<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について説明する。
図2は、第1の実施形態の無線放送システム5の構成例を示す。無線放送システム5は、親局装置6及び子局装置7から構成される。親局装置6及び子局装置7は、例えば、無線通信回線を介して接続されている。
図3に、第1の実施形態の親局装置6の構成例を示す。図3に示すように、親局装置6は、第1記録手段8、第2記録手段9、更新手段10、制御手段11及び通信手段12から構成される。
第1記録手段8は、放送種類ごとに、送信対象の子局装置7の識別情報及び放送条件が登録された設定テーブルを保持する。放送条件とは、例えば、放送対象局、拡声放送の音量等の放送設定である。
第2記録手段9は、子局装置7の配置されている環境に関する環境情報と対応する設定変更情報を保持する。設定変更情報とは、例えば、電力の停止した子局装置7を放送対象局から除外する等の情報である。
更新手段10は、環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を第2記録手段9から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて第1記録手段8に保持されている設定テーブルを更新する。更新手段10は、例えば、子局装置7から電力供給停止通知を含む環境情報を受信した場合、電力供給停止通知に応じた設定変更情報を第2記録手段9から抽出する。また、更新手段10は、例えば、子局装置7から放射線に関するアラームを含む環境情報を受信した場合、放射線に関するアラームに応じた設定変更情報を第2記録手段9から抽出する。また、更新手段10は、例えば、親局装置6が取得した放射線に関する環境情報が所定の条件を満たした場合、放射線に関するアラームに応じた設定変更情報を第2記録手段9から抽出する。
制御手段11は、所定の放送種類の放送指示を受け付けた場合、受け付けた放送指示の放送種類に対応する送信対象の子局装置7の識別情報及び放送条件を、第1記録手段8に保持されている設定テーブルから抽出し、抽出した子局装置7の識別情報及び放送条件に基づいて放送指示を決定する。
通信手段12は、決定された放送指示を送信対象の子局装置7へ送信する。
上記のように構成された無線放送システム5は、次のように動作する。第1の実施形態に係る無線放送システム5の動作例を示すフローチャートを図4に示す。
親局装置6は、環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を第2記録手段9から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて設定テーブルを更新する(S101)。例えば、子局装置7は、自局が位置する環境に関する情報を収集し、収集した環境情報を親局装置6へ送信し、親局装置6は、取得した環境情報に対応する設定変更情報を第2記録手段9から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて設定テーブルを更新する。また、例えば、子局装置7は、自局へ供給されている電力の供給停止を検知した場合、電力供給停止通知を含む環境情報を送信し、計測した放射線濃度が所定の閾値以上となった場合、放射線に関するアラームを含む環境情報を送信する。また、例えば、子局装置7から電力供給停止通知を含む環境情報を受信した場合、親局装置6は、電力供給停止通知に応じた設定変更情報を第2記録手段9から抽出する。また、例えば、子局装置7から放射線に関するアラームを含む環境情報を受信した場合、放射線に関するアラームに応じた設定変更情報を第2記録手段9から抽出する。
そして、親局装置6は、所定の放送種類の放送要求を受け付けた場合、受け付けた放送要求の放送種類に対応する送信対象の子局装置7の識別情報及び放送条件を、第1記録手段8に保持されている設定テーブルから抽出する。そして、親局装置6は、抽出した子局装置7の識別情報及び放送条件に基づいて、放送指示を決定し、決定した放送指示を子局装置7へ送信する(S102)。例えば、親局装置6は、親局装置6や図示しない放送設備等から放送要求を受け付ける。
子局装置7は、親局装置6から受信した放送指示に基づいて、拡声放送を行う(S103)。例えば、親局装置6は、所定の子局装置7への電力供給が停止されていることから、設定テーブルに応じてその子局装置7への放送指示を取りやめる。なお、設定テーブルに応じて音量を小さくした拡声放送を行わせたり、繰り返し数を削減した拡声放送を行わせることもできる。また、例えば、親局装置6は、自局周辺の放射線濃度が所定の閾値以上となったことから、手動放送の優先度を高く設定し、自動放送中に手動放送の放送指示を受け付けた場合、自動放送の放送指示を取りやめて、手動放送の放送指示を子局装置7へ送信する。
本実施形態に係る無線放送システム5において、親局装置6は、子局装置7から環境情報を受信した場合、受信した環境情報に基づいて第1記録手段8の設定テーブルを更新する。
以上のように、第1の実施形態によれば、様々な環境条件に柔軟に対応することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態の子局装置13の構成例を示す。図5に示すように、子局装置13は、第1記録手段14、第2記録手段15、更新手段16、制御手段17及び放送手段18から構成される。
第1記録手段14は、放送種類ごとに、放送条件が登録された設定テーブルを保持する。放送条件とは、例えば、拡声放送の音量等の放送設定である。
第2記録手段15は、自子局装置13の配置されている環境に関する環境情報と対応する設定変更情報を保持する。環境情報とは、例えば、停電に関する環境情報、放射線濃度に関する環境情報等である。設定変更情報とは、自子局装置13が停電した場合に、放送の優先度を変更する等の情報である。
更新手段16は、環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を第2記録手段15から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて設定テーブルを更新する。
制御手段17は、所定の放送種類の放送要求を受け付けた場合、受け付けた放送要求の放送種類に対応する放送条件を設定テーブルから抽出し、該抽出した放送条件に基づいて放送指示を決定する。
放送手段18は、決定された放送指示に基づいて、拡声放送を行う。例えば、放送手段18は、スピーカ等から構成される。
図6は、第2の実施形態の子局装置13の動作例を示すフローチャートである。
更新手段16は、環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を第2記録手段15から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて設定テーブルを更新する(S201)。
制御手段17は、所定の放送種類の放送要求を受け付けた場合、受け付けた放送要求の放送種類に対応する放送条件を設定テーブルから抽出し、該抽出した放送条件に基づいて放送指示を決定する(S202)。
放送手段18は、放送指示に基づいて、拡声放送を行う。(S203)。
以上のように、第2の実施形態によれば、様々な環境条件に柔軟に対応することができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、第3の実施形態の無線放送システム19の構成例を示す。
無線放送システム19は、親局装置20と、複数の子局装置21と、遠隔制御局設備22、自動起動装置23及び外部起動装置24を含む放送設備とから構成される。以下、無線放送システム19の各構成について、詳細に説明する。なお、図7では、1台の子局装置21のみ示しているが、複数台あってもよい。
遠隔制御局設備22は、親局装置20を遠隔制御する。例えば、遠隔制御局設備22は、親局装置20と有線接続又は無線接続され、親局装置20に対して、放送要求を送出し、親局装置20の放送起動を行う。
自動起動装置23は、親局装置20に対して、放送要求を送出し、親局装置20の自動起動を行う。例えば、自動起動装置23は、全国瞬時警報システム(J−ALERT)における、全国瞬時警報システム受信機である。
外部起動装置24は、所定の条件を満たした場合に、親局装置20に対して放送要求を送出し、親局装置20の放送起動を行う。例えば、外部起動装置24は、津波や地震発生時に親局装置20の放送起動を行う津波起動装置、地震起動装置等である。
また、上記各放送設備は、手動放送の放送要求を親局装置20に送出する。また、手動放送の放送要求を送出するに際し、各放送設備のユーザは、手動放送の優先度を設定する。なお、上記各放送設備は、それぞれ必須の放送設備ではなく、同報無線システムの規模や使用目的によって、接続しないか、1つ又は複数接続されてもよい。
親局装置20は、複数の子局装置21の中から、放送対象となる子局装置21(以下、放送対象局という)を選択して、選択した放送対象局へ、自動放送又は自動プログラム通報の放送指示を含む無線呼出信号を送出する。また、親局装置20は、親局装置20や放送設備等のユーザから手動放送の放送要求があった場合に、該放送要求に含まれる放送対象局の情報に基づき、手動放送の放送指示を含む無線呼出信号を送出する。
より詳細には、親局装置20は、操作卓201と、無線通信部202とを備える。また、操作卓201は、制御部203、操作部204、記録部205、演算部206、インターフェース部207(以下、I/F部207という)及びセンサ部209から構成される。
制御部203は、親局装置20の各部の制御を行う。
操作部204は、ユーザからの所定の情報の入力を受け付ける。例えば、操作部204は、親局装置20のユーザ等によって使用され、記録部205に格納される制御条件等の変更を行う際に用いられる。また、操作部204は、親局装置20のユーザからの手動放送の放送要求、手動放送の放送対象局、手動放送の音声データ及び手動放送の優先度等の情報の入力を受け付ける。また、例えば、操作部204は、キーボート、マウス等から構成される。
記録部205は、自動放送及び自動プログラム通報の放送内容の音声データを格納する。例えば、記録部205は、震度3以上震度5弱以下の余震の震度速報の自動放送の音声データを格納する。また、記録部205は、自動プログラム通報を行う日時情報を格納する。例えば、記録部205は、平日の17時に自動プログラム通報Aを行う旨を格納する。
また、記録部205は、自動放送及び自動プログラム通報ごとに、放送対象局となる子局装置21の情報(以下、放送対象局テーブルという)を格納する。より詳細には、記録部205は、図8のように、自動放送及び自動プログラム通報の放送内容ごとに選択される子局装置21を対応付け、放送対象局テーブル25として管理する。子局装置21は、例えば、子局装置21のID(Identifier)、放送設備の名称、管理番号、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、型番、品名等で特定される。図8の放送対象局テーブル25において、子局装置21−1が自動放送Aの放送対象局となっている場合、子局装置21−1における自動放送Aの放送フラグは、オン(図8では○印で示す)となる。また、子局装置21−1が自動放送Bの放送対象局となっていない場合、自動放送Bの放送フラグは、オフ(図8では×印で示す)となる。
また、記録部205は、自動放送及び自動プログラム通報ごとに設定されている放送の優先度の情報(以下、優先度テーブルという)を格納する。例えば、図9の優先度テーブル26では、自動放送Aの優先度は、“高”と設定されている。本実施形態において、放送の優先度は高い方から、“高”、“中”、“低”とする。なお、親局装置20のユーザ等は、自動放送及び自動プログラム通報の放送の優先度を設定し、予め記録部205に格納しておいてもよい。放送の優先度の詳細は後述する。
また、記録部205は、自動放送及び自動プログラム通報の放送設定を変更するための制御条件を格納する。例えば、記録部205は、センサ部209が取得した放射線情報が所定の閾値以上となった場合に、自動放送及び自動プログラム通報に設定された放送の優先度を低くするという制御条件を格納する。なお、制御条件は、設定変更情報と呼ばれることもある。
また、記録部205は、上記所定の閾値を予め格納する。また、記録部205は、親局装置20等のユーザによって手動放送に設定可能な放送の優先度の情報を格納する。例えば、親局装置20等のユーザが手動放送の放送要求を行うに際し、手動放送に設定可能な放送の優先度が“高”、“中”の場合、記録部205は、上記手動放送に設定可能な放送の優先度の情報として、上記“高”、“中”を格納する。
なお、記録部205は、第1記録手段及び第2記録手段と呼ばれることもある。
演算部206は、センサ部209から受信した環境情報が所定の条件を満たしたか否かを判定する。演算部206は、上記環境情報が所定の条件を満たしたと判定した場合に、記録部205に格納された制御条件に基づき、放送対象局テーブルを更新する。例えば、演算部206は、センサ部209が取得した放射線情報が所定の閾値以上になったと判定した場合に、上記制御条件に基づき、自動放送及び自動プログラム通報に設定された優先度を低くする。上記優先度の変更においては、演算部206は、手動放送が、放送中の自動放送又は自動プログラム通報に割り込み可能なように、記録部205に格納される手動放送に設定可能な放送の優先度の情報に基づき、自動放送及び自動プログラム通報に設定されている優先度を、手動放送に設定可能な最低の優先度よりも低くする。例えば、親局装置20等のユーザによって手動放送に設定可能な最低の優先度が“中”の場合、図9及び図10に示すように、演算部206は、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を“低”に変更する。一般に、親局装置20等のユーザによって手動放送が行われる場合、ユーザは放送する手動放送の緊急性に応じて、優先度を設定する。例えば、緊急を要する手動放送を行う場合、ユーザは手動放送に最も高い優先度を設定し、一方、緊急を要さない手動放送を行う場合には、最も低い優先度を設定する。本実施形態においては、演算部206は、自動放送及び自動プログラム通報に設定された優先度を、上記手動放送に設定可能な最も低い優先度よりも低くすることにより、自動放送又は自動プログラム通報の放送中に手動放送の放送要求があった場合に、いずれの手動放送も割り込みで放送されることとなる。
また、演算部206は、放送設備から自動放送の放送要求があった場合に、放送対象局テーブルに基づき、自動放送の放送対象局を特定する。また、演算部206は、自動プログラム通報の放送日時となった場合に、放送対象局テーブルに基づき、自動プログラム通報の放送対象局を特定する。例えば、図8の放送対象局テーブル25において、放送設備から自動放送Aの放送要求があった場合、演算部206は、子局装置21−1から子局装置21−n全てを、自動放送Aの放送対象局として特定する。
また、演算部206は、特定した放送対象局の情報と、記録部205に格納される自動放送又は自動プログラム通報の音声データとを無線通信部202へ送出する。例えば、図8において、放送設備から自動放送Aの放送要求があった場合、演算部206は、子局装置21−1から子局装置21−n全ての情報及び自動放送Aの音声データを無線通信部202へ送出する。
また、子局装置21が自動放送又は自動プログラム通報の放送中に、放送設備から手動放送の放送要求を親局装置20が受信した場合、又は操作部204を介して手動放送の放送要求があった場合に、演算部206は、該放送要求が手動放送のものであると特定するとともに、放送要求のあった手動放送に設定された放送の優先度を特定する。また、演算部206は、優先度テーブルの情報に基づき、手動放送に設定された放送の優先度と、現在、子局装置21が放送中の自動放送又は自動プログラム通報に設定された優先度とを比較する。比較の結果、手動放送の優先度の方が高いと判定した場合、演算部206は、放送中の自動放送又は自動プログラム通報の放送を取りやめると判断し、手動放送の音声データ、放送対象局等を含む情報を無線通信部202へ送出する。例えば、図10の優先度テーブル27のように放送の優先度が変更された後、子局装置21による自動放送Aの放送中に、親局装置20のユーザが放送の優先度が“高”である手動放送の放送要求を行う場合について考える。この場合、親局装置20のユーザによって手動放送の放送内容、放送の優先度(この場合、“高”)等が親局装置20に入力されると、演算部206は、優先度テーブル27の情報に基づき、自動放送Aの優先度と、上記手動放送の優先度とを比較する。演算部206は、手動放送の優先度(“高”)が自動放送Aの優先度(“低”)よりも高いと判断し、自動放送Aの放送を取りやめ、手動放送の音声データ、放送対象局等を含む情報を無線通信部202へ送出する。
なお、手動放送の優先度が放送中の自動放送の優先度よりも低いと判断した場合、演算部206は、手動放送の放送要求を棄却し、棄却された場合、操作者により自動放送完了後、手動放送を手作業で実施するようにしても良い。また、手動放送の優先度が放送中の自動放送の優先度よりも低いと判断した場合、演算部206は、放送中の自動放送後に、手動放送の音声データ、放送対象局等を含む情報を無線通信部202へ送出するようにしても良い。演算部206は、更新手段及び制御手段と呼ばれることもある。
I/F部207は、自動放送又は手動放送に係る放送要求を受信する。例えば、I/F部207は、放送設備である遠隔制御局設備22、自動起動装置23及び外部起動装置24から送出される自動放送又は手動放送に係る放送要求を受信する。
センサ部209は、親局装置20周辺の環境情報を取得する。例えば、センサ部209は、電圧センサ、人感センサ、光センサ、温度センサ、風圧センサ、音センサ、振動センサ、放射線センサ、化学物質センサ、においセンサ、カメラ等である。また、センサ部209は、取得した環境情報を演算部206へ送出する。なお、センサ部209は、定期的に環境情報を取得し、演算部206へ送出してもよいし、制御部203からの指示に基づき、環境情報の取得及び送出を行ってもよい。
無線通信部202は、無線アンテナ208を備え、無線アンテナ208を介して、所定の情報を送受信する。より詳細には、無線通信部202は、演算部206から送出される放送対象局の情報と、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の音声データとを受信した場合に、放送対象局の情報に基づき、放送対象局となる子局装置21に対し、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の実行を指示する無線呼出信号を送出する。例えば、図8に示す放送対象局テーブル25に基づいて、無線通信部202は、子局装置21−1から子局装置21−n全てに対し、自動放送Aの音声データを含む無線呼出信号を送出する。また、例えば、無線通信部202は、親局装置20等のユーザによって指定された放送対象局の子局装置21に対し、手動放送の音声データを含む無線呼出信号を送出する。なお、無線通信部202は、通信手段と呼ばれることもある。
子局装置21は、親局装置20から送出された無線呼出信号を受信して、受信した無線呼出信号に含まれる放送内容に基づき、住民等に対して、拡声放送を行う。
図7に示すように、子局装置21は、制御部211、無線アンテナ212、スピーカ213、操作部214、記録部215、演算部216及び電源部217を備える。
制御部211は、子局装置21の各部の制御を行う。
無線アンテナ212は、親局装置20から送出される、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の実行指示である無線呼出信号を受信する。
スピーカ213は、親局装置20から実行指示された自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送を拡声放送する。
操作部214は、ユーザから所定の情報の入力を受け付ける。例えば、操作部214は、子局装置21のユーザによって使用され、子局装置21の操作を行う際に用いられる。例えば、操作部214は、キーボート、マウス等、又はスイッチ、ボタン、ダイヤル、ハンドセット等から構成される。 記録部215は、所定の情報を格納する。
演算部216は、無線アンテナ212が受信した無線呼出信号の内容に基づき、スピーカ213に対し、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送を実行指示する。
電源部217は、商用電源の取り込み口と、電池等の内部電源とを有し、自子局装置21へ電力の供給を行う。
次に、センサ部209が取得した環境情報に基づき、放送設定を変更する場合の親局装置20の動作について説明する。
図11は、センサ部209から送出される環境情報に基づき、演算部206が優先度テーブルを更新する場合の動作例を示す。
以下の動作例は、放射線センサであるセンサ部209によって取得された放射線情報が、所定の閾値以上となった場合を考える。また、記録部205は、センサ部209が取得する放射線情報が所定の閾値以上である場合に、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を低くする制御条件を予め格納する。
センサ部209は、取得した放射線情報を演算部206へ送出する(S301)。
演算部206は、センサ部209から送出された放射線情報が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S302)。
演算部206は、放射線情報が所定の閾値以上であると判定した場合に、記録部205に格納される制御条件に基づき、記録部205に格納される優先度テーブルを更新する(S303)。例えば、図10に示す優先度テーブル27のように、演算部206は、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を低くする。なお、放射線情報が所定の閾値より低いと判定した場合、演算部206は、優先度テーブルを更新しない。
次に、図10の優先度テーブル27のように放送の優先度が更新された後、子局装置21が自動放送Aを放送しているときに、自動起動装置23が、優先度が“高”と設定された手動放送の放送要求を親局装置20へ送出した場合の動作を図12を用いて説明する。
I/F部207が自動起動装置23から送信された手動放送の放送要求を受信すると、演算部206は、手動放送の放送要求であると特定する。さらに、演算部206は、自動起動装置23から送出された放送要求の内容に基づき、優先度が“高”と設定された手動放送の放送要求であると特定する(S401)。
次に、演算部206は、優先度テーブル27に基づき、自動放送Aの優先度(“低”)と、手動放送の優先度(“高”)とを比較する(S402)。本動作例の場合、演算部206は、自動放送Aの優先度よりも、手動放送の優先度の方が高いと判定し、自動放送Aの放送をとりやめ、手動放送の放送指示を送出すると判断する。
そして、演算部206は、手動放送の放送要求に含まれる放送対象局及び手動放送の音声データ等の情報を無線通信部202へ送出する。無線通信部202は、演算部206から受信した放送対象局の情報に基づき、無線アンテナ208を介して、放送対象局となる子局装置21へ、手動放送の音声データを含む、手動放送の放送を指示する無線呼出信号を送出する(S403)。
手動放送の放送対象局である子局装置21の無線アンテナ212は、親局装置20から送出される無線呼出信号を受信する。子局装置21の演算部216は、無線呼出信号に含まれる実行指示内容に基づき、スピーカ213に対し、自動放送Aの放送を取りやめ、手動放送の拡声放送を実行する旨の指示を送出する。そして、子局装置21のスピーカ213は、自動放送Aの拡声放送を取りやめ、手動放送の拡声放送を行う(S404)。
上記動作例では、自動放送に対して手動放送が割り込む場合を示したが、自動プログラム通報に対して手動放送が割り込む場合も同様の動作を行う。
なお、上述のように優先度が変更された後、センサ部209から送出される放射線情報が所定の閾値より低くなった場合には、演算部206は、図10に示す更新した優先度テーブル27を、図9に示す更新前の優先度テーブル26に戻す。
また、本実施形態では、親局装置20がセンサ部209を備える場合について示したが、遠隔制御局設備22、自動起動装置23、外部起動装置24のいずれか又は複数がセンサ部を備えていてもよい。遠隔制御局設備22、自動起動装置23、外部起動装置24に備えられたセンサ部は、取得した環境情報を定期的に親局装置20へと送出し、親局装置20は受信した該環境情報が所定の条件を満たした場合に、上記実施形態と同様の動作を行う。また、親局装置20は、各放送設備が備える複数のセンサ部及び自親局装置20が備えるセンサ部209によって取得された環境情報を総合的に判断して、上記実施形態と同様の動作を行ってもよい。例えば、親局装置20は、自親局装置20及び各放送設備が取得した環境情報の過半数が所定の条件を満たしたと判断した場合に、上記実施形態と同様の動作を行ってもよい。
また、本実施形態は、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を低くする場合について示したが、これに限るものではない。例えば、親局装置20は、センサ部209から送出された環境情報が所定の条件を満たした場合に、自動放送又は自動プログラム通報又はその両方の放送対象局や音量、放送の繰り返し回数等の放送設定を変更したり、特定の自動プログラム通報の即時放送を実施してもよい。
以上のように、第3の実施形態によれば、無線放送システム19は、環境情報が所定の条件を満たした場合に、自動的に放送の優先度を変更する。従って、所定の環境においては、緊急時においては、自動放送及び自動プログラム通報に対し、手動放送が割り込むことが可能となるため、緊急情報等を優先的に住民に周知させることができる。
<第4の実施形態>
本願発明の第4の実施形態について説明する。
図13は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成例を示す。
無線放送システム19Bは、親局装置20Bと、複数の子局装置21Bと、遠隔制御局設備22、自動起動装置23及び外部起動装置24を含む放送設備とから構成される。以下、無線放送システム19Bの各構成について、詳細に説明する。なお、図13では、1台の子局装置21Bのみ示しているが、複数台あってもよい。
遠隔制御局設備22、自動起動装置23及び外部起動装置24を含む放送設備は、第3の実施形態と同様の動作を行う。
親局装置20Bは、複数の子局装置21Bの中から、放送対象となる子局装置21B(以下、放送対象局という)を選択して、選択した放送対象局へ、自動放送又は自動プログラム通報の放送指示を含む無線呼出信号を送出する。また、親局装置20Bは、親局装置20Bや放送設備等のユーザから手動放送の放送要求を受信した場合に、手動放送の放送要求であると特定し、該放送要求に含まれる放送対象局の情報に基づき、放送対象となる子局装置21Bへ、手動放送の放送指示を含む無線呼出信号を送出する。
より詳細には、親局装置20Bは、操作卓201Bと、無線通信部202Bとを備える。また、操作卓201Bは、制御部203B、操作部204B、記録部205B、演算部206B及びインターフェース部207B(以下、I/F部207Bという)から構成される。
制御部203Bは、親局装置20Bの各部の制御を行う。
操作部204Bは、ユーザからの所定の情報の入力を受け付ける。例えば、操作部204Bは、親局装置20Bのユーザ等によって使用され、記録部205Bに格納される制御条件等の変更を行う際に用いられる。また、操作部204は、親局装置20のユーザからの手動放送の放送要求、手動放送の放送対象局、手動放送の音声データ及び手動放送の優先度等の情報の入力を受け付ける。また、例えば、操作部204Bは、キーボート、マウス等から構成される。
記録部205Bは、自動放送及び自動プログラム通報の放送内容の音声データを格納する。例えば、記録部205Bは、震度3以上震度5弱以下の余震の震度速報の自動放送の音声データを格納する。また、記録部205Bは、第3の実施形態と同様に、図14に示すような放送対象局テーブル28を格納する。
また、記録部205Bは、自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局を変更するための制御条件を格納する。例えば、記録部205Bは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21Bを自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外するという制御条件を格納する。なお、制御条件は、設定変更情報と呼ばれることもある。また、記録部205Bは、自動プログラム通報を行う日時情報を格納する。例えば、記録部205Bは、平日の17時に自動プログラム通報Aを行う旨を格納する。なお、記録部は、第1記録手段及び第2記録手段と呼ばれることもある。
演算部206Bは、無線通信部202Bが子局装置21Bから受信した無線信号が、電力供給が停止した旨の通知であるか否かを判定する。また、演算部206Bは、子局装置21Bから受信した無線信号が、電力供給が停止した旨の通知であると判定した場合に、記録部205Bに格納された制御条件に基づき、放送対象局テーブルを更新する。例えば、図15に示すように、子局装置21B−1の電力供給が停止した旨の通知であると判定した場合に、上記電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局から除外するという制御条件に基づき、演算部206Bは、子局装置21B−1に関する全ての自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグをオフにする。これにより、子局装置21B−1は放送対象局から除外される。
また、演算部206Bは、放送設備から自動放送の放送要求があった場合に、放送要求の内容を特定するとともに、放送対象局テーブルに基づき、自動放送の放送対象局を特定する。また、演算部206Bは、自動プログラム通報の放送日時となった場合に、放送対象局テーブルに基づき、自動プログラム通報の放送対象局を特定する。例えば、図15の放送対象局テーブル29において、放送設備から自動放送Aの放送要求があった場合、演算部206Bは、自動放送Aの放送要求であると特定するとともに、子局装置21B−1以外の子局装置21Bを、自動放送Aの放送対象局として特定する。なお、図15の放送対象局テーブル29では、子局装置21B−1以外の子局装置21Bは全て、自動放送Aの放送対象局となっているものとする。
また、演算部206Bは、特定した放送対象局と、記録部205Bに格納される自動放送又は自動プログラム通報の音声データとを無線通信部202Bへ送出する。例えば、図15において、放送設備から自動放送Aの放送要求があった場合、演算部206Bは、子局装置21B−1以外の子局装置21Bの情報及び自動放送Aの音声データを無線通信部202Bへ送出する。また、演算部206Bは、親局装置20Bや放送設備等のユーザから手動放送の放送要求があった場合に、手動放送の放送要求であると特定し、該放送要求に含まれる放送対象局の情報、音声データ等の情報を無線通信部202Bへ送出する。なお、演算部206Bは、更新手段及び制御手段と呼ばれることもある。
I/F部207Bは、自動放送又は手動放送に係る放送要求を受信する。例えば、I/F部207Bは、放送設備である遠隔制御局設備22、自動起動装置23及び外部起動装置24から送出される自動放送又は手動放送に係る放送要求を受信する。
無線通信部202Bは、無線アンテナ208Bを備え、無線アンテナ208Bを介して、所定の情報を送受信する。より詳細には、無線通信部202Bは、子局装置21Bから送信される、電力供給が停止した旨の通知を含む無線信号を受信する。また、無線通信部202Bは、演算部206Bから送出される放送対象局の情報と、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の音声データとを受信した場合に、放送対象局の情報に基づき、放送対象局となる子局装置21Bに対し、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の実行を指示する無線呼出信号を送出する。例えば、図15に示す放送対象局テーブル29に基づいて、無線通信部202Bは、子局装置21B−1以外の子局装置21Bに対し、自動放送Aの音声データを含む無線呼出信号を送出する。また、例えば、無線通信部202Bは、親局装置20B等のユーザによって指定された放送対象局の子局装置21Bに対し、手動放送の音声データを含む無線呼出信号を送出する。なお、無線通信部202Bは、通信手段と呼ばれることもある。
子局装置21Bは、親局装置20Bから送出された無線呼出信号を受信して、受信した無線呼出信号に含まれる放送内容に基づき、住民等に対して、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の拡声放送を行う。
図13に示すように、子局装置21Bは、制御部211B、無線アンテナ212B、スピーカ213B、操作部214B、記録部215B、演算部216B及び電源部217Bを備える。
制御部211Bは、子局装置21Bの各部の制御を行う。また、制御部211Bは、自子局装置21Bへの電力供給の停止を検出し、電力供給の停止を検出した場合に、子局装置21Bへの電力供給源を電池等の内部電源に切り替え、電力の供給が停止した旨の情報を記録部215Bに記録する。なお、制御部211Bは、子局装置21Bの電力供給が停止したか否かを定期的に確認するようにしてもよいし、親局装置20Bから送信される指示に基づき、子局装置21Bの電力供給が停止したか否かを確認してもよい。また、例えば、制御部211Bは、電圧を検出する電圧センサを含んでおり、該電圧センサは、商用電源から供給される電源電圧が所定の値を下回った場合に、電力供給が停止したと判定する。なお、制御部211Bは、環境情報収集手段と呼ばれることもある。
無線アンテナ212Bは、所定の情報を送受信する。より詳細には、無線アンテナ212Bは、親局装置20Bへ、自子局装置21BのID及び電力供給が停止した旨の通知を含む信号を送出する。また、無線アンテナ212Bは、親局装置20Bから送出される、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の実行指示である無線呼出信号を受信する。なお、無線アンテナ212Bは、子局側通信手段と呼ばれることもある。
スピーカ213Bは、親局装置20Bから実行指示された自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送の放送を拡声放送する。スピーカ213Bは、放送手段と呼ばれることもある。
操作部214Bは、ユーザから所定の情報の入力を受け付ける。例えば、操作部214Bは、子局装置21Bのユーザによって使用され、子局装置21Bの操作を行う際に用いられる。例えば、操作部214Bは、キーボート、マウス等、又はスイッチ、ボタン、ダイヤル、ハンドセット等から構成される。
記録部215Bは、所定の情報を格納する。また、記録部215Bは、自子局装置21BのIDを格納する。
演算部216Bは、親局装置20Bへ送出する、自子局装置21BのID及び電力供給が停止した旨を通知する信号を生成する。また、演算部216Bは、無線アンテナ212Bが受信した無線呼出信号の内容に基づき、スピーカ213Bに対し、自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送を実行指示する。
電源部217Bは、商用電源の取り込み口と、電池等の内部電源とを有し、自子局装置21Bへ電力の供給を行う。通常動作時においては、子局装置21Bは、商用電源から電力の供給を受け、所定の動作を行うが、商用電源からの電力供給が停止した場合、子局装置21Bは、内部電源から電力の供給を受け、所定の動作を行う。
次に、子局装置21Bへの電力の供給が停止したときの親局装置20Bの動作について説明する。
図16は、子局装置21Bから送出される電力の供給が停止した旨の通知を受信し、親局装置20Bが放送対象局テーブル28を更新する場合の動作例を示す。
以下の動作例は、子局装置21Bへの、商用電源による電力供給が停止する場合として、震度6以上の地震が発生した場合を考える。なお、子局装置21Bへの電力供給が停止する場合は、上記地震による場合以外にも、火災、津波、台風等の天災又は事故等による場合がある。また、記録部205Bは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局から除外するという制御条件を予め格納する。
子局装置21Bの制御部211Bは、自子局装置21Bへの電力供給が停止したことを検出し、子局装置21Bへの電力供給源を内部電源に切り替える(S501)。
次に、子局装置21Bの演算部216Bは、記録部215Bに格納された自子局装置21BのIDを含んだ電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を生成する。そして、無線アンテナ212Bは、親局装置20Bへ、生成した無線信号を送出する(S502)。
親局装置20Bの無線アンテナ208Bは、子局装置21Bから送出された、電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を受信する(S503)。
無線アンテナ208Bが受信した無線信号は、無線通信部202Bを経由して、演算部206Bへ送られる。演算部206Bは、子局装置21Bから受信した無線信号が、電力供給が停止した旨の通知であると判定した場合(S504)に、記録部205Bに格納される制御条件と、受信した無線信号に含まれる子局装置21BのIDとに基づき、記録部205Bに格納される放送対象局テーブル28を更新する(S505)。例えば、子局装置21B−1の電力供給が停止した旨の通知であると判定した場合には、図15に示す放送対象局テーブル29のように、演算部206Bは、電力の供給が停止した子局装置21B−1の自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全てオフにし、子局装置21B−1を放送対象局から除外する。
次に、図15の放送対象局テーブル29に基づいて、親局装置20Bが自動放送Aを実施する手順について説明する。
図17は、子局装置21B−1の電力の供給が停止し、図15の放送対象局テーブル29のように放送対象局テーブルが更新された後、自動起動装置23が自動放送Aの放送要求を親局装置20Bへ送出した場合の動作例を示す。
I/F部207Bは自動起動装置23から送信された自動放送Aの放送要求を受信し、演算部206Bは、自動起動装置23から送出された放送要求の内容に基づき、自動放送Aの放送要求であると特定する(S601)。
次に、演算部206Bは、特定した自動放送Aの情報と、記録部205Bに格納される放送対象局テーブル29とに基づき、自動放送Aの放送対象局を特定する(S602)。本動作例の場合、演算部206Bは、子局装置21B−1以外の子局装置21Bを放送対象局と特定する。
そして、演算部206Bは、特定した放送対象局と、記録部205Bに格納される自動放送Aの情報とを無線通信部202Bへ送出する。本動作例の場合、演算部206Bは、特定した子局装置21B−1以外の子局装置21Bの情報及び自動放送Aの音声データを、無線通信部202Bへ送出する。無線通信部202Bは、演算部206Bから受信した放送対象局の情報及び自動放送Aの音声データに基づき、無線アンテナ208Bを介して、子局装置21B−1以外の子局装置21Bへ、自動放送Aの音声データを含む、自動放送Aの実行を指示する無線呼出信号を送出する(S603)。
子局装置21B−1以外の子局装置21Bの無線アンテナ212Bは、親局装置20Bから送出される無線呼出信号を受信する。子局装置21B−1以外の子局装置21Bの演算部216Bは、無線呼出信号に含まれる実行指示内容に基づき、スピーカ213Bに対し、自動放送Aの拡声放送を実行指示する。そして、子局装置21B−1以外の子局装置21Bのスピーカ213Bは、自動放送Aの拡声放送を行う(S604)。
上記動作例では、自動放送の放送要求が送出された場合の動作例を示したが、自動プログラム通報を行う場合も同様の動作を行う。例えば、図15に示す放送対象局テーブル29において、自動プログラム通報Aの時刻となった場合に、演算部206Bは、自動プログラム通報Aの放送対象局として、子局装置21B−1以外の子局装置21Bを特定し、自動プログラム通報Aの実行指示を子局装置21B−1以外の子局装置21Bへ送出する。
なお、子局装置21B−1の電力供給が復旧した場合には、子局装置21B−1は、電力供給が復旧した旨の通知を親局装置20Bへと送出し、親局装置20Bは、図15に示す更新した放送対象局テーブル29を、図14に示す更新前の放送対象局テーブル28に戻す。
なお、手動放送の実行指示に係る無線呼出信号を受信した場合、子局装置21Bの演算部216Bは、該無線呼出信号に含まれる実行指示内容に基づき、スピーカ213Bに手動放送の実行を指示し、スピーカ213Bは手動放送の拡声放送を行う。
また、第4の実施形態では、親局装置20Bは、電力の供給が停止した子局装置21Bを自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外したが、自動放送又は自動プログラム通報のいずれか一方の放送対象局から除外してもよい。例えば、自動放送のみについて放送対象局から除外する場合には、記録部205Bは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21Bを自動放送の放送対象局から除外するという制御条件を格納する。なお、どの自動放送及び自動プログラム通報から除外するか否か(放送フラグをオフにする自動放送及び自動プログラム通報の数等)は親局装置20Bのユーザ等が任意に設定してもよい。
また、第4の実施形態では、子局装置21Bが停電した場合に、親局装置20Bは放送対象局等の放送条件を変更したが、これに限るものではない。例えば、子局装置21Bは、第3の実施形態のセンサ部209のように、子局装置21Bの周辺環境情報を取得するセンサ部を備え、親局装置20Bは該センサ部によって取得された情報が所定の条件を満たしたと判定した場合に、放送対象局等の放送条件を変更してもよい。また、例えば、子局装置21Bは、自子局装置21Bが備えるセンサ部によって取得された環境情報が所定の条件を満たしたと判定した場合に、その旨を親局装置20Bへ通知し、親局装置20Bは該通知に基づき放送対象局等の放送条件を変更してもよい。
以上のように、第4の実施形態によれば、無線放送システム19Bは、放送対象局の設定を柔軟に変更することにより、自動放送及び自動プログラム通報の放送自体を取りやめることなく、内部電源で稼働する電力の供給が停止した子局装置21Bにおける無駄な電力の消費を防ぐことができ、内部電源の稼働時間を延ばすことができる。
<第4の実施形態の変形例>
本発明の第4の実施形態の変形例について説明する。
第4の実施形態では、親局装置20Bは、電力の供給が停止した子局装置21Bのみを自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外した。これに対し、第4の実施形態の変形例においては、親局装置20Bは、電力の供給が停止した旨の通知を送信した子局装置21B及びその周辺の子局装置21Bを、自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外する。
第4の実施形態の変形例の同報無線システムの構成は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成と同様であるため、説明を省略する。
記録部205Bは、図14に示す放送対象局テーブル28の情報に加え、無線放送システム19B内の各子局装置21Bの位置情報を格納する。また、記録部205Bは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の通知を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21B及び電力の供給が停止した子局装置21Bの周辺に位置する子局装置21Bを自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外するという制御条件を予め格納する。
演算部206Bは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21BのIDと、記録部205Bに格納される各子局装置21Bの位置情報とに基づき、電力の供給が停止した子局装置21B及び電力の供給が停止した子局装置21Bの周辺に位置する子局装置21Bを特定し、自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外する。例えば、演算部206Bは、電力の供給が停止した子局装置21Bと、電力の供給が停止した子局装置21Bの周辺数kmの範囲内に設置されている子局装置21Bとを特定し、自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外する。図18に示す放送対象局テーブル30のように、演算部206Bは、電力の供給が停止した子局装置21B−1及びその周辺に位置する子局装置21B−2の自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグをオフにする。
そして、自動放送の放送要求があった場合、又は自動プログラム通報の日時となった場合に、親局装置20Bは、上記放送フラグがオンとなっている子局装置21Bに対し、拡声放送の指示を送出し、拡声放送の指示を受信した子局装置21Bは、拡声放送を行う。
なお、親局装置20Bが、予め定められた放送除外グループ情報に基づき、放送対象局から除外する子局装置21Bを決定してもよい。例えば、記録部205Bは、予め、放送除外グループ情報を格納しており、演算部206Bは、放送除外グループ情報に基づき、電力の供給が停止した子局装置21B及びこの子局装置21Bと合わせて放送対象局から除外する子局装置21Bを特定し、特定した子局装置21Bを放送対象局から除外する。なお、放送除外グループ情報は、親局装置20Bのユーザ等によって、任意に設定される。
以上のように、第4の実施形態の変形例によれば、無線放送システム19Bは、無線放送システム19B内の子局装置への商用電源による電力の供給が停止した場合に、自動放送及び自動プログラム通報の放送自体を取りやめることなく、内部電源で稼働する子局装置21B及びその周辺の子局装置への自動放送及び自動プログラム通報を取りやめる。従って、停電している子局装置と共に、電力の供給が停止した子局装置の周辺に位置する、親局装置に対し商用電源による電力の供給停止等の情報を送信することができない子局装置(アンサーバック機能の無い子局装置)の内部電源の稼働時間も伸ばすこともできる。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について説明する。
図19は、第5の実施形態の無線放送システム19Cの構成例を示す。第4の実施形態と異なる点は、親局装置20Cが、複数の無線通信部202Bを備えている点であり、それ以外の構成は、第4の実施形態と同様である。なお、図19は、2つの無線通信部202Bを備える親局装置20Cを示しているが、親局装置20Cは、3つ以上の無線通信部202Bを備えていてもよい。
無線放送システム19Cがカバーする地理的な範囲が広い場合に、その範囲を分割し、複数の無線通信部202Bを用いて、分割したそれぞれの範囲に存在する子局装置21Bを、それぞれの無線通信部202Bが制御するという運用を行うことが多い。
第5の実施形態では、親局装置20Cは、電力の供給が停止した旨の通知を送信した子局装置21B及び電力の供給が停止した子局装置21Bを制御する無線通信部202Bの配下にある子局装置21Bを放送対象局から除外する。
記録部205Cは、図14に示す放送対象局テーブル28の情報に加え、無線通信部202BのIDと、それぞれの無線通信部202Bが制御する子局装置21BのIDとを対応付けて格納する。図20に示す放送対象局テーブル31において、子局装置21B−1及び子局装置21B−2は無線通信部202B−1によって制御されている。また、記録部205Cは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の通知を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21B及び電力の供給が停止した子局装置21Bを制御する無線通信部202Bの配下にある子局装置21Bを自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外するという制御条件を予め格納する。
演算部206Cは、記録部205Cに格納される放送対象局テーブルの情報に基づき、電力の供給が停止した子局装置21Bを制御する無線通信部202Bを特定する。また、演算部206Cは、特定した無線通信部202Bの情報と、記録部205Cに格納される制御条件とに基づき、記録部205Cに格納される放送対象局テーブルを更新する。より詳細には、図21の放送対象局テーブル32に示すように、演算部206Cは、電力の供給が停止した子局装置21B−1を制御する無線通信部202B−1を特定し、さらに、無線通信部202B−1が制御する子局装置21B−1及び子局装置21B−2の自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全てオフにする。
次に、子局装置21Bへの電力の供給が停止したときの親局装置20Cの動作について説明する。
図22は、第5の実施形態において、子局装置21B−1から電力の供給が停止した旨の通知を受信した場合に、親局装置20Cが放送対象局テーブルを更新する動作例を示す。
電力の供給が停止した子局装置21B−1は、自子局装置21B−1のID及び電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を親局装置20Cへ送出し、親局装置20Cは、子局装置21B−1に対応する無線アンテナ208Bを介して、この無線信号を受信する(S701、S702、S703)。
演算部206Cは、電力の供給が停止した旨の信号であると判定した場合(S704)に、記録部205Cに格納されている制御条件、該信号に含まれる子局装置21B−1のID及び記録部205Cに格納される放送対象局テーブルに基づき、電力の供給が停止した子局装置21B−1を制御する無線通信部202B−1を特定する。そして、演算部206Cは、特定した無線通信部202B−1が制御する子局装置21Bに関する自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全てオフにする(S705)。これにより、電力の供給が停止した子局装置21B−1を制御する無線通信部202B−1配下の全ての子局装置21Bは、自動放送及び自動プログラム通報の放送対象局から除外される。
自動放送又は自動プログラム通報又は手動放送を行う際の動作は、第4の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、第5の実施形態によれば、無線放送システム19Cは、無線放送システム19C内の子局装置21Bへの商用電源による電力の供給が停止した場合に、自動放送及び自動プログラム通報の放送自体を取りやめることなく、内部電源で稼働する子局装置21B及びその子局装置21Bに対応する無線通信部202Bの配下にある子局装置21の稼働時間を延ばすことができる。従って、停電している子局装置と共に、電力の供給が停止した子局装置の周辺に位置する、親局装置に対し商用電源による電力の供給停止等の情報を送信することができない子局装置(アンサーバック機能の無い子局装置)の内部電源の稼働時間も伸ばすこともできる。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態の無線放送システム19Dの構成は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成と同様であるため、説明を省略する。
第6の実施形態では、子局装置から電力の供給が停止した旨の信号を受信した親局装置は、自動放送及び自動プログラム通報に設定された放送の優先度を低くする。
電力の供給が停止した子局装置21Bは、第4の実施形態と同様に、親局装置20Dへ、自子局装置21BのID及び電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を送出する。
記録部205Dは、図14に示す放送対象局テーブル28に加え、第3の実施形態と同様に、優先度テーブルを格納する。また、記録部205Dは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、自動放送及び自動プログラム通報における放送の優先度を低くするという制御条件を格納する。また、記録部205Dは、放送設備、親局装置20D等のユーザが手動放送に設定可能な放送の優先度の情報を格納する。
子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合に、演算部206Dは、記録部205Dに格納される優先度テーブル及び上記制御条件に基づき、自動放送及び自動プログラム通報の放送の優先度を低くする。このとき、上記優先度を低くする度合いは、第3の実施形態と同様に、手動放送に設定可能な最低の優先度より低くなればよい。例えば、演算部206Dは、記録部205Dに格納される手動放送に設定可能な優先度の情報に基づき、手動放送に設定可能な最低の優先度より低くなるように、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を変更する。
上記のように優先度が変更された後の動作は、第3の実施形態と同様のため、説明を省略する。
図23は、第6の実施形態において、子局装置21Bから送出される電力の供給が停止した旨に基づき、親局装置20Dが放送対象局テーブルを更新する動作例を示す。
電力の供給が停止した子局装置21Bは、第4の実施形態と同様に、自子局装置21BのID及び電力の供給が停止した旨を通知する信号を含む無線信号を親局装置20Dへ送出する。親局装置20Dの無線アンテナ208Bは、子局装置21Bから送出された、電力の供給が停止した旨を通知する信号を含む無線信号を受信する(S801、S802、S803)。
演算部206Dは、受信した無線信号が電力の供給が停止した旨の信号か否かを判定する(S804)。
演算部206Dは、電力の供給が停止した旨の信号であると判定した場合に、記録部205Dに格納される制御条件及び手動放送に設定可能な優先度の情報に基づき、自動放送及び自動プログラム通報の放送の優先度を低くする(S805)。例えば、手動放送に設定可能な最も低い優先度が“中”の場合、演算部206Dは、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を全て“低”にする。
なお、本実施形態は、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を、手動放送に設定可能な最も低い優先度よりも低くする場合を示したが、これに限るものではない。例えば、自動放送及び自動プログラム通報の優先度を一律、一段階のみ低くするようにしてもよい。この場合、緊急を要する手動放送(優先度が“高”に設定された手動放送)のみが、全ての自動放送及び自動プログラム通報に対し、割り込むことが可能となる。また、親局装置20Dのユーザ等は、特定の自動放送のみの優先度を低くする等、予め定めてもよい。また、本実施形態では、親局装置20Dは、電力の供給が停止した子局装置21B−1を含む子局装置21B全てに対し、手動放送の放送指示を送出したが、手動放送の放送指示を送出する子局装置(手動放送の放送対象局となる子局装置)は、手動放送を行うユーザによって設定されてもよい。
以上のように、第6の実施形態によれば、放送対象局や放送設定等を柔軟に変更することができる。さらに、第6の実施形態によれば、無線放送システム19Dは、自動放送又は自動プログラム通報の放送が完了するのを待ってから、手動放送を行う場合に比べ、全体の放送時間を短縮することができるため、内部電源で稼働する子局装置21Bの稼働時間を延ばすことができる。
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態について説明する。
第7の実施形態では、子局装置から電力の供給が停止した旨の信号を受信した親局装置は、自動放送及び自動プログラム通報における放送設定を変更する。
第7の実施形態の無線放送システム19Eの構成は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成と同様であるため、説明を省略する。
電力の供給が停止した子局装置21Bは、第4の実施形態と同様に、親局装置20Eへ、自子局装置21BのID及び電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を送出する。
記録部205Eは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに放送設定を格納する。なお、放送設定は、自動放送及び自動プログラム通報の放送の音量設定、放送の音源に関する設定、放送後の親局装置20Eの動作に関する設定等を含む。例えば、図14に示す放送対象局テーブル28の情報に加え、図24に示す放送対象局テーブル33のように、記録部205Eは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに設定されている音量設定情報を格納し、自動放送Aの放送対象局となる子局装置21Bに対し、音量設定を“大”にして放送指示を送出する旨の情報を格納する。なお、音量設定は、音量の大きいものから順に、“大”、“小”とする。なお、放送設定の項目、設定内容等は、親局装置20Eのユーザ等によって予め設定されてもよい。また、記録部205Eは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報における放送設定を変更するという制御条件を格納する。なお、制御条件のその他の例としては、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨を受信した場合に、放送後の親局装置20Eの動作に関する放送設定を変更するという制御条件でもよい。
子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合に、演算部206Eは、子局装置21BのIDと、記録部205Eに格納される放送対象局テーブルと、上記制御条件とに基づき、記録部205Eに格納される、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報の放送設定を変更する。例えば、演算部206Eは、図24に示す放送対象局テーブル33に基づき、図25に示す放送対象局テーブル34のように、電力の供給が停止した子局装置21B−1を放送対象局に含む全ての自動放送及び自動プログラム通報の音量設定を小さくする。なお、放送設定の変更内容は、親局装置20Eのユーザ等によって予め設定されていてもよい。
その他の放送設定の変更例は、チャイム音やサイレン音、その他典型的な音源を省略して放送時間を短くする処理、放送後の子局装置21Bの状態監視を行う機能を無効にする処理等である。なお、放送後の子局装置21Bの状態監視を行う機能とは、例えば、放送後に親局装置20Eから送出される要求に応じて、子局装置21Bが、親局装置20Eに対し動作状態等を報告する機能をいう。
また、自動放送の放送要求があった場合、又は自動プログラム通報を行う場合に、演算部206Eは、例えば、図25に示す放送対象局テーブル34の場合、子局装置21B−1から子局装置21B−nの全てを放送対象局として特定するとともに、それらの音量設定が“小”であると特定する。
また、演算部206Eは、特定した放送対象局の情報及び音量設定と、自動放送又は自動プログラム通報の音声データとを含む信号を無線通信部202Eへ送出する。
無線通信部202Eは、演算部206Eから受信した情報に基づき、放送対象局となる子局装置21Bに対し、上記音声データ及び音量設定を含む、自動放送又は自動プログラム通報の実行を指示する無線呼出信号を送信する。
子局装置21Bは、親局装置20Eから受信した、自動放送又は自動プログラム通報の音声データと、上記音量設定に関する情報とを含む無線呼出信号に基づき、自動放送又は自動プログラム通報の拡声放送を行う。例えば、電力の供給が停止した子局装置21B−1は、親局装置20Eから送出される無線呼出信号に含まれる、音量設定に基づき、音量設定を“小”にして自動放送Aの拡声放送を行う。
なお、親局装置20Eや放送設備等のユーザによって手動放送の放送要求があった場合には、親局装置20E及び子局装置21Bは、第4の実施形態と同様の動作を行う。
以上のように、第7の実施形態によれば、無線放送システム19Eは、電力の供給が停止した子局装置21Bが拡声放送する際の音量設定を小さくすることにより、電力消費を低減することができる。さらに、親局装置20Eが、電力の供給が停止した子局装置21Bの状態監視を取りやめる処理を行った場合、電力の供給が停止した子局装置21Bは自子局装置21Bの状態を報告する必要が無くなるため、電力消費をさらに低減することができる。
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態について説明する。
同報無線システムの放送は、通知すべき情報を住民等に確実に周知するために、一度の放送において、同様の内容を繰り返して放送を行うことが多い。
第8の実施形態では、子局装置から電力の供給が停止した旨の信号を受信した親局装置は、自動放送及び自動プログラム通報における、放送の放送繰り返し回数を変更する。
第8の実施形態の無線放送システム19Fの構成は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成と同様であるため、説明を省略する。
電力の供給が停止した子局装置21Bは、第4の実施形態と同様に、親局装置20Fへ、自子局装置21BのID及び電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を送出する。
記録部205Fは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに、放送繰り返し回数を格納する。例えば、図14に示す放送対象局テーブル28の情報に加え、図26に示す放送対象局テーブル35のように、記録部205Fは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに、放送繰り返し回数を格納する。例えば、親局装置20Fは、放送対象局となる子局装置21Bに対し、自動放送Aの放送指示を3回繰り返して、合計4回送出する。なお、放送繰り返し回数が0回と設定されている場合は、親局装置20Fは1回のみ放送指示を送出する。また、記録部205Fは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の通知を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報における、放送繰り返し回数を変更するという制御条件を予め格納する。
子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合に、演算部206Fは、子局装置21BのIDと、記録部205Fに格納される放送対象局テーブルと、上記制御条件とに基づき、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報の放送繰り返し回数を変更する。例えば、演算部206Fは、子局装置21B−1から電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合に、図26に示す放送対象局テーブル35から、図27に示す放送対象局テーブル36に更新する。すなわち、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報の放送の放送繰り返し回数を減らす。なお、減らす値は、親局装置20Fのユーザによって設定されてもよい。
また、演算部206Fは、自動放送の放送要求があった場合、又は自動プログラム通報を行う場合に、記録部205Fに格納される放送対象局テーブルに基づき、自動放送又は自動プログラム通報を行う放送対象局及び上記放送繰り返し回数を特定し、自動放送又は自動プログラム通報の音声データ、放送対象局の情報及び放送繰り返し回数の情報を含む信号を無線通信部202Fへ送出する。
無線通信部202Fは、演算部206Fから受信した情報に基づき、放送対象局となる子局装置21Bに対し、放送繰り返し回数の分だけ、上記音声データを含む自動放送又は自動プログラム通報の実行を指示する無線呼出信号を送出する。例えば、無線通信部202Fは、無線呼出信号を送出し、放送完了を示す信号を子局装置21Bから受信した後に、無線呼出信号を再度送信するという動作を放送繰り返し回数分だけ行う。
子局装置21Bは、親局装置20Fから送出される無線呼出信号に基づき、自動放送又は自動プログラム通報の拡声放送を行い、放送が完了した場合に、放送完了通知を親局装置20Fへ送出し、再度、親局装置20Fから上記無線呼出信号を受信した場合に拡声放送を行う。
なお、電力の供給が停止した子局装置21Bのみの放送繰り返し回数を減らしてもよい。この場合、放送設備等から送出される自動放送の放送要求及び放送繰り返し回数の情報を含む上記放送対象局テーブルに基づき、親局装置20Fは、電力の供給が停止した子局装置21Bを含む子局装置21Bに対し、1回放送指示を送出する。次に、親局装置20Fは、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局から除外し、電力の供給が停止した子局装置21Bを除く子局装置21Bに対し、放送繰り返し回数で指定される残りの放送指示を送出する。
なお、親局装置20Fや放送設備等のユーザによって手動放送の放送要求があった場合には、親局装置20F及び子局装置21Bは、第4の実施形態と同様の動作を行う。
また、上記動作例では、子局装置21Bは、放送完了通知を親局装置20Fへ送出することとしたがこれに限られない。例えば、親局装置20Fは、放送繰り返し回数分だけ無線呼出信号を送出し、子局装置21Bはそれらの無線呼出信号を順次受信し、拡声放送待ちリストとして、拡声放送する自動放送又は自動プログラム通報を管理し、順次拡声放送を実行してもよい。
以上のように、第8の実施形態によれば、無線放送システム19Fは、放送対象局や放送設定等を柔軟に変更することができる。さらに、第8の実施形態によれば、無線放送システム19Fは、自動放送及び自動プログラム通報の放送で住民等に周知すべき内容を変更することなく、内部電源で稼働する子局装置21Bの稼働時間を延ばすことができる。すなわち、電力の供給が停止した子局装置21Bは、自動放送又は自動プログラム通報を過度に繰り返して拡声放送することがなくなるため、内部電源の電力消費を低減することができる。
<第9の実施形態>
本発明の第9の実施形態について説明する。
第9の実施形態では、子局装置から電力の供給が停止した旨の信号を受信した親局装置は、自動放送及び自動プログラム通報における放送内容に、所定の音声データを追加し、放送内容を変更する。
第9の実施形態の無線放送システム19Gの構成は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成と同様であるため、説明を省略する。
電力の供給が停止した子局装置21Bは、第4の実施形態と同様に、親局装置20Gへ、自子局装置21BのID及び電力の供給が停止した旨を通知する無線信号を送出する。
記録部205Gは、上記追加する音声データを格納する。また、記録部205Gは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに、その放送内容に所定の音声データを追加するか否かに関する情報(以下、音声追加フラグという)を格納する。図14に示す放送対象局テーブル28の情報に加え、図28の放送対象局テーブル37に示すように、記録部205Gは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに音声追加フラグを格納する。図28の放送対象局テーブル37において、音声追加フラグ“無”は、所定の音声データを追加しない旨を示している。また、音声追加フラグが“有”の場合には、所定の音声データを追加する旨を示す。例えば、自動放送Aの音声追加フラグが“有”の場合には、演算部206Gは、自動放送Aの内容に、所定の音声データを追加すると判定する。また、追加する音声データの一例は、「停電による電力不足のため、これ以降は緊急放送以外の放送(自動プログラム通報の場合は、定時放送)を行いません」等である。親局装置20Gのユーザ等は、操作部204Bを用いて、複数種類の追加する音声データを予め記録部205Gに登録しておいてもよく、登録された音声データの内容を適宜変更してもよい。なお、初期状態においては、図28の放送対象局テーブル37のように、全ての音声追加フラグは“無”となっているものとする。また、記録部205Gは、子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の通知を受信した場合に、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報における放送内容に、所定の音声データを追加するという制御条件を予め格納する。また、記録部205Gは、追加音声データに係る自動放送又は自動プログラム通報を行った後、電力の供給が停止した子局装置21Bを放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグをオフにするという制御条件を予め格納する。
子局装置21Bから電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合に、演算部206Gは、電力の供給が停止した子局装置21BのIDと、記録部205Gに格納される放送対象局テーブルと、上記制御条件とに基づき、記録部205Gに格納される音声追加フラグを“有”に変更する。例えば、子局装置21B−1から電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合に、演算部206Gは、図29の放送対象局テーブル38に示すように、子局装置21B−1を放送対象局に含む全ての自動放送及び自動プログラム通報の音声追加フラグを“有”に変更する。そして、演算部206Gは、音声追加フラグを“有”に変更した自動放送及び自動プログラム通報につき、所定の音声データを追加した新たな音声データを作成する。例えば、演算部206Gは、自動放送Aの音声追加フラグを“有”に変更した場合、自動放送Aの音声データに基づき、所定の音声データを追加した新たな自動放送Aの音声データを作成する。
自動放送の放送要求があった場合、又は自動プログラム通報を行う場合に、演算部206Gは、記録部205Gに格納される放送対象局テーブルに基づき、放送対象局の情報と、自動放送又は自動プログラム通報の音声データとを無線通信部202Gへ送出する。例えば、自動放送Aの放送要求を受信した場合に、演算部206Gは、図29の放送対象局テーブル38に基づき、自動放送Aの放送対象局の情報と、所定の音声を追加して作成した新たな自動放送Aの音声データとを無線通信部202Gへ送出する。
無線通信部202Gは、演算部206Gから受信した情報に基づき、図29の放送対象局テーブル38の場合、自動放送Aの放送対象局である電力の供給が停止した子局装置21B−1を含む子局装置21Bに対し、自動放送Aの音声データに所定の音声データを追加して作成した新たな音声データを含む無線呼出信号を送出する。
そして、演算部206Gは、所定の音声データを追加した自動放送Aの放送指示を送出した後、制御条件に基づき、図30の放送対象局テーブル39のように、子局装置21B−1を放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全てオフにし、これ以降、子局装置21B−1を放送対象局に含む自動放送及び自動プログラム通報の放送を取りやめる。
子局装置21Bは、親局装置20Gから送出される無線呼出信号に基づき、自動放送又は自動プログラム通報の拡声放送を行う。
なお、親局装置20Gや放送設備等のユーザによって手動放送の放送要求があった場合には、親局装置20G及び子局装置21Bは、第4の実施形態と同様の動作を行う。
また、上記実施形態においては、電力の供給が停止した旨を受信した際に、親局装置20Gは、新たな音声データを作成することとしたが、新たな音声データを作成するタイミングはこれに限られない。例えば、親局装置20Gは、電力の供給が停止した旨を受信した際に、音声追加フラグの更新のみ行い、自動放送の放送要求があった場合、又は自動プログラム通報の放送指示を送出する場合に、新たな音声データを作成することもできる。
以上のように、第9の実施形態によれば、無線放送システム19Gは、子局装置への商用電源による電力の供給が停止した場合に、例えば、住民等に自動放送及び自動プログラム通報の放送を取りやめる旨を周知した上で、放送を取りやめることができる。このため、第9の実施形態によれば、無線放送システム19Gは、住民等に不安を与えることなく、内部電源で稼働する子局装置21Bの稼働時間を延ばすことができる。
<第10の実施形態>
本発明の第10の実施形態について説明する。
上記第3乃至第9の実施形態は、いずれも、親局装置が自動放送及び自動プログラム通報に係る放送制御を行っていたが、第10の実施形態では、子局装置が放送制御を行う。
第10の実施形態の無線放送システム19Iの構成は、第4の実施形態の無線放送システム19Bの構成と同様であるため、説明を省略する。
子局装置21Cの記録部215Cは、自動放送及び自動プログラム通報に関する放送設定を格納する。例えば、図31に示すように、記録部215Cは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに設定された、放送を行うか否かを示す放送フラグと、放送の優先度とを格納する。例えば、自子局装置21Cが自動放送Aを放送し、自動放送Aの優先度が“高”の場合には、記録部215Cは、図31のように、自動放送Aを放送する旨の放送フラグをオン(図31では“○”で示す)とし、自動放送Aの放送の優先度を“高”と格納する。なお、自子局装置21Cが所定の自動放送又は自動プログラム通報の放送を行わない場合には、記録部215Cは、自動放送及び自動プログラム通報を行わない旨の放送フラグ(図32では“×”で示す)を格納する。また、記録部215Cは、自動放送及び自動プログラム通報ごとに、放送の音量、放送の放送繰り返し回数等の放送設定の情報を格納してもよい。また、記録部215Cに格納される自動放送及び自動プログラム通報ごとの放送設定は、予め子局装置21Cのユーザ等によって設定されていてもよい。
また、記録部215Cは、自動放送及び自動プログラム通報の放送設定を変更するための制御条件を格納する。例えば、記録部215Cは、自子局装置21Cの電力の供給が停止した場合に、放送の優先度が“中”以下の自動放送及び自動プログラム通報の放送は放送しないという制御条件を格納する。なお、放送設定を変更するための制御条件は、予め子局装置21Cのユーザ等によって設定されていてもよい。なお、記録部215Cは、第1記録手段及び第2記録手段と呼ばれることもある。
子局装置21Cの演算部216Cは、記録部215Cに格納される制御条件に基づき、放送設定の変更を行う。例えば、制御部211Cが自子局装置21Cへの電力供給の停止を検出した場合、演算部216Cは、記録部215Cに格納される自動放送及び自動プログラム通報の放送設定のうち、放送の優先度が“中”以下の自動放送及び自動プログラム通報について、放送を行わない旨に放送設定を変更する。すなわち、図32に示すように、演算部216Cは、放送の優先度が“中”以下の自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全て“×”に変更する。
また、自動放送又は自動プログラム通報に係る無線呼出信号を受信した場合に、無線呼出信号に基づき、放送指示の内容を特定する。また、演算部216Cは、特定した放送指示の内容及び記録部215Cに格納される放送フラグの情報に基づき、放送指示のあった自動放送又は自動プログラム通報を行うか否かを判定する。
例えば、親局装置20Bから自動放送Bの放送指示に係る無線呼出信号を受信した場合、演算部216Cは、放送指示の内容を特定し、放送指示の内容と、図32に示す放送フラグの情報とに基づき、自動放送Bの拡声放送は行わないと判定し、スピーカ213Cに対し、自動放送Bの実行指示を送出しない。一方、自動放送Aの放送指示に係る無線呼出信号を受信した場合には、演算部216Cは、スピーカ213Cに対し、自動放送Aの実行指示を送出する。
また、演算部216Cは、親局装置20Bから手動放送の放送指示に係る無線呼出信号を受信した場合に、手動放送の放送指示であると特定し、スピーカ213Cに対し、手動放送の実行指示を送出する。
また、演算部216Cは、制御部211Cが電力の復旧を検出した場合に、図32のように変更された放送設定を、図31に示す放送設定に戻す。なお、演算部216Cは、更新手段及び制御手段と呼ばれることもある。また、スピーカ213Cは、放送手段と呼ばれることもある。
図33は、第10の実施形態の子局装置21Cが自動放送及び自動プログラム通報の放送設定を変更する場合の動作例を示す。
制御部211Cは、自子局装置21Cへの電力の供給が停止したか否かを検出する(S901)。
制御部211Cが電力供給の停止を検出した場合、演算部216Cは、記録部215Cに格納される放送設定を変更する(S902)。例えば、演算部216Cは、放送の優先度が“中”以下の自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全て“×”に変更する。
図34は、第10の実施形態の無線放送システム19Iにおける放送制御の動作例を示す。
放送の優先度が“中”である自動放送Bの放送要求を放送設備から受信した親局装置20Bは、電力の供給が停止した子局装置21Cを含む子局装置21Cに対し、上記自動放送Bの放送指示に係る無線呼出信号を送出する。電力の供給が停止した子局装置21Cを含む各子局装置21Cは、無線アンテナ212を介して親局装置20Bから送出される無線呼出信号を受信する(S1001)。
電力の供給が停止した子局装置21Cの演算部216Cは、記録部215Cに格納される放送設定に基づき、放送指示された自動放送Bの放送を行うか否かを判定する。例えば、図32に示す情報に基づき、電力の供給が停止した子局装置21Cの演算部216Cは、自動放送Bの放送を行わないと判定する(S1002)。
自動放送Bの放送を行わないと判定した電力の供給が停止した子局装置21Cの演算部216Cは、スピーカ213Cに対し、自動放送Bの拡声放送の実行指示を送出せず、自動放送Bの放送指示を棄却する(S1003)。一方、電力の供給が停止していない子局装置21Cは、自動放送Bの拡声放送を行う。
なお、演算部216Cは、親局装置20Bから手動放送に係る無線呼出信号を受信した場合、手動放送の放送要求であると特定し、スピーカ213Cに対し、手動放送の拡声放送の指示を送出し、スピーカ213Cは手動放送の拡声放送を行う。
また、放送設定の変更については上記例に限られず、制御部211Cが子局装置21Cへの電力供給の停止を検出した場合には、例えば、演算部216Cは、放送の優先度が“中”以下の自動放送及び自動プログラム通報の放送音量を小さくするように放送設定の変更を行ってもよい。
また、制御部211Cが子局装置21Cへの電力供給の停止を検出した場合に、演算部216Cは、自動放送及び自動プログラム通報の放送フラグを全て“×”に変更することもできる。
また、子局装置21Cは、第3の実施形態のセンサ部209のように、子局装置21Cの周辺環境情報を取得するセンサ部を備え、該センサ部が取得した環境情報が所定の条件を満たした場合に、子局装置21Cは上記放送制御を行ってもよい。
また、子局装置21Cは、上記第6、第7又は第8の実施形態において、親局装置が行った放送制御に係る情報を格納し、同様の放送制御を行ってもよい。
以上のように、第10の実施形態によれば、電力の供給が停止したことを親局装置20Bに通知することができない(アンサーバック機能の無い)子局装置21Cは、電力の供給が停止した場合に、重要な放送のみ放送する、重要な放送以外の放送のスピーカ出力を制限する等、放送設定を変更することができ、内部電源で稼働する子局装置の稼働時間を延ばすことができる。
なお、以上の各実施形態では、親局装置、又は子局装置が放送制御を行う際の動作を説明したが、上記各実施形態で説明した放送制御の機能を、遠隔制御局設備、自動起動装置、外部起動装置等、同報無線システムに存在するその他の設備にて実現することもできる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではない。本発明は、各実施形態の変形・置換・調整に基づいて実施できる。すなわち、本発明は、本明細書の全ての開示内容、技術的思想に従って実現できる各種変形、修正を含む。なお、各図面に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
放送種類ごとに、送信対象の子局装置の識別情報及び放送条件が登録された設定テーブルを保持する第1記録手段と、
環境情報と対応する設定変更情報を保持する第2記録手段と、
前記環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を前記第2記録手段から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて前記設定テーブルを更新する更新手段と、
所定の放送種類の放送要求を受け付けた場合、前記受け付けた放送要求の放送種類に対応する送信対象の子局装置の識別情報及び放送条件を前記設定テーブルから抽出し、該抽出した子局装置の識別情報及び放送条件に基づいて放送指示を決定する制御手段と、
前記放送指示を送信対象の子局装置へ送信する通信手段と、
を備えることを特徴とする親局装置。
(付記2)
前記第2記録手段は、子局装置の停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置を送信対象から除外する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、前記停電している子局装置への放送指示を取りやめる、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記3)
前記第1記録手段は、送信対象の子局装置の位置情報を保持し、
前記第2記録手段は、前記停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置の近傍に位置する子局装置を送信対象から除外する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報及び前記送信対象の子局装置の位置情報に応じて、前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、前記近傍に位置する子局装置への放送指示を取りやめる、
ことを特徴とする付記2に記載の親局装置。
(付記4)
前記通信手段を複数備え、
各通信手段は、放送指示を所定の設定範囲内に位置する子局装置へそれぞれ送信し、
前記第1記録手段は、前記各通信手段の送信対象に関する送信対象情報を保持し、
前記第2記録手段は、前記停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置を送信対象に含む前記通信手段における送信対象となる他の子局装置を送信対象から除外する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報及び前記送信対象情報に応じて、前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、前記他の子局装置への放送指示を取りやめる
ことを特徴とする付記2に記載の親局装置。
(付記5)
前記第2記録手段は、子局装置の停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置を送信対象から除外すると共に音声追加する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、停電している子局装置へ追加された音声の放送指示を行った後、前記停電している子局装置への放送指示を取りやめる、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記6)
前記第2記録手段は、子局装置の停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置において放送の放送音量を小さくする設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、送信対象の子局装置の識別情報に基づいて、停電している子局装置へ放送音量を小さくした放送指示を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記7)
前記第2記録手段は、子局装置の停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置において放送繰り返し数を小さくする設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、送信対象の子局装置の識別情報に基づいて、停電している子局装置への放送指示回数を小さくする共にその他の子局装置に通常の繰り返し数の放送指示を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記8)
前記第2記録手段は、子局装置の停電を報知する環境情報に対応して、停電している子局装置において放送の音源を省略する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、送信対象の子局装置の識別情報に基づいて、停電している子局装置へ放送の音源を省略する放送指示を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
(付記9)
前記第2記録手段は、子局装置の停電を報知する環境情報に対応して、前記放送種類の優先度を変更する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、停電を報知する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、前記優先度に応じて放送指示を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記10)
前記第2記録手段は、放射線のアラームに関する環境情報に対応して、子局装置において放送繰り返し数を小さくする設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、放射線のアラームに関する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、送信対象の子局装置の識別情報に基づいて、子局装置への放送指示回数を小さくした放送指示を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記11)
前記第2記録手段は、放射線のアラームに関する環境情報に対応して、前記放送種類の優先度を変更する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、放射線のアラームに関する環境情報を取得したとき、前記取得した環境情報に応じて前記設定テーブルを更新し、
前記制御手段は、所定の放送種類の放送要求を受け付けたとき、前記優先度に応じて放送指示を決定する、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記12)
前記通信手段は、前記子局装置から前記環境情報を受信したとき、受信した環境情報を前記更新手段へ出力すると共に、管理装置から前記放送要求を受信したとき、受信した放送要求を前記制御手段へ出力する、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1項に記載の親局装置。
(付記13)
前記第2記録手段は、自親局装置の配置されている環境に関する環境情報と対応する設定変更情報を保持し、
前記更新手段は、自親局装置の配置されている環境に関する環境情報を取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の親局装置。
(付記14)
付記1乃至12のいずれか1項に記載の親局装置と、
前記親局装置から放送指示を受信した場合、受信した放送指示に基づいて拡声放送を行う子局装置と、
を備えることを特徴とする無線放送システム。
(付記15)
前記子局装置は、
前記親局装置と各種情報を送受信する子局側通信手段と、
前記子局側通信手段が受信した放送指示に基づいて、拡声放送を行う放送手段と、
自子局装置が位置する環境に関する情報を収集し、収集した環境情報を前記子局側通信手段を介して前記親局装置へ送信する環境情報収集手段と、
を備える、
ことを特徴とする付記14に記載の無線放送システム。
(付記16)
前記子局装置は、前記親局装置からの要求に応じて自子局装置の動作状態を前記親局装置に通知する動作状態通知手段を備え、
前記親局装置は、子局装置の停電を報知する環境情報を取得したとき、前記停電している子局装置への状態監視要求を停止する、
ことを特徴とする付記14または15に記載の無線放送システム。
(付記17)
放送種類ごとに、放送条件が登録された設定テーブルを保持する第1記録手段と、
自子局装置の配置されている環境に関する環境情報と対応する設定変更情報を保持する第2記録手段と、
前記環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を前記第2記録手段から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて前記設定テーブルを更新する更新手段と、
所定の放送種類の放送要求を受け付けた場合、前記受け付けた放送要求の放送種類に対応する放送条件を前記設定テーブルから抽出し、該抽出した放送条件に基づいて放送指示を決定する制御手段と、
前記放送指示に基づいて、拡声放送を行う放送手段と、
を備える子局装置。
(付記18)
放送種類ごとに、送信対象の子局装置の識別情報及び放送条件が登録された設定テーブルを保持する第1記録手段、及び、環境情報と対応する設定変更情報を保持する第2記録手段を備え、子局装置へ放送指示を送信する親局装置を用いた無線放送方法であって、
前記環境情報を取得し、取得した環境情報に対応する設定変更情報を前記第2記録手段から抽出し、抽出した設定変更情報に基づいて前記設定テーブルを更新し、
所定の放送種類の放送要求を受け付けた場合、前記受け付けた放送要求の放送種類に対応する送信対象の子局装置の識別情報及び放送条件を前記設定テーブルから抽出し、該抽出した子局装置の識別情報及び放送条件に基づいて放送指示を決定し、
前記放送指示を送信対象の子局装置へ送信する、
ことを特徴とする無線放送方法。