以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(USIM情報交換制御:無線端末装置の位置および基地局の混雑度に基づいてUSIM情報を交換する例)
2.第2の実施の形態(USIM情報交換制御:無線端末装置の未使用期間に基づいてUSIM情報を交換する例)
3.第3の実施の形態(課金制御:USIM情報の交換後における課金例)
<1.第1の実施の形態>
[無線端末装置の使用例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における複数の無線端末装置の使用例を簡略化して示す図である。
図1(a)には、比較的離れている2つの場所(矢印30で示す距離だけ離れている)において、第1の無線端末装置300をユーザ10が所有し、第2の無線端末装置400をユーザ20が所有している状態を示す。なお、第1の通信事業者40、第2の通信事業者50は、無線接続サービスを提供する移動体通信事業者である。また、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400は、例えば、携帯電話装置(例えば、通話機能およびデータ通信機能を備える携帯電話装置やスマートフォン)、無線通信機能を備えるデータ通信装置(例えば、パーソナルコンピュータ)等である。
ここで、ユーザ10は、第1の通信事業者40との間で無線接続サービスの契約をし、ユーザ20は、第2の通信事業者50との間で無線接続サービスの契約をしているものとする。すなわち、ユーザ10は、第1の通信事業者40が運用する基地局を利用することができる契約をし、ユーザ20は、第2の通信事業者50が運用する基地局を利用することができる契約をしているものとする。この場合には、図1(b)に示すように、ユーザ10が所有する第1の無線端末装置300が、第1の通信事業者40のUSIM情報41を保持することにより、第1の通信事業者40の携帯電話網を使用することが可能となる。また、ユーザ20が所有する第2の無線端末装置400が、第2の通信事業者50のUSIM情報51を保持することにより、第2の通信事業者50の携帯電話網を使用することが可能となる。ここで、USIM情報は、契約認証情報の一例であり、契約認証情報は、電話の加入者(Subscriber)情報と、認証鍵(Authentication)の情報とを含む情報である。
ここで、図1(a)に示すように、第1の無線端末装置300が無線接続している基地局(第1の通信事業者40)の混雑度が大きいのに対して、その基地局の位置に対応するエリアに設置されている基地局(第2の通信事業者50)の混雑度が小さいものとする。また、第2の無線端末装置400が無線接続している基地局(第2の通信事業者50)の混雑度が大きいのに対して、その基地局の位置に対応するエリアに設置されている基地局(第1の通信事業者40)の混雑度が小さいものとする。この場合には、ユーザ10およびユーザ20は、混雑度が小さい基地局の範囲に存在するものの、その基地局を使用することができない。
そこで、本発明の第1の実施の形態では、図1(a)に示すような場合には、図1(b)に示すように、第1の無線端末装置300に保持されているUSIM情報41と、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報51とを交換する。このように、互いのUSIM情報を交換して、交換後のUSIM情報を用いて基地局に接続することにより、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400のそれぞれの通信環境を改善することができる。
[通信システムの構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
通信システム100は、公衆回線網101と、第1のネットワーク制御装置110と、第2のネットワーク制御装置120と、基地局111、113、121、123と、情報処理装置200と、複数の無線端末装置(300、400等)とを備える。
公衆回線網101は、電話網、インターネット等の公衆回線網である。また、公衆回線網101と、第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
基地局111、113は、第1の通信事業者40が運用する基地局であり、第1の通信事業者40のUSIM情報を保持する無線端末装置と、第1のネットワーク制御装置110とを無線回線を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。上述したように、第1の無線端末装置300を所有するユーザ10は、第1の通信事業者40との間で基地局111、113を利用する契約をしているものとする。また、無線端末装置131乃至135、141、142を所有する各ユーザは、第1の通信事業者40との間で基地局111、113を利用する契約をしているものとする。
また、図2では、基地局111の電波が届く範囲(無線通信可能な範囲)をセル112とし、基地局113の電波が届く範囲をセル114として模式的に示す。また、セル112には、比較的多くの無線端末装置(無線端末装置131乃至135、300等)が存在するのに対し、セル114には、比較的少ない無線端末装置(無線端末装置141、142等)が存在するものとする。
なお、本発明の実施の形態において、基地局は、その基地局そのものと、その基地局により特定されるセルとの双方の意味を含むものとする。例えば、本発明の実施の形態において、基地局を利用する契約は、その基地局により特定されるセルを利用する契約の意味も含むものとする。
基地局121、123は、第2の通信事業者50が運用する基地局であり、第2の通信事業者50のUSIM情報を保持する無線端末装置と、第2のネットワーク制御装置120とを無線回線を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。上述したように、第2の無線端末装置400を所有するユーザ20は、第2の通信事業者50との間で基地局121、123を利用する契約をしているものとする。また、無線端末装置136、137、143乃至147を所有する各ユーザは、第2の通信事業者50との間で基地局121、123を利用する契約をしているものとする。図2では、第2の通信事業者50との間で基地局121、123を利用する契約をしている無線端末装置136、137、143乃至147、400を太線で示す。
図2では、基地局121の電波が届く範囲(無線通信可能な範囲)をセル122とし、基地局123の電波が届く範囲をセル124として模式的に示す。また、セル122には、比較的少ない無線端末装置(無線端末装置136、137等)が存在するのに対し、セル124には、比較的多くの無線端末装置(無線端末装置143乃至147、400等)が存在するものとする。
なお、図2では、説明の容易のため、通信事業者として、第1の通信事業者40および第2の通信事業者50のみを示すが、3以上の通信事業者が存在する場合についても同様に適用することができる。また、図2では、説明の容易のため、各通信事業者が運用する基地局として、基地局111、113、121、123のみを示すが、各通信事業者が運用する基地局が3以上の場合についても同様に適用することができる。
第1のネットワーク制御装置110は、無線接続サービスを提供する第1の通信事業者40により管理される通信制御装置であり、基地局111、113を介して接続される無線端末装置の認証制御を行う。そして、第1のネットワーク制御装置110は、認証された無線端末装置をゲートウェイ(図示せず)を介して公衆回線網101に接続する。
第2のネットワーク制御装置120は、無線接続サービスを提供する第1の通信事業者40により管理される通信制御装置であり、基地局121、123を介して接続される無線端末装置の認証制御を行う。そして、第2のネットワーク制御装置120は、認証された無線端末装置をゲートウェイ(図示せず)を介して公衆回線網101に接続する。
ここで、第1のネットワーク制御装置110は、基地局111、113を介して接続される無線端末装置のうち、特定の場合を除き、USIM情報(契約認証情報)を保持する無線端末装置のみを認証する。また、第2のネットワーク制御装置120についても同様に、基地局121、123を介して接続される無線端末装置のうち、特定の場合を除き、有効なUSIM情報(契約認証情報)を保持する無線端末装置のみを認証する。なお、特定の場合は、例えば、緊急用途で発呼する場合(例えば、警察や消防署等に発呼する場合)である。
第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120は、各基地局を介して各無線端末装置から送信される各種情報を情報処理装置200に出力し、情報処理装置200から出力される各種情報を各基地局を介して各無線端末装置に送信する。
情報処理装置200は、通信サービスを仲介する事業者が運営する情報処理装置であり、第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120からの情報に基づいて、USIM情報の交換処理を行う。ここで、通信サービスを仲介する事業者は、無線接続サービスを提供する通信事業者、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)(いわゆる、仮想通信事業者と称される事業形態の事業者)等が想定される。なお、情報処理装置200については、図4を参照して詳細に説明する。
[無線端末装置の構成例]
図3は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300の機能構成例を示すブロック図である。なお、他の無線端末装置の機能構成については、第1の無線端末装置300と略同様であるため、ここでの説明を省略する。
第1の無線端末装置300は、通信部310と、位置情報取得部320と、制御部330と、操作受付部340と、表示部350と、USIM情報書換部360と、USIM情報記憶部370とを備える。第1の無線端末装置300は、例えば、通話およびデータ通信が可能な携帯電話装置により実現される。なお、マイクロフォンやスピーカ等については、図示および説明を省略する。
通信部310は、各基地局から送信された無線信号を受信する受信部と、各基地局へ無線信号を送信する送信部とを含み、複数の無線通信サービスに対応する通信部である。例えば、通信部310は、CDMA(Code Division Multiple Access)やOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に従って通信することが可能である。なお、CDMAは、符号分割多重接続を意味し、OFDMAは、直交周波数分割多重接続を意味する。
位置情報取得部320は、第1の無線端末装置300が存在する位置を示す位置情報を取得するものであり、この取得された位置情報を制御部330に出力する。位置情報取得部320は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号受信アンテナにより受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPSユニットにより実現することができる。この算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。
制御部330は、メモリ(図示せず)に格納されている制御プログラムに基づいて各種の制御を行うものである。制御部330は、例えば、マイクロプロセッサにより構成される。例えば、制御部330は、通信部310と接続され、基地局111、113を介して接続される第1のネットワーク制御装置110との間で行われる各種データの送受信を行う。
操作受付部340は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号を制御部330に出力する。操作受付部340は、例えば、数字キーやアルファベットキー等の各種キーを備える。
表示部350は、制御部330の制御に基づいて、各種情報(文字情報や時刻情報等)を表示する表示部である。表示部350は、例えば、USIM情報の使用権の移転処理に関する各情報(例えば、図10に示す表示画面)を表示する。なお、表示部350として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作受付部340および表示部350については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
USIM情報書換部360は、制御部330の制御に基づいて、USIM情報記憶部370に保持されているUSIM情報(契約認証情報)の書換処理を行うものである。ここで、第1の通信事業者40に係るUSIM情報を保持している状態は、第1の通信事業者40に係る基地局111、113に接続するための接続権を有する状態として把握することができる。例えば、USIM情報の有効化処理および無効化処理により、その接続権の移転を行うことができる。また、USIM情報自体の転送処理により、その接続権の移転を行うことができる。
USIM情報記憶部370は、USIM情報(契約認証情報)を保持するメモリである。USIM情報記憶部370として、例えば、UICC(Universal Integrated Circuit)カードを用いるようにしてもよく、USIM情報をセキュアに保つための専用メモリを用いるようにしてもよい。なお、USIM情報記憶部370としてUICCカードを用いる場合には、USIM情報が固定的に書き込まれているものではなく、USIM情報の有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。すなわち、USIM情報書換部360がUSIM情報の有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。また、USIM情報の書換処理が可能なものを用いる。なお、USIM情報の有効化処理および無効化処理については、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されている有効化処理および無効化処理により行うことができる。これらの各処理は、例えば、携帯電話装置の販売ショップで行われている。
[情報処理装置の構成例]
図4は、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置200の機能構成例を示すブロック図である。
情報処理装置200は、無線端末装置位置取得部210と、無線端末装置位置保持部220と、混雑度情報取得部230と、混雑度情報保持部240と、USIM情報交換候補抽出部250と、USIM情報交換候補リスト保持部260とを備える。また、情報処理装置200は、接続情報受付部270と、USIM情報交換制御部280と、USIM情報交換端末リスト保持部290とを備える。
無線端末装置位置取得部210は、各無線端末装置が存在する位置に関する情報(位置情報)を第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から取得するものであり、取得された位置情報を無線端末装置位置保持部220に保持させる。無線端末装置位置取得部210は、例えば、各無線端末装置が備える位置情報取得部320により取得された位置情報を、第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120を介して取得することができる。なお、無線端末装置位置取得部210は、定期的または不定期に第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から位置情報を取得して、無線端末装置位置保持部220に保持されている位置情報を順次更新する。
無線端末装置位置保持部220は、無線端末装置位置取得部210により取得された位置情報と、これに対応する無線端末装置に関する情報(無線端末装置情報(例えば、端末識別情報、通信事業者識別情報))とを関連付けて保持するものである。また、無線端末装置位置保持部220は、保持されている位置情報および無線端末装置情報を、USIM情報交換候補抽出部250に供給する。すなわち、無線端末装置位置保持部220により、各無線端末装置の位置が管理される。なお、無線端末装置位置保持部220の保持内容については、図5を参照して詳細に説明する。
混雑度情報取得部230は、基地局111、113、121、123のそれぞれの混雑度に関する情報(混雑度情報)を第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から取得するものである。また、混雑度情報取得部230は、取得された混雑度情報を混雑度情報保持部240に保持させる。混雑度情報として、例えば、1つの基地局に接続が可能な無線端末装置の数と、実際に接続されている無線端末装置の数との関係に基づいて算出される値を用いることができる。また、混雑度情報として、例えば、1つの基地局が使用可能な無線リソースの総量と、実際に使用されている無線リソースの量との関係に基づいて算出される値を用いることができる。ここで、無線リソースは、例えば、CDMA方式の場合には、多重に用いる直交符号の数を意味する。この数は、例えば、チャネライゼーションコードの数、HS−DSCH(High-Speed Downlink Shared Channel)の数、これらのコードに配分する電力、これらを算出して得られる数値等である。また、無線リソースは、例えば、OFDMA方式の場合には、サブキャリアの数、各サブキャリアに配分する電力、これらを算出して得られる数値等を意味する。また、混雑度情報取得部230は、各基地局の運用状況に応じて、定期的または不定期に混雑度情報を第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から取得して、混雑度情報保持部240に保持されている混雑度情報を順次更新する。
混雑度情報保持部240は、混雑度情報取得部230により取得された混雑度情報と、これに対応する基地局に関する情報(基地局情報(例えば、セルID))とを関連付けて保持するものである。また、混雑度情報保持部240は、保持されている混雑度情報および基地局情報を、USIM情報交換候補抽出部250に供給する。なお、混雑度情報保持部240については、図6を参照して詳細に説明する。
USIM情報交換候補抽出部250は、無線端末装置位置保持部220に保持されている位置情報と、混雑度情報保持部240に保持されている混雑度情報とに基づいて、USIM情報交換候補となる通信事業者を抽出するものである。また、USIM情報交換候補抽出部250は、抽出された通信事業者のリストをUSIM情報交換候補リスト保持部260に保持させる。なお、通信事業者の抽出方法については、図6を参照して詳細に説明する。また、USIM情報交換候補抽出部250は、特許請求の範囲に記載の抽出部の一例である。
USIM情報交換候補リスト保持部260は、USIM情報交換候補抽出部250により、USIM情報交換候補として抽出された通信事業者のリストを保持するものであり、保持されている通信事業者のリストをUSIM情報交換制御部280に供給する。
接続情報受付部270は、各無線端末装置から送信される接続情報(例えば、接続要求)を、第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120を介して受け付けるものである。また、接続情報受付部270は、接続情報が受け付けられた場合には、その接続情報をUSIM情報交換制御部280に出力する。
USIM情報交換制御部280は、接続情報受付部270から接続要求に係る接続情報が出力された場合に、その接続要求を送信した無線端末装置についてUSIM情報交換処理を行うものである。また、USIM情報交換制御部280は、USIM情報交換処理を行った2つの無線端末装置に関する情報をUSIM情報交換端末リスト保持部290に保持させる。また、USIM情報交換制御部280は、接続情報受付部270から終了要求に係る接続情報が出力された場合に、その終了要求を送信した無線端末装置についてUSIM情報復元処理を行う。なお、USIM情報交換制御部280は、特許請求の範囲に記載の制御部の一例である。
USIM情報交換端末リスト保持部290は、USIM情報交換制御部280によりUSIM情報交換処理が行われた2つの無線端末装置に関する情報(USIM情報交換端末リスト)を保持するものである。また、USIM情報交換端末リスト保持部290は、保持されている情報をUSIM情報交換制御部280に供給する。
[無線端末装置位置保持部の内容例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における無線端末装置位置保持部220の保持内容の一例を模式的に示す図である。
無線端末装置位置保持部220は、各無線端末装置が存在する位置に関する情報(位置情報)を保持する保持部である。具体的には、無線端末装置位置保持部220には、端末識別情報221と、位置情報222と、通信事業者識別情報223とが関連付けて保持される。
端末識別情報221は、無線端末装置を識別するための識別情報である。
位置情報222は、各無線端末装置が存在する位置に関する情報である。例えば、位置情報222として、各無線端末装置が存在する位置に対応する緯度および経度が格納される。
通信事業者識別情報223は、無線接続サービスを提供する無線事業者を識別するための識別情報である。すなわち、通信事業者識別情報223には、無線端末装置に保持されているUSIM情報(交換前のUSIM情報)に係る通信事業者の識別情報が格納される。
[混雑度情報保持部の内容例]
図6は、本発明の第1の実施の形態における混雑度情報保持部240の保持内容の一例を模式的に示す図である。
混雑度情報保持部240は、各基地局の混雑度に関する情報(混雑度情報)を保持する保持部である。具体的には、混雑度情報保持部240には、セルID241と、位置情報242と、混雑度情報243とが通信事業者毎に関連付けて保持される。
セルID241は、通信事業者が運営する基地局(セル)を識別するための識別情報である。
位置情報242は、通信事業者が運営する基地局が存在する位置に関する情報である。例えば、位置情報242として、各基地局が存在する位置に対応する緯度および経度が格納される。なお、図6では、位置情報242として仮想の数値を示す。
混雑度情報243は、通信事業者が運営する基地局の混雑度に関する情報である。混雑度情報243として、例えば、0〜1の値が格納される。図6では、混雑度情報243の値「1」の混雑度が最も高く(すなわち、混雑している)、「0」の混雑度が最も低い(すなわち、混雑していない)ものとする。
また、図6において、第1の通信事業者40が運営する基地局のセルと、第2の通信事業者50が運営する基地局のセルとが重複する各基地局に関する各情報については、同一行に配置して示す。例えば、点線の矩形244で囲まれている各情報は、第1の通信事業者40が運営する基地局のセルと、第2の通信事業者50が運営する基地局のセルとが重複する各基地局に関する情報であるものとする。
なお、この例では、混雑度情報保持部240に混雑度を保持する例を示すが、混雑度に関連した通信レートの履歴情報を混雑度情報として保持するようにしてもよい。この場合には、USIM情報交換候補を抽出する際に、混雑度を用いる代わりにその通信レートの履歴情報を混雑度情報として用いるようにしてもよい。
[USIM情報交換候補リスト保持部の内容例]
図7は、本発明の第1の実施の形態におけるUSIM情報交換候補リスト保持部260の保持内容の一例を模式的に示す図である。
USIM情報交換候補リスト保持部260は、USIM情報交換候補として抽出された無線端末装置のリストを保持する保持部である。具体的には、USIM情報交換候補リスト保持部260には、端末識別情報261と、通信事業者識別情報262と、USIM情報交換候補情報263とが関連付けて保持される。
端末識別情報261は、無線端末装置を識別するための識別情報である。例えば、図5に示す端末識別情報221に対応する端末識別情報が格納される。
通信事業者識別情報262は、無線接続サービスを提供する無線事業者を識別するための識別情報である。例えば、図5に示す通信事業者識別情報223に対応する通信事業者識別情報が格納される。
USIM情報交換候補情報263は、USIM情報交換候補として抽出された通信事業者を識別するための識別情報である。
[USIM情報交換候補抽出例]
次に、USIM情報交換候補となる無線端末装置を抽出するUSIM情報交換候補抽出方法について図6、図7を参照して説明する。ここでは、無線端末装置位置保持部220に保持されている位置情報と、混雑度情報保持部240に保持されている混雑度情報とに基づいて、USIM情報交換候補抽出部250が、USIM情報交換候補となる通信事業者を抽出する例を示す。
例えば、図6に示すように、第1の通信事業者40との間で契約をしている第1の無線端末装置300が、点線の矩形244で囲まれているセルID241「607402b」のカバレージ内にいる場合を想定する。この場合には、セルID241「607402b」に対応する基地局の混雑度情報243「0.777」が比較的高いため、ハイレートな通信サービスを期待することが困難であることが想定される。
一方、第1の通信事業者40のセルID241「607402b」に対応する第2の通信事業者50の基地局は、点線の矩形244で囲まれているセルID241「9f7013b」)に対応する基地局である。この基地局の混雑度情報243「0.227」は、第1の通信事業者40の基地局の混雑度情報243「0.777」と比較して比較的低い。このため、第1の通信事業者40のセルID241「607402b」に対応する第2の通信事業者50の基地局のセルは、混雑が少ない状況である。
この場合に、USIM情報交換候補抽出部250は、第1の通信事業者40と契約をしている第1の無線端末装置300に対するUSIM情報交換候補として、第2の通信事業者50を特定する。例えば、図7に示すように、端末識別情報261の「#1(第1の無線端末装置)」に対するUSIM情報交換候補として、USIM情報交換候補情報263には「#102(第2の通信事業者)」が格納される。
また、例えば、図6に示すように、第2の通信事業者50との間で契約をしている第2の無線端末装置400が、点線の矩形245で囲まれているセルID241「9d1016b」のカバレージ内にいる場合を想定する。この場合には、セルID241「9d1016b」に対応する基地局の混雑度情報243「0.519」が比較的高いため、ハイレートな通信サービスを期待することが困難であることが想定される。
一方、第2の通信事業者50のセルID241「9d1016b」に対応する第1の通信事業者40の基地局は、点線の矩形245で囲まれているセルID241「5f24018」)に対応する基地局である。この基地局の混雑度情報243「0.298」は、第2の通信事業者50の基地局の混雑度情報243「0.519」と比較して比較的低い。このため、第2の通信事業者50のセルID241「9d1016b」に対応する第1の通信事業者40の基地局のセルは、混雑が少ない状況である。
この場合に、USIM情報交換候補抽出部250は、第2の通信事業者50と契約をしている第2の無線端末装置400に対するUSIM情報交換候補として、第1の通信事業者40を特定する。例えば、図7に示すように、端末識別情報261の「#2(第2の無線端末装置)」に対するUSIM情報交換候補として、USIM情報交換候補情報263には「#101(第1の通信事業者)」が格納される。
このように、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400が相補の関係となる。例えば、第1の無線端末装置300または第2の無線端末装置400から接続要求に係る接続情報が送信された場合には、USIM情報交換制御部280が第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400のそれぞれに対してUSIM情報交換処理を行う。このUSIM情報交換処理により、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400のそれぞれのUSIM情報書換部360は、USIM情報の書き換えを行う。このように、USIM情報交換制御部280によるUSIM情報交換処理が行われた場合には、そのUSIM情報交換処理に係る2つの無線端末装置に関する情報が、USIM情報交換端末リスト保持部290に保持される。この保持内容については、図8に示す。
[USIM情報交換端末リスト保持部の内容例]
図8は、本発明の第1の実施の形態におけるUSIM情報交換端末リスト保持部290の保持内容の一例を模式的に示す図である。
USIM情報交換端末リスト保持部290は、USIM情報が交換された各無線端末装置のリストを保持する保持部である。具体的には、USIM情報交換端末リスト保持部290には、USIM情報交換中の端末識別情報291と、USIM情報交換中の端末が接続可能な通信事業者識別情報292とが関連付けて保持される。
USIM情報交換中の端末識別情報291は、USIM情報が交換された2つの無線端末装置を特定するための識別情報である。例えば、図5に示す端末識別情報221に格納されている端末識別情報が格納される。
USIM情報交換中の端末が接続可能な通信事業者識別情報292は、USIM情報が交換された2つの無線端末装置のそれぞれが、その交換後に接続可能な通信事業者を特定するための情報である。例えば、図5に示す通信事業者識別情報223に格納されている通信事業者識別情報が格納される。
[情報処理装置の動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置200の動作について図面を参照して説明する。
図9は、本発明の第1の実施の形態におけるUSIM情報交換候補抽出部250によるUSIM情報交換候補抽出制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、対象となる無線端末装置(対象装置)の位置情報222および通信事業者識別情報223(図5に示す)が無線端末装置位置保持部220から取得される(ステップS901)。
続いて、取得された位置情報および通信事業者識別情報に基づいて、対象装置が存在する位置に対応するセル(対象セル)が特定される(ステップS902)。例えば、取得された通信事業者識別情報に基づいて、対象装置が保持するUSIM情報に係る通信事業者(対象通信事業者)が特定される。そして、取得された位置情報に基づいて、対象通信事業者が運営する複数の基地局のうちから、対象装置が存在する位置に対応する基地局が抽出される。また、その抽出された基地局に対応するセル(対象セル)のセルID241(図6に示す)が特定される。
続いて、対象セルに対応する混雑度情報243(図6に示す)が取得される(ステップS903)。この場合には、対象セルに対応する各通信事業者に係る混雑度情報243が取得される。続いて、取得された混雑度情報に基づいて、対象通信事業者および他の通信事業者のセルのうち、混雑度が最も低いセルが特定される(ステップS904)。
続いて、その特定されたセルが、対象通信事業者(対象装置が接続可能な通信事業者)のセルであるか否かが判断される(ステップS905)。その特定されたセルが対象通信事業者のセルである場合には(ステップS905)、終了指示が行われたか否かが判断される(ステップS906)。そして、終了指示が行われていない場合には(ステップS906)、ステップS901に戻り、終了指示が行われた場合には、USIM情報交換候補抽出制御処理の動作を終了する。
また、その特定されたセルが対象通信事業者のセルでない場合には(ステップS905)、対象装置に対するUSIM情報交換候補として、その特定されたセルに係る通信事業者がUSIM情報交換候補リスト保持部260に登録される(ステップS907)。
なお、ステップS908〜S911については、ステップS901〜S904に対応する処理手順であるため、ここでの説明を省略する。
続いて、その特定されたセルが、対象装置のUSIM情報交換候補としてUSIM情報交換候補リスト保持部260に登録されている通信事業者(登録通信事業者)のセルであるか否かが判断される(ステップS912)。その特定されたセルが登録通信事業者のセルである場合には(ステップS912)、ステップS908に戻る。一方、その特定されたセルが登録通信事業者のセルでない場合には(ステップS912)、対象装置のUSIM情報交換候補としてUSIM情報交換候補リスト保持部260に登録されている登録通信事業者が削除される(ステップS913)。そして、ステップS901に戻る。
このように、この例では、対象装置が存在する位置に対応する第1の通信事業者に係る基地局の混雑度と、対象装置が存在する位置に対応する第1の通信事業者以外の1または複数の通信事業者に係る各基地局の混雑度とを比較する。そして、その比較結果に基づいて第1の通信事業者以外の他の通信事業者をUSIM情報交換候補として抽出する。この場合に、対象装置が存在する位置に対応する第1の通信事業者に係る基地局の混雑度よりも混雑度が低い基地局に係る通信事業者を、USIM情報交換候補として抽出することができる。また、対象装置が存在する位置に対応する第1の通信事業者に係る基地局の混雑度と、対象装置が存在する位置に対応する1または複数の通信事業者に係る各基地局の混雑度とを比較する。そして、混雑度が最も低い基地局に係る通信事業者を、USIM情報交換候補として抽出することができる。また、対象装置は、第1の通信事業者に係る基地局に接続する第1の接続権(USIM情報に基づく接続権)を有する。なお、ステップS901乃至S913は、特許請求の範囲の抽出手順の一例である。
なお、この例では、1つの無線端末装置について1つの通信事業者をUSIM情報交換候補として登録する例を示したが、例えば、1つの無線端末装置について複数の通信事業者をUSIM情報交換候補として登録するようにしてもよい。例えば、対象装置が存在する位置を含むセルに対応する基地局を運営する通信事業者が3以上存在する場合を想定する。この場合において、例えば、対象セルの混雑度が最も高く、他のセル(2つ以上のセル)の混雑度が一定値を基準として小さい場合には、一定値を基準として小さい複数のセルに対応する複数の通信事業者をUSIM情報交換候補として登録することができる。
[各装置間における通信例]
図10は、本発明の第1の実施の形態における第2の無線端末装置400に表示される表示画面例を示す図である。これらの表示画面については、図11および図12に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図11および図12は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図11および図12では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400間における通信処理例のみを示すが、他の無線端末装置間における通信処理についても同様に適用することができる。USIM情報の交換については、情報処理装置200に係る事業者と契約している無線端末装置のみを対象とするようにしてもよく、全ての無線端末装置を対象とするようにしてもよい。
図11および図12では、第1の無線端末装置300が第1の通信事業者40に係るUSIM情報を保持し、第2の無線端末装置400が第2の通信事業者50に係るUSIM情報を保持している場合において、これらのUSIM情報を交換する例を示す。また、図11および図12では、第1の無線端末装置300からの接続要求に応じて、第1の無線端末装置300に保持されているUSIM情報と第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報とを交換する場合における通信処理を例にして説明する。ここで、接続要求は、例えば、無線接続サービスへのアクセスや通話を行うための接続要求を意味する。
最初に、第1の通信事業者40に係るUSIM情報を保持する第1の無線端末装置300において、第1の通信事業者40に接続するための接続要求を行うユーザ操作が行われる。このユーザ操作が行われると、第1の無線端末装置300が第1の通信事業者40に接続するための接続要求が、第1の無線端末装置300から情報処理装置200に第1のネットワーク制御装置110を介して送信される(401乃至404)。
第1の無線端末装置300からの接続要求を受信すると(404)、情報処理装置200は、その接続要求を送信した第1の無線端末装置300に対するUSIM情報交換候補を確認する(405)。すなわち、接続情報受付部270は、第1の無線端末装置300からの接続要求を受信すると、その接続要求をUSIM情報交換制御部280に出力する。続いて、USIM情報交換制御部280は、USIM情報交換候補リスト保持部260に保持されているUSIM情報交換候補リストを取得する。続いて、USIM情報交換制御部280は、取得されたUSIM情報交換候補リストを参照して、その接続要求を送信した第1の無線端末装置300に対するUSIM情報交換候補が存在するか否かを判断する。ここで、第1の無線端末装置300に対するUSIM情報交換候補が存在しない場合を想定する。この場合には、USIM情報交換制御部280は、第1の通信事業者40が運営する第1のネットワーク制御装置110に、その接続要求を送信して、第1の無線端末装置300および第1のネットワーク制御装置110を接続させる。
また、第1の無線端末装置300に対するUSIM情報交換候補が存在する場合には、USIM情報交換制御部280は、USIM情報交換候補に係る無線端末装置と、第1の無線端末装置300との間でUSIM情報交換処理を行う(406乃至422)。
具体的には、USIM情報交換制御部280は、USIM情報交換候補リスト保持部260のUSIM情報交換候補リストに基づいて、第1の無線端末装置300と相補関係となる無線端末装置(第2の無線端末装置400)を抽出する。続いて、USIM情報交換制御部280は、USIM情報書換指示情報をUSIM情報交換候補(第2の無線端末装置400)に第2のネットワーク制御装置120を介して送信する(406乃至409)。このUSIM情報書換指示情報には、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を、第1の通信事業者40に係るUSIM情報に書き換えるための情報が含まれる。
また、第2の無線端末装置400がUSIM情報書換指示情報を受信すると(409)、USIM情報の書換を承認する旨を示すUSIM情報書換承認情報が、第2の無線端末装置400から情報処理装置200に送信される(410乃至413)。すなわち、第2の無線端末装置400の制御部330が、USIM情報書換承認情報を情報処理装置200に第2のネットワーク制御装置120を介して送信する(410乃至413)。
また、第2の無線端末装置400のUSIM情報書換部360は、その受信したUSIM情報書換指示情報に基づいて、USIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を書き換える(414)。すなわち、第2の通信事業者50に係るUSIM情報から、第1の通信事業者40に係るUSIM情報に書き換える。この書換処理により、第2の無線端末装置400は、第1の通信事業者40(第1のネットワーク制御装置110)に接続可能となる。
図10には、USIM情報の交換処理が行われた後に第2の無線端末装置400の表示部350に表示される表示画面の一例を示す。図10に示す表示画面は、USIM情報の交換処理が行われた旨を表示してUSIM情報交換をユーザが確認するための表示画面である。具体的には、図10に示す表示画面には、USIM情報の交換処理が行われた旨と、交換処理後に接続可能となっている通信事業者に関する情報(例えば、通信事業者名、予想通信レート、通信単価)とが表示される。
このように、USIM情報の交換処理が行われた後に、USIM情報の交換処理が行われた旨を表示することにより、交換相手の無線端末装置を所有するユーザがUSIM情報の交換処理が行われたことを容易に把握することができる。
また、USIM情報交換制御部280は、USIM情報書換指示情報を第1の無線端末装置300に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(415乃至418)。このUSIM情報書換指示情報には、第1の無線端末装置300のUSIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を、第2の通信事業者50に係るUSIM情報に書き換えるための情報が含まれる。
また、第1の無線端末装置300がUSIM情報書換指示情報を受信すると(418)、USIM情報の書換を承認する旨を示すUSIM情報書換承認情報が、第1の無線端末装置300から情報処理装置200に送信される(419乃至422)。すなわち、第1の無線端末装置300の制御部330が、USIM情報書換承認情報を情報処理装置200に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(419乃至422)。
また、第1の無線端末装置300のUSIM情報書換部360は、その受信したUSIM情報書換指示情報に基づいて、USIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を書き換える(423)。すなわち、第1の通信事業者40に係るUSIM情報から、第2の通信事業者50に係るUSIM情報に書き換える。この書換処理により、第1の無線端末装置300は、第2の通信事業者50(第2のネットワーク制御装置120)に接続可能となる。
第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400からUSIM情報書換承認情報を受信した場合には(413、422)、USIM情報交換制御部280は、各端末に関する情報をUSIM情報交換端末リスト保持部290に記録する。また、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400からUSIM情報書換承認情報を受信した場合には(413、422)、USIM情報交換制御部280は、第2のネットワーク制御装置120に接続要求を送信する(424、425)。この接続要求は、第1の無線端末装置300からの接続要求である。
その接続要求を受信すると(425)、第2のネットワーク制御装置120は、第2の無線端末装置400との間で接続処理を行う(426、427)。続いて、第2のネットワーク制御装置120は、接続承認情報を第1の無線端末装置300に送信する(427、428)。接続承認情報を受信すると(428)、第1の無線端末装置300は、第2のネットワーク制御装置120との間で通信可能となる。これにより、ユーザ20は、第1の無線端末装置300を用いて第2のネットワーク制御装置120を介して所望のサービス(例えば、動画サービス)の提供を受けることができる。
また、第1の無線端末装置300および第2のネットワーク制御装置120間の通信処理が終了した場合には、第1の無線端末装置300から第2のネットワーク制御装置120に終了要求が送信される(431、432)。終了要求を受信すると(431)、第2のネットワーク制御装置120は接続終了処理を行う(433、434)。続いて、第2のネットワーク制御装置120は、接続終了処理完了情報を第1の無線端末装置300に送信する(435、436)。これにより、第1の無線端末装置300および第2のネットワーク制御装置120間の通信が完了する。
続いて、第2のネットワーク制御装置120は、接続終了処理完了情報を情報処理装置200に送信する(437、438)。
続いて、USIM情報交換制御部280は、USIM情報復元指示情報を第1の無線端末装置300に第2のネットワーク制御装置120を介して送信する(439乃至442)。このUSIM情報復元指示情報には、第1の無線端末装置300のUSIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を、第1の通信事業者40に係るUSIM情報に書き換えるための情報が含まれる。
また、第1の無線端末装置300がUSIM情報復元指示情報を受信すると(442)、USIM情報の復元を承認する旨を示すUSIM情報復元承認情報が、第1の無線端末装置300から情報処理装置200に送信される(443乃至446)。すなわち、第1の無線端末装置300の制御部330が、USIM情報復元承認情報を情報処理装置200に第2のネットワーク制御装置120を介して送信する(443乃至446)。
また、第1の無線端末装置300のUSIM情報書換部360は、その受信したUSIM情報復元指示情報に基づいて、USIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を書き換える(455)。すなわち、第2の通信事業者50に係るUSIM情報から、第1の通信事業者40に係るUSIM情報に書き換える。この復元処理により、第1の無線端末装置300は、第1の通信事業者40(第1のネットワーク制御装置110)に接続可能となる。
また、USIM情報交換制御部280は、USIM情報復元指示情報を第2の無線端末装置400に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(447乃至450)。このUSIM情報復元指示情報には、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を、第2の通信事業者50に係るUSIM情報に書き換えるための情報が含まれる。
また、第2の無線端末装置400がUSIM情報復元指示情報を受信すると(450)、USIM情報の復元を承認する旨を示すUSIM情報復元承認情報が、第2の無線端末装置400から情報処理装置200に送信される(451乃至454)。すなわち、第2の無線端末装置400の制御部330が、USIM情報復元承認情報を情報処理装置200に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(451乃至454)。
また、第2の無線端末装置400のUSIM情報書換部360は、その受信したUSIM情報復元指示情報に基づいて、USIM情報記憶部370に記憶されているUSIM情報を書き換える(456)。すなわち、第1の通信事業者40に係るUSIM情報から、第2の通信事業者50に係るUSIM情報に書き換える。この復元処理により、第2の無線端末装置400は、第2の通信事業者50(第2のネットワーク制御装置120)に接続可能となる。
ここで、現在の携帯電話サービスにおいて、ユーザは各通信事業者と契約を行い、基本的には、契約した通信事業者の携帯電話網の利用のみが許される。また、複数の通信事業者との間でそれぞれ契約を行い、複数のUSIM情報を1つの端末に挿して、地域に応じてユーザがUSIM情報を切り替えて使うことが行われている。例えば、ある通信事業者の通信サービスに接続を試みて、十分なレートが得られていないと体感した後に、別の通信事業者の通信サービスに接続を試みることになる。しかし、別の通信事業者の通信サービスを利用した場合でも、通信レートが改善する保証もない。
これに対して、本発明の第1の実施の形態では、無駄な通信を行うことなく、その地域で最適な通信サービスを提供することができる。すなわち、同一地域における各事業者の基地局の混雑度が異なる場合に、USIM情報の交換を情報処理装置200が仲介することにより、混雑度の少ない基地局を各ユーザが容易に使用することができる。すなわち、適切な無線接続サービスを提供することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、各事業者の基地局を利用可能な無線端末装置の総数を増やすことなく、基地局の接続権(USIM情報に基づく接続権)を容易に交換することが可能となる。また、混雑度に応じて、基地局の接続権の交換を行うため、ユーザは、高い確率で混雑度の少ない基地局を利用することができる。すなわち、受信電力の観点でカバレージ内となる全ての基地局の中から、最も混雑度の少ない基地局に対するUSIM情報交換候補を検出するため、USIM情報トレードによる通信環境の大きな改善が期待できる。
また、USIM情報の交換処理をした後に、所望の通信サービスの利用を終了した際には、交換前のUSIM情報に容易に復元することができる。
[情報処理装置の動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置200の動作について図面を参照して説明する。
図13は、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置200によるUSIM情報交換制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、ネットワーク制御装置を介して無線端末装置から送信される接続要求を接続情報受付部270が受け付けたか否かが判断され(ステップS921)、無線端末装置からの接続要求が受け付けられていない場合には、監視を継続して行う。
無線端末装置からの接続要求が受け付けられた場合には(ステップS921)、USIM情報交換制御部280が、USIM情報交換候補リスト保持部260のUSIM情報交換候補リストを確認する(ステップS922)。そして、USIM情報交換制御部280が、接続要求を送信した無線端末装置について、USIM情報交換候補が存在するか否かを判断する(ステップS923)。すなわち、図7に示すUSIM情報交換候補リスト保持部260を参照して、接続要求を送信した無線端末装置について、USIM情報交換候補(通信事業者)が存在するか否かが判断される。
接続要求を送信した無線端末装置について、USIM情報交換候補が存在する場合には(ステップS923)、USIM情報交換制御部280が、USIM情報交換処理を行う(ステップS924)。すなわち、接続要求を送信した無線端末装置と、これと相補関係となる無線端末装置(USIM情報交換候補の無線事業者に接続可能な端末)との間で、互いに保持しているUSIM情報を交換する交換処理が行われる。この交換処理が終了した場合には、この交換処理に係る2つの無線端末装置がUSIM情報交換端末としてUSIM情報交換端末リスト保持部290に記録される。
続いて、USIM情報交換制御部280が、接続要求を送信した無線端末装置に新たに保持されたUSIM情報(交換処理により書き換えられたUSIM情報)に係る通信事業者に、その接続要求を送信する(ステップS925)。これにより、接続要求を送信した無線端末装置と、交換処理により書き換えられたUSIM情報に係る通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で接続処理が行われる。そして、接続要求を送信した無線端末装置は、交換処理により書き換えられたUSIM情報に係る通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で通信可能となる。これにより、ユーザが、交換処理により書き換えられたUSIM情報を用いて、このUSIM情報に係るネットワーク制御装置を介して所望のサービス(例えば、動画サービス)の提供を受けることができる。
続いて、USIM情報交換制御部280が、その接続要求を送信した通信事業者(ネットワーク制御装置)から接続終了処理完了情報を受信したか否かを判断し(ステップS926)、その接続終了処理完了情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。また、その接続要求を送信した通信事業者(ネットワーク制御装置)から接続終了処理完了情報を受信した場合には(ステップS926)、USIM情報交換制御部280が、USIM情報復元処理を行う(ステップS927)。すなわち、USIM情報交換端末リスト保持部290に記録されている2つの無線端末装置(接続要求を送信した無線端末装置、この交換相手の無線端末装置)間で、交換したUSIM情報を復元する復元処理が行われる。この復元処理が終了した場合には、この復元処理に係る2つの無線端末装置がUSIM情報交換端末リスト保持部290から削除される。これにより、復元処理に係る2つの無線端末装置は、契約している通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で通信可能となる。
また、USIM情報交換候補が存在しない場合には(ステップS923)、USIM情報交換制御部280が、接続要求を送信した無線端末装置に保持されているUSIM情報に係る通信事業者に、その接続要求を送信する(ステップS928)。これにより、接続要求を送信した無線端末装置と、この無線端末装置に保持されているUSIM情報に係る通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で接続処理が行われる。そして、接続要求を送信した無線端末装置は、契約している通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で通信可能となる。
このように、この例では、USIM情報交換候補として抽出された通信事業者に係る基地局に接続する第2の接続権(USIM情報に基づく接続権)を有する第2の無線端末装置に第1の無線端末装置から第1の接続権を移転させる。この移転とともに、第1の無線端末装置に第2の無線端末装置から第2の接続権(USIM情報に基づく接続権)を移転させる(交換制御手順)。例えば、第1の接続権に基づいて第1の通信事業者に係る基地局に接続するための接続要求が第1の無線端末装置から送信された場合にその移転を行い、その後に、第2の接続権に基づいて第2の通信事業者に係る基地局と第1の無線端末装置とを接続させる。また、その接続要求に基づく無線通信サービスの利用が終了した場合に、第2の接続権を第1の無線端末装置から第2の無線端末装置に移転させる。この移転とともに、第1の接続権を第2の無線端末装置から第1の無線端末装置に移転させる(復元制御手順)。なお、ステップS921乃至S925は、特許請求の範囲に記載の交換制御手順の一例である。また、ステップS926およびS927は、特許請求の範囲に記載の復元制御手順の一例である。
[ハンドオーバ時における動作例]
次に、通信事業者と接続中の無線端末装置がハンドオーバとなった場合における情報処理装置200の動作について図面を参照して説明する。
図14は、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置200によるUSIM情報交換制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、通信事業者(ネットワーク制御装置)と接続中のハンドオーバが検出されたか否かが判断され(ステップS931)、ハンドオーバが検出されない場合には、監視を継続して行う。
ハンドオーバが検出された場合には(ステップS931)、USIM情報交換制御部280が、USIM情報交換候補リスト保持部260のUSIM情報交換候補リストを確認する(ステップS932)。そして、USIM情報交換制御部280が、そのハンドオーバが検出された無線端末装置について、USIM情報交換候補が存在するか否かを判断する(ステップS933)。
その無線端末装置について、USIM情報交換候補が存在する場合には(ステップS933)、USIM情報交換制御部280が、USIM情報交換処理を行う(ステップS934)。
続いて、USIM情報交換制御部280が、接続要求を送信した無線端末装置に新たに保持されたUSIM情報(交換処理により書き換えられたUSIM情報)に係る通信事業者に、ハンドオーバ要求を送信する(ステップS935)。このハンドオーバ要求により、交換処理により書き換えられたUSIM情報に係る通信事業者によりハンドオーバが許可される。この許可後に、ハンドオーバが検出された無線端末装置と、交換処理により書き換えられたUSIM情報に係る通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で接続処理が行われる。そして、ハンドオーバが検出された無線端末装置は、交換処理により書き換えられたUSIM情報に係る通信事業者(ネットワーク制御装置)との間で通信可能となる。
続いて、USIM情報交換制御部280が、ハンドオーバ要求を送信した通信事業者(ネットワーク制御装置)から接続終了処理完了情報を受信したか否かを判断し(ステップS936)、その接続終了処理完了情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。また、ハンドオーバ要求を送信した通信事業者(ネットワーク制御装置)から接続終了処理完了情報を受信した場合には(ステップS936)、USIM情報交換制御部280が、USIM情報復元処理を行う(ステップS937)。すなわち、USIM情報交換端末リスト保持部290に記録されている2つの無線端末装置(接続要求を送信した無線端末装置、この交換相手の無線端末装置)間で、交換したUSIM情報を復元する復元処理が行われる。この復元処理が終了した場合には、この復元処理に係る2つの無線端末装置がUSIM情報交換端末リスト保持部290から削除される。
また、USIM情報交換候補が存在しない場合には(ステップS923)、USIM情報交換制御部280が、ハンドオーバ前に接続していた通信事業者との接続を維持する処理を行う(ステップS938)。
[通信事業者の選択例]
以上では、情報処理装置200がUSIM情報交換候補リストを参照してUSIM情報の交換相手となる無線端末装置を選択する例を示した。ただし、上述したように、1つの無線端末装置について複数の通信事業者をUSIM情報交換候補として登録することが可能である。このため、これらの複数の通信事業者のうちから、交換相手となる無線端末装置に係る通信事業者を選択することも可能である。そこで、この例では、情報処理装置200からUSIM情報交換候補リストを取得してUSIM情報の交換相手となる通信事業者を、接続要求を行う無線端末装置が選択する例を示す。
[各装置間における通信例]
図15および図16は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300に表示される表示画面例を示す図である。これらの表示画面については、図17に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。なお、図15および図16では、第1の無線端末装置300において通信事業者の選択操作を行う例を示すが、他の無線端末装置についても同様に行うことができる。
図17は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図17は、図11および図12の一部を変形したものである。このため、図11および図12と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
図15には、通信事業者を自動で選択する自動選択機能のオン/オフを設定する際に表示される表示画面の一例(表示画面460)を示す。表示画面460には、ラジオボタン461と、OKボタン462と、戻るボタン463とが表示される。
ラジオボタン461は、自動選択機能のオン/オフを選択するためのラジオボタンである。
OKボタン462は、ラジオボタン461の何れかを選択する押下操作がされた後に、その選択を確定する際に押下されるボタンである。
戻るボタン463は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。なお、図16に示す戻るボタン467および469についても同様である。
例えば、自動選択機能オフ(手動選択機能オン)のラジオボタン461の選択操作が行われた後に、OKボタン462の押下操作が行われた場合には、手動選択機能が設定される。このように手動選択機能が設定されている場合には、USIM情報交換候補をユーザに選択させるための選択画面464(図16(a)に示す)が表示部350に表示される。
また、例えば、自動選択機能オンのラジオボタン461の選択操作が行われた後に、OKボタン462の押下操作が行われた場合には、自動選択機能が設定される。このように自動選択機能が設定されている場合には、USIM情報交換候補をユーザに選択させるための選択画面は表示部350に表示されない。また、第1の無線端末装置300が接続要求を行った場合には、第1の無線端末装置300の制御部330によりUSIM情報交換候補が自動で選択される。
最初に、情報処理装置200は、定期的または不定期に、USIM情報交換候補リスト保持部260に保持されているUSIM情報交換候補リストを各無線端末装置に各ネットワーク制御装置を介して送信する(471乃至474)。なお。図17では、情報処理装置200が、USIM情報交換候補リスト保持部260に保持されているUSIM情報交換候補リストを第1の無線端末装置300に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する例を示す。また、無線端末装置からの要求に応じてUSIM情報交換候補リストをその要求に係る無線端末装置に適宜送信するようにしてもよい。
情報処理装置200からのUSIM情報交換候補リストを受信すると(474)、第1の無線端末装置300の制御部330は、そのUSIM情報交換候補リストを表示部350に表示させる(475)。例えば、ユーザ操作または自動でUSIM情報交換候補リストが表示部350に表示される。この表示例を図16に示す。
図16には、情報処理装置200から送信されたUSIM情報交換候補リストが表示部350に表示される表示画面の一例を示す。図16(a)には、USIM情報交換候補が存在する場合における表示例(表示画面464)を示し、図16(b)には、USIM情報交換候補が存在しない場合における表示例(表示画面468)を示す。
図16(a)に示す表示画面464には、ラジオボタン465と、OKボタン466と、戻るボタン467とが表示される。
ラジオボタン465は、ユーザが所望する通信事業者を選択するためのラジオボタンである。例えば、USIM情報交換候補となっている通信事業者に関する情報(例えば、通信事業者名)と、候補の順番とが、対応するラジオボタン465に並べて表示される。
OKボタン466は、ラジオボタン465の何れかを選択する押下操作がされた後に、その選択を確定する際に押下されるボタンである。なお、選択操作が行われずに、OKボタン466の押下操作のみが行われた場合には、第1候補となっている通信事業者が選択されるものとする。
図16(b)に示す表示画面468には、メッセージとともに戻るボタン469が表示される。すなわち、USIM情報交換候補が存在しない場合には、USIM情報交換候補を選択することができないため、その旨のみが表示される。
例えば、図16(a)に示す表示画面464が表示部350に表示されている場合に(475)、USIM情報交換候補を選択する選択操作が行われる(476)。例えば、第2の通信事業者(第1候補)のラジオボタン465の選択操作が行われた後に、OKボタン466の押下操作が行われた場合には、USIM情報交換候補として第2の通信事業者が設定される。なお、USIM情報交換候補の設定操作が行われてから一定時間が経過した場合には、第1の無線端末装置300が移動してセルが変更されたり、セルの混雑度が変更したりする可能性も考えられる。そこで、USIM情報交換候補の設定操作が行われてから一定時間が経過した場合には、その設定内容を消去して新たな設定を促す画面を表示するようにしてもよい。
また、USIM情報交換候補が設定された後に、接続要求を行うユーザ操作が行われた場合には、接続要求が第1の無線端末装置300から情報処理装置200に第1のネットワーク制御装置110を介して送信される(477乃至480)。その接続要求には、USIM情報交換候補として選択された通信事業者(第2の通信事業者)に関する情報(選択情報)が含まれる。なお、自動選択機能が設定されている場合には、情報処理装置200から送信されたUSIM情報交換候補リストの中からUSIM情報交換候補が制御部330により自動で選択される。このため、接続要求には、USIM情報交換候補として自動選択された通信事業者に関する情報(選択情報)が含まれる。
第1の無線端末装置300からの接続要求を受信すると(480)、情報処理装置200は、その接続要求に含まれる選択情報に係る通信事業者に対するUSIM情報交換候補を抽出する(481)。すなわち、接続情報受付部270は、第1の無線端末装置300からの接続要求を受信すると、その接続要求をUSIM情報交換制御部280に出力する。続いて、USIM情報交換制御部280は、USIM情報交換候補リスト保持部260に保持されているUSIM情報交換候補リストを取得する。続いて、USIM情報交換制御部280は、取得されたUSIM情報交換候補リストを参照して、その接続要求に含まれる選択情報に係る通信事業者に接続可能な無線端末装置(相補関係となる端末)を抽出する(481)。
続いて、抽出された無線端末装置にUSIM情報書換指示情報をネットワーク制御装置を介して送信する(482、407乃至409)。例えば、抽出された無線端末装置(第2の無線端末装置400)にUSIM情報書換指示情報が第2のネットワーク制御装置120を介して送信される(482、407乃至409)。以降の処理については、図11および図12と略同様であるため、ここでの説明を省略する。
このように、この例では、USIM情報交換候補として複数の通信事業者を抽出する。そして、その抽出された複数の通信事業者のうちから第1の無線端末装置300において選択された1つの通信事業者に係る基地局に接続する接続権を有する無線端末装置を、交換相手の無線端末装置とする。
このように、情報処理装置200から送信されたUSIM情報交換候補リストを表示して、通信事業者をユーザが選択することにより、ユーザが所望する通信事業者を容易に用いることができる。すなわち、第1の無線端末装置300は、予め契約をしている第1の通信事業者40以外にも、契約をしていない通信事業者を選択しておき、この選択された通信事業者の提供する通信サービスを容易に受けることができる。
[混雑度情報の取得例]
以上では、情報処理装置200の混雑度情報取得部230が、各ネットワーク制御装置から混雑度情報を取得してその混雑度情報を混雑度情報保持部240に保持する例を示した。ここで、例えば、無線端末装置が待ち受け状態である場合には、基地局の混雑度に関する情報を取得することもできる。そこで、この例では、無線端末装置により取得された情報(混雑度情報)を、混雑度情報取得部230が取得してその情報を混雑度情報保持部240に保持する例を示す。
例えば、符号分割多重接続方式においては、各無線端末装置は、待ち受け時にセルサーチに伴う周辺セルを含めたパイロット信号の相関検出を行っている。このため、これらの相関検出値に基づいて混雑度を算出することができる。
また、直交周波数分割多元接続方式においては、サブキャリアの割り当て情報が各無線端末装置に送信される。このため、その情報に含まれるフレーム毎の全サブキャリア数に対する、実際に割り当てられたサブキャリア数の割合に基づいて混雑度を算出することができる。
このように、各基地局の混雑度を、その基地局に接続可能な無線端末装置から取得することができる。そして、無線端末装置により取得された情報(混雑度情報)が情報処理装置200に順次送信され、混雑度情報取得部230により取得される。また、無線端末装置を用いて基地局の混雑度の検出を行い、位置情報と紐付けて混雑度の情報を無線端末装置に集約しておくことができる。この場合には、通信事業者から混雑度に関する情報の開示を無線端末装置が受けなくても、基地局の混雑度の把握が可能となる。
ここで、混雑度情報取得部230は、混雑度を取得するのみではなく、各無線端末装置が検出する混雑度に関連した通信レートの履歴情報を取得して、その履歴情報を混雑度情報として混雑度情報保持部240に保持するようにしてもよい。この場合には、USIM情報交換候補を抽出する際に、混雑度を用いる代わりにその通信レートの履歴情報を混雑度情報として用いるようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、無線端末装置の位置および基地局の混雑度に基づいてUSIM情報交換候補を抽出する例を示した。ここで、ユーザが無線端末装置を使用しない期間(未使用期間)については、その無線端末装置の位置や基地局の混雑度を考慮せずに、その無線端末装置をUSIM情報交換候補として選択することが考えられる。そこで、本発明の第2の実施の形態では、無線端末装置の未使用期間を利用してUSIM情報交換候補を選択する例を示す。なお、本発明の第2の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[情報処理装置の構成例]
図18は、本発明の第2の実施の形態における情報処理装置600の機能構成例を示すブロック図である。なお、情報処理装置600は、図4に示す情報処理装置200の変形例である。このため、情報処理装置200と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
情報処理装置600は、未使用期間情報取得部610と、無線端末装置情報保持部620と、USIM情報交換候補抽出部630と、USIM情報交換候補リスト保持部640と、仮想書換済端末リスト保持部650と、USIM情報交換制御部660とを備える。
未使用期間情報取得部610は、各無線端末装置において設定される未使用期間に関する情報(未使用期間情報)を第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から取得するものである。また、未使用期間情報取得部610は、取得された未使用期間情報を無線端末装置情報保持部620に保持させる。なお、未使用期間情報取得部610は、定期的または不定期に第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から未使用期間情報を取得して、無線端末装置情報保持部620に保持されている未使用期間情報を順次更新する。なお、未使用期間情報の設定方法については、図22、図23を参照して詳細に説明する。
無線端末装置情報保持部620は、未使用期間情報取得部610により取得された未使用期間情報と、これに対応する無線端末装置に関する情報(無線端末装置情報(例えば、端末識別情報))とを関連付けて保持するものである。また、無線端末装置情報保持部620は、保持されている未使用期間情報および無線端末装置情報を、USIM情報交換候補抽出部630およびUSIM情報交換制御部660に供給する。すなわち、無線端末装置情報保持部620により、各無線端末装置の未使用期間情報が管理される。なお、無線端末装置情報保持部620の保持内容については、図19を参照して詳細に説明する。
USIM情報交換候補抽出部630は、無線端末装置情報保持部620に保持されている位置情報および未使用期間情報と、混雑度情報保持部240に保持されている混雑度情報とに基づいて、USIM情報交換候補となる無線事業者を抽出するものである。また、USIM情報交換候補抽出部630は、抽出された通信事業者のリストをUSIM情報交換候補リスト保持部640に保持させる。
USIM情報交換候補リスト保持部640は、USIM情報交換候補抽出部630により、USIM情報交換候補として抽出された通信事業者のリストを保持するものであり、保持されている通信事業者のリストをUSIM情報交換制御部660に供給する。
仮想書換済端末リスト保持部650は、USIM情報交換制御部660による交換処理に係る2つの無線端末装置のうち、未使用状態となっている無線端末装置のリストを保持するものである。
USIM情報交換制御部660は、接続情報受付部270から接続要求に係る接続情報が出力された場合に、その接続要求を送信した無線端末装置についてUSIM情報交換処理を行うものである。また、USIM情報交換制御部660は、USIM情報交換処理を行った2つの無線端末装置のうち、未使用状態となっている無線端末装置のリストを仮想書換済端末リスト保持部650に保持させる。
[無線端末装置情報保持部の内容例]
図19は、本発明の第2の実施の形態における無線端末装置情報保持部620の保持内容の一例を模式的に示す図である。
無線端末装置情報保持部620は、各無線端末装置に関する情報(無線端末装置情報)を保持する保持部である。具体的には、無線端末装置情報保持部620には、端末識別情報221と、位置情報222と、通信事業者識別情報223と、未使用期間情報621とが関連付けて保持される。なお、端末識別情報221、位置情報222および通信事業者識別情報223については、図5に示す例と同様であるため、ここでの説明を省略する。
未使用期間情報621は、無線端末装置においてユーザ操作により設定される未使用期間に関する情報(未使用期間情報)である。すなわち、無線端末装置に保持されているUSIM情報が未使用状態となっている無線端末装置に関する情報(端末識別情報)が格納される。
[USIM情報交換候補リスト保持部の内容例]
図20は、本発明の第2の実施の形態におけるUSIM情報交換候補リスト保持部640の保持内容の一例を模式的に示す図である。
USIM情報交換候補リスト保持部640は、USIM情報交換候補として抽出された無線端末装置のリストを保持する保持部である。具体的には、USIM情報交換候補リスト保持部640には、端末識別情報261と、通信事業者識別情報262と、USIM情報交換候補情報263と、未使用端末情報641とが関連付けて保持される。なお、端末識別情報261、通信事業者識別情報262およびUSIM情報交換候補情報263については、図7に示す例と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、未使用端末情報641は、図19に示す未使用期間情報621に対応する。すなわち、未使用端末情報641には、USIM情報交換候補情報263に格納されている通信事業者に接続可能な無線端末装置のうち、未使用状態となっている無線端末装置に関する情報(端末識別情報)が格納される。
[仮想書換済端末リスト保持部の内容例]
図21は、本発明の第2の実施の形態における仮想書換済端末リスト保持部650の保持内容の一例を模式的に示す図である。
仮想書換済端末リスト保持部650は、USIM情報交換制御部660による交換処理に係る2つの無線端末装置のうち、未使用状態となっている無線端末装置のリストを保持する保持部である。具体的には、仮想書換済端末リスト保持部650には、未使用期間中の端末識別情報651と、未使用期間中の端末が接続可能な通信事業者識別情報652とが関連付けて保持される。なお、未使用期間中の端末識別情報651は、図19に示す端末識別情報221に対応する。また、未使用期間中の端末が接続可能な通信事業者識別情報652は、図19に示す通信事業者識別情報223に対応する。
[未使用期間の設定例]
次に、ユーザ操作に基づいて未使用期間を設定する例を示す。
[機内モードの設定操作に基づく未使用期間の設定例]
図22は、本発明の第2の実施の形態における第1の無線端末装置300の機内モード設定処理を示すシーケンスチャートである。なお、この例では、第1の無線端末装置300において機内モードを設定する例を示すが、他の無線端末装置についても同様である。ここで、機内モードは、無線端末装置を航空機内でも使用することができるように、無線端末装置の電波を送受信しない状態に切り替えるモードを意味する。
最初に、第1の無線端末装置300において機内モードが設定されていない場合を想定する。この場合に、操作受付部340において機内モードを設定するためのユーザ操作(オン操作)が受け付けられたものとする(671)。機内モードのオン操作が受け付けられた場合には(671)、未使用期間の開始信号を、第1の無線端末装置300が情報処理装置600に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(672、673)。
未使用期間の開始信号を未使用期間情報取得部610が受信すると(673)、未使用期間の開始信号を送信した無線端末装置(第1の無線端末装置300)を無線端末装置情報保持部620に登録する(674)。すなわち、無線端末装置情報保持部620の第1の無線端末装置300に対応する未使用期間情報621に「未使用」が記録される。
また、第1の無線端末装置300において機内モードが設定されている場合を想定する。この場合に、操作受付部340において機内モードを解除するためのユーザ操作(オフ操作)が受け付けられたものとする(675)。機内モードのオフ操作が受け付けられた場合には(675)、未使用期間の終了信号を、第1の無線端末装置300が情報処理装置600に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(676、677)。
未使用期間の終了信号を未使用期間情報取得部610が受信すると(677)、未使用期間の終了信号を送信した無線端末装置(第1の無線端末装置300)を無線端末装置情報保持部620に登録する(678)。すなわち、無線端末装置情報保持部620の第1の無線端末装置300に対応する未使用期間情報621に「使用中」が記録される。
[電源のオンオフ操作に基づく未使用期間の設定例]
図23は、本発明の第2の実施の形態における第1の無線端末装置300の電源オンオフ処理を示すシーケンスチャートである。なお、この例では、第1の無線端末装置300をおいて電源をオンオフする例を示すが、他の無線端末装置についても同様である。
最初に、第1の無線端末装置300において電源オン状態である場合を想定する。この場合に、操作受付部340において電源をオフするためのユーザ操作(電源オフ操作)が受け付けられたものとする(680)。電源オフ操作が受け付けられた場合には(680)、未使用期間の開始信号を、第1の無線端末装置300が情報処理装置600に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(681、682)。また、第1の無線端末装置300において電源オフ処理が行われる(684)。
未使用期間の開始信号を未使用期間情報取得部610が受信すると(682)、未使用期間の開始信号を送信した無線端末装置(第1の無線端末装置300)を無線端末装置情報保持部620に登録する(683)。すなわち、無線端末装置情報保持部620の第1の無線端末装置300に対応する未使用期間情報621に「未使用」が記録される。
また、第1の無線端末装置300において電源オフ状態である場合を想定する。この場合に、操作受付部340において電源をオンするためのユーザ操作(電源オン操作)が受け付けられたものとする(685)。電源オン操作が受け付けられた場合には(685)、第1の無線端末装置300において電源オン処理が行われる(686)。続いて、未使用期間の終了信号を、第1の無線端末装置300が情報処理装置600に第1のネットワーク制御装置110を介して送信する(687、688)。
未使用期間の終了信号を未使用期間情報取得部610が受信すると(688)、未使用期間の終了信号を送信した無線端末装置(第1の無線端末装置300)を無線端末装置情報保持部620に登録する(689)。すなわち、無線端末装置情報保持部620の第1の無線端末装置300に対応する未使用期間情報621に「使用中」が記録される。
なお、本発明の第2の実施の形態では、未使用期間を設定する設定方法として、機内モードの設定操作、電源のオンオフ操作に基づいて未使用期間を設定する例を示した。ただし、他のユーザ操作(例えば、未使用期間の設定操作)に基づいて、未使用期間を設定するようにしてもよい。例えば、第1の無線端末装置300を使用しない期間に関する情報(未使用期間情報)を、ユーザ操作に基づいて、第1の無線端末装置300から情報処理装置600に送信することができる。
また、第1の無線端末装置300を使用しない期間の開始(未使用期間の開始情報)を、ユーザ操作に基づいて第1の無線端末装置300から情報処理装置600に送信することができる。この場合には、第1の無線端末装置300の使用開始に関する情報(未使用期間の終了情報)が、第1の無線端末装置300から送信されるまでの期間を、情報処理装置600は、第1の無線端末装置300を使用しない期間と判断することができる。
[USIM情報交換候補抽出例]
上述したように設定される未使用期間情報を用いて、USIM情報交換候補抽出部630は、USIM情報交換候補を抽出する。
具体的には、USIM情報交換候補抽出部630は、無線端末装置情報保持部620に保持されている位置情報222および未使用期間情報621と、混雑度情報保持部240に保持されている混雑度情報243とに基づいて、USIM情報交換候補を抽出する。
例えば、本発明の第1の実施の形態と同様に、第1の無線端末装置300のUSIM情報交換候補として、第2の通信事業者50が抽出された場合を想定する。この場合には、USIM情報交換候補抽出部630は、無線端末装置情報保持部620の通信事業者識別情報223を参照して、第2の通信事業者50に係るUSIM情報を保持している無線端末装置を抽出する。続いて、USIM情報交換候補抽出部630は、無線端末装置情報保持部620の未使用期間情報621を参照して、抽出された無線端末装置の中から、未使用として登録されている無線端末装置を抽出する。ここで、未使用として登録されている無線端末装置が存在する場合には、その無線端末装置を第1の通信事業者40に対するUSIM情報交換候補として、その端末識別情報をUSIM情報交換候補リスト保持部640の未使用端末情報641に保持させる。
また、USIM情報交換制御部660は、USIM情報交換候補リスト保持部640の未使用端末情報641に端末識別情報が保持されている無線端末装置をUSIM情報の交換相手として、USIM情報交換処理を行う。なお、未使用端末情報641に複数の端末識別情報が保持されている場合には、そのうちの何れかを交換相手とする。また、USIM情報交換制御部660は、USIM情報交換処理を行った2つの無線端末装置のうち、未使用状態となっている無線端末装置のリストを仮想書換済端末リスト保持部650に保持させる。
[情報処理装置の動作例]
次に、本発明の第2の実施の形態における情報処理装置600の動作について図面を参照して説明する。
図24は、本発明の第2の実施の形態におけるUSIM情報交換制御部660による仮想書換済端末リスト登録制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この例では、接続要求が行われた際における処理手順を示す。
最初に、USIM情報交換候補リスト保持部640の未使用端末情報641に基づいて、USIM情報書換指示情報の送信先が未使用状態となっている無線端末装置であるか否かが判断される(ステップS941)。USIM情報書換指示情報の送信先が未使用状態となっている無線端末装置でない場合には(ステップS941)、その無線端末装置にUSIM情報書換指示情報が送信される(ステップS942)。
USIM情報書換指示情報の送信先が未使用状態となっている無線端末装置である場合には(ステップS941)、その無線端末装置が仮想書換済端末リスト保持部650に登録される(ステップS943)。このように、仮想書換済端末リスト保持部650に登録されている無線端末装置については、未使用期間中は無線機能を使用しない、若しくは、無線機能が使用できないため、各種情報の送信等が行われない。
続いて、USIM情報復元完了情報を受信したか否かが判断される(ステップS944)。そして、USIM情報復元完了情報を受信していない場合には(ステップS944)、無線端末装置情報保持部620の未使用期間情報621に基づいて、その無線端末装置が未使用状態となっているか否かが判断される(ステップS945)。その無線端末装置が未使用状態となっている場合には(ステップS945)、ステップS944に戻る。一方、その無線端末装置が未使用状態となっていない場合には(ステップS945)、その無線端末装置が仮想書換済端末リスト保持部650から削除され(ステップS946)、その無線端末装置にUSIM情報書換指示情報が送信される(ステップS947)。このようにUSIM情報書換指示情報が送信された後の処理については、本発明の第1の実施の形態と略同様である。
また、USIM情報復元完了情報を受信した場合には(ステップS944)、その無線端末装置が仮想書換済端末リスト保持部650から削除される(ステップS948)。
図25は、本発明の第2の実施の形態におけるUSIM情報交換制御部660による仮想書換済端末リスト登録制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この例では、終了要求が行われた際における処理手順を示す。
最初に、仮想書換済端末リスト保持部650の内容が取得され(ステップS951)、対象となる無線端末装置が仮想書換済端末リストに登録されているか否かが判断される(ステップS952)。
その無線端末装置が仮想書換済端末リストに登録されていない場合には(ステップS952)、その無線端末装置にUSIM情報復元指示情報が送信される(ステップS953)。このようにUSIM情報復元指示情報が送信された後の処理については、本発明の第1の実施の形態と略同様である。
また、その無線端末装置が仮想書換済端末リストに登録されている場合には(ステップS952)、その無線端末装置が仮想書換済端末リスト保持部650から削除される(ステップS954)。
このように、本発明の第2の実施の形態では、1または複数の通信事業者に係る基地局の少なくとも1つに接続する接続権(USIM情報に基づく接続権)を有する各無線端末装置の未使用状態に関する未使用情報を取得する。そして、USIM情報交換候補の通信事業者に係る接続権を有する複数の無線端末装置のうちから、未使用状態とされている無線端末装置をUSIM情報の交換相手として選択する。なお、図22、図23に示す673、677、682、688は、特許請求の範囲に記載の取得手順の一例である。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、ユーザがUSIM情報を使用しない期間を予め通知するため、USIM情報交換候補を効率良く見つけることが可能となる。
<3.第3の実施の形態>
本発明の第1および第2の実施の形態では、2つの無線端末装置間においてUSIM情報を交換する例を示した。ここで、交換後のUSIM情報を用いて通信事業者と通信を行う場合には、予め契約している通信事業者とは異なる通信事業者との間で通信を行うことになる。このため、交換後のUSIM情報を用いて通信事業者との間で通信を行う場合には、適切に課金を行うことが重要である。そこで、本発明の第3の実施の形態では、USIM情報の交換後において課金を行う例を示す。なお、本発明の第3の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[情報処理装置の構成例]
図26は、本発明の第3の実施の形態における情報処理装置700の機能構成例を示すブロック図である。なお、情報処理装置700は、図4に示す情報処理装置200の変形例である。このため、情報処理装置200と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
情報処理装置700は、無線端末装置情報取得部711と、通信単価情報取得部712と、無線端末装置情報保持部720と、接続情報受付部730と、課金情報保持部740と、課金処理部750と、課金情報出力部760とを備える。
無線端末装置情報取得部711は、無線端末装置の位置情報を含む無線端末装置情報を第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から取得するものである。通信単価情報取得部712は、通信単価に関する情報を第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から取得するものである。これらの各情報が無線端末装置情報保持部720に保持される。なお、無線端末装置情報取得部711、通信単価情報取得部712は、定期的または不定期に第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120から各情報を取得する。そして、無線端末装置情報保持部720に保持されている情報を順次更新する。
無線端末装置情報保持部720は、無線端末装置の位置情報とともに、通信費用に関する情報を無線端末装置情報として保持する保持部である。そして、無線端末装置情報保持部720は、保持されている位置情報をUSIM情報交換候補抽出部250に供給し、保持されている情報(通信費用に関する情報)を課金処理部750に供給する。なお、無線端末装置情報保持部720の内容については、図27を参照して詳細に説明する。
接続情報受付部730は、各無線端末装置から送信される接続情報(例えば、接続要求)を、第1のネットワーク制御装置110、第2のネットワーク制御装置120を介して受け付けるものである。そして、その接続情報をUSIM情報交換制御部280および課金処理部750に出力する。
課金情報保持部740は、無線端末装置による通信処理に係る課金情報を保持するものであり、記憶されている課金情報を課金処理部750に供給する。
課金処理部750は、無線端末装置に係る通信費用を算出して課金処理を行うものである。例えば、課金処理部750は、接続情報受付部730からの接続情報と、無線端末装置情報保持部720に記憶されている情報(通信費用に関する情報)と、課金情報保持部740に記憶されている課金情報とを用いて無線端末装置に係る通信費用を算出する。なお、課金処理部750による課金処理については、図29乃至図36を参照して詳細に説明する。
課金情報出力部760は、課金情報保持部740に保持されている課金情報に含まれる通信費用を出力するものである。例えば、所定期間が満了した場合に、課金情報出力部760は、その通信費用を各ネットワーク制御装置に出力する。
[無線端末装置情報保持部の内容例]
図27は、本発明の第3の実施の形態における無線端末装置情報保持部720の保持内容の一例を模式的に示す図である。
無線端末装置情報保持部720は、各無線端末装置に関する情報(無線端末装置情報)を保持する保持部である。具体的には、無線端末装置情報保持部720には、端末識別情報221と、位置情報222と、通信事業者識別情報223と、通信単価情報721とが関連付けて保持される。なお、端末識別情報221、位置情報222および通信事業者識別情報223については、図5に示す例と同様であるため、ここでの説明を省略する。
通信単価情報721は、無線端末装置が無線事業者を介して無線接続サービスを利用する際に課金される通信費用に関する情報(通信単価情報)である。すなわち、無線端末装置に保持されているUSIM情報(交換前のUSIM情報)に係る通信事業者の通信単価情報が格納される。課金処理部750は、通信単価情報721を参照して、交換前後の無線端末に係る課金処理を行う。
[課金情報保持部の内容例]
図28は、本発明の第3の実施の形態における課金情報保持部740の保持内容の一例を模式的に示す図である。
課金情報保持部740は、各無線端末装置に関する課金情報を保持する保持部である。具体的には、課金情報保持部740には、端末識別情報741および課金情報742が関連付けて保持される。
端末識別情報741は、無線端末装置を識別するための識別情報である。
課金情報742は、無線端末装置が無線事業者を介して無線接続サービスを利用する際における通信費用に関する履歴情報(例えば、日付、通信量、加算額)と、通信費用の合計額とを含む情報である。すなわち、無線端末装置が無線事業者を介して無線接続サービスを利用する毎に、履歴情報が記録され、その利用に係る通信費用が順次加算されて合計額が算出される。
[交換前のUSIM情報の保持状態に基づいて課金する例]
図29は、本発明の第3の実施の形態における無線端末装置に関する課金方法を模式的に示す図である。図29では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に関する課金方法を示す。
図29(a)には、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に関する通信状態を時系列で示す。すなわち、図29(a)では、横軸を時間軸とし、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400が通信している状態を矢印(X乃至Zパケット)で模式的に示す。また、各矢印が示す通信に係るパケット量については、各矢印に付す文字(X乃至Zパケット)により示す。
図29(a)に示す例では、最初に、第1の無線端末装置300が第1の通信事業者40のUSIM情報を保持し、第2の無線端末装置400が第2の通信事業者50のUSIM情報を保持しているものとする。この状態で、第1の無線端末装置300が第1の通信事業者40のUSIM情報を用いて通信を行い(Xパケット)、第2の無線端末装置400が第2の通信事業者50のUSIM情報を用いて通信を行ったものとする(Yパケット)。
続いて、USIM情報の交換処理800が行われ、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400におけるUSIM情報が交換されたものとする。この状態で、第1の無線端末装置300が第2の通信事業者50のUSIM情報を用いて通信を行ったものとする(Zパケット)。
続いて、USIM情報の復元処理801が行われ、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400におけるUSIM情報が復元されたものとする。
図29(b)には、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に関する課金方法を示す。すなわち、図29(b)では、課金対象となるパケット量を無線端末装置毎に各列に示す。この無線端末装置毎のパケット量に基づいて、通信費用の合計額が算出される。このように、図29に示す例では、USIM情報が交換された場合には、その交換前のUSIM情報の保持状態に基づいて課金処理が行われる。この場合には、例えば、交換対象となった第2の無線端末装置400のユーザが、第1の無線端末装置300の通信費用(Zパケット分)を負担することになる。
しかしながら、例えば、第2の無線端末装置400のユーザが、第2の通信事業者との間で定額制の契約をしていることも想定される。この場合には、第2の無線端末装置400のユーザは、パケット量とは無関係に通信費用(定額)を第2の通信事業者50に支払うことになる。このため、第2の無線端末装置400のユーザが、第1の無線端末装置300の通信費用(Zパケット分)を実質的に負担することはない。また、第1の無線端末装置300のユーザについても、第1の無線端末装置300の通信費用(Zパケット分)を実質的に負担することはない。
このように、使用対象となる無線端末装置のユーザが、通信事業者との間で定額制の契約をしている場合に、2つの無線端末装置におけるUSIM情報を交換することにより、両者のユーザが負担する通信費用を軽減させることができる。また、混雑度の高い基地局のセルに存在する無線端末装置について、混雑度の低い他の通信事業者の基地局のセルを容易に利用させることができるため、通信事業者にとっては、無線回線の利用効率を高めることができる。すなわち、上限額が設けられた通信サービス内での効率の良い通信サービスの提供が可能となる。
なお、図29(a)に示す例において、USIM情報の交換処理800からUSIM情報の復元処理801までの間(USIM情報交換中)に、第2の無線端末装置400が通信を行う場合を想定する。この場合には、第1の通信事業者40に係るUSIM情報が第2の無線端末装置400に保持されているため、第2の無線端末装置400は、第1の通信事業者40が提供する通信サービスを利用することになる。この利用の際における通信費用については、第1の無線端末装置300に加算される。
[情報処理装置の動作例]
図30は、本発明の第3の実施の形態における情報処理装置700による課金制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
最初に、ネットワーク制御装置を介して無線端末装置から送信される接続要求を接続情報受付部730が受け付けたか否かが判断され(ステップS961)、無線端末装置からの接続要求が受け付けられていない場合には、監視を継続して行う。
無線端末装置からの接続要求が受け付けられた場合には(ステップS961)、課金処理部750が、USIM情報交換制御部280からの情報に基づいて、接続要求を送信した無線端末装置はUSIM情報交換中であるか否かを判断する(ステップS962)。
接続要求を送信した無線端末装置がUSIM情報交換中である場合には(ステップS962)、課金処理部750が、交換後のUSIM情報に係る通信事業者の通信単価情報を取得する(ステップS963)。すなわち、無線端末装置情報保持部720の通信単価情報721のうち、交換相手の無線端末装置に関連付けられている通信単価情報が取得される。
続いて、課金処理部750が、ネットワーク制御装置からの情報に基づいて、接続要求を送信した無線端末装置の通信量を計測する(ステップS964)。続いて、課金処理部750が、計測された通信量と、取得された通信単価情報とに基づいて通信費用を算出する(ステップS965)。
続いて、課金処理部750が、USIM情報の交換相手(接続要求を送信した無線端末装置の交換相手)の課金情報に、その算出された通信費用を記録する(ステップS966)。すなわち、課金情報保持部740の課金情報742の履歴情報としてその通信費用が記録され、課金情報742の合計額にその通信費用が加算される。
また、接続要求を送信した無線端末装置がUSIM情報交換中でない場合には(ステップS962)、課金処理部750が、接続要求を送信した無線端末装置に保持されているUSIM情報に係る通信事業者の通信単価情報を取得する(ステップS967)。すなわち、無線端末装置情報保持部720の通信単価情報721のうち、接続要求を送信した無線端末装置に関連付けられている通信単価情報が取得される。
続いて、課金処理部750が、ネットワーク制御装置からの情報に基づいて、接続要求を送信した無線端末装置の通信量を計測する(ステップS968)。続いて、課金処理部750が、計測された通信量と、取得された通信単価情報とに基づいて通信費用を算出する(ステップS969)。
続いて、課金処理部750が、接続要求を送信した無線端末装置の課金情報に、その算出された通信費用を記録する(ステップS970)。
このように、この例では、第1の接続権および第2の接続権の移転後において、第2の接続権に基づく第1の無線端末装置と、第2の通信事業者に係る基地局との接続後に行われた通信に係る費用を第2の無線端末装置に係る費用として課金する。なお、ステップS963乃至S966は、特許請求の範囲に記載の課金手順の一例である。
[交換後のUSIM情報の保持状態に基づいて課金する例]
図31は、本発明の第3の実施の形態における無線端末装置に関する課金方法を模式的に示す図である。なお、図31は、図29の変形例であり、図31(a)は、図29(a)と同一である。このため、図29と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
図31(b)には、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に関する課金方法を示す。ここで、図29(b)では、USIM情報が交換された場合には、その交換前のUSIM情報の保持状態に基づいて課金処理を行う例を示したが、図31(b)では、その交換後のUSIM情報の保持状態に基づいて課金処理を行う例を示す。例えば、USIM情報交換処理800からUSIM情報復元処理801までの間に、第1の無線端末装置300が第2の通信事業者50のUSIM情報を用いて行った通信(Zパケット)については、その通信費用が第1の無線端末装置300に加算される。すなわち、交換対象となった第2の無線端末装置400のユーザは、第1の無線端末装置300の通信費用(Zパケット分)を負担することはない。
例えば、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の各ユーザが、各通信事業者との間で従量制の契約をしていることも想定される。この場合には、各ユーザは、パケット量に応じて通信費用を各通信事業者に支払うことになる。このため、USIM情報の交換後に生じる通信費用については、その通信を行ったユーザが実質的に負担することが好ましい。このように、各通信事業者の異なる課金方法に対応した通信サービスの提供を可能にすることができる。
[情報処理装置の動作例]
図32は、本発明の第3の実施の形態における情報処理装置700による課金制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、図30の変形例であるため、図30と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。
通信費用が算出された後に(ステップS965)、課金処理部750が、接続要求を送信した無線端末装置の課金情報に、その算出された通信費用を記録する(ステップS971)。
また、通信費用が算出された後に(ステップS969)、課金処理部750が、接続要求を送信した無線端末装置の課金情報に、その算出された通信費用を記録する(ステップS972)。
このように、この例では、第1の接続権および第2の接続権の移転後において、第2の接続権に基づく第1の無線端末装置と、第2の通信事業者に係る基地局との接続後に行われた通信に係る費用を第1の無線端末装置に係る費用として課金する。なお、ステップS963乃至S965、S971は、特許請求の範囲に記載の課金手順の一例である。
なお、交換対象となる各無線端末装置のユーザのうちの少なくとも一人が、通信事業者との間で定額制の契約をしているか否かに基づいて、図29および図30に示す例と、図31および図32に示す例とを切り替えるようにしてもよい。すなわち、通信事業者との間で定額制の契約をしているユーザの無線端末装置に、使用対象の無線端末装置により使用された通信費用を加算することができる。例えば、図30および図32に示すステップS962の後に、交換対象となる各無線端末装置のユーザのうちの少なくとも一人が、通信事業者との間で定額制の契約をしているか否かを判断し、この判断結果に基づいて各処理を行うことができる。
[通信内容に応じて異なる通信単価に基づいて課金する例]
以上では、通信事業者毎の通信単価が同一である場合を例にして説明した。ここで、通信事業者が同一であっても、通信内容(通信サービス)に応じて通信単価が異なることも想定される(例えば、通話サービス、データ通信サービス)。そこで、この例では、通信内容に応じて異なる通信単価に基づいて課金する例を示す。
図33は、本発明の第3の実施の形態における無線端末装置に関する課金方法を模式的に示す図である。なお、図33は、図31の変形例であり、図33(a)は、図29(a)と同一である。このため、図31と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
図33(b)には、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に関する課金方法を示す。ここで、図31(b)では、通信事業者毎の通信単価が同一である場合を示したが、図33(b)では、通信内容(通信サービス)に応じて通信単価が異なる場合を示す(例えば、通話サービス、データ通信サービス)。
例えば、第1の無線端末装置300が第1の通信事業者40のUSIM情報を用いて通信(Xパケット)を行った場合における通信単価が「C円/パケット」であるものとする。また、第2の無線端末装置400が第2の通信事業者50のUSIM情報を用いて通信(Yパケット)を行った場合における通信単価が「D1円/パケット」であるものとする。
また、USIM情報交換処理800からUSIM情報復元処理801までの間に、第1の無線端末装置300が第2の通信事業者50のUSIM情報を用いて通信(Zパケット)を行った場合における通信単価が「D2円/パケット」であるものとする。
このように、通信内容(通信サービス)に応じて通信単価が異なる場合には、その通信に使用されたパケット数と、その通信時における通信単価とに基づいて、その通信費用が算出される。また、通信状態(例えば、混雑状態)等に応じて、定期的または不定期に通信単価が変更される場合についても同様に適用することができる。
[情報処理装置の動作例]
図34は、本発明の第3の実施の形態における情報処理装置700による課金制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、図32の変形例であるため、図32と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。
接続要求を送信した無線端末装置の課金情報に、その算出された通信費用が記録された後に(ステップS971)、その接続要求に係る通信処理が終了したか否かが判断される(ステップS973)。その接続要求に係る通信処理が終了した場合には(ステップS973)、課金制御処理の動作を終了し、その接続要求に係る通信処理が終了していない場合には、ステップS963に戻る。
また、接続要求を送信した無線端末装置の課金情報に、その算出された通信費用が記録された後に(ステップS972)、その接続要求に係る通信処理が終了したか否かが判断される(ステップS974)。その接続要求に係る通信処理が終了した場合には(ステップS974)、課金制御処理の動作を終了し、その接続要求に係る通信処理が終了していない場合には、ステップS967に戻る。
このように、この例では、第1の接続権および第2の接続権の移転後において、第2の接続権に基づく第1の無線端末装置と、第2の通信事業者に係る基地局との接続後に行われた通信に係る費用については、第2の通信事業者に係る通信単価に基づいて算出する。この場合に、第2の接続権に基づく第1の無線端末装置と接続されている基地局の混雑度に基づいて、その通信単価を変更しながら算出することができる。
このように、算出された通信費用の記録後に通信単価情報を順次取得して用いることにより、通信単価が定期的または不定期に変更される場合でも適切な課金処理を行うことができる。例えば、混雑度に応じて動的に変化する通信単価を用いることにより、通信コストに市場原理を反映することが可能となる。
[USIM情報の交換による報酬を課金する例]
以上では、無線端末装置による通信により発生する通信費用を算出する例について説明した。ここで、接続要求を送信した無線端末装置に対してUSIM情報を交換した交換相手の無線端末装置には、その交換に応じたことに対する何らかの優遇を与えることが考えられる。そこで、この例では、USIM情報が交換された場合に、その交換による優遇をその交換相手に与える例を示す。
図35は、本発明の第3の実施の形態における無線端末装置に関する課金方法を模式的に示す図である。なお、図35は、図33の変形例であり、図35(a)は、図33(a)と同一である。このため、図33と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
図35(b)には、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に関する課金方法を示す。ここで、図35(b)では、第1の無線端末装置300からの接続要求に基づいてUSIM情報の交換処理が行われた場合には、第1の無線端末装置300から第2の無線端末装置400に報酬を与える例を示す。例えば、第1の無線端末装置300から、USIM情報の交換相手である第2の無線端末装置400に報酬としてE1円が支払われる。
すなわち、E1円の報酬を支払う第1の無線端末装置300の合計額には、E1円が加算される。一方、E1円の報酬を支払うUSIM情報の交換相手である第2の無線端末装置400の合計額には、−E1円が加算される(すなわち、E1円が減算される)。
このように、USIM情報の交換が行われた場合には、USIM情報の交換相手先に報酬が支払われる。例えば、通信を実行した側のユーザから、USIM情報の交換に応じてくれた側のユーザに対して、報酬が与えられるようにする。このように報酬が与えられることにより、USIM情報の交換を行う際における動機付けとなり、USIM情報交換の運用が活性化される。例えば、本発明の第2の実施の形態に示すように、ユーザ操作により設定される未使用期間に基づいてUSIM情報の交換を行う場合には、その設定を積極的に行うことが考えられる。これにより、混雑度の少ない基地局を有効に活用することができ、周波数リソースを有効活用することができる。すなわち、ユーザの利益と、無線通信環境とをともに向上させることができる。
[情報処理装置の動作例]
図36は、本発明の第3の実施の形態における情報処理装置700による課金制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、図34の変形例であるため、図34と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。
無線端末装置からの接続要求が受け付けられた場合には(ステップS961)、課金処理部750が、その接続要求によりUSIM情報交換処理が行われたか否かを判断する(ステップS981)。すなわち、USIM情報交換制御部280からの情報に基づいて、その接続要求によりその接続要求を送信した無線端末装置について、USIM情報交換処理が行われたか否かが判断される。その接続要求によりUSIM情報交換処理が行われていない場合には(ステップS981)、ステップS967に進む。
また、その接続要求によりUSIM情報交換処理が行われた場合には(ステップS981)、課金処理部750が、その接続要求を送信した無線端末装置の課金情報に、その報酬金を記録する(ステップS982)。すなわち、その接続要求を送信した無線端末装置の通信費用に報酬金が加算される。
続いて、課金処理部750が、そのUSIM情報の交換相手の無線端末装置の課金情報に、その報酬金を記録する(ステップS983)。すなわち、その交換相手の無線端末装置の通信費用から報酬金が減算される。
このように、この例では、第1の接続権および第2の接続権の移転後に、その移転に対する対価を第1の無線端末装置に係る費用および第2の無線端末装置に係る費用に課金する。なお、ステップS982およびS983は、特許請求の範囲に記載の課金手順の一例である。
このように、USIM情報交換処理が行われる毎に、その交換処理に係る2つの無線端末装置に報酬金の記録を行う。これにより、通信費用以外についても、USIM情報の交換処理に係る適切な課金処理を行うことができる。
[報酬を表示した通信事業者の選択例]
以上では、USIM情報交換処理が行われた場合にその交換処理に係る2つの無線端末装置に報酬金の加算または減算を行う例を示した。ここで、本発明の第1の実施の形態に示したように、表示部に複数の通信事業者を表示させ、これらのうちからユーザが所望する通信事業者を決定することができる。そこで、この表示の際に報酬を提示して、ユーザに報酬に基づく選択の機会を与えることが考えられる。
図37は、本発明の第3の実施の形態における第1の無線端末装置300に表示される表示画面例(表示画面850)を示す図である。なお、図37では、第1の無線端末装置300において通信事業者の選択操作を行う例を示すが、他の無線端末装置についても同様に行うことができる。
表示画面850は、情報処理装置700から送信されたUSIM情報交換候補リストが表示部350に表示される場合における表示画面の一例である。なお、表示画面850は、図16(a)に示す表示画面464の変形例であり、報酬金額を表示する点以外は、表示画面464と略同一である。このため、表示画面464と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
表示画面850には、ラジオボタン851と、OKボタン466と、戻るボタン467とが表示される。
ラジオボタン851は、ユーザが所望する通信事業者を選択するためのラジオボタンである。例えば、USIM情報交換候補となっている通信事業者に関する情報(例えば、通信事業者名)と、候補の順番と、報酬額とが、対応するラジオボタン851に並べて表示される。この報酬額は、通信事業者が設定するようにしてもよく、無線端末装置単位でユーザ操作により設定するようにしてもよい。
例えば、相手が緊急を要する場合等には、成功報酬をユーザが通知して、USIM情報の交換相手を募集することができる。例えば、図37に示す例において、第3の通信事業者よりも第2の通信事業者がハイレートな通信サービスを提供する場合を想定する。この場合において、ハイレートな通信サービスを使う予定がある場合には、第2の通信事業者を選択する。一方、ハイレートな通信サービスを使う予定がない場合には、報酬(20円)を目当てに第3の通信事業者を選択することもできる。また、本発明の第2の実施の形態で示したように、未使用期間の通知を行っている間は、報酬の高い通信事業者を自動で選択する設定を行うようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態では、一体として構成される情報処理装置200、600、700を例にして説明した。ただし、これらの情報処理装置が備える各部を、複数の装置により構成する情報処理システムについても本発明の実施の形態を適用することができる。また、携帯電話装置以外の携帯型の無線端末装置(例えば、データ通信専用端末装置)や、固定型の無線端末装置(例えば、自動販売機のデータ収集を目的とする無線端末装置)に本発明の実施の形態を適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)等を用いることができる。また、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。