JP6220150B2 - 高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法 - Google Patents

高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉内装入物の表面の形状(プロフィル)の測定データの処理方法に関するものである。
一般に、銑鉄の製造における高炉には、炉頂から装入物として、粉鉄鉱石を焼き固めた焼結鉱や塊状鉄鉱石等(以下では単に鉄鉱石または鉱石と記す)及びコークスが交互に装入されて堆積し、炉内に鉱石層およびコークス層が形成される。高炉下方にある羽口から吹き込まれる熱風とコークスとの反応によって生じるCOガスにより、鉄鉱石は加熱、還元され(間接還元)、また、一部はコークスにより直接的に還元されて、軟化融着帯を形成した後、溶滴となる。溶滴、すなわち溶銑は、コークス層の間を通過して炉底部に溜まる。炉内に形成された鉱石層およびコークス層は、炉内を徐々に降下する。
以上の工程において、高炉に装入された鉄鉱石及びコークスによって形成される炉頂部の装入物分布を調整し、適正なガス分布を得ることは非常に重要である。高炉内炉頂部における装入物のプロフィル(表面形状)は、ベル式装入装置ではムーバブルアーマを、また、ベルレス式装入装置では分配シュートを介する装入物の落下軌跡により決定される。通常装入時は、炉頂部の装入物のプロフィルは、高炉の中心鉛直方向(軸心)を軸として中央部が低い略逆円錘形状をなしている。高炉内装入物のプロフィルは、高炉の操業にとって重要な情報であり、従来から炉内に装入され堆積した装入物のプロフィルを測定する方法が開発され、実用化されてきた。
従来、例えば特許文献1等に記載されているように、炉体の炉口部側面から、高炉の軸心に向けて、マイクロ波距離計を備えた計測ランスを挿入し、マイクロ波を高炉内装入物へ向けて発信して、高炉内装入物の表面までの距離を測定する方式が行われてきた。この方式は、炉体内の高濃度の粉塵中でも、マイクロ波の減衰が小さいために距離測定が可能であるという利点があるものの、装置が大型かつ高価で、操作が複雑である。また、原料の装入時には、計測ランスを炉体の外へ退避させなければならないため、多くても一日に数回程度しか測定できないという問題がある。
そこで、マイクロ波の長所を維持し、原料の装入を長時間停止させることなくレベル測定が行える測定方法が、例えば特許文献2および特許文献3に記載されている。これらは、マイクロ波の送受信が行えるマイクロ波距離計と、マイクロ波放射方向を走査する走査駆動装置とを備えたプロフィル測定装置を、原料装入装置よりも上方の高炉の炉頂部に設置し、マイクロ波を高炉内に走査させ、マイクロ波距離計から入力された距離データおよび走査駆動装置から入力された走査角度データを組み合わせて、データ処理部で高炉内装入物の表面プロフィルを演算するものである。
高炉の炉頂部に設置した測定装置からマイクロ波を発信する場合、マイクロ波の装入物への入射角度が小さくなると、測定精度が低下し、場合によっては測定不能となる。そのため、特許文献2では、高炉の中心軸を挟んでマイクロ波距離計の設置位置と反対側にある高炉内装入物まで、あるいは、マイクロ波の入射角度が50度よりも小さくならない範囲であらかじめ定めた走査角度範囲内の距離を測定する測定方法が開示されている。また、特許文献3では、高炉の中心部を除いたマイクロ波距離計の対向側のあらかじめ定めた走査角度範囲内を測定し、直線近似を行って高炉内装入物の表面形状を推定して分岐箇所を決定し、それに基づいて距離データを選択する方法が開示されている。
実公平1−12216号公報 特開2010−174371号公報 特開2011−2241号公報
しかしながら、上記特許文献2および3の測定方法は、高炉の中央または中央付近が装入物の最下点となっているすり鉢状のプロフィルを測定する場合に限られる。そのため、例えば中心装入時のように中央部が盛り上がっている場合や、複雑な形状のプロフィルを測定する際には、特許文献2および3の方法のように、単に対向部の測定データを採用する方法では、必ずしも高精度な測定結果が得られないという問題がある。
本発明の目的は、任意の形状の高炉内装入物のプロフィルを高精度に求める測定データの処理方法を提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明は、マイクロ波の送受信により測定対象物までの距離を測定する測定装置を、高炉の炉頂部に、前記高炉の中心軸に対して対称位置に2つ設置し、前記測定装置から、マイクロ波放射方向を、高炉内装入物の表面において前記高炉の中心軸を通る直径方向にそれぞれ走査させて前記装入物までの距離データを測定し、前記距離データ測定時のマイクロ波の走査角度データに基づいて前記距離データを座標変換し、前記高炉内装入物の表面プロフィルを演算する高炉内装入物のプロフィル測定において、前記2つの測定装置による測定点ごとに、前記装入物の表面に対するマイクロ波の入射角度を算出して、前記入射角度が90°に近い方の測定データを採用し、前記2つの測定装置による測定データを組み合わせて前記装入物のプロフィルを演算することを特徴とする、高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法を提供する。また、本発明は、マイクロ波の送受信により測定対象物までの距離を測定する測定装置を、高炉の炉頂部に、前記高炉の中心軸に対して対称位置に2つ設置し、前記測定装置から、マイクロ波放射方向を、高炉内装入物の表面において前記高炉の中心軸を通る直径方向にそれぞれ走査させて前記装入物までの距離データを測定し、前記距離データ測定時のマイクロ波の走査角度データに基づいて前記距離データを座標変換し、前記高炉内装入物の表面プロフィルを演算する高炉内装入物のプロフィル測定において、前記2つの測定装置による測定データのうち、隣接する測定点との距離が小さい方の測定データを採用し、前記2つの測定装置による測定データを組み合わせて前記装入物のプロフィルを演算することを特徴とする、高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法を提供する。
前記2つの測定装置による測定データから、異常値と判断した測定点の測定結果を除去した後、前記入射角度を演算して、前記入射角度が90°に近い方のマイクロ波距離計による測定データを採用し、データ欠損個所が生じた場合に、前記欠損個所について、前記2つの測定装置による測定データのうち、隣接する測定点との距離が小さい方の測定データを採用してもよい。
また、ある測定点とその前後の測定点とがなす角度と、隣接する測定点とその前後の測定点とがなす角度との変化量が、予め設定したしきい値を超えたときに、当該測定点の測定データを異常値と判断してその測定点の測定結果を除去してもよい。または、隣接する測定点との測定点間距離が、予め設定したしきい値を超えたときに、当該測定点の測定データを異常値と判断してその測定点の測定結果を除去してもよい。
本発明によれば、複雑な形状でも、より正確な測定データが得られた方を採用するため、高精度なプロフィルを得ることができる。
炉頂部にプロフィル測定装置を備えた高炉炉頂部の例を示す縦断面図である。 プロフィル測定装置の一例を示す構成図である。 本発明にかかる測定データの処理手順の例を示すフローチャートである。 異常点検出方法の説明図である。 マイクロ波の入射角度の求め方の例を示す説明図である。 測定装置ごとの炉内x座標と入射角度との関係の例を示すグラフである。 測定装置ごとの炉内x座標と入射角度との関係の異なる例を示すグラフである。 図6に基づいて得られたプロフィルを示すグラフである。 図7に基づいて得られたプロフィルを示すグラフである。 本発明にかかる測定データの処理手順の異なる例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1は、プロフィル測定装置を高炉2に設置した例を示す。2つのプロフィル測定装置A1、A2は、炉頂部付近の、炉体3よりも外側に、炉体3の中心軸に対して対称位置に設置されている。炉体3の炉口部にはベルレス式装入装置5が設けられ、鉄鉱石やコークス等の装入物4が、分配シュート6を通って炉内に装入される。
図2は、プロフィル測定装置A1、A2の構成の一例を示す拡大図である。プロフィル測定装置A1、A2は、図2に示すように、アンテナ11および反射板12と、アンテナ11および反射板12をそれぞれ支持、駆動、制御する導波管13、マイクロ波送受信器14、駆動軸15、反射板駆動装置16を有する。アンテナ11および反射板12は、耐圧容器20の内部に収容されている。耐圧容器20は、底面に、炉内に向けた開口部21を有し、開口部21には、マイクロ波を通過可能な仕切板22、シャッター23、保護ネット24等が設けられている。
アンテナ11は、例えばφ250〜φ360mm程度のパラボラアンテナであり、導波管13を介して、マイクロ波送受信器14に連結されている。マイクロ波送受信器14は、周波数が一定範囲で連続的に時間変化するマイクロ波を発生し、当該マイクロ波の発信および受信が可能なものである。マイクロ波送受信器14には、データ処理部18が信号線19で接続されている。
マイクロ波送受信器14で発生した、周波数が連続的に変化するマイクロ波は、アンテナ11から放射されて反射板12で反射され、高炉2内の測定対象である装入物4の表面に照射される。照射されたマイクロ波は装入物4の表面で反射し、この反射波をマイクロ波送受信器14で受信して検出する。データ処理部18では、アンテナ11でのマイクロ波の放射から受信までの間の周波数の変化分ΔFから、アンテナ11から測定対象(装入物4の表面)までのマイクロ波の往復時間ΔTが求められ、アンテナ11から測定対象までの距離が算出される。この測定は、マイクロ波を発射する電気信号と、装入物表面からの反射波を受信して得られる電気信号とをミキシングして測定するFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式(周波数変調連続波方式)と呼ばれる。当該方式のマイクロ波距離計は、市販の装置を用いてもよい。
測定に用いるマイクロ波の発信周波数帯域は、10GHz以上、好ましくは24GHz程度とし、周波数を高くするほど、アンテナ11を小型化できる。マイクロ波を用いることにより、温度や粉塵等の環境の影響を受けにくく、高炉2内のプロフィルを正確に測定できる。また、パラボラアンテナは指向性が高いため、所望する位置に向けて高精度にマイクロ波を放射できる。さらに、放射時のマイクロ波の広がりが抑制されるために、炉内に向けた開口部21を小さくすることができる。
図2に示すように、アンテナ11のマイクロ波の送受信方向(中心軸線方向)の延長上に、反射板12と反射板駆動装置16とを連結する駆動軸15が設けられている。すなわち、駆動軸15の中心軸線が、アンテナ11の中心軸線と一致するように、駆動軸15が設けられている。図2に示すように、反射板12は、アンテナ11の中心軸線に対して略45°の角度で駆動軸15に固定されている。反射板12は、例えばステンレスの板材からなり、アンテナ11の正面側から見た面積が、アンテナ11よりも少し大きいものとする。形状は限定しないが、操作性の上では円形が好ましい。反射板駆動装置16により駆動軸15をその中心軸の周りに回転させることで、アンテナ11からその中心軸方向に放射されたマイクロ波を、反射板12で高炉2の炉内側へ向けて反射し、高炉2の直径方向に走査する。反射板12によるマイクロ波の反射方向は、図2の紙面に対して垂直方向に移動する。反射板12は、マイクロ波が炉の中心軸を通るように配置する。
耐圧容器20の開口部21は、高炉2の炉内に連通し、反射板12で反射したマイクロ波が、炉内の所定範囲に照射されるように形成される。
耐圧容器20の内面は、炉内側開口部21および反射板12の反射面側を除いて、発信周波数帯域に対応した電波吸収体で覆い、耐圧容器20内でのマイクロ波の乱反射や多重反射に起因する測定ノイズを抑制することが好ましい。
また、プロフィル測定時には、高炉2内部のガスや粉塵等が耐圧容器20内に侵入するのを防ぎ、さらに耐圧容器20を介して外部へ高炉2内のガス等が漏洩するのを防止する目的で、耐圧容器20内に、例えば炉内圧の1.1倍程度の圧力になるように、窒素ガス等の不活性ガスで加圧を行うとよい。
マイクロ波は、アンテナ11から発信された後、一定角度、例えば2°程度広がって照射されるため、装入物4に到達するときには、ある程度の広がりを有している。したがって、装入物4に対する入射角度が小さい場合、マイクロ波の照射範囲内に含まれる装入物4の分布範囲が広くなり、測定結果にばらつきが生じる。一方、装入物4への入射角度が90°に近ければ、マイクロ波の照射範囲内にある装入物4の分布範囲が狭く、より精度の高い測定結果が得られる。さらに、入射角度が小さくなると、反射波の強度が弱くなり、測定精度が低下し、場合によっては測定不能となる。したがって、本発明では、2つのプロフィル測定装置A1、A2のそれぞれの測定データのうち、マイクロ波の入射角度が90°に近い方のプロフィル測定装置の測定結果を採用して組み合わせることにより、高精度なプロフィル測定結果を得る。
以下、本実施形態にかかる高炉内装入物のプロフィル測定データの処理手順の例を、図3にしたがって説明する。
<データ取得(S1)>
先ず、高炉2の中心軸に対して対称位置にそれぞれ設置した2つのプロフィル測定装置A1、A2のそれぞれの反射板12の向きを初期位置に向けて、マイクロ波送受信器14からマイクロ波を発信する。マイクロ波は、導波管13、アンテナ11を介して、反射板12により反射され、高炉内装入物4に照射された後、装入物4からの反射波をマイクロ波送受信器14で受信して、装入物4までの距離を測定する。その際、反射板12を、炉の内径方向の一端側から他端側の測定位置までの間、反射板駆動装置16により回転させる。所望の空間分解能に応じて予め設定した角度ごとに、装入物4までの距離を測定してその距離データが、また、反射板駆動装置16からはそのときの走査角度データが、データ処理部18へ送られる。
<座標変換(S2)>
2つのプロフィル測定装置A1、A2のそれぞれのデータ処理部18は、取得した走査角度データおよびそのときの距離データに基づいて直交座標系のデータに座標変換し、高炉内の各位置の装入物プロフィルを算出する。
<異常点除去(S3)>
炉内に存在する障害物などによって異常点が認められたときには、そのデータを除去する。異常点の検出は、例えば前後の測定点との角度の変化量や、測定点間距離により行う。図4は、測定点Pnにおける測定値が異常点である例を示す。図4に示すように、測定点Pnの1つ前の測定点P(n−1)と測定点Pnとを結ぶ直線と、1つ後の測定点P(n+1)と測定点Pnとを結ぶ直線とがなす角度をθnとする。同様に、測定点Pnの1つ前の測定点P(n−1)と測定点P(n−1)の1つ前の測定点P(n−2)とを結ぶ直線と、1つ後の測定点Pnとを結ぶ直線とがなす角度をθ(n−1)、測定点Pnの1つ後の測定点P(n+1)とその前後の測定点とを結ぶ直線がなす角度をθ(n+1)、・・・として、
|θ(n−1)−θn|>Δθa
または
|θ(n)−θ(n+1)|>Δθa
ただし、Δθaは予め設定した角度の変化量のしきい値
となる場合、すなわち、測定点Pnとその前後の測定点とを結ぶ直線がなす角度と、測定点P(n−1)または測定点P(n+1)とその前後の測定点とを結ぶ直線がなす角度の変化量が、予め設定したしきい値Δθaを超えたときに、測定点Pnの測定データが異常であると判定して、そのデータを除去する。
また、異常点の検出は、測定点間距離によって行ってもよい。すなわち、
|P(n−1)Pn|>Δda
または
|PnP(n+1)|>Δda
ただし、Δdaは予め設定した測定点間距離のしきい値
となる場合、すなわち、測定点Pnとその前の測定点P(n−1)または次の測定点P(n+1)との距離が、予め設定したしきい値Δdaを超えたときに、測定点Pnの測定データが異常であると判定して、そのデータを除去する。異常点の検出は、上記の入射角度θの変化量、または測定点間距離のいずれかが、それぞれ予め設定したしきい値を超えたときに、行われる。
<降下量補正(S4)>
次に、測定した距離データについて、炉内反応等のための装入物の降下による補正量を求める。降下速度の求め方としては、例えば、炉内位置によらず降下速度Vが一定であると仮定して求めてもよい。すなわち、マイクロ波を直下に向けた位置などの任意の位置において、予め設定した同一走査角度時の1回目の距離データD1と、時間T後に測定した2回目の距離データD2から、
V=(D2−D1)/T
で求める。降下速度Vの求め方は、その他任意の方法で行うことができ、炉内の半径方向について連続して求めれば、更に高精度に求められる。
<スムージング(S5)>
以上により得られた測定データについて、平均化などの処理を行って滑らかな曲線とし、2つのプロフィル測定装置A1、A2ごとに、それぞれの測定データを用いたプロフィルを作成する。
<入射角演算(S6)>
次に、これら2つのプロフィル測定装置A1、A2による測定に関して、本実施形態では、各測定点におけるマイクロ波の入射角度を演算する。
入射角度の求め方の一例を説明する。図5に示すように、プロフィル測定装置A1、A2のマイクロ波照射位置をSm(m=1,2)、測定点をPmn(n=1,2,3,4,・・・)とする。mは、プロフィル測定装置のA1側(m=1)またはA2側(m=2)を表す。測定点Pmnの座標は、炉内半径方向をx軸、上下方向をz軸として、(xmn,zmn)で表される。S5でスムージングした後の一方のプロフィル測定装置によるプロフィルの曲線をLmとし、曲線Lmと直線SmPmnとの交点をQmnとする。曲線Lmを微分して交点Qmnにおける曲線Lmの接線を求め、その接線と直線SmPmnとのなす角度(0<θmn<90°)を、マイクロ波の入射角度θmnとする。そして、プロフィル測定装置ごとに、各測定点について、入射角度θmnを求める。尚、入射角度θmnの求め方は、上記の例には限らず、例えば、測定点Pmnの前後の測定点を結ぶ直線P(mn−1)P(mn+1)と直線SmPmnとの角度としてもよい。
<採用点決定(S7)>
2つのプロフィル測定装置A1、A2のうち、一方の装置(m側)について、S6で求めた入射角度θmnと半径方向位置xとの関係を、
θ=fm(x)
とする。そして、炉内の半径方向x座標を横軸、入射角度θを縦軸として、折れ線グラフを作成する。ここで、データ取得区間は、各入射角度θmnを線分で結んだ折れ線とし、データ測定区間以外はθ=0とする。図6は、通常装入時、図7は中心装入時のプロフィル測定における炉内の半径方向x座標と入射角度θとの関係を示すグラフの例である。各測定点P1n,P2nに対し、以下のようにf1(x)とf2(x)の大きさを比較して、測定点ごとに、いずれの測定装置の入射角度が大きいか、つまり90°に近いかを比較し、採用するデータを決定する。すなわち、測定点P1n、P2nについて、
f1(x1n)≧f2(x1n)
のときには、P1nを採用し、
f1(x2n)<f2(x2n)
のときには、P2nを採用する。図6の例では、区間(1)および区間(3)は、測定装置A1側の方が入射角度が90°に近いので、測定装置A1の測定データを採用し、区間(2)および区間(4)は、測定装置A2側の方が入射角度が90°に近いので、測定装置A2の測定データを採用する。図7の場合は、区間(1)、(3)、(5)は測定装置A1側、区間(2)、(4)、(6)は測定装置A2側の測定データを採用する。
<両側データ合成処理(S8)>
S7で採用した両側の測定装置からのデータを組み合わせ、段差が出ないようスムーズに繋ぎ合わせることにより、図8(通常装入時)または図9(中心装入時)に示すような装入物のプロフィルが得られる。
以上のように、測定点ごとにマイクロ波の入射角度を算出し、2つのプロフィル測定装置のうち入射角度が90°に近い方の測定データを採用することで、高精度なプロフィルが得られる。
図10は、本発明の異なる実施形態にかかる高炉内装入物のプロフィル測定データの処理手順を示し、マイクロ波の入射角度を演算する代わりに、測定点間距離により採用するデータを選択する方法である。
図10において、データ取得(S1)、座標変換(S2)、異常点除去(S3)、降下量補正(S4)、スムージング(S5)までの手順は、前述の図3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
<測定点間距離の演算(S9)>
ある測定点Pmnについて、xz平面上における測定点P(mn−1)、P(mn+1)からの距離d(mn−1),d(mn+1)を求め、d(mn−1)、d(mn+1)のうち、より小さい方をdmnとする。
<採用点決定(S10)>
2つの測定装置A1、A2の測定データにおいて、S9で求めたdmnと高炉内半径方向位置xとの関係を、
d=gm(x)
とする。そして、炉内の半径方向x座標を横軸、測定点間距離dを縦軸として、折れ線グラフを作成する。ここで、gm(x)は各dmnを結んだ折れ線とする。各測定点P1n,P2nに対し、以下のようにg1(x)とg2(x)の大きさを比較して、測定点ごとに、いずれの測定装置の測定点間距離が小さいかを比較し、採用するデータを決定する。すなわち、測定点P1n、P2nについて、
g1(x1n)≦g2(x1n)
のときには、P1nを採用し、
g1(x2n)≧g2(x2n)
のときには、P2nを採用する。
<両側データ合成処理(S11)>
図3のS8と同様に、S10で採用した両側の測定装置からのデータを組み合わせ、段差が出ないようスムーズに繋ぎ合わせることにより、装入物のプロフィルが得られる。
隣接する測定点との間隔が小さいのは、測定点の分布密度が高いということであり、その区間の測定データを採用すれば、多くの測定点のデータが採用されるため、分解能の高いプロフィルが得られる。また、一定速度でマイクロ波を走査した場合、隣接する測定点同士の間隔が近い区間は、マイクロ波の入射角度が90°に近い区間ということになる。したがって、測定点間距離が小さい方の測定データを採用することにより、マイクロ波の入射角度が90°に近い方のデータを採用していることとなる。なお、十分な測定点数が得られる場合は、入射角度を求める方法が、精度が高く有効であるが、プロフィル形状の影響や炉内に障害物がある場合等によりデータに欠損個所が生じ、十分な測定点数が得られないときは、測定点間隔によりデータの採用を選択する図10の方法が有効である。
また、上記の例えば図3に示す方法を実施してプロフィルを得た後、高炉内のプロフィル全体をマイクロ波のビーム径でカバーできているか、すなわち、各測定点のマイクロ波のビームの範囲に重なり部があるかどうかを計算することが好ましい。これは、マイクロ波を放射するアンテナ径と、マイクロ波の広がる角度(例えば2°)により計算する。マイクロ波のビーム径で全体がカバーできている場合は、入射角度によってデータを選択する図3の方法で得られたプロフィル形状がそのまま測定結果となる。カバーできていない部分がある場合には、その区間について、測定点間距離が小さい方の測定装置のデータを採用する図10の方法を併用し、データを合成してプロフィル形状を求める。これにより、例えば異常点が検出されてデータが除去された区間のプロフィルを、図10の方法でカバーして、装入物の形状や炉内状況に応じた最適なデータの合成を行い、高精度なプロフィルを得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明によるプロフィル測定を行う測定装置は、図2に示す構造には限らず、上記特許文献2に記載されたような、マイクロ波距離計とホーン形のアンテナおよびアンテナを駆動する走査駆動装置からなる測定装置でもよい。
本発明は、容器内のさまざまな形状の堆積物の表面形状の測定に適用できる。
2 高炉
3 炉体
4 装入物
5 ベルレス式装入装置
6 分配シュート
11 アンテナ
12 反射板
13 導波管
14 マイクロ波送受信器
15 駆動軸
16 反射板駆動装置
18 データ処理部
20 耐圧容器
21 開口部
A1、A2 プロフィル測定装置

Claims (5)

  1. マイクロ波の送受信により測定対象物までの距離を測定する測定装置を、高炉の炉頂部に、前記高炉の中心軸に対して対称位置に2つ設置し、前記測定装置から、マイクロ波放射方向を、高炉内装入物の表面において前記高炉の中心軸を通る直径方向にそれぞれ走査させて前記装入物までの距離データを測定し、前記距離データ測定時のマイクロ波の走査角度データに基づいて前記距離データを座標変換し、前記高炉内装入物の表面プロフィルを演算する高炉内装入物のプロフィル測定において、
    前記2つの測定装置による測定点ごとに、前記装入物の表面に対するマイクロ波の入射角度を算出して、前記入射角度が90°に近い方の測定データを採用し、前記2つの測定装置による測定データを組み合わせて前記装入物のプロフィルを演算することを特徴とする、高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法。
  2. マイクロ波の送受信により測定対象物までの距離を測定する測定装置を、高炉の炉頂部に、前記高炉の中心軸に対して対称位置に2つ設置し、前記測定装置から、マイクロ波放射方向を、高炉内装入物の表面において前記高炉の中心軸を通る直径方向にそれぞれ走査させて前記装入物までの距離データを測定し、前記距離データ測定時のマイクロ波の走査角度データに基づいて前記距離データを座標変換し、前記高炉内装入物の表面プロフィルを演算する高炉内装入物のプロフィル測定において、
    前記2つの測定装置による測定データのうち、隣接する測定点との距離が小さい方の測定データを採用し、前記2つの測定装置による測定データを組み合わせて前記装入物のプロフィルを演算することを特徴とする高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法。
  3. 前記2つの測定装置による測定データから、異常値と判断した測定点の測定結果を除去した後、前記入射角度を演算して、前記入射角度が90°に近い方のマイクロ波距離計による測定データを採用し、データ欠損個所が生じた場合に、前記欠損個所について、前記2つの測定装置による測定データのうち、隣接する測定点との距離が小さい方の測定データを採用することを特徴とする、請求項1に記載の高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法。
  4. ある測定点とその前後の測定点とがなす角度と、隣接する測定点とその前後の測定点とがなす角度との変化量が、予め設定したしきい値を超えたときに、当該測定点の測定データを異常値と判断してその測定点の測定結果を除去することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法。
  5. 隣接する測定点との測定点間距離が、予め設定したしきい値を超えたときに、当該測定点の測定データを異常値と判断してその測定点の測定結果を除去することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高炉内装入物のプロフィル測定データの処理方法。
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