JP6208673B2 - 尋常性乾癬モデルマウス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、尋常性乾癬モデルマウス及びその製造方法等に関する。
尋常性乾癬は、典型的には、白色の鱗屑を伴う赤い発疹を特徴とする皮膚疾患である。尋常性乾癬は病理組織像として、1.厚い角質層(hyperkeratosis)、2.角質内への表皮細胞核の遺残(parakeratosis)、3.顆粒層の菲薄化または消失(thin/no granular cell layer)、4.角質直下のparakeratosis部分への好中球の集簇(neutrophils in parakeratotic scale)(モンローの微小膿瘍)、5.表皮突起の延長(downward elongation of rete ridges)を伴う表皮の肥厚(acanthosis)、6.表皮基底層および基底層上層の核分裂像の増加(Increased mitotic figures above basal layer)、7.表皮間へのリンパ球浸潤、及び8.真皮末梢血管の増殖、マクロファージ、リンパ球、好中球の集積、の特徴を有する。尋常性乾癬の病態の形成には、複数の炎症性サイトカインが寄与することが示唆されている。例えば、正常免疫系に加えて、皮膚のケラチンプロモーターでマウスIL-22あるいはIL-23を強制発現させたトランスジェニックマウスにおいて、尋常性乾癬の症状を呈することが報告されており(非特許文献1、2)、特に後者の報告においてIL-6シグナルが尋常性乾癬の病態と関連があることが、マウスを用いた解析から示唆されている。この研究においては、マウス実験モデルの観察から乾癬発症においてはIL-6/gp130/stat3シグナルが表皮細胞と血液細胞の両者で活性化することが重要であると考えられている。このうち、マウス表皮に対するマウスIL-6の直接作用として、stat3活性化による表皮細胞増殖亢進、および表皮細胞でのIL-22R発現増強などが想定されている。実際にIL-6欠損マウスでは表皮細胞がTh17の産生するIL-22に反応しないために乾癬様の変化が発生しないことから、IL-6が表皮に直接作用することが、これまでのマウス乾癬モデルにおいては決定的なプロセスであった(非特許文献2)。
一方、マウスIL-6遺伝子を皮膚特異的に発現したマウスでは表皮の角化亢進は認められるものの増殖には寄与しないという報告(非特許文献3)、ヒトIL-6をラット表皮に強制発現させた場合には表皮の増殖と表皮へのリンパ球浸潤を認めたとする報告(非特許文献4)がそれぞれあり、IL-6単独の乾癬発症との関連性は不明であった。非特許文献4には、ヒトIL-6をラット表皮に強制発現させた際に病理組織像の特徴のうち5.の一部である表皮の肥厚、特徴7.表皮間へのリンパ球浸潤、特徴8.真皮末梢血管の増殖、マクロファージ、リンパ球、好中球の集積という慢性化した皮膚炎一般に認められる所見のみが確認されている。さらに、最近の遺伝子欠損マウスを用いた解析からTNFが乾癬発症の責任因子として登録されIL-6の直接の関与は否定されており(非特許文献5)、尋常性乾癬病態形成におけるIL-6の役割は完全に明らかとなったわけではない。
NOD/SCID/gamma-c-null (NOG)マウスやNOD/SCID/IL2rgKO (NSG)マウスへ、ヒト造血幹細胞を移入した、第2世代免疫系ヒト化マウスがすでに開発されている(非特許文献6)。この第2世代免疫系ヒト化マウスの体内では、移植したヒト造血幹細胞が拒絶されるリスクがNOD/SCIDマウスなどこれまでの免疫不全マウスと比較して少なくなり、効率よく、免疫担当細胞へ分化し、ヒト免疫系が構築されるので、インビボでヒト免疫系を評価するモデルとして有用である。
J Mol Med, 2009 87(5):523-526. Wolk K et al. J Invest Dermatol, 2011 May;131(5):1110-1118. Lindroos J et al. Proc Natl Acad Sci U S A, 1992 Jun 1;89(11):5068-5072. Trksen K et al. J Immunol, 1998 Nov 15;161(10):5633-5639. Sawamura D et al. J Immunol, 2010 Aug 1;185(3):1887-1893. Nakajima et al. Blood, 2002 100(9):3175-3182. Ito et al.
本発明の目的は、インビボでヒト免疫系を評価するためのモデル動物、及び尋常性乾癬の病態の解析に有用なモデル動物を提供することである。
IL-6は、B細胞のプラズマ細胞への分化等の血球系細胞の分化に重要な役割を果たしているが、マウスIL-6は、ヒト細胞へ交差反応性を示さないため、通常のマウスを用いるのみでは、ヒト免疫系におけるIL-6の役割や、ヒトIL-6を標的とする医薬の効果をインビボレベルで十分に解析することは困難である。
そこで、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウス、特にそのIL-2rgの遺伝子全体を欠失したNOD/SCID/IL2rgKO (NSG)マウスへ、ヒトIL-6遺伝子を導入することによりhIL-6tg NSGマウスを作成し、ここへヒト造血幹細胞を移入することにより、hIL-6tg NSG免疫系ヒト化マウスを作成した。このマウスは初期の段階では、ヒトT細胞/B細胞が正常な分化を示す等、目的とするIL-6に関連する正常に近いヒト免疫系が構築された。しかしながら、意外にも、時間の経過とともに、皮膚の肥厚、浮腫など、尋常性乾癬の症状を示すようになった。マウスIL-6はヒトへ作用しないため、この病態はヒトIL-6を介したヒト造血細胞由来の何らかの作用を起因とする可能性が示唆された。以上の知見に基づき、更に検討を重ね、本発明が完成された。
即ち、本発明は以下に関する。
[1]染色体上にヒトIL-6遺伝子座を保有する、IL-2受容体ガンマ鎖の機能を欠損したNOD/SCIDマウス。
[2]IL-2受容体ガンマ鎖の機能を欠損したNOD/SCIDマウスが、NOD/SCID/IL-2rgKOマウスである、[1]記載のマウス。
[3][1]又は[2]記載のマウスへ、ヒト造血幹細胞を移入すること、及び該マウスを飼育することを含む、免疫系ヒト化マウスの製造方法。
[4]免疫系ヒト化マウスが少なくとも1つの尋常性乾癬の症状を有する、[3]記載の製造方法。
[5]免疫系ヒト化マウスが少なくとも6以上の尋常性乾癬の病理組織像の特徴を有する、[3]記載の製造方法。
[6][3]乃至[5]記載の製造方法により得られる、免疫系ヒト化マウス。
[7]以下の工程を含む、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物のスクリーニング方法:
(1)[6]記載の免疫系ヒト化マウスへ被検物質を投与すること、
(2)被検物質を投与したマウスにおける尋常性乾癬の症状を測定し、該症状を被検物質を投与していない対照マウスにおける尋常性乾癬の症状と比較する工程;及び
(3)上記(2)の比較結果に基づいて、尋常性乾癬の症状を抑制した被検物質を、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物として選択する工程。
本発明のマウスは、ヒトIL-6を継続的に発現する環境下でのヒト免疫系を再現したヒト免疫モデルマウスであると同時に、ヒト尋常性乾癬のモデルマウスとして、新規創薬の薬効評価等に有用である。
内在性マウスIL-6の発現とヒトIL-6の発現。 非レシピエントNSG, hIL-6 Tg NSG皮膚のHE染色。 hIL-6Tgヒト化マウスにおける皮膚病変。 hIL-6Tgヒト化マウスの顔面及び背の皮膚病変。 hIL-6Tgヒト化マウスの顔面の皮膚病変(組織病理学試験)。表皮細胞の破壊(核の濃縮:pyknosis)が認められる。 hIL-6Tgヒト化マウスの背の皮膚病変(組織病理学試験)。毛包内への細胞浸潤が認められる。 ヒトCD3+T細胞の毛包内への浸潤。 hIL-6Tgヒト化マウスの顔面の皮膚病変(組織病理学試験)。炎症細胞の浸潤及びケラチンパールが認められる。 hIL-6Tgヒト化マウスの背の皮膚病変(組織病理学試験)。炎症細胞の浸潤及び過角化が認められる。 皮膚病変の経時的な悪化。 ヒト造血幹細胞を移入された9ヶ月齢のLittermateにおける皮膚のHE染色。 ヒト造血幹細胞を移入された9ヶ月齢のhIL-6Tgヒト化マウスにおける皮膚のHE染色。 hIL-6Tgヒト化マウスの血清中ヒトサイトカインレベル(Bioplex assay)。 定量PCRによる、ヒトサイトカイン及びケモカインの検出。 フローサイトメトリーによる、骨髄及び脾臓でのヒト免疫細胞の生着の確認。 フローサイトメトリーによる、骨髄及び脾臓でのヒト免疫細胞の生着の確認。 全白血球に占めるヒトCD45+細胞の百分率。 全白血球に占めるヒトCD45+細胞の百分率(骨髄)。hIL-6Tg NSGレシピエントにおいて、ヒトT細胞の増殖/拡大が認められる。 全白血球に占めるヒトCD45+細胞の百分率(脾臓)。hIL-6Tg NSGレシピエントにおいて、ヒトT細胞の増殖/拡大が認められる。 hIL-6Tgヒト化マウスの骨髄及び脾臓におけるヒトT細胞の発生。 hIL-6Tgヒト化マウスの骨髄及び脾臓中のヒトhCD4+細胞のサイトカイン産生。 ヒトLin-CD34+CD38-細胞移植後の、血漿中IL-6濃度の経時変化を示す。 ヒトLin-CD34+CD38-細胞移植後の、血漿中IL-8、IL-9、IL-16、及びIL-18濃度の経時変化を示す。グラフ中、(1)〜(7)は、図22の(1)〜(7)に相当する。
1.トランスジェニックマウス
本発明は、染色体上にヒトIL-6遺伝子座を保有する、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウス(本発明のトランスジェニックマウス)を提供するものである。
IL-2rg遺伝子の機能の欠損とは、IL-2rg遺伝子が本来有する正常な機能が十分に発揮できない状態をいい、例えば、IL-2rg遺伝子が全く発現していない状態;IL-2rg遺伝子の一部を欠失することによりIL-2rg遺伝子が本来有する正常な機能が十分に発揮できない状態;IL-2rg遺伝子が本来有する正常な機能が発揮できない程度にその発現量が低下している状態;IL-2rg遺伝子産物の機能が完全に喪失した状態;またはIL-2rg遺伝子が本来有する正常な機能が発揮できない程度にIL-2rg遺伝子産物の機能が低下した状態が挙げられる。
本発明に用いられるIL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスは、好ましくは、NOD/SCIDマウスにIL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)遺伝子欠損の変異を導入することにより得られるマウスである。このようなマウスとしては、IL-2rgの遺伝子全体を欠失したNOD/SCID/IL2rgKO (NSG)マウス(IL-2rgの構造遺伝子の発現を完全に欠失している)(The Journal Of Immunology, 2005 174(10):6477-6489)やIL-2rgの遺伝子の一部を欠失したNOD/SCID/gamma-c-null (NOG)マウスが知られている(SH2ドメインを含むIL-2rgの細胞質内ドメインを欠失している)(Blood, 2002 100(9):3175-3182、Blood, 1996 87(3):956-967)。NOD/SCIDマウスは、NODマウスへSCIDマウスを戻し交配することにより得られるマウスである。NODマウスは、outbred(非近交系)のJcl-ICRマウスから純系化された、公知の糖尿病モデルマウスである。SCIDマウスは、重症複合免疫不全症を呈する公知の免疫不全マウスである。NODマウスへのSCIDマウスの戻し交配は、例えば、当業者に公知の手法、例えば、Cross Intercross法による戻し交配(Inbred Strains in Biomedical Research,M.F.W.Festing,1979,ISBN 0-333-23809-5,The Macmillan Press,London and Basingstoke)に従い実施することが出来る。具体的には、例えば、SCIDマウスとNODマウスとを交配し、そのF1マウス同士を更に交配して得たF2マウスの血清中の免疫グロブリン量を測定し、検出できないマウスを選別する。このマウスを再びNODマウスと交配する。この操作を9回以上繰り返し(Cross Intercross法)行うことによって得ることが出来る。
IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスのうち、NOD/SCID/IL2rgKOマウス(NSGマウス)の製造方法については、例えば、The Journal of Immunology, 2005 174(10):6477-6489に記載されている。当該文献においては、NOD/SCIDマウスに、NIHで開発されたIl2rg完全欠損変異のKOマウスをバッククロスしている。NOD/SCID/gamma-c-nullマウス(NOGマウス)の製造方法については、例えば特許第3753321号、Blood, 2002 100(9):3175-3182に開示されている。NSGマウスは、チャールス・リバー及びジャクソンラボラトリーから、NOGマウスは実験動物中央研究所及びTaconicから販売されている。
ヒトIL-6は公知のサイトカインでありそのアミノ酸配列及びcDNA配列も公知である。ヒトIL-6の代表的なcDNA配列が、アクセッション番号NM_000600(バージョンNM_000600.3、2012年9月15日更新)、代表的なアミノ酸配列がアクセッション番号NP_000591(バージョンNP_000591.1、2012年9月15日更新)として、それぞれNCBIが提供するGenBankに登録されている。
「ヒトIL-6遺伝子座」とは、ヒトゲノム上において、ヒトIL-6遺伝子をコードする領域を意味する。ヒトIL-6遺伝子座には、RNAポリメラーゼにより連続したポリRNA鎖(ヒトIL-6 mRNA)へ転写される領域、及びその転写調節領域が含まれる。ヒトIL-6遺伝子座の配列及び構造は詳細に解析されており、例えば、The EMBO Journal, vol. 6, no. 10, pp.2939-2945, 1987; The Journal of Immunology, vol. 141, no. 11, pp. 3875-3881, 1988等に記載されている。本発明に用いられるヒトIL-6遺伝子座は、NOD/SCID/IL-2rgKOマウスの染色体上に組み込まれたときに、ヒトIL-6を発現し得る限り、その範囲(始点及び終点)は特に限定されない。当業者であれば、上記文献の記載等を参考に、NOD/SCID/IL-2rgKOマウスの染色体上に組み込まれた場合に、ヒトIL-6を発現し得るように、適宜ヒトIL-6遺伝子座の範囲(始点及び終点)を選択することができる。生体内におけるヒトIL-6遺伝子の良好な発現及び発現したヒトIL-6 mRNAの安定性の観点から、本発明において用いられるヒトIL-6遺伝子座は、ヒトIL-6の最も5’側の転写開始部位の“A”を“+1”とした場合、少なくとも-557の塩基から、ヒトIL-6の3’非コード領域における最初のポリAシグナル(AATAAA)までの領域を少なくとも含むことが好ましい。好ましい態様において、ヒトIL-6遺伝子座として、GRCh37/hg19の7番染色体22724723-22964038の領域が用いられる。
本発明のトランスジェニックマウスは、ヒトIL-6遺伝子座を、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスの染色体上へ導入することにより製造することができる。例えば、ヒトIL-6遺伝子座を含むBAC、YAC、プラスミド等(好ましくは、BAC)のベクターを、C57BL/6マウスの受精卵へ導入し、この受精卵やES細胞から発生したヒトIL-6遺伝子座が生殖系列細胞を含むすべての細胞の染色体上に組み込まれた個体を選択する。それらの個体をIL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスへ交配させることにより、染色体上にヒトIL-6遺伝子座を保有する、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスを得ることができる。交配は、好ましくは8回以上行われる。ヒトIL-6遺伝子座を含むBACは、NCBI clone repository等から入手可能である。ヒトIL-6遺伝子座を含むBACの好ましい例として、NCBI clone repositoryから提供されるBACクローンCTD-2594N23を挙げることができる。該BACクローンはGRCh37/hg19の7番染色体22724723-22964038の領域を含む。製造されたマウスの生殖系列細胞において導入されたヒトIL-6遺伝子座が存在することは、作出されたマウスの子孫がその生殖系列細胞および体細胞の全てに導入されたヒトIL-6遺伝子座を有することを指標として確認することができる。個体の選択は、個体を構成する組織、例えば、血液組織、尾等の一部から調製した染色体DNA上に導入されたヒトIL-6遺伝子座が存在することをDNAレベルで確認することによって行われる。このようにして選択された個体は通常、相同染色体の片方に導入されたヒトIL-6遺伝子座を有するヘテロ接合体なので、ヘテロ接合体の個体同士を交配することにより、子孫の中から導入されたヒトIL-6遺伝子座を相同染色体の両方に持つホモ接合体マウスを取得することができる。このホモ接合体の雌雄のマウスを交配することにより、すべての子孫がヒトIL-6遺伝子座を安定に保持するホモ接合体となるので、容易に本発明のトランスジェニックマウスを繁殖継代することができる。
その他、例えば、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスの受精卵にマイクロインジェクション法等によりヒトIL-6遺伝子座を含むベクター(好ましくは、BAC)を導入した後、該受精卵を雌マウスに人工的に移植および着床させることによって、導入したヒトIL-6遺伝子座を染色体上に保有する、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスを得ることもできる。
また、IL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウス由来のES細胞にヒトIL-6遺伝子座を含むベクター(好ましくは、BAC)を導入後、薬剤耐性等を利用して、当該ベクターが導入されたES細胞を選択し、当該ES細胞を集合キメラ法または注入キメラ法を用いて、マウスの受精卵に取り込ませ、得られるキメラ胚を雌マウスに人工的に移植および着床させることによって、導入したヒトIL-6遺伝子座を染色体上に保有する細胞を部分的に有するキメラマウスが得られる。
ES細胞へのベクターの導入は、ヒトIL-6遺伝子座を含むベクターを公知の遺伝子導入の手法(例えば、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE-デキストラン法、ウイルスベクター法等)を用いてES細胞へ導入することにより達成され得る。該発現ベクターは、環状化状態、直線化状態いずれでも用いることができるが、ヒトIL-6遺伝子座を破壊しない形で直線化し導入することが好ましい。
更に、キメラマウスをIL-2rgの機能を欠損したNOD/SCIDマウス又は当該キメラマウス同士と交配し、次世代(F1)個体の中から導入されたヒトIL-6遺伝子座を保有する個体を選択することにより、導入したヒトIL-6遺伝子座を染色体上に保有するIL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウスが得られる。ヒトIL-6遺伝子座を染色体上に保有するマウスの選択は、上述と同様に、個体を構成する組織、例えば、血液組織、尾等の一部から調製した染色体DNA上に導入されたヒトIL-6遺伝子座が存在することをDNAレベルで確認することによって行われる。
本発明のトランスジェニックマウスは、染色体上に保有するヒトIL-6遺伝子座の作用により、生体内においてヒトIL-6を発現する。ヒトIL-6の発現の確認は、RT-PCRや抗ヒトIL-6特異的抗体を用いた免疫学的手法により実施することができる。本発明のトランスジェニックマウスにおけるヒトIL-6の発現は、導入したヒトIL-6遺伝子座内に含まれる転写調節領域によりコントロールされる。
本発明のトランスジェニックマウスは、ヒトIL-6遺伝子座以外に、染色体上に外来性の遺伝子を有していても良い。外来性遺伝子としては、マウスオルソログでは、ヒト遺伝子を補完することが困難な、ヒト免疫系に関与するヒト遺伝子が好ましい。このような遺伝子を導入することにより、免疫系ヒト化マウス(下に詳述)を構築した場合に、ヒト生体内により近いヒト免疫系を当該マウス内に再構築することができる。当該遺伝子としては、ヒトHLA、ヒトβ2ミクログロブリン等を挙げることができる。
本発明のトランスジェニックマウスは、下に詳述する本発明の免疫系ヒト化マウスの製造に有用である。
2.免疫系ヒト化マウス
本発明は、上記本発明のトランスジェニックマウスへ、ヒト造血幹細胞を移入すること、及び該マウスを飼育することを含む、免疫系ヒト化マウスの製造方法(本発明の製造方法)を提供するものである。
免疫系ヒト化マウスとは、移入したヒト造血幹細胞が生体内で分化、増殖することにより再構築されたヒト免疫系を有するマウスを意味する。
本発明の製造方法において使用する本発明のトランスジェニックマウスの齢は、ヒト免疫系を再構築し得る限り特に限定されないが、幼若であることが好ましい。本発明において、「幼若な」動物とは、胎児から新生児を経て生殖年令に達するまでを含み、好ましくは、胎児及び生後7日以内、より好ましくは生後2日以内の新生児である。幼若な本発明のトランスジェニックマウスをレシピエントとして用いると、個体の成長に伴って、移入したヒト造血幹細胞及びそれから分化したヒト免疫細胞が効率的に増殖するため、本発明では幼若な個体を用いることが好ましい。
移入の対象となる造血幹細胞は、例えば臍帯血、骨髄、末梢血、動員(G−CSF)末梢血、ES細胞由来中肺葉系細胞等の試料から得ることができるが、臍帯血が好ましい。臍帯血(CB)細胞は、臨床検体(例えば臨床検査等が済んで細胞数の問題や家族歴の問題から廃棄の対象となった検体)を日本赤十字センター臍帯血バンクから得ることが可能である。また、骨髄細胞は、骨髄バンクから得ることも、骨髄穿刺によって採取された細胞、又はそのうち廃棄の対象となる細胞から得ることもできる。末梢血は、一般的血液検査に使用するために採取した血液又はその廃棄対象血液を使用することができる。また、末梢血中の幹細胞集団をより効率良く取るには、G−CSFにより骨髄中の幹細胞を動員させたあとに採取することも可能である。
次に、単核細胞(MNCs)を密度勾配遠心等により上記試料から単離する。
本発明において移入に使用される細胞は、例えばCD34陽性(CD34)細胞である。CD34細胞は、例えば、試料を抗ヒトCD34抗体結合磁気ビーズとともにインキュベートし、当該磁気ビーズを結合した細胞を磁石で回収することにより得ることができる。
上記造血幹細胞源となる試料中には、造血幹細胞のほかに分化した免疫細胞(T細胞、B細胞、NK細胞、単球、顆粒球等)が含まれている。そこで、そのような分化した免疫細胞の系列マーカー(lineage marker)に対する特異的抗体を用いて、分化した免疫細胞を除去することが好ましい。T細胞の系列マーカーとしては、CD3、CD4、CD8等が挙げられるが、これらに限定されない。B細胞の系列マーカーとしては、CD19等が挙げられるが、これに限定されない。NK細胞の系列マーカーとしては、CD56、CD16等が挙げられるが、これらに限定されない。単球の系列マーカーとしては、CD14等が挙げられるが、これに限定されない。顆粒球の系列マーカーとしては、Gr−1等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、MNCsを磁気ビーズに結合したこれらの系列マーカーに対する特異的抗体のカクテルとともにインキュベートする。細胞を洗浄後、当該抗体を結合した細胞を磁石で除去することにより、系列マーカー陰性(Lin)の細胞を回収することができる。次に、回収した抗体を蛍光標識した抗CD34抗体で染色し、FACSによりCD34陽性細胞を単離することにより、LinCD34細胞を単離することができる。本発明において用いられるヒト造血幹細胞は、好ましくは、LinCD34CD38細胞である。
本発明において用いられる造血幹細胞の純度は、高ければ高いほど好ましい。特定のマーカーで特定される細胞集団(例えば、LinCD34CD38細胞)の純度として、通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
レシピエントとなる本発明のトランスジェニックマウスへ、所定の量に調製したヒト造血幹細胞を移入する。移入に先立ち、本発明のトランスジェニックマウスを予め放射線全身照射することにより、内在性のマウスリンパ球を除去してもよい。移入する細胞数は、通常1匹あたり少なくとも1×10個、好ましくは5×10個以上であり、上限は特に限定されるものではない。好ましい態様において、1×10個〜1×10個、より好ましくは、5×10個〜2×10の細胞を使用することができる。多数の細胞の移入により、より高率なヒト免疫細胞の分化が期待できる。
移入は、静脈経由が好ましいが、腹腔、心腔内、肝臓内移植であってもよい。静脈経由で移植する場合は、顔面静脈、尾静脈などから細胞を注入する。この場合、26〜30ゲージ(G)の注射針(例えば29G)を用いればよい。例えば、5×10〜2×10個のヒト臍帯血又は骨髄から単離されたLinCD34CD38細胞を静脈注射により、本発明のトランスジェニックマウスに移入する。
細胞の移植後、無菌管理を十分に行いながら飼育する。「無菌管理」とは、感染症などの病原微生物や抗原物質を含まないように管理することを意味し、いわゆるSPF(Specific pathogen free)レベルの無菌室での飼育、放射線照射した餌(又は低分子化した餌)を給餌すること、あるいは滅菌水を与えることをいう。ヒト造血幹細胞移入後、本発明のトランスジェニックマウスを、ヒト免疫系が再構築されるのに十分な時間(少なくとも2週間、好ましくは4週間以上、より好ましくは16週間以上)、上記無菌管理下で飼育することにより、移入したヒト造血幹細胞によりヒト免疫系が再構築され、免疫系ヒト化マウスを得ることができる。本発明においては、このようにして得られた免疫系ヒト化マウスをも提供される。
上記の通り得られた本発明のヒト化マウスの体内はドナー(ヒト)由来の免疫系が確立されており、ヒト免疫細胞などを回収することができる。本発明において、免疫細胞とは、免疫応答を成立させる細胞を意味し、具体的にはB細胞、T細胞、樹状細胞、NK細胞、NKT細胞などが含まれる。
レシピエントマウス中にヒト免疫細胞が存在することの確認は、レシピエント動物の末梢血、骨髄細胞、その他免疫組織を採取して、フローサイトメーターにより、細胞表面上のヒト抗原(例えばヒトCD45)の発現を当該抗原に特異的な抗体を用いて解析することにより、実施することができる。
本発明の免疫系ヒト化マウスから単離した白血球中に含まれるヒト免疫細胞の割合は、骨髄細胞については、通常10〜100%、好ましくは50〜100%であり、脾細胞については、通常40〜100%、好ましくは60〜100%であり、末梢血については、通常20〜100%、好ましくは60〜100%である。
本発明においては、染色体上にヒトIL-6遺伝子座を保有し、ヒトIL-6を発現するIL-2rg(IL-2受容体ガンマ鎖/コモンガンマ)の機能を欠損したNOD/SCIDマウス、好ましくはNOD/SCID/IL-2rgKOマウスをレシピエントとして用いている。マウスIL-6は、ヒト細胞へ交差反応性を示さないため、ヒトIL-6遺伝子を導入していないNOD/SCID/IL-2rgKOマウスをレシピエントとして用いた場合と比較して、IL-6に関連するヒト免疫系が正常により近い状態で再構築されることが期待できる。実際に、実施例に示す通り、本発明の免疫系ヒト化マウスにおいては、ヒトIL-6遺伝子を導入していないNOD/SCID/IL-2rg KOマウスをレシピエントとして用いた場合と比較して、骨髄及び脾臓における全白血球に占めるヒトT細胞の割合が高い。
その一方で、本発明の免疫系ヒト化マウスは、飼育時間の経過とともに、尋常性乾癬の症状を自然発症する。従って、一態様において、本発明の製造方法により得られる免疫系ヒト化マウスは、尋常性乾癬の少なくとも1つの症状を有する。尋常性乾癬の症状としては、皮膚の発赤、皮膚の肥厚、浮腫、不全角化(parakeratosis)、表皮細胞の破壊、核濃縮(pyknosis)、表皮又は毛包内への炎症性細胞(T細胞等)の浸潤、ケラチンパール形成、過角化等を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、本発明の製造方法により得られる免疫系ヒト化マウスは、尋常性乾癬の病理組織像の特徴である(1)厚い角質層(hyperkeratosis)、(2)角質内への表皮細胞核の遺残(parakeratosis)、(3)顆粒層の菲薄化または消失(thin/no granular cell layer)、(4)角質直下のparakeratosis部分への好中球の集簇(neutrophils in parakeratotic scale)(モンローの微小膿瘍)、(5)表皮突起の延長(downward elongation of rete ridges)を伴う表皮の肥厚(acanthosis)、(6)表皮基底層および基底層上層の核分裂像の増加(Increased mitotic figures above basal layer)、(7)表皮間へのリンパ球浸潤、真皮末梢血管の増殖、及び(8)マクロファージ、リンパ球、好中球の集積、の8つの特徴のうち、少なくとも6以上、より好ましくは7以上、さらに好ましくは全ての特徴を有する。本発明の免疫系ヒト化マウスが、尋常性乾癬の症状を発症するには、積極的な抗原感作は不要であり、当該症状を発症するまで無菌飼育を継続するのみで足る。通常、ヒト造血幹細胞の移入から約30〜35週後までには、尋常性乾癬の症状を発症する。一態様において、本発明のマウスであって、IL-6遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されたマウスにおいては、ヒト造血幹細胞の移入から約30〜35週後までには、尋常性乾癬の症状を発症する。また、本発明のマウスであってIL-6遺伝子がホモ型に遺伝子導入されたマウスにおいては、ヒト造血幹細胞の移入から約20〜35週後までには、尋常性乾癬の症状を発症する。ヒトIL-6遺伝子座を導入していないNOD/SCID/IL-2rg KOマウスへヒト造血幹細胞を移入した場合、及びヒトIL-6遺伝子座を導入したNOD/SCID/IL-2rg KOマウスへヒト造血幹細胞を移入しない場合には、いずれも尋常性乾癬の症状を発症しないことから、本発明の免疫系ヒト化マウスは、尋常性乾癬(特に、ヒトIL-6及びヒト免疫細胞が関与するヒト尋常性乾癬)のモデルマウスとして、尋常性乾癬の病態解析や、治療薬の薬効評価に有用である。
3.免疫系ヒト化マウスの用途
本発明の免疫系ヒト化マウスにおいてはドナーであるヒト由来の免疫系が確立されている。従って、ヒト免疫系のインビボモデルとして、極めて有用である。例えば、本発明の免疫系ヒト化マウスを特定の抗原で免疫することにより、当該抗原に対するヒトの免疫応答を惹起することができ、当該抗原に対するヒト抗体産生や当該抗原を認識するヒトT細胞を誘導することができる。
また、さまざまなペプチドや抗原などが、ヒト免疫系を有する本発明の免疫系ヒト化マウスの生体内でどの程度有効なワクチン効果を有するのか、あるいはヒト免疫系がペプチドや抗原を非自己として認識するか否かを容易に判定することができる。
従って、本発明は、被験物質を本発明の免疫系ヒト化マウス(幼若個体、生体、子孫、モデル動物を含む)に投与して、被験物質の有効性を評価することを特徴とする免疫関連医薬のスクリーニング方法を提供する。「免疫関連医薬」は例えば抗体医薬(特にヒト抗原を認識するもの)、ワクチン(ペプチドや樹状細胞など)が代表的なものであり、抗ウイルス薬や抗生剤などの感染症に対する薬剤も含む。さらに、サイトカイン療法を含む液性因子(特にヒトの液性因子)も広く含む。免疫関連医薬の投与量及び投与方法については、体表面積、体重及び性別を基準として設定することが可能であり、特に静脈内、骨髄内、腹腔、肝臓、皮下などが主たる投与経路である。免疫関連医薬の対象疾患は極めて広く、例えば、腫瘍性疾患、自己免疫疾患、ウイルス性疾患、真菌性疾患、神経性疾患、寄生性疾患、難病、バクテリア性疾患、ミコバクテリウム疾患、関節リウマチやSLEなどの膠原病、白血病やリンパ衆などの造血器悪性疾患、固形腫瘍、良性の造血器および固形腫瘍性疾患、花粉症、アレルギー、アトピー、エイズなどが挙げられる。
上述のように、本発明の免疫系ヒト化マウスは、飼育時間の経過とともに、尋常性乾癬の症状を自然発症するので、尋常性乾癬のモデルとしての使用を意図する場合以外は、尋常性乾癬の症状を発症する前の段階で、本発明の免疫系ヒト化マウスを用いるのが好ましい。上述のように、本発明のマウスであってIL-6遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されたマウスでは、通常、ヒト造血幹細胞の移入から約30〜35週後までには、尋常性乾癬の症状を発症するので、尋常性乾癬のモデルとしての使用を意図する場合以外は、ヒト造血幹細胞の移入から29週以内(好ましくは2〜29週後、より好ましくは4〜25週後、更に好ましくは16〜20週後)に、本発明の免疫系ヒト化マウスを用いるのが好ましい。一態様において、本発明のマウスであって、IL-6遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されたマウスは、通常、ヒト造血幹細胞の移入から約30〜35週後までには、尋常性乾癬の症状を発症するので、尋常性乾癬のモデルとしての使用を意図する場合以外は、ヒト造血幹細胞の移入から29週以内(好ましくは2〜29週後、より好ましくは4〜25週後、更に好ましくは16〜20週後)に、当該マウスを用いるのが好ましい。また、本発明のマウスであってIL-6遺伝子がホモ型に遺伝子導入されたマウスは、通常、ヒト造血幹細胞の移入から約20〜35週後までには、尋常性乾癬の症状を発症するので、尋常性乾癬のモデルとしての使用を意図する場合以外は、ヒト造血幹細胞の移入から19週以内(好ましくは2〜19週後、より好ましくは4〜18週後、更に好ましくは16〜18週後)に、当該マウスを用いるのが好ましい。IL-6遺伝子がホモ型に遺伝子導入された本発明のマウスにおいては、IL-6遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入された本発明のマウスと比較して、より早期に尋常性乾癬の症状を発症し、更に、当該症状の発症に先立って、血中の炎症性サイトカインレベルの上昇が認められるケースもあることから、尋常性乾癬のモデルとしての使用を意図しない場合は、本発明のマウスとして、IL-6遺伝子がヘテロ型に遺伝子導入されたマウスを使用することが好ましい。
また、発明の免疫系ヒト化マウスは、飼育時間の経過とともに、尋常性乾癬の症状を自然発症するので、本発明の免疫系ヒト化マウスを用いることにより、尋常性乾癬の治療薬の候補化合物をスクリーニングすることが出来る。従って、本発明は、以下の工程を含む、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物のスクリーニング方法を提供するものである:
(1)本発明の免疫系ヒト化マウスへ被検物質を投与すること、
(2)被検物質を投与したマウスにおける尋常性乾癬の症状を測定し、該症状を被検物質を投与していない対照マウスにおける尋常性乾癬の症状と比較する工程;及び
(3)上記(2)の比較結果に基づいて、尋常性乾癬の症状を抑制した被検物質を、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物として選択する工程。
スクリーニングに供される被検物質は、いかなる公知化合物及び新規化合物であってもよく、例えば、核酸、糖質、脂質、蛋白質、ペプチド、有機低分子化合物、コンビナトリアルケミストリー技術を用いて作製された化合物ライブラリー、固相合成やファージディスプレイ法により作製されたランダムペプチドライブラリー、あるいは微生物、動植物、海洋生物等由来の天然成分等が挙げられる。本発明の免疫系ヒト化マウスにおいては、ヒト免疫系がマウス内に再構築されているので、ヒト抗原を標的とする抗体、ヒト抗原を標的とするワクチン、ヒト遺伝子を標的とする核酸医薬(siRNA等)、ヒトタンパク質、ヒト遺伝子の発現ベクター等の尋常性乾癬への有効性を、インビボレベルで評価することができる。
上記方法の工程(1)では、被検物質が本発明の免疫系ヒト化マウスへ投与される。投与は、本発明の免疫系ヒト化マウスが尋常性乾癬の症状を発症する前であっても後であってもよい。尋常性乾癬の症状を発症する前に投与する場合、被検物質が尋常性乾癬を予防するか否かを評価することができる。尋常性乾癬の症状を発症した後に投与する場合、被検物質が尋常性乾癬を治療するか否かを評価することができる。
被検物質の投与量及び投与方法については、体表面積、体重及び性別を基準として設定することが可能であり、特に静脈内、骨髄内、腹腔、肝臓、皮下などが主たる投与経路である。
上記方法の工程(2)では、先ず、被検物質を投与したマウスにおける尋常性乾癬の症状が測定される。尋常性乾癬の症状としては、皮膚の発赤、皮膚の肥厚、浮腫、不全角化(parakeratosis)、表皮細胞の破壊、核濃縮(pyknosis)、表皮又は毛包内への炎症性細胞(T細胞等)の浸潤、ケラチンパール形成、過角化等を挙げることができるが、これらに限定されない。一態様において、尋常性乾癬の病理組織像の特徴である(1)厚い角質層(hyperkeratosis)、(2)角質内への表皮細胞核の遺残(parakeratosis)、(3)顆粒層の菲薄化または消失(thin/no granular cell layer)、(4)角質直下のparakeratosis部分への好中球の集簇(neutrophils in parakeratotic scale)(モンローの微小膿瘍)、(5)表皮突起の延長(downward elongation of rete ridges)を伴う表皮の肥厚(acanthosis)、(6)表皮基底層および基底層上層の核分裂像の増加(Increased mitotic figures above basal layer)、(7)表皮間へのリンパ球浸潤、真皮末梢血管の増殖、及び(8)マクロファージ、リンパ球、好中球の集積、の8つの特徴のうち、少なくとも6以上、より好ましくは7以上、さらに好ましくは全ての特徴を測定する。症状の測定は、対象とする症状の種類を考慮し、自体公知の方法により行われ得る。例えば、病理切片を顕微鏡観察し、病変の程度をスコア化する。
次いで、被検物質を投与したマウスにおける尋常性乾癬の症状が、被検物質を投与していない対照マウスにおける尋常性乾癬の症状と比較される。症状の比較は、好ましくは、有意差の有無に基づいて行なわれる。
上記方法の工程(3)では、尋常性乾癬の症状を抑制した被検物質が、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物として選択される。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
hIL-6TGをコードするヒトBACクローンDNA(BAC clone名, CTD-2594N23, NCBI clone repositoryより入手;GRCh37/hg19の7番染色体22724723-22964038の領域を含み、IL6遺伝子転写領域(RefSeq ID, NM_000600,7番染色体22766766-22771621)を完全にカバーする)を、C57BL/6マウスの受精卵へ導入し、この受精卵から発生したマウスから、ヒトIL-6遺伝子座が染色体上に組み込まれた個体を選択することにより、ヒトIL-6トランスジェニックマウスを樹立した。得られたヒトIL-6トランスジェニックマウスを、NOD/SCID/IL2rgKOマウスへ8回以上交配させることにより、NOD/SCID/IL2rgKO hIL-6トランスジェニックマウスを樹立した。得られたトランスジェニックマウスの各組織におけるヒトIL-6の発現については、qPCRによってRNAレベルでの同定を行った(図1)。RNAレベルの測定のために、それぞれのマウスにリポポリサッカライドを100μg投与し、6時間後に臓器を採材した。採材後、RNAからcDNAを常法により調製し、TaqMan法によりヒトIL-6 mRNA量の定量解析を行った(アプライドバイオシステムズ、ライフテクノロジーズ社)。その結果、リポポリサッカライド処理後のマウス内在性IL-6と同等のレベルのhIL-6 mRNA量の発現が確認できた。同時に、ドナー細胞として、ヒト造血幹細胞が濃縮されたLin-CD34+CD38- 細胞を臍帯血からソーティングによって純化した。ヒトLin-CD34+CD38-細胞を5000-20000個、新生仔NOD/SCID/IL2rgKO hIL-6TGマウスに経静脈的に移植した。新生仔レシピエントマウスが成熟する過程において、フローサイトメトリーによって、CD3、CD19、及びCD33に対するモノクローナル抗体を用いて、マウス骨髄・脾臓において、ヒトT細胞、B細胞、ミエロイド系細胞等が分化していることを確認した(図15〜21)。6ヶ月以上の長期の観察において、HE staining に示されているとおり、皮膚の発赤、硬化を認めた(図3〜9、12)。これらの皮膚病変は、経時的に増悪を認めた(図10)。この病変の病理組織を解析すると、好中球の遺残物、不全角化(parakeratosis)など、乾癬(特に尋常性乾癬)に特徴的病変とヒトT細胞の浸潤を認めた(図6、7、8、9)。このマウスの血清中でのヒト炎症性サイトカインをヒトサイトカインマルチプレックスキット(バイオラッド社、Bio-Plex Pro ヒトサイトカイン27-Plex and 21-Plexアッセイキット)を用いてにて測定したところ、各種ヒト炎症性サイトカインの上昇を認めた(図13)。図13において、サンプル1、2、3は、それぞれhIL-6 TGマウス、非遺伝子導入ヒト化マウス1、2を示している。更に、hIL-6 TGマウスへの皮膚炎発症時の各種臓器におけるヒトサイトカイン、ケモカイン遺伝子のmRNA量の変化を定量PCR法(TaqMan法、アプライドバイオサイエンス、ライフテクノロジーズ社)で計測した。384-Well Micro Fluidic Cards(アプライドバイオシステムズ、ライフテクノロジーズ社)を用いて、TaqMan法により96種類のヒト遺伝子発現量を調べた。測定したヒト遺伝子名とそれぞれに用いたTaqManプローブのリストを表1に示す。図14は、非遺伝子導入ヒト化マウス(対照群)に対するIL6トランスジェニックヒト化マウスの皮膚炎発症時の遺伝子発現変化をノーマライズされた検出限界サイクル数の変化(-ΔΔCt値)としてヒートマップにより示したものである(7臓器:GS、顎下腺;Brain、脳;Liver、肝臓;Skin(back)、皮膚(背中);Lung、肺;Spleen、脾臓;AXLN、 腋窩リンパ節)。ほとんどの臓器でヒト炎症性サイトカイン・ケモカインmRNA量の顕著な増加が見られた。
[実施例2]
実施例1と同様に、NOD/SCID/IL2rgKO hIL-6トランスジェニックマウスへ、臍帯血から単離したヒトLin-CD34+CD38-細胞を移植し、移植したレシピエントマウスにおける、尋常性乾癬の症状(脱毛)の発症時期をモニターした。結果を表2に示す。
表中、IDは、各マウスの識別番号を;BACは、導入したhIL-6染色体のBACクローンの参照番号を;genotypeは、hIL-6tgがヘテロ/ホモいずれのタイプであるかを;CBは、移入した臍帯血細胞のロット番号を;Cell#は、移入したヒトLin-CD34+CD38-細胞の細胞数を;onsetは、脱毛症状を発症した時期(移入後の週数)を、それぞれ示す。
hIL-6tgをヘテロに有するマウスにおいては、ヒトLin-CD34+CD38-細胞移入後最も早くて30週までに、hIL-6tgをホモに有するマウスにおいては、ヒトLin-CD34+CD38-細胞移入後最も早くて20週までに、脱毛症状を発症した。
また、これらのマウスの血漿を経時的に採取し、サイトカインレベルを測定した。血清中のサイトカイン量の測定は、Bio-Plex suspension array system(バイオラッド)のBio-Plex Pro ヒトサイトカイン 27-Plex アッセイキット(#M50-0KCAF0Y)、Bio-Plex Pro ヒトサイトカイン 21-Plex アッセイキット(#MF0-005KMII)を用いて行った。マウス血清中のヒトサイトカインが定量的に測定できている事を確認するため、マウス血清にヒトサイトカインスタンダードを添加したサンプルを準備し、マウス血清中での計測が正常にできないサイトカインは測定対象から除外した。
結果を図22及び23に示す。ヒトLin-CD34+CD38-細胞の移植により、尋常性乾癬に関連するサイトカイン(IL-6、IL-8、IL-9、IL-16、IL-18)の血漿中レベルの上昇が認められた。
本発明のマウスは、ヒトIL-6を継続的に発現する環境下でのヒト免疫系を再現したヒト免疫モデルマウスであると同時に、ヒト尋常性乾癬のモデルマウスとして、新規創薬の薬効評価等に有用である。
刊行物、特許文献等を含む、本明細書に引用されたすべての参考文献は、引用により、それらが個々に具体的に参考として援用されかつその内容全体が具体的に記載されているのと同程度まで、本明細書に援用される。
本出願は日本で出願された特願2012−213238(出願日:2012年9月26日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (6)

  1. 染色体上にヒトIL-6遺伝子座を保有する、IL-2受容体ガンマ鎖の機能を欠損したNOD/SCIDマウス。
  2. IL-2受容体ガンマ鎖の機能を欠損したNOD/SCIDマウスが、NOD/SCID/IL-2rgKOマウスである、請求項1記載のマウス。
  3. 請求項1又は2記載のマウスへ、ヒト造血幹細胞を移入すること、及び該マウスを飼育することを含む、免疫系ヒト化マウスの製造方法。
  4. 免疫系ヒト化マウスが少なくとも1つの尋常性乾癬の症状を有する、請求項3記載の製造方法。
  5. 免疫系ヒト化マウスが少なくとも6以上の尋常性乾癬の病理組織像の特徴を有する、請求項3記載の製造方法。
  6. 以下の工程を含む、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物のスクリーニング方法:
    (1)請求項3乃至5のいずれか1項記載の製造方法により得られる免疫系ヒト化マウスへ被検物質を投与すること、
    (2)被検物質を投与したマウスにおける尋常性乾癬の症状を測定し、該症状を被検物質を投与していない対照マウスにおける尋常性乾癬の症状と比較する工程;及び
    (3)上記(2)の比較結果に基づいて、尋常性乾癬の症状を抑制した被検物質を、尋常性乾癬の治療又は予防薬の候補化合物として選択する工程。
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