JP6215774B2 - 同一人物判定装置ならびにその方法およびその制御プログラム - Google Patents

同一人物判定装置ならびにその方法およびその制御プログラム Download PDF

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Description

この発明は,同一人物判定装置ならびにその方法およびその制御プログラムに関する。
ディジタル・カメラ,スマートフォンの普及により,写真撮影が気軽となり,極めて多くの画像がメモリ・カード,パーソナル・コンピュータに保存されるようになってきている。多くの画像からアルバムを作成しようとする場合などには,主要人物を見つけるために人物ごとにグループ分けすることが必要となってくる。このために,複数の顔の識別(特許文献1),同一人物のグループの形成(特許文献2,3,4,5),人物照合(特許文献6),人間関係を類推するもの(特許文献7)などがある。
USP8379939 特開2006-343791 特開2007-102549 特開2010-211785 特開2012-64082 特開2011-34133 特開2009-59042
複数の人物像が含まれている複数の画像から主要人物を分類する場合に,顔検出,認証技術により識別分類することは一般的であるが,複数の画像には主要人物以外の他人(他人の顔)の存在,様々な顔の向き,表情,照明条件などにより,人物の分類に不利な状況がある。このため,常に高精度な主要人物識別は容易ではない。人物の自動抽出の場合には,主要人物の事前登録もできない。
特許文献1に記載のものは,複数の画像から複数の顔を識別するために顔同士の類似性の尺度としての距離を算出し,その距離にもとづいて顔を識別しているが,親子,兄弟,親戚などのように顔が類似している場合には,その距離が近くなるために,顔を区別できないことがある。特許文献2に記載のものは,時間的に異なるフレームから検出される顔領域に対応する領域を見つけ,同一人物のグループを形成するものであるから,動画が必要となる。特許文献3に記載のものは,顔の特徴量ごとにソートするものであり,類似している顔同士を区別することは難しい。特許文献4に記載のものは,類似性にしたがって複数の顔領域をグループ化しているが,類似している顔同士を区別することは難しい。特許文献5に記載のものは,表情ごとの顔特徴量を記憶し,検出された顔特徴量と比較することにより人物を識別しているが,類似している顔を識別することは難しい。特許文献6に記載のものは,タグ情報として,兄弟,親戚のIDが付加され,兄弟,親戚などの画像の類似度を求めて照合しているが,そのためにあらかじめデータベースに登録する必要がある。特許文献7に記載のものは,一緒に写っている人物を利用して人物が誰かを推定するが,その精度が高いとは言えない。
この発明は,親子,兄弟,親戚などのように類似している顔同士であっても,同一人物かどうかを判定できるようにすることを目的とする。
この発明による同一人物判定装置は,複数の顔が含まれている一の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段,第1の特徴量算出手段によって一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,一の画像と異なる他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量と,を比較する特徴量比較手段,および特徴量比較手段における比較によって,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から得られた一の顔の特徴量とが近似し,かつ一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から得られた一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない関係が,一の画像と他の画像とから複数得られたことにより,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物の顔と判定する人物判定手段を備えていることを特徴とする。
この発明は,同一人物判定方法も提供している。すなわち,この方法は,特徴量算出手段が,複数の顔が含まれている一の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出し,特徴量比較手段が,第1の特徴量算出手段によって一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,一の画像と異なる他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量と,を比較し,人物判定手段が,特徴量比較手段における比較によって,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から得られた一の顔の特徴量とが近似し,かつ一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から得られた一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない関係が,一の画像と他の画像とから複数得られたことにより,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物の顔と判定するものである。
この発明は,同一物判定装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納した記録媒体を提供するようにしてもよい。
人物判定手段は,たとえば,関係が,一の画像と他の画像とから複数得られたことにより,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物の顔と判定し,かつ一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれているすべての他の顔とが非同一人物と判定するものである。
人物判定手段は,関係が一の画像と他の画像とから一つだけ得られた場合には,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物の顔であるとは判定しないものでもよい。
他の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出する第2の特徴量算出手段をさらに備えてもよい。この場合,特徴量比較手段は,第1の特徴量算出手段によって一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,第2の特徴量算出手段によって他の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,を比較するものとなろう。
他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を記憶する特徴量記憶手段をさらに備えてもよい。この場合,特徴量比較手段は,第1の特徴量算出手段によって一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,特徴量記憶手段に記憶されている,それぞれの顔の特徴量と,を比較するものとなろう。
他の画像が複数存在している場合には,複数の他の画像について,特徴量比較手段における処理および人物判定手段における処理を行わせる制御手段をさらに備えてもよい。
人物判定手段によって同一人物の顔と判定された顔ごとにグループ化するグループ化手段をさらに備えてもよい。
この発明によると,複数の顔が含まれている一の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量が算出される。算出されたそれぞれの顔の特徴量と,一の画像と異なる他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量とが比較される(他の画像に含まれる複数の顔の特徴量は,あらかじめ算出されていてもよいし,比較される時に算出されてもよい)。一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された一の顔の特徴量とが近似し(例えば,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された一の顔の特徴量との差分がしきい値以内であれば近似すると判断される),かつ一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない(例えば,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された位置の顔以外のすべての他の顔の特徴量との差分がしきい値を越えていれば近似しないと判断される)という関係が,一の画像と他の画像とから複数得られた場合には,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物と判定される。
この発明によると,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された一の顔の特徴量とが近似しているだけでなく,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していないという関係が,一の画像と他の画像とから複数得られた場合に,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物と判定される。単に顔の特徴量が近似しているから,それらの顔の人物が同一人物と判定されるのではなく,顔の特徴量が近似していないということを考慮して,それらの顔の人物が同一人物と判定しているので,類似している顔同士であっても同一人物かどうかを判定できる。しかも,一の画像から算出された一の顔の特徴量と他の画像から算出された一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していないという関係が,1つだけでなく複数得られた場合に,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物と判定されるので,親子,兄弟,親戚など,より類似している顔同士の人物であっても同一人物かどうかを判定できるようになる。同一人物の判定精度を高くするためには同一人物かどうかを判定するための顔の類似度のしきい値を上げる必要があるが,このしきい値を上げると,同一人物であっても同一人物でないと判定されてしまうことがある。この発明によると,上述した関係が複数得られた場合に同一人物と判定されるので,同一人物かどうかを判定するための顔の類似度のしきい値を抑えることができる。より多くの同一人物の判定が可能となる。
同一人物判定装置の電気的構成を示すブロック図である。 同一人物判定装置の処理手順を示すフローチャートである。 同一人物判定装置の処理手順を示すフローチャートである。 同一人物判定装置の処理手順を示すフローチャートである。 画像の一例である。 画像の一例である。 画像の一例である。 画像の一例である。 画像から検出された顔を示している。 画像から検出された顔を示している。 画像から検出された顔を示している。 画像から検出された顔を示している。 特徴量テーブルの一例である。 同一人物テーブルの一例である。 非同一人物テーブルの一例である。
図1は,この発明の実施例を示すもので,同一人物判定装置の電気的構成を示すブロック図である。
同一人物判定装置1の全体の動作は,CPU(中央処理装置)6によって統括される。
同一人物判定装置1には,インターネットなどのネットワークを介して他の装置と通信するための通信装置2,データ等を一時的に記憶するメモリ3,表示装置4および表示装4を制御する表示制御装置5が含まれている。また,同一人物判定装置1には,コマンド等を同一人物判定装置1に与えるためのキーボードなどの入力装置7が設けられている。入力装置7からの出力信号は,CPU6に与えられる。
さらに,同一人物判定装置1には,画像データなどのデータを記憶するハードディスク9,ハードディスク9にアクセスするためのハードディスク・ドライブ8ならびにコンパクト・ディスク11にアクセスするためにコンパクト・ディスク・ドライブ10も含まれている。
コンパクト・ディスク11に,後述する動作を制御するプログラムが格納されている。そのプログラムがコンパクト・ディスク・ドライブ10によってコンパクト・ディスク11から読み取られる。読み取られたプログラムが同一人物判定装置1にインストールされることにより,後述する動作が行われる。プログラムは,コンパクト・ディスク11のような記録媒体に格納されていなくとも,通信装置2を利用してネットワークからダウンロードされるようにしてもよい。
図2から図4は,同一人物判定装置1の処理手順を示すフローチャート,図5から図8は,複数の顔が含まれている画像の一例である。これらの画像を表わす画像データは,ハードディスク9に格納されているが,ハードディスク9に格納させていなくとも,通信装置2を介してダウンロードされてもよいし,メモリ・カードなどの記録媒体に記録されている画像データが同一人物判定装置1において読み取られてもよい。
図5は第1の画像I1を示しており,人物像H11からH14が含まれている。第1の画像I1は家族が撮像された画像であり,人物像H11,H12,H13およびH14は,それぞれ母親の画像,長男の画像,次男の画像および父親の画像である。図6は第2の画像I2を示しており,人物像H21からH23が含まれている。第2の画像I2は,母親と父親との夫婦とその友人が撮像された画像であり,人物像H21,H22およびH23は,それぞれ母親の画像,父親の画像および友人の画像である。図7は第3の画像I3を示しており,人物像H31およびH32が含まれている。第3の画像I3は親子で撮像された画像であり,人物像H31およびH32は,長男の画像および母親の画像である。図8は第4の画像I4を示しており,人物像H41からH43が含まれている。第4の画像I4は親子と友人とで撮像された画像であり,人物像H41,H42およびH43は,母親の画像,友人の画像および長男の画像である。図5から図8においては,人物像が誰か分るように,それぞれの人物像に「母」,「長男」,「次男」,「父」または「友人」の文字が付されているが,同一人物判定装置1は,どの人物像が,母,長男,次男,父または友人かは認識しない(もっとも,それぞれの人物の特徴をあらかじめ同一人物判定装置1に登録しておき,それぞれの人物像がだれかが認識されるようにしてもよい)。
この実施例は,複数の顔が含まれている複数の画像から,同一人物の顔を判定するものである。この実施例では,4つの画像I1からI4の画像から,同一人物の顔を判定するが,複数の顔が含まれている複数の画像があれば,4つの画像に限らないのはいうまでもない。
複数の画像I1からI4の中から,一の画像がCPU6によって決定される(図2ステップ21)。同一人物判定装置1のユーザによって決定されてもよい。第1の画像I1が一の画像として決定されたものとする。つづいて,決定された一の画像I1についてCPU6によって顔検出処理が行われ,一の画像I1から顔が検出される(図2ステップ22)。
図9は,一の画像I1から顔F11からF14が検出された様子を示している。顔F11は,人物像H11から検出された顔であり,「母」の顔F11である。顔F12は,人物像H12から検出された顔であり,「長男」の顔F12である。顔F13は,人物像H13から検出された顔であり,「次男」の顔F13である。顔F14は,人物像H14から検出された顔であり,「父」の顔F14である。図9においても,誰の顔かが分るように,「母」,「長男」,「次男」または「父」の文字が付されているが,上述したように,同一人物判定装置1は,検出された顔が誰の顔かは認識していない。
つづいて,一の画像I1から検出された複数の顔F11,F12,F13およびF14のそれぞれの顔の特徴量がCPU6によって算出され(第1の特徴量算出手段),算出された顔の特徴量が特徴量テーブル(特徴量記憶手段)に記憶させられる(図2ステップ23)。特徴量テーブルはメモリ3(特徴量記憶手段)に記憶される。顔の特徴量は,顔全体に対する目,鼻,口,耳などの位置,大きさなどを数値化したものであり,公知の手法により得られる。
図13は,特徴量テーブルの一例である。
特徴量テーブルは,画像から検出された顔ごとに,算出された顔の特徴量を記憶するものである。特徴量テーブルは,メモリ3に格納される。一の画像I1から検出された顔F11,F12,F13およびF14のそれぞれの顔の特徴量は,L11,L12,L13およびL14である。
図2に戻って,CPU6によって他の画像が決定される(ステップ24)。もっとも,同一人物判定装置1を操作するユーザによって,他の画像が決定されてもよい。ここでは,CPU6によって,第2の画像I6が他の画像として決定されたものとする。つづいて,一の画像I1と同様に,CPU6によって顔検出処理が行われ,他の画像として決定された第2の画像I2から顔が検出される(図2ステップ25)。
図10は,他の画像I2から顔F21からF23が検出された様子を示している。顔F21は,人物像H21から検出された顔であり,「母」の顔F21である。顔F22は,人物像H22から検出された顔であり,「父」の顔である。顔F23は,人物像H23から検出された顔であり,「友人」の顔である。図10においても,誰の顔かが分るように,「母」,「父」または「友人」の文字が付されている。
図2に戻って,上述したのと同様に,他の画像I2から検出された複数の顔F21,F22およびF23のそれぞれの顔の特徴量がCPU6によって算出され(第2の特徴量算出手段),算出された顔の特徴量が特徴量テーブルに記憶させられる(ステップ26)。これにより,図13の特徴量テーブルに,他の画像I2から検出された顔F21,F22およびF23のそれぞれの顔の特徴量としてL21,L22およびL23が記憶させられる。
つづいて,一の画像I1から算出されたそれぞれの顔の特徴量L11,L12,L13およびL14と,一の画像と異なる他の画像I2から算出されたそれぞれの顔の特徴量L21,L22およびL23と,がCPU6によって比較される[特徴量比較手段,第1の特徴量算出手段によって一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,第2の特徴量算出手段によって他の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量(特徴量記憶手段に記憶されている,それぞれの顔の特徴量)とが比較されることとなる](図3ステップ27)。この比較によって,一の画像I1から算出された一の顔の特徴量と他の画像I2から得られた一の顔の特徴量とが近似し,かつ一の画像I1から算出された一の顔の特徴量と他の画像I2から得られた一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない関係(近似−非近似関係)が,一の画像I1と他の画像I2とから複数得られるかどうか判定される。そのような関係が複数得られると,一の画像I1に含まれている一の顔と他の画像I2に含まれている一の顔とが同一人物の顔と判定される。
まず,一の画像I1から算出された一の顔の特徴量と,他の画像I2から算出された一の顔の特徴量とが近似しているかどうかが判定される(図3ステップ28)。たとえば,一の画像I1に含まれる顔F11からF14のうち,一の顔として顔F11がCPU6によって決定され,他の画像I2に含まれる顔F21からF23のうち,一の顔として顔F21がCPU6によって決定される。一の画像I1に含まれる一の顔F11の特徴量L11と他の画像I2に含まれる一の顔F21の特徴量L21とが近似しているかどうかが判定される。特徴量L11と特徴量L21との差分がしきい値未満(以下)であれば,これらの特徴量L11と特徴量L21とは近似しているものと判定される。特徴量L11と特徴量L21との差分がしきい値以上(しきい値より大きい)であれば,これらの特徴量L11と特徴量L21とは近似していないと判定される。しきい値は,同一人物の複数の顔について特徴量を算出し,得られる特徴量の変動量から決定できる。
さらに,一の画像I1の一の顔の特徴量と他の画像I2のすべての他の顔の特徴量とが近似していないかどうかが判定される(図3ステップ29)。たとえば,一の画像I1の一の顔F11の特徴量L11と他の画像I2の他の顔F22の特徴量L22とが近似せず,かつ一の画像I1の一の顔F11の特徴量L11と他の画像I2の他の顔F23の特徴量L23とが近似していないかどうかが判定される。特徴量L11と特徴量L22との差分がしきい値以上(しきい値より大きい)であれば,これらの特徴量L11と特徴量L22とは近似していないと判定され,そうでなければ,近似していると判定される。このしきい値は,親子,兄弟,親戚など,同一人物ではないが,似ている複数の顔について特徴量を算出し,得られる特徴量の差分から決定できる。
一の画像I1に含まれるすべての顔F11,F12,F13およびF14について,一の顔F11が,F12,F13およびF14に変更させられて,ステップ28および29の処理が行われる(図3ステップ30)。また,他の画像I2に含まれるすべての顔F21,F22およびF23について,一の顔F21が,F22およびF23に変更させられて,ステップ28および29の処理が行われる(図3ステップ30)。一の画像I1に含まれる顔F11からF14と他の画像I2に含まれる顔F21からF23とのすべての組み合わせについてステップ28および29の処理が行われることとなる。
ステップ28において近似しているとされた判定結果およびステップ29において近似していないとされた判定結果の関係(近似−非近似関係)が複数存在するかどうかが判定される(図3ステップ31)。
近似−非近似関係が複数存在すると判定されると(図3ステップ31でYES),そのように判定された一の画像の一の顔と他の画像の一の顔とが同一人物の顔とCPU6によって判定される(人物判定手段)(図4ステップ32)。その判定結果が同一人物テーブルに格納される(図4ステップ32)。
図14は,同一人物テーブルの一例である。
同一人物テーブルには,人物ごとに,その人物と判定された人物像の識別データが格納される。図14においては,分りやすくするためにグループごとに人物像の符号が格納されている。たとえば,グループ1,2,3および4は,それぞれ母親,長男,次男および父親のグループである。それぞれのグループに対応した人物像の符号が格納される。同一人物と判定された顔ごとにCPU6によってグループ化されることとなる。このような同一人物テーブルは,CPU6によって生成され(グループ化手段),メモリ3に格納される。
図4に戻って,一の画像の一の顔と他の画像の一の顔とが同一人物の顔と判定されると,一の画像の一の顔と他の画像の一の顔以外のすべての他の顔とは同一人物では無いと考えられる。このために,一の画像の一の顔と他の画像のすべての他の顔とが非同一人物であるとCPU6によって判定される(人物判定手段)(図4ステップ33)。このような判定結果は非同一人物テーブルに格納される(図4ステップ33)。
図15は,非同一人物テーブルの一例である。
非同一人物テーブルには,人物ごとに,その人物とは異なる人物と判定された人物像の識別データが格納される。図15においても,分りやすくするためにグループごとに人物像の符号が格納されている。たとえば,人物像H11の人物は,人物像H22,H23,H42,H43とは異なる人物となる。その他の人物像の人物についても同様である。非同一人物テーブルもCPU6によって生成され,メモリ3に格納される。
たとえば,上述のように,一の画像I1の一の顔F11の特徴量L11と他の画像I2の一の顔F21の特徴量L21とが近似し,かつ一の画像I1の一の顔F11の特徴量L11と他の画像I2のすべての他の顔F22およびF23の特徴量L22およびL23とが近似していないという関係が成立し,かつ一の画像I1の一の顔F14の特徴量L14と他の画像I2の一の顔F22の特徴量L22とが近似し,かつ一の画像I1の一の顔F14の特徴量L14と他の画像I2のすべての他の顔F21およびF23の特徴量L21およびL23とが近似していないという関係が成立したとする。すると,上述した近似−非近似の関係が複数存在することとなるから,一の画像I1の一の顔F11と他の画像I2の一の顔F21とが同一人物の顔と判定され,かつ一の画像I1の一の顔F14と他の画像I2の一の顔F23とが同一人物の顔と判定される。このように同一人物の顔と判定された人物ごとに図14に示すように同一人物テーブルにおいてグループ化される。さらに,一の画像I1の一の顔F11と他の画像I2の一の顔F21以外のすべての他の顔F22およびF23とが異なる人物の顔と判定され,かつ一の画像I1の一の顔F14と他の画像I2の一の顔F23以外のすべての他の顔F21およびF23とが異なる人物の顔と判定される。このように非同一人物の顔と判定された人物を識別するデータが図15に示すように非同一人物テーブルに格納される。
図3に戻って,上述した近似−非近似の関係が複数存在しない場合には(ステップ31でNO),近似−非近似の関係が一つだけ得られた場合であっても,一の画像に含まれている一の顔の特徴量と他の画像に含まれている一の顔の特徴量とが近似していたとしても,一の画像に含まれている一の顔と他の画像に含まれている一の顔とが同一人物であるとはCPU6によって判定されない。このために,図4ステップ32およびステップ33の処理がスキップされる。
すべての画像について上述した処理が終了していなければ(図4ステップ34でNO),図2ステップ21からの処理が繰り返される。一の画像が画像I1とされ,他の画像が画像I2とされた場合の上述の処理が終了すると,再び一の画像が画像I1とされ,他の画像が,図7に示す画像I3とされて,上述した処理が行われる。図7に示す他の画像I3に含まれている人物像H31およびH32から,図11に示すように顔画像F31およびF32が検出され,顔の特徴量L31およびL32が算出される。算出された顔の特徴量L31およびL32が図13に示す特徴量テーブルに格納され,上述したように,同一人物および非同一人物の検出処理が行われる。
図5に示す一の画像I1と図7に示す他の画像I3との間では,図5の一の画像I1に含まれる人物像H11の一の顔F11の特徴量L11と図7の他の画像I3に含まれる人物像H32の一の顔F32の特徴量L32とが近似し,かつその特徴量L11と他の画像I3に含まれるすべての他の顔F31の特徴量L31とが近似していないという近似−非近似関係が成立するが,そのような近似−非近似関係は一つだけなので,一の画像I1の一の顔F11と他の画像I3の位置の顔F32とは同一人物であるとは判定されない。
また,図5に示す一の画像I1と図8に示す他の画像I4との間においても,上述したように,図8に示す他の画像I4から,図12に示すように顔F41,F42およびF43が検出され,それぞれの顔の特徴量L41,L42およびL43が算出される。算出された特徴量L41,L42およびL43は,図13に示す特徴量テーブルに格納される。
図5に示す一の画像I1と図8に示す他の画像I4との間では,図5の一の画像I1に含まれる人物像H11の一の顔F11の特徴量L11と,図8の他の画像I4に含まれる人物像H41の一の顔F41の特徴量L41と,が近似し,かつその特徴量L11と,他の画像I4に含まれるすべての他の顔F42およびF43の特徴量L42およびL43と,が近似していないという近似−非近似関係が成立し,かつ図5の一の画像I1に含まれる人物像H12の一の顔F12の特徴量L12と,図8の他の画像I4に含まれるすべての他の顔F41およびF42の特徴量L41およびL42と,が近似していないという近似−非近似関係も成立する。複数の近似−非近似関係が存在するので,図5の一の画像I1に含まれる人物像H11と図8の他の画像I4に含まれる人物像H41とは同一人物であり,かつ図5の一の画像I1に含まれる人物像H12と図8の他の画像I4に含まれる人物像H43とは同一人物であると判定される。さらに,図5の一の画像I1に含まれる人物像H11と,図8の他の画像I4に含まれる人物像H42およびH43とは非同一人物であり,かつ図5の一の画像I1に含まれる人物像H12と図8の他の画像I4に含まれる人物像H41およびH42とは非同一人物であると判定される。
図5に示す画像I1を一の画像とし,図6から図8に示す画像I2からI4のそれぞれを他の画像とした上述の処理が終了すると,次に図6に示す画像I2を一の画像とし,図7および図8に示す画像I3およびI4を他の画像とした上述の処理が行われる。さらに,図7に示す画像I3を一の画像とし,図8に示す画像I4を他の画像とした上述の処理が行われる。このように,複数の他の画像について,上述した特徴量比較処理,人物判定処理が行われるようにCPU6によって制御される(制御手段)。
家族,親子,兄弟,姉妹,親戚などで撮影された画像は,顔つきが似ている。このために,顔の類似度(特徴量)にもとづいて同一人物かどうかを判定する場合には,精度を高くするためには,同一人物かどうかを判別するしきい値を上げる必要がある。この実施例によると,上述したように近似−非近似関係が複数存在する場合に同一人物であると判定しているので,しきい値を上げる必要がない。顔の類似度があまり高くなくとも同一人物を見つけることができるようになる。たとえば,カメラに正面の顔を見せないような子供であっても,同一人物かどうかを判定できるようになる。
また,上述のようにして生成された同一人物テーブルから,同一人物と判定された顔ごとに一覧で表示装置4の表示画面に表示させるようにしてもよい。さらに,同一人物と判定された顔の画像が最も多い人物が必ず含まれているような複数の画像を用いてアルバムを生成することもできる。
1 同一人物判定装置
3 メモリ(特徴量記憶手段)
6 CPU(第1の特徴量算出手段,特徴量比較手段,人物判定手段,第2の特徴量算出手段,制御手段,グループ化手段)
11 コンパクト・ディスク(プログラムを格納した記録媒体)

Claims (9)

  1. 複数の顔が含まれている一の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出する第1の特徴量算出手段,
    上記第1の特徴量算出手段によって上記一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,上記一の画像と異なる他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量と,を比較する特徴量比較手段,および
    上記特徴量比較手段における比較によって,上記一の画像から算出された一の顔の特徴量と上記他の画像から得られた一の顔の特徴量とが近似し,かつ上記一の画像から算出された一の顔の特徴量と上記他の画像から得られた一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない関係が,上記一の画像と上記他の画像とから複数得られたことにより,上記一の画像に含まれている上記一の顔と上記他の画像に含まれている上記一の顔とが同一人物の顔と判定する人物判定手段,
    を備えた同一人物判定装置。
  2. 上記人物判定手段は,
    上記関係が,上記一の画像と上記他の画像とから複数得られたことにより,上記一の画像に含まれている上記一の顔と上記他の画像に含まれている上記一の顔とが同一人物の顔と判定し,かつ上記一の画像に含まれている上記一の顔と上記他の画像に含まれている上記すべての他の顔とが非同一人物と判定するものである,
    請求項1に記載の同一人物判定装置。
  3. 上記人物判定手段は,
    上記関係が上記一の画像と上記他の画像とから一つだけ得られた場合には,上記一の画像に含まれている上記一の顔と上記他の画像に含まれている上記一の顔とが同一人物の顔であるとは判定しないものである,
    請求項1または2に記載の同一人物判定装置。
  4. 上記他の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出する第2の特徴量算出手段をさらに備え,
    上記特徴量比較手段は,
    上記第1の特徴量算出手段によって上記一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,上記第2の特徴量算出手段によって上記他の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,を比較するものである,
    請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の同一人物判定装置。
  5. 上記他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を記憶する特徴量記憶手段をさらに備え,
    上記特徴量比較手段は,
    上記第1の特徴量算出手段によって上記一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,上記特徴量記憶手段に記憶されている,それぞれの顔の特徴量と,を比較するものである,
    請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の同一人物判定装置。
  6. 上記他の画像が複数存在しており,
    複数の上記他の画像について,上記特徴量比較手段における処理および上記人物判定手段における処理を行わせる制御手段,
    をさらに備えた請求項1に記載の同一人物判定装置。
  7. 上記人物判定手段によって同一人物の顔と判定された顔ごとにグループ化するグループ化手段,
    をさらに備えた請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の同一人物判定装置。
  8. 特徴量算出手段が,複数の顔が含まれている一の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出し,
    特徴量比較手段が,上記第1の特徴量算出手段によって上記一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,上記一の画像と異なる他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量と,を比較し,
    人物判定手段が,上記特徴量比較手段における比較によって,上記一の画像から算出された一の顔の特徴量と上記他の画像から得られた一の顔の特徴量とが近似し,かつ上記一の画像から算出された一の顔の特徴量と上記他の画像から得られた一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない関係が,上記一の画像と上記他の画像とから複数得られたことにより,上記一の画像に含まれている上記一の顔と上記他の画像に含まれている上記一の顔とが同一人物の顔と判定する,
    同一人物判定方法。
  9. 同一人物判定装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
    複数の顔が含まれている一の画像から,複数の顔のそれぞれの顔の特徴量を算出させ,
    上記一の画像から算出されたそれぞれの顔の特徴量と,上記一の画像と異なる他の画像に含まれる複数の顔のそれぞれの顔の特徴量と,を比較させ,
    上記一の画像から算出された一の顔の特徴量と上記他の画像から得られた一の顔の特徴量とが近似し,かつ上記一の画像から算出された一の顔の特徴量と上記他の画像から得られた一の顔以外のすべての他の顔の特徴量とが近似していない関係が,上記一の画像と上記他の画像とから複数得られたことにより,上記一の画像に含まれている上記一の顔と上記他の画像に含まれている上記一の顔とが同一人物の顔と判定するように,同一人物判定装置のコンピュータを制御するプログラム。
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