JP6207652B2 - 制御システム - Google Patents
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Description
近年、車両に搭載されるECUの数の増加に伴い、ECUが消費する電力量が増加している。消費電力量が増加すると、オルタネータ・モータなどによる発電量が増加し、車両の燃費・電費悪化につながることになる。そこで、燃費向上のために車載品の省電力化が求められるようになり、ECUにおいても省電力対応が必要になってきている。
シャットダウン状態やスリープ状態のECUが、通常動作状態に遷移するためには、例えば、特開2012−049885号公報(特許文献1)に開示されているように、ウェイクアップ信号をECUに入力する必要がある。ECUは、ウェイクアップ信号を検出すると、通常動作状態になるためのシーケンスを実行する。
上記マイコンは、上記制御処理手段による通常制御を行う通常動作状態と、制御処理を停止した停止状態と、上記停止状態から上記通常動作状態に遷移する準備を行うための起動遷移状態と、上記通常動作状態から上記停止状態に遷移する準備を行うための停止遷移状態との各状態へ遷移可能に構成され、
上記第1の制御装置以外の第2の制御装置は、上記起動信号を送信する起動確認信号生成手段と、上記第2の制御装置の周囲状況から上記第1の制御装置が起動を必要とするまでの時間を測定する起動要否判定手段と、上記起動信号の送信周期を所定の周期に調整する周期調整手段と、を備え、上記マイコンが上記停止状態にある場合で、上記起動確認信号生成手段が上記所定の周期で上記起動信号を送信し、上記第1の制御装置で上記起動信号が検出された場合には、上記妥当性検証手段による上記起動信号の検証が行われる前に、上記状態管理手段は、上記マイコンの状態を上記起動遷移状態を介して上記通常動作状態に遷移させ、上記制御処理手段は、通常制御を開始すると共に、上記起動要否判定手段で検出した時間よりも短くなるように、上記周期調整手段が上記所定の周期を調整するものである。
図1は、この発明の実施の形態1による制御システムを搭載した車両の通常動作状態を示す車両模式図である。
図1において、制御システムが搭載された制御システム搭載車両41は、車両の数百m前方の状況を検出するレーザレーダと、車両の数十mの前方や周辺の状況を検出するステレオカメラと、車両の数m周辺を検出する超音波センサの各検出機器、即ち、周辺監視手段(何れも図示せず。)を備えている。それぞれの検出機器の検出範囲として、レーザレーダの検出範囲44を実線、ステレオカメラの検出範囲45を点線、超音波センサの検出範囲46を一点鎖線として図示する。
図2において、レーザレーダの検出値はレーダECU52で、ステレオカメラの検出値はカメラECU53で、超音波センサの検出値は超音波センサECU54でそれぞれ処理される。各ECUは共通の信号線21で接続されて、各ECUの情報をゲートウェイであるADAS−ECU51に集約する。
超音波センサECU54は、マイコン10を搭載しており、マイコン10は、外部から送信される起動信号31を取得してマイコン10を起動する起動手段1と、取得した起動信号31があらかじめ設定された起動信号か否かを判定し、さらに起動信号31が正当な権限を与えられた相手から取得したものかどうかを判定する妥当性検証手段2と、起動信号31及び妥当性検証手段2の結果からマイコン10の状態遷移を行うかどうかを判定し、実際に状態遷移を行う状態管理手段3と、状態管理手段3の結果に応じた制御処理を実行する制御処理手段4を備えている。なお、符号33は、起動信号31のように起動を行わない起動確認疑似信号を示している。
図4において、超音波センサECU54のマイコン10は、少なくとも停止状態、通常動作状態、停止状態から通常動作状態に遷移する準備を行う起動遷移状態、通常動作状態から停止状態に遷移する準備を行う停止遷移状態の4つの状態を備えている。図4では、停止状態、起動遷移状態、通常動作状態、停止遷移状態の各状態に、それぞれ信号を受けて遷移する様子が示されている。
超音波センサECU54の動作が不要と判断した場合は、停止状態に遷移する。逆に、他のECUが超音波センサECU54の動作が必要と判断した場合は、起動信号31を超音波センサECU54に送信し、マイコン10は通常動作状態に遷移する。それらの中間状態として、起動遷移状態では、通常動作状態での通常制御における処理のために必要なソフトウェアモジュールの初期化処理や再初期化処理を行う。また、停止遷移状態では、停止状態にするために、通常制御などマイコンの動作を停止する処理を行う。
起動手段1は、マイコン10の外部から送信される停止状態から通常動作状態への遷移要求を含んだ起動信号31を検出する。起動信号31を検出するとマイコン10が起動し、マイコン10は起動信号31が何であるかを判断するため、状態管理手段3及び妥当性検証手段2に起動信号31を送信する。
本実施の形態1では、CAN信号としているが、この限りでなく、信号で超音波センサECU54が起動できるものであれば、自動車などの車載ネットワークに用いられるFlexRay(登録商標)、あるいはEthernet(登録商標)での通信信号、あるいはデジタル信号などでもよい。
妥当性検証手段2は、起動手段1が出力した結果を基に、起動信号31があらかじめ設定されたものか否かを判定し、さらにその起動信号31が正当な権限を与えられた相手から取得したものかどうかを判定する。起動信号31があらかじめ設定された起動信号であるかどうかの判断は、取得したCAN信号(ID又はメッセージ構成)を確認することにより行う。さらに、起動信号31が正当な権限を与えられた相手から取得したものかどうかの判断は、起動信号31がCAN信号であれば、メッセージに重畳される特定ノードから送信されたことを表す識別ビットを解析・認証することにより行う。
なお、本実施の形態1では、識別ビットとしたが、この限りでなく正当な権限を与えられた相手から取得したものであることを保障できる手段であればどのような手段でも構わない。また、妥当性検証手段2の結果は、状態管理手段3に送信される。
状態管理手段3は、起動手段1及び妥当性検証手段2の結果を受けて、停止状態から通常動作状態に遷移するか否かを判定し、その結果、状態遷移を実施する。遷移したマイコン10の状態は、制御処理手段4に送信される。このとき、状態管理手段3は、起動手段1の出力のみを受けて、停止状態から通常動作状態への状態遷移を行うことも、起動手段1及び妥当性検証手段2の両方の結果を受けて状態遷移を行うことも可能である。
制御処理手段4は、状態管理手段3が管理するマイコン10の状態に応じた処理を実行する。
第1の制御装置である超音波センサECU54が停止状態から通常動作状態に遷移する際は、第2の制御装置であるカメラECU53又はレーダECU52が常に通常動作状態である。
この状況を利用して、カメラECU53又はレーダECU52は、停止状態から通常動作状態に遷移させるための起動信号31を、CAN信号として出力する機能を備えている。また、起動確認疑似信号生成手段36を備えており、起動信号31のように起動を行わない所定の周期の起動確認疑似信号33も送信可能である。
図5において、先ず、S101では、レーダECU52とカメラECU53が、自車周辺に他の車両がない(Yes)か否(No)か、また他の車両があっても衝突の可能性がない位置で捉えている(Yes)か否(No)かの判断を行う。両方の判断結果がYesとなった場合のみ、Yesの分岐処理を実行する。なお、このとき、周辺検出ECU(超音波センサECU54、カメラECU53、レーダECU52)は、通常動作状態で動作しているものとする。
S102−2では、S101での結果がNoの場合、超音波センサECU54を含む全ての周辺検出ECUは、通常動作状態のままとする。近接する車両がある場合は、超音波センサECU54も通常動作状態のままとすることで、検出精度を維持しておく。
つまり、突然、先行車両42が急減速した場合や、第3の車両43が死角などから現れた場合でも、確実に超音波センサECU54が緊急的に通常動作を開始することができるため、自車と他の車両が衝突する可能性を低くできる。又は、衝突被害を軽減できる。
マイコン10の妥当性検証手段2は、起動手段1の出力を受けた後、時間TDET(起動時間)の計測を開始し、所定時間TVLD経過したかどうかを判定する機能を備えており、所定時間TVLD経過すると、妥当性検証手段2の処理を実行し、状態管理手段3に結果を出力する。
所定時間TVLDは、起動信号31の受信から、超音波センサECU54が通常動作状態で取得したセンサ値をADAS−ECU51に出力し、ADAS−ECU51がブレーキECU55及びステアリングECU56への動作要否を判定するまでの時間とする。
起動要否判定手段38は、自車以外の他車を認識できている状態で、車両の状況(例えば相対車速、天候、交通状況)を鑑みて、他車に衝突するまでの時間を導出する。導出した時間に沿って、起動信号31や起動以外の信号33を送信する現在の設定周期と、他車に衝突する恐れのある時間の関係性から、他車に衝突する恐れのある時間が、n回目からn+1回目の間に位置する場合は、周期調整手段37にて周期を短くして、衝突の恐れがある時間より前に監視処理を働かせる。
次に、この発明の実施の形態2による制御システムについて説明する。
図9は、実施の形態2による制御システムに搭載される超音波センサECUの機能を説明するブロック図である。
実施の形態2による制御システムは、超音波センサECU54が、実施の形態1の機能に加えて、信号線21を介して、レーダECU52又はカメラECU53に、スリープ状態から通常動作状態に遷移したことを示すECU動作確認信号32を送信するようになっている。また、レーダECU52又はカメラECU53は、実施の形態1の機能に加えて、信号線21を介して、超音波センサECU54に、通常動作状態からスリープ状態に遷移することを禁止する信号(停止状態への遷移禁止信号)34を送信する機能と、所定時間内に超音波センサECU54から受信したECU動作確認信号32がセットされた回数を数える計数手段40を備えている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
図10において、先ず、S301では、レーダECU52やカメラECU53が、計数手段40によりカウントした回数NOPを1インクリメントする。なお、S301より前の処理は、図5におけるS107までと同様の処理であるため、その説明を省略する。
ここで、NTHは、自身又はその周辺に位置するECUなどが通常動作状態に発生し得るノイズなどの誤動作で起動される回数を基に決定する。仮に、他のECU異常や、起動検出に関するハードウェア故障によりノイズが増大した場合などは、誤って起動される回数が多くなるはずである。
次に、この発明の実施の形態3による制御システムについて説明する。
実施の形態3における制御システムに搭載される超音波センサECUの機能ブロック図は、図3におけるものと同様である。
図11は、実施の形態3による制御システムのソフトウェアモジュールと通常動作状態の関連を示す模式図である。
図11において、マイコン10を構成するソフトウェアモジュールは、ダイアグ(故障診断など)関連、MCU(クロックの設定など)関連、ドライバ(アナログ/デジタル入出力や通信など)関連、EEPROM関連、通信(ネットワークマネジメント、PDU(Protocol Data Unit)の管理など)関連である。
図11では、これらと、通常動作状態での通常制御における遷移直後処理、及び妥当性検証の処理実行後に行う定常処理との関連を線で示している。
一般的に、ソフトウェアモジュールを初期化しなければ、それに関係する処理は実行できない。また、本実施の形態3においては、通常動作状態における処理を2つに分割する
。シャットダウン状態から起動した直後に行う遷移直後処理と、妥当性検証手段2の処理実行後に行う定常処理である。
図12において、超音波センサECU54のマイコン10は、少なくとも停止状態、通常動作状態、停止状態から通常動作状態に遷移する準備を行う起動遷移状態、通常動作状態から停止状態に遷移する準備を行う停止遷移状態の4つの状態を備えている。図12では、停止状態、起動遷移状態、通常動作状態、停止遷移状態の各状態に、それぞれ信号を受けて遷移する様子が示されている。実施の形態1の図4に比べ、通常動作状態から起動遷移状態への遷移も追加されている。
超音波センサECU54の遷移直後処理は、超音波センサの信号をADAS−ECU51やレーダECU52やカメラECU53に、送信できるデータに変換して送信することである。
これらに必要となるソフトウェアモジュールは、超音波センサに異常がないかどうかを確認するダイアグ関連と、他のECUに起動状態を送信するための通信関連と、動作するためのクロック設定などを行うMcu関連と、超音波センサに出力するパルスを生成するタイマなどのドライバ関連である。これらのソフトウェアモジュールの初期化が必要となる。
一方、EEPROM関連のソフトウェアモジュールは、故障発生時に書込むことが考えられるが、通常動作を行う際に、故障を確認したとしても、EEPROMにすぐ書込む必要はないため、この初期化はこの段階では必要ない。
図13において、先ず、S401は図5のS105、S402は図5のS106とそれぞれ同様の処理であるので、その説明を省略する。また、S401よりも前の処理は、図5のS101、S102−1、S102−2、S199、S103、S104と同様の処理であるので、これもその説明を省略する。
Claims (7)
- 複数の制御装置が信号線により接続された制御システムであって、
上記複数の制御装置のうちの一つである第1の制御装置は、
マイコンを搭載し、
上記信号線を介して送信される起動信号を検出して上記マイコンを起動する起動手段と、
上記起動信号の妥当性を検証する妥当性検証手段と、
上記起動信号の検出結果及び上記妥当性検証手段の検証結果のいずれか一方または両方に応じて、上記マイコンの状態を遷移させる状態管理手段と、
上記状態管理手段による上記マイコンの状態に応じた制御処理を行う制御処理手段と、を有し、
上記マイコンは、上記制御処理手段による通常制御を行う通常動作状態と、制御処理を停止した停止状態と、上記停止状態から上記通常動作状態に遷移する準備を行うための起動遷移状態と、上記通常動作状態から上記停止状態に遷移する準備を行うための停止遷移状態との各状態へ遷移可能に構成され、
上記第1の制御装置以外の第2の制御装置は、
上記起動信号を送信する起動確認信号生成手段と、
上記第2の制御装置の周囲状況から上記第1の制御装置が起動を必要とするまでの時間を測定する起動要否判定手段と、
上記起動信号の送信周期を所定の周期に調整する周期調整手段と、を備え、
上記マイコンが上記停止状態にある場合で、上記起動確認信号生成手段が上記所定の周期で上記起動信号を送信し、上記第1の制御装置で上記起動信号が検出された場合には、上記妥当性検証手段による上記起動信号の検証が行われる前に、上記状態管理手段は、上記マイコンの状態を上記起動遷移状態を介して上記通常動作状態に遷移させ、上記制御処理手段は、通常制御を開始すると共に、
上記起動要否判定手段で検出した時間よりも短くなるように、上記周期調整手段が上記所定の周期を調整することを特徴とする制御システム。 - 上記第2の制御装置は、
上記起動信号以外の信号を送信できる起動確認疑似信号生成手段を備え、
上記第1の制御装置の上記マイコンが上記停止状態にある場合で、上記起動確認疑似信号生成手段が所定の周期で上記起動信号以外の信号を送信し、
上記第1の制御装置で上記起動信号以外の信号が検出された場合に、上記マイコンの状態を変更しないことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。 - 上記妥当性検証手段は、
上記起動手段から上記起動信号を受信するとともに、この受信からの時間を計測し、
計測された時間が予め決められた所定時間を超えた場合に、上記起動信号の妥当性を検証することを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。 - 上記状態管理手段は、
上記妥当性検証手段による上記起動信号の妥当性の検証に失敗した場合には、上記マイコンを上記停止遷移状態にして上記制御処理手段による上記通常制御を停止させた後、上記マイコンの状態を上記停止状態に遷移させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の制御システム。 - 上記第1の制御装置以外の少なくとも一つの他の制御装置は、
上記第1の制御装置が上記通常動作状態に遷移した回数を計数する計数手段を備え、
上記計数手段による計数回数が所定回数以上となった場合に、上記停止状態に遷移することなく、上記通常動作状態を継続するように上記第1の制御装置に指示し、
上記第1の制御装置は、上記指示の受信後は上記通常制御を停止しないことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の制御システム。 - 上記制御処理手段は、
上記制御処理に関係する複数のソフトウェアモジュールを有するとともに、
上記起動遷移状態で上記ソフトウェアモジュールを初期化処理する初期化手段を備え、
上記通常動作状態における制御処理は、上記通常動作状態への遷移直後に実行する遷移直後処理と、上記通常動作状態への遷移直後に実行しなくてもよい定常処理とにより構成され、
上記起動信号を受けて上記起動遷移状態に遷移したときは、上記遷移直後処理に関係するソフトウェアモジュールのみを初期化し、
上記通常動作状態に遷移して、上記初期化したソフトウェアモジュールにより上記遷移直後処理を実行した後に、上記妥当性検証手段により起動信号の妥当性が検証された場合、
上記遷移直後処理に関係するソフトウェアモジュール以外のソフトウェアモジュールの初期化を実施し、上記定常処理を実施することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の制御システム。 - 上記複数の制御装置は、車両に搭載され、それぞれ、上記車両の周囲を走行する他車両の状況を監視する周辺監視手段を制御するように構成され、
上記第1の制御装置のマイコンが停止状態で、他の制御装置が上記車両の周囲を走行する他車両の状況を監視している場合において、上記他の制御装置が上記他車両の監視ができなくなった場合に、上記他の制御装置は、上記起動信号を上記第1の制御装置に送信することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の制御システム。
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