JP6210384B2 - トマト栽培用自動調光制御方法およびその装置 - Google Patents

トマト栽培用自動調光制御方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、主としてトマト栽培において太陽光を自動的に調節する制御方法およびその装置に関するものである。
近年の温暖化は、野菜や果物の生育に様々な影響を及ぼしている。例えば、年間を通して強日射時期や高温時期のトマトは、これまで以上の高温や強日射によって着果不良や障害果が多発し、品質および収穫量が低下している。
こうした問題に関しての技術が開示されており、例えば、特許文献1には、降雨量により園芸ハウスの天窓を開閉制御したり、植物への養液供給を制御をしたり、園芸ハウスの室内温度と日射量を測定しその測定結果により遮光資材の開閉を制御したりする技術が開示されている。そして、遮光資材の開閉動作に関しては、数回の遮光資材の開閉動作に基づいて遮光資材用駆動モーターの数種のオン・オフデューティグラフを作成し、作成された駆動モーターの起動から停止までのパターンにより遮光資材の開閉を行う技術が開示されている。
また、非特許文献1には、高温期のトマト栽培を園芸ハウス内で実施する場合において、30分間の積算日射量に基づき遮光資材の自動開閉を制御する技術が記載されている。
特開平3−94619号公報
「高温期のトマト低段密植栽培における積算日射量を指標とした遮光方法」福岡県農業総合試験場研究報告30(2011)
しかし、特許文献1に記載の技術は、温度や日射量がいくらのときに遮光資材を開閉するかという記載がなく、農業従事者の判断で開閉するため、日差しの強い夏場にはトマトのような果実を栽培している温室では、例えば放射状裂果等の品質不良の発生や収量の低下という問題があった。
また、特許文献1の技術は、ハウス環境制御装置が複雑で高価になるため普及が進まないという問題があった。
非特許文献1に記載の技術は、30分間の積算日射量を計測して、その後の30分間の遮光状態を決定する技術であるため、この30分の間に光強度の高い強日射状態と光強度の弱い弱日射状態とが頻繁に交互に生じており、強日射状態になったときに遮光資材は無遮光状態が継続したり、弱日射状態になったときに遮光資材は遮光状態の状態が継続したりするという問題があった。このため、トマトは、強日射状態では必要以上の蒸散を強いられ、弱日射状態では光合成が不足するという問題もあった。図8に示すように強日射で無遮光の場合にはトマトは光合成効率が1時間後には著しく低下することが示されている。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、構成が簡易で、製造コストが廉価であり、夏秋トマトのように強日射・高温期に栽培する植物が常に適切な蒸散と光合成を行える環境を与えることのできるトマト栽培用自動調光制御方法およびその装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載のトマト栽培用自動調光制御方法は、温室栽培のトマトに照射される太陽光の光強度を調整するトマト栽培用自動調光制御方法であって、光強度が100から1200μmol・m −2 ・s −1 に変化したとき又は1200から100μmol・m −2 ・s −1 に変化したときに光合成速度及び気孔コンダクタンスの値が光強度の変化により変動してから安定状態になるまでの時間のうち長い方の時間を光強度検知周期として、トマトの生育にとって果実の肥大及び収量増に有効とされる光合成速度及び蒸散速度の範囲に設定された光強度の下限値を下限閾値として、及び上限値を上限閾値として記憶させ、前記光強度検知周期ごとに測定された光強度が、前記上限閾値以上のときにトマトに対して太陽光を遮光するように遮光手段15を制御し、前記下限閾値以下のときにトマトに対して太陽光が照射されるように遮光手段15を制御し、前記上限閾値未満と前記下限閾値超の光強度のときは不感帯として前記遮光手段15の状態をそのまま
維持させるように制御することを特徴とする。
請求項2に記載のトマト栽培用自動調光制御装置1は、温室栽培のトマトに照射される太陽光の光強度を調整するトマト栽培用自動調光制御装置1であって、前記光強度を測定する光強度検知手段3と、前記太陽光を遮光する遮光手段15と、前記光強度検知手段3からの光強度に基づいて前記遮光手段15の作動を制御する制御手段4と、を備え、前記制御手段4が、光強度が100から1200μmol・m −2 ・s −1 に変化したとき又は1200から100μmol・m −2 ・s −1 に変化したときに光合成速度及び気孔コンダクタンスの値が光強度の変化により変動してから安定状態になるまでの時間のうち長い方の時間を光強度検知周期として前記光強度検知手段3に前記光強度検知周期ごとに測定指示を出し、トマトの生育にとって果実の肥大及び収量増に有効とされる光合成速度及び蒸散速度の範囲に設定された光強度の下限値を下限閾値とし、上限値を上限閾値として、前記光強度検知手段3により測定された光強度が、前記上限閾値以上に達
したときに駆動手段5により遮光資材2を展開させてトマトに照射する太陽光を遮光状態にし、前記下限閾値以下に達したときに駆動手段5により遮光資材2を縮小させてトマトに太陽光が照射する無遮光状態にし、前記上限閾値未満と前記下限閾値超のときは不感帯として前記遮光手段の状態をそのまま維持させることを特徴とする。
請求項1及び請求項2に記載の発明は、光強度検知手段3による光強度の測定周期を、光強度が変化したときに光合成速度や気孔コンダクタンスの値が光強度の変化により変動してから安定状態になる時間としたので、光強度の測定周期としては最も短時間の周期となることから、遮光資材2の開閉タイミングを、強日射状態になると時間的遅延がほとんどなく遮光資材2を遮光状態にでき、弱日射状態になると時間的遅延がほとんどなく遮光資材2を無遮光状態にすることが実現できる。これによって、トマトは、必要以上の蒸散を避けることができ、光合成が最大限に実施されるという効果を奏する。
トマトの光合成速度及び蒸散速度が許容される範囲で最も強い光強度を上限閾値とし、前記上限閾値以上を光強度検知手段3が測定したときに遮光資材2を遮光状態にし、光合成速度が許容される範囲で最も弱い光強度を下限閾値とすることによって、太陽の位置や雲の位置によってトマトに照射する太陽光に光強度が頻繁に変化するときであっても、トマトにとって光合成速度を低下させず、かつ蒸散速度を早めないという光強度の状態を継続して実現させることができる。
また、光強度に遮光資材2を遮光状態にする上限閾値未満と、遮光資材2を無遮光状態にする下限閾値超の光強度を測定したときには、その両閾値間を不感帯として設定することにより、太陽の位置や雲の位置が瞬間的に頻繁に変わっても遮光資材2を作動させないようにすることよって、トマト栽培用自動調光制御装置のトラブルを避けることにより長寿命化ができる。
またトマト栽培用自動調光制御装置1は、遮光資材2と駆動手段4からなる遮光手段15と、光強度検知手段3と、制御手段4を設けて構成しているので、当該構成が簡易であり、製造コストを廉価に抑えることができる。
温室に遮光資材を遮光状態にしたときの概念斜視図である。 温室に遮光資材を無遮光状態にしたときの概念斜視図である。 本発明のトマト栽培用自動調光制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の遮光資材の開閉させる駆動手段の一例を説明する説明図である。 本発明のトマト栽培用自動調光制御方法を示すフローチャートである。 光強度の上限値と下限値を説明する説明図である。 遮光手段の制御方法を説明する説明図である。 トマトへの強日射時における光合成に及ぼす影響を示した図である。 PPFD(光合成有効光量子束密度photosynthetic photon fluxdensity)による変化を示す図で、(a)が光合成速度と光強度の関係を示す図であり、(b)が蒸散速度と光強度の関係を示す図である。 光強度が増加した後の変化を示す図で、(a)が光合成速度と光強度変化後の経過時間との関係を示す図であり、(b)が気孔コンダクタンスと光強度変化後の経過時間との関係を示す図である。 光強度が減少した後の変化を示す図で、(a)が光合成速度と光強度変化後の経過時間との関係を示す図であり、(b)が気孔コンダクタンスと光強度変化後の経過時間との関係を示す図である。 遮光状況と収量との関係を示す説明図である。 品種別の遮光状況と裂果率との関係を示す説明図である。
本発明に係るトマト栽培用自動調光制御装置1は、図1又は図2に示すようにトマトなどの植物を温室栽培する温室20内への太陽光の照射による光強度を調整する装置である。トマト栽培用自動調光制御装置1によって遮光資材2を遮光状態にした状態を図1に示し、トマト栽培用自動調光制御装置1によって遮光資材2を無遮光状態にした状態を図2に示す。
トマト栽培用自動調光制御装置1は、図3に示す要素を備える構成からなり、その構成要素である遮光手段15は図4に示すような構造を有し、光強度を測定する光強度検知手段3、遮光資材2を開閉作動させる駆動手段5、光強度検知手段3へ測定周期の指示をし、光強度検知手段3が測定した光強度が、あらかじめ記憶させた光強度と駆動手段5への指示内容に当てはめて、該当する内容によって駆動手段5を制御する制御手段4と、駆動手段5の作動に従って開閉動作をする遮光資材2とを備える。
そして、前記光強度検知手段3による光強度の測定周期を、光強度が変化したときに光合成速度や気孔コンダクタンスの値が光強度の変化により変動してから安定状態になる時間とし、光合成速度及び蒸散速度が許容される範囲で最も強い光強度を上限閾値とし、前記上限閾値以上を光強度検知手段3が測定したときに遮光資材2を遮光状態にし、トマトの果実肥大に有効とされる肥大果房直下3葉までの光合成を十分とするのに必要な光合成速度の範囲に設定された光強度を光強度の下限閾値とし前記下限閾値以下を光強度検知手段3が測定したときに遮光資材2を無遮光状態にし、前記上限閾値未満と下限閾値超の間の光強度を光強度検知手段3が測定したときには遮光資材2の状態をそのまま維持させる。
遮光資材2は、温室20内に設けられてトマトを太陽光から遮蔽する働きを担うものであり、その具体的な構造は限定されるものではないが、温室20内の上部で拡がったり縮んだりする構造を備える。当該遮光資材2は、柔軟性および耐熱性に優れた材料で構成する。なお、拡がったり縮んだりする構造の他に、巻き取ったり拡げたりする構成や、縮むことなく単に横方向に移動する構成とすることもできる。
光強度検知手段3は、太陽光の光強度を測定する。光強度検知手段3としては、例えばフォトダイオードで構成した光強度検知手段等がある。他にCDSセル、照度センサー又はフォトトランジスター等の日射量を測定可能な器具であればいずれでもよい。
駆動手段5は、制御手段4からの遮光指示信号によって遮光資材2を拡げ、無遮光指示信号によって遮光資材2を縮める。当該駆動手段5の構成は遮光資材2を開閉作動できる構成であればよく、例えば、図4に示すように、モーター5a、スライドレール5b、スライダー5cおよびカーテンレール5dで構成することができる。この場合、モーター5aは遮光指示信号あるいは無遮光指示信号によって駆動し、スライド機構(図示せず)によって、スライダー5cをスライドレール5bに沿って水平方向に移動させる。スライダー5cには遮光資材2が取付けられ、当該遮光資材2はカーテンレール5dに懸吊部材5eによって吊着されている。従って、遮光資材2はスライダー5cの移動と共に移動して拡がり(遮光状態)、あるいは縮む(無遮光状態)。
制御手段4には、例えばコントローラーであり、トマトの生育に対応して、あらかじめ設定した測定周期、上限閾値及び下限閾値を記憶させている。そして、測定周期の信号を発して光強度検知手段3に測定させ、光強度検知手段3で測定した光強度が上限閾値以上の高い場合には遮光資材2を拡げる信号(遮光指示信号)を発する。また、光強度が下限閾値以下の低い場合には遮光資材2を縮める信号(無遮光指示信号)を発する。さらに、光強度が上限閾値未満と下限閾値超との間部分である部分を不感帯域とし、遮光指示信号および無遮光指示信号のいずれも発しないようにする。
まず、光強度検知手段3への測定周期の設定について、図10及び図11により説明する。図10は、光強度を100μmol・m−2・s−1から1200μmol・m−2・s−1に光強度が増加変更した場合における光合成速度の変化又は気孔コンダクタンスの変化を、光強度変化後の経過時間で表したものである。図10(a)の光合成速度の変化及び図10(b)の気孔コンダクタンスの変化も、光強度(PPFD光合成有効光量子束密度)増加後120秒で定常状態に到達することが示されている。
図11は、光強度を1200μmol・m−2・s−1から100μmol・m−2・s−1に光強度が減少変更した場合における光合成速度の変化又は気孔コンダクタンスの変化を、光強度変化後の経過時間で表したものである。図11(a)の光合成速度の変化及び図11(b)の気孔コンダクタンスの変化も、光強度(PPFD)減少後120秒で定常状態に到達することが示されている。
図10及び図11から、光合成速度の変化及び気孔コンダクタンスの変化は、光強度が変化した後120秒で定常状態に到達することが示された。これにより、光強度検知手段3の測定周期を120秒周期と設定することが、光合成等に配慮した最短時間の周期となる。測定周期をこの最短時間の周期に設定することにより、トマト栽培用自動調光制御装置1はトマトの光合成に適する最短時間の周期で測定していることになり、常時光強度の変化を捉えてその変化に迅速に対応して遮光資材2の開閉を実施することが示された。
次に、図9(a)は光強度と光合成速度の関係を調査した図である。これから、光強度が弱くなればなるほど光合成速度が遅くなり、光強度が強くなればなるほど光合成速度が速くなることが示されている。一方、図9(b)は光強度と蒸散速度との関係を調査した図である。これから、光強度が強くなればなるほど蒸散速度が速くなることが示されている。
図9(a)から、光強度は600μmol・m−2・s−1より弱くなると光合成速度低下傾向が高まり、400μmol・m−2・s−1未満になると光合成速度は著しく低下する。この400〜600μmol・m−2・s−1の範囲が図6における果実の肥大に有効とされる範囲の下限である肥大果房直下3葉まで満たされるには、植物(トマト)より高い位置に設置した光強度検知手段3での光強度は換算して667〜1000μmol・m−2・s−1になる。
次に、図9(a)から光合成速度は光強度が強くなればなるほど速くなるが、800μmol・m−2・s−1以上では光合成速度の増加は緩慢となり,これを超えると蒸散速度が著しく増加する。肥大果房直下3葉の位置が800μmol・m−2・s−1となるときの光強度検知手段3での光強度は1350μmol・m−2・s−1になる。また、図9(b)から蒸散速度は1200μmol・m−2・s−1超になると、品種りんか409はあまり変化が見られないが、品種桃太郎サニーは急激に速くなっている。したがって、植物の太陽光に近い部分である上端における蒸散が過度にならない範囲でかつ植物の下方における光合成速度が低下しないように十分な太陽光の照射が得られる範囲の光強度は光強度検知手段3において1200〜1350μmol・m−2・s−1になる。
次に、光強度の上限の閾値以上の光強度を検知すると遮光資材2を遮光状態にすべく展開させ、光強度の下限の閾値以下の光強度を検知すると遮光資材2を無遮光状態にすべく縮小させることは、トマトの光合成速度と蒸散速度のバランスからみて設定したが、この光強度の上限値未満と下限値超を検知した場合は、不感帯として設定し、遮光資材2を作動させないようにする。
光強度と遮光資材2との関係をより詳しく説明すると、光強度の1つの値で遮光資材2の開閉を実施するのでなく、例えば明け方から昼に向けて太陽が高くなるときや曇りがかかった状態から雲がかからない状態に変わるときのように、弱い光強度から強い光強度に推移するときは光強度の上限閾値以上で遮光資材2が閉じて日射を遮るようにし、昼から夕方に向けて太陽が沈むときや晴天から曇天に変化するときのように、強い光強度から弱い光強度に推移するときは光強度の下限閾値以下で遮光資材2が開いて日射が植物に当たるようにし、光強度の上限閾値未満と下限閾値超との間のときは不感帯と設定し遮光資材2を作動させないようにする。光強度は時々刻々に強くなったり弱くなったり変化するので、光強度の変化が安定したタイミングで遮光資材2を展開又は縮小するようにし、遮光手段15の故障を起こりにくくする。
前記不感帯は図6に示すように設定する。まず光強度検知手段3による光強度の測定値について説明する。図6において、光強度を測定する光強度検知手段3の位置は植物(トマト)の高さより高い位置(図6では180cmの表示の高さ)に設置する。光強度検知手段3は屋内でも屋外でもよく、光強度検知手段3への日射の射しこみを葉や建物などが遮らない場所であればよい。また、トマトの果実肥大には生長点から果実肥大期の果房直下3葉までの光合成が有効である。これら範囲の下限である果実肥大期の果房直下3葉の位置(ここでは高さ70cm)には光強度検知手段3を設置していない。したがって、図6において、高さ180cmでの光強度検知手段3の光強度の測定値を制御手段4が制御する。これにより、肥大果房直下3葉の位置として表示した70cmの高さの光強度の値は、前記測定値に0.6を乗じた値である。この0.6を乗じた値が、図9に示すように光合成速度を大きく低下させない光強度を満足させるようにし、この0.6を乗じた光強度の値を高さ180cmに設置した光強度検知手段3が測定する光強度の値に換算して求まる。例えば、図9(a)において光強度の低下が許容できる下限が400μmol・m−2・s−1とすると、図6に示すように光強度検知手段3が測定する光強度の下限閾値は667μmol・m−2・s−1となる。
したがって、図6において、トマトの果実肥大には生長点から果実肥大期の果房直下3葉までの光合成が有効である。これら範囲の下限である果実肥大期の果房直下3葉を高さ70cmとした場合の光強度を400μmol・m−2・s−1に設定する場合は、光強度検知手段3を取り付けた高さの光強度は667μmol・m−2・s−1となり、この光強度がトマトの先端の光合成速度及び蒸散速度にも適するならば光強度検知手段3の下限閾値は667μmol・m−2・s−1となる。一方、果実肥大期の果房直下3葉を高さ70cmとした場合の光強度を、トマトの光合成を維持し過度の蒸散を避ける800μmol・m−2・s−1に設定する場合は、光強度検知手段3を取り付けた高さの光強度は1350μmol・m−2・s−1となる。この光強度がトマトの先端の光合成速度及び蒸散速度にも適するならば光強度検知手段3の上限閾値は1350μmol・m−2・s−1となる。
したがって、光強度検知手段3の測定値の上限閾値は1350〜1200μmol・m−2・s−1が好ましく、さらに好ましくは1200μmol・m−2・s−1であり、下限閾値は667〜1000μmol・m−2・s−1が好ましく、さらに好ましくは1000μmol・m−2・s−1である。
そして、前記上限閾値未満と下限閾値超との間の光強度の範囲を不感帯とする。
本発明のトマト栽培用自動調光制御方法を説明する。まず、図7について説明する。図7は横軸に朝からの時間軸をとり、縦軸は光強度を示している。そして、光強度検知間隔ごとに光強度を測定する。その測定した光強度をプロットしている。図7において、光強度検知時点aのときに光強度が上限閾値に達したことを示し、光強度検知時点bのときに光強度が下限閾値に達したことを示し、光強度検知時点cのときの光強度が上限閾値未満と下限閾値超の間であることを示している。
したがって、図7に示すような光強度が変化していったときの遮光資材2に対する制御は、光強度検知手段3で測定した光強度が上限閾値未満の時間帯である光強度検知時点aまでは無遮光状態で、上限閾値以上の光強度を測定した光強度検知時点aのときに遮光資材2を作動させて遮光状態にし、その後光強度が低下してきて光強度の上限閾値未満と下限閾値超と間で光強度が測定されているときはたとえ光強度が上下動しても不感帯として処理され遮光資材2を作動させることはせず遮光状態が継続され、その後、光強度検知時点bのときに光強度の下限閾値を測定したので遮光資材2を作動させて縮小させ無遮光状態にするという制御をする。
次に、トマト栽培用自動調光制御方法を図5のフローチャートに基づいて説明する。本発明のトマト栽培用自動調光制御は自動制御又は手動制御も可能である。
まず、トマト栽培用自動調光制御装置1の電源を入れる(ステップS1)。自動制御の場合を説明する。次に、光強度の上限閾値と下限閾値を制御手段4に入力する(ステップS2)。例えば、図7で示すように上限閾値として1200、下限閾値として1000を入力する。このとき、上限閾値及び下限閾値の他に、上限閾値及び、上限閾値と下限閾値との幅を入力してもよい。
次に、光強度検知手段3による光強度の測定間隔を入力する(ステップS3)。例えば、制御手段4に、図10又は図11に示すように光強度が変化したときに光合成速度が安定するまでの時間が最短時間である120秒を入力する。この記憶状態を保持する(ステップS4)。光強度検知手段3により光強度を120秒ごとの周期で測定し、その測定値が上限閾値以上か、下限閾値以下か、又は、下限閾値超から上限閾値未満かを監視する(ステップS5)。
光強度が、例えば図7における光強度検知時点aまでのように、下限閾値以下の場合(ステップS61)には、制御手段4から無遮光状態信号が駆動手段5に送られ、遮光資材2を縮小する。これにより、トマトの光合成が十分に促進されるように太陽光が照射される(ステップS71)。
次に、図7における光強度検知時点a以降のように、光強度が上限閾値以上になったとき(ステップS63)は、制御手段4から遮光状態指示信号が駆動手段5に送られ、遮光資材2を展開する。これにより、太陽光が遮断される(ステップS73)。
次に、図7における光強度検知時点cに示すように、測定された光強度が上限閾値未満から下限閾値超までの間の場合(ステップS62)には、不感帯域として、制御手段4からの駆動手段5に対する作動指示信号は送られず、よって駆動手段5および遮光資材2は作動しない(ステップS72)。
その後においても、天候が変わりやすいので光強度検知手段3により光強度の測定や判定を継続する(ステップS8)。
ステップS61〜S73のステップを繰り返す(ステップS91、S92、S93、S101、S102、S103)。
以上で、トマト栽培用自動調光制御装置の制御が自動である場合を説明した。次に、手動の場合について説明する。
手動で遮光資材2を縮小する場合は、手動スイッチを操作する(ステップST12)。これにより、遮光資材2が縮小されて遮光状態となる(ステップST22)。次に、手動で遮光資材2を展開する場合は、手動スイッチを操作して(ステップST11)。これにより遮光資材2が展開されて無遮光状態となる(ステップST21)。
本発明のトマト栽培用自動調光制御方法又はその装置を使用することにより、図12に示すように、トマトの収量を増加させることができる。図12において、トマトの品種に限らず、収量は、低い順から、無遮光のままで制御させた場合、遮光を継続させた状態で生育させた場合となり、本発明のトマト栽培用自動調光制御方法による生育が裂果も防げ、最も収量が多いことが示されている。
また、図13に示すように、トマトに裂果の発生を著しく低下させることができる。図13において、無遮光区は無遮光のままで制御させた場合で、遮光区は遮光を継続させた場合で、調光区が本発明のトマト栽培用自動調光制御方法又はその装置を使用した場合である。無遮光状態に比較してトマトの裂果の発生を顕著に防止できていることが示されている。
本発明に係る方法および装置1はトマトの栽培に限定されるものではなく、その他の野菜や果物の栽培にも使用することができる。
1 自動調光制御装置
2 遮光資材
3 光強度検知手段
4 制御手段
5 駆動手段
5a モーター
5b レール
5c スライダー
15 遮光手段
20 温室

Claims (2)

  1. 温室栽培のトマトに照射される太陽光の光強度を調整するトマト栽培用自動調光制御方法であって、光強度が100から1200μmol・m −2 ・s −1 に変化したとき又は1200から100μmol・m −2 ・s −1 に変化したときに光合成速度及び気孔コンダクタンスの値が光強度の変化により変動してから安定状態になるまでの時間のうち長い方の時間を光強度検知周期として、トマトの生育にとって果実の肥大及び収量増に有効とされる光合成速度及び蒸散速度の範囲に設定された光強度の下限値を下限閾値として、及び上限値を上限閾値として記憶させ、前記光強度検知周期ごとに測定された光強度が、前記上限閾値以上のときにトマトに対して太陽光を遮光するように遮光手段を制御し、前記下限閾値以下のときにトマトに対して太陽光が照射されるように遮光手段を制御し、前記上限閾値未満と前記下限閾値超の光強度のときは不感帯として前記遮光手段の状態をそのまま維持させるように制御することを特徴とするトマト栽培用自動調光制御方法。
  2. 温室栽培のトマトに照射される太陽光の光強度を調整するトマト栽培用自動調光制御装置であって、前記光強度を測定する光強度検知手段と、
    前記太陽光を遮光する遮光手段と、
    前記光強度検知手段からの光強度に基づいて前記遮光手段の作動を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段が、
    光強度が100から1200μmol・m −2 ・s −1 に変化したとき又は1200から100μmol・m −2 ・s −1 に変化したときに光合成速度及び気孔コンダクタンスの値が光強度の変化により変動してから安定状態になるまでの時間のうち長い方の時間を光強度検知周期として前記光強度検知手段に前記光強度検知周期ごとに測定指示を出し、トマトの生育にとって果実の肥大及び収量増に有効とされる光合成速度及び蒸散速度の範囲に設定された光強度の下限値を下限閾値とし、上限値を上限閾値として、前記光強度検知手段により測定された光強度が、前記上限閾値以上に達したときに駆動手段により遮光資材を展開させてトマトに照射する太陽光を遮光状態にし、前記下限閾値以下に達したときに駆動手段により遮光資材を縮小させてトマトに太陽光が照射する無遮光状態にし、前記上限閾値未満と前記下限閾値超のときは不感帯として前記遮光手段の状態をそのまま維持させることを特徴とするトマト栽培用自動調光制御装置。
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