JP6213986B2 - 絶対光強度測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Description
自由電子レーザのうち、X線領域で発振を行うレーザは、X線自由電子レーザ(XFEL:X−ray Free−Electron Laser)と呼ばれ、日本では、独立行政法人理化学研究所と公益財団法人高輝度光科学研究センターが共同で建設した光源施設であるSACLA(SPring−8 Angstrom Compact Free Electron Laser)での利用が開始され、様々な技術分野での貢献が期待されている。
<1> 少なくとも、光源から照射される光を受光する受光板、及び一端側に前記光を通過させる開口部が形成されるとともに胴部他端側に前記受光板が支持される筒状部材を有する受光部と、前記受光部の外周に前記受光部と離間して配され、前記受光板に照射される前記光の光軸上の位置が開口される第1の熱シールドと、前記第1の熱シールドに接続され、前記第1の熱シールドを温度制御可能に加熱する第1の熱シールド用ヒータ部と、前記受光部に接続され、前記受光部の温度が前記光の照射前後で一定になるように前記受光部を加熱する受光部用ヒータ部とを有し、室温をT0とし、前記第1の熱シールドの温度をT1とし、前記受光部の温度をT2としたとき、次式、T0<T1<T2を満たすように、前記第1の熱シールド用ヒータ部及び前記受光部用ヒータ部の加熱が制御可能とされることを特徴とする絶対光強度測定装置。
<2> 少なくとも、光源から照射される光を受光する受光板、及び一端側に前記光を通過させる開口部が形成されるとともに胴部他端側に前記受光板が支持される筒状部材を有する受光部と、前記受光部の外周に前記受光部と離間して配され、前記受光板に照射される前記光の光軸上の位置が開口される第1の熱シールドと、前記第1の熱シールドに接続され、前記第1の熱シールドを温度制御可能に加熱する第1の熱シールド用ヒータ部と、更に、前記第1の熱シールドの外周に前記第1の熱シールドと離間して配され、前記受光板に照射される光の光軸上の位置が開口される第2の熱シールドと、前記第2の熱シールドに接続され、前記第2の熱シールドを加熱する第2の熱シールド用ヒータ部と、を有し、前記第1の熱シールド用ヒータ部の加熱が、前記光の照射により昇温する前記受光部の温度変化に追従して、前記第1の熱シールドの温度を前記受光部の温度と等温になるように制御可能とされ、室温をT0とし、前記第2の熱シールドの温度をT3とし、前記第1の熱シールドの温度をT4としたとき、次式、T0<T3≦T4を満たすように、前記第1の熱シールド用ヒータ部及び前記第2の熱シールド用ヒータ部の加熱が制御可能とされることを特徴とする絶対光強度測定装置。
<3> 第1の熱シールドが、Au、Ag、Cu及びこれらの合金のいずれかで形成される前記<1>から<2>のいずれかに記載の絶対光強度測定装置。
<4> 前記<1>に記載の絶対光強度測定装置を用いた絶対光強度測定方法であって、光照射前の受光部に対し、前記受光部の温度をT2に加熱したときの受光部用ヒータ部の出力W0を検出する第1の出力検出ステップと、加熱された状態の前記受光部に対し、前記光を受光板に照射する光照射ステップと、前記光の照射により昇温した前記受光部に対し、前記受光部用ヒータ部を前記出力W0より低い出力で作動させて、前記受光部の温度をT2に降温させたときの前記受光部用ヒータ部の出力W1を検出する第2の出力検出ステップと、前記出力W0及び前記出力W1の差に基づき、前記光の絶対強度を算出する演算処理ステップと、を含むことを特徴とする絶対光強度測定方法。
<5> 前記<2>に記載の絶対光強度測定装置を用いた絶対光強度測定方法であって、光照射前の受光部の温度情報を検出する第1の温度検出ステップと、前記光を受光板に照射する光照射ステップと、前記光の照射により昇温した状態の前記受光部の温度情報を検出する第2の温度検出ステップと、検出された前記光の照射前後の前記受光部の前記温度情報の差に基づき、前記光の絶対強度を算出する演算処理ステップと、を含むことを特徴とする絶対光強度測定方法。
受光板2aは、前記光の光軸と直交する垂直面に対して傾斜させた状態で支持される。受光板2aに照射される前記光は、受光板2aに吸光されるか反射され、反射光は、筒状部材2b内で吸光、反射を繰り返し、次第に減衰しながら全光エネルギーが受光板2a及び筒状部材2bに吸収される。筒状部材2bの形状としては、前記光の吸光、反射を効果的に行う観点から、開口部が形成される一端側に向かって先細りの形状とされることが好ましい。
受光板2a及び筒状部材2bの形成材料としては、特に制限はないが、X線自由電子レーザの光エネルギーを効果的に吸収させる場合、Au、Cu及びこれらの合金のいずれかが好ましく、中でも、受光板2aをAuで形成し、筒状部材2bをCuで形成することが好ましい。
また、受光部用ヒータ部3は、テフロン(登録商標)などの断熱材で形成されるスペーサ7a,7bにより、第1の熱シールド11に支持される。なお、スペーサ7a,7bは、直接、受光部1を支持するように配されていてもよい。前記断熱材としては、測定対象となる光のエネルギーに応じて適宜選択することができる。
また、受光部用ヒータ部3は、図示しない配線により、外部電源、PC等の演算処理部と接続可能とされる。なお、この点は、後述する第1の熱シールド用ヒータ部13及び第2の熱シールド用ヒータ部23においても、同様である。
第1の熱シールド用ヒータ部13は、第1の熱シールド11に接続され、該第1の熱シールド11を温度制御可能に加熱する。なお、その詳細な構成については、受光部用ヒータ部3の構成とともに後述する。
ところで、外部の熱影響から内部をシールドする観点からは、第1の熱シールド用ヒータ部13を用いることなく、第1の熱シールド11の熱容量を大きくして、外部の熱影響から内部をシールドする形態も考えられる。しかしながら、このような形態では、第1の熱シールド11が大型化し、装置の小型化が困難になる。また、この形態では、外部の熱影響を小さくすることができるものの、この熱影響を排除することはできないため、正確な測定が困難となる。
そのため、絶対光強度測定装置50では、第1の熱シールド11を第1の熱シールド用ヒータ部13で加熱する構成とする。
こうした観点から、第1の熱シールド11としては、熱容量が小さく、熱伝導率が大きい材料で形成されることが好ましく、特に、Au、Ag、Cu及びこれらの合金で形成されることが好ましい。
なお、図3中、第1の熱シールド用ヒータ部13は、第1の熱シールド11に対して、1箇所に配置されているが、第1の熱シールド11全体を均一に加熱するため、複数箇所に配置されていてもよい。また、この点は、後述する第2の熱シールド用ヒータ部23においても同様である。
第2の熱シールド21は、第1の熱シールド11と同様、外部の熱影響から内部をシールドする役割を有し、Au、Ag、Cu及びこれらの合金で形成されることが好ましい。
また、第2の熱シールド用ヒータ部23は、第2の熱シールド21に接続され、該第2の熱シールド21を温度制御可能に加熱する。なお、その詳細な構成については、受光部用ヒータ部3、第1の熱シールド用ヒータ部13の構成とともに後述する。また、図3中、第2の熱シールド用ヒータ部23は、第2の熱シールド21に対して、1箇所に配置されているが、第2の熱シールド21全体を均一に加熱するため、複数箇所に配置されていてもよい。
精密抵抗測定器5は、サーミスタの抵抗を含むブリッジ回路により構成される。精密抵抗測定器5の回路構成を図5に示す。
このブリッジ回路は、サーミスタの抵抗a、固定抵抗b、可変抵抗c、固定抵抗d、点P,P’間の電位差を検出する電圧検出部8及び電源部9で構成され、固定抵抗b,dに対して、可変抵抗cを調節することで、サーミスタの抵抗aの抵抗を測定可能とされる。
なお、本例では、サーミスタの抵抗aを精密に測定するため、電圧検出部8として、ロックインアンプが適用され、また、電源部9として、交流発振回路が適用される。
なお、PID制御は、装置の小型化、測定の簡便性の観点から、各ヒータ部に対し、1つの演算処理部(演算処理部60)で行う。また、各ヒータ部におけるサーミスタの個体差による抵抗値の相違は、予め補正しておくことが好ましい。
この場合、室温をT0とし、第1の熱シールド11の温度をT1とし、受光部1の温度をT2としたとき、次式、T0<T1<T2を満たすように、第1の熱シールド用ヒータ部13及び受光部用ヒータ部3の加熱をPID制御する。また、必要に応じて、第2の熱シールド21を用いて、熱シールド効果をより高めた測定を行う場合には、第2の熱シールド21の温度を室温T0より高く、第1の熱シールド11の温度T1より低い温度となるように第2の熱シールド用ヒータ部23の加熱をPID制御する。
例えば、第2の熱シールド21の温度が室温+1℃程度で一定となるように第2の熱シールド用ヒータ部23の加熱をPID制御し、第1の熱シールド11の温度が室温+2℃程度で一定となるように第1の熱シールド用ヒータ部13の加熱をPID制御し、受光部1の温度が室温+3℃程度で一定となるように受光部用ヒータ部3の加熱をPID制御する。各ヒータ部のPID制御は、サーミスタの抵抗が一定となるよう、加熱の電力出力(W)に対して行う。
次いで、加熱された状態の受光部1に対し、前記光を受光板2aに照射する(光照射ステップ)。この際、受光部1の温度は、前記光のエネルギーにより一旦昇温する。
次いで、前記光の照射により昇温した受光部1に対し、前述のPID制御により、受光部用ヒータ部3を前記出力W0より低い出力で作動させて、受光部1の温度をT2に降温させたときの受光部用ヒータ部の出力W1を検出する(第2の出力検出ステップ)。
次いで、前記出力W0及び前記出力W1の差に基づき、前記光の絶対強度を算出する(演算処理ステップ)。例えば、前記光の絶対強度Iは、次式、I(W)=W0−W1として直接算出してもよいし、また、I(W)をエネルギー換算して算出してもよい。
以上により、X線自由電子レーザ光を含む光の絶対強度を測定することができる。
この場合、室温をT0とし、第2の熱シールド21の温度をT3とし、第1の熱シールド11の温度をT4としたとき、次式、T0<T3≦T4を満たすように、第1の熱シールド用ヒータ部13及び第2の熱シールド用ヒータ部23の加熱をPID制御する。
例えば、第2の熱シールド21の温度が室温+1℃程度で一定となるように第2の熱シールド用ヒータ部23の加熱をPID制御し、第1の熱シールド11の温度が受光部1の温度と同じになるようにPID制御する。なお、温度変化するT4は、その温度変化範囲で前記式を満たすように制御される。
第2熱シールド用ヒータ部23のPID制御は、サーミスタの抵抗が一定となるよう、加熱の電力出力(W)制御に対して行う。また、第1の熱シールド用ヒータ部13のPID制御は、前記光の照射により昇温する受光部1の温度を受光部用ヒータ部3のサーミスタの抵抗値で検出し、この抵抗値と等しくなるように、第1の熱シールド11に対する加熱の電力出力(W)制御を通じて、第1の熱シールド用ヒータ部13のサーミスタの抵抗値を制御することで行う。また、受光部1に対する前記光の照射前後の温度は、受光部用ヒータ部3における前記光照射前のサーミスタ抵抗値と、前記光の照射後、一定温度に昇温された状態の受光部用ヒータ部3におけるサーミスタ抵抗値に基づき検出される。
次いで、前記光を受光板2aに照射する(光照射ステップ)。
前記光の照射により安定的に昇温した状態の受光部1の温度情報を検出する(第2の温度検出ステップ)。
検出された前記光の照射前後の受光部1の前記温度情報の差に基づき、前記光の絶対強度を算出する(演算処理ステップ)。
例えば、前記光の絶対積算強度(エネルギー)Eは、次式、E(J)=Ct×ΔTで与えられる。
ここで、Ctは、第1の熱シールド用ヒータ部13における温度・エネルギー変換係数を示し、ΔTは、受光部1の温度の前記光の照射前後の温度差を示す。なお、前記Ctは、温度差の情報をエネルギーに変換する係数であり、予め第1の熱シールド用ヒータ部13を動作させて取得する。絶対積算強度Eを前記光の照射時間で除することにより、絶対強度Iが与えられる。
また、測定対象となるレーザ光が比較安定している場合には、温度上昇の傾きから、その絶対強度Iは、次式、I(W)=c×(ΔTt/t)で与えられる。
ここで、tは、温度上昇の傾きを測定する間隔の時間を示し、ΔTtは、tの時間に変化する温度差を示し、cは、温度上昇傾き・パワー変換係数を示す。なお、前記cは、温度上昇率の情報をパワーに変換する係数であり、予め第1の熱シールド用ヒータ部13を動作させて取得する。
なお、前記温度情報には、温度そのもののほか、各温度に対応する第1の熱シールド用ヒータ部13の電力出力(W)の情報を含む。
以上により、X線自由電子レーザ光を含む光の絶対強度を測定することができる。
なお、前記準断熱制御では、前記等温制御に比べ、予め前記Ct、前記cを取得する手間を要するものの、不安定な光の強度も測定対象とすることができる。
また、以上に説明した絶対光強度測定装置50及び測定方法は、本発明の一実施形態を例示したものに係り、本発明の効果を損なわない限り、本発明は、種々の形態をとることができる。
先ず、X線自由電子レーザ光照射部の光学系を図6に示すように調整した。なお、図6は、光学系の概要を示す図である。図6中の符号71は、X線自由電子レーザの挿入光源を示し、符号72a,72bは、高調波低減ミラーを示し、符号73は、光強度減弱用シリコン製薄膜を示し、符号74は、オンラインビームモニタを示す。
本測定は、このオンラインビームモニタ74を透過後の光を実施例に係る絶対光強度測定装置に入射して行った。
受光部1の受光板2aは、厚み1mmのAu製受光板とし、光軸と直交する垂直面に対し、60°傾けて筒状部材2bに支持させた。筒状部材2bの開口径は、9mmとし、胴部の長さは、開口−受光板中心間の距離として50mmとし、開口が形成された一端側と反対側の他端−受光板中心間の距離として19mmとし、厚みを0.2mmとするCu製部材とした。
第1の熱シールド11は、開口径を12mmとし、光軸方向の長さを105mmとし、光軸と直交する方向の長さを55mmとし、開口が形成された一端側と反対側の他端側の面の厚みを1.0mmとし、これ以外の面の厚みを0.2mmとするCu製容器とした。
第2の熱シールド21は、開口径を12mmとし、光軸方向の長さを170mmとし、光軸と直交する方向の長さを120mmとし、開口が形成された一端側と反対側の他端側の面の厚みを2.0mmとし、これ以外の面の厚みを0.2mmとするCu製容器とした。
スペーサ7a,7bは、テフロン製棒状部材とし、光軸方向の長さを15.8mmとし、直径を5mmとした。
スペーサ17a,17bは、テフロン製棒状部材とし、光軸方向の長さを20mmとし、直径を10mmとした。
測定結果を図7に示す。なお、図7は、等温制御による測定結果を示す図である。
この図7の下欄に示すように、受光部1に対するX線自由電子レーザ光照射前後の受光部用ヒータ部3の電力出力が観測され、照射前の電力出力W0と照射後の電力出力W1との差として、1.2mWのX線自由電子レーザ光の絶対強度が測定された。また、前記電力出力の差を1パルス当たりのエネルギーに換算したX線自由電子レーザ光の絶対強度は、約120μJ/shotであった。
測定結果を図8に示す。なお、図8は、準断熱制御による測定結果を示す図である。
この図8に示すように、受光部1に対するX線自由電子レーザ光照射前後の受光部用ヒータ部3の温度差(電力出力差)が観測され、前述の式、E(J)=Ct×ΔTから算出されるX線自由電子レーザ光の絶対積算強度は、72mJであった。また、パワー(W)に換算したX線自由電子レーザ光の絶対強度は、平均0.4mWであった。なお、本測定結果は、X線自由電子レーザ光の入射開始から入射停止までの3分間の照射時間で積算した光エネルギーの絶対積算強度と、該絶対積算強度を前記照射時間で除した光の絶対強度(前記照射時間中の平均値)により示している。
測定結果を図9に示す。なお、図9は、オンラインビームモニタの校正状況を示す図である。
この図9に示すように、実施例に係る絶対光強度測定装置(常温カロリメータ)は、極低温カロリメータに比べ短時間で測定することができるため、同期間中に、数多くの校正を行うことができ、オンラインビームモニタ74に対して、よりアクティブな校正を可能とする。
また、実施例に係る絶対光強度測定装置の測定結果から得られる校正定数の曲線は、極低温カロリメータの校正定数の各プロットに略重なるように観察され、測定精度を維持することができていることが分かる。
2a 受光板
2b 筒状部材
3 受光部用ヒータ部
4 受光部用温度センサ
5,15,25 精密抵抗測定器
6 受光部用ヒータ加熱部
7a,7b,17a,17b,27a,27b スペーサ
8 電圧検出部
9 電源部
11 第1の熱シールド
13 第1の熱シールド用ヒータ部
14 第1の熱シールド用温度センサ
16 第1の熱シールド用ヒータ加熱部
21 第2の熱シールド
23 第2の熱シールド用ヒータ部
24 第2の熱シールド用温度センサ
26 第2の熱シールド用ヒータ加熱部
40 壁
50 絶対光強度測定装置
60 演算処理部
71 挿入光源
72a,72b 高調波低減ミラー
73 光強度減弱用シリコン製薄膜
74 オンラインビームモニタ
100 極低温カロリメータ
102 液体ヘリウム室
103 液体窒素室
104 真空容器
Claims (5)
- 少なくとも、光源から照射される光を受光する受光板、及び一端側に前記光を通過させる開口部が形成されるとともに胴部他端側に前記受光板が支持される筒状部材を有する受光部と、
前記受光部の外周に前記受光部と離間して配され、前記受光板に照射される前記光の光軸上の位置が開口される第1の熱シールドと、
前記第1の熱シールドに接続され、前記第1の熱シールドを温度制御可能に加熱する第1の熱シールド用ヒータ部と、
前記受光部に接続され、前記受光部の温度が前記光の照射前後で一定になるように前記受光部を加熱する受光部用ヒータ部とを有し、
室温をT0とし、前記第1の熱シールドの温度をT1とし、前記受光部の温度をT2としたとき、次式、T0<T1<T2を満たすように、前記第1の熱シールド用ヒータ部及び前記受光部用ヒータ部の加熱が制御可能とされることを特徴とする絶対光強度測定装置。 - 少なくとも、光源から照射される光を受光する受光板、及び一端側に前記光を通過させる開口部が形成されるとともに胴部他端側に前記受光板が支持される筒状部材を有する受光部と、
前記受光部の外周に前記受光部と離間して配され、前記受光板に照射される前記光の光軸上の位置が開口される第1の熱シールドと、
前記第1の熱シールドに接続され、前記第1の熱シールドを温度制御可能に加熱する第1の熱シールド用ヒータ部と、
更に、前記第1の熱シールドの外周に前記第1の熱シールドと離間して配され、前記受光板に照射される光の光軸上の位置が開口される第2の熱シールドと、
前記第2の熱シールドに接続され、前記第2の熱シールドを加熱する第2の熱シールド用ヒータ部と、を有し、
前記第1の熱シールド用ヒータ部の加熱が、前記光の照射により昇温する前記受光部の温度変化に追従して、前記第1の熱シールドの温度を前記受光部の温度と等温になるように制御可能とされ、
室温をT0とし、前記第2の熱シールドの温度をT3とし、前記第1の熱シールドの温度をT4としたとき、次式、T0<T3≦T4を満たすように、前記第1の熱シールド用ヒータ部及び前記第2の熱シールド用ヒータ部の加熱が制御可能とされることを特徴とする絶対光強度測定装置。 - 第1の熱シールドが、Au、Ag、Cu及びこれらの合金のいずれかで形成される請求項1から2のいずれかに記載の絶対光強度測定装置。
- 請求項1に記載の絶対光強度測定装置を用いた絶対光強度測定方法であって、
光照射前の受光部に対し、前記受光部の温度をT2に加熱したときの受光部用ヒータ部の出力W0を検出する第1の出力検出ステップと、
加熱された状態の前記受光部に対し、前記光を受光板に照射する光照射ステップと、
前記光の照射により昇温した前記受光部に対し、前記受光部用ヒータ部を前記出力W0より低い出力で作動させて、前記受光部の温度をT2に降温させたときの前記受光部用ヒータ部の出力W1を検出する第2の出力検出ステップと、
前記出力W0及び前記出力W1の差に基づき、前記光の絶対強度を算出する演算処理ステップと、
を含むことを特徴とする絶対光強度測定方法。 - 請求項2に記載の絶対光強度測定装置を用いた絶対光強度測定方法であって、
光照射前の受光部の温度情報を検出する第1の温度検出ステップと、
前記光を受光板に照射する光照射ステップと、
前記光の照射により昇温した状態の前記受光部の温度情報を検出する第2の温度検出ステップと、
検出された前記光の照射前後の前記受光部の前記温度情報の差に基づき、前記光の絶対強度を算出する演算処理ステップと、
を含むことを特徴とする絶対光強度測定方法。
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