JP6209115B2 - 溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車、建材、家電などの分野において使用される溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法に関する。
鋼板は、高強度且つ安価であるため、各種用途で広く利用されている。その中でも冷延鋼板は、加工性、寸法精度、表面の美麗さなどの特性に優れているため、自動車、建材、家電などの分野において一般に用いられている。
他方、冷延鋼板は、耐食性が低い(例えば、錆が生じ易い)ため、耐食性の付与を目的として、冷延鋼板の表面にめっきが施されている。例えば、耐食性に優れるめっきが施された冷延鋼板として、溶融Zn−Al−Mg系めっきが施された冷延鋼板(以下、「溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板」という。)が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板は、一般に、熱延鋼板を冷間圧延して得られた冷延鋼板を焼鈍した後、溶融Zn−Al−Mg系めっきを施すことによって製造される。
冷間圧延では、熱延鋼板と圧延ロールとの間の摩擦を低減するために、冷間圧延油が一般に使用されるところ、溶融Zn−Al−Mg系めっきを施す際に冷間圧延油が十分に除去されていない場合、めっき不良が生じてしまう。
そこで、従来、冷間圧延油を除去する方法として、脱脂設備を導入し、めっきを施す前に冷間圧延油を除去する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、直火加熱方式の焼鈍装置を用いて焼鈍温度を高め、冷間圧延油をバーンアウトさせて除去する方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、上記の方法で冷間圧延油を除去する場合、設備の導入や、焼鈍温度の上昇による熱エネルギーの消費により、製造コストが上昇するという問題がある。
他方、自動車、建材、家電などの分野において、軽量化及び強度向上などの観点から高張力の冷延鋼板の使用が増加している。高張力の冷延鋼板は、冷延鋼板を比較的低温で焼鈍させることによって製造される場合もあり(例えば、特許文献5参照)、この場合、焼鈍時に冷間圧延油を除去することは、より一層難しくなる。
特開2001−107212号公報 特開2001−295015号公報 特開平5−320849号公報 特開平4−99822号公報 特開2007−15000号公報
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、めっき不良の少ない溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板を安価に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、冷間圧延油に含有される硫化エステルが、焼鈍時に冷間圧延油が残存する原因となるという知見に基づき、硫化エステルを含有しない冷間圧延油を用いて冷間圧延を行なうことにより、特殊な設備などを用いなくても、焼鈍時に冷間圧延油を容易に除去することができ、めっき不良の少ない溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板を安価に製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、熱延鋼板を冷間圧延して得られた冷延鋼板を焼鈍した後、溶融Zn−Al−Mg系めっきを施す溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法であって、前記冷間圧延が、硫化エステルを含有しない冷間圧延油を用いて行われることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法である。
本発明によれば、めっき不良の少ない溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板を安価に製造する方法を提供することができる。
実施例1及び比較例1で使用した冷間圧延油の加熱温度と残渣との関係を示すグラフである。
本発明の溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法は、熱延鋼板を冷間圧延して得られた冷延鋼板を焼鈍した後、溶融Zn−Al−Mg系めっきを施すことによって行われる。この製造方法において、硫化エステルを含有しない冷間圧延油を用いて冷間圧延を行うことにより、焼鈍時に冷間圧延油を容易に除去することができ、めっき不良を抑制することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる熱延鋼板は、鋼スラブを熱間圧延することによって得られる。鋼スラブの組成としては、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、高張力の冷延鋼板を被めっき材とする場合、高張力の冷延鋼板を与える組成を有する鋼スラブを選択すればよい。具体的には、低炭素アルミキルド鋼、極低炭素鋼などの組成を有する鋼スラブを用いることができる。
熱間圧延の条件としては、特に限定されず、使用する鋼スラブの種類に応じて適宜設定すればよい。
熱間圧延後、黒皮スケールを除去する観点から、熱延鋼板を酸洗処理することが好ましい。酸洗に用いる薬剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。酸洗に用いる薬剤の例としては、塩酸、硫酸などが挙げられる。
酸洗の条件は、特に限定されず、熱延鋼板及び酸洗に用いる薬剤の種類に応じて適宜設定すればよい。
酸洗後、熱延鋼板を冷間圧延する。
冷間圧延の際、熱延鋼板と圧延ロールとの間の摩擦を低減するために、冷間圧延油を使用する。
冷間圧延油としては、硫化エステルを含有しないものであれば特に限定されない。冷間圧延油が硫化エステルを含有する場合、焼鈍時に熱間圧延油を十分に除去することができず、めっき不良が生じてしまう。
硫化エステルは、冷間圧延油に含有される基油として一般に用いられているが、分子内に含まれる硫黄が鋼板表面に化学吸着して潤滑膜を形成するため、鋼板表面との結合力が強い。特に、硫化エステルは、高温状態になるほど鋼板との結合力が増加する。そのため、硫化エステルを基油として含有する冷間圧延油を用いると、焼鈍時に冷間圧延油が除去され難くなる傾向がある。
したがって、冷間圧延油に用いられる基油としては、動植物油脂、鉱油、及び硫化エステル以外の合成エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。これらの成分は、鋼板表面にファンデルワールス吸着して潤滑膜を形成することができる。ファンデルワールス吸着は、化学吸着に比べて鋼板との結合力が弱いため、焼鈍時に冷間圧延油が除去され易くなる。
動植物油脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。動植物油脂の例としては、牛脂、豚油、鯨油、魚油、ナタネ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、パームオレイン、綿実油などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
鉱油としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。鉱油の例としては、ニュートラル油、スピンドル油、マシン油、タービン油などのパラフィン系鉱物油が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
合成エステルとしては、硫酸エステル以外であれば特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。合成エステルの例としては、脂肪酸と1価又は多価アルコールとの反応によって得られるエステル化合物、脂肪族アルコールと1価又は多塩基酸との反応によって得られるエステル化合物が挙げられる。
脂肪酸としては、特に限定されないが、炭素数10〜22の脂肪酸などを用いることができる。1価アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数1〜22の脂肪族1価アルコールなどを用いることができる。多価アルコールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどを用いることができる。脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数10〜22の脂肪族アルコールなどを用いることができる。多塩基酸としては、特に限定されないが、フタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸などを用いることができる。
合成エステルの具体例としては、カプリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ラウレート、エルカ酸2−エチルヘキシル、ペンタエリスリトールモノオレート、グリセリンモノオレート、フタル酸ジラウレート、トリメリット酸トリ2エチルヘキシル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジオレイルなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
冷間圧延油における基油の含有量は、特に限定されないが、一般に60〜99質量%、好ましくは65〜97質量%、より好ましくは70〜93質量%である。
冷間圧延油は、硫化エステル以外の基油の他に、界面活性剤及び各種添加剤を一般に含有する。
その中でも本発明に用いられる冷間圧延油は、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を含有することが好ましい。カチオン性界面活性剤は、親水基がプラスに帯電するため、冷間圧延時にプラスに帯電し易い鋼板との親和性が低くなる。その結果、界面活性剤としてカチオン性界面活性剤を用いた場合、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を用いた場合に比べて焼鈍時に冷間圧延油が除去され易くなる傾向がある。
カチオン性界面活性剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。カチオン性界面活性剤の例としては、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、N,N,ジメチルエチルアミノポリビニルアルコール共重合体などの高分子分散剤(特公平6−57832に記載のもの)などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
冷間圧延油におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、一般に0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
本発明に用いられる冷間圧延油は、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤を更に含有することができる。ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。ノニオン性界面活性剤の例としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
冷間圧延油におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、一般に3質量%以下、好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%である。
本発明に用いられる冷間圧延油は、各種特性を付与する観点から、極圧添加剤、油性向上剤、酸化防止剤、油焼け防止剤、防錆添加剤などの各種添加剤を含有することができる。これらの成分は、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。また、冷間圧延油におけるこれらの成分の含有量は、特に限定されないが、一般に20質量%以下、好ましくは0.1〜18質量%、より好ましくは0.5〜15質量%である。
極圧添加剤の例としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などのチオリン酸塩が挙げられる。
油性向上剤の例としては、炭素数が10〜22の脂肪族又は脂環族カルボン酸などの脂肪酸が挙げられる。具体的には、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、又はオレイン酸などの二量体又は三量体などの飽和、不飽和モノ若しくはジカルボン酸などを用いることができる。
酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)などのフェノール系化合物、フェニル−α−ナフチルアミンなどの芳香族アミンが挙げられる。
防錆添加剤の例としては、オレイン酸などの脂肪酸の塩、ジノニルナフタレンスルホネートなどのスルホン酸塩、アミン及びその誘導体などが挙げられる。
上記の成分を含有する冷間圧延油を用いて冷間圧延を行なう際の条件としては、特に限定されず、熱延鋼板の種類などに応じて適宜設定すればよい。一般的には、冷間圧延のトータル圧下率を20〜90%、好ましくは30〜85%、より好ましくは40〜80%として冷間圧延を行なえばよい。
冷間圧延によって得られた冷延鋼板は、焼鈍処理を行った後、溶融Zn−Al−Mg系めっき処理が施される。焼鈍処理及びめっき処理は、個別に行ってもよいが、ライン内に焼鈍炉を有する連続式溶融めっきラインを用いて連続的に処理を行う方が製造コストの観点から好ましい。
焼鈍処理の条件は、特に限定されず、鋼種を考慮しつつ、所望の特性が得られるように適宜設定すればよい。ただし、その中でも本発明は、冷延鋼板を比較的低温で焼鈍させる場合に特に有効である。例えば、高張力の冷延鋼板は、冷延鋼板を比較的低温(具体的には、冷延鋼板の再結晶温度未満)で焼鈍させることによって製造される場合があるが、硫化エステルを含有しない冷間圧延油を用いることにより、焼鈍時に冷間圧延油がバーンアウトして除去され易くなる。このような効果を得ることができる焼鈍温度は、一般に350〜700℃、好ましくは370〜600℃、より好ましくは450〜550℃である。
なお、連続式溶融めっきラインを用いる場合、ライン内の焼鈍炉の焼鈍温度を上記の温度に設定すればよい。
溶融Zn−Al−Mg系めっき処理は、焼鈍された冷延鋼板を溶融Zn−Al−Mg系めっき浴に浸漬することによって行われる。この処理によって形成される溶融Zn−Al−Mg系めっきの組成は、溶融Zn−Al−Mg系めっき浴の組成をほぼそのまま反映したものとなるため、溶融Zn−Al−Mg系めっき浴の組成は、目標とする溶融Zn−Al−Mg系めっきの組成と同じにすればよい。
溶融Zn−Al−Mg系めっき浴の組成は、特に限定されないが、一般的にAl、Mg、Zn及び不可避的不純物を含む。また、必要に応じてTi及びSiなどの元素が配合されていてもよい。具体的には、溶融Zn−Al−Mg系めっき浴は、4.0〜22.0質量%、好ましくは3.0〜15.0質量%のAl、1.0〜5.0質量%、好ましくは2.0〜4.0質量%のMg、0.1質量%以下、好ましくは0.002〜0.08質量%のTi、0.5質量%以下、好ましくは0.005〜0.1質量%のSi、残部がZn及び不可避不純物からなる組成を有する。
溶融Zn−Al−Mg系めっき処理の条件は、特に限定されず、鋼種を考慮しつつ、形成する溶融Zn−Al−Mg系めっきの種類に応じて適宜設定すればよい。例えば、溶融Zn−Al−Mg系めっき浴の温度は、一般的に、溶融Zn−Al−Mg系めっき浴に含まれる元素の融点以上550℃以下に設定すればよい。
溶融Zn−Al−Mg系めっき処理の際、気体絞り装置(ガスワイピングノズル)によってめっき付着量を制御することが好ましい。めっき付着量は、耐食性の観点から、片面あたり20〜300g/mであることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
0.053質量%のC、0.01質量%のSi、0.24質量%のMn、0.014質量%のP、0.007質量%のS、0.01質量%のNi、0.03質量%のCr、0.01質量%のCu、0.043質量%のAl、0.046質量%のN、残部が鉄及び不可避的不純物からなる低炭素アルミキルド熱延鋼板(板厚3.2mm)を、塩酸を用いて酸洗した後、表1に示す組成の冷間圧延油を用いて冷間圧延して冷延鋼板(板厚1.13mm)を得た。冷間圧延は、スタンド数が4つのタンデム圧延機によって行い、トータル圧下率を64%とした。
次に、連続式溶融めっきラインにて冷延鋼板を110m/分の速度にて通板させながら焼鈍して溶融Zn−Al−Mg系めっきを施すことによって溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板を得た。焼鈍は、焼鈍温度を470℃とし、水素及び窒素からなる混合ガス雰囲気下で行った。溶融Zn−Al−Mg系めっきは、6.0質量%のAl、3.0質量%のMg、0.02質量%のSi、0.02質量%のTi、残部がZn及び不可避不純物からなる組成を有するめっき浴を用い、めっき浴の温度を400℃とした。また、めっき付着量は、ガスワイピングノズルを用いて190g/mに制御した。
(比較例1)
表1に示す組成の冷間圧延油を用いたこと以外は実施例1と同様にして溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板について、めっき不良の有無を目視によって評価した。この評価において、めっき不良がなかったものを○、めっき不良が発生したものを×として表す。この評価結果を表1に示す。
Figure 0006209115
表1に示されるように、硫化エステルを含有しない冷間圧延油を用いて製造された実施例1の溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板では、めっき不良がなかった。これに対して硫化エステルを含有する冷間圧延油を用いて製造された比較例1の溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板では、めっき不良が発生した。
また、上記の結果を考察するために、実施例1及び比較例1で使用した冷間圧延油の加熱温度と残渣との関係について調べた。残渣(%)は、熱重量測定(TG)を用い、加熱前の重量に対する加熱後の重量の変化の割合として求めた。なお、熱重量測定では、昇温速度を10℃/分、雰囲気をNガス(200mL/分)とした。その結果を図1に示す。
図1に示すように、実施例1で使用した冷間圧延油は、焼鈍温度の範囲において、比較例1で使用した冷間圧延油に比べて残渣が少なくなる傾向にあった。したがって、実施例1で使用した冷間圧延油は、焼鈍時に冷間圧延油の残存が少なくなったため、めっき不良を防止できたと考えられる。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、めっき不良の少ない溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板を安価に製造する方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 熱延鋼板を冷間圧延して得られた冷延鋼板を焼鈍した後、溶融Zn−Al−Mg系めっきを施す溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法であって、
    前記冷間圧延が、硫化エステルを含有しない冷間圧延油を用いて行われることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法。
  2. 前記冷間圧延油が、動植物油脂、鉱油、及び硫化エステル以外の合成エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の基油と、カチオン性界面活性剤とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法。
  3. 前記焼鈍は、前記冷延鋼板の再結晶温度未満の温度で行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融Zn−Al−Mg系めっき冷延鋼板の製造方法。
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