JP6210438B2 - 水洗大便器装置 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄水によって大便器本体を洗浄する水洗大便器装置に関する。
従来、大便器本体に洗浄水を供給するための機構として、ジェットポンプ式の給水機構を有する水洗大便器装置がある。
このジェットポンプ式の給水機構は、水を貯留したタンクを備えており、当該タンクの内部に、ジェットポンプユニットが水没した状態で配置されている。ジェットポンプユニットはスロート管を有しており、当該スロート管の一端は大便器本体のボウル部に向かう流路に接続され、他端には開口が形成されている。噴射ノズルから、開口を通じてスロート管の内部に向かうように水が噴射されると、ジェットポンプ作用が誘発されることによって、スロート管の内部ではボウル部に向かって大流量の水が流れる。噴射ノズルから噴射された水のみならず、タンク内に貯留されていた水も引き込まれてスロート管の内部を流れるため、大便器本体には大流量の洗浄水が供給される。
ここで、ジェットポンプ式の給水機構においては、洗浄水として大便器本体に供給する水の全てをタンク内に貯留しておく必要がない。このため、タンク式の給水機構に比べてタンクを小型化することができる上、タンクを満水位にするために必要な時間を短くすることができるという利点がある。また、フラッシュバルブ式の給水機構に比べて給水配管内の水圧が比較的低い環境に水洗大便器装置が設置された場合であっても、大流量の洗浄水を大便器本体に供給することができる。更に、給水配管を大口径とするような大掛かりな工事を必要としないという利点もある。
また、ジェットポンプ式の給水機構においては、タンクを満水位にするための時間が短いので、連続して大便器本体を洗浄するための連続洗浄性を向上させることができる。この連続洗浄性をさらに向上させるため、ジェット水流の流路を切り替えて大便器給水やタンク貯水を行う技術がある。
例えば、ジェット水流を切り替える技術として、流れ転換器を用いて、リザーバが満たされているときにはジェットノズルから流体導管の入口内へ、または、リザーバが空の場合に、ジェットノズルから流体導管の入口を離れてリザーバ内へと、流れを方向転換する技術が開示されている(下記特許文献1参照)。
また、ジェット水流を切り替える他の技術として、水位に応じてスロートの入口を離れたり、スロートの入口にとどまったりするボール案内管内のボールや、排出管を閉鎖したり開放したりする向きに力を及ぼすような空気袋と連結した構造である開閉膜や、スロート管の一部を管折れさせる構造を用いて、水位に応じて給水を貯水槽とリム側に転換する技術が開示されている(下記特許文献2参照)。
特開2012−528960号公報 特許4713575号公報
しかしながら、上記特許文献2の技術では、タンク貯水時において、ノズルから噴射される水(ジェット水)の一部が大便器本体に排出されるため、ジェット水を全てタンクに供給する場合と比べてタンク貯水時間が長くなり、連続洗浄性の観点から好ましくない。
また、上記特許文献1の技術では、タンク貯水時において、ジェット水の全てをタンクに供給するため、スロート管の入口を完全に遮蔽する構成となっているが、ジェット水の止水機構が故障し、ジェット水が止まらなくなった場合に、タンク内の水位が上昇し、タンク外に水が溢れる(漏水する)恐れがある。
したがって、タンク貯水時間を短くするために、ジェット水のほぼ全てをタンクに供給し、ジェット水の止水機構が故障した場合でも、タンクの水位が上昇し、漏水が発生することを防止する構造が求められている。
一方で、タンクをさらに小型化するために、タンクの高さを低くすることが考えられる。タンクの高さを低くする場合、タンク内の水頭圧が低くなるため、タンク内の通常の満水位を越えて水位が上昇するオーバーフロー時に、タンク内の水を便器に排出しようとしても、排出される水量が少なくなる。
また、連続洗浄性をさらに向上させるため、ジェット水の流量を多くし、タンク貯水時間を短くしたいという要望がある。しかしながら、ジェット水の流量を多くした場合、タンク内の水位の上昇が早くなるため、タンクの小型化によりタンク内の水頭圧が低くなっている状態では、ジェット水の流量を増加させたことにより増える水量よりも、大便器本体に排出される水量を多くすることは困難である。
また、ジェットポンプ式のスロート管は、ジェット水が止まらなくなった場合におけるオーバーフロー管の役割を担う場合がある。しかしながら、上記のとおり、タンクをさらに小型化する場合、タンク内のスペースの関係により、排出される水量を増やすためにスロート管を大きくすることは難しい。また、スロート管の内部から排出する水量を多くするためには、スロート管を大きくしなければならないが、スロート管の径を大きくしてしまうと大便器本体にタンク内の水およびジェット水を供給する際にジェットポンプ作用が低下してしまい便器の洗浄性能が低下してしまう。ジェットポンプ性能と引き換えにオーバーフロー性能を上げることとなり好ましくない。
以上をまとめると、連続洗浄性を向上させながらも、タンクのさらなる小型化を図る際に、上述した全ての問題を解決することが困難であるという新たな課題が生じることが判った。具体的には、連続洗浄性を向上させるため、タンク貯水時にはジェット水のほぼ全てをタンクに供給したり、又はジェット水の流量を増加させたりし、タンクのさらなる小型化を図るため、スロート管の大きさを大きくせずに、タンクの高さを低くする。この場合、上述したとおり、オーバーフロー時に大便器本体に排出される水量が少なくなり、タンク内の水を適切に大便器本体に排出することができず、漏水の恐れがあるという新たな課題が生じることが判った。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ジェット水量を増やしたり、又はジェット水のほぼ全てをタンクに供給したりすることで連続洗浄性の向上を図り、タンクの高さを低くすることでタンクの小型化をより推し進めながらも、オーバーフロー時にタンク内の水を適切に大便器本体に排出することができる水洗大便器装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る水洗大便器装置は、洗浄水によって汚物を排水管に排出する水洗大便器装置であって、汚物を受け止めるボウル部と、洗浄水として供給される水を前記ボウル部に導くための導水路と、を有する大便器本体と、前記導水路に供給される水を内部に貯留するタンクと、前記タンクの内部において少なくとも一部が水没した状態で配置されたジェットポンプユニットと、を備え、前記ジェットポンプユニットは、一端側に吸引口が形成された管であって、前記吸引口から内部に流入した水が前記導水路に供給されるように配置されたスロート管と、前記吸引口から前記スロート管の内部に向けてジェット水を噴射することにより、ジェットポンプ作用を誘発させるノズルと、前記タンク内の水位が所定の水位を超えると前記所定の水位よりも上方の前記タンク内の水を流入させる開口が設けられ、この開口から流入した前記タンク内の水を前記導水路へ流出させるオーバーフロー管と、前記ジェットポンプ作用によって前記スロート管から前記導水路に水が供給されるときに前記開口から前記タンク内へ流出した水によって前記タンク内の水面が波立つことを抑制する波立抑制手段と、を有することを特徴とする。
本発明の水洗大便器装置によれば、連続洗浄性の向上を図り、タンクの小型化をより推し進めながらも、オーバーフロー時にタンク内の水を適切に大便器本体に排出することができる。
本発明の第一実施形態に係る水洗大便器装置を示す断面図である。 図1に示した水洗大便器装置の上面図である。 図1に示した水洗大便器装置のタンクの内部を示す図である。 ジェットポンプユニットの構成及び動作について説明するための図である。 タンク20の内部における構成を模式的に示す図である。 図1に示した水洗大便器装置の、洗浄時における動作の流れを説明するため のフローチャートである。 第一実施形態のタンク給水時における、タンクの水位が止水位の時のタンク 内の様子を模式的に示す図である。 第一実施形態のタンク給水時における、タンクの水位が止水位を超えた時の タンク内の様子を模式的に示す図である。 第一実施形態における、便器給水時の動作が開始されてからの時間経過に伴 うタンク内の水位の変化を示すグラフである。 第二実施形態のタンク給水時における、タンクの水位が止水位を超えた時 のタンク内の様子を模式的に示す図である。 第二実施形態における、便器給水時の動作が開始されてからの時間経過に 伴うタンク内の水位の変化を示すグラフである。 サイホン現象によりタンク内の水が大量に大便器本体に排出されることを 説明するための図である。 第三実施形態における、スロート管内の負圧部及び正圧部の位置、オーバ ーフロー管の接続位置を説明するための図である。 第四実施形態における流入防止弁の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る水洗大便器装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、水洗大便器装置FTの断面図であって、水洗大便器装置FTをその左右方向に垂直な面で切断した場合の断面を示している。図2は、水洗大便器装置FTの上面図である。図2では、後に説明するタンク20の内部構造を示すため、タンク20の上蓋201を取り外した状態を描いている。
図1及び図2に示したように、水洗大便器装置FTは、大便器本体10と、大便器本体10の後方側(図1では右側、図2では上側)において大便器本体10の上面101に設置されたタンク20とを備える。水洗大便器装置FTは、大便器本体10によって汚物を受け止めて、当該汚物を、タンク20から供給される水(洗浄水)によって、排水管SWに排出する装置である。
なお、以下の説明においては、特に断らない限り、大便器本体10に着座した状態の使用者から見て右側(図2では左側)のことを「右側」と称し、大便器本体10に着座した状態の使用者から見て左側のことを「左側」(図2では右側)と称する。また、大便器本体10に着座した状態の使用者から見て前方側(図1では左側、図2では下側)のことを「前側」又は「前方側」と称し、大便器本体10に着座した状態の使用者から見て後方側(図1では右側、図2では上側)のことを「後側」又は「後方側」と称する。
大便器本体10は、ボウル部110と、リム部120と、導水路130と、排水トラップ管路140とを有する。ボウル部110は、上方から落下する汚物を一時的に受け止める部分である。リム部120は、ボウル部110の上縁部に形成されており、図1に示したように、ボウル部110の内側面の一部を外周側に向けて後退させたような形状となっている。後に説明するように、リム部120は、ボウル部110に向けて供給された水が旋回して流れる流路となっている。リム部120は、ボウル部110の上縁に沿って一周するような略円形(上面視)の流路として形成されている。
導水路130は、タンク20から供給された水をボウル部110に導くために、大便器本体10の内部に形成された流路である。導水路130は、その一端が大便器本体10の上面101に開口しており、タンク20から供給される水の入口131となっている。入口131が形成されている位置は、大便器本体10の上面101のうち後方側の部分であり、且つ左右方向における中央の部分である。
導水路130は、その下流側において二つの流路(第一導水路132、第二導水路134)に分岐している。一方の流路である第一導水路132は、その下流側の端部がリム部120のうち右側の部分において開口しており、当該開口が水の出口(吐水部133)となっている。タンク20から入口131に水が供給されると、その一部は第一導水路132の内部を通り、吐水部133から噴出してリム部120に供給される。
他方の流路である第二導水路134は、その下流側の端部がリム部120のうち左側且つ後方寄りの部分において開口しており、当該開口が水の出口(吐水部135)となっている。タンク20から入口131に水が供給されると、その一部は第二導水路134の内部を通り、吐水部135から噴出してリム部120に供給される。
吐水部133から水が噴出する方向は、略円形の流路として形成されたリム部120の円周に沿う方向であり、且つ上面視において反時計回りの方向となる。吐水部135から水が噴出する方向も、略円形の流路として形成されたリム部120の円周に沿う方向であり、且つ上面視において反時計回りの方向となる。図2において矢印で示したように、吐水部133及び吐水部135からリム部120に噴出した水は、いずれもリム部120に沿って反時計回りに旋回して流れながら、リム部120の全体からボウル部110に向けて流下する。
排水トラップ管路140は、ボウル部110の下端と排水管SWとを接続する流路である。排水トラップ管路140は、ボウル部110の下端から下流に向かう方向に沿って上り勾配となるように形成されている上昇流路141と、上昇流路141の上端から下流に向かう方向に沿って下り勾配となるように形成されている下降流路142とを有する。このような構成により、ボウル部110の下部から上昇流路141の下部に亘る部分には水を貯留することが可能となっており、貯留した水によって封水WTが形成されている。下降流路142の下端には排水管SWが接続されている。排水管SWは建物の内部に配置された配管であって、その下流側の端部が不図示の下水管に接続されている。
タンク20からボウル部110に向けて水が供給されると、上記のように、当該水はリム部120を旋回して流れながら、リム部120の全体からボウル部110に向けて流下する。水はボウル部110に対して上方から追加され、ボウル部110の下端部から上昇流路141及び下降流路142を通って排出される。その結果、ボウル部110に貯留されている水(封水WT)には下向きの流れが生じることとなる。
ボウル部110において一時的に受け止められていた汚物は、上方のリム部120から供給される水によって下方に向けて押し込まれ、ボウル部110の下端に向かって移動する。その後、汚物は水流によって上昇流路141を通り下降流路142に到達して、水と共に排水管SWに向けて落下する。
タンク20は内部に水が貯留された容器であって、当該水を導水路130の入口131に供給するためのものである。タンク20は、第一タンク部210と、第一タンク部210の底壁211の一部を下方に伸ばすように形成された第二タンク部220とを有している。第一タンク部210と第二タンク部220はいずれも略直方体の容器であって、両者の内部空間が互いに連通している。第二タンク部220は、第一タンク部210の底壁211のうち後方側の部分に接続されている。
第一タンク部210の底壁211(第二タンク部220よりも前方側の部分)は、大便器本体10の上面101のうち後方側の部分に対して上方から近接した状態となっている。具体的には、大便器本体10の上面101のうち後方側の部分には入口131が形成されているが、第一タンク部210の底壁211は、入口131の周囲を上方から覆うように、大便器本体10の上面101に対して上方から近接した状態となっている。また、底壁211には入口131と略同一形状の開口212が形成されており、開口212と入口131とが上面視で重なっている。このため、タンク20の内部に貯留されている水は、開口212及び入口131を通って導水路130の内部に流入し、ボウル部110に向かって流れることが可能となっている。
第一タンク部210を上記のように配置した結果、第二タンク部220は大便器本体10よりも後方に位置している。すなわち、大便器本体10の後方側端部よりも更に後方側に位置した状態となっている。また、第二タンク部220の底壁221は、大便器本体10の上面101よりも低い位置に配置されている。
また、後述するスロート管には、オーバーフロー管250が接続されている。オーバーフロー管250は、第一実施形態における水洗大便器装置FTにおいて、後述するタンク内の止水機構が故障した場合に、タンク内の水がタンク外に溢れ出ることを防止するために設けられている。
上記のようにタンク20が配置されることにより、タンク20の前端部が、大便器本体10の後端部よりも前方側に位置している。また、タンク20の下端部が、大便器本体10の上面101よりも下方側に位置している。その結果、水洗大便器装置FT全体の前後方向における寸法と、上下方向における寸法とが、いずれも小さくなっており、水洗大便器装置FTのデザイン性が向上している。
次に、タンク20の内部の構成について説明する。図3は、水洗大便器装置FTを後方側から見た場合における、タンク20の内部を示す斜視図である。図3に示したように、タンク20の内部には、給水管231と、主弁233と、パイロット弁234と、ジェットポンプユニット300とが配置されている。
給水管231は、主弁233に向けて水を供給するための管であって、第二タンク部220の底壁221から鉛直上方に向かって伸びるように配置されている。給水管231の下端は、タンク20の外部において不図示の水道管に接続されている。また、給水管231の上端は、タンク20の内部において主弁233に下方から接続されている。給水管231は、タンク20の内部のうち左右方向における中央よりも左側となる位置に配置されている。
給水管231の途中(水道管と主弁233との間)には、図3では図示しない定流量弁232が配置されている。主弁233が開いた状態において主弁233に流入する水の流量は定流量弁232によって一定となり、水道管内の水圧によって変動することがない。
主弁233は開閉弁であって、給水管231からジェットポンプユニット300に向かう水の流路の開閉を行うものである。主弁233とジェットポンプユニット300との間にはバキュームブレーカー235が備えられており、バキュームブレーカー235の上流側が負圧となって水が逆流してしまうことが防止されている。なお、上記のように給水管231が上方に向かって伸びており、主弁233とバキュームブレーカー235とはタンク20内の高い位置に配置されている。このため、タンク20の水位が満水位となった状態においても、バキュームブレーカー235が水没してしまうことはない。
主弁233にはパイロット弁234が備えられており、パイロット弁234の動作によって主弁233の開閉が切り替えられる構成となっている。パイロット弁234には、タンク20の外側に配置された操作レバー236が、タンク20の内部に配置された伝達機構237を介して接続されている。また、パイロット弁234には、タンク20の内部に配置されたフロート238が更に接続されている。
水洗大便器装置FTの使用者によって操作レバー236が操作されると、当該操作が伝達機構237を介してパイロット弁234に伝達され、パイロット弁234が開かれる。これにより主弁233が開かれた状態となり、給水管231からジェットポンプユニット300に向かって水が流れる。後に説明するように、ジェットポンプユニット300に向かって流れた水は、タンク20の内部に貯留されていた水と共に洗浄水として導水路130に供給される。このため、タンク20の内部における水位は次第に低下していく。
ボウル部110の洗浄が終了した後も、主弁233は閉じられず、給水管231からジェットポンプユニット300に向かって引き続き水が流れる。ジェットポンプユニット300に向かって流れた水はタンク20の内部に供給されて、次回の洗浄のために貯留される。タンク20の内部に向けた水の供給(タンク20への注水)が行われると、タンク20の内部における水位は次第に上昇して行く。タンク20の内部においてパイロット弁234に接続されているフロート238は、水位の上昇に伴って上昇し、これによりパイロット弁234が閉じられる。
このように、タンク20の内部における水位が上昇すると、フロート238が受ける浮力の変化によってパイロット弁234が閉じられる。パイロット弁234が閉じられると、主弁233が閉じられた状態となり、給水管231からジェットポンプユニット300への水の供給が停止される。この時点においてタンク20の内部に貯留されている水の量が、次回の洗浄のために必要な量となるように(所定の満水位となるように)、フロート238の配置が調整されている。
ジェットポンプユニット300は、給水管231から供給された水によりジェットポンプ作用を誘発させ、これにより導水路130に向けた水の供給を行うためのものである。ジェットポンプユニット300は、ノズル310と、スロート管320とを有している。
ノズル310は、一端が接続管339を介してバキュームブレーカー235に接続されており、他端には噴射口311が形成されている管である。ノズル310は、第二タンク部220の底壁221の近傍に配置されている。主弁233が開かれると、給水管231から供給された水は、接続管239を流れてノズル310に到達し、噴射口311から高速の水流として噴射される。ノズル310は、第二タンク部220のうち後方側且つ右側の隅(上面視における隅)に配置されている。図3に示したように、ノズル310はU字形状となっており、その下流側が上記隅から折り返されている。噴射口311は、その噴射方向がスロート管320の内部に向けられている。
スロート管320は、断面が円形の管であって、底壁211に形成された開口212を一部が貫通した状態で、タンク20の内部に配置されている。スロート管320の一端は導水路130の入口131に接続されており、他端には開口である吸引口321が形成されている。スロート管320は、導水路130の入口131側の部分が鉛直方向に沿っており、吸引口321側の部分が水平面に対して傾斜している。このため、その全体が逆U字形状となっている。図2に示したように、スロート管320は、上面視において前後方向に対して傾斜した状態で、タンク20の内部に配置されている。
また、スロート管320は、上述した形状により、タンク貯水時に、タンク20の水が止水位置を超えて異常水位となると、サイホン現象が発生するように構成されている。また、図2に示す例では、スロート管320には、前方側にオーバーフロー管250が接続されている。
スロート管320の具体的な形状について更に詳しく説明する。スロート管320は、吸引口321から斜め上方に向けて伸びる上昇部322と、上昇部322の下流側(上側)に配置された屈曲部323と、屈曲部323の下流側(下側)に配置され、屈曲部323から下方に向かって伸びる下降部324とを有する。
上昇部322は、その管径が全体において均一な円筒形状の管であって、水平面に対して傾斜した状態で配置されている。吸引口321は上昇部322の下端に形成されている。吸引口321は、その縁の全体が水平面に沿うように(水平面と平行になるように)形成されている。
下降部324は、その管径が全体において均一な円筒形状の管であって、鉛直方向に沿って配置されている。下降部324の管径は、上昇部322の管径よりも大きい。屈曲部323のうち上昇部322側の管径は、上昇部322の管径に等しい。また、屈曲部323のうち下降部324側の管径は、下降部324の管径に等しい。このため、管径が互いに異なる上昇部322と下降部324とが、屈曲部323によって滑らかに繋がれているということができる。
上昇部322のうち、その流路方向に沿って略中央となる位置には、空気導入管330が接続されている。空気導入管330は、鉛直方向に沿って配置された円筒形状の管である。空気導入管330の下端は、上昇部322の上面側に接続されており、空気導入管330の内部空間と上昇部322の内部空間とが連通している。空気導入管330の上端には導入口331が開口形成されており、導入口331から流入した空気又は水が、空気導入管330を通って上昇部322の内部空間に流入し得る構成となっている。導入口331の位置(高さ)は、タンク20の水位が満水位であるときには水没するような位置となっている。また、吸引口321よりも高い位置となっている。
図4を参照しながら、ジェットポンプユニット300の構成及び動作について更に説明する。図4(A)は、タンク20内の水位が吸引口321よりも高い(例えば満水位)ときにおいてノズル310からジェット水が噴射され、これによりジェットポンプ作用が誘発されている状態を模式的に示したものである。
主弁233が開かれて、ノズル310の噴射口311からジェット水が噴射されると、当該ジェット水が上昇部322の内部に向かって流れる。上昇部322のうち下側の部分及びノズル310は、タンク20内に貯留されている水の内部に水没している。このため、タンク20内に貯留されている水は、噴射口311から噴射されたジェット水によって上昇部322の内部に引き込まれて、導水路130に向かって流れる。このようなジェットポンプ作用が誘発される結果、スロート管320の内部では、ノズル310の噴射口311から噴射されたジェット水だけでなく、吸引口321の周囲から引き込まれた水も流れる。これらが導水路130を流れて、洗浄水として吐水部133、135からリム部120に供給される。
このように、水洗大便器装置FTにおいては、ノズル310の噴射口311から噴射されるジェット水の流量よりも、リム部120に供給される水の流量の方が多くなっている。換言すれば、ノズル310の噴射口311から噴射されるジェット水の流量が少なくても、洗浄水として十分な流量の水がリム部120に供給される。このため、水道管の水圧が低い環境に水洗大便器装置FTが設置された場合であっても、十分な洗浄性能を発揮することができる。
また、洗浄水としてリム部120(及びボウル部110)に供給される水の総量は、タンク20の内部に予め貯留されていた水の量に、ノズル310の噴射口311から噴射されたジェット水の量を加えたものとなる。全ての洗浄水をタンク20の内部に貯留しておく必要がないため、タンク20は小型化されており、そのデザイン性が向上している。
ところで、タンク20に貯留されている水のうち、吸引口321よりも下の部分に存在する水は、吸引口321からスロート管320の内部に供給されない。その結果、タンク20の内部に残水として残ってしまう。しかし、図3等に示したように、ノズル310及び吸引口321はいずれも(狭い)第二タンク部220の内部に配置されている。このため、吸引口321よりも下の部分で残ってしまう残水の量は、比較的少なくなっている。
このような構成により、水洗大便器装置FTでは、リム部120対する水の供給が終了した時点における残水の量を少なくしている。その結果、タンク20の内部空間のうち殆どの部分を、リム部120対して供給される水(残水とならない水)を貯留するための空間として利用することが可能となっており、タンク20の大型化が抑制されている。
上昇部322の下端近傍、すなわち吸引口321の近傍には、進行方向切替手段350が取り付けられている。進行方向切替手段350は棒状の部材であって、その長手方向に沿った一端にはフロート351を有しており、他端には遮蔽部352を有している。なお、進行方向切替手段350は、先に参照した図3等においては図示を省略していたものである。
進行方向切替手段350は、フロート351と遮蔽部352との間の部分が、上昇部322の下端近傍に対して回転自在な状態で取り付けられている。図4(A)に示したように、タンク20内の水位が吸引口321よりも高いときにおいては、フロート351に加わる浮力によって進行方向切替手段350が回転する。具体的には、フロート351が上方に移動し、遮蔽部352が下方に移動して、それぞれ図4(A)に示した位置で停止する。
図4(A)の状態においては、ノズル310から噴射されたジェット水は、遮蔽部352には直接当たることなく上昇部の内部に流入する。その結果、既に説明したようなジェットポンプ作用が誘発され、洗浄水としての水がリム部120に供給される。
その後、タンク20内の水がリム部120に供給されることにより、タンク20内の水位は次第に低下していく。
図4(B)は、タンク20内の水位が吸引口321の近傍まで低下し、リム部120への水の供給が停止した状態を模式的に示したものである。タンク20内の水位が吸引口321の近傍まで低下すると、フロート351に加わる浮力は小さくなる。このため、図4(B)に示したように、フロート351が下方に移動するように進行方向切替手段350が回転する。遮蔽部352は上方に移動して、ノズル310から噴射されたジェット水の全てが遮蔽部352に直接当たるようになる。
遮蔽部352のうち噴射口311に対向する面は、凹状に湾曲した形状となっている。また、この遮蔽部352の面は、噴射口311全体と対向しており、全てのジェット水の進行方向が切替えられる配置となっている。ノズル310から噴射されたジェット水が遮蔽部352の面に当たると、ジェット水は当該面に沿って流れて、その進行方向を略90度変化させる。その結果、ノズル310から噴射されたジェット水は上昇部322の内部には流入せず、次回の洗浄のための水としてタンク20に給水される。このように、進行方向切替手段350は、ノズル310から噴射されたジェット水の供給先を、大便器本体10からタンク20へと切り替えるためのものである。
以下、進行方向切替手段350により、ノズル310から噴射されたジェット水をタンク20内へ供給する時(最中)を「タンク給水時」又は「タンク貯水時」と称す。また、タンク給水時において、ノズル310がジェット水の噴射を終了すべき予め定められたタンク20内の水位を、「止水位」と称す。ジェット水の噴射が止水位で確実に止まると、タンク内の水位は、「満水位」となる。したがって、「止水位」と「満水位」は実質的に同義である。また、タンク内の止水位を上方に超えた異常の水位を「異常水位」と称す。
ここで、進行方向切替手段350は、タンク給水時において、タンク20内の水が止水位となるまではジェット水がスロート管320から排出されることを抑制するよう構成されている。このような構成は、遮蔽部352とフロート351等の形状及び配置の調整により実現でき、特に限定されない。例えば、上記構成として遮蔽部352にのみ着目すると、上述したように遮蔽部352のうち噴射口311に対向する面が凹状に湾曲した形状となっていること、遮蔽部352が噴射口311全体と対向していること、又は遮蔽部352が噴射されるほぼ全てのジェット水の進行方向を、排出方向の上成分(例えば斜め右上の上成分)を含まない方向(例えば斜め右下)に切替えられる配置となっていること、等が挙げられる。
一方で、進行方向切替手段350は、タンク給水時において、タンク20内の水が止水位を超えるとスロート管320の内部に流入することを許容するよう、吸引口321(第一実施形態では特にスロート管320の内壁面)との間にタンク水流入空間354を形成するよう構成されている。このような構成は、特に限定されないが、例えば遮蔽部352のサイズと配置の調整により実現できる。より具体的には、例えば遮蔽部352を、吸引口321よりも小さくし、且つ、切替え先のジェット水の進行方向{図4(B)矢印参照}とは逆方向に位置するスロート管320の内壁面から離して配置する。
図5は、タンク20の内部における構成を模式的に示す図である。上述したように、タンク20の内部には、給水管231と、主弁233と、ジェットポンプユニット300とが配置されている。
ボウル部110の洗浄が行われていない状態(待機状態)においては、タンク20の水位は満水位となっている。水洗大便器装置FTの使用者によって操作レバー236が操作されると、既に説明したように主弁233が開かれた状態となり、ノズル310の噴射口311から水が噴射される(図5の矢印AR1)。タンク20の内部に貯留されていた水は、スロート管320の内部に引き込まれて(図5の矢印AR2)、洗浄水としてリム部120に供給される(図5の矢印AR3)。
リム部120への水の供給が終了すると、ノズル310からの水の供給先が進行方向切替手段350によって切り替えられて、タンク20への注水が開始される(図5の矢印AR4)。タンク20内の水位は次第に上昇して行き、満水位となった時点でフロート238によりパイロット弁234が閉じられる。これと同時に主弁233が閉じられることによりタンク20への注水が終了し、待機状態に戻る。
タンク20の内部におけるその他の構成について、再び図3を参照しながら説明する。図3に示したように、タンク20の内部にはスロート管320の下降部324を囲むような隔壁240が配置されている。隔壁240は、底壁211から上方に向かって伸びるように形成されている。隔壁240、タンク20の前側壁面213、左側壁面214、及び第一タンク部210の底壁211によって、タンク20の内部空間の一部が区画され、小タンク260が構成されている。小タンク260は、その上部がタンク20の内部に開放された容器であって、第一タンク部210のうち前方側且つ左側の隅に配置されている。スロート管320は、下降部324の下端部分が小タンク260の内側に配置されている。また、吸引口321が小タンク260の外側に配置されている。
隔壁240のうち下端部近傍には開閉窓241が設けられている。開閉窓241は通常は開かれた状態となっており、開閉窓241を通じて小タンク260の内部と外部(隔壁240よりも後方側の空間)とが連通している。このため、ボウル部110の洗浄が行われていない状態(待機状態)においては、タンク20内に貯留された水の水位と、小タンク260内に貯留された水の水位は等しくなっている。
操作レバー236は、二つの方向(大方向、小方向)に操作することが可能である。操作レバー236が大方向に操作された場合には、開閉窓241が開かれた状態のまま、パイロット弁234及び主弁233が開かれる。小タンク260に貯留されていた水は、開閉窓241を通過して第二タンク部220に流出し、吸引口321に到達する。このため、タンク20の内部に貯留されていた水は、小タンク260に貯留されていた分を含む殆どが、スロート管320の内部に引き込まれてリム部120に供給される。
一方、操作レバー236が、小方向に操作された場合には、開閉窓241が閉じられると同時にパイロット弁234及び主弁233が開かれる。このため、タンク20の内部に貯留されていた水のうち小タンク260に貯留されていた水は、開閉窓241を通過することができずに小タンク260の内部に残留したままとなる。その結果、洗浄水としてリム部120に供給される水の量は少量となる。
なお、以下の説明において「タンク20に貯留されている水の水位」又は「タンク20内の水位」等というときには、小タンク260の外部における水位を示すものとする。すなわち、隔壁240によって二つに分けられた空間のうち、吸引口321が配置されている方の空間に貯留されている水の水位を示すものとする。小タンク260に貯留されている水の水位については、以下の説明では考慮しない。
続いて、リム部120へ洗浄水として供給される水の流量(吐水部133、135に供給される水の流量といってもよい)について、図6を参照しながら説明する。図6は、水洗大便器装置FTの、洗浄時における動作の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、水洗大便器装置FTの使用者によって操作レバー236が操作されると(ステップS01)、ノズル310から水が噴射され、既に説明したようにジェットポンプ作用によってリム部120に水が供給される(ステップS02)。
ノズル310からの水の噴射が開始されてから、タンク20内の水位が低下して、噴射された水の進行方向が進行方向切替手段350により切り替えられるときの位置(このときの水位を、以下では「第一水位」とも称する)となるまでの期間においては、サイホン効果によって大流量の水がリム部120に供給される(ステップS03)。
タンク内の水位が第一水位まで低下すると、継続して噴射されているノズル310からの水により、タンク20内への貯水が行われる(ステップS04)。タンク20内の水位が上昇して、満水位となると、ノズル310からの水の噴射が停止され、タンク20内への水の貯水が停止される(ステップS05、S06)。
なお、ボウル部110の洗浄が行われた後において、封水WTを形成するための水(リフィル水)をジェットポンプユニット300からリム部120に追加供給する構成としてもよい。このようなリフィル水の供給は、タンク20内への水の貯水が停止した時点(ステップS05の直後)のタイミングにおいて、開始することが望ましい。
図7は、第一実施形態のタンク給水時における、タンク20の水位が止水位404の時のタンク20内の様子を模式的に示す図である。図7に示すように、進行方向切替手段350の遮蔽部352は、ノズル310の噴射口311を覆う位置にあり、ノズル310から噴射されたジェット水は、スロート管320の内部ではなく外部に向かう。なお、図7に示す例では、タンク20内の水位と止水位404とが同じ位置にある例を示す。また、オーバーフロー管250の開口は、止水位404よりも上方にある。通常、タンク給水時には、タンク20内の水位が止水位404になると、上述したように、フロート238によりパイロット弁234が閉じられ、ノズル310から噴射されるジェット水が止まる。
図8は、第一実施形態のタンク給水時における、タンク20の水位が止水位404を超えた時のタンク20内の様子を模式的に示す図である。図8に示すように、タンク20内の水位400が止水位404を超えて、さらに、オーバーフロー管250の開口を超えると、オーバーフロー管250の開口からタンク20内の水が流入する。止水位404を超えたときに、大便器本体10に排出される水をオーバーフロー水と称す。
図8に示すように、止水位404を超えたタンク内の水は、オーバーフロー管250の開口から流入し、導水路130を通ってボウル部110に排出されるので、タンク20内の水位の上昇を防ぎ、漏水を防ぐことができる。
図9は、第一実施形態における、便器給水時の動作が開始されてからの時間経過に伴うタンク20内の水位の変化を示すグラフである。まず、水洗大便器装置FTの使用者によって手動レバー236が操作されると、ノズル310からジェット水が噴射され、上述したようにジェットポンプ作用によって大便器本体10に水が供給される。このように大便器本体10に水を供給する便器給水時においては、図9に示すように、タンク20内の水位400が時間の経過とともに、止水位(満水位)404から第一水位402まで例えば直線的に低下し続ける。
次に、上述したようにノズル310から継続して噴射されるジェット水の進行方向がスロート管320の外部へと切り替わり、タンク20内への水の供給(給水)が行われる。このようにタンク20内に水を供給するタンク給水時においては、図9に示すように、タンク20内の水位400が時間の経過とともに、第一水位402から止水位404まで例えば直線的に上昇し続ける。そして、通常の場合、タンク20内の水位400が止水位404に達すると、ノズル310からのジェット水の噴射が停止され、タンク20内への水の供給が停止される。
このようなタンク給水時において、進行方向切替手段350は、タンク20内の水位400が止水位404となるまではジェット水がスロート管320の外部へ向かうよう構成される。よって、タンク給水時に、ジェット水の一部がスロート管320内に供給される場合に比べて、ジェット水のほぼ全てをタンク20内へ供給する方が、タンク20内へ水を供給する供給時間t1(図9参照)を短くでき、連続洗浄性を向上させることができる。
なお、ジェット水の噴射が停止されると、大便器本体10に水が排出されない限り、タンク20内の水位400は時間が経過しても、正常時であれば止水位404のまま変化しない。しかしながら、図9では以下の異常時を想定しているため、正常時の変化しない水位は記載していない。
ここで、異常時とは、ノズル310のジェット水を止水する止水機構(例えばフロート238、パイロット弁234及び主弁233の少なくとも1つ)が故障して、タンク20内の水位400が止水位404を超えてもジェット水が噴射され続ける状態を言う。
この異常時において、仮にスロート管320の吸引口321が完全に遮蔽されていると、ジェット水をスロート管320から導水路130へ排出することができない。この結果、図9の点線(400A)で示すようにタンク20内の水位400が上昇し続けて溢れ水位408に達し、タンク20内の水がタンク20外に溢れ出てしまう。
そこで、第一実施形態における水洗大便器装FTでは、スロート管320にオーバーフロー管250を接続し、止水位404よりも上方にオーバーフロー管250の開口を設けることにより、例えば図9に示すオーバーフロー水位406(X点)において、オーバーフロー管250からタンク内の水を流入させることができ、タンク内の水位の上昇を抑制することができる。
図9に示す例では、X点において、タンク内の水位の上昇の傾きが小さくなるが、この例に限られず、タンク内の水位がオーバーフロー水位406より上昇しないようにしたりしてもよい。また、図9に示す例では、タンク内の水位が溢れ水位まで上昇しないようにするため、後述するように、スロート管320からもオーバーフロー水を、導水路130を通じてボウル部110に排出するようにしてもよい。
以上、第一実施形態における水洗大便器装置FTによれば、連続洗浄性を向上させるとともに、止水機構の故障時などに、タンク20内の水がタンク20外に溢れ出ることを防止することができる。
具体的には、第一実施形態における水洗大便器装置FTは、タンク貯水時に、ジェット水の進行方向をスロート管320の外部に切り替えることでタンク内に水を貯水させることにより、ジェット水のほぼ全てをタンク貯水に用いることができ、タンク貯水時にジェット水の一部を大便器本体10に排出するよりも、タンク貯水時間を短縮することができる。
また、オーバーフロー管250の開口が、ジェット水を止めるための基準となるタンク20内の止水位置よりも上方に設けることにより、ジェット水を止める止水機構が故障し、タンク20内の水位が止水位置を越えて異常水位となった場合でも、オーバーフロー管250からタンク20内の水を大便器本体10に排出することができ、タンク20内の水が上昇し続けることによる漏水を防ぐことができる。
一方、タンク20を小型化し、タンク20の高さが低くなる場合では、タンク20内の水頭圧が低くなり、タンク20内から排出される水量が小さくなる。また、連続洗浄性をさらに向上させるため、ジェット水の水量を増加させた場合、タンク20内の水位の上昇が早くなり、タンク20内の水がタンク20外に漏水する恐れがある。これに対し、オーバーフロー管250を設けることにより、ジェット水の水量を増加させ、タンク20内の水頭圧が低い状態であっても、タンク20内の水をオーバーフロー管250により適切に大便器本体に排出することができるため、タンク20内の水位の上昇を抑え、漏水を防ぐことができる。
また、スロート管320にオーバーフロー管250を設けることにより、オーバーフロー時に備え、タンク20内にオーバーフロー専用の孔を別途設ける必要がない。これにより、ジェットポンプ式の大便器装置において、オーバーフロー専用の孔を有するジェットポンプ式の専用タンクを製造する必要がなく、コストを抑えることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る水洗大便器装置について説明する。第二実施形態に係る水洗大便器装置は、進行方向切替手段と、スロート管の吸引口との位置関係などが第一実施形態と異なる。その他の第二実施形態に係る水洗大便器装置の構成については、第一実施形態と同様である。
図10は、第二実施形態のタンク給水時における、タンク20の水位が止水位404を超えた時のタンク20内の様子を模式的に示す図である。図10に示すように、第二実施形態では、進行方向切替手段350Aは、タンク貯水時に、スロート管320Aの吸引口321に、タンク20内の水を流入するタンク水流入空間を設けるように配置される。
このタンク水流入空間が設けられることにより、タンク貯水時にオーバーフローした場合、オーバーフロー管320Aから流入したオーバーフロー水を大便器本体10に排出するのに加えて、タンク水流入空間からスロート管320A内に流入したオーバーフロー水を大便器本体10に排出することができる。よって、オーバーフロー時に、オーバーフロー水をより多く大便器本体10に排出することができるため、漏水することをより確実に防止することができる。
図11は、第二実施形態における、便器給水時の動作が開始されてからの時間経過に伴うタンク20内の水位の変化を示すグラフである。図11に示すオーバーフロー水位406となるX点までは、図9に示す水位の変化と同様である。
図11に示すX点において、オーバーフロー管250から流入した水が、導水路130を通ってボウル部110に排出される。次に、図11に示すY点において、上述したタンク水流入空間から流入した水が、スロート管320A内部及び導水路130を通ってボウル部110に排出される。
ここで、異常時に、スロート管320A及びオーバーフロー管250からタンク20内の水を大便器本体10に排出しても、タンク20内の水が上昇する場合がある。この場合に備えて、スロート管320Aは、例えば図11に示すZ点において、サイホン現象が発生するような構成を有することで、タンク20内の水を大幅に減少させてもよい。
図12は、サイホン現象によりタンク20内の水が大量に大便器本体10に排出されることを説明するための図である。図12に示すように、スロート管320Aは、タンク貯水時に、タンク20内の水が止水位404を超えて異常水位(例えば図11に示すZ点の水位)となると、サイホン現象が発生するような形状に構成される。
図12では、スロート管320A内で、サイホン現象が発生し、タンク20内の水位400が減少している状態を示す。異常水位となっている時に、サイホン現象を発生させることで、タンク20内の水位を第一水位402まで減少させることが可能になる。
ここで、仮に、止水機構が故障した場合にサイホンを発生させずにタンク20内の水位400を低下させようとすると、スロート管320A及び/又はオーバーフロー管250の内部から排出する水量を多くする必要があり、水量を多くするためにはスロート管320A及び/又はオーバーフロー管250の径を大きくしなければならない。しかし、スロート管320Aの径を大きくすると便器給水時にスロート管320Aを通過する水の流速が低下し、ジェットポンプ性能が低下することになる。
一方、第二実施形態によれば、止水位404を超えるとサイホン現象が発生するため、スロート管320A及び/又はオーバーフロー管250の径を大きくすることなく、図12に示すように、オーバーフロー水の流量を増加させることができる。この結果、タンク20内の水位400をより確実に減少させることができ、タンク20内の水位400が上昇し続けて、漏水することがない。
以上、第二実施形態によれば、タンク貯水時に止水機構が故障した場合であっても、タンク20内の水がスロート管320A内に流入するようにタンク水流入空間をスロート管320Aの吸引口321に設けることにより、オーバーフロー管250だけでなくスロート管320Aからもタンク20内の水を排出することができる。これにより、オーバーフロー管250からタンク20内の水を排出することに加え、スロート管320Aからもタンク20内の水を排出することができ、タンク20内の水位が上昇し続けて、タンク20外に水が溢れることを防止することができる。さらに、スロート管320Aからもタンク20内の水を排出するようにすることで、オーバーフロー管250の径を小さくすることができ、タンクを小型化することができる。
また、第二実施形態において、異常水位になるとサイホン現象が発生するようなスロート管320Aの形状に構成することにより、オーバーフロー時にサイホン現象によってタンク20内の水をスロート管320A内に吸い込み、スロート管320Aから導水路130を通ってボウル部110に排出するタンク20からの流量を増加させることができる。よって、タンク20内の水位を減少させることができ、タンク20内の水位が上昇し続けて漏水することをより確実に防止することができる。
さらに、サイホン現象を発生させることで、上述のとおり、オーバーフロー時に大便器本体10に排出される水量を増加することができるため、オーバーフロー管250やスロート管320Aの径を大きくして大便器本体10に排出される水量を多くする必要がない。よって、オーバーフロー管250の径及びスロート管320Aの径をさらに小さくすることができ、タンク20のさらなる小型化を図ることができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係る水洗大便器装置について説明する。第三実施形態に係る水洗大便器装置は、オーバーフロー管とスロート管との接続位置が第一実施形態と異なる。その他の第三実施形態に係る水洗大便器装置の構成については、第一実施形態と同様である。
図13は、第三実施形態における、スロート管320B内の負圧部及び正圧部の位置、オーバーフロー管250Aの接続位置を説明するための図である。図13に示す例では、スロート管320Bの内部に、ジェット水の進行方向がスロート管320Bの内部に向かう便器給水時に、ジェット水の通過に伴い負圧となる負圧部500及び正圧となる正圧部502が形成される。
ここで、図13に示すように、スロート管320Bの内部のうち、ジェット水の進行方向がスロート管320Bの内部に向かう便器給水時に、ジェット水がタンク20内の水を引き込んで直進する直管部分と、ジェット水等が直進から曲がる際の内側部分とが、負圧が生じている部分(負圧部)500となる。また、スロート管320Bの内部のうち、負圧部500以外の部分が正圧部502となる。このように、第三実施形態において、例えば図13に示すように、スロート管320Bは、負圧部500と正圧部502とが形成されるように構成されている。また、図13において、オーバーフロー管250Aは、正圧部502に接続される。
ここで、便器給水時には、スロート管320Bの中を流速の速いジェット水が通過するため、スロート管320B内で負圧が発生する。スロート管320B内に発生している負圧の部分500に、仮にオーバーフロー管250Aを接続すると、オーバーフロー管250Aの開口付近にある空気が、負圧によりスロート管320B内に吸い込まれてしまう。便器給水時に、このスロート管320B内に吸い込まれた空気は、ジェット水とともに大便器本体10に供給されることになるが、スロート管320Bに吸い込まれた空気の分だけ、大便器本体10に供給される水量が減ってしまい、ジェットポンプ性能が低下してしまう。
そこで、第三実施形態の水洗大便器装置によれば、便器給水時において、スロート管320B内に負圧の部分500だけでなく正圧の部分(正圧部)502が発生するようにスロート管320Bが構成される。また、オーバーフロー管250Aは、この正圧の部分502に接続される。第三実施形態のこのような構成により、便器給水時において、オーバーフロー管250Aから空気が吸い込まれることを防ぎ、ジェットポンプ性能を低下させることを防止することができる。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態に係る水洗大便器装置について説明する。第四実施形態に係る水洗大便器装置は、オーバーフロー管とスロート管との接続箇所に、流入防止弁を設けることが第一実施形態と異なる。その他の第四実施形態に係る水洗大便器装置の構成については、第一実施形態と同様である。
図14は、第四実施形態における流入防止弁の一例を示す図である。図14に示す流入防止弁252は、ジェット水の進行方向がスロート管320Cの内部に向かう便器給水時に、スロート管320Cの内部の水がオーバーフロー管250Bへの流入を防止するための弁である。図14に示すように、流入防止弁252は、スロート管320Cと、オーバーフロー管250Bとの接続箇所に設けられる。流入防止弁252は、スロート管320Cからオーバーフロー管250Bへ水を流入させることはできないが、オーバーフロー管250Bからスロート管320Cへ水を流入させることができる機能を有する。
このように、第四実施形態では、便器給水時において、オーバーフロー管250Bにスロート管320Cの水が流入しないよう流入防止弁252を設けることにより、大便器本体10に供給される水がオーバーフロー管250Bに流入することがなく、大便器本体10に供給される水量が減少しない。よって、便器給水時にスロート管320Cから導水管130を通ってボウル部110に供給される水の瞬間流量を低下させることがないので、ジェットポンプ性能を低下させることがない。
仮に、止水位置よりも上方に設けられているオーバーフロー管250Bの開口から水が溢れだすと、この開口はタンク20内の水面から距離が離れているため、この開口から溢れた水がタンク20内の水面に着水することで水面が乱れてしまう。タンク20内の水位の変動に応じてジェット水の進行方向が切り替えられる場合は、この水面の乱れにより、進行方向切替手段350の切替が安定しなくなり、誤切替が生じてしまう可能性がある。
そこで、第四実施形態における水洗大便器装置によれば、便器給水時において、オーバーフロー管250Bにスロート管320Cの水が流入しないよう流入防止弁252を設けることにより、オーバーフロー管250Bの開口から水が溢れて水面を乱すことがないので、水位に連動してジェット水の進行方向を切り替える進行方向切替手段350の誤切替を防止することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10:大便器本体
101:上面
110:ボウル部
120:リム部
130:導水路
131:入口
132:第一導水路
133:吐水部
134:第二導水路
135:吐水部
140:排水トラップ管路
141:上昇流路
142:下降流路
20:タンク
201:上蓋
210:第一タンク部
211:底壁
212:開口
213:前側壁面
214:左側壁面
220:第二タンク部
221:底壁
231:給水管
232:定流量弁
233:主弁
234:パイロット弁
235:バキュームブレーカー
236:操作レバー
237:伝達機構
238:フロート
239:接続管
240:隔壁
241:開閉窓
250:オーバーフロー管
260:小タンク
300:ジェットポンプユニット
310:ノズル
311:噴射口
320:スロート管
321:吸引口
322:上昇部
323:屈曲部
324:下降部
350:進行方向切替手段
351:フロート
352:遮蔽部
FT:水洗大便器装置
SW:排水管
WT:封水

Claims (1)

  1. 洗浄水によって汚物を排水管に排出する水洗大便器装置であって、
    汚物を受け止めるボウル部と、洗浄水として供給される水を前記ボウル部に導くための導水路と、を有する大便器本体と、
    前記導水路に供給される水を内部に貯留するタンクと、
    前記タンクの内部において少なくとも一部が水没した状態で配置されたジェットポンプユニットと、を備え、
    前記ジェットポンプユニットは、
    一端側に吸引口が形成された管であって、前記吸引口から内部に流入した水が前記導水路に供給されるように配置されたスロート管と、
    前記吸引口から前記スロート管の内部に向けてジェット水を噴射することにより、ジェットポンプ作用を誘発させるノズルと、
    前記タンク内の水位が所定の水位を超えると前記所定の水位よりも上方の前記タンク内の水を流入させる開口が設けられ、この開口から流入した前記タンク内の水を前記導水路へ流出させるオーバーフロー管と、
    前記ジェットポンプ作用によって前記スロート管から前記導水路に水が供給されるときに前記開口から前記タンク内へ流出した水によって前記タンク内の水面が波立つことを抑制する波立抑制手段と、を有することを特徴とする水洗大便器装置。
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