JP6212535B2 - 工学的に操作されたtaledna結合性ドメインの化学的dna改変感受性を変更する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、核酸を効率的に標的し及び/又はプロセシングすることを可能にするポリペプチドに関し、より具体的には転写アクチベーター様エフェクター由来タンパク質に関する。具体的には、本発明は、メチル化DNAを効率的に標的することができるTALE由来タンパク質の特徴づけを報告するものである。本発明は、より具体的には、遺伝子サイレンシングを担うメチル化プロモーターの活性化を可能にするTALE由来タンパク質に関する。本発明はまた、これらタンパク質を使用する方法に関する。本発明はまた、本発明の反復可変二残基(RVD)ドメイン及び転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質を使用するベクター、組成物及びキットに関する。
(細菌性植物病原体タンパク質の一群である)転写アクチベーター様エフェクター(TALE)は、近年、選ばれた特異性を有するオーダーメイドのDNA結合性ドメインを作製するための新たな工学操作可能な足場として浮上してきた(1,2)。TALEのDNA結合性ドメインは、可変数の33〜35アミノ酸反復モジュールにより構成される。これら反復モジュールは、12位及び13位に位置する2つの可変アミノ酸(すなわち、反復可変二残基(Repeat Variable Diredidues)、RVD)を除いて、互いにほぼ同一である。残基12及び13の性質が、個々の反復モジュールの塩基嗜好性を決定する。Moscou M. J and Bogdanove A. J及びBochらは次のコードを記載した:Cを認識するためのHD;Tを認識するためのNG;Aを認識するためのNI;G又はAを認識するためのNN;A又はC又はG又はTを認識するためのNS;Tを認識するためのHG;Tを認識するためのIG;Gを認識するためのNK;Cを認識するためのHA;Cを認識するためのND;Cを認識するためのHI;Gを認識するためのHN;Gを認識するためのNA;G又はAを認識するためのSN;及びTを認識するためのYG(国際PCT出願WO 2011/072246及び3,4)。1反復-対-1塩基対のコードから本質的になる、この驚くべきほど単純な暗号鍵(cipher)により、TALエフェクター結合部位の予測及びより重要なことには目的のDNA配列に結合するように仕立て得るカスタムTALエフェクター反復ドメインの構築が可能になった。この前例のない特徴により、標的付けられたゲノム応用のための新たな分子ツールを開発するという刺激的な展望が開かれ、過去2年以内に、TALE由来タンパク質は、転写アクチベーター/リプレッサー又はヌクレアーゼドメインに融合され、選択された遺伝子の転写を特異的に調節するため(5)又は標的付けられた遺伝子改変及び挿入を実行するため(6-9)の使用に成功している。
予想外にも、本発明者らは、精力的な研究の一環として、アミノ酸12位及び/又は13位にギャップを含む短いTAL反復(これは「不完全なRVD」を形成していると見なすことができる)は、化学的に改変された核酸塩基、特にメチル化塩基に良好に適応できることを見出した。この知見に基づいて、本発明者らは、現行のTALE由来タンパク質の上記制限を克服する方法として、メチル化された核酸標的配列を、より一般的には化学的に改変された塩基を効率的に標的することができるTALEを合成した。
一般的な観点では、本発明は、化学的改変を含む核酸の効率的な検出、標的及び/又はプロセシングを可能にするポリペプチドに関する。より具体的には、本発明は、化学的改変(例えばシトシンのメチル化)に対するTALE由来タンパク質の感受性の特徴づけを報告し、該感受性を変更する効率的な方法を提供する。この方法は、核酸標的配列内の化学的に改変された核酸塩基に適応するためのRVD「スター」(記号「*」で表されるギャップを含む不完全RVDを意味する)の使用に依拠している。このギャップは、TAL反復と他の標準的な二残基とをClustalWアラインメントを用いて整列させたときに明らかとなる。より具体的には、本発明は、メチル化塩基、特に5-メチル-シトシンを特異的に標的するように、TALE反復ドメインにN*及びH*又は**のRVDを含ませることに依拠する。本発明はまた、このようなRVDを含む転写アクチベーター様エフェクタータンパク質の使用方法に関する。本発明はまた、本発明のRVD及び転写アクチベーター様エフェクタータンパク質を使用するベクター、組成物及びキットに関する。
前出の特徴に加えて、本発明は更に、以下の説明及び添付の図面から明らかとなる他の特徴を含む。本発明のより完全な理解及びその付随する利点の多くが、下記の詳細な説明と併せて図に言及することでより十分に理解されるようになるにつれて、より容易に把握される。
本明細書において特に定義しない限り、使用する全ての技術的及び科学的用語は、遺伝子治療、生化学、遺伝学及び分子生物学の分野の当業者により通常理解されるものと同義である。
適切な方法及び材料は本明細書に記載されているが、本明細書に記載したものと類似するか又は等価である全ての方法及び材料を本発明の実施及び試験に使用することができる。本明細書で言及する全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。衝突する場合、本明細書(定義を含む)が優先する。更に、本明細書に記載の材料、方法及び実施例は例示目的に過ぎず、特に明記されない限り、限定的な意味を有するものではない。
一般的観点では、本発明は、化学的に改変された核酸の効率的な標的及び/又はプロセシングを可能にする転写アクチベーター様エフェクター由来タンパク質に関する。より具体的には、本発明は、化学的改変(例えば、非限定例としてアルキル化)を有する核酸の効率的な検出、標的及び/又はプロセシングを可能にする反復可変二残基(RVD)を含んでなる反復モジュール又は配列に関する。本発明は、核酸塩基の化学的改変(例えばシトシンメチル化)に対するTALE由来タンパク質の感受性の特徴づけを報告し、この感受性を変更する効率的方法を提示するものである。この方法は、化学的に改変された塩基に効率的に結合することができる実体として、RVDであるX*又は** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)を利用することに依拠する。
本発明は、化学的に改変された塩基に効率的に結合することができる反復可変二残基(RVD)であるX*又は**、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)に関する。
反復可変二残基(RVD)は、12位及び13位に位置する可変アミノ酸(すなわち、反復可変二残基、RVD)のレベルでの(核酸標的配列中の)核酸塩基の結合を担う反復モジュール又は配列中に含まれる。
換言すれば、本発明の範囲には、核酸標的配列中の改変核酸塩基の結合を12位及び13位に位置する可変アミノ酸(すなわち、反復可変二残基、RVD)のレベルで担う1つの反復モジュール又は配列が含まれる。具体的には、TALEの反復配列又はモジュールは、化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び**、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択されるRVDを含んでなる。
本発明はまた、上記のTALE DNA結合性ドメインと、特異的核酸標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングするための追加のタンパク質ドメインとの間の融合体に相当するTALE由来キメラタンパク質に関する。換言すれば、本発明の前記ポリペプチドは、以下:
(a)核酸標的配列中の1つの特異的核酸塩基の結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなる、核酸標的配列に特異的なTALE DNA結合性ドメインであって、化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び**、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメイン
(b)特異的核酸標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングするための追加のタンパク質ドメイン
を含んでなるTALE由来キメラタンパク質である。
1つの特定の実施形態において、キメラタンパク質の追加のタンパク質ドメインは、転写アクチベーター若しくはリプレッサー(すなわち、転写調節因子)であるか、又はDNAプロセシングに関わる他のタンパク質と相互作用するか若しくは該タンパク質を改変するタンパク質であり得る。本発明のキメラタンパク質のDNAプロセシング活性の非限定例としては、例えば、エピジェネティック調節エレメントを生成し又は改変すること、DNAに部位特異的な挿入、欠失又は修復をなすこと、遺伝子発現を制御すること、及びクロマチン構造を改変することが挙げられる。
エンドヌクレアーゼを含むとき、本発明のTALE由来キメラタンパク質はTALE-ヌクレアーゼである;換言すれば、以下:
(a)核酸標的配列中の1つの特異的核酸塩基対の結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなる、核酸標的配列に特異的な転写アクチベーター様エフェクター(TALE) DNA結合性ドメインであって、化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び**、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメイン;
(b)特異的核酸標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングするエンドヌクレアーゼドメイン
を含んでなるTALE-ヌクレアーゼは、本発明の範囲内である。
非限定例として、前記エンドヌクレアーゼは、DNA結合性ドメインとは独立して機能し、ダイマーとして核酸の二本鎖切断を誘導する(Li, Wuら 1992;Kim, Chaら 1996)タイプIIS FokIエンドヌクレアーゼドメイン又はその機能的バリアントであることができる。FokIバリアントのアミノ酸配列は、触媒ドメインをコードするDNAの変異により製造することができる。このようなバリアントとしては、例えば、アミノ酸配列内の残基の欠失、挿入又は置換が挙げられる。欠失、挿入及び置換の任意の組合せを行って、最終構築物に到達してもよい(但し、当該最終構築物が所望の活性を有するという条件で)。本発明に従うFokIバリアントの前記ヌクレアーゼドメインは、FokIのタンパク質配列と少なくとも80%、より好ましくは90%、より好ましくは95%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質配列フラグメントを含んでなる。特定の実施形態において、第1及び第2のキメラタンパク質が、一緒になって特異的核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸をプロセシングするダイマーとして作用するモノマーとしてそれぞれ機能することができる。非限定例として、2つのモノマーは、異なる近傍核酸標的配列を認識し、各々がTALE由来キメラタンパク質を構成する2つのタンパク質ドメインは、特異的核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸をプロセシングするために相互作用することが必要であるサブドメインとして機能する。
1つの好適な実施形態において、本発明に従うTALE-ヌクレアーゼは、TALE DNA結合性ドメインとエンドヌクレアーゼドメインとを融合する少なくとも1つのペプチド性リンカーを含んでなることができる。1つの好適な実施形態において、ペプチド性リンカーは可撓性であるか又は構造化されている。
1つのより具体的な実施形態において、本発明は、配列番号38〜配列番号49からなる群より選択されるアミノ酸配列を含んでなるTALE-ヌクレアーゼに関する。
本発明に従うRVD、DNA結合性ドメイン、TALE-ヌクレアーゼ、キメラタンパク質はまた、当該分野において周知の変異誘発プロセスにより導入された単一又は複数の追加のアミノ酸置換又はアミノ酸挿入又はアミノ酸欠失を含んでなることができると理解される。本発明に従うRVD、DNA結合性ドメイン、TALE-ヌクレアーゼ、キメラタンパク質及びポリペプチドのバリアント、機能的変異体及び誘導体もまた本発明の範囲に含まれる。本発明に従うRVD、DNA結合性ドメイン、TALE-ヌクレアーゼ、キメラタンパク質及びポリペプチドの配列とヌクレオチドレベル又はポリペプチドレベルで高率の同一性又は高率の相同性を有する配列を示すRVD、DNA結合性ドメイン、TALE-ヌクレアーゼ、キメラタンパク質及びポリペプチドもまた、本発明の範囲に含まれる。高率の同一性又は高率の相同性とは、70%、より好ましくは75%、より好ましくは80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、より好ましくは95%、より好ましくは97%、より好ましくは99%又は70%〜99%に含まれる任意の整数を意図する。
本発明に従うポリペプチド、TALE DNA結合性ドメイン、TALE由来キメラタンパク質及びTALE-ヌクレアーゼをコードするベクター及び/若しくは組換えポリヌクレオチドを含んでなるか、又は前記ポリペプチド等をコードする配列を含むベクター及び/若しくは組換えポリヌクレオチドを含んでなる宿主細胞もまた、本発明の範囲に含まれる。
本発明はまた、本発明に従うポリペプチド若しくはTALE DNA結合性ドメイン若しくはTALE由来キメラタンパク質若しくはTALE-ヌクレアーゼ、又はこのような組換え分子をコードするベクター及び/若しくは組換えポリヌクレオチド、又は該分子をコードする配列を含むベクター及び/若しくは組換えポリヌクレオチドと、該キットの使用のための指示書を少なくとも含んでなるキットに関する。
1.化学的に改変された核酸塩基に結合することができるTALE由来タンパク質の合成方法
別の1つの観点において、本発明はまた、標的化DNA切断から標的化遺伝子調節にわたる種々の適用のための本発明に従うTALE DNA結合性ドメイン(TALEアレイとも呼ばれる)、TALE由来タンパク質、TALE-ヌクレアーゼ及びキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドの合成方法に関する。
本発明の1つの観点は、化学的に改変された核酸塩基を含んでなる核酸標的配列に対する転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質の合成方法である。この方法は、核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を各々含む複数のTALE様反復配列を組み立てることを含んでなる。核酸標的配列に含まれる化学的に改変された核酸塩基を特異的に標的するRVDは、化学的に改変された核酸塩基に適応するために、X*又は** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択される。
(a)細胞のゲノム中で化学的に改変された核酸塩基を含む核酸標的配列を決定する工程;
(b)以下:
− Cを認識するためのHD;
− Tを認識するためのNG;
− Aを認識するためのNI;
− G又はAを認識するためのNN;
− A又はC又はG又はTを認識するためのNS;
− Tを認識するためのHG;
− Tを認識するためのIG;
− Gを認識するためのNK;
− Cを認識するためのHA;
− Cを認識するためのND;
− Cを認識するためのHI;
− Gを認識するためのHN;
− Gを認識するためのNA;
− G又はAを認識するためのSN;及び
− Tを認識するためのYG
からなる群より選択される少なくとも1つのRVDを含む反復可変二残基(RVD)をコードすることにより各反復が前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的なTALE様反復ポリヌクレオチド配列であって、核酸標的配列内の化学的に改変された核酸塩基を特異的に標的するRVDがX*又は**のRVD (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択されるTALE様反復ポリヌクレオチド配列を組み立てる工程;
(c)工程(b)で組み立てられたポリヌクレオチド配列を前記細胞中で発現させる工程
の少なくとも1つを含んでなる。
1つのより好適な実施形態において、化学的に改変された塩基は、上記の改変核酸塩基に相当し、好ましくはメチル化塩基、具体的には5-メチルシトシンである。
(a)以下:
(i)複数のTALE様反復配列を含む転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質であって、該複数のTALE様反復配列の各々が前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を含み、核酸標的配列内の化学的に改変された核酸塩基を特異的に標的するRVDが、X*又は** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択されるTALEタンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド;と
(ii)化学的に改変された塩基を含む前記核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸をプロセシングする追加のタンパク質ドメインをコードする第2のポリヌクレオチド
との融合体を含むポリヌクレオチド配列を合成し;
(b)工程(a)のポリヌクレオチド配列を宿主細胞中で発現させる
ことをを含んでなる。
別の1つの好適な実施形態において、化学的に改変された塩基を特異的に標的するRVDは、N*、T*、Q*及びH*のRVDから優先的に選択される。別の1つの特定の実施形態において、化学的に改変された塩基を特異的に標的するRVDは、NG及びHGのRVDから優先的に選択される。
非限定例として、各TALE様反復は、図4に示すような連続する制限、ライゲーション、洗浄工程から構成される固相支持体法を用いて一緒に組み立てることができ、その後更にベクター中に配置することができる。他の方法、例えば非限定例としてゴールデンゲートクローニング法及びバリアント又はFLASHアセンブリ法を使用してもよい(5,21,23,24)。
(a)細胞のゲノム中で標的DNA配列を決定する工程;
(b)前記DNA標的配列に特異的であり、該DNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含むTALE DNA結合性ドメインであって、化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメインをコードする核酸を合成する工程、
(c)前記核酸を前記細胞に導入する工程
を含んでなり、このことにより、適切な条件で発現させたとき、シトシンメチル化状態とは独立に、前記DNA標的配列に結合するTALE DNA結合性ドメインをコードする核酸が取得される。
別の1つの実施形態において、本発明は、シトシンメチル化に非感受性のTALE-ヌクレアーゼをコードする核酸を作製する方法に関し、該方法は、以下の工程:
(a)細胞のゲノム中でDNA標的配列を決定する工程;
(b)(i)前記DNA標的配列に特異的であり、該DNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含むTALE DNA結合性ドメインであって、化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメイン及び(ii)特異的DNA標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングするエンドヌクレアーゼドメインをコードする核酸を合成する工程、
(c)前記核酸を前記細胞に導入する工程
を含んでなり、このことにより、適切な条件で発現させたとき、シトシンメチル化状態とは独立に、特異的DNA標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングするTALE-ヌクレアーゼをコードする核酸が取得される。
より具体的には、本発明は、以下の工程:
(a)目的のDNA標的配列を決定する工程;
(b)前記DNA標的配列に特異的であり、該DNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチド対の結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含む反復配列ドメインであって、前記TALE DNA結合性ドメインが化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなる、反復配列ドメインを合成する工程;
(c)特異的DNA標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングするタンパク質ドメインを準備する工程;
(d)随意に、工程b)及びc)で得られたポリペプチドを連結するペプチド性リンカーを設計する工程;
(e)前記キメラタンパク質を組み立てる工程;
(f)前記キメラタンパク質の活性を試験する工程
を少なくとも含んでなる方法により取得可能なキメラタンパク質を包含する。
別の1つの観点において、本発明はまた、本発明に従うTALEドメインを含むタンパク質を、標的化核酸切断から標的化遺伝子調節にわたる種々の適用に使用する方法に関する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの化学的に改変された核酸塩基を含む核酸標的配列を結合させる方法に関し、該方法は、以下:
(i)化学的に改変された核酸塩基を含む核酸標的配列と、(ii)前記核酸標的配列の各ヌクレオチド塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を含み、前記核酸標的配列内の化学的に改変された核酸塩基を特異的に標的するRVDがX*又は**、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択される、TALEタンパク質とを接触させることを含んでなる。
(a)化学的に改変された塩基を含む核酸標的配列を含有する細胞を準備し、
(b)前記核酸標的配列を指向する上記のようなTALEタンパク質を前記細胞内で合成し、
(c)化学的に改変された塩基を含む核酸標的配列とのTALEタンパク質の結合親和性を試験する
ことを含んでなる。
1つの好適な実施形態において、前記特異的DNA配列は、CpG、CpA、CpT、CpCからなる群より選択される少なくとも1つの化学的に改変されたジヌクレオチドを含む。
(a)化学的に改変された核酸塩基を含む核酸標的配列を含有する細胞を準備する工程;
(b)前記核酸標的配列を指向し、該記核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸を化学的改変とは独立にプロセシングするキメラタンパク質を前記細胞内で合成する工程、及び
(c)前記核酸標的配列の遺伝子座での核酸プロセシングを試験する工程
を含んでなる。
一般には、本発明のキメラタンパク質は、ヌクレアーゼ活性、ポリメラーゼ活性、キナーゼ活性、ホスファターゼ活性、メチラーゼ活性、トポイソメラーゼ活性、インテグラーゼ活性、トランスポザーゼ活性、リガーゼ活性、ヘリカーゼ活性、リコンビナーゼ活性からなる群より選択される触媒活性を有することができる。別の1つの好適な実施形態において、キメラタンパク質のタンパク質ドメインは、遺伝子サイレンシングを担うメチル化プロモーターの部位特異的活性化を場合により可能し得る転写アクチベーターであることができる。別の1つの好適な実施形態において、タンパク質ドメインは、転写リプレッサーであることもできる。
エンドヌクレアーゼにより引き起こされる二本鎖破断は、通常、非相同末端連結(NHEJ)により修復される。NHEJは、少なくとも2つの異なるプロセスを含んでなる。機序には、残存している2つのDNA末端を直接再ライゲーション(Critchlow and Jackson 1998)又はいわゆる微小相同性媒介末端連結(Ma, Kimら 2003)により再連結することが含まれる。非相同末端連結(NHEJ)による修復は、しばしば小さな挿入又は欠失を生じ、特異的な遺伝子ノックアウトの創出に使用することができる。本発明は、遺伝情報の喪失に至る核酸切断を可能にする、本発明に従うキメラタンパク質、好ましくはTALE-ヌクレアーゼを用いて核酸標的配列内又は該配列近傍の細胞の遺伝物質をプロセシングする方法に関し、任意のNHEJ経路が標的付けられた変異誘発を生じる。1つの好適な実施形態において、本発明は、核酸標的配列付近で少なくとも1つの核酸切断及び遺伝情報の喪失を生じさせ、よってNHEJによる無痕跡再ライゲーションを予防することで、核酸標的配列内又は該配列近傍の細胞の遺伝物質を改変する方法に関する。改変は、遺伝物質の欠失、遺伝物質におけるヌクレオチドの挿入又はヌクレオチドの欠失及び挿入の両方の組合せであり得る。
別の1つの実施形態において、細胞に導入する外因性配列は、最初の二本鎖破断を生じさせるために使用するタンパク質で切断されないように最適化することができる。換言すれば、本発明に従うタンパク質又はキメラタンパク質により生じた二本鎖破断の後に、核酸標的配列を置換で修正しなければならない場合、外因性置換配列は、元のタンパク質又はキメラタンパク質で切断されないように改変することができる。改変としては、非限定例として、標的された配列が遺伝子のコーディング配列に存在する場合のサイレント変異又は標的された配列が非コーディング配列に存在する場合の変異が挙げられる。
(a)細胞のゲノム中で少なくとも1つの化学的に改変された核酸塩基を含むDNA標的配列を決定する工程、
(b)前記DNA標的配列に特異的であり、該DNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALE DNA結合性ドメインであって、化学的に改変された核酸塩基への結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメインをコードする核酸を合成する工程、
(c)前記核酸を前記細胞に導入する工程
を含んでなり、このことにより、適切な条件で発現させたとき、シトシンメチル化状態とは独立に、前記DNA標的配列に結合するTALE DNA結合性ドメインをコードする核酸が取得される。
(a)少なくとも1つのCpG配列を含む標的DNA配列を含有する細胞を準備し、
(b)少なくとも1つの(i)前記標的DNA配列中の1つの特異的ヌクレオチド対の結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなる転写アクチベーター様エフェクター(TALE)ドメインであって、シトシン又は5-メチル-シトシンへの結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALEドメイン及び(ii)特異的DNA標的配列内又は該配列近傍のDNAをプロセシングする追加のタンパク質ドメインを含んでなるタンパク質を導入する
ことを含んでなり、適切な条件で発現させたとき、TALEドメインは前記標的DNA配列にシトシンメチル化状態とは独立して結合する。
1つの好適な実施形態において、本発明は、細胞の遺伝物質を改変する方法に関し、該方法は以下:
(a)少なくとも1つのCpG配列を含む標的DNA配列を含有する細胞を準備し、
(b)少なくとも以下の(i)及び(ii):
(i)DNA標的配列に特異的であり、該DNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含む転写アクチベーター様エフェクター(TALE) DNA結合性ドメインであって、シトシン又は5-メチル-シトシンへの結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメイン
(ii)エンドヌクレアーゼ
を含んでなるタンパク質を導入する
ことを含んでなり、適切な条件で発現させたとき、シトシンメチル化状態とは独立に、TALE DNA結合性ドメインは前記標的DNA配列に結合し、エンドヌクレアーゼは該特異的DNA標的配列内又は該配列近傍に二本鎖破断を生じる。
(a)少なくとも1つのCpG配列を含む標的DNA配列を含有する細胞を準備し、
(b)少なくとも以下の(i)及び(ii):
(i)DNA標的配列に特異的であり、該DNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含む転写アクチベーター様エフェクター(TALE)DNA結合性ドメインであって、シトシン又は5-メチル-シトシンへの結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALE DNA結合性ドメイン
(ii)エンドヌクレアーゼ,
を含んでなるタンパク質を導入し、
(c)(b)のタンパク質の発現を誘導し;
(d)特異的DNA標的配列内又は該配列近傍に二本鎖破断が生じている細胞を選択する
ことを含んでなる。
切断誘導変異誘発事象、すなわちNHEJ事象に続いて変異誘発事象が生じている細胞は、当該分野において周知の方法で同定及び/又は選択することができる。非限定例として、ディープシーケンシング分析は、標的付けられた遺伝子座の付近の標的付けられた細胞ゲノムから生じさせることができる。したがって、挿入/欠失事象(変異誘発事象)を検出することができる。別の1つの非限定例として、完全には一致していないDNAを認識するT7エンドヌクレアーゼに基づくアッセイを使用して、準備した細胞のゲノムDNAについての遺伝子座特異的PCRにより、再アニールした(切断された/切断されていないDNA分子に由来する)DNA鎖間のミスマッチを定量することができる。
別の1つの実施形態において、本発明は、細胞のゲノム中の核酸標的配列における化学的に改変された核酸塩基の存在を検出する方法に関する。
更なる1つの観点によれば、本発明は、核酸標的配列中の少なくとも1つの化学的に改変された核酸塩基を検出する方法に関し、該方法は以下:
(a)前記核酸標的配列を、該核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を各個が含む複数のTALE様反復配列を含んでなる転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質であって、少なくとも1つのRVDが以下:
− Cを認識するためのHD;
− Tを認識するためのNG;
− Aを認識するためのNI;
− G又はAを認識するためのNN;
− A又はC又はG又はTを認識するためのNS;
− Tを認識するためのHG;
− Tを認識するためのIG;
− Gを認識するためのNK;
− Cを認識するためのHA;
− Cを認識するためのND;
− Cを認識するためのHI;
− Gを認識するためのHN;
− Gを認識するためのNA;
− G又はAを認識するためのSN;及び
− Tを認識するためのYG;
からなる群より選択されるTALEタンパク質と結合させ、
(b)同じ核酸標的配列を、工程a)で使用したものと類似する、複数のTALE様反復配列を含む別の転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質であって、少なくとも1つのRVDがX*又は**、好ましくはH*、T*、Q*又はN*からなるRVD (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)で置換されているTALEタンパク質と結合させ、
(c)a)及びb)の下で前記核酸標的配列との結合親和性を測定し、
(d)c)の下で測定した結合活性の比(ここで、該比は、0に近いとき、前記核酸標的配列中に化学的に改変された核酸塩基が存在することを示し、1に近いとき、該核酸標的配列中に化学的に改変された核酸塩基が存在しないことを示す)を算出する
ことを含んでなる。
(a)細胞のゲノム中で少なくとも1つのCpG配列を含む第1のDNA標的配列を決定する工程、
(b)(i)前記第1のDNA標的配列に特異的であり、該第1のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイであって、前記TALE DNA結合性ドメインがシトシン又は5-メチル-シトシンへの結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第1のサブドメインをコードする第1の核酸を合成する工程、
(c)(i)前記第1のDNA標的配列に特異的であり、該第1のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイであって、前記TALE DNA結合性ドメインがシトシンへの結合用に、1以上のRVDであるHDを含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第1のサブドメインをコードする第2の核酸を合成する工程、
(d)(i)前記第1のDNA標的配列近傍の第2のDNA標的配列に特異的であり、該第2のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第2のサブドメインをコードする第3の核酸を合成する工程、
(e)前記第1及び第3の核酸を前記細胞に導入することにより、適切な条件で発現させたとき前記第1及び第2のDNA標的配列に結合し、該第1のDNA標的のシトシンメチル化状態とは独立にレポータータンパク質のシグナルを発信するTALEアレイをコードする第1及び第3の核酸を取得する工程、
(f)前記第2及び第3の核酸を前記細胞に導入することにより、適切な条件で発現させたとき前記第1及び第2のDNA標的配列に結合し、5-メチル-シトシンが該第1のDNA標的に存在しないときにレポータータンパク質のシグナルを発信するTALEアレイをコードする第2及び第3の核酸を取得する工程、
(g)比:(f)のレポータータンパク質シグナル/(e)のレポータータンパク質シグナル(ここで、該比は、0に近いとき、前記第1のDNA標的配列に5-メチルシトシンが存在することを示し、1に近いとき、該第1のDNA標的配列に5-メチルシトシンが存在しないことを示す)を決定する工程、
の少なくとも1つを含んでなり、このことにより、前記第1のDNA標的配列に含まれる少なくとも1つのCpG配列のメチル化状態が得られる。
(a)(i)前記第1のDNA標的配列に特異的であり、該第1のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイであって、前記TALE DNA結合性ドメインがシトシン又は5-メチル-シトシンへの結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第1のサブドメインをコードする第1の核酸を合成する工程、
(b)(i)前記第1のDNA標的配列に特異的であり、該第1のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイであって、前記TALE DNA結合性ドメインがシトシンへの結合用に、1以上のRVDであるHDを含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第1のサブドメインをコードする第2の核酸を合成する工程、
(c)(i)前記第2のDNA標的配列に特異的であり、該第2のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイであって、前記TALE DNA結合性ドメインがシトシン又は5-メチル-シトシンへの結合用に、X*及び** (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される1以上のRVDを含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第2のサブドメインをコードする第3の核酸を合成する工程、
(d)(i)前記第2のDNA標的配列に特異的であり、該第2のDNA標的配列中の1つの特異的ヌクレオチドの結合を担う反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE反復配列を含んでなるTALEアレイであって、前記TALE DNA結合性ドメインがシトシンへの結合用に、1以上のRVDであるHDを含んでなるTALEアレイ、及び(ii)2つのサブドメインが相互作用するときにのみ活性であるレポータータンパク質の第2のサブドメインをコードする第4の核酸を合成する工程、
(e)前記第1及び第3の核酸を前記細胞に導入することにより、適切な条件で発現させたとき前記第1及び第2のDNA標的配列に結合し、該第1のDNA標的のシトシンメチル化状態とは独立にレポータータンパク質のシグナルを発信するTALEアレイをコードする第1及び第3の核酸を取得する工程、
(f)前記第2及び第3の核酸を前記細胞に導入することにより、適切な条件で発現させたとき前記第1及び第2のDNA標的配列に結合し、5-メチル-シトシンが該第1のDNA標的に存在しないときにレポータータンパク質のシグナルを発信するTALEアレイをコードする第2及び第3の核酸を取得する工程、
(g)前記第1及び第4の核酸を前記細胞に導入することにより、適切な条件で発現させたとき前記第1及び第2のDNA標的配列に結合し、5-メチル-シトシンが該第2のDNA標的に存在しないときにレポータータンパク質のシグナルを発信するTALEアレイをコードする第1及び第4の核酸を取得する工程、
(h)比:(f)のレポータータンパク質シグナル/(e)のレポータータンパク質シグナル(ここで、該比は、0に近いとき、前記第1のDNA標的配列に5-メチルシトシンが存在することを示し、1に近いとき、該第1のDNA標的配列に5-メチルシトシンが存在しないことを示す)を決定する工程、
(i)比:(g)のレポータータンパク質シグナル/(e)のレポータータンパク質シグナル(ここで、該比は、0に近いとき、前記第2のDNA標的配列に5-メチルシトシンが存在することを示し、1に近いとき、該第2のDNA標的配列に5-メチルシトシンが存在しないことを示す)を決定する工程
の少なくとも1つを含んでなり、このことにより、前記第1及び第2のDNA標的配列に含まれる2つのCpG配列のメチル化状態が得られる。
別の1つの実施形態において、本発明の方法で標的付けられる又は改変される細胞は、真核細胞、好ましくは哺乳動物細胞又は植物細胞である。別の1つの実施形態において、本発明の方法で標的付けられる又は改変される細胞は、藻類の細胞である。
別の1つの実施形態において、本発明の方法で標的付けられる又は改変されるDNA配列は、染色体配列又はエピソーム配列である。別の1つの実施形態において、そのような配列はオルガネラ配列である。
別の1つの実施形態において、本発明の前記方法は、標的付けられた二本鎖破断が生じている動物又は植物を創出するために使用することができる。
−ポリペプチド配列中のアミノ酸残基は、本明細書中では一文字コードに従って指称する。一文字コードでは、例えば、QはGln又はグルタミン残基を意味し、RはArg又はアルギニン残基を意味し、DはAsp又はアスパラギン酸残基を意味する。
−アミノ酸置換は、或るアミノ酸残基の別のアミノ酸残基での置き換えを意味し、例えば、ペプチド配列におけるアルギニン残基のグルタミン残基での置き換えがアミノ酸置換である。
−DNA又は核酸プロセシング活性とは、表現「核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸をプロセシングするタンパク質ドメイン」中でのように、本発明に従うキメラタンパク質又はポリペプチドに含まれるタンパク質ドメインの特定の/所与の酵素活性をいう。DNA又は核酸プロセシング活性とは、切断活性、クリベース活性又はニッカーゼ活性をいい、より広義にはヌクレアーゼ活性を、また、非限定例としての、ポリメラーゼ活性、キナーゼ活性、ホスファターゼ活性、メチラーゼ活性、トポイソメラーゼ活性、インテグラーゼ活性、トランスポザーゼ活性、リガーゼ活性、ヘリカーゼ活性又はリコンビナーゼ活性もいうことができる。
−「ペプチドリンカー」又は「ペプチド性リンカー」は、(例えば本発明に従うキメラタンパク質又はポリペプチド中のTALE DNA結合性ドメインとタンパク質ドメインとの間の)融合タンパク質に含まれる異なるモノマー又は異なる部分の接続を可能にし、かつ該キメラタンパク質の活性及び/又は特異性のための正確なコンホメーションの採用を可能するペプチド配列を意味するものとする。ペプチドリンカーは種々のサイズ(非限定的な例示範囲として3アミノ酸〜50アミノ酸)であり得る。ペプチドリンカーはまた、構造体化されているか又は構造体化されていないことができる。ペプチドリンカーは、適切な刺激下で構造的コンホメーションを変化させることができる活性ドメインを含むとき、活性リンカーとして適格化できる。
− 「DNA標的」、「DNA標的配列」、「標的DNA配列」、「核酸標的配列」、「標的配列」又は「プロセシング部位」により、本発明に従うTALE由来タンパク質又はキメラタンパク質が結合し及び/又はプロセシングすることができるポリヌクレオチド配列が意図される。これら用語は、細胞中の特異的核酸位置、好ましくはゲノム位置をいうが、その本体とは独立して存在し得る遺伝物質の一部(例えば、非限定例として、プラスミド、エピソーム、ウイルス、トランスポゾン又はオルガネラ(例えばミトコンドリア又は葉緑体))の特異的核酸位置もいう。核酸標的配列は、標的の一方の鎖の5'→3'配列で規定される。
−「送達ベクター」により、本発明で必要とされる因子/化学物質及び分子(タンパク質又は核酸)を細胞に接触させるか又は細胞内若しくは細胞中の区画内へ送達するために、本発明において使用することができる任意の送達ベクターが意図される。これには、リポソーム送達ベクター、ウイルス送達ベクター、薬剤送達ベクター、化学キャリア、ポリマーキャリア、リポプレックス(lipoplex)、ポリプレックス(polyplex)、デンドリマー、超微粒気泡(超音波造影剤)、ナノ粒子、エマルジョン又は他の適切な移入ベクターが含まれるが、これらに限定されない。これら送達ベクターは、分子、化学物質、高分子(遺伝子、タンパク質)、又は他のベクター、例えばプラスミド、Diatosにより開発されたペプチドの送達を可能にする。これらの場合において、送達ベクターは分子キャリアである。「送達ベクター」により、トランスフェクションを実行するための送達方法もまた意図される。
ウイルスベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス(例えばアデノ関連ウイルス)、コロナウイルス、マイナス鎖RNAウイルス、例えばオルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病及び水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹及びセンダイ)、プラス鎖RNAウイルス、例えばピコルナウイルス及びアルファウイルス、及び二本鎖DNAウイルス(アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型及び2型、エプスタイン-バーウイルス、サイトメガロウイルス)、及びポックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘及びカナリア痘)を含む)が挙げられる。他のウイルスとしては、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポバウイルス、ヘパドナウイルス、及び肝炎ウイルスが挙げられる。レトロウイルスの例としては:トリ白血病-肉腫群、哺乳動物C-型、B-型ウイルス、D型ウイルス、HTLV-BLV群、レンチウイルス、スプマウイルス(Coffin, J. M., Retroviridae:The viruses及びtheir replication, In Fundamental Virology, Third Edition, B. N. Fieldsら編, Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, 1996)が挙げられる。
−「組込みレンチウイルスベクター(又はLV)」は、非限定例として、標的細胞のゲノムに組み込まれ得るベクターを意味する。
−対して、「非組込みレンチウイルスベクター(又はNILV)」は、ウイルスインテグラーゼの作用を通じて標的細胞のゲノムに組み込まれない効率的な遺伝子送達ベクターを意味する。
送達ベクター及びベクターは、ソノポレーション(sonoporation)若しくはエレクトロポレーションのような任意の細胞透過技法又はこれら技法の派生法と組み合わされ得る。
−細胞により、任意の原核生物又は真核生物の生存細胞、インビトロ培養用にこれら生物から導いた細胞株、動物又は植物起源の初代細胞が意図される。
−「初代細胞」により、非常に少数のものしか分裂を経験していないので、連続分裂性(continuous tumorigenic)の又は人工的に不死化した細胞株と比較して、由来する組織の主要な機能的構成要素及び特徴をより良く代表する、生存組織(すなわち生検材料)から直接取り出し、インビトロ増殖用に樹立した細胞が意図される。よって、これら細胞は、言及するインビボ状態についてより価値のあるモデルである。
これら全ての細胞株は、本発明の方法により、目的の遺伝子又はタンパク質を産生し、発現し、定量し、検出し、研究するための細胞株モデルを提供するように改変することができる;これらモデルはまた、研究及び製造及び(非限定例として、化学、バイオ燃料、治療薬及び農学のような)種々の分野において、目的の生物学的に活性な分子をスクリーニングするために使用することができる。
−本発明の枠内で、表現「二本鎖破断-誘導変異誘発」(DSB-誘導変異誘発)とは、エンドヌクレアーゼの切断部位で挿入/欠失を導く、エンドヌクレアーゼ-誘導DSB後のNHEJ事象に続く変異誘発事象をいう。
−「遺伝子」は、特定のタンパク質又はタンパク質セグメントをコードする、染色体に沿って直鎖状様式で整列したDNAセグメントからなる、遺伝の基本単位を意味する。遺伝子は、代表的には、プロモーター、5'非翻訳領域、1又はそれより多いコーディング配列(エキソン)、任意にイントロン、3'非翻訳領域を含む。遺伝子は、ターミネーター、エンハンサー及び/又はサイレンサーを更に含んでなり得る。
−本明細書中で使用する場合、用語「遺伝子座」は、染色体上での(例えば遺伝子の)DNA配列の特定の物理的位置である。用語「遺伝子座」とは、通常、染色体上でのポリペプチド又はキメラタンパク質の核酸標的配列の特定の物理的位置をいう。この遺伝子座は、本発明に従うポリペプチド又はキメラタンパク質により認識及び/又は切断される標的配列を含んでなることができる。本発明の目的の遺伝子座は、細胞の遺伝物質本体中(すなわち、染色体中)に存在する核酸配列だけでなく、遺伝物質本体とは独立に存在し得る遺伝物質の一部、例えば、非限定例としてプラスミド、エピソーム、ウイルス、トランスポゾン中又はミトコンドリア若しくは葉緑体のようなオルガネラ中に存在する核酸配列をもいうと理解される。
− 本発明に従う「キメラタンパク質」は、核酸配列に結合するための少なくとも1つのRVD及び結合した核酸配列内又は該配列近傍の核酸標的配列をプロセシングするための少なくとも1つのタンパク質ドメインを含んでなる任意の融合タンパク質を意味する。
− 「タンパク質ドメイン」は、本発明に従うキメラタンパク質の、核酸標的配列をプロセシングする部分を意味する。タンパク質ドメインは、触媒する反応に従って分類され、名付けられた任意の触媒活性を提供することができる[http://www.chem.qmul.ac.uk/iubmb/enzyme/)のEnzyme Commission number(EC number)]。タンパク質ドメインは、単独で触媒的に活性な実体であることもできる。タンパク質ドメインは、二量体のタンパク質ドメイン活性実体を形成するために別のタンパク質サブドメインと相互作用する必要があるタンパク質サブドメインであることもできる。
− 「バリアント」により、親分子のアミノ酸配列で少なくとも1つの残基を置換することにより得られるRVDバリアント、キメラタンパク質バリアント、DNA結合性バリアント、TALE-ヌクレアーゼバリアント、ポリペプチドバリアントが意図される。
− 「機能的変異体」により、タンパク質又はタンパク質ドメインの触媒的に活性な変異体が意図される;この変異体は、親のタンパク質又はタンパク質ドメインに匹敵する同じ活性又は追加の特性を有することができる。この定義は、本発明に従うキメラタンパク質又はキメラタンパク質を構成するタンパク質ドメインに適用される。これらタンパク質又はタンパク質ドメインの、他のタンパク質部分又は化学部分(例えば、非限定例としてタグ、抗体、ポリエチレングリコール)に融合したこれらタンパク質又はタンパク質ドメインの全体又は一部を含んでなる「誘導体」もこの定義の範囲に包含される。
−「同一性」とは、2つの核酸分子又はポリペプチド間の配列同一性をいう。同一性は、(比較のために整列させてもよい)各配列中の位置を比較して決定することができる。比較される配列中の位置が同じ塩基で占められる場合、それら分子は、当該位置において同一である。核酸又はアミノ酸配列間の類似性又は同一性の程度は、該核酸配列が共有する位置での同一の又は適合するヌクレオチドの数の関数である。種々のアラインメントアルゴリズム及び/又はプログラム(GCG配列解析パッケージ(University of Wisconsin, Madison, Wis.)の一部として利用可能であるFASTA又はBLASTを含む)を使用して、2つの配列間の同一性を算出してもよく、例えばデフォルト設定で使用することができる。
上記で使用するように、句「からなる群より選択される」、「から選択される」などは、特定されたものの組合せを含む。
本明細書中で数値限定又は範囲に言及する場合には終点は含まれる。また、数値限定内の全ての値又は部分的範囲は、あたかも明示的に記載されているように明確に含まれる。
上記の説明は、当業者が本発明の対象を作製し、使用することができるように提示されており、特定の適用及びその要件に関して提供されている。好適な実施形態の種々の改変が、当業者に容易に明らかとなる。本明細書中で規定される包括的原理は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態及び応用に適用され得る。よって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図しておらず、本明細書中に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を意図される。
本発明を概説してきたので、(例示のためだけに提供され、そうでないと記載されない限り限定を意図していない)或る種の具体例を参照することにより更なる理解を得ることができる。
実施例1
CpGメチル化に対するTAL反復ドメインの感受性を調べるため、XPCT1(又はXPC4T3)と呼ぶ工学的に操作したTALヌクレアーゼモデルを、1つのメチル化CpGを含むxpc1遺伝子座(xpc4とも呼ぶ)(配列番号1)に結合し、これを切断するように特別に設計した。XPCT1 TALE-ヌクレアーゼは、FokI制限酵素の触媒ドメインに融合したTALE由来DNA結合性ドメインを各々含む2つの独立した実体XPCT1L(XPCT4T3.3)及びXPCT1R(XPC4T3.4)から構成されていた。XPCT1L及びXPCT1Rは、11bpスペーサー配列で分離された2つのDNA標的配列(それぞれ左標的及び右標的)に結合するように工学的に操作された(xpc1遺伝子座、図3A及びB)。xpc1遺伝子座へのXPCT1L及びXPCT1Rの結合により、FokIが二量体化しスペーサー内に二本鎖破断を創出することができると予想された。
簡潔には、第1及び第2のプロトコールは、XPCT1_HD及びXPCT1_N*のヌクレアーゼ活性を、Epinatら(2003)及びArnouldら(2006)にそれぞれ記載されたプロトコールに従って酵母細胞及び哺乳動物細胞において、非メチル化xpc1遺伝子座を含有する染色体外標的を用いて測定することから本質的になった一方、第3及び第4のプロトコールは、哺乳動物細胞において、メチル化された内因性xpc1遺伝子座に対するヌクレアーゼ活性を測定して比較することから本質的になった。ヌクレアーゼ活性はT7ヌクレアーゼアッセイ(6)又はディープシーケンシングで評価した。
− TAL反復アレイの組立て並びに酵母及び哺乳動物発現プラスミドへのサブクローニング
TAL反復アレイXPCT1L_HD、XPCT1L_N*及びXPCT1R(配列番号2、配列番号3及び配列番号4、これらはそれぞれ配列番号14、配列番号15及び配列番号16をコードする)を、図4に示すような連続する制限/ライゲーション/洗浄工程によるTAL反復の逐次組立てから本質的になる固相支持体法を用いて合成した。簡潔には、例として、XPCT1L_HD反復アレイを組み立てるには、第1のTAL反復(配列番号5、これは配列番号17をコードする)を、ビオチン/ストレプトアビジン相互作用により固体支持体に不動化し、SfaNIタイプIIS制限エンドヌクレアーゼで消化し、続いて5'末端にSfaNI適合性オーバーハングを有する第2のTAL反復(配列番号5、これは配列番号17をコードする)にライゲートした(図4B)。次いで、得られるTAL反復アレイ(すなわち、TAL反復1及び2を含有)を、その後に適切なTAL反復(配列番号6〜9、これらはそれぞれ、ヌクレオチドA、Gをそれぞれ標的するNI、NN並びにヌクレオチドCを標的するHD、N*のための配列番号18〜21をコードする)を付加するためのテンプレートとして使用して、同じプロトコールに従って完全なTAL反復アレイXPCT1L_HD又はN*を作製した(図4C)。この完全なTAL反復アレイを最終的にSfaNIで消化して、3'末端にSfaNIオーバーハングを創出し(図4D)、その後、BbvIタイプIIS制限エンドヌクレアーゼを用いて固体支持体から取り外した(図4E)。消化したTAL反復アレイを回収し、AvrBs3 TALエフェクターのN末端ドメイン及びFokIタイプIIS制限エンドヌクレアーゼに融合したそのC末端ドメインの最初の11アミノ酸を有する酵母又は哺乳動物発現プラスミド(pCLS 7802及びpCLS 11170、すなわち、配列番号10及び配列番号11、これらはそれぞれ配列番号22及び配列番号23をコードする)にサブクローニングした(図4F)。pCLS7802は、pCLS0542(配列番号24)からNcoI及びXhoI制限部位を用いて誘導し、pCLS11170は、pCLS8391(配列番号25)からNcoI及びEagI制限部位を用いて誘導した。
ヒト293H細胞(Life Technologies, Carlsbad, CA)及びハムスターCHO-KI細胞(ATCC)を、それぞれ、2mM L-グルタミン、100IU/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、0.25μg/mlアンホテリシンB(Fongizone, Life Technologies,)及び10% FBSを補充した完全培地DMEM又はF12-Kにおいて5% CO2で37℃にて培養した。染色体外アッセイに関しては、CHO-KI細胞を96ウェルプレートに2500細胞/ウェルで配置した。翌日、細胞を、漸増量のDNA(合計0.04〜50ng)で、Polyfectトランスフェクション試薬(Qiagen)を製造業者のプロトコールに従って用いてトランスフェクトした。変異誘発アッセイに関しては、293H細胞を1.2×106細胞/10cmディッシュの密度で配置した。翌日、細胞を、2、5又は10μgのDNAで、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬(Life Technologies)を製造業者のプロトコールに従って用いてトランスフェクトした。
CHO-KI細胞を96ウェルプレートに2500細胞/ウェルで配置した。翌日、XPC TALE-ヌクレアーゼをコードする漸増量(各0〜25ng)のDNA及び一定量(75ng)のXPC染色体外非メチル化標的で、polyfectトランスフェクション試薬(Qiagen)を製造業者のプロトコールに従って用いて細胞を同時トランスフェクトした。TALE-ヌクレアーゼの一本鎖アニーリング(SSA)活性を、(19,20)に記載のプロトコールに従って測定した。
− XPCT1 TALE-ヌクレアーゼが誘導した標的付けられた改変の、ディープシーケンシング又はT7ヌクレアーゼアッセイによるモニタリング
異なるXPC TALE-ヌクレアーゼが内因性遺伝子座で標的付けられた変異誘発(TM)を誘導する能力を評価するため、293H細胞を、先ず1.2×106細胞/10cmディッシュの密度で配置した。翌日、細胞を、総量2、5又は10μgのTALE-ヌクレアーゼ発現ベクター又は空ベクターで、Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬(Life Technologies)を製造業者のプロトコールに従って用いてトランスフェクトした。トランスフェクションの2又は3日後、ゲノムDNAを抽出し、目的の遺伝子座を、ディープシーケンシング法に必要なアダプター配列に連結した遺伝子座特異的プライマー(それぞれ、XPCMID1_F、配列番号12及びXPC_R、配列番号13)を用いて増幅させた。アンプリコンを、(21)に記載のプロトコールに従うEndoT7アッセイ、又は454 system(Life Sciences)を用いるディープシーケンシングのいずれかで分析した(サンプル当たり平均5000配列を分析した)。
本発明者らの結果は、XPCT1_HD又はXPCT1_N* TALE-ヌクレアーゼが、酵母及び哺乳動物細胞においてXPC1非メチル化染色体外DNA標的に対して類似するヌクレアーゼ活性を示し、XPCT1_HD TALE-ヌクレアーゼが僅かに優れていることを証明した(データは示さず、図5A)。全く対照的に、これら2つのTALE-ヌクレアーゼを内因性のメチル化遺伝子座でアッセイすると、T7ヌクレアーゼ消化バンドの存在により明らかなように、XPCT1_N*のみが検出可能なヌクレアーゼ活性を示した(図5B、赤色星印)。したがって、XPCT1_N*が誘導する標的付けられた改変(TM)の頻度は、XPCT1_HD TALE-ヌクレアーゼが誘導する頻度(本発明者らの最良の実験条件下でほとんど検出不可能であった)より遥かに高かった(それぞれ17.2%及び0.8%、図5C)。この2つのTALE-ヌクレアーゼの間で観察されるヌクレアーゼ活性の差は、TALE-ヌクレアーゼごとのトランスフェクション効率の変動に起因するものではなかった(データは示さず)。まとめると、本発明者らの結果により、シトシンを標的するためにRVDであるHDを用いるTAL DNA結合性ドメインは、シトシンメチル化に感受性であり、この感受性はRVDをHDからN*に置換することで変更できることが証明された。
本発明者らは、グリシン13を欠いているか又は同位置に側鎖が小さい残基を有する、TAL反復N*以外の天然に存在するTAL反復は、5-メチル-シトシンに効率的に結合できるという仮説を立てた。このことを確証するため、本発明者らは、TAL反復H*及びNGがXPCT1 TAL DNA結合性ドメインの+2位においてHDに代替し(図6A)、293H細胞中の内因性メチル化遺伝子座(配列番号1)に対する活性を回復(rescue)させる能力を評価した。
− 材料
TALE-ヌクレアーゼXPCT1L-HD、XPCT1L-N*、XPCT1L-NG、XPCT1L-H*及びXPCT1R(配列番号26〜30、これらはそれぞれ配列番号38〜42をコードする)を、先の実施例に記載した方法に従って取得した。活性TALE-ヌクレアーゼは、1つの「TALE-ヌクレアーゼL」(XPCT1L-HD、XPCT1L-N*、XPCT1L-NG又はXPCT1L-H*)及び1つの「TALE-ヌクレアーゼR」(XPCT1 R)の組合せにより形成された。
TALE-ヌクレアーゼの染色体外SSA活性のモニタリング及びTALE-ヌクレアーゼにより誘導される標的付けられた変異誘発のモニタリングに関しては実施例1を参照。
− 毒性アッセイ
96ウェルプレートにおいて上記のとおり、CHO-KI細胞株を、漸増量のTALE-ヌクレアーゼ発現ベクター及び一定量の、GFPをコードするプラスミドでトランスフェクトした。GFPレベルを、トランスフェクションの1及び6日後にフローサイトメトリー(Guava EasyCyte, Guava Technologies)でモニターした。細胞生存率を比(6日目のGFP発現TALE-ヌクレアーゼ-トランスフェクト細胞/6日目のGFP発現コントロールトランスフェクト細胞)として算出した。比を1日目に測定したトランスフェクション効率について補正し、トランスフェクトしたDNAの最終濃度の関数としてプロットした。各実験において毒性及び非毒性のコントロールを使用した(19)。
最初にHDのH*及びNGへの置換がXPCT1の固有ヌクレアーゼ活性に影響するかどうかを調べるため、本発明者らは、非メチル化染色体外XPC1標的(配列番号1)及びコントロールとしてのXPCT1-HD及びN*を用い、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における一本鎖アニーリング(SSA)アッセイ(19)を行った(図6B)。本発明者らの結果により、XPCT1-N*及びH* TALE-ヌクレアーゼ(配列番号39及び配列番号42、配列番号41及び配列番号42)は類似するSSA活性を示すが、XPCT1-HD(配列番号38及び配列番号42)より僅かに活性が小さいことが証明された(図6B)。他方で、XPCT1-NG(配列番号40及び配列番号42)は、XPCT1-HDと比較して顕著に減少した活性を示した。このことは、NGがシトシンを認識する能力に乏しい(3,4)ことと一致していた。次に、本発明者らは、これらTALE-ヌクレアーゼが、標的付けられた変異誘発(TM)により、293H細胞中の内因性メチル化XPC1標的を崩壊させる能力を評価した。TALE-ヌクレアーゼが誘導するTM(不正確な非相同末端連結により生じる小さなヌクレオチド挿入又は欠失からなる)を、以前(21,22)に記載されたとおりのEndoT7アッセイ及びディープシーケンシングにより測定した。本発明者らの結果により、TAL反復H*及びNGは共にXPCT1活性を回復させることができ、H*は、N*とほぼ同程度に効率的であり、明らかに優れていることが証明された(図6C)。よって、本発明者らは、13位の小アミノ酸は、5-メチル-シトシンに適応できるが、このアミノ酸の完全な不在(TAL反復の特徴である「*」)は、より優れた5-メチル-シトシン認識を導くと結論する。
TAL反復N*が異なる状況(すなわち、他の内因性メチル化標的)で5-メチル-シトシンに対するTAL DNA結合性ドメインの感受性を変更する能力を評価するために、本発明者らは、XPC2及びXPC3(配列番号50及び配列番号51)と呼ばれるメチル化内因性XPC標的をプロセシングするように特別に設計された2つの他のTALE-ヌクレアーゼXPCT2及びXPCT3を工学的に創出した。これら標的は、それぞれ、異なる位置に存在する1つ及び2つの5-メチル-シトシンを含んでいた(図7A)。これにより、TALE DNA結合性ドメイン中のN*反復の数及び位置の影響を評価することができる。
方法については実施例1及び2を参照。
− 材料
TALE-ヌクレアーゼXPCT2L-HD、XPCT2L-N*、XPCT2R、XPCT3L-HD、XPCT3L-N*、XPCT3R-HD及びXPCT3R-N*(配列番号31〜37、これらはそれぞれ配列番号43〜49をコードする)を、先の実施例に記載の方法に従って取得した。活性TALE-ヌクレアーゼは、実施例1に記載されるように、1つの「TALE-ヌクレアーゼL」及び1つの「TALE-ヌクレアーゼR」の組合せにより形成された。
XPCT2-N*及びXPCT3-N*のTALE-ヌクレアーゼ活性(図7)を、293H細胞において、実施例1に記載のプロトコールに従って測定し、次いでHD対応物と比較した(図7B)。XPCT1-HD及びN*(実施例2を参照)を下記の実験でコントロールとして用いた。本発明者らのEndoT7アッセイにより、N*バリアントが常に最も活性であることが証明され、TAL反復N*は異なる状況で5-メチル-シトシンに成功裡に結合できることが示された。興味深いことに、TALE-ヌクレアーゼ-HDの基礎活性及びHD/N*置換により達成される誘導倍数(fold induction)は、TALE-ヌクレアーゼごとに異なっており、5-メチル-シトシンにより誘導される結合ペナルティが、TAL DNA結合部位内の位置に依存することが示唆される。
本発明者らは、工学的に操作したTAL反復「*」(すなわちT*及びQ*)及び天然TAL反復HGが5mCに効率的に結合できるという仮説を立てた。この仮説を確証するため、本発明者らは、TAL反復T*、Q*及びHGがXPCT1 TAL DNA結合性ドメインの+2位でHDを代替する能力及び293H細胞中の内因性メチル化遺伝子座に対する活性を回復する能力を評価した。
方法については実施例1〜3を参照
TALE-ヌクレアーゼXPCT1L-T*、XPCT1L-Q*、XPCT1L-HG及びXPCT1R(配列番号52、53、54及び30、これらはそれぞれ配列番号55、56、57及び42をコードする)を、先の実施例ほかに記載された方法に従い、デノボ遺伝子合成により取得した。活性TALE-ヌクレアーゼは、1つの「TALE-ヌクレアーゼL」(XPCT1L-T*、XPCT1L-Q*又はXPCT1L-HG)及び1つの「TALE-ヌクレアーゼR」(XPCT1 R)の組合せにより形成された。TALE-ヌクレアーゼXPCT1L-HD、N*、NG及びH*(配列番号26〜29、これらはそれぞれ配列番号38〜41をコードする)のヌクレアーゼ活性もまた測定し、本実施例でコントロール実験として使用した。
TALE-ヌクレアーゼにより誘導される標的づけられた変異誘発のモニタリングの概説については実施例1を参照。
XPCT1L-T*、XPCT1L-Q*及びXPCT1L-HGのTALE-ヌクレアーゼ活性を293H細胞において実施例1に記載のプロトコールに従って測定し、次いでHD対応物と比較した(図8)。XPCT1L-HD、N*、NG及びH*(配列番号26〜29、これらはそれぞれ配列番号38〜41をコードする。実施例2を参照)を下記の実験においてコントロールとして使用した。本発明者らのディープシーケンシング結果により、T*及びQ*バリアントはHDバリアントより活性であることが証明され、TAL反復T*、Q*及びHGはHDより効率的に5-メチル-シトシンに結合できることが示唆される。よって、TAL反復T*、Q*及びHGは、おそらく、メチル化内因性遺伝子座を標的するTALE-ヌクレアーゼを設計するために使用できる。
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Claims (22)
- 5-メチル-シトシンを含む核酸配列を標的する転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質を合成する方法であって、該方法は、複数のTALE様反復配列を組み立てることを含んでなり、前記複数のTALE様反復配列の各々が前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を含み、前記核酸標的配列内の5-メチル-シトシンを特異的に標的するRVDが、X* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択される、方法。
- 以下:
(a)細胞のゲノム中で5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列を決定し;
(b)以下:
− Cを認識するためのHD;
− Tを認識するためのNG;
− Aを認識するためのNI;
− G又はAを認識するためのNN;
− A又はC又はG又はTを認識するためのNS;
− Tを認識するためのHG;
− Tを認識するためのIG;
− Gを認識するためのNK;
− Cを認識するためのHA;
− Cを認識するためのND;
− Cを認識するためのHI;
− Gを認識するためのHN;
− Gを認識するためのNA;
− G又はAを認識するためのSN;及び
− Tを認識するためのYG;
からなる群より選択される少なくとも1つのRVDを含む反復可変二残基(RVD)をコードすることにより各反復が前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的なTALE様反復ポリヌクレオチド配列であって、核酸標的配列中の化学的に改変された核酸塩基を特異的に標的するRVDがX*及び**のRVD (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択されるTALE様反復ポリヌクレオチド配列を組み立て;
(c)工程(b)で組み立てられたポリヌクレオチド配列を前記細胞中で発現させる
ことを含んでなる、請求項1に記載の方法。 - 前記5-メチル-シトシンを特異的に標的するRVDがN*、T*、Q*及びH*のRVDから優先的に選択される、請求項1又は2に記載の方法。
- 5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列で規定される遺伝子座にて核酸をプロセシングするキメラタンパク質を合成する方法であって、
(a)以下:
(i)複数のTALE様反復配列を含む転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質であって、該複数のTALE様反復配列の各々が前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を含み、核酸標的配列内の5-メチル-シトシンを特異的に標的するRVDが、X*、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択されるTALEタンパク質をコードする第1のポリヌクレオチド;と
(ii)5-メチル-シトシンを含む前記核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸をプロセシングする追加のタンパク質ドメインをコードする第2のポリヌクレオチド
との融合体を含むポリヌクレオチド配列を合成し;
(c)工程(a)のポリヌクレオチド配列を宿主細胞中で発現させる
ことを含んでなる、方法。 - 前記追加のタンパク質ドメインがエンドヌクレアーゼである、請求項4に記載の方法。
- (i)5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列と
(ii)前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を含むTALEタンパク質
とを接触させることを含んでなり、前記核酸標的配列内の5-メチル-シトシンを特異的に標的するRVDが、X*、好ましくはN*、Q*、T*又はH* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択される、少なくとも1つの5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列を結合させる方法。 - (a)5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列を含有する細胞を準備し、
(b)前記核酸標的配列を指向する請求項1〜4のいずれか1項に記載のTALEタンパク質を前記細胞内で合成し、
(c)5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列とのTALEタンパク質の結合親和性を試験する
ことを含んでなる、少なくとも1つの5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列を結合させる方法。 - 前記核酸標的配列がCpG、CpA、CpT、CpCからなる群より選択される少なくとも1つのメチル化されたジヌクレオチドを含む、請求項6又は7に記載の方法。
- (a)5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列を含有する細胞を準備し;
(b)前記核酸標的配列を指向し、該核酸標的配列内又は該配列近傍の核酸を前記メチル化とは独立にプロセシングする請求項4又は5に記載のキメラタンパク質を前記細胞内で合成し;
(c)前記核酸標的配列の遺伝子座での核酸プロセシングを試験する
ことを含んでなる、少なくとも1つの5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列をプロセシングする方法。 - 前記タンパク質ドメインがヌクレアーゼ活性、ポリメラーゼ活性、キナーゼ活性、ホスファターゼ活性、メチラーゼ活性、トポイソメラーゼ活性、インテグラーゼ活性、トランスポザーゼ活性、リガーゼ活性、ヘリカーゼ活性、リコンビナーゼ活性からなる群より選択される触媒活性を有する、請求項9に記載の方法。
- 前記追加のタンパク質ドメインが転写アクチベーターである、請求項9に記載の方法。
- 前記核酸標的配列がメチル化プロモーター配列である、請求項9に記載の方法。
- 前記追加のタンパク質ドメインがエンドヌクレアーゼである、請求項9に記載の方法。
- 前記核酸標的配列の少なくとも一部に相同な配列を含む外因性核酸を細胞に提供することを更に含んでなり、核酸標的配列と外因性核酸との間で相同組換えが生じる、請求項13に記載の方法。
- (a)核酸標的配列と、複数のTALE様反復配列を含む転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質であって、前記反復配列の各々が前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基(RVD)を含んでなり、少なくとも1つのRVDが以下:
− Cを認識するためのHD;
− Tを認識するためのNG;
− Aを認識するためのNI;
− G又はAを認識するためのNN;
− A又はC又はG又はTを認識するためのNS;
− Tを認識するためのHG;
− Tを認識するためのIG;
− Gを認識するためのNK;
− Cを認識するためのHA;
− Cを認識するためのND;
− Cを認識するためのHI;
− Gを認識するためのHN;
− Gを認識するためのNA;
− G又はAを認識するためのSN;及び
− Tを認識するためのYG;
からなる群より選択されるTALEタンパク質とを結合させ、
(b)同じ核酸標的配列と、工程a)で使用したものと類似する、複数のTALE様反復配列を含む別の転写アクチベーター様エフェクター(TALE)タンパク質であって、少なくとも1つのRVDがX*、好ましくはH*、T*、Q*又はN*からなるRVD (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)で置換されているTALEタンパク質とを結合させ、
(c)a)及びb)の下で前記核酸標的配列との結合親和性を測定し、
(d)c)の下で測定した結合活性の比(ここで、該比は、0に近いとき、前記核酸標的配列中にメチル化された核酸が存在することを示し、1に近いとき、該核酸標的配列中に化学的に改変された核酸が存在しないことを示す)を算出する
ことを含んでなる、核酸標的配列中の少なくとも1つの5-メチル-シトシンを検出する方法。 - 結合親和性がヌクレアーゼ活性で測定される、請求項15に記載の方法。
- 結合親和性が転写活性で測定される、請求項15に記載の方法。
- 結合親和性が(a)及び(b)のTALEタンパク質に融合した蛍光タンパク質のシグナルを検出することにより測定される、請求項15に記載の方法。
- 少なくとも1つの5-メチル-シトシンを含む核酸標的配列をプロセシングする組成物であって、該組成物が、前記核酸標的配列の各核酸塩基に特異的な反復可変二残基領域(RVD)を各個が含む複数のTALE様反復配列を含むTALEヌクレアーゼを含んでなり、前記核酸標的配列内の5-メチル-シトシンを特異的に標的するRVDが、X* (ここで、XはA、G、V、L、I、M、S、T、C、P、D、E、F、Y、W、Q、N、H、R及びKの群より選択される1つのアミノ酸残基を表し、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)から選択される、組成物。
- 前記TALEヌクレアーゼが配列番号39、41、44、47、49〜51、55及び56からなる群より選択される配列を含んでなるか又は該配列からなる、請求項19に記載の組成物。
- T*及びQ* (ここで、*はRVDの1つの位置でのギャップを表す)からなる群より選択される反復可変二残基領域(RVD)を有するTALE様反復配列を少なくとも1つ含んでなるTALEヌクレアーゼ。
- 配列番号55及び56からなる群より選択される配列を含んでなるか又は該配列からなる、請求項21に記載のTALEヌクレアーゼ。
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