ改善することが分かった。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、共晶銅鉄合金の製造方法の動作も本発明の各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 主反応炉、12 第1の溶解炉、14 第2の溶解炉、S101 装入工程、S102 銅溶湯脱酸工程、S103 鉄溶湯脱酸工程、S104 鉄溶湯移注工程、S105 銅溶湯移注工程、S106 反応工程、S107 注湯工程、S108 冷却工程、S109 再調合要否判定工程、S110 再調合工程、S111 加工工程

Claims (8)

  1. 銅の基質中に鉄を含む晶体粒片を分散させた銅鉄ニューセラミックであるCFA ( Cu-Fe Alloy )からなる共晶銅鉄合金の製造方法であって、
    電解銅を第1の溶解炉に、純鉄の粒片を前記第1の溶解炉と別個に分けられた第2の溶解炉にそれぞれ装入する装入工程と、
    前記第1の溶解炉に前記電解銅を1400℃に加熱して溶融し、銅溶湯中の酸素を含むガスを脱酸させる銅溶湯脱酸工程と、
    前記第2の溶解炉に前記純鉄を1600℃に加熱して溶融し、鉄溶湯中の酸素を含むガスを脱酸させる鉄溶湯脱酸工程と、
    前記第2の溶解炉で生成された鉄溶湯の温度を更に1650℃まで上昇させてから、前記第1の溶解炉及び前記第2の溶解炉と別個に分けられた主反応炉に該鉄溶湯を移注させる鉄溶湯移注工程と、
    前記鉄溶湯移注工程の後に前記第1の溶解炉で生成された銅溶湯の温度を1550℃に上昇させてから、主反応炉に該銅溶湯を移注させる銅溶湯移注工程と、
    前記主反応炉の温度を1600℃に加熱して前記銅溶湯に含まれる銅と前記鉄溶湯に含まれる鉄とを晶化反応させる反応工程と、
    前記主反応炉で生成された混合溶湯を鋳型に移注する注湯工程と、
    前記鋳型に移注された前記混合溶湯を冷却する冷却工程と、
    前記鋳型で生成された鋳造物を加工する加工工程と、を含むことを特徴とする共晶銅鉄合金の製造方法。
  2. 前記主反応炉、前記第1の溶解炉、及び前記第2の溶解炉として、高周波電気炉が使用されることを特徴とする請求項1に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
  3. 前記銅溶湯脱酸工程で前記銅溶湯中に少なくともケイ素を含む脱酸剤を添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
  4. 前記鉄溶湯脱酸工程で前記鉄溶湯中に少なくともフェロシリコンを含む脱酸剤を添加することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
  5. 前記注湯工程で前記混合溶湯からシートバーを形成する鋳型に移注してから、前記冷却工程で100℃以下に急冷することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
  6. 前記注湯工程で前記混合溶湯からビレットを形成する鋳型に移注してから、前記冷却工程で300℃以下に徐冷することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
  7. 前記加工工程では、前記鋳造物を熱間鍛造して塑性加工用ビレットに成形することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
  8. 前記主反応炉として使用される前記高周波電気炉は、耐火度がSK38以上のマグネシアレンガから形成されることを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れか1項に記載の共晶銅鉄合金の製造方法。
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