JP6211871B2 - 油圧ブレーカ用フロントカバーおよびこれを備える油圧ブレーカ - Google Patents
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Description
このとき、油圧ブレーカは、チゼルからの打撃反力により主として軸方向に激しく振動し、この振動による衝撃は、油圧ブレーカのみならず、油圧ブレーカを搭載している油圧ショベル等の作業機や、これに搭乗して操作をしているオペレータにも悪影響を及ぼす。そのため、従来から、このような衝撃を緩衝する目的で、油圧ブレーカとブラケットとの間にウレタンやゴム等の弾性体を緩衝材として設けることが行われている。
同図に示すように、この油圧ブレーカ70は、相互に連結された、シリンダ51、フロントヘッド53およびバックヘッド54を有する。シリンダ51の内部には、打撃ピストン52が摺嵌され、作動油室(図示略)を有する公知の油圧打撃機構が構成されている。シリンダ51の側面には、切換弁62およびアキュムレータ63が付設されている。
例えば、不慣れなオペレータが、チゼル55の軸線が被破砕物に対して傾いた状態でチゼル55を被破砕物に押し付けて打撃機構を作動させると、打撃反力もチゼル55の軸線とは傾いた方向から返ってくる。また、いわゆるコジリ動作を行うことでチゼル55の軸線とは略直交する方向に外力が作用する。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る油圧ブレーカは、チゼルが挿着されるフロントヘッドを備え、前記フロントヘッドの先端部にフロントカバーが装着された油圧ブレーカであって、前記フロントカバーとして、本発明の一態様に係る油圧ブレーカ用フロントカバーが装着されていることを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係る油圧ブレーカにおいて、前記油圧ブレーカは、前記チゼルを摺動させつつ前後進可能に支持する支持部として、前記フロントカバーの他に、前記フロントカバーよりも前記フロントヘッド内の後部に装着されるフロントブッシュを有し、前記チゼルは、前記フロントブッシュの内周面と摺接するシャンク部と、前記フロントカバー本体の内周面と摺接する大径部とを有し、前記大径部が前記シャンク部よりも大径とされ、前記フロントカバー本体の内径は、前記フロントブッシュの内径よりも大径であることは好ましい。
このような構成であれば、フロントブッシュ側よりもフロントカバー側の方がチゼルの保持力が大きくなる。そのため、緩衝機構を備えないフロントブッシュが損傷する可能性を小さくすることができる。
図1に示すように、本実施形態の油圧ブレーカ20は、相互に連結された、シリンダ1、フロントヘッド3およびバックヘッド4を有する。バックヘッド4は、シリンダ1の後方(図1での上方)に固設されており、このバックヘッド4の高圧油路と低圧油路(図示略)には、作業機の油圧源から油圧管路が配管される。シリンダ1の側面には、切換弁13およびアキュムレータ14が付設されるとともに、シリンダ1の内部には、打撃ピストン2が摺嵌され、作動油室(図示略)を有する公知の油圧打撃機構が構成されている。
ここで、本実施形態のフロントカバー30は、チゼル5を自身の内周面で摺動させつつ前後進可能に支持するフロントカバー本体6と、このフロントカバー本体6の外面とフロントヘッド3の内面との間にフロントカバー本体6と同軸に介装される中空円筒形状のインパクトダンパ7とを有する。
フロントヘッド3の先端部の内面には、フロントカバー本体6の段部6aに嵌合する第一の円環状段部3aと、インパクトダンパ7の外周面に嵌合する第二の円環状段部3bとが同軸に形成されている。第一の円環状段部3aの深さ(軸方向長さ)は、フロントカバー本体6の段部6aの軸方向長さと略一致している。
上記フロントカバー30をフロントヘッド3の先端部に装着するときは、まず、インパクトダンパ7を、フロントカバー本体6の外周面の段部6aに嵌め込み、前側端面6mと当接する位置に装着する。
この油圧ブレーカ20を使用する際は、不図示のブラケットで油圧ブレーカ20が支持され、このブラケットの装着部を作業機のアームに取り付ける。油圧ブレーカ20による破砕作業では、油圧ブレーカ20に挿着されたチゼル5を破砕対象物に押しつけ、内蔵された打撃ピストン2でチゼル5の後端を打撃し、破砕対象物に衝撃を与えて破砕する。このとき、油圧ブレーカ20は、チゼル5からの打撃反力により激しく振動し、チゼル5の軸線と一致する方向の他、チゼル5の軸線から傾いた方向からも打撃反力が返ってくる。
例えば、上記実施形態では、フロントカバー30は、フロントカバー本体6と、銅合金製のインパクトダンパ7とからなる構成例で説明したが、これに限らず、インパクトダンパ7はフロントカバー本体6よりもヤング率が小さい材料を用いればよいので、本実施の形態の銅合金の他に、例えば、可鍛鋳鉄や、ジュラルミン、強度のある樹脂等をインパクトダンパ7の材料として採用してもよい。
また、本発明に係る油圧ブレーカ用フロントカバーを備える油圧ブレーカに加えて、上述した従来技術の衝撃緩衝機構(緩衝ピストン59、緩衝油室60、緩衝油路61)を設けてもよい。
2 打撃ピストン
3 フロントヘッド
4 バックヘッド
5 チゼル
5a 大径部
5b シャンク部
5c テーパ面
5d 後端部
6 フロントカバー本体
7 インパクトダンパ
8 フロントリング
9 フロントブッシュ
10 フロントカバーピン
11 インパクトダンパピン
12 フロントブッシュピン
13 切換弁
14 アキュムレータ
15 グリスニップル
20 油圧ブレーカ
30 フロントカバー
Claims (4)
- チゼルが挿着されるフロントヘッドを備える油圧ブレーカに用いられ、前記フロントヘッドの先端部に装着されるフロントカバーであって、
前記チゼルを自身の内周面で摺動させつつ前後進可能に支持するフロントカバー本体と、前記フロントカバー本体の外面と前記フロントヘッドの内面との間に前記フロントカバー本体と同軸に介装されてラジアル方向の外力を緩衝する中空円筒形状のインパクトダンパとを有し、
前記インパクトダンパは、前記フロントカバー本体よりもヤング率の低い材料から形成されていることを特徴とする油圧ブレーカ用フロントカバー。 - 前記フロントカバー本体は、フロントカバーピンによって前記フロントヘッドに固定され、前記インパクトダンパは、前記フロントカバー本体とは別個にインパクトダンパピンによって前記フロントヘッドに固定されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の油圧ブレーカ用フロントカバー。
- チゼルが挿着されるフロントヘッドを備え、前記フロントヘッドの先端部にフロントカバーが装着された油圧ブレーカであって、
前記フロントカバーとして、請求項1または2に記載の油圧ブレーカ用フロントカバーが装着されていることを特徴とする油圧ブレーカ。 - 前記油圧ブレーカは、前記チゼルを摺動させつつ前後進可能に支持する支持部として、前記フロントカバーの他に、前記フロントカバーよりも前記フロントヘッド内の後部に装着されるフロントブッシュを有し、
前記チゼルは、前記フロントブッシュの内周面と摺接するシャンク部と、前記フロントカバー本体の内周面と摺接する大径部とを有し、前記大径部が前記シャンク部よりも大径とされ、
前記フロントカバー本体の内径は、前記フロントブッシュの内径よりも大径であることを特徴とする請求項3に記載の油圧ブレーカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013200286A JP6211871B2 (ja) | 2013-09-26 | 2013-09-26 | 油圧ブレーカ用フロントカバーおよびこれを備える油圧ブレーカ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013200286A JP6211871B2 (ja) | 2013-09-26 | 2013-09-26 | 油圧ブレーカ用フロントカバーおよびこれを備える油圧ブレーカ |
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JP2015066606A JP2015066606A (ja) | 2015-04-13 |
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Family Applications (1)
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2013
- 2013-09-26 JP JP2013200286A patent/JP6211871B2/ja active Active
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