JP6219783B2 - 遊星歯車装置のキャリア - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車装置のキャリアに係り、特に、ピニオンギヤを容易に組付けることができるキャリアの構造に関するものである。
有段式の自動変速機をはじめとする動力伝達機構には、よく知られた遊星歯車装置が設けられている。一般に、遊星歯車装置は、サンギヤと、ピニオンギヤと、そのピニオンギヤを自転および公転可能に支持するキャリアと、ピニオンギヤを介してサンギヤと噛み合うリングギヤとを備えて構成されている。特許文献1には、キャリアの軸方向の中央近傍に、ピニオンギヤが挿通される挿通部が形成されたセンタープレートを設け、ピニオンギヤをセンタープレートに組付けることが開示されている。
国際公開第2013/088860号 特開2013−170605号公報 特開2009−281429号公報 特開2012−177468号公報
ところで、特許文献1において、ピニオンギヤをキャリアに組付ける際には、ピニオンギヤは、ピニオンシャフトが挿通される位置に配置された後、ピニオンシャフトを挿通する。ここで、ピニオンシャフトが挿通される位置にピニオンギヤを配置する際、ピニオンギヤの位置を決める機構がないため、ピニオンギヤの位置が決まらず、組付けに時間を要する可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、遊星歯車装置のキャリアにおいて、ピニオンギヤを容易に組付けることができるキャリアの構造を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)車両に備えられる遊星歯車装置のピニオンギヤを回転可能に保持し、前記ピニオンギヤを案内する一対のガイド部材と、前記ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトの端部が挿通されるシャフト穴が形成されたシャフト挿通部とを備えたキャリアにおいて、(b)前記一対のガイド部材は、前記一対のガイド部材間に前記ピニオンギヤを介在させ、前記ピニオンギヤをピニオンギヤ組付け位置に配置するように案内し、(c)前記ピニオンギヤ組付け位置は、前記ピニオンギヤに前記ピニオンシャフトが挿通される位置であり、(d)前記一対のガイド部材は、前記一対のガイド部材間に異なるクリアランス部を有しており、(e)前記クリアランス部は、前記ピニオンギヤが回転したときに前記ピニオンギヤと前記ガイド部材とが接触しない寸法の第1クリアランスと、前記第1クリアランスよりも小さく前記ピニオンギヤの外径よりも大きな寸法の第2クリアランスを有し、(f)前記第1クリアランスは、前記一対のガイド部材のうち、前記一対のガイド部材間に前記ピニオンギヤの組付け位置を介在させる部位に設けられ、(g)前記第2クリアランスは、前記一対のガイド部材のうち、前記ピニオンギヤを前記ピニオンギヤ組付け位置まで案内する部位に設けられていることを特徴とする。
このように、一対のガイド部材間には、第1クリアランスと、その第1クリアランスよりも小さくピニオンギヤの外径よりも大きな寸法の第2クリアランスが形成され、第1クリアランスは、一対のガイド部材間にピニオンギヤの組付け位置を介在させる位置に設けられ、第2クリアランスは、ピニオンギヤをピニオンギヤ組付け位置まで案内する部位に設けられる。これより、ピニオンギヤの組付の際には、第2クリアランスが形成された一対のガイド部材間からピニオンギヤ組付け位置までピニオンギヤを案内することができる。このように、ピニオンギヤをピニオンギヤ組付け位置まで容易に移動させて、ピニオンギヤを組付けることができる。
本発明が適用された車両に備えられる車両用動力伝達装置の骨子図である。 図1のキャリアの断面図である。 図2のキャリアのA−A断面図である。 本発明の他の実施例であるキャリアの断面図である。 本発明のさらに他の実施例であるキャリアの断面図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両6に備えられる車両用駆動装置10の一部であって、エンジン8と駆動輪との間の動力伝達経路上に介挿されるトルクコンバータ12および車両用自動変速機14(以下、自動変速機14)の骨子図である。
トルクコンバータ12は、エンジン8と自動変速機14との間に介挿されている。トルクコンバータ12は、エンジン8に接続されたポンプ翼車12p、自動変速機14のタービン軸16に接続されたタービン翼車12t、およびワンウェイクラッチOWCを介して非回転部材であるケース18に接続されているステータ翼車12sを含んで構成される、よく知られた流体式伝動装置である。また、ポンプ翼車12pとタービン翼車12tとの間を選択的に断接するロックアップクラッチ20が設けられている。
自動変速機14は、ケース18内において、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置22、第1ブレーキB1、第3ブレーキB3を主体として構成されている第1変速部24と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および第2ブレーキB2を主体として構成されている第2変速部30とを、共通の軸心C上に備えて構成されている。
第1遊星歯車装置22は、第1サンギヤS1と、第1遊星歯車P1と、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリアCA1と、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1とを、含んで構成されている。これらのギヤ(歯車)は何れも斜歯で構成されている。
第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2と、第2遊星歯車P2(ショートピニオンギヤ)および後述する第3遊星歯車P3(ロングピニオンギヤ)と、その第2遊星歯車P2および第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第2キャリアCA2と、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2とを、含んで構成されている。これらのギヤ(歯車)は何れも斜歯で構成されている。
第3遊星歯車装置28(本発明の遊星歯車装置)は、第3サンギヤS3と、第3遊星歯車P3(ロングピニオンギヤ)と、その第3歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリアCA3と、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3とを、含んで構成されている。これらのギヤ(歯車)は、何れも斜歯で構成されている。なお、第3遊星歯車P3が、本発明のピニオンギヤに対応している。
第2変速部30において、第2遊星歯車P2(ショートピニオンギヤ)と第3遊星歯車P3(ロングピニオンギヤ)とが互いに噛み合うことで、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置26の歯車対が構成され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが互いに連結されて一体化されるとともに、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが互いに連結されて共通化される所謂ラビニヨ型の遊星歯車装置となっている。このように第2変速部30がラビニヨ型の遊星歯車装置で構成されることから、第2変速部30がコンパクトとなる。
第1遊星歯車装置22の第1サンギヤS1は、タービン軸16に接続されている。第1キャリアCA1は、第2遊星歯車装置26の第2サンギヤS2に連結されているとともに、第1ブレーキB1を介して非回転部材であるケース18に選択的に接続可能に構成されている。第1遊星歯車装置22の第1リングギヤR1は、第3ブレーキB3を介してケース18に選択的に接続可能に構成されている。第2遊星歯車装置26の第2キャリアCA2および第3遊星歯車装置28の第3キャリアCA3は、互いに連結されるとともに、出力回転部材32に接続されている。第2遊星歯車装置26および第3遊星歯車装置28は、互いに共通の部材である第2リングギヤR2が用いられ、第2ブレーキB2を介してケース18に選択的に接続可能に構成されているとともに、第2クラッチC2を介してタービン軸16に選択的に接続可能に構成されている。さらに、第2リングギヤR2および第3リングギヤR3は、第2ブレーキB2と並列に設けられているワンウェイクラッチOWCを介してケース18に接続されている。第3遊星歯車装置28の第3サンギヤS3は、第1クラッチC1を介してタービン軸16に選択的に接続可能に構成されている。
自動変速機14は、上記2つのクラッチC1、C2、および3つのブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)を備えており、それらのクラッチCおよびブレーキBがそれぞれ係合、開放されることにより、第1変速部24および第2変速部30の各回転要素(サンギヤS1〜S3、キャリアCA1〜CA3、リングギヤR1〜R3)の連結状態が変更されて、第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の6つの前進変速段が成立させられるとともに、後進変速段「Rev」が成立させられる。クラッチCおよびブレーキBは、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式の摩擦係合装置で、それぞれ係合、開放状態が切り換えられるとともに、係合、開放時の過渡油圧などが制御される。
上述した第2遊星歯車装置26の第2キャリアCA2および第3遊星歯車装置28の第3キャリアCA3は、互いに連結されて一体化され、1つの構造体(以下、キャリアCA-aという)に構成されている。以下、このキャリアCA-aの構造について説明する。
図2は、キャリアCA-a(本発明のキャリアに対応)の断面図である。キャリアCA-aは、第1キャリア部材40と、第1キャリア部材40と軸方向において連結される第2キャリア部材42と、第2キャリア部材42の外周側に配置される第3キャリア部材46とを、含んで構成され、これらの部材が互いに連結されることで一体的に構成されている。
第1キャリア部材40は、ピニオンシャフトが挿通されるシャフト挿通部40aと、そのシャフト挿通部40aの外周部から軸方向に伸びる4本の連結部40bとを、含んで構成されている。第1キャリア部材40は、例えば焼結によって成形される。
シャフト挿通部40aには、第2遊星歯車P2(ショートピニオンギヤ)を回転可能に支持するためのピニオンシャフトが挿通される4個の第1シャフト穴48と、第3遊星歯車P3(ロングピニオンギヤ)を回転可能に支持するためのピニオンシャフトが挿通される4個の第2シャフト穴50とが形成されている。これら第1シャフト穴48および第2シャフト穴50は、周方向に交互に配置されている。
連結部40bは、軸方向から見たときの断面が扇状に形成され、周方向において等角度間隔に配置されている。また、連結部40bの軸方向においてシャフト挿通部40aと反対側の端部が、第2キャリア部材42および第3キャリア部材46に接続される。
第2キャリア部材42は、第1キャリア部材40とはキャリヤの軸方向反対側に配置され、ピニオンシャフトが挿通されるシャフト挿通部42aと、そのシャフト挿通部42aから軸方向に伸びる4つの連結部42bとを含んで構成されている。第2キャリア部材42は、例えば焼結によって成形される。なお、周方向で隣り合う連結部42bによって、本発明のピニオンギヤを案内する一対のガイド部材が構成される。
シャフト挿通部42aには、第3遊星歯車P3(ロングピニオンギヤ)を回転可能に支持するためのピニオンシャフトが挿通される第4シャフト穴54が周方向に4個形成され、連結部42bには、第2遊星歯車P2(ショートピニオンギヤ)を回転可能に支持するためのピニオンシャフトが挿通される第3シャフト穴52が周方向に4個形成されている。これら第3シャフト穴52および第4シャフト穴54は、周方向に交互に配置されている。また、第1シャフト穴48と第3シャフト穴52とが、同じ回転位置(回転位相)に形成され、第2シャフト穴50と第4シャフト穴54とが、同じ回転位置(回転位相)に配置される。よって、第2遊星歯車P2を回転可能に支持するピニオンシャフトの両端が、第1シャフト穴48および第3シャフト穴52によって保持され、第3遊星歯車P3を回転可能に支持するピニオンシャフトの両端が、第2シャフト穴50および第4シャフト穴54によって保持される。
第2キャリア部材42の連結部42bは、後述するように軸方向から見たときの断面が扇形状を有しており、周方向に等角度間隔で4個形成されている。また、連結部42bは、第1キャリア部材40の連結部40bと周方向において同じ位相となる位置に配置されており、連結部40bの軸方向の端面(合わせ面)と、連結部42bの軸方向の端面(合わせ面)とが接続される。
第3キャリア部材46は、円環板状に形成されている円板部46aと、円板部46aの外周端部から軸方向に伸びる円筒状の筒部46bとを含んで構成されている。第3キャリア部材46は、例えば焼結によって成形される。
第3キャリア部材46の円板部46aの軸方向において、ピニオンギヤ側の端部は、第1キャリア部材40の連結部40bの端面(合わせ面)と当接させられている。さらに、円板部46aの内周端面が、第2キャリア部材42の連結部42bに当接させられている。この状態で、第1キャリア部材40の連結部40bと第2キャリア部材42の連結部42bと第3キャリア部材46の円板部46aとが、例えばロウ付けによって互いに接続させられている。
図3は、図2のキャリアCA-aのA−A断面図である。図3に示すように、軸方向から見たときの断面が扇状の4個の連結部42bが周方向に等角度間隔で形成されており、各連結部42bにそれぞれ第3シャフト穴52が形成されている。また、各連結部42bの周方向の両側には、壁面56が形成されている。また、連結部42bを軸方向からみたときの断面は、扇形状の角二等分線を中心にして厳密には左右対称形状にはなっておらず、強度が必要とされる部位が適宜肉厚に設計されている。
4本の連結部42bのうち、隣り合う一対の連結部42b間で互いに向かい合う一対の壁面56(対向面)は、互いに平行に形成され、第3遊星歯車P3を組付位置に案内する一対のガイド面として機能する。すなわち、隣り合う一対の連結部42bによって第3遊星歯車P3を案内する一対のガイド部材が構成される。互いに向かい合う連結部42b(壁面56)間は、第1壁面60および第2壁面62から形成されることで、寸法の異なるクリアランス部が形成されている。詳細には、互いに向かい合う一対の連結部42b(壁面56)間には、組付後に第3遊星歯車P3が回転したときに第3遊星歯車P3と連結部42bとが接触しない寸法の第1クリアランスX1と、第1クリアランスX1よりも小さく第3遊星歯車P3の外径φAよりも大きな寸法の第2クリアランスX2が形成されている。この第1クリアランスX1は、互いに向かい合う一対の連結部42bの壁面56間のうち、第3遊星歯車P3の組付け位置を介在させる部位(第1壁面60)に設けられている。一方、第2クリアランスX2は、互いに向かい合う一対の連結部の壁面56のうち、第3遊星歯車P3の組付け位置まで案内する部位(第2壁面62)に設けられている。
図3の破線で示す円が、組付後の第3遊星歯車P3を示している。すなわち、第3遊星歯車P3の組付け位置に対応している。第3遊星歯車P3の組付時には、第3遊星歯車P3が、破線で示す第1壁面60によって形成される第3遊星歯車P3を回転可能に収容する空間に配置される。この第1壁面60には、第3遊星歯車P3を回転可能に収容するのに必要な寸法を確保するための円弧状の窪み(60)が形成されている。この第3遊星歯車P3の外径の寸法をφAとすると、互いに相対向する第1壁面60の(第3遊星歯車P3の回転軸心Xを中心とした)間隔が第1クリアランスX1に対応し、この第1クリアランスX1の寸法は、第3遊星歯車P3の外径の寸法φAに、第3遊星歯車P3が回転した際に第3遊星歯車P3と連結部42bとが接触しなくなる予め実験的に求められた所定寸法Bを加えた値(φA+B)に設定されている。なお、この所定寸法Bは、第3遊星歯車P3が組み付けられた状態で回転した際に、第3遊星歯車P3と第1壁面60とが接触しない範囲で最小ないしはそれ近傍の値に設定されている。詳細には、所定寸法Bは、第3遊星歯車P3の回転中の振れまわりや第3遊星歯車P3の寸法公差等を考慮し、第3遊星歯車P3の振れまわりが生じるとともに、第3遊星歯車P3の外径が許容される最大値であっても、第1壁面60と第3遊星歯車P3とが接触しない値に設定されている。
第2壁面62は、第1壁面60の両側(内周側および外周側)に隣接して形成されており、互いに相対向する第2壁面62は平行に形成されている。また、互いに相対向する第2壁面62間に形成されている間隙が第2クリアランスX2に対応し、その寸法は、第3遊星歯車P3の外径の寸法φAに、第3遊星歯車P3が連結部42bと接触することなく回転するのに必要な寸法よりも小さい、すなわち所定寸法Bよりもも小さい所定寸法Cを加えた寸法(φA+C)に設定されている。この所定寸法Cは、予め実験的に求められており、第3遊星歯車P3の寸法公差を考慮し、第3遊星歯車P3の外径が許容される最大値であっても第2壁面62の間を第3遊星歯車P3を案内可能な値(組付可能な値)に設定されている。これより、第3遊星歯車P3の組付の際には、この第2壁面62に沿って第3遊星歯車P3を移動させることができる。従って、第3遊星歯車P3をキャリアCA-aに組付ける際には、第3遊星歯車P3を第2クリアランスX2の間で第2壁面62に沿って組付け位置に向かって移動させることで、第3遊星歯車P3を容易に組付位置、すなわち第1壁面60によって形成される、第1クリアランスX1を有する空間に収容される位置まで案内することが可能となる。
上述したように、第3遊星歯車P3を回転可能に収容する第1壁面60間に形成される第1クリアランスX1(φA+B)は、第2壁面62間に形成される第2クリアランスX2(φA+C)よりも大きい(φA+B>φA+C)。これは、第3遊星歯車P3が回転したときに発生する振れまわりによる偏心量は、第3遊星歯車P3を組付ける際に必要な所定寸法Cよりも大きいためである。そして、第1壁面60には、第3遊星歯車P3が回転したときに必要な第1クリアランスX1(=φA+B)が確保されるように窪み(60)が形成されることで、第3遊星歯車P3が回転時に壁面56に接触することが防止され、第3遊星歯車P3と壁面56との接触による摩耗が防止される。また、互いに相対向する第2壁面62間に形成される第2クリアランスX2(φA+C)が、第3遊星歯車P3の回転に必要な寸法(φA+B)よりも小さいため、第3遊星歯車P3を移動可能な範囲においてその間隔(φA+C)が小さくなることから、その分だけ連結部42bの断面積を大きくとることができる。従って、キャリアCA-aの剛性を確保することができる。
次に、第3遊星歯車P3のキャリアCA-aへの組付について説明する。本実施例のキャリアCA-aにあっては、キャリアCA-aの外周側に筒部46bが形成されているので、外周側から第3遊星歯車P3を組付けることはできない。従って、第3遊星歯車P3は、キャリアCA-aの内周側から第2壁面62に沿って外周側に向かって移動させる。このように、第3遊星歯車P3が第2壁面62に沿って移動させられ、このとき隣り合う第2壁面62と第3遊星歯車P3との所定寸法Cも僅かであるため、第3遊星歯車P3の位置決めが容易となる。そして、第3遊星歯車P3が第1壁面60に収容される位置(すなわち組付位置)まで移動すると、第2シャフト穴50、第4シャフト穴54、第3遊星歯車P3にピニオンシャフトを挿し通すことで、第3遊星歯車P3がキャリアCA-aに組み付けられる。
上述のように、本実施例によれば、一対の連結部42b間には、第1クリアランスX1と、その第1クリアランスX1よりも小さく第3遊星歯車P3の外径φAよりも大きな寸法の第2クリアランスX2が形成され、第1クリアランスX1は、一対の連結部42b間に第3遊星歯車P3の組付け位置を介在させる位置に設けられ、第2クリアランスX2は、第3遊星歯車P3をピニオンギヤ組付け位置まで案内する部位に設けられる。これより、第3遊星歯車P3の組付の際には、第2クリアランスX2が形成された一対の連結部42b間からピニオンギヤ組付け位置まで第3遊星歯車P3を案内することができる。これより、第3遊星歯車P3をピニオンギヤ組付け位置まで容易に移動させて、第3遊星歯車P3を組付けることができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の他の実施例であるキャリアCA-b(本発明のキャリアに対応)の断面図であり、前述の実施例の図2に対応している。本実施例のキャリアCA-bを前述の実施例のキャリアCA-aと比較すると、第2キャリア部材70(前述の実施例において第2キャリア部材42)の構造が相違している。
第2キャリア部材70は、ピニオンシャフトが挿通されるシャフト挿通部70aと、そのシャフト挿通部70aから軸方向に伸びる4つの連結部70bとを含んで構成されている。第2キャリア部材70についても、焼結によって形成されている。なお、連結部70bが、ガイド部材に対応している。
連結部70bの外周側には、円錐状のテーパ72が形成されている。このテーパ72が形成される分だけキャリアCA-bが軽量化される。また、テーパ72が形成される分だけその近傍の強度が低下するが、第3シャフト穴52が形成される部位は、軸方向に十分な寸法を有するため強度が確保される。すなわち、ピニオンシャフトを支持する第3シャフト穴52近傍は強度が要求されるため、その部位は軸方向の肉厚を確保することで強度が確保される。このように、連結部70bは必ずしも軸方向において同じ寸法を有する必要はなく、軸方向において変化するものであっても構わない。なお、他の構成に関しては、前述のキャリアCA-aと基本的には変わらないので、その説明を省略する。
上述のように、本実施例のキャリアCA-bであっても前述の実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、テーパ72が形成されることで、キャリアCA-bが軽量化される。
図5は、本発明のさらに他の実施例であるキャリアCA-c(本発明のキャリアに対応)の断面図であって、前述の実施例の図3に対応している。本実施例のキャリアCA-cを前述の実施例のキャリアCA-aと比較すると、第2キャリア部材80(前述の実施例において第2キャリア部材42)の構造が相違している。本実施例の第2キャリア部材80にあっては、その外周部に切欠82が形成されている。従って、第2キャリア部材80の連結部80bの断面積が、扇形状から外周の一部が切り欠かれた形状となっている。なお、連結部80bが、本発明のガイド部材に対応している。
ここで、第3シャフト穴52が形成される部位および壁面56近傍は、強度が必要となるが、連結部80bにあっては、これらの部位が肉厚に形成されることで剛性が確保されている。このように、強度が必要な部位は肉厚に形成され、強度が比較的要求されない部位は切欠82が形成されることで、連結部80bの断面形状が要求される強度に応じて好適に変更されている。
上述したキャリアCA-cにおいても前述の実施例と同様の効果を得ることができる。また、剛性が必要な部位の肉厚が確保されることで、キャリアCA-cの剛性が好適に確保される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、各実施例を適宜組み合わせて実施することもできる。例えば、前述の実施例のキャリアCA-bの連結部70bが軸方向で変化する構造に、キャリアCA-cの連結部80bの断面が強度に応じて変更された構造を組み合わせて実施することもできる。
また、前述の実施例では、キャリアCA-a、CA-b、CA-cはラビニヨ型の遊星歯車装置に用いされているが、必ずしもラビニヨ型の遊星歯車装置に限定されるものではなく、本発明は、シングルピニオン型ないしはダブルピニオン型の遊星歯車装置であっても適用することができる。
また、例えば前述の実施例の連結部42bの断面形状は扇形状に形成されているが、連結部42bを軸方向から見たときの断面は、これに限定されるものでなく、例えば台形や四角形など、互いに相対向する壁面56、すなわち第3遊星歯車P3を案内する第2ガイド面62および第3遊星歯車P3を収容する空間を形成する第1ガイド面62が形成される範囲において適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、キャリアCA-a、CA-b、CA-cを構成する第1キャリア部材40ないし第3キャリア部材46がそれぞれ焼結によって形成されているが、例えば第3キャリア部材46はプレスによって形成されるなど適宜変更することができる。また、キャリアCA-a、CA-b、CA-cは、第1キャリア部材40ないし第3キャリア部材46の3つの部材が互いに連結されることで、1つの部材として構成されているが、例えば第2キャリア部材42bと第3キャリア部材46bとが焼結によって一体形成されるなど、構成される部材の数は特に限定されない。
また、前述の実施例では、連結部42bの断面形状が左右非対称に形成されているが、本発明は必ずしも左右非対称に限定されるものではなく、左右対称に構成されても構わない。
また、前述の実施例では、連結部42bが周方向に等角度間隔で4個形成されているが、連結部42bの個数は必ずしも4個に限定されず、3個ないしは5個以上形成されても構わない。具体的には、遊星歯車の数に応じて適宜変更される。
また、前述の実施例では、窪み(60)が円弧状に形成されているが、窪みの形状は必ずしも円弧状に限定されない。
また、前述の実施例では、第1遊星歯車装置22、第2遊星歯車装置26、および第3遊星歯車装置28は、何れも斜歯で構成されているとしたが、必ずしも斜歯に限定されるものではなく、例えば平歯車など他の形式の歯車で構成されていても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
6:車両
28:第3遊星歯車装置(遊星歯車装置)
42b、70b、80b:連結部(ガイド部材)
P3:第3遊星歯車(ピニオンギヤ)
CA-a、CA-b、CA-c:キャリア
X1:第1クリアランス
X2:第2クリアランス

Claims (1)

  1. 車両に備えられる遊星歯車装置のピニオンギヤを回転可能に保持し、前記ピニオンギヤを案内する一対のガイド部材と、前記ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトの端部が挿通されるシャフト穴が形成されたシャフト挿通部とを備えたキャリアであって、
    前記一対のガイド部材は、前記一対のガイド部材間に前記ピニオンギヤを介在させ、前記ピニオンギヤをピニオンギヤ組付け位置に配置するように案内し、
    前記ピニオンギヤ組付け位置は、前記ピニオンギヤに前記ピニオンシャフトが挿通される位置であり、
    前記一対のガイド部材は、前記一対のガイド部材間に異なるクリアランス部を有しており、
    前記クリアランス部は、前記ピニオンギヤが回転したときに前記ピニオンギヤと前記ガイド部材とが接触しない寸法の第1クリアランスと、前記第1クリアランスよりも小さく前記ピニオンギヤの外径よりも大きな寸法の第2クリアランスを有し、
    前記第1クリアランスは、前記一対のガイド部材のうち、前記一対のガイド部材間に前記ピニオンギヤの組付け位置を介在させる部位に設けられ、
    前記第2クリアランスは、前記一対のガイド部材のうち、前記ピニオンギヤを前記ピニオンギヤ組付け位置まで案内する部位に設けられている
    ことを特徴とするキャリア。
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