JP6213320B2 - 室外用送風装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機の室外機及び給湯器等の冷凍サイクル装置を構成する熱交換器等の送風を行うための室外用送風装置に関するものである。
従来の室外用送風装置であって、例えば、空気調和機の室外機は、外郭を形成する筐体と、この筐体内に設けられ、ボス部とその周囲に取り付けられる翼部を有する送風ファンと、この送風ファンを駆動するファンモータと、送風ファンの吹出し口にベルマウスが設けられ、吹出し口の前面側に取り付けられたファングリルと、送ファンの吸い込み側の筐体の上流側開口部に設けられた熱交換器と、冷媒を圧縮するコンプレッサ、制御用伝電装ボックス等で構成されている。
空気の吸い込み口または吹出し口となる前面パネルは、空気の流通通路として開放されているので、例えば格子による保護はあるものの、送風ファンや室外熱交換器は常に外気と接している。このため、暖房運転中に室外機の送風装置に霜、氷、または雪等が付着すると、送風ファンの回転負荷が大きくなり消費電力の増加、送風性能の低下、及び騒音の増大が生じる。さらに、このような状態が長く続くと、送風ファンの偏心振動により割れが生じ損傷する可能性もある。これらを防止するため、送風ファンの表面に氷や雪が付着しない、あるいは付着しても剥離し易い表面構造を有した送風装置の開発が望まれている。
このような問題を解消するために、送風装置の羽根車やファンケーシングの表面部に、低熱容量の表面部分A、及び、霜又は氷との結合性又は付着性が低い表面部分Bとを分散配置するように表面処理用組成物を塗装することで、表面部が撥水性および滑落性に優れたものになり、易霜氷剥離性を付与する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このときの表面処理組成物は、撥水性バインダー樹脂とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン4フッ化エチレン樹脂)粒子、分散剤、低熱容量の無機粒子及び溶媒からなり、表面部分Aは無機粒子(例えば、カーボンブラック)が形成、表面部分Bは撥水性バインダー樹脂及びPTFE粒子が形成していると推定されている。
さらに、様々な材質及び表面構造を有する基材において、耐摩耗性に優れた撥水性コーティング膜とその製造方法として、粒子径が特定範囲の大粒子径微粒子を用いて凹凸構造を有する耐摩擦性の下地膜を形成した後に、粒子径が特定範囲の疎水性の小粒子径微粒子を用いてさらに微細に凹凸構造を有する超撥水性の仕上げ膜を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004‐278443号公報 特開2012−20248号公報
しかしながら、上記特許文献1のようなコーティングによる着氷雪等を抑制する方法は、多々提案されているが、従来の超撥水コーティング膜は、初期特性としては、水の接触角が150度前後という撥水性が得られるものの、耐摩耗性の劣化が著しく超撥水性が持続しないという課題があった。
そのため、上記特許文献2のように、大粒子径の微粒子A(平均粒子径:15〜150μm)が形成する耐摩擦性下地膜の凹凸表面に、小粒子径の微粒子a(平均粒子径:5〜500nm)を均一に形成する超撥水性仕上げ膜の2層構造により、コーティング膜を摩擦した場合、凸部に付着している微粒子aは剥がれても、微粒子Aの凹部には大部分の微粒子aが残留し、耐摩耗性に優れた高撥水性のコーティング膜を提供することが可能となる。
しかしながら、この方法でも耐摩擦性下地膜と超撥水性仕上げ膜はいずれも、微粒子と樹脂組成物と溶媒とによる同じ素材構成であるため、相当時間が経過すれば、摩擦により膜が削られ、相当長期に亘って撥水性を維持することはできない。また、表面層に凹凸を形成するだけでは、粉塵等の親水性の汚れと油煙等の親油性の汚れとの両方の汚れを防止する効果を得ることはできない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、長期間に亘って着氷雪を速やかに滑落させ付着を抑制することで、送風性能の低下や送風ファンの損傷を防止するとともに、耐摩耗性、防汚性等に優れた室外用送風装置を得ることを目的とする。
この出願の第1の発明に係る室外用送風装置は、送風ファンを有する室外用送風装置であって、送風ファンの表面に、フッ素樹脂、粒子の平均粒径が5nm以上30nm以下である疎水性シリカ、および溶剤を含むコーティング組成物で形成されている下地層と、下地層の表面に、フッ素樹脂、疎水性シリカ、複数の扁平状微粒子、および溶剤を含むコーティング組成物で形成され、水滴との接触角が150度以上である上塗り層とを備え、扁平状微粒子の長辺を含む卓面と、扁平状微粒子に隣接する扁平状微粒子の長辺方向の端部を含む端面とが上塗り層の表面と反対側で互いに接して、上塗り層の表面に凹凸が形成され、凹凸には、疎水性シリカとフッ素樹脂とが保持されているものである。
この出願の第2の発明に係る室外用送風装置は、送風ファンを有する室外用送風装置であって、送風ファンの表面に設けられた水性のプライマー層と、プライマー層の表面に、フッ素樹脂、粒子の平均粒径が5nm以上30nm以下である疎水性シリカ、および溶剤を含むコーティング組成物で形成されている中間層と、中間層の表面に、フッ素樹脂、疎水性シリカ、複数の扁平状微粒子、および溶剤を含むコーティング組成物で形成され、水滴との接触角が150度以上である上塗り層とを備え、扁平状微粒子の長辺を含む卓面と、扁平状微粒子に隣接する扁平状微粒子の長辺方向の端部を含む端面とが上塗り層の表面と反対側で互いに接して、上塗り層の表面に凹凸が形成され、凹凸には、疎水性シリカとフッ素樹脂とが保持されているものである。
この発明によれば、送風ファンに2層構造による超撥水コーティング膜を形成することで、撥水性および滑落性に優れ、かつ着雪やほこり等の汚れが付着しても容易に除去することができる室外用送風装置を得るものである。
この発明の実施の形態1におけるコーティング膜を示す断面図である。 この発明の実施の形態1におけるコーティング膜表面上の液滴の模式図である。 この発明の実施の形態2における空気調和機の室外機を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2における空気調和機の室外機を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2におけるコーティング膜を示す断面図である。
実施の形態1.
次に、図面を用いて、この発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
発明者らは、超撥水性で基材との密着性にも優れた緻密で高硬度な下地層を形成した後に、フッ素樹脂と疎水性シリカとカードハウス構造の凝集構造を形成した扁平状微粒子とを用いて分散した超撥水性を有する上塗り層を形成することで、単位面積あたりの撥水物質の高密度化及び均一性が図れ、耐摩耗性と膜強度を確保した上で超撥水性のコーティング膜が得られることを見出した。
この発明の実施の形態1による室外用送風装置の基材、例えば、送風ファンの表面は、撥水性で表面緻密性および表面硬度の高い下地層と、前記下地層の表面に表面粗さが3μm以下でかつ表面自由エネルギーが10mJ/m以下の上塗り層からなる超撥水コーティング膜が形成されている。
また、前記超撥水コーティング膜は、フッ素樹脂、疎水性シリカおよび溶剤からなるコーティング組成物で形成されている下地層と、前記下地層の表面にフッ素樹脂、疎水性シリカ、扁平状微粒子としてトバモライト、および溶剤からなるコーティング組成物で形成されている上塗り層を有し、表面が超撥水性で防汚性にも優れ、さらに2層構造により耐摩耗性にも優れたコーティング膜が形成されている。
上記のような効果が得られるのは、下地層に撥水性で緻密な膜を形成し、さらに上塗り層にトバモライトを用いることで表面の凹凸が大きくなり、その隙間にフッ素樹脂や疎水性シリカの超撥水成分が保持されることで、単位面積あたりの撥水物質の高密度化および均一性が図れ、耐摩耗性と膜強度が確保できると推定される。
さらに、基材が樹脂の場合は、基材との密着性を向上させるために、ポリオレフィン系樹脂やウレタン樹脂からなるプライマー層を形成することが好ましい。この場合、コーティング膜の厚膜化および樹脂層への吸収による膜強化のため、フッ素樹脂および溶剤からなる中間層を形成することが好ましい。前記中間層の表面にフッ素樹脂、疎水性シリカ、扁平状微粒子としてトバモライト、および溶剤からなるコーティング組成物で上塗り層を形成し3層構造とすることが好ましい場合もある。
また、送風性能を有する送風ファンと該送風ファンの吹出し口に設けられたベルマウスとを備えており、送風ファンとベルマウスのそれぞれの表面に、撥水性で表面緻密性および表面硬度の高い下地層と、その表面に上記コーティング組成物を有する上塗り層を形成することで、表面粗さが3μm以下でかつ表面自由エネルギーが10mJ/m以下の表面層を形成しても良い。
以下、より具体的な構成として、図面に基づいて説明する。まず、コーティング組成物およびコーティング膜について説明する。図1は、この発明の実施の形態1における超撥水コーティング膜を備えた室外用送風装置の基材、例えば、送風ファンの模式断面図である。図において、例えば、樹脂でできた基材31の表面(層で表現すれば上層)に下地層32を形成する。この下地層32は、コーティング組成物として、フッ素樹脂35、疎水性シリカ粒子36、及び有機溶剤37を含んで構成される。ここで、「疎水性シリカ粒子」とは、表面が疎水処理されたシリカ粒子のことを意味する。塗装方法は、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、はけ塗り、浸漬、または、スプレー塗布等が挙げられる。下地層32の乾燥方法も特に限定されず、常温乾燥や加熱して乾燥しても良い。これにより、下地層32は、撥水性で表面緻密性および表面硬度の高いコーティング膜が得られる。
次に、下地層32の表面に、フッ素樹脂35、疎水性シリカ36、扁平状微粒子38、及び、有機溶剤37を含むコーティング組成物から形成されている上塗り層33を塗装する。塗装方法は、下地層32と同様、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、はけ塗り、浸漬、または、スプレー塗布等が挙げられる。上塗り層33の乾燥方法も特に限定されず、常温乾燥や加熱して乾燥しても良い。
この実施の形態1による室外用送風装置の超撥水コーティング膜に用いられるコーティング組成物であるフッ素樹脂35は、コーティング膜に撥水性を付与すると共に、基材とコーティング膜との密着性を付与するためのバインダーとしての作用を有する成分でもある。使用されるフッ素樹脂35としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。フッ素樹脂の例としては、FEVE(フルオロエチレンビニルエーテル交互共重合体)、FEVES(フルオロエチレンビニルエステル)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、及び、これらの共重合体並びに混合物、又は、これらのフッ素樹脂に他の樹脂を混合したものなどが挙げられる。これらのフッ素樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
下地層32のコーティング組成物中のフッ素樹脂35の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、より好ましくは2質量%以上5質量%以下である。フッ素樹脂35の含有量が0.5質量%未満であると、基材と撥水膜との密着性が十分に得られないと共に、フッ素樹脂による撥水性能も十分に得られないことがある。一方、フッ素樹脂35の含有量が10質量%を超えると、撥水膜の膜厚が大きくなりすぎてしまい、基材と撥水膜との密着性の低下や膜にクラックが発生することがある。
疎水性シリカ粒子36は、撥水膜の表面に凹凸構造を付与し、水滴との接触面積を低下させることによって撥水性能を向上させる成分である。使用される疎水性シリカ粒子36としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。具体的には、疎水性シリカ粒子36として、シリカ粒子を疎水処理したものを用いることができる。疎水処理が行われるシリカ粒子としては、特に限定されず、乾式法(例えば、燃焼法)、湿式法(例えば、ゾルゲル法や沈降法)などにより製造される各種シリカ粒子を用いることができる。また、シリカ粒子は、一部又は全部が溶融したシリカ粒子であってもよい。
疎水性シリカ粒子36の平均粒径は、特に限定されないが、5nm以上30nm以下であることが好ましい。ここで、本実施の形態中に記載される「疎水性シリカ微粒子の平均粒径」とは、レーザー光散乱式又は動的光散乱式の粒度分布計で測定した時の疎水性シリカ微粒子36の一次粒子の平均粒径の値を意味する。疎水性シリカ粒子36の平均粒径が5nm未満であると、撥水膜の表面に微細な凹凸構造を十分に形成することができず、所望の撥水性能が得られないことがある。一方、疎水性シリカ粒子36の平均粒径が30nmを超えると、表面の凹凸構造が大きくなりすぎてしまい、撥水膜の耐久性が低下してしまうことがある。
下地層32のコーティング組成物中の疎水性シリカ粒子36の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、より好ましくは1質量%以上15質量%以下である。疎水性シリカ粒子の含有量が0.5質量%未満であると、撥水膜の表面に凹凸構造を十分に形成することができず、所望の撥水性能が得られない。一方、疎水性シリカ粒子の含有量が20質量%を超えると、撥水膜の耐久性が低下してしまうことがある。
下地層32のコーティング組成物中のフッ素樹脂35と疎水性シリカ粒子36との質量比は、特に限定されないが、好ましくは20:80〜40:60、より好ましくは27:73である。このような質量比であれば、疎水性シリカ粒子による凹凸構造と、フッ素樹脂のバインダー効果をバランス良く得ることができる。
コーティング組成物中の有機溶剤37としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。有機溶剤の例としては、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、ソルベント灯油、芳香族石油ナフサ、トルオール、キシロール、ソルベントナフサ、ガムテレピン油、パインオイルなどの炭化水素系溶剤。エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、n−アミルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルブチルアルコール、メチルアミルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤。酢酸n−プロピル、プロピオン酸エチル、酢酸イソブチル、ラク酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ペンチル、酢酸アミル、酢酸メチルアミル、酢酸メトキシブチル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、乳酸エチルなどのエステル系又はエーテル系溶剤。ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メシチルオキシド、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン、エチルn−アミルケトン、メトキシメチルペンタノン、ジイソブチルケトン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じてN−メチルピロリドン、エチレングリコールモノブチルエーテル等の沸点が200℃以上の高沸点溶媒を添加することが好ましい。
下地層32のコーティング組成物中の有機溶剤37の含有量は、特に限定しないが、好ましくは50質量%以上90質量%以下である。有機溶剤の含有量が50質量%未満であると、所望の厚さの撥水膜を形成することが困難になる場合がある。一方、有機溶剤の含有量が90質量%を超えると、均一な撥水膜を形成することが困難になる場合がある。また、有機溶媒37に乳酸エチルを用いることで、疎水性シリカが浸透しやすく凝集することで、緻密で硬度の高い膜が形成される。
下地層32に用いられるコーティング組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、分散剤、レベリング剤、蒸発抑制剤、及び、付着性改良剤などが挙げられる。これらの添加剤の配合量は、使用する添加剤の種類に応じて適宜調整する必要がある。
上塗り層33のコーティング組成物中のフッ素樹脂35の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、より好ましくは2質量%以上8質量%以下である。フッ素樹脂35の含有量が0.5質量%未満であると、基材と撥水膜との密着性が十分に得られないと共に、フッ素樹脂による撥水性能も十分に得られないことがある。一方、フッ素樹脂35の含有量が10質量%を超えると、撥水膜の膜厚が大きくなりすぎてしまい、基材と撥水膜との密着性も低下してしまうこともある。
上塗り層33のコーティング組成物中の疎水性シリカ粒子36の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、より好ましくは1質量%以上15質量%以下である。疎水性シリカ粒子36の含有量が0.5質量%未満であると、撥水膜の表面に凹凸構造を十分に形成することができず、所望の撥水性能が得られない。一方、疎水性シリカ粒子の含有量が20質量%を超えると、撥水膜の耐久性が低下してしまうことがある。
上塗り層33のコーティング組成物中のフッ素樹脂35と疎水性シリカ粒子36との質量比は、特に限定されないが、好ましくは20:80〜40:60、より好ましくは23:77である。このような質量比であれば、疎水性シリカ粒子による凹凸構造と、フッ素樹脂のバインダー効果をバランス良く得ることができる。
上塗り層33のコーティング組成物中の有機溶剤37の含有量は、特に限定しないが、好ましくは50質量%以上90質量%以下である。有機溶剤の含有量が50質量%未満であると、所望の厚さの撥水膜を形成することが困難になる場合がある。一方、有機溶剤の含有量が90質量%を超えると、均一な撥水膜を形成することが困難になる場合がある。
上塗り層33のコーティング組成物中の扁平状微粒子38は、板状、鱗片状、短冊状、及び、円盤状等の微粒子であり、微粒子の卓面と端面が互いに接してカードハウス状の凝集構造により、上塗り層33の表面に凹凸が形成される。さらに、この表面の凹凸に、疎水性シリカ粒子によって形成される微小な凹凸が複合化される。
扁平状微粒子38の一次粒子の平均粒径は、好ましくは100nm以上100μm以下、より好ましくは200nm以上3μm以下である。ここで、扁平状微粒子38の粒径とは、長辺方向の長さのことである。扁平状微粒子38の一次粒子の平均粒径が100nm未満であると、撥水性の向上に必要な凹凸構造が得られない場合があるので好ましくない。また、扁平状微粒子38の一次粒子の平均粒径が100μmを超えると、扁平状微粒子38同士の間隔が液滴よりも大きくなりすぎるため、所望の撥水性を有する上塗り層33が得られない場合があるので好ましくない。なお、この発明の実施の形態において、扁平状微粒子38の一次粒子の平均粒径は、動的光散乱法により測定した値である。
扁平状微粒子38としては、スメクタイト、トバモライト、ベントナイト、カオリン、マイカ、ベーマイト、アルミニウム、アルミナ、シリカ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸塩鉱物、窒化ホウ素、グラフェン、酸化チタン、水酸化系化合物、炭酸塩系化合物、リン酸塩系化合物、ケイ酸塩系化合物、及び、チタン酸塩系化合物等が挙げられる。
上塗り層33のコーティング組成物中の扁平状微粒子38の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上5質量%以下である。扁平状微粒子38の含有量が0.1質量%未満であると、上塗り層33の全体に扁平状微粒子38を分散させることができず、微小な凹凸構造を形成する扁平微粒子による撥水性能を十分に得られないことがある。一方、扁平状微粒子38の含有量が10質量%を超えると、撥水膜の膜厚が大きくなりすぎてしまい、所望の強度を有する上塗り層が得られず、下地層32との密着性も低下してしまうこともある。
この発明の実施の形態1によるコーティング組成物は、上記の成分を混合することによって調製することができる。特に、フッ素樹脂35及び疎水性シリカ粒子36を有機溶剤37に配合して分散処理を行った後、扁平状微粒子38をさらに配合して分散処理を行うことが好ましい。
フッ素樹脂35及び疎水性シリカ粒子36を有機溶剤37中に均一に分散する分散処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、市販の高圧式分散機を用いた高圧分散処理が挙げられる。市販の高圧式分散機としては、ナノマイザー(例えば、吉田機械興業株式会社製)、マイクロフルイダイザー(例えば、MFICコーポレーション製)、アルティマイザーシステム(例えば、株式会社スギノマシン製)、音レス高圧乳化分散装置(例えば、株式会社美粒製)が挙げられる。これらの高圧式分散機は、吸入した処理対象物を高圧で微細な流路内に通したときに流路内で生じる高い剪断力、流路の工夫により生じる流体と壁面との衝突や流体同士の衝突による衝撃力、微細な流路から吐出されるときに生じるキャビテーションなどによって微細化処理を行うことができる。
高圧分散処理を行う場合、その圧力としては、特に限定されないが、好ましくは10MPa以上400MPa以下、より好ましくは20MPa以上350MPa以下、最も好ましくは30MPa以上300MPa以下である。
また、分散処理の方法として、市販の高速回転式分散機を用いた分散処理を行ってもよい。市販の高圧式分散機としては、TKロボミックス(プライミクス株式会社製等)などが挙げられる。この市販の高圧式分散機を用いる際の回転数、翼周速、及び回転体と固定部との間の空隙などの条件は、使用する装置に応じて適宜設定すればよい。
扁平状微粒子38は、有機溶媒37中で、強い剪断力のかからない方法により分散させることが望ましい。このような分散は、例えば、扁平状微粒子38を有機溶剤に添加した後、振とう器等を用いて分散させることにより可能である。なお、強い剪断力をかけた場合は、扁平状微粒子38のカードハウス状の凝集構造が破壊され、所望の撥水性が得られない。
上塗り層33のコーティング組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の添加剤を含有することができる。添加剤の例としては、分散剤、レベリング剤、蒸発抑制剤、及び、付着性改良剤などが挙げられる。これらの添加剤の配合量は、使用する添加剤の種類に応じて適宜調整する必要がある。
超撥水性のコーティング膜の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは5μm以上50μm以下である。膜厚が5μm以下であると、基材との密着性が十分に得られないことがある。一方、50μmを越えると、撥水膜にクラックなどの欠陥が生じ、所望の撥水性能が得られないことがある。また、欠陥を起点として撥水膜が剥離することもある。このため、膜厚を厚くする場合には、上記の塗装工程および乾燥工程を繰り返すことで、膜厚を厚くするのが好ましい。また、スプレー塗装にてコーティング膜を形成する場合は、有機溶剤37にて希釈して使用することで、クラック等が発生せず均一な膜が得られる。
上塗り層33における表面粗さは3μm以下で、かつ、表面自由エネルギーは10mJ/m以下であることが好ましい。表面粗さとは、非接触三次元形状計測装置(例えば、三鷹光器製)を用いて算術平均粗さRa(JIS B061に準拠)を測定し、凹凸の高さの差が3μm以下とすることで雪氷の付着を抑制できる。3μmを超える凹凸がある場合は、その凹凸により雪氷がすべりにくくなり、また凹部に空気が滞留し、その空気により着雪氷表面に存在する微量な水分が吸収され、超撥水性が阻害される。3μm以下であれば超撥水性に影響を及ぼさない。
次に、表面自由エネルギーを求める方法を以下に示す。図2は、コーティング膜の表面上に存在する液滴に働くエネルギーを模式的に示した図である。図のように、液滴が固体表面において接触角θで平衡に達したとき、Youngの式より下記数式1で表すことができる。
Figure 0006213320
ここで、γは固体の表面自由エネルギー、γSlは固体と液体の界面の表面自由エネルギー、γは液体の表面自由エネルギーを表す。表面自由エネルギーをファンデルワールス力に基づく分散力、水素結合に基づく極性力に分けると下記数式2のように表すことができる。
Figure 0006213320
Fowkes式を拡張したOwens式より、これらの成分には下記数式3の関係が成り立つ。
Figure 0006213320
以上、数式1乃至3から、下記数式4の関係が成り立つ。
Figure 0006213320
γ、γ 、及びγ が既知の液体を2種類用意し、その接触角θを測定することで、固体の表面自由エネルギー、その分散力成分、極性力成分を求めることができる。
今回は、表面張力が既知の液体であるジヨードメタン、及び、ホルムアミドを用い、表面自由エネルギーを算出した。表面自由エネルギーが10mJ/mより大きくなると、着氷力が大きくなりコーティング膜表面に付着した雪氷が滑落しない。また、表面自由エネルギーが10mJ/m以下の場合でも表面粗さが3μm以上の場合は着氷力が大きくなり、コーティング膜表面に付着した雪氷が滑落しない。よって、上塗り層33の表面は、表面粗さは3μm以下で、かつ表面自由エネルギーは10mJ/m以下にすることが重要である。
以上説明したようにして得られたコーティング膜は、撥水性および滑落性に優れ、耐摩耗性も確保した上で長期に亘って超撥水性を維持する効果が持続する。また、フッ素樹脂と疎水性シリカ粒子を有することにより、防汚性も付与されている。
以下、実施例および比較例により本発明の実施の形態について詳細を説明するが、下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
フッ素樹脂としてルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子としてアエロジルRX200(日本アエロジル社製)8.0質量%を、乳酸エチル89.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、コーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を10×10cm角のアルミ板上塗布、乾燥して下地層を形成した。
次に、ルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmのアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとN‐メチルピロリドンの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子としてトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)2.0質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記下地層の上に塗布、乾燥し、下地層と上塗り層の2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(実施例2)
フッ素樹脂としてルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子としてアエロジルRX200(日本アエロジル社製)8.0質量%を、乳酸エチル89.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、コーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を10×10cm角のアルミ板上塗布、乾燥して下地層を形成した。
次に、ルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmのアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノール溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子としてトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)2.0質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記下地層の上に塗布、乾燥し、下地層と上塗り層の2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(実施例3)
フッ素樹脂としてルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子としてアエロジルRX200(日本アエロジル社製)8.0質量%を、乳酸エチル89.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、コーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を10×10cm角のアルミ板上塗布、乾燥して下地層を形成した。
次に、ルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmのアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとN-メチルピロリドンの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子としてトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記下地層の上に塗布、乾燥し、下地層と上塗り層の2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(比較例1)
下地層は、市販の1液硬化型のエポキシ樹脂系プライマー(ナトコ株式会社製)を10×10cm角のアルミ板上塗布、乾燥して形成した。
次に、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmのアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノール溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子としてトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)2.0質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記下地層の上に塗布、乾燥し、下地層と上塗り層の2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(比較例2)
下地層は形成せずに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとN-メチルピロリドンの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)2.0質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記下地層の上に塗布、乾燥し、上塗り層のみの構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
上記の実施例1〜3と比較例1〜2で調整したコーティング組成物の組成を表1に示す。
Figure 0006213320
超撥水コーティング膜の評価は、水接触角、着氷付着力、表面粗さ、表面自由エネルギー、及び、耐磨耗性に基づいて行った。これらのそれぞれについての評価を以下に示す。
水接触角評価試験は、コーティング膜上に液滴量2μLの水滴を滴下し、接触角計DM301型(協和界面科学社製)を用いて、水滴の動的接触角を測定した。超撥水性の評価は、接触角150°以上を超撥水性と規定し、5段階評価とした。
5:接触角 150°以上
4:接触角 140°〜149°
3:接触角 130°〜139°
2:接触角 120°〜119°
1:接触角 110°以下
着氷付着力評価試験は、コーティング膜上に氷作製用のステンレスリング(高さ15mm、直径25.4mm)を置いて氷をコーティング膜表面に凍着させた。その後ステンレスリングにせん断方向より荷重を負荷することによりコーティング膜と凍結面を剥離させ、このときの荷重を付着面積で除した値を着氷力(kgf/cm)とし0.5kgf/cm以下の弱い力で氷が剥がれるコーティング膜を最も良好として、5段階評価とした。
5:0.5kgf/cm以下
4:0.6〜1.0kgf/cm
3:1.1〜2.0kgf/cm
2:2.1〜3.0kgf/cm
1:3.0kgf/cm以上
表面粗さは、非接触三次元形状計測装置(例えば三鷹光器製)を用いて算術平均粗さRa(JIS B061に準拠)を測定し、凹凸の高さの差が1.5μm以下を最も良好として、5段階評価とした。
5:1.5μm以下
4:1.6〜3.0μm
3:3.1〜5.0μm
2:5.1〜7.0μm
1:7.0μm以上
表面自由エネルギーは、前記記載のとおり、表面張力既知の液体としてジヨードメタン、ホルムアミドを用い、表面自由エネルギーを算出した。表面自由エネルギーが5.0mJ/m以下を最も良好として、5段階評価とした。
5:5.0mJ/m2以下
4:5.1〜10.0mJ/m
3:10.1〜15.0mJ/m
2:15.1〜20.0mJ/m
1:20.0mJ/m以上
耐摩耗性評価試験は、磨耗試験後のコーティング膜表面の接触角を測定することで評価した。不織布を用い、荷重80gf/cmの荷重をかけながら10cmの往復運動を行い、基準回数経過の接触角を測定した。この評価基準は前記水接触角評価試験と同様であるため、評価基準は省略する。
以下の表2において、各実施例及び比較例について評価結果を示す。
Figure 0006213320
上記表2より明らかなように、実施例1が最も良好であり、以下実施例2、3の順に続く。これは下地層に撥水性で緻密膜を形成し、さらに上塗り層に扁平状微粒子(トバモライト)を用いることで表面の凹凸が大きくなり、その隙間にフッ素樹脂や疎水性シリカの超撥水成分が保持されることで、単位面積あたりの撥水物質の高密度化および均一性が図れ、耐摩耗性と膜強度が確保できたためと考える。これにより、長期間に亘って超撥水性を維持し着雪氷の防止効果を維持することができる。一方、比較例1においては、下地層が緻密な膜でないため、また比較例2においては下地層がないため、いずれも耐磨耗性で十分な撥水性能を維持することができなかった。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、主にコーティング膜について記載したが、実施の形態2では、コーティング膜を施した空気調和機の室外機について説明する。以下、上記実施の形態で説明したものと同一番号で示された部分は、同様な構成を示すものとして、ここでは説明を省略する。
図3は、この発明の実施の形態2に係る空気調和機の室外機を示す斜視図である。図4は、この発明の実施の形態2に係るファングリル8を外した構成図である。ここでは、冷凍サイクル装置として空気調和機を代表とし、空気調和機の室外機について説明するが、空気調和機の室外機に限定するものではない。その他の例として、例えば、給湯器用の室外機等も同様の構成とすることができる。
空気調和機の室外機1は、一部に開口部を有するほぼ直方体の形状を有する筐体部2で覆われており、筐体部2の左右の側面部3および背面部4には外部から空気を吸込むための開口部分(吸込み口)が設けられている。筐体部2の前面部5には、外部に空気を吹出すための吹出口6である開口部分を有している。吹出口6は、筐体部2の内部に設けられた送風ファン7に人とか鳥とかが触れないように安全をはかるため、ファングリル8で覆われている。
また、空気調和機の室外機1内には、ボス(プロペラボス)部9の周囲に複数枚(例えば3枚)の翼10を有する送風ファン7が収容設置されている。送風ファン7は、背面側に設けられたファンモータ(図示略)で回転駆動される。室外機1の内部は、セパレータにより、送風ファン7が設置されている送風室と圧縮機等(図示略)が設置されている機械室に分けられている。また、側面と背面の内側には、略L字状の熱交換器(図示略)が設けられている。
次に室外機1の内部構成等について説明する。筐体部2の前面部5には、吹出口6を囲むようにベルマウス11が設けられ、ベルマウス11を覆うようにファングリル8が前面パネル3に外側から取り付けられている。送風ファン7の吸込み側には熱交換器が側面と背面にかけてL字状に設けられている。熱交換器は、例えば、通常の板状の面が平行になるように並設された複数のフィンと、その並設方向に各フィンを貫通する伝熱管で構成されるフィンチューブ型の熱交換器である。伝熱管内には、冷媒回路を循環する冷媒が循環する。この発明の実施の形態2の熱交換器としては、例えば、伝熱管が室外機の側面と背面にかけてL字状に伸び、上面と底面とに略垂直な方向(上下方向)に複数段の伝熱管が並び、それぞれフィンを貫通して、配管等を介して圧縮機と接続し、空気調和装置の冷媒回路を構成するようなものが考えられる。また、室外機1の内部には機器を制御する制御装置を有している。
ここで、送風ファン7の前面には、桟状のパネルであるファングリル8があるだけで、常に外気と接しているため、外からの霜や雪、塵埃の付着が生じる。そこで、送風ファン7、つまり翼10及びボス部9の最表面に、超撥水性を有するコーティング膜を形成することで、外からの霜や雪、塵埃の付着を抑制することが可能となる。
この発明の実施の形態2に係る空気調和機の室外機に用いられるコーティング膜は、翼10の両面または前面及びボス部9の前面側に形成される。まず、翼10及びボス部9の表面に水性のプライマー層51として、基材(PP樹脂)との密着性及び成膜性に優れる自己乳化ポリオレフィンを塗布する。続いて中間層として、樹脂によるコーティング膜の厚膜化および自己乳化ポリオレフィン層への吸収による膜強化のため、フッ素樹脂層52を形成する。フッ素樹脂層52は、上記実施の形態1で説明したのと同様のフッ素樹脂35および溶剤からなるコーティング組成物を用いてもよい。さらに、フッ素樹脂層52の表面にフッ素樹脂、疎水性シリカ、扁平状微粒子としてトバモライトおよび溶剤からなるコーティング組成物で上塗り層33を形成する。
上記の3層構造による超撥水コーティング膜を送風ファンに形成することで、撥水性および滑落性に優れ、さらに着雪等が付着しても容易に剥離でき、付着の抑制が可能となる。これにより、送風装置の運転負荷が増大せず送風性能が安定し、長時間に亘って高い性能を維持することができる。
(実施例4)
自己乳化ポリオレフィンであるザイクセンA(住友精化製)20gと水40gと界面活性剤4gを混合し得られたコーティング組成物をボス部を含む送風ファンの表面に塗布し、プライマー層を形成した。
次に、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)8.0質量%を、乳酸エチル89.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、得られたコーティング組成物を塗布、乾燥して中間層を形成した。
さらに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記中間層の上に塗布、乾燥し、プライマー層と中間層と上塗り層の3層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
それぞれのコーティング膜をスプレー塗布する場合は、スプレー塗布に適した固形分濃度および粘度に調整するため、たとえば4倍等適度に溶媒で希釈して使用する。
(実施例5)
自己乳化ポリオレフィンであるザイクセンA(住友精化製)20gと水40gと界面活性剤4gを混合し得られたコーティング組成物をボス部を含む送風ファンの表面に塗布し乾燥させたのち、さらに同様のコーティング組成物を塗布し、プライマー層を2回塗りし、より厚膜のプライマー層とした。
続いて、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)8.0質量%を、乳酸エチル89.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、得られたコーティング組成物を塗布、乾燥して中間層を形成した。
さらに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌してコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を上塗り層として前記中間層の上に塗布、乾燥し、プライマー層の重ね塗り(厚膜化)と中間層と上塗り層の3層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(実施例6)
実施例4と同様に、ボス部を含む送風ファンの表面に自己乳化ポリオレフィンであるザイクセンA(住友精化製)を用いたプライマー層を形成し、続いて、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と乳酸エチル97.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、得られたコーティング組成物を塗布、乾燥して中間層としてフッ素樹脂層を形成した。
さらに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌して得られたコーティング組成物を上塗り層として前記中間層の上に塗布、乾燥し、プライマー層と中間層と上塗り層の3層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(実施例7)
実施例4と同様に、ボス部を含む送風ファンの表面に自己乳化ポリオレフィンであるザイクセンA(住友精化製)を用いたプライマー層を形成し、続いて、中間層は形成せずに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌して得られたコーティング組成物を上塗り層として前記プライマー層の上に塗布、乾燥し、プライマー層と上塗り層の2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(実施例8)
ボス部を含む送風ファンの表面に、市販の1液硬化型のウレタンプライマー(関西ペイント社製)を塗布しプライマー層を形成し、続いて、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と乳酸エチル97.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、得られたコーティング組成物を塗布、乾燥して中間層としてフッ素樹脂層を形成した。
さらに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌して得られたコーティング組成物を上塗り層として前記中間層の上に塗布、乾燥し、プライマー層と中間層と上塗り層の3層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
(比較例3)
ボス部を含む送風ファンの表面に、プライマー層として市販の1液硬化型のウレタンプライマー(関西ペイント社製)を塗布し乾燥後、続いてフッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノール溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)0.1質量%を添加し、撹拌して得られたコーティング組成物を上塗り層として前記プライマー層の上に塗布、乾燥し、2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
上記の実施例4〜7と比較例3で調整したコーティング組成物の組成を表3に示す。
Figure 0006213320
超撥水コーティング膜の評価は、水接触角、着氷付着力、表面粗さ、表面自由エネルギー、及び、耐磨耗性に基づいて行った。評価方法と評価基準は、上記実施の形態1と同様とした。
以下の表4において、各実施例及び比較例について評価結果を示す。
Figure 0006213320
上記表4より明らかなように、実施例6が最も良好であり、以下実施例8、5、4、7の順に続く。特に基材がポリオレフィン系(送風ファンの材質)の場合、プライマー層を形成することで、基材との密着性の向上と中間層のフッ素樹脂層との密着性と成膜性の改善により、コーティング膜の厚膜化およびポリオレフィン層への吸収による膜強化が可能となる。さらに上塗り層の形成により、耐摩耗性と膜強度が確保でき、長期間、超撥水性を維持し着雪氷の防止効果を維持することができる。
また、実施例4と5では、プライマー層を厚膜化することで、耐摩耗性に効果が現れている。また中間層がない実施例7では、プライマー層だけでは緻密で高硬度な膜を形成することができず、耐摩耗性で十分な撥水性能を維持することができない結果となっている。一方、比較例3においては、下地層が緻密な膜でないため、耐磨耗性が劣り、十分な撥水性能を維持することができなかった。
実施の形態3.
上記の実施の形態2では、送風ファンに超撥水コーティング材を形成する場合について述べたが、送風ファンの半径方向外側には、翼の回転方向に沿って、翼の外周端より外側に壁面を形成したベルマウスが取り付けられており、この発明の実施の形態3に係る空気調和機の室外機は、送風ファンとベルマウスの両方に超撥水コーティング材を施したものである。以下、上記実施の形態で説明したものと同一番号で示された部分は、同様な構成を示すものとして、ここでは説明を省略する。
自己乳化ポリオレフィンであるザイクセンA(住友精化製)20gと水40gと界面活性剤4gを混合し得られたコーティング組成物をプライマー層として形成し、次に、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と乳酸エチル97.0質量%に添加し得られたフッ素樹脂組成物を中間層として形成し、さらに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)2.0質量%を添加し、撹拌して得られたコーティング組成物を上塗り層として前記中間層の上に塗布、乾燥し、プライマー層と中間層と上塗り層の3層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成した。
また、プライマー層は塗布せずに、フッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)8.0質量%を、乳酸エチル89.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行い、得られたコーティング組成物を下地層とし、さらにフッ素樹脂であるルミフロンLF200(旭硝子製)3.0質量%と平均一次粒子径が12nmの疎水性シリカ粒子であるアエロジルRX200(日本アエロジル社製)10.0質量%を、エタノールとNMPの混合溶剤87.0質量%に添加し、湿式微粒化装置を用いて混合および分散処理を行った後、平均1次粒子径が1μmの扁平状微粒子であるトバモライトTJ(日本インシュレーション社製)2.0質量%を添加し、撹拌して得られたコーティング組成物を上塗り層として前記下地層の上に塗布、乾燥し、下地層と上塗り層の2層構造をもつ超撥水コーティング膜を形成しても良い。
送風ファン7とベルマウス11のそれぞれに表面粗さが3μm以下で、かつ表面自由エネルギーが10mj/m以下の上塗り層からなる超撥水被膜が形成されることにより、撥水性および滑落性に優れ、さらに着雪等が付着しても容易に剥離できる表面層が形成され、付着の抑制と防汚性も確保できる。
さらに、送風装置の運転負荷が増大せず送風性能が安定し、長時間に亘って高い暖房能力を維持することができ、送風ファン7の損傷の削減により、送風装置の騒音の増大が抑制され、安全運転を行うことができる。
さらに、ファングリル8にも上記超撥水コーティング膜を形成することで、雪氷等の侵入を抑制する効果が得られる。
以上説明したように、上記実施の形態によれば、送風ファンおよびベルマウス等に2層構造による超撥水コーティング膜を形成することで、撥水性および滑落性に優れ、かつ着雪やほこり等の汚れが付着しても容易に除去することができる室外用送風装置を得るものである。
また、耐摩耗性にも優れた表面が形成されているため、着氷雪の付着を抑制でき送風装置の運転負荷が増大せず送風性能が安定し、長時間に亘って高い暖房能力を維持することができる。
また、送風装置の騒音の増大が抑制されるとともに、送ファンの損傷がないため安全運転を行うことができる室外用送風装置の提供が可能となる。
1 室外機、2 筐体部、3 側面部、4 背面部、5 前面部、6 吹出口、7 送風ファン、8 ファングリル、9 ボス部、10 翼、31 基材、32 下地層、33 上塗り層、35 フッ素樹脂、36 疎水性シリカ粒子、38 扁平状微粒子、51 プライマー層、52 中間層

Claims (4)

  1. 送風ファンを有する室外用送風装置であって、
    前記送風ファンの表面に、フッ素樹脂、粒子の平均粒径が5nm以上30nm以下である疎水性シリカ、および溶剤を含むコーティング組成物で形成されている下地層と、
    前記下地層の表面に、フッ素樹脂、疎水性シリカ、複数の扁平状微粒子、および溶剤を含むコーティング組成物で形成され、水滴との接触角が150度以上である上塗り層とを備え
    前記扁平状微粒子の長辺を含む卓面と、前記扁平状微粒子に隣接する扁平状微粒子の前記長辺方向の端部を含む端面とが前記上塗り層の表面と反対側で互いに接して、前記上塗り層の表面に凹凸が形成され、
    前記凹凸には、前記疎水性シリカと前記フッ素樹脂とが保持されている室外用送風装置。
  2. 前記上塗り層は、表面粗さが3μm以下で、かつ表面自由エネルギーが10mJ/m2以下である請求項1に記載の室外用送風装置。
  3. 送風ファンを有する室外用送風装置であって、
    前記送風ファンの表面に設けられた水性のプライマー層と、
    前記プライマー層の表面に、フッ素樹脂、粒子の平均粒径が5nm以上30nm以下である疎水性シリカ、および溶剤を含むコーティング組成物で形成されている中間層と、
    前記中間層の表面に、フッ素樹脂、疎水性シリカ、複数の扁平状微粒子、および溶剤を含むコーティング組成物で形成され、水滴との接触角が150度以上である上塗り層とを備え
    前記扁平状微粒子の長辺を含む卓面と、前記扁平状微粒子に隣接する扁平状微粒子の前記長辺方向の端部を含む端面とが前記上塗り層の表面と反対側で互いに接して、前記上塗り層の表面に凹凸が形成され、
    前記凹凸には、前記疎水性シリカと前記フッ素樹脂とが保持されている室外用送風装置。
  4. 前記扁平状微粒子の一次粒子の長辺方向の長さである前記扁平状微粒子の一次粒子の平均粒径が100nm以上100μm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の室外用送風装置。
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