JP6214505B2 - 安全ベルトにおける平ロープとフックの接続構造。 - Google Patents
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Description
縫製糸が使用中に擦れて糸切れすることによって、縫着部分が分離してしまわないようにするため、従来は平ロープの縫着部分に熱収縮性の合成樹脂製チューブを挿入し、加熱処理(加熱炉に投入)することによって熱収縮性チューブを収縮させ、縫着部分を強固に保護するようにしている。
特許文献2に記載された発明は、成形品である縫製部カバーとシンブルで構成し、縫製部カバーとシンブルはピンを貫通することによって結合している。このものでは、縫製部カバーの結合強度に問題があるとともに、シンブルに巻回されたロープの折り返し部分が露出しているため、ロープが十分に保護されない可能性がある。
特許文献1に記載された上記ロープの保護装置では、帯状ロープの縫製部分が縫製カバーで覆われるとともに、フックのロープ連結孔に位置する帯状ロープはその外周面が外カバーで保護されるため、帯状ロープは縫製部分及び折り返し部分で露出することがなく、摩擦などに対して十分に保護される効果を期待することができる。
本発明は、上記欠点に鑑み、特許文献1に記載された発明と同様に、ロープが十分に保護されるものであって、部品点数が少なく安価に提供することができる平ロープとフックの接続構造を提供することを目的とするものである。
平ロープ2の折り返し先端部2aの内側に位置して平ロープ2を巻回させるとともに内方にフック3のロープ連結孔4の外周辺4aが通過する中心筒部5aを備えたシンブル5を装着する。
平ロープ2の先端部には、柔軟な材質のカバー筒6を挿入する。このカバー筒6は、前記平ロープ2の縫着部2bを覆う筒状部7と、筒状部から延長し、平ロープ2の折り返し部分表面を両側から覆う係止片を備える。カバー筒6の係止片8、9は、それぞれシンブル5の中心筒部5aに巻回させた平ロープの表面を左右両側から覆い、先端をシンブル5の先端部に係止させる。これにより、平ロープ2は縫着部2bが筒状部7で、シンブルの中心筒部を巻回させた折り返し先端部2aが係止片8、9によって覆われ、保護されることになる。
シンブル5の先端部には中心筒部5aに周回させた平ロープ2の外方部分を横切る方向に支持部12を形成し、この支持部12にカバー筒6の係止片8、9の先端に形成した係止爪13、14を係合させることによってカバー筒6の係止片8、9先端をシンブル5の先端部に係止させることである。
請求項5記載の発明は、シンブル5の側面に、カバー筒6の筒状部7側面の上端縁が当接する突起18を形成することである。
本発明に係る安全ベルトを組み立てるには、平ロープ2の先端に取付けるべきフック3の ロープ連結孔4にシンブル5を装着しておく。そして、平ロープ2には先端からカバー筒6を挿入しておき、平ロープ2の先端部を前記シンブル5に巻回させて折り返し、折り返した部分をしっかりと縫着する。折り返し部分2aの縫製作業が完了すると、先に挿入していたカバー筒6を先方に引出し、カバー筒6の対向位置に形成した係止片8、9を、シンブル5の中心筒部5aに巻回させた平ロープ2の表面を両側から覆い、その先端部をシンブル5の先端部に係止させることによって平ロープ2とフック3の接続作業が完了する。すなわち、組み立て作業を極めて簡単に完了させることができる。
請求項4記載の発明によれば、前記請求項3記載の発明において、嵌合孔16から突出する嵌合突起15が作業中に何かに接触し、嵌合が外れるのを防止することができる。また、請求項5記載の発明によれば、カバー筒6の筒状部側面の上端縁が、シンブル5に形成した突起18がカバー筒6の側面部上端に当接するため、カバー筒6の側面上端が何かに衝突して外れる方向の力が作用するのを防止することができる。
図1は安全ベルト全体の正面図、図2はフックを取付けた平ロープの先端部分の正面図である。腰ベルト1は、バックル19によってしっかりと腰に装着する。腰ベルト1には、平ロープ2の巻取器10が固定してあり、巻取器10から繰り出される平ロープ2の先端にフック3を取付けている。そして、フック3を施工現場の丈夫な構造物等に引っ掛けて作業を行うことによって、作業者の転落等を防止する。
すなわち、中心筒部5aの弾性に抗して間隙5bを閉じるよう操作することによって、壁面20の係止爪11が対向位置の壁面20’の下端に係合し、閉止状態を維持することができるようにしている。
シンブル5の上端部には、鍔部5cの上端を架設するごとく、すなわち、中心筒部を巻回させた平ロープの外方部分を横切る方向に支持部12を形成している。支持部12は、両側面となる鍔部5c、5cと、鍔部5c、5cに架設する上辺12aによって門型に形成している。支持部12には、門型の上辺12a及び両側面となる鍔部5c、5cとに連続する、平ベルトの幅方向の壁面となる縦リブ21を形成し、この縦リブ21にカバー筒6の係止爪13、14が係合する、三つの係合孔22及び23、23を設けている。
図示実施形態においては、三つの係合孔のうち、中央の係合孔22を大きく、両側の二つの係合孔23、23を小さく形成している。縦リブ21の下端と中心筒部5aの外周面の間に、平ロープ2を通過させることができる隙間を形成している。
図3などから理解されるように、係止片8の先端中央に一個の係止爪13を、係止片9の先端左右両側に、それぞれ係止爪14、14を形成している。係止爪13は、先に説明したシンブル5先端部に形成した中央位置の係合孔22に係合し、係止爪14は、左右両側の係合孔23に係合させる。
係止片8の先端中央位置に一個形成する係止爪13は幅広とし、係止片9の左右両側に形成する係止爪14は細幅とし、バランスよく係止されるようにする。
図6(a)に示すように、フック3のロープ連結孔4の外周辺4aをシンブル5の間隙5bから挿入し、シンブル5の中心筒部をロープ連結孔4に挿入して、壁面20、20’を押圧することによって間隙5bを閉じ、係止爪11を壁面20’に係合させて図6(b)に示すようにシンブル5をフック3に装着する。
続いて、図6(b)のように、平ロープ2の先端をシンブル5の中心筒部を巻回させ、図6(c)に示すように折り返して重ね合わせた部分を縫製して縫着部2bとする。このとき、平ロープ2には、カバー筒6を挿入しておく。
係止爪13、14は、いずれも爪先が上を向くように形成している。このようにすると、爪13、14と係合孔22、23の係合状態が湾曲させた係止片8、9の弾性によって常時係合孔に強く係合する方向に付勢され、係合状態が強固に維持されることになる。
Claims (5)
- 腰ベルトに基端部を固定した平ロープの先端部をフックに形成したロープ連結孔に挿入して折り返し、該折り返し部分を縫着することによって平ロープの先端部にフックを接続する構造において、
平ロープの折り返し先端部の内側に、平ロープを巻回させるとともに内方にフックのロープ連結孔の外周辺が通過する中心筒部を備えたシンブルを装着し、
平ロープの先端部に柔軟な材質のカバー筒を挿入し、該カバー筒は前記平ロープの縫着部を覆う筒状部と、該筒状部から延長し平ロープの折り返し部分表面を両側から覆う係止片を備え、
該カバー筒の係止片は、シンブルの中心筒部に巻回させた平ロープの表面を両側から覆い、先端をシンブルの先端部に係止させたことを特徴とする安全ベルトにおける平ロープとフックの接続構造。 - シンブルは、中心筒部の基方を軸方向に沿って分離させてフックのロープ連結孔の外周辺が通過する間隙を形成し、フックのロープ連結孔の外周辺を挿入したのちに前記間隙を閉じる係止爪を設けるとともに、シンブルの先端部には中心筒部に巻回させた平ロープの外方部分を横切る方向に支持部を形成し、該支持部にカバー筒の係止片の先端に形成した係止爪を係合させることによってカバー筒の係止片先端をシンブルの先端部に係止させることを特徴とする請求項1に記載の安全ベルトにおける平ロープとフックの接続構造。
- シンブルの側面定位置に嵌合突起を、カバー筒の側面定位置に前記嵌合突起が嵌合する嵌合孔を設け、シンブルの側面位置においてカバー筒の嵌合孔とシンブルの嵌合突起を嵌合させることを特徴とする請求項1又は2に記載の安全ベルトにおける平ロープとフックの接続構造。
- 嵌合孔の先方に、嵌合孔から突出するシンブルの嵌合突起よりも高い防護突起をカバー筒に形成したことを特徴とする請求項3記載の安全ベルトにおける平ロープとフックの接続構造。
- シンブルの側面には、カバー筒の筒状部側面の上端縁が当接する突起を形成したことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の安全ベルトにおける平ロープとフックの接続構造。
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