以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(通信制御:第1の無線通信装置300においてグループ情報に基づいてMCIMの移転先を決定する例)
2.第2の実施の形態(通信制御:SHOがグループ情報に基づいてMCIMの移転先を決定する例)
3.第3の実施の形態(通信制御:一時的契約認証情報が設定される例)
<1.第1の実施の形態>
[無線通信装置の使用例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における複数の無線通信装置(デバイス)の使用例を簡略化して示す図である。
なお、図1では、複数の無線通信装置(第1の無線通信装置130、第2の無線通信装置300および第3の無線通信装置140)をユーザ90が使用する状態を説明する。また、第1の無線通信装置130は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータであり、第2の無線通信装置300は、例えば、携帯電話装置であり、第3の無線通信装置140は、例えば、無線通信を使用可能な携帯型のゲーム機器である。なお、第1の無線通信装置130および第3の無線通信装置140は、通話機能を備えていないことを想定して説明する。
図1(a)には、有効なMCIMが設定された第1の無線通信装置130をユーザ90が使用している状態を示している。
ここで、MCIMは、契約認証情報の一例であり、契約認証情報は、電話の加入者(Subscriber)情報と、認証鍵(Authentication)の情報とを含む情報である。MCIMは、例えば、デバイス購入時には特定の通信事業者(例えば、携帯電話事業者)に限定されず、購入後に柔軟に通信事業者を設定することができる契約認証情報(いわゆる、ソフトSIM)である。また、有効なMCIMを保持していない場合は、例えば、MCIM自体を保持していない場合、または、MCIMの無効化処理により無効とされたMCIMのみを保持している場合を意味する。なお、これ以降では、有効なMCIMを、単にMCIMと称して説明する。
図1(a)に示す状態では、MCIM(MCIM131)が設定されている第1の無線通信装置130は、特定の通信事業者を介してデータ通信を行うことができる。一方、MCIMが設定されていない第2の無線通信装置300および第3の無線通信装置140は、特定の通信事業者への接続を介したデータ通信を行うことができない。
図1(b)には、MCIM(MCIM131)が第1の無線通信装置130に設定されている場合において、MCIM131により特定される電話番号に着信がある状態を示している。第1の無線通信装置130は、通話機能を備えていないため、着信に出ることができない。
このように、通話ができない装置(第1の無線通信装置130および第3の無線通信装置140)にMCIMが設定されている場合に着信があると、その着信に応答することができない。そこで、本技術の第1の実施の形態では、通話機能を備えていない無線通信装置にMCIMが設定されている状態において着信があった場合には、通話機能を備える無線通信装置にMCIMを移転して着信に応答する例を示す。
[通信システムの構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における通信システム10のシステム構成例を示すブロック図である。図2では、SHO(Selected Home Operator)およびRO(Registration Operator)から構成されるネットワーク構成を前提とする場合における通信システムの構成例を示す(例えば、非特許文献1参照。)。
また、図2(a)には、第2の無線通信装置300が有効なMCIM(MCIM301)を保持している場合における無線通信例を示す。また、図2(b)には、第2の無線通信装置300が有効なMCIM(MCIM301)を保持していない場合(MCIMが設定されていない場合)における無線通信例を示す。
通信システム10は、RO20と、SHO30と、基地局21、31と、ネットワーク40と、発呼側の通信装置51と、第2の無線通信装置300とを備える。
ここで、RO、SHOは、論理的な役割を示すものであり、異なる事業者により運営されることが想定されるが、同一の事業者により運営されることも想定される。また、RO、SHOは、それぞれ複数存在することも想定される。また、RO、SHOのそれぞれは、情報処理装置として一体として構成されるようにしてもよく、複数の装置により構成されるようにしてもよい。ここで、RO、SHOは、有効なMCIMを有する無線通信装置を基準とする場合における相対的な役割を意味するものである。このため、1つの無線通信装置についてROに相当するものが、他の無線通信装置についてはSHOに相当する可能性もある。
図2(a)に示すように、第2の無線通信装置300が有効なMCIM(MCIM301)を保持している場合には、第2の無線通信装置300は、MCIM301に基づいて、基地局31を介してSHO30と接続することが可能となる。これに対して、図2(b)に示すように、第2の無線通信装置300が有効なMCIM(MCIM301)を保持していない場合には、第2の無線通信装置300は、SHO30と接続することができない。ただし、この場合には、第2の無線通信装置300は、PCID(Provisional Connectivity Identity)に基づいて、基地局21を介してRO20と接続することが可能となる。
ここで、PCIDは、ROに接続するための識別子(例えば、図4に示すネットワーク上の端末識別情報225)であり、ソフトウェアダウンローダブルSIMの仕組みを有する全ての無線通信装置(デバイス)に付与される。
ネットワーク40は、電話網、インターネット等のネットワーク(例えば、公衆回線網)である。また、ネットワーク40とSHO30とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。同様に、ネットワーク40とRO20とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
RO20は、初期接続登録等のサービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置である。RO20は、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、RO20は、制御部(図示せず)を備える。
RO20の制御部は、基地局21を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、RO20の制御部は、基地局21を介して接続される無線通信装置について、PCIDに基づく認証を行う。そして、RO20は、認証された無線通信装置について、初期接続登録等のサービスを提供する。また、RO20の制御部は、SHO30と接続され、SHO30との間で各種情報のやり取りを行う。
基地局21は、無線回線を介して第2の無線通信装置300およびRO20を接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
SHO30は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置である。SHO30は、インターネット・サービス等を提供するものであり、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、SHO30は、制御部(図示せず)を備える。
SHO30の制御部は、基地局31を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、SHO30の制御部は、基地局31を介して接続される無線通信装置のうち、SHO30の有効なMCIM(契約認証情報)を保持する無線通信装置を認証する。そして、SHO30は、認証された無線通信装置をゲートウェイ(図示せず)を介してネットワーク40に接続する。
また、SHO30の制御部は、RO20と接続され、RO20との間で各種情報のやり取りを行う。ここで、有効なMCIM(契約認証情報)を保持していない無線通信装置は、その無線通信装置のPCIDに基づいて、SHO30を介したRO20との接続(限定接続)が可能である。
基地局31は、無線回線を介して第2の無線通信装置300およびSHO30を接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
発呼側の通信装置51は、有効なMCIM(MCIM301)により特定される電話番号に電話を発信(発呼)する通信装置である。発呼側の通信装置51は、ネットワーク40を介してSHO30に接続される。
例えば、図2(a)に示すように、第2の無線通信装置300が有効なMCIM301を保持する場合には、第2の無線通信装置300は、MCIM301に基づいて、無線回線を介して基地局31と接続され、基地局31を介してSHO30と接続される。この場合には、第2の無線通信装置300は、基地局31を介してSHO30と接続され、発呼側の通信装置51からの電話の呼び出し(着信)に応答することができる。また、SHO30と接続されることにより、ネットワーク40を介した各種サービスの提供(例えば、コンテンツのダウンロード)を受けることができる。また、有効なMCIM301を保持する第2の無線通信装置300がRO20と接続する場合には、SHO30を介してRO20と接続される。
また、図2(b)に示すように、第2の無線通信装置300が有効なMCIM301を保持していない場合は、第2の無線通信装置300は、保持されているPCIDに基づいて、基地局21を介してRO20との接続(限定接続)が可能である。この場合には、第2の無線通信装置300は、基地局21を介してRO20と接続(限定接続)されるが、限定的な通信(例えば、MCIMのダウンロード、MCIMの有効化/無効化)のみを行うことができる。
なお、第2の無線通信装置300が有効なMCIM301を保持していない場合には、第2の無線通信装置300は、使用されている位置に応じて、基地局21、31の何れについても接続が可能であり、これらの基地局を介してRO20と接続される。
このように、有効なMCIM301を保持していない第2の無線通信装置300については、発呼側の通信装置51からの着信を受けることができない。すなわち、MCIMを保持していない無線通信装置は、サービス限定接続しているデバイス(RO Connected Device)として把握することができる。これに対して、MCIMを保持する無線通信装置は、サービス接続(通常接続)しているデバイス(SHO Connected Device)として把握することができる。なお、MCIMを保持していない無線通信装置は、MCIMをRO20経由で取得(例えば、MCIMのダウンロード、MCIMの有効化)することにより、SHO30への接続が可能となる。なお、第1の無線通信装置130および第3の無線通信装置140も同様であるがこれらは通話機能を備えていないため、通話の発信および着信をすることができない。
[通信システムの構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
通信システム100は、ネットワーク110と、基地局121、122、206と、第1の無線通信装置130と、第2の無線通信装置300と、第3の無線通信装置140とを備える。また、通信システム100は、通信制御装置(第2通信事業者)120と、通信制御装置(第1通信事業者)200と、発呼側の通信装置150とを備える。
ここで、通信システム100は、図2に示す通信システム10に対応するシステムである。具体的には、通信制御装置(第2通信事業者)120は、図2に示すSHO30に対応し、通信制御装置(第1通信事業者)200は、図2に示すRO20に対応する。このため、この例では、図2に示す通信システム10と共通する部分についての説明の一部を省略する。
ネットワーク110は、電話網、インターネット等のネットワーク(例えば、公衆回線網)である。また、ネットワーク110と通信制御装置(第2通信事業者)120とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。同様に、ネットワーク110と通信制御装置(第1通信事業者)200とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
通信制御装置(第2通信事業者)120は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、図2に示すSHO30に対応する。すなわち、通信制御装置(第2通信事業者)120は、インターネット・サービス等を提供するものであり、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、通信制御装置120は、制御部125を備える。
制御部125は、基地局121、122を介して接続される無線通信装置の認証制御を行うものである。例えば、制御部125は、基地局121、122を介して接続される無線通信装置のうち、通信制御装置(第2通信事業者)120の有効なMCIM(契約認証情報)を保持する無線通信装置を認証する。そして、通信制御装置120は、認証された無線通信装置をゲートウェイ(図示せず)を介してネットワーク110に接続する。
また、制御部125は、通信制御装置(第1通信事業者)200と接続され、通信制御装置(第1通信事業者)200との間で各種情報のやり取りを行う。ここで、有効なMCIM(契約認証情報)を保持していない無線通信装置は、その無線通信装置のPCIDに基づいて、通信制御装置(第2通信事業者)120を介した通信制御装置(第1通信事業者)200との接続(限定接続)が可能である。また、制御部125は、MCIMの移転要求を無線通信装置から受信した場合には、その移転要求を通信制御装置(第1通信事業者)200に送信する。
基地局121、122は、第1の無線通信装置130、第2の無線通信装置300、第3の無線通信装置140と、通信制御装置(第2通信事業者)120とを無線回線を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
例えば、通信システム100において、有効なMCIMを保持する無線通信装置は、無線回線を介して基地局121、122と接続され、基地局121、122を介して通信制御装置(第2通信事業者)120と接続される。また、有効なMCIMを保持する無線通信装置が通信制御装置(第1通信事業者)200と接続する場合には、通信制御装置(第2通信事業者)120を介して通信制御装置(第1通信事業者)200と接続される。
また、有効なMCIMを保持していない無線通信装置は、その無線通信装置のPCIDに基づいて、基地局206を介して通信制御装置(第1通信事業者)200との接続(限定接続)が可能である。なお、有効なMCIMを保持しない無線通信装置は、使用されている位置に応じて、基地局121、122、206の何れについても接続が可能であり、これらの基地局を介して通信制御装置(第1通信事業者)200と接続される。
通信制御装置(第1通信事業者)200は、初期接続登録等のサービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、図2に示すRO20に対応する。通信制御装置(第1通信事業者)200は、例えば、無線接続サービスを提供する無線事業者(例えば、携帯電話事業者)に対応する。また、通信制御装置(第1通信事業者)200は、通信部205と、制御部210と、グループ管理データベース220とを備える。
通信部205は、制御部210の制御に基づいて、各種情報の送受信を行うものである。通信部205は、例えば、通信制御装置(第2通信事業者)120、基地局206と接続され、これらを介して接続される各無線通信装置との間で各種情報の送受信を行う。
制御部210は、通信部205(または、通信部205および通信制御装置(第2通信事業者)120)を介して接続される無線通信装置に関する各種制御を行うものである。例えば、制御部210は、MCIMを共有する複数の無線通信装置により構成されるグループに関する情報(グループ情報)をグループ管理データベース220から取得し、そのグループ情報を、通信部205、通信制御装置(第2通信事業者)120を介して無線通信装置に供給する。
ここで、複数の無線通信装置間においてMCIMを移転することにより、複数の無線通信装置によりMCIMを共有することができる。この場合には、この共有に係る複数の無線通信装置を1つのグループとして設定することができる。このグループについては、グループ管理データベース220により管理することができる。
このグループは、接続権(ネットワーク接続権)を共有するグループである。この接続権は、無線通信を利用して所定のネットワーク(例えば、ネットワーク110)に接続するための権利であり、例えば、MCIMの使用権に対応する。すなわち、接続権は、通信事業者が運営する基地局に接続するためのMCIM(契約認証情報)に基づいて、その基地局に接続するための権利である。また、例えば、接続権の有無は、MCIMの使用権の有無に対応する。
グループ管理データベース220は、MCIMを共有する複数の無線通信装置により構成されるグループを管理するためのデータベースである。なお、グループ管理データベース220については、図4を参照して詳細に説明する。
発呼側の通信装置150は、MCIMにより特定される電話番号に電話を発信(発呼)する通信装置であり、図2の発呼側の通信装置51に対応する。
例えば、制御部125は、MCIM(無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権)を保持することにより実行可能となる通話機能(特定機能)の呼び出し(実行要求)を受信する。そして、制御部125は、通話機能を備えていない無線通信装置にMCIMが設定され、通話機能を備えている無線通信装置にMCIMが設定されていないことを検出した場合には通話機能を備えている無線通信装置にMCIMを設定する。そして、制御部125は、通話機能を備えている無線通信装置に通話機能を実行させる。
[グループ管理データベースの構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態におけるグループ管理データベース220を模式的に示す図である。
図4には、グループABに、第1の無線通信装置130、第2の無線通信装置300、および第3の無線通信装置140が登録されている場合を示す。
グループ管理データベース220には、グループ名称221と、グループID222と、グループパスワード223と、デバイスネーム224と、端末識別情報225と、有効無効情報226と、通話機能情報227とがグループ単位で関連付けて記憶されている。これらの情報は、例えば、各無線通信装置からの各要求(グループ追加要求、グループ削除要求)に基づいて、制御部210により順次更新される。
グループ名称221には、グループに付与されている名称が格納される。この名称は、例えば、グループの作成時に格納される。
グループID222には、グループに付与されているIDが格納される。また、グループパスワード223には、グループに付与されているパスワードが格納される。これらのIDおよびパスワードを用いて、例えば、新たな無線通信装置をグループに追加するグループ追加要求が行われる。また、グループに属する各無線通信装置は、そのグループに付与されているIDおよびパスワードを記憶しておくようにしてもよい(例えば、図5に示すメモリ340に記憶)。あるいは、IDおよびパスワードを無線通信装置に記憶させずにユーザに毎回入力させるような態様とするようにしてもよい。
デバイスネーム224には、デバイスに付与されている名称が格納される。この名称は、例えば、無線通信装置のグループへの追加登録時に格納される。
端末識別情報225には、無線通信装置(デバイス)の端末識別番号が格納される。この端末識別情報は、無線通信装置を識別するための識別情報であり、例えば、PCIDが格納される。また、図4では、端末識別情報225の「PCID#1」が第1の無線通信装置130に対応するものとする。同様に、端末識別情報225の「PCID#2」が第2の無線通信装置300に対応し、端末識別情報225の「PCID#3」が第3の無線通信装置140に対応するものとする。
有効無効情報226には、無線通信装置におけるMCIMが有効であるか、無効(または、MCIMを未保持)であるかを示す情報が格納される。なお、図4では、説明の容易のため、MCIMが有効である無線通信装置には「有効」を示し、MCIMが無効である無線通信装置には「無効」を示す。
通話機能情報227は、無線通信装置における通話機能の有無を示す情報が格納される。なお、図4では、説明の容易のため、通話機能が有る無線通信装置には「有」を示し、通話機能が無い無線通信装置には「無」を示す。
このように、グループ管理データベース220において、MCIMを共有する複数の無線通信装置により構成されるグループが管理される。なお、本技術の第1の実施では、同一のグループに属する無線通信装置間でMCIMの移転処理が行われることを想定する。
ここで、無線通信装置のグループへの登録について説明する。例えば、追加対象となる新たな無線通信装置において、追加登録操作を行うことにより、そのグループに新たな無線通信装置を追加登録することができる。この場合に、新たな無線通信装置以外の1または複数の無線通信装置(グループに登録されている)において、その追加登録の承認操作が行われたことを条件に、そのグループに新たな無線通信装置を追加登録するようにしてもよい。
なお、本技術の実施の形態では、説明の容易のため、複数の無線通信装置により構成されるグループについて、1つのMCIMを共有する例を示す。ただし、M個の無線通信装置により構成されるグループについて、N個のMCIM(M>N)を共有する場合についても同様に適用することができる。
[無線通信装置の構成例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における第2の無線通信装置300の内部構成例を示すブロック図である。なお、第1の無線通信装置130および第3の無線通信装置140の内部構成については、図6を参照して説明する。
第2の無線通信装置300は、アンテナ311と、アンテナ共用部312と、変調部321と、復調部322と、制御部330と、メモリ340と、MCIM情報記憶部350とを備える。また、第2の無線通信装置300は、操作部360と、表示部370と、位置情報取得部380と、マイクロフォン391と、スピーカ392とを備える。また、各部がバス331により接続される。第2の無線通信装置300は、例えば、通話およびデータ通信が可能な携帯電話装置により実現される。
例えば、受信処理が行われる場合には、アンテナ311により受信された電波が、アンテナ共用部312を経由して復調部322により復調され、この復調された受信データが制御部330に供給される。その受信処理が受話処理である場合には、その復調された受信データ(音声データ)が制御部330を経由してスピーカ392から音声として出力される。
また、例えば、送信処理が行われる場合には、制御部330により出力された送信データが変調部321により変調され、変調された送信データがアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。その送信処理が送話処理である場合には、マイクロフォン391から入力された音声データが制御部330を経由して変調部321により変調され、変調された送信データ(音声データ)がアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。
制御部330は、メモリ340に格納されている制御プログラムに基づいて各種の制御を行うものである。制御部330は、例えば、マイクロプロセッサにより構成される。例えば、制御部330は、変調部321および復調部322と接続され、基地局121、122を介して接続される通信制御装置(第2通信事業者)120との間で行われる各種データの送受信を行う。また、制御部330は、例えば、MCIMを用いずにPCIDに基づく限定接続により無線回線を介して通信制御装置(第1通信事業者)200と接続する接続処理を行う。
メモリ340は、制御部330が各種制御を行うための制御プログラム、送信データ、受信データ等を格納するメモリである。メモリ340は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。また、メモリ340には、第2の無線通信装置300を特定するための端末識別情報(PCID#2)と、第2の無線通信装置300のデバイスネーム(例えば、図4に示すデバイスネーム224)とが記憶されている。このデバイスネームについては、例えば、ユーザ操作により登録される。また、メモリ340には、第2の無線通信装置300が属するグループABに付与されているIDおよびパスワード(例えば、図4に示すグループID222、グループパスワード223)が記憶されている。このグループIDおよびパスワードについては、例えば、グループ追加要求に応じたグループ追加認証結果に含めて、通信制御装置(第1通信事業者)200から送信されて、メモリ340に記録される。
MCIM情報記憶部350は、MCIM(契約認証情報)を保持するメモリである。MCIM情報記憶部350として、例えば、UICC(Universal Integrated Circuit)カードを用いるようにしてもよく、MCIMをセキュアに保つための専用メモリを用いるようにしてもよい。なお、MCIM情報記憶部350としてUICCカードを用いる場合には、MCIMが固定的に書き込まれているものではなく、MCIMの有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。すなわち、アンテナ311から受信して復調された移転情報に基づいて制御部330がMCIMの有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。また、MCIMの書換処理が可能なものを用いる。なお、MCIMの有効化処理および無効化処理については、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されている有効化処理および無効化処理により行うことができる。また、メモリ340にセキュアな領域を確保することにより、MCIM情報記憶部350をメモリ340内に設けるようにしてもよい。
操作部360は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号を制御部330に出力する。操作部360は、例えば、数字キーやアルファベットキー等の各種キーを備え、グループ追加要求を指示するユーザによる指示操作(所定操作)を受け付ける。
表示部370は、制御部330の制御に基づいて、各種情報(文字情報や時刻情報等)を表示する表示部である。なお、表示部370として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作部360および表示部370については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
位置情報取得部380は、第2の無線通信装置300が存在する位置を示す位置情報を取得するものであり、この取得された位置情報を制御部330に出力する。位置情報取得部380は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPSユニットにより実現することができる。この算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。
[無線通信装置の構成例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における第1の無線通信装置130の内部構成例を示すブロック図である。
なお、図6では、第1の無線通信装置130が備える無線通信機能に着目して内部構成例を示す。また、第3の無線通信装置140の内部構成は、第1の無線通信装置130と同様であるため、ここでは、第1の無線通信装置130の内部構成について説明し、第3の無線通信装置140の内部構成の説明を省略する。また、図6では、図5において示した第2の無線通信装置300の内部構成と同じものについては、図5と同一の符号を付してここでの説明を省略する。
第1の無線通信装置130は、アンテナ311と、アンテナ共用部312と、変調部321と、復調部322と、制御部330と、メモリ340と、MCIM情報記憶部350とを備える。また、第1の無線通信装置300は、操作部360と、表示部370と、位置情報取得部380と、スピーカ392とを備える。また、各部がバス331により接続される。一方、第1の無線通信装置130は、通話機能と、マイクロフォン391(図5に示す)とを備えていない。
このように、通話機能と、マイクロフォン391とを備えていない無線通信装置(第1の無線通信装置130および第3の無線通信装置140)は、通話に用いることができない。
ここで、例えば、無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権(MCIMの使用権)を用いて特定機能(通話機能)を実行するための実行要求(着信情報)を受信した場合を想定して説明する。この場合には、制御部330は、通話機能を備えている無線通信装置(第2の無線通信装置300)にMCIMを設定させて通話機能を実行させるための要求(転送設定情報)を送信する。
また、制御部330は、同一のグループに属する無線通信装置のうちの通話機能を備える無線通信装置を、MCIMを設定させる無線通信装置として特定する。なお、制御部330は、特許請求の範囲に記載の制御部の一例である。また、アンテナ311、アンテナ共用部312および復調部322は、特許請求の範囲に記載の受信部の一例である。
[発呼側の通信装置における画面の表示例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における発呼側の通信装置150に表示される2つの画面の表示例を示す表示例である。発呼側の通信装置150(図3に示す)は、第1の無線通信装置130が備えるMCIMにより特定される電話番号に通話の呼び出しを発信(発呼)した装置であるものとする。
図7(a)には、通話機能の無い無線通信装置から通話機能の有る無線通信装置にMCIMを移転する場合において、その移転の完了まで発呼側の通信装置150に表示される画面が示されている。図7(a)において示す画面(待機要求表示画面410)は、発呼側の通信装置150が行った通話の呼び出しに基づいてMCIMの移転が行われていることを通知するための画面である。すなわち、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125が発呼側の通信装置150に待機要求表示画面410を表示させる。これにより、呼び出しに時間が少しかかることを発呼側の通信装置150のユーザに通知して、MCIMの移転処理中に呼び出しを止めることを防ぐことができる。
図7(b)には、通話機能の無い無線通信装置から通話機能の有る無線通信装置にMCIMを移転する場合において、その移転が完了した後に発呼側の通信装置150に表示される画面が示されている。この画面(移転完了通知画面420)は、発呼側の通信装置150が行った通話の呼び出しに基づいて行われたMCIMの移転が完了したことを通知するための画面である。すなわち、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125が発呼側の通信装置150に待機要求表示画面410を表示させることにより、呼び出し相手がもうすぐ電話に出ることを通知することができる。
[第1の無線通信装置における転送設定画面の表示例]
図8および図9は、本技術の第1の実施の形態における第1の無線通信装置130の表示部370に表示される表示画面(転送設定画面430および440)の表示例を示す図である。転送設定画面430および440は、第1の無線通信装置130が通話の着信の連絡を受信した場合に表示される表示画面であり、MCIMの転送の設定を行うための表示画面である。
なお、図8では、第1の無線通信装置130が属するグループにおける通話機能を備える無線通信装置が1つのみである場合を想定して説明する。図9では、第1の無線通信装置130が属するグループにおける通話機能を備える無線通信装置が複数(2つ)ある場合を想定して説明する。
図8に示す転送設定画面430は、通話機能を備えていない第1の無線通信装置130が、第1の無線通信装置130が属するグループにおける通話機能有りの他の無線通信装置に着信を転送するための設定操作を行うための表示画面である。転送設定画面430には、着信があった旨を通知するためのメッセージと、第1の無線通信装置130が属するグループにおける通話機能を備えている他の無線通信装置の名称(例えば、デバイスネーム224)とが表示される。また、転送設定画面430には、転送開始ボタン431と、着信拒否ボタン432とが表示される。
転送開始ボタン431は、第1の無線通信装置130が属するグループにおける通話機能有りの他の無線通信装置に着信を転送する際に押下されるボタンである。この転送開始ボタン431が押下されると、第1の無線通信装置130に設定されているMCIMが、デバイスネーム「私の携帯ちゃん」の無線通信装置(第2の無線通信装置300)に移転される。そして、第2の無線通信装置300におけるMCIMの設定が完了した後に、第2の無線通信装置300に着信が転送される。なお、この着信転送処理については、図10乃至図12を参照して詳細に説明する。
着信拒否ボタン432は、第1の無線通信装置130に設定されているMCIM2より特定される電話番号への着信を、着信拒否する際に押下されるボタンである。この着信拒否ボタン432が押下されると、例えば、着信が終了するとともに、着信が拒否されたことを知らせる通知情報が、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125から発呼側の通信装置150に送信される。
図9に示す転送設定画面440は、第1の無線通信装置130が属するグループに通話機能を備えている無線通信装置が複数存在する場合において着信を転送するための設定操作を行うための表示画面である。なお、図9では、第1の無線通信装置130が属するグループ(グループAB)に、通話機能を備える第4の無線通信装置(デバイスネームは「スマートフォン一世」)が登録されていることを想定して説明する。
転送設定画面440には、着信があった旨を通知するためのメッセージと、転送先のデバイスを選択するためのラジオボタン443および444と、転送開始ボタン441と、着信拒否ボタン442とが示されている。なお、転送開始ボタン441および着信拒否ボタン442は、図8において示した転送開始ボタン431および着信拒否ボタン432と略同様のものであるため、ここでの説明の一部を省略する。
ラジオボタン443および444は、着信の転送先の無線通信装置を選択するためのラジオボタンである。ラジオボタン443を選択して転送開始ボタン441が押下されると、デバイスネーム「私の携帯ちゃん」の無線通信装置(第2の無線通信装置300)が選択され、第2の無線通信装置300へのMCIMの移転および着信の転送が行われる。また、ラジオボタン444を選択して転送開始ボタン441が押下されると、デバイスネーム「スマートフォン一世」の無線通信装置(第4の無線通信装置)が選択され、第4の無線通信装置へのMCIMの移転および着信の転送が行われる。
ここで、転送設定画面430および440が表示される条件について説明する。まず、発呼側の通信装置150から着信を受けとった通信制御装置(第2通信事業者)120は、MCIMが設定されている無線通信装置の通話機能の有無を検出する(例えば、通信制御装置(第2通信事業者)120がMCIMを保持する装置の情報(サービス内容等)を保持しており、その情報から通話機能の有無を検出する。)。そして、通話機能が無いことを検出した場合には、MCIMを保持する無線通信装置の備える機能のうちのいずれかで、着信があることを通知する。
例えば、転送設定画面430および440をユーザーインターフェースとして表示する機能を無線通信装置が備えている場合には、通信制御装置(第2通信事業者)120は、その機能を呼び出すための情報(着信情報)を無線通信装置に送信する。この着信情報に基づいて、転送設定画面430および440が表示される。なお、この着信情報には、通信制御装置(第2通信事業者)120が通信制御装置(第1通信事業者)200から取得したグループ情報が含まれており、無線通信装置は、グループに属する複数の無線通信装置の通話機能の有無(図4の通話機能情報227を参照)を解析する。そして、無線通信装置は、通話機能を備える無線通信装置がグループ内に複数存在する場合には転送設定画面440を表示させ、グループ内に1つの場合には転送設定画面430を表示させる。
なお、転送設定画面430および440を表示させる方法については、これに限定されるものではない。例えば、無線通信装置がSMS(Short Message Service:ショートメッセージサービス)や電子メールに対応している場合には、SMSおよび電子メールを用いて通知するようにしてもよい。
また、図8および図9では、転送設定画面430および440を表示させてユーザに選択させる場合を想定して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、着信情報を受信した場合には、転送開始または着信拒否をユーザが予め設定した内容に基づいて無線通信装置が判断し、その判断結果を通信制御装置(第2通信事業者)120に自動的に送信するようにしてもよい。
[着信の転送例]
図10は、本技術の第1の実施の形態において、通話機能を備えていない第1の無線通信装置130に着信があった場合における着信の転送の流れを簡略化して示す図である。
図10(a)では、第1の無線通信装置130に着信があった状態を示し、図10(b)では、その着信に応答するためにMCIMを移転している状態を示し、図10(c)ではMCIMの移転先の無線通信装置を用いて通話している状態を示す。
図10(a)に示すように、通話機能を備えていない無線通信装置(第1の無線通信装置130)にMCIM(MCIM131)が設定されていると、着信(呼び出し)に応答することができない。そこで、通信制御装置(第2通信事業者)120は、第1の無線通信装置130が備える通信機能を用いて、その着信を通知するための情報(着信情報)を第1の無線通信装置130に送信する。着信情報を受信した第1の無線通信装置130は、転送設定画面を表示部370に表示し、MCIMの移転処理をして着信に応答するか否か(転送開始または着信拒否)をユーザに選択させる。
そして、着信に応答することがユーザに選択された場合には、図10(b)に示すように、第1の無線通信装置130のMCIMを無効にして第2の無線通信装置300にMCIMを移転するMCIMの移転処理が行われる。これにより、第1の無線通信装置130は、MCIMを必要とする無線通信は実行できなくなる。一方、第2の無線通信装置300は、MCIMを必要とする無線通信が可能になる。これにより、ユーザは、第1の無線通信装置130にMCIMが設定されているタイミングにおいて受信した着信に対して、第2の無線通信装置300を用いて応答することができる。
そして、MCIMの移転処理が完了した後に着信に応答すると、図10(c)に示すように、第2の無線通信装置300を用いて通話状態になる。
[着信転送処理を行う場合における通信例]
図11乃至図13は、本技術の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図11乃至図13は、第1の無線通信装置130と第2の無線通信装置300との間で着信転送処理が行われる場合を想定して説明する。なお、第1の無線通信装置130に保持されているMCIM(有効なMCIM)が第2の無線通信装置300に移転され、この移転後に着信が転送されることを想定して説明する。なお、図11乃至図13では、第3の無線通信装置140の図示を省略する。
まず、通信制御装置(第2通信事業者)120と第1の無線通信装置130とが接続状態(501)とされ、通信制御装置(第1通信事業者)200と第2の無線通信装置130とが接続状態(502)とされている。最初に、通話の発信元である発呼側の通信装置150において、第1の無線通信装置130に設定されているMCIMにより特定される電話番号への発呼操作(呼び出し操作)が行われる(503)。そして、発呼操作が行われた場合には(503)、呼出信号が発呼側の通信装置150から通信制御装置(第2通信事業者)120に送信される(504、505)。この呼出信号は、相手を呼び出すために送信される信号であり、例えば、通話の呼び出しの場合には、相手の電話番号に応じた信号が送信される。通信制御装置(第2通信事業者)120は、MCIMを用いて無線通信装置に特定機能を実行させるための実行要求として呼出信号を受信する。
呼出信号を通信制御装置(第2通信事業者)120が受信すると(505)、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125は、呼び出し先の電話番号に係るMCIMが設定されている無線通信装置の通話機能の有無を検出する(506)。すなわち、デバイスタイプが検出される(506)。この検出は、例えば、MCIMが設定されている無線通信装置に対して通信制御装置(第2通信事業者)120が現在提供しているサービスの内容に基づいて判断される。例えば、通話機能とデータ通信機能とを備える携帯電話にMCIMが設定されている場合には、通話機能とデータ通信機能とが現在提供しているサービスとなる。一方、データ通信機能のみ備えるノート型のパーソナルコンピュータにMCIMが設定されている場合には、データ通信機能が現在提供しているサービスとなる。
そして、呼び出し先の電話番号に係るMCIMが通話機能の無い無線通信装置(第1の無線通信装置130)に設定されていることを検出すると(506)、制御部125は、発呼側の通信装置150に待機要求を送信する(507、508)。発呼側の通信装置150が待機要求を受信すると(508)、発呼側の通信装置150の表示部に待機要求表示画面(図7(a)参照)が表示される(509)。
また、呼び出し先の電話番号に係るMCIMが通話機能の無い無線通信装置に設定されていることを検出すると(506)、制御部125は、グループ情報要求を通信制御装置(第1通信事業者)200に送信する(510、511)。そして、グループ情報要求を受信した通信制御装置(第1通信事業者)200は、呼び出し先の電話番号に係るMCIMが属するグループのグループ情報を、通信制御装置(第2通信事業者)120に送信する(512、513)。
そして、通信制御装置(第2通信事業者)120は、グループ情報を受信すると(513)、グループ情報を含む着信情報を第1の無線通信装置130に送信する(514、515)。これにより、第1の無線通信装置130に着信が伝えられるとともに、通話機能を備える無線通信装置の情報(グループ情報の通話機能情報(図4の通話機能情報227))が伝えられる。なお、着信情報には、グループ情報の他に、発呼側の電話番号などの着信に関する情報が含まれる。第1の無線通信装置130は、MCIMを用いて無線通信装置に特定機能を実行させるための実行要求として着信情報を受信する。
続いて、第1の無線通信装置130は、グループ情報を含む着信情報を受信すると(515)、転送設定画面(例えば、図8および図9参照)を表示部370に表示させる(516)。ここで、この転送設定画面の表示の際に、同じグループに属する無線通信装置のなかに通話機能を備える無線通信装置が複数存在するか否かが、グループ情報に基づいて判断される。そして、通話機能を備える無線通信装置が複数存在する場合には、転送先の無線通信装置を選択することができる転送設定画面440(図9)が表示される。一方、通話機能を備える無線通信装置が1つのみの場合には、転送を開始するか否かの選択のみを行う転送設定画面430(図8)が表示される。そして、ユーザ操作により転送の設定が行われる(517)。この例では、第2の無線通信装置300(デバイスネーム「私の携帯ちゃん」)が転送先のデバイスとして決定される。
このように、第1の無線通信装置130において転送設定操作が行われた場合には(517)、転送設定情報が第1の無線通信装置130から通信制御装置(第2通信事業者)120に送信される(518、519)。この転送設定情報には、転送先の無線通信装置を示す情報(例えば、図4の端末識別情報225)と、転送の開始を要求する情報とが含まれる。第1の無線通信装置130は、MCIMを設定させるための設定要求として転送設定情報を送信する。
そして、通信制御装置(第2通信事業者)120が転送設定情報を受信すると(519)、MCIMの移転処理(MCIM移転処理520)が行われる。
MCIM移転処理520では、まず、通信制御装置(第2通信事業者)120が転送設定情報を受信すると(519)、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125が、MCIMの無効化情報を第1の無線通信装置130に送信する(521、522)。このMCIMの無効化情報は、有効なMCIMが保持されている無線通信装置におけるそのMCIMを無効化するための情報である。この場合には、第1の無線通信装置130が通信制御装置(第2通信事業者)120と接続状態(501)とされている。このため、MCIMの無効化情報は、通信制御装置(第2通信事業者)120から第1の無線通信装置130に直接送信される(521、522)。
MCIMの無効化情報を第1の無線通信装置130が受信すると(522)、第1の無線通信装置130のMCIM情報記憶部350に記憶されているMCIMの無効化処理が行われる(523)。これにより、第1の無線通信装置300に保持されているMCIMが無効化されるため、第1の無線通信装置130は、通信制御装置(第2通信事業者)120とのMCIMに基づく接続を行うことができなくなる。このため、第1の無線通信装置130は、PCIDに基づく限定接続により通信制御装置(第1通信事業者)200と接続する接続状態となる(524)。
このように、移転元(第1の無線通信装置130)におけるMCIMの無効化処理が行われ(523)、移転元および通信制御装置(第2通信事業者)120の接続が切断されると、この切断を通信制御装置(第1通信事業者)200の制御部210が検出する。例えば、MCIMの無効化処理が行われた後に、その旨を移転元(第1の無線通信装置130)から通信制御装置(第1通信事業者)200に送信することにより、その切断を制御部210が検出することができる。また、PCIDに基づく限定接続により移転元(第1の無線通信装置130)が通信制御装置(第1通信事業者)200と接続する状態(接続状態)となったことを制御部210が検出することにより、その切断を制御部210が検出することができる。
このように、移転元および通信制御装置(第2通信事業者)120の切断を通信制御装置(第1通信事業者)200の制御部210が検出すると、制御部210は、MCIMの状態情報を通信制御装置(第2通信事業者)120に送信する(526、527)。このMCIMの状態情報は、有効なMCIMがどの無線通信装置にも設定されていないことを示す情報である。
MCIMの状態情報を通信制御装置(第2通信事業者)120が受信すると(527)、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125は、MCIMの設定情報を第2の無線通信装置300に送信する(528乃至531)。このMCIMの設定情報は、無線通信装置に有効なMCIMを設定するための情報である。この場合に、第2の無線通信装置300が通信制御装置(第1通信事業者)200と接続状態(502)とされている。このため、MCIMの設定情報は、通信制御装置(第2通信事業者)120から第2の無線通信装置300に、通信制御装置(第1通信事業者)200を介して送信される(528乃至531)。
MCIMの設定情報を第2の無線通信装置300が受信すると(531)、第2の無線通信装置300のMCIM情報記憶部350にMCIMの設定処理(例えば、有効化処理)が行われる(531)。これにより、第2の無線通信装置300に有効なMCIMが設定されるため、第2の無線通信装置300は、MCIMに基づく通信制御装置(第2通信事業者)120との接続を行うことができる(533)。すなわち、第2の無線通信装置300は、MCIMに基づく接続により通信制御装置(第2通信事業者)120と接続する接続状態となる(533)。
このように、第2の無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)120と接続状態となった場合に(533)、通信制御装置(第2通信制御装置)120が、移転完了通知を、通信制御装置(第1通信制御装置)200に送信する(534、535)。この移転完了通知は、MCIMの移転処理が完了した旨の通知である。そして、移転完了通知を通信制御装置(第1通信制御装置)200が受信すると(535)、通信制御装置(第1通信制御装置)200の制御部210は、グループ管理データベース220(図3に示す)の内容を更新する(536)。例えば、図4に示す有効無効情報226について、第1の無線通信装置130(端末識別情報225「PCID#1」)が「有効」から「無効」に変更される。一方、第2の無線通信装置300(端末識別情報225「PCID#2」)が「無効」から「有効」に変更される。
続いて、MCIMの移転処理(MCIM移転処理520)が完了すると、通信制御装置(第2通信事業者)120は、移転完了通知を発呼側の通信装置150に送信する(541、542)。この移転完了通知は、MCIMの移転処理が終わったことを発呼側の通信装置150に通知するための情報である。そして、移転完了通知を発呼側の通信装置150が受信すると(542)、発呼側の通信装置150は、移転完了通知画面(例えば、図7(b))を表示部に表示させる(543)。これにより、発呼した人物は、相手がもうすぐ電話に出ることを知ることができる。
また、MCIMの移転処理(MCIM移転処理520)が完了すると、通信制御装置(第2通信事業者)120は、呼出信号を第2の無線通信装置300に送信する(544、545)。この呼出信号は、相手を呼び出すために送信される信号であり、例えば、通話の呼び出しの場合には、相手の電話番号に応じた信号が送信される。そして、呼出信号を第2の無線通信装置300が受信すると(545)、第2の無線通信装置300において、ユーザにより呼び出しの応答操作が行われる(546)。そして、第2の無線通信装置300と発呼側の通信装置150とが通話状態になる(547、548)。
[通信システムの動作例]
次に、本技術の第1の実施の形態における通信システム100の動作について図面を参照して説明する。
[MCIMの移転元の無線通信装置の動作例]
図14は、本技術の第1の実施の形態におけるMCIMの移転元の無線通信装置(第1の無線通信装置130)による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、通信制御装置(第2通信事業者)120が送信した着信情報(グループ情報を含む)を第1の無線通信装置130が受信したか否かを、第1の無線通信装置130の制御部330が判断し(ステップS901)、受信していない場合には、監視を継続して行う。
そして、着信情報およびグループ情報を受信した場合には(ステップS901)、グループ情報に基づいて、同一グループ内の通話機能を備える無線通信装置を制御部330が検出する(ステップS902)。次に、制御部330は、グループ内の通話機能を備える無線通信装置が複数存在するか否かを判断する(ステップS903)。そして、通話機能を備える無線通信装置がグループに1つしかないと判断した場合には(ステップS903)、無線通信装置(デバイス)の選択項目が無い転送設定画面(例えば、図8参照)が表示部370に表示され(ステップS904)、ステップS906に進む。なお、ステップS901は、特許請求の範囲に記載の受信手順の一例である。
一方、通話機能を備える無線通信装置がグループに複数存在すると判断した場合には(ステップS903)、制御部330が、無線通信装置(デバイス)の選択項目が有る転送設定画面(例えば、図9参照)を表示部370に表示させる(ステップS905)。
その後、表示部370に表示されている転送設定画面におけるユーザの選択操作により、着信の転送開始が選択(図8および図9の転送開始ボタンの押下)されたか否かを制御部330が判断する(ステップS906)。そして、転送開始が選択されていないと判断した場合には(ステップS906)、着信拒否が選択されたか否かを制御部330が判断する(ステップS907)。ここで、着信拒否が選択されたと判断した場合には(ステップS907)、着信拒否を通信制御装置(第2通信事業者)120に通知するための情報(着信拒否情報)を制御装置(第2通信事業者)120に送信する(ステップS908)。そして、ステップS908が終了すると、移転元の無線通信装置による通信処理の動作を終了する。
一方、着信拒否が選択されたか否かの判断において着信拒否が選択されていないと判断した場合には(ステップS907)、ステップS906に戻る。
また、着信の転送開始が選択されたか否かの判断において転送開始が選択されたと判断した場合には(ステップS906)、転送の設定に関する転送設定情報が、通信制御装置(第2通信事業者)120へ送信される(ステップS909)。転送設定情報の送信により、MCIMを移転して着信を転送することの実行命令や、MCIMの移転先の無線通信装置を指定するための情報が送信される。なお、ステップS909は、特許請求の範囲に記載の実行手順の一例である。
その後、通信制御装置(第2通信事業者)120から送信されたMCIMの無効化情報を受信したか否かを、制御部330が判断し(ステップS910)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、MCIMの無効化情報を受信したと判断した場合には(ステップS910)、制御部330は、MCIM情報記憶部350に保持されているMCIMを無効化処理し(ステップS911)、移転元の無線通信装置による通信処理の動作を終了する。
[MCIMの移転先の無線通信装置の動作例]
図15は、本技術の第1の実施の形態におけるMCIMの移転先の無線通信装置(第2の無線通信装置300)による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、通信制御装置(第2通信事業者)120から送信された設定情報を受信したか否かを、制御部330が判断し(ステップS921)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、設定情報を受信したと判断した場合には(ステップS921)、制御部330は、MCIM情報記憶部350にMCIMを設定処理する(ステップS922)。その後、制御部330は、通話の呼出信号を受信したか否かを判断し(ステップS923)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
そして、呼出信号を受信したと制御部330が判断した場合には(ステップS923)、その呼出信号による呼び出しにユーザが応答したか否かを制御部330が判断し(ステップS924)、応答していない場合には、応答の監視を継続して行う。
その後、呼出信号による呼び出しにユーザが応答したと制御部330が判断した場合には(ステップS924)、呼び出し(発呼)側の通信装置との通話処理が行われる(ステップS925)。そして、通話が終了したか否かを制御部330が判断し(ステップS926)、終了していない場合には、終了の監視を継続して行う。
一方、通話が終了したと制御部330が判断した場合には(ステップS926)、移転先の無線通信装置による通信処理の動作を終了する。
[第2通信事業者の動作例]
図16および図17は、本技術の第1の実施の形態における通信制御装置(第2通信事業者)120による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、呼び出し(発呼)を行った通信装置(発呼側の通信装置150)が発信した呼出信号を受信したか否かを通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125が判断し(ステップS931)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、呼出信号を受信したと制御部125が判断した場合には(ステップS931)、制御部125は、呼び出し先の電話番号に係るMCIMが設定されているデバイス(無線通信装置)のデバイスタイプ(装置が備えている機能)を検出する(ステップS932)。その後、検出したデバイスタイプに基づいて、呼び出し先のデバイスは着信が不可能(通話機能が無)であるか否かを、制御部125が判断する(ステップS933)。そして、呼び出し先のデバイスは着信が可能(通話機能が有)であると制御部125が判断した場合には(ステップS933)、ステップS946に進む。呼び出し先のデバイスは着信が可能であると制御部125が判断する場合とは、例えば、第2の無線通信装置300にMCIMが設定されている場合である。なお、ステップS931は、特許請求の範囲に記載の受信手順の一例である。
一方、呼び出し先のデバイスは着信が不可能であると制御部125が判断した場合には(ステップS933)、制御部125は、発呼側の通信装置150に待機要求を送信する(ステップS934)。また、制御部125は、呼び出し先の電話番号に係るMCIMを保持するデバイスが属するグループに関するグループ情報の要求(グループ情報要求)を通信制御装置(第1通信事業者)200に送信する(ステップS935)。
そして、制御部125は、通信制御装置(第1通信事業者)200が送信したグループ情報を受信したか否かを判断し(ステップS936)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、制御部125は、グループ情報を受信したと判断した場合には(ステップS936)、そのグループ情報を含む着信情報を、呼び出し先の電話番号に係るMCIMを保持するデバイス(第1の無線通信装置130)に送信する(ステップS937)。その後、制御部125は、第1の無線通信装置130が送信した転送設定情報を受信したか否かを判断する(ステップS938)。そして、転送設定情報を受信していないと制御部125が判断した場合には(ステップS939)、着信拒否情報を受信したか否かを制御部125が判断し(ステップS939)、受信していない場合には、ステップS938に戻る。
また、着信拒否情報を受信したと判断した場合には(ステップS939)、発呼側の通信装置150の呼び出しを拒否する処理(呼び出し拒否処理)の後に(ステップS940)、通信制御装置(第2通信事業者)120による通信処理の動作を終了する。
一方、第1の無線通信装置130が送信した転送設定情報を受信したか否かの判断において(ステップS938)、転送設定情報を受信したと判断した場合には、制御部125は、MCIMの無効化情報を第1の無線通信装置130に送信する(ステップS941)。その後、制御部125は、通信制御装置(第1通信事業者)200から送信されたMCIMの状態情報を受信したか否かを判断し(ステップS942)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、MCIMの状態情報を受信したと制御部125が判断した場合には(ステップS942)、制御部125は、転送設定情報により指定された転送先のデバイス(第2の無線通信装置300)にMCIMの設定情報を送信する(ステップS943)。なお、この設定情報の送信は、通信制御装置(第1通信事業者)200を経由して送信される。
その後、制御部125は、第2の無線通信装置300でのMCIMの設定が完了したか否かを判断し(ステップS944)、完了していない場合には、完了の監視を継続して行う。なお、このMCIMの設定が完了したか否かの判断は、例えば、第2の無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)120と通信可能な状態になったことを検出することにより行われる。
また、第2の無線通信装置300でのMCIMの設定が完了したと制御部125が判断した場合には(ステップS944)、制御部125は、発呼側の通信装置150に移転完了通知を送信する(ステップS945)。その後、制御部125は、呼び出し先の電話番号に向けて呼出信号を送信する(ステップS946)。続いて、呼出信号に応答(電話に出る)があったか否かを制御部125は判断する(ステップS947)。そして、呼出信号に応答がないと制御部125が判断した場合には(ステップS947)、着信拒否の応答があったか否かを制御部125は判断し(ステップS948)、着信拒否の応答がない場合には、ステップS947に戻る。なお、ステップS941、S943、S946は、特許請求の範囲に記載の実行手順の一例である。
一方、着信拒否の応答があったと制御部125が判断した場合には(ステップS948)、呼び出し拒否処理の後に(ステップS949)、通信制御装置(第2通信事業者)120による通信処理の動作を終了する。
なお、呼出信号に応答があったか否かの判断において(ステップS947)、応答があったと制御部125が判断した場合には、発呼側の通信装置150と第2の無線通信装置300との間における通話を中継する処理(通話中継処理)を行う(ステップS950)。
その後、発呼側の通信装置150と第2の無線通信装置300との間における通話が終了したか否かを制御部125は判断し(ステップS951)、終了していない場合には、終了の監視を継続して行う。また、通話が終了したと制御部125が判断した場合には(ステップS951)、通話中継処理を終了して通信制御装置(第2通信事業者)120による通信処理の動作を終了する。
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、通話機能を備えていない無線通信装置に着信があった場合にこの無線通信装置に設定されているMCIMを通話機能を備えている無線通信装置に移転した後に、着信に応答することができる。すなわち、MCIMを保持する無線通信装置が備えていない機能への呼び出しに、その機能を備えている無線通信装置にMCIMを移転することにより応答することができる。
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、グループ情報を含む着信情報を第1の無線通信装置130に送信することにより、第1の無線通信装置130において着信の転送先の無線通信装置をグループ情報に基づいて設定(決定)する例について説明した。しかしながら、通信制御装置(第2通信事業者)120や通信制御装置(第1通信事業者)200において着信の転送先の無線通信装置を決定することも可能である。
そこで、本技術の第2の実施の形態では、通信制御装置(第2通信事業者)120が着信の転送先の無線通信装置を決定する例について、図18乃至図21を参照して説明する。
なお、本技術の第2の実施の形態のシステム構成例および無線通信装置の内部構成例は、図2、図3、図5および図6において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
[着信転送処理を行う場合における通信例]
図18および図19は、本技術の第2の実施の形態における通信システムを構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
なお、図18および図19に示すシーケンスチャートは、図11に示すシーケンスチャートの変形例であり、通信制御装置(第2通信事業者)120が着信の転送先の無線通信装置を決定する点が異なる。そこで、図18および図19では、図11と共通する部分については、図11と同一の符号を付してここでの説明を省略する。また、図19に示すシーケンスチャートの後半部分(図12および図13に対応する部分)については、図12および図13と同様のものであるため、ここでの図示および説明を省略する。
なお、図18および図19では、通信制御装置(第2通信事業者)120が決定した無線通信装置へのMCIMの移転の確認(許可)をユーザに求める例について説明する。
図18において示すシーケンスチャートでは、通信制御装置(第2通信事業者)120がグループ情報を受信した後に(513)、着信の転送先の無線通信装置を通信制御装置(第2通信事業者)120が決定する(551)。この決定は、例えば、ユーザが転送先として予め設定しておいた無線通信装置が転送先として決定される。この例では、第2の無線通信装置300が転送先のデバイス(無線通信装置)として決定される。
そして、通信制御装置(第2通信事業者)120は、MCIMが現時点で設定されている無線通信装置(第1の無線通信装置130)に、MCIMの移転および着信の転送の確認を求めるための確認要求を送信する(552、553)。続いて、第1の無線通信装置130が確認要求を受信すると、ユーザ操作により確認要求への応答操作が行われる(554)。この応答操作では、例えば、図8の転送設定画面430のような画面を表示部370に表示させ、転送開始(確認)か着信拒否かをユーザに選択させる。
その後、ユーザ操作により確認(転送開始)の応答操作が行われると(554)、第1の無線通信装置130から通信制御装置(第2通信事業者)120に確認通知が送信される(555、556)。この確認通知は、通信制御装置(第2通信事業者)120が決定した着信の転送先の無線通信装置をユーザが確認し、その無線通信装置へのMCIMの移転を許可することを示す情報である。
その後、第1の無線通信装置130からの確認通知を受信した通信制御装置(第2通信事業者)120は(556)、MCIMの移転先の無線通信装置(第2の無線通信装置300)に確認要求を送信する(557、558)。そして、第2の無線通信装置300が確認要求を受信すると、ユーザ操作により確認要求への応答操作が行われる(559)。この応答操作では、例えば、移転開始を通知する表示を確認用のボタンとともに表示部370に表示させて、ユーザに移転開始を確認させる。その後、ユーザ操作により応答操作が行われると(559)、第1の無線通信装置130から通信制御装置(第2通信事業者)120に確認通知が送信される(560、561)。なお、移転元の無線通信装置と移転先の無線通信装置との両方でユーザ操作による確認を行うことにより、現在ユーザの手元に無い無線通信装置にMCIMが移転されてしまうことを防止することができる。
なお、図18および図19では、移転元の無線通信装置と移転先の無線通信装置との両方でユーザに確認を求める例について説明したが、これに限定されるものではない。確認を求めないでMCIMの移転処理を開始する場合や、移転元の無線通信装置のみで確認を求める場合なども考えることができる。
[通信システムの動作例]
次に、本技術の第2の実施の形態における通信システムの動作について図面を参照して説明する。
[MCIMの移転元の無線通信装置の動作例]
図20は、本技術の第2の実施の形態におけるMCIMの移転元の無線通信装置(第1の無線通信装置130)による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図20は、図14において示した処理手順の変形例であり、第1の無線通信装置130が転送設定を行う代わりに通信制御装置(第2通信事業者)120が転送設定を決定し、この決定についてユーザに確認操作を行わせる点が異なる。そこで、図14と同一の処理手順には同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
まず、通信制御装置(第2通信事業者)120が送信した確認要求を受信したか否かを、第1の無線通信装置130の制御部330が判断し(ステップS961)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、確認要求を受信したと判断した場合には(ステップS961)、確認要求に対する応答操作(確認要求応答操作)をユーザに行わせる(ステップS962)。次に、ユーザの操作によって確認が選択されたか否かを制御部330が判断する(ステップS963)。そして、確認が選択されていないと判断した場合には(ステップS963)、着信拒否が選択されたか否かを制御部330が判断し(ステップS964)、着信拒否が選択されていない場合には、ステップS963に戻る。
また、着信拒否が選択されていると判断した場合には(ステップS964)、着信拒否情報を送信して(ステップS908)、移転元の無線通信装置による通信処理の動作を終了する。
一方、確認が選択されたか否かの判断において(ステップS963)、確認が選択されたと判断された場合には、制御部330は、確認の選択の通知(確認通知)を通信制御装置(第2通信事業者)120に送信し(ステップS965)、ステップS910に進む。
[第2通信事業者の動作例]
図21は、本技術の第2の実施の形態における通信制御装置(第2通信事業者)120による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図21は、図16において示した処理手順の変形例であり、グループ情報を含む着信情報を第1の無線通信装置130に送信する代わりに、着信の転送先の無線通信装置を決定しその決定の確認要求を送信する点が異なる。そこで、図16と同一の処理手順には同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
グループ情報を受信したか否かの判断において(ステップS936)、グループ情報を受信したと制御部125が判断すると、制御部125は、受信したグループ情報に基づいて、着信の転送先の無線通信装置を決定する(ステップS971)。すなわち、本技術の第2の実施の形態では、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125により、第2の無線通信装置300が着信の転送先(MCIMの移転先)の無線通信装置として決定される。
その後、制御部125は、着信の転送元(MCIMの移転元)の無線通信装置(第1の無線通信装置130)に、着信の転送先の無線通信装置を確認させる要求(確認要求)を送信する(ステップS972)。続いて、制御部125は、確認要求に対する確認の通知(確認通知)を第1の無線通信装置130から受信したか否かを判断し(ステップS973)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
一方、第1の無線通信装置130からの確認通知を受信したと判断した場合には(ステップS973)、MCIMの移転先の無線通信装置(第2の無線通信装置300)に確認要求を送信する(ステップS974)。続いて、制御部125は、確認通知を第2の無線通信装置300からから受信したか否かを判断し(ステップS975)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。
また、MCIMの移転先の無線通信装置から確認通知を受信したと制御部125が判断した場合には(ステップS975)、ステップS941に進む。
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、通信制御装置(第2通信事業者)120が、MCIMの移転先を決定し、この決定に基づいてMCIMを移転して、着信に応答することができる。
<3.第3の実施の形態>
本技術の第1および第2の実施の形態では、第1の無線通信装置130に設定されているMCIMを無効化処理して、第2の無線通信装置300に移転する例について説明した。この場合には、MCIMを無効化された第1の無線通信装置130は通信制御装置(第2通信事業者)120との契約に基づく無線通信ができなくなり、無効化されるまで行っていたデータ通信を継続できなくなる。このため、ユーザが不便に感じることも想定される。
そこで、本技術の第3の実施の形態では、第1の無線通信装置130のMCIMを無効化して第2の無線通信装置300に移転する代わりに、一時的に有効な別のMCIMを第2の無線通信装置300に設定する場合について、図22乃至図25を参照して説明する。
なお、本技術の第3の実施の形態のシステム構成例および無線通信装置の内部構成例は、図2、図3、図5および図6において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
[第1の無線通信装置における転送設定画面の表示例]
図22は、本技術の第3の実施の形態における第1の無線通信装置130の表示部370に表示される表示画面(転送設定画面450)の表示例を示す図である。
図22の転送設定画面450は、図8において示した転送設定画面430の変形例である。なお、転送設定画面450の転送開始ボタン451および着信拒否ボタン452は、図8において示した転送開始ボタン431および着信拒否ボタン432と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
転送設定画面450は、図8の転送設定画面430における通信機能が使用できなくなることの注意書き(「但し、転送する場合には、この装置の通信機能が使用できなくなりますので、ご注意ください。」)が無い点のみが異なる。
ここで、この注意書きが無い理由について説明する。本技術の第3の実施の形態では、着信を転送する場合には、転送元の無線通信装置のMCIMはそのままにして(無効化処理せずに)、通信制御装置(第2通信事業者)120が一時的契約認証情報を転送先の無線通信装置に設定する。
ここで、一時的契約認証情報について説明する。この一時的契約認証情報は、一定の制限が付与されている契約認証情報(MCIM)であり、通信制御装置(第2通信事業者)120により一時的に発行される契約認証情報である。一定の制限として、例えば、回数制限(例えば、4回/1日)、処理制限(例えば、データ同期処理のみ)、時間制限(例えば、1時間以内)、サイズ制限(例えば、300KB未満)が想定される。なお、時間制限が付された契約認証情報は、期限付きの契約認証情報(例えば、一定時間が経過すると自動的に無効になる制限が付されたMCIM)として把握することができる。また、例えば、転送された通話のみに使用可能な使用制限が付されている場合には、一時的契約認証情報は、転送された通話の際に使用(一時的に使用)できるように、転送された通話の開始時に発行され、転送された通話の終了時に無効化される。また、通信制御装置(第2通信事業者)120は、一時的契約認証情報の発行回数(一日の発行回数の上限)、データ量、有効時間などを管理することができる。
なお、図22では、通話機能を備える無線通信装置がグループ内に1つのみである場合の表示例について説明したが、通話機能を備える無線通信装置が複数の場合についても注意書きは無い。すなわち、複数図9の表示例から注意書きを除いたものが、本技術の第3の実施の形態において通話機能を備えている無線通信装置が複数存在する場合に表示される転送設定画面となる。
[着信転送処理を行う場合における通信例]
図23は、本技術の第3の実施の形態における通信システムを構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
なお、図23に示すシーケンスチャートは、図12および図13に示したシーケンスチャートの変形例であり、通信制御装置(第2通信事業者)120が一時的契約認証情報を発行する点が異なる。そこで、図23では、図12および図13と共通する部分については、図12および図13と同一の符号を付してここでの説明を省略する。また、図23に示すシーケンスチャートより前の部分(図11に対応する部分)については、図11と同様のものであるため、ここでの図示および説明を省略する。
図23では、図12において示したMCIM移転処理520の通信処理の代わりに、一時的契約認証情報を設定するための通信処理(一時的契約認証情報設定処理570)が示されている。また、図23では、一時的契約認証情報設定処理570の後に、図13において示した通信処理(541乃至548)と、一時的契約認証情報の無効化に関する処理(582乃至584)とが示されている。
ここで、図23に示す各通信処理について説明する。まず、通信制御装置(第2通信事業者)120が転送設定情報を受信すると(図11の519)、通信制御装置(第2通信事業者)120の制御部125は、一時的契約認証情報の設定情報を第2の無線通信装置300に送信する(571乃至574)。一時的契約認証情報の設定情報は、無線通信装置に一時的契約認証情報を設定するための情報である。この場合に、第2の無線通信装置300が通信制御装置(第1通信事業者)200と接続状態(図11の502)とされている。このため、一時的契約認証情報の設定情報は、通信制御装置(第2通信事業者)120から第2の無線通信装置300に、通信制御装置(第1通信事業者)200を介して送信される(571乃至574)。
一時的契約認証情報の設定情報を第2の無線通信装置300が受信すると(574)、第2の無線通信装置300のMCIM情報記憶部350に一時的契約認証情報の設定処理が行われる(575)。これにより、第2の無線通信装置300に一時的契約認証情報が設定されるため、第2の無線通信装置300は、一時的契約認証情報に基づく通信制御装置(第2通信事業者)120との接続を行うことができる(576)。すなわち、第2の無線通信装置300は、一時的契約認証情報に基づく接続により通信制御装置(第2通信事業者)120と接続する接続状態となる(576)。
そして、第2の無線通信装置300が通信制御装置(第2通信事業者)120と接続状態になると(576)、図13と同様に、移転処理の終了が発呼側の通信装置150のユーザへ通知される(541乃至543)。また、通信制御装置(第2通信事業者)120は、呼出信号変換処理を行う(581)。この呼出信号変換処理は、発呼側の通信装置150のユーザが呼び出した(ダイヤルした)電話番号を、一時的契約認証情報に設けられた電話番号に変換する処理である。そして、通信制御装置(第2通信事業者)120は、この変換した電話番号を呼び出すことにより、呼出信号を第2の無線通信装置300に送信する(582、583)。
なお、第2の無線通信装置300が呼出信号に応答してから通話状態になるまでの通信処理(546乃至548)は、図13において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
そして、第2の無線通信装置300と発呼側の通信装置150とが通話状態になった後に(547、548)、通話が終了すると、第2の無線通信装置300のMCIM情報記憶部350における一時的契約認証情報が無効化処理される(584)。これにより、第2の無線通信装置300に保持されている一時的契約認証情報が無効化されるため、第2の無線通信装置300は、一時的契約認証情報に基づく通信制御装置(第2通信事業者)120との接続を行うことができなくなる。このため、第2の無線通信装置300は、PCIDに基づく限定接続により通信制御装置(第1通信事業者)200と接続する接続状態となる(585)。その後、通信制御装置(第2通信事業者)120では、一時的契約認証情報の設定に関する情報を破棄(消去)して(586)、通信処理が終了する。
[通信システムの動作例]
次に、本技術の第3の実施の形態における通信システムの動作について図面を参照して説明する。
[MCIMを保持する無線通信装置の動作例]
図24は、本技術の第3の実施の形態におけるMCIMを保持する無線通信装置(第1の無線通信装置130)による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図24は、図14において示した処理手順の変形例であり、MCIMの無効化情報を受信してMCIMの無効化処理を行わない点が異なる以外は、図14と同一である。すなわち、図24において示すフローチャートでは、図14において示したステップS910およびS911が無い。これ以外は図14と同一のものであるため、ここでの説明を省略する。
[一時的契約認証情報が設定される無線通信装置の動作例]
図25は、本技術の第3の実施の形態における一時的契約認証情報が設定される無線通信装置(第2の無線通信装置300)による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図25は、図15において示した処理手順の変形例であり、MCIMが設定される代わりに、一時的契約認証情報が設定される点が異なる。そこで、図15と同一の処理手順には同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
まず、通信制御装置(第2通信事業者)120から送信された設定情報を受信したか否かを、制御部330が判断し(ステップS981)、受信していない場合には、受信の監視を継続して行う。なお、このステップS981の設定情報は、一時的契約認証情報を設定するための設定情報であり、図15のステップS921の設定情報は、MCIM(契約認証情報)を設定するための設定情報である。
一方、設定情報を受信したと判断した場合には(ステップS981)、制御部330は、MCIM情報記憶部350に一時的契約認証情報を設定処理し(ステップS982)、ステップS923に進む。
その後、ステップS926において通話が終了と判断された後に、制御部330は、一時的契約認証情報を無効化する処理(無効化処理)を行い(ステップS983)、一時的契約認証情報が設定される無線通信装置による通信処理の動作を終了する。
[第2通信事業者の動作例]
図26は、本技術の第3の実施の形態における通信制御装置(第2通信事業者)120による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図26は、図17において示した処理手順の変形例であり、一時的契約認証情報を第2の無線通信装置300に設定させる点が異なる。そこで、図17と同一の処理手順には同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。また、図26に示すフローチャートより前の部分(図16に対応する部分)については、図16と同様のものであるため、ここでの図示および説明を省略する。
まず、第1の無線通信装置130が送信した転送設定情報を受信したか否かの判断において(図16のステップS938)、転送設定情報を受信したと制御部125が判断すると、制御部125は、一時的契約認証情報の設定情報を第2の無線通信装置300に送信する(ステップS991)。その後、制御部125は、第2の無線通信装置300での一時的契約認証情報の設定が完了したか否かを判断し(ステップS992)、完了していない場合には、完了の監視を継続して行う。
また、第2の無線通信装置300での一時的契約認証情報の設定が完了したと制御部125が判断した場合には(ステップS992)、制御部125は、発呼側の通信装置150に移転完了通知を送信する(ステップS945)。その後、制御部125は、発呼側の通信装置150が発信した呼出信号の電話番号を一時的契約認証情報の電話番号に変換する変換処理を行い(ステップS993)、ステップS946へ進む。
そして、通話が終了したか否かの判断において(ステップS951)、通話が終了したと判断されると、一時的契約認証情報の設定を消去する処理(設定消去処理)を行った後に(ステップS994)、通信処理の動作を終了する。
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、一時的契約認証情報を第2の無線通信装置300に設定することにより、第1の無線通信装置130のMCIMを無効化しなくとも、第1の無線通信装置130への着信に応答することができる。
なお、本技術の第3の実施の形態では、第1の無線通信装置130の通信機能が使用できなくなることが無い。このため、転送設定画面450を表示せずに自動で着信を転送するようにすることもできる。
このように、本技術の実施の形態によれば、MCIMを保持する無線通信装置が備えていない機能への呼び出しに応答することができる。
なお、本技術の第1および第2の実施の形態では、MCIMを第2の無線通信装置300に移転した後に、そのままにしておく例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、通信が終わったら、元の無線通信装置(第1の無線通信装置130)にMCIMを戻す場合も考えられる。
なお、本技術の第1の実施では、グループ情報を含む着信情報を第1の無線通信装置130に送信したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の無線通信装置130がグループ情報を常に保持し、この保持するグループ情報に基づいてMCIMの移転先を決定する場合も考えられる。
なお、本技術の実施の形態では、一体として構成される情報処理装置(通信制御装置120、200等)を例にして説明した。ただし、これらの情報処理装置が備える各部(例えば、制御部、グループ管理データベース220)を複数の装置により構成する情報処理システムについても本技術の実施の形態を適用することができる。また、本技術の実施の形態では、3、4の無線通信装置により構成されるグループABを例にして説明したが、2、または、5以上の無線通信装置により構成されるグループについても本技術の実施の形態を適用することができる。また、本技術の実施の形態では、グループを構成する複数の無線通信装置間において通信処理を行う場合を例にして説明した。ただし、グループを構成しない複数の無線通信装置間において通信処理を行う場合についても本技術の実施の形態を適用することができる。この場合には、例えば、通信処理を行う相手先を、ユーザ操作(例えば、相手先の無線通信装置を識別するための識別情報の入力操作)により設定することができる。
また、携帯型の無線通信装置(例えば、データ通信専用端末装置)や、固定型の無線通信装置に本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、自動販売機のデータ収集を目的とする無線通信装置、エレベータ、自動車、電子機器(例えば、家電製品、ゲーム機、デジタルフォトフレーム)に搭載されている無線通信装置に本技術の実施の形態を適用することができる。
また、本技術の実施の形態では、ネットワーク接続権(接続権)として、MCIMの使用権を例にして説明した。ただし、他の情報(例えば、USIM(Universal SubscriberIdentity Module))に基づいて、所定のネットワークと接続するための接続権についても、本技術の実施の形態を適用することができる。
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を用いて無線通信装置に特定機能を実行させるための実行要求を受信する受信部を具備し、
前記実行要求を受信した際に前記特定機能を備えていない第1の無線通信装置に前記接続権が設定され、前記特定機能を備えている第2の無線通信装置に前記接続権が設定されていない場合には、前記第2の無線通信装置に前記接続権を設定させて当該実行要求に応じた前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させる
情報処理装置。
(2) 前記情報処理装置は、前記第1の無線通信装置であり、
前記実行要求を受信した場合には、前記第2の無線通信装置に前記接続権を設定させるための設定要求を前記接続権を管理する管理システムに送信するための制御を行う制御部をさらに具備する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記情報処理装置を含む複数の無線通信装置により前記接続権を共有するグループが構成され、
前記制御部は、前記グループを構成する複数の無線通信装置のうちの前記特定機能を備える無線通信装置を前記第2の無線通信装置として特定するための制御を行う
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記制御部は、前記特定機能を備える無線通信装置が複数存在する場合には、当該複数の無線通信装置のうちからユーザ操作に基づいて選択された1つの無線通信装置を前記第2の無線通信装置として特定するための制御を行う
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5) 前記グループを管理するRO(Registration Operator)に前記グループを構成する各無線通信装置を特定するための識別情報が記憶され、
前記制御部は、前記ROから前記識別情報を取得して前記グループを構成する複数の無線通信装置のうちから前記第2の無線通信装置を選択するための選択画面を前記取得された識別情報に基づいて表示部に表示させ、前記選択画面においてユーザ操作に基づいて選択された無線通信装置を前記第2の無線通信装置として特定するための制御を行う
前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6) 前記管理システムは、SHO(Selected Home Operator)であり、
前記制御部は、前記SHOに対して前記設定要求を行い、
前記第2の無線通信装置は、前記設定要求に応じて前記SHOにより設定された前記接続権を用いて前記特定機能を実行するための制御を行う
前記(2)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記情報処理装置は、前記接続権を管理する情報処理装置であり、
前記実行要求を受信した場合には、前記第2の無線通信装置に前記接続権を設定させて当該実行要求に応じた前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させるための制御を行う制御部をさらに具備する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(8) 前記制御部は、前記実行要求を受信した場合には、前記接続権が設定されている無線通信装置における前記特定機能の有無の判断を行い、当該判断結果に基づいて前記制御を行う前記(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記第1の無線通信装置を含む複数の無線通信装置により前記接続権を共有するグループが構成され、
前記制御部は、前記グループを構成する複数の無線通信装置のうちの前記特定機能を備える無線通信装置を前記第2の無線通信装置として特定するための制御を行う前記(7)または(8)に記載の情報処理装置。
(10) 前記制御部は、ユーザ操作に基づいて選択された1つの無線通信装置を前記第2の無線通信装置として特定する前記(9)に記載の情報処理装置。
(11) 前記グループを管理するROに前記グループを構成する各無線通信装置を特定するための識別情報が記憶され、
前記制御部は、前記ROから前記識別情報を取得して前記取得された識別情報を前記第1の無線通信装置に送信するための制御を行う
前記(9)または(10)に記載の情報処理装置。
(12) 前記制御部は、前記グループを構成する複数の無線通信装置のうちから前記第2の無線通信装置を選択するための選択画面を前記第1の無線通信装置の表示部に表示させるための情報として、前記取得された識別情報を前記第1の無線通信装置に送信するための制御を行う前記(11)に記載の情報処理装置。
(13) 前記特定機能は、通話機能である前記(1)から(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14) 前記情報処理装置は、前記第1の無線通信装置であり、
前記第1の無線通信装置は、データ通信機能を介して前記実行要求を受信する
前記(13)に記載の情報処理装置。
(15) 前記第1の無線通信装置に設定されている前記接続権を前記第2の無線通信装置に移転させて前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させる前記(1)から(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16) 前記第1の無線通信装置に設定されている前記接続権よりも制限されている接続権であって前記実行要求に応じた前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させるための第2の接続権を前記第2の無線通信装置に設定させて前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させる前記(1)から(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(17) 前記接続権は、通信事業者が運営する基地局に接続するための契約認証情報に基づいて前記基地局に接続するための権利である前記(1)から(16)のいずれかに記載の情報処理装置。
(18) 無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権が設定されている無線通信装置であって特定機能を備えていない第1の無線通信装置と、
前記接続権が設定されていない無線通信装置であって前記特定機能を備えている第2の無線通信装置とを具備し、
前記無線通信装置に特定機能を実行させるための実行要求を受信した際に前記第1の無線通信装置に前記接続権が設定され、前記第2の無線通信装置に前記接続権が設定されていない場合には、前記第2の無線通信装置に前記接続権を設定させて当該実行要求に応じた前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させる
通信システム。
(19) 無線通信を利用して所定のネットワークに接続するための接続権を用いて無線通信装置に特定機能を実行させるための実行要求を受信する受信手順と、
前記実行要求を受信した際に前記特定機能を備えていない第1の無線通信装置に前記接続権が設定され、前記特定機能を備えている第2の無線通信装置に前記接続権が設定されていない場合には、前記第2の無線通信装置に前記接続権を設定させて当該実行要求に応じた前記特定機能を前記第2の無線通信装置に実行させる実行手順と
を具備する情報処理装置の制御方法。