JP6207598B2 - 表面によって定義される加熱体積を加熱するための医療装置 - Google Patents

表面によって定義される加熱体積を加熱するための医療装置 Download PDF

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Description

本発明は、高密度焦点式超音波に、詳細には表面によって指定される体積の加熱に関する。
高密度焦点式超音波(HIFU: high intensity focused ultrasound)では、超音波トランスデューサ素子のアレイが超音波トランスデューサを形成するために使われる。トランスデューサ素子に交流電力を供給することにより、トランスデューサ素子が超音波を生成する。各トランスデューサ素子からの超音波は増加的または相殺的に加算される。各トランスデューサ素子に供給される交流電力の位相を制御することによって、超音波パワーが合焦される焦点または体積が制御されうる。
一部の癌患者の痛みおよび苦痛を和らげるため、制約された骨表面領域上の神経を破壊するためにHIFU骨療法が使われてきた。現在のHIFU骨療法アプリケーションは、骨表面上またはその背後にさまざまなサイズのセルまたは超音波照射点を配置することによって機能する。骨表面全体を処置するためには、多くの点が超音波照射される必要があることがある。骨の悪性腫瘍を患う患者にとって、長い手順の間、じっとしたままでいることがきわめて難しいことがありうる。
米国特許出願US2010/0191020は、骨緩和がしばしば、腫瘍に隣接する骨表面の温度を上げることによって達成されることに言及している。
本発明は、独立請求項において医療装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。実施形態は従属請求項において与えられる。
当業者は、本発明の諸側面が装置、方法またはコンピュータ・プログラム・プロダクトとして具現されうることを理解するであろう。よって、本発明の諸側面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)またはソフトウェアおよびハードウェア側面を組み合わせた実施形態の形を取ることができ、これらはみな本稿では「回路」「モジュール」または「システム」と称されることがある。さらに、本発明の諸側面は、コンピュータ実行可能コードが具現されている一つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現されるコンピュータ・プログラム・プロダクトの形を取ることがある。
一つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体でありうる。本稿で使われるところの「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティング装置のプロセッサによって実行可能な命令を記憶しうる任意の有体の記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読な非一時的な記憶媒体と称されることもある。コンピュータ可読記憶媒体は有体のコンピュータ可読媒体を称されることもある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティング装置のプロセッサによってアクセスされることのできるデータを記憶できてもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスクおよびプロセッサのレジスタ・ファイルを含むがそれに限られない。光ディスクの例は、コンパクトディスク(CD)およびデジタル多用途ディスク(DVD)、たとえばCD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RWまたはDVD-Rディスクを含む。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、ネットワークまたは通信リンクを介してコンピュータ装置によってアクセスされることのできるさまざまな型の記録媒体をも指す。たとえば、データはモデムを通じて、インターネットを通じてまたはローカル・エリア・ネットワークを通じて取得されてもよい。コンピュータ可読媒体上に具現されるコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなどまたは上記の任意の好適な組み合わせを含むがそれに限られない任意の適切な媒体を使って伝送されてもよい。
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ実行可能コードが、たとえばベースバンドにおいてまたは搬送波の一部として具現されている伝搬されるデータ信号を含みうる。そのような伝搬される信号は、電磁、光またはその任意の好適な組み合わせを含むがそれに限られない多様な形の任意のものを取りうる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、プログラムを命令実行システム、装置またはデバイスによるもしくはそれと関連した使用のために通信、伝搬または転送できる任意のコンピュータ可読媒体でありうる。
「コンピュータ・メモリ」または「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。コンピュータ・メモリは、プロセッサにとって直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータ記憶」または「記憶」は、コンピュータ可読記憶媒体のさらなる例である。コンピュータ記憶は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータ記憶がコンピュータ・メモリであることもあり、逆に、コンピュータ・メモリがコンピュータ記憶であることもある。
本稿で使われるところの「プロセッサ」は、プログラムまたは機械実行可能命令またはコンピュータ実行可能コードを実行することのできる電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を有するコンピューティング装置という言及は、二つ以上のプロセッサまたは処理コアを含む可能性もあるものと解釈されるべきである。プロセッサはたとえば多コア・プロセッサであってもよい。プロセッサはまた、単一のコンピュータ・システム内の、または複数のコンピュータ・システムの間に分散されているプロセッサの集合を指すこともある。コンピューティング装置という用語も、可能性としてはそれぞれが一つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティング装置の集合またはネットワークを指すものと解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同じコンピューティング装置内にあってもよい、あるいは複数のコンピューティング装置にまたがって分散されていてもよい複数のプロセッサによって実行されてもよい。
コンピュータ実行可能コードは、本発明のある側面をプロセッサに実行させる機械実行可能命令またはプログラムを有していてもよい。本発明の諸側面のための動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、ジャバ、スモールトーク、C++などといったオブジェクト指向プログラミング言語および「C」プログラミング言語といった従来型の手続き型プログラミング言語または同様のプログラミング言語を含む、一つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよく、機械実行可能命令にコンパイルされてもよい。いくつかの事例では、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形または事前コンパイルされた形であってもよく、オンザフライで機械実行可能命令を生成するインタープリターとの関連で使われてもよい。
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザーのコンピュータ上で、部分的にユーザーのコンピュータ上で、スタンドアローンのソフトウェア・パッケージとして、部分的にはユーザーのコンピュータ上、部分的にはリモート・コンピュータ上で、あるいは完全にリモート・コンピュータまたはサーバー上で実行されてもよい。この最後のシナリオでは、リモート・コンピュータはユーザーのコンピュータに、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の型のネットワークを通じて接続されてもよく、あるいは接続は外部コンピュータに対して(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダーを使ってインターネットを通じて)なされてもよい。
本発明の諸側面は、本発明の実施形態に基づく方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム・プロダクトのフローチャート図解および/またはブロック図を参照しつつ記述される。フローチャート、図解および/またはブロック図の各ブロックまたはブロックの一部が、該当する場合には、コンピュータ実行可能コードの形のコンピュータ・プログラム命令によって実装されることができることは理解されるであろう。さらに、互いに背反でない場合には、異なるフローチャート、図解および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わされてもよいことは理解される。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられて、前記命令が前記コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されて、そのフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/工程を実装するための手段を作り出すよう機械を生じさせるのでもよい。
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスに、特定の仕方で機能するよう指令できるコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよく、それによりコンピュータ可読媒体に記憶されている命令が、そのフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/工程を実装する命令を含む製造物を生じさせるのでもよい。
コンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスにロードされて、該コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、該コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、そのフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/工程を実装するためのプロセスを提供するようにしてもよい。
本稿で使われるところの「ユーザー・インターフェース」は、ユーザーまたは操作者がコンピュータまたはコンピュータ・システムと対話することを許容するインターフェースである。「ユーザー・インターフェース」は「ヒューマン・インターフェース・デバイス」と称されてもよい。ユーザー・インターフェースは、操作者に情報またはデータを提供してもよいし、および/または操作者から情報またはデータを受け取ってもよい。ユーザー・インターフェースは、操作者からの入力がコンピュータによって受領されることができるようにしてもよく、コンピュータからユーザーに出力を提供してもよい。換言すれば、ユーザー・インターフェースは操作者がコンピュータを制御または操作することを許容してもよく、該インターフェースはコンピュータが操作者の制御または操作の効果を示すことを許容してもよい。ディスプレイまたはグラフィカル・ユーザー・インターフェース上でのデータまたは情報の表示は、情報を操作者に提供することの例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィック・タブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ギアスティック、ステアリングホイール、ペダル、ワイヤードグローブ、ダンスパッド、リモコンおよび加速度計を通じたデータの受領はみな、操作者から情報またはデータを受領することを可能にするユーザー・インターフェース・コンポーネントの例である。
本稿で使われるところの「ハードウェア・インターフェース」は、コンピュータ・システムのプロセッサが、外部コンピューティング装置および/または装置と対話するおよび/またはそれを制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェア・インターフェースは、プロセッサが制御信号または命令を外部コンピューティング装置および/または装置に送ることを許容してもよい。ハードウェア・インターフェースはまた、プロセッサが外部コンピューティング装置および/または装置とデータを交換できるようにしてもよい。ハードウェア・インターフェースの例は、ユニバーサル・シリアル・バス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、ブルートゥース接続、無線ローカル・エリア・ネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェースおよびデジタル入力インターフェースを含むがそれに限られない。
本稿で使われるところの「ディスプレイ」または「表示装置」は、画像またはデータを表示するよう適応された出力装置またはユーザー・インターフェースを包含する。ディスプレイは視覚的、聴覚的およびまたは触覚的データを出力しうる。ディスプレイの例は:コンピュータ・モニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字画面、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトル・ディスプレイ、フラットパネル・ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセント・ディスプレイ(ELD)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード・ディスプレイ(OLED)、プロジェクターおよびヘッドマウント・ディスプレイを含むがこれに限られない。
医療画像データは、本稿では、医療撮像スキャナを使って取得された二次元または三次元のデータとして定義される。医療撮像スキャナは、本稿では、患者の身体的構造についての情報を収集し、二次元または三次元の医療画像データのセットを構築するよう適応されている装置として定義される。医療画像データは、医師による診断のために有用な視覚化を構築するために使用できる。この視覚化はコンピュータを使って実行できる。
磁気共鳴(MR)データは、本稿では、磁気共鳴撮像スキャンの間の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって放出された高周波信号の記録された測定として定義される。磁気共鳴データは医療画像データの例である。磁気共鳴撮像(MRI)画像は、本稿では、磁気共鳴撮像データ内に含まれる解剖学的データの、再構成された二次元または三次元の視覚化であるとして定義される。この視覚化はコンピュータを使って実行できる。
磁気共鳴データは、磁気共鳴撮像スキャンの間の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって放出された高周波信号の測定であって、磁気共鳴温度測定のために使用されうる情報を含むものを含んでいてもよい。磁気共鳴温度測定は、温度に敏感なパラメータの変化を測定することによって機能する。磁気共鳴温度測定の際に測定されうるパラメータの例は:プロトン共鳴周波数シフト、拡散係数であり、あるいはT1および/またはT2緩和時間の変化が磁気共鳴を使って温度を測定するために使われてもよい。個々のプロトン、水素原子が経験する磁場は周囲の分子構造に依存するので、プロトン共鳴周波数シフトは温度依存である。温度の上昇は、温度が水素結合に影響するため、分子遮蔽を減少させる。これは、プロトン共鳴周波数の温度依存性につながる。
プロトン密度は平衡磁化に線形に依存する。したがって、プロトン密度強調画像を使って温度変化を決定することが可能である。
緩和時間T1、T2およびT2スター(時にT2*と書かれる)も温度依存である。したがって、T1、T2およびT2スター強調画像の再構成は、熱または温度マップを構築するために使用できる。
温度は水溶液中での分子のブラウン運動にも影響する。したがって、パルス拡散グラジエントスピンエコー(pulsed diffusion gradient spin echo)のような拡散係数を測定できるパルス・シーケンスが温度を測定するために使用されてもよい。
磁気共鳴を使って温度を測定する最も有用な方法の一つは、水プロトンのプロトン共鳴周波数(PRF: proton resonance frequency)シフトを測定することによる。プロトンの共鳴周波数は温度依存である。ボクセルにおいて温度が変わると、周波数シフトのため水プロトンの測定される位相が変化する。したがって、二つの位相画像の間の温度変化が決定できる。温度を決定するこの方法は、他の方法に比べて比較的高速であるという利点がある。PRF法は本稿では他の方法より詳細に論じられる。しかしながら、本稿で論じる方法および技法は、磁気共鳴撮像を用いて温度測定を実行する他の方法にも適用可能である。
分光磁気共鳴データは、本稿では、磁気共鳴撮像スキャンの間の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって放出された高周波信号の記録された測定であって、複数の共鳴ピークを表わす情報を含むものとして定義される。
分光磁気共鳴データはたとえば、絶対スケールでの温度マップを生成できるプロトン分光(PS: proton spectroscopic)撮像に基づく温度マッピング方法を実行するために使用されてもよい。したがって、この絶対スケール温度マップは、温度較正を実行するために使用されてもよい。この方法は、上記のプロトン共鳴周波数法のような水プロトン共鳴シフト温度依存性の物理的な原理に依拠するが、収集方法が異なる。周波数シフトは磁気共鳴スペクトルから計算されるのである。シフトは、水と参照プロトン・ピークの位置差から計算される。脂質中のプロトンがたとえば参照として使用されてもよい。水プロトン・ピークが温度に対して線形依存性をもつ一方、脂質の共鳴周波数はほとんど温度に依存しないことが知られているからである。これは、両方の組織型が存在するボクセルにおいてできる。同じボクセル中に水と脂質が存在しない場合、脂質以外の他の何らかの組織型を参照として使うことを試みてもよい。うまくいかなければ、参照ピークが、よって温度データが得られないいくつかのボクセルがあることがある。こうした状況を助けるためには、補間および/または温度フィルタリングが使用されてもよい。体温は、通常、空間的に急激に変化するとは予期されないからである。温熱療法によって典型的に引き起こされる高度に局在化された温度上昇は明らかな例外である。参照ピークの利用により、本方法は、場のドリフトまたはスキャン間の動きに比較的依存しなくなる。現行の方法では、スキャンは少なくとも一分のオーダーの時間がかかるので、PS法は、スキャン中のスキャン内動きまたは温度変化の影響を受ける。温度が一定であるまたは時間的にも空間的にも温度変動が小さい場合には、本方法は有用な情報を生成できる。たとえば、磁気共鳴案内式の高密度焦点式超音波(MR-HIFU: Magnetic Resonance Guided High Intensity Focused Ultrasound)では、温度計プローブを用いて測定された核心体温として取られる空間的に均一な出発温度を使うのではなく、MR-HIFUまたは他の温度処置の開始前に実際の体温分布を与えるためにPS法を使うことができる。あるいはまた、PS法は、処置領域の外部の熱処置どうしの間の累積的な温度についての健全性チェックとして使うことができる。
本稿で使われるところの「超音波窓」は、超音波または超音波エネルギーに対して事実上透明である窓を包含する。典型的には、薄いフィルムまたは膜が超音波窓として使われる。超音波窓はたとえば、BoPET(biaxially-oriented polyethylene terephthalate[二軸延伸ポリエチレンテレフタラート])の薄膜から作成されうる。
ある側面では、本発明は、高密度焦点式超音波システムを有する医療装置を提供する。高密度焦点式超音波システムは、加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有する。超音波トランスデューサ・アレイは複数の超音波トランスデューサ素子を有する。医療装置はさらに、機械実行可能な命令を記憶するためのメモリを有する。医療装置はさらに、医療装置を制御するためのプロセッサを有する。
本発明の医療装置は、ある幾何学的パターンをもって配置された複数のトランスデューサ素子をもつ超音波トランスデューサ・アレイを有する。幾何学的パターンは、トランスデューサ・アレイの位置および配向とともに、すべてのトランスデューサ素子が位相を揃えて作動されたときに個々のトランスデューサ素子からの放射が合焦される幾何学的な焦点を定義する。焦点は、個々のトランスデューサ素子の位相および任意的には振幅を電子的に制御することによって調整されうる。個々のトランスデューサ素子の位相および振幅は、一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドによって制御される。個々のトランスデューサ素子の位相および振幅が調整されるとき、体積超音波ビームの形が調整され、超音波放射の実際の焦点のサイズおよび位置が変えられる。個々のトランスデューサ素子はさらに、局所的な増加的干渉が起こらず、せいぜいがより広い領域の部分的な増加的干渉が起こるだけであり、それにより実際上、有効な合焦が起こらないよう焦点領域を拡大するよう調整されてもよい。
本発明によれば、トランスデューサ素子は、トランスデューサ・アレイによって放出される超音波トランスデューサ・ビームの近距離場(near field)の横断面が処置される表面領域に対応するよう制御される。すなわち、体積超音波ビームの近距離場の横断面は、処置される表面領域をカバーするよう構成される。好ましくは、近距離場の横断面は処置される表面領域と一致する。注目すべきことに、トランスデューサ素子は、処置される表面領域に対応する近距離場の横断面において、超音波エネルギー密度が事前設定された療法閾値を超えるよう制御される。横断面における超音波エネルギー密度は該表面領域において療法効果を引き起こす。たとえば、横断面における超音波エネルギー密度は、骨表面における神経組織の不活性化を引き起こす。これは、癌に冒されている骨における痛みを軽減する。本発明の基礎となる洞察は、体積超音波ビームの横断面において、緩和効果を誘起するよう十分な超音波エネルギー密度が達成されるというものである。さらに、本発明によれば、トランスデューサ素子は、体積超音波ビームが焦点をぼかすよう制御される。これは、超音波放射の伝搬方向において上記表面領域の背後の領域における高い超音波エネルギー密度を回避する。この脱合焦は、たとえば上記幾何学的焦点のまわりの、ある程度は超音波放射の増加的干渉が高まった超音波エネルギー密度を引き起こす領域のサイズを増加させるよう実装されてもよい。幾何学的焦点における脱合焦はさらに、実際の焦点がもし生じるとしても、該実際の焦点を、有害な効果が生じ得ない位置に移してもよい。たとえば、実際の焦点は、処置されるべき患者の外部の位置に移されてもよい。あるいは、小さな領域(すなわち、上記表面領域よりずっと小さな領域)において高エネルギー密度が生じることなく部分的な増加的干渉しか起こらず、局所的なホットスポットが回避されるよう、実際の焦点領域が拡大されてもよい。よって、本発明は、処置される表面領域における療法的な、たとえば痛み軽減の効果を誘起しつつ、他の場所での意図しない超音波ホットスポットを回避するよう、近距離場内の超音波エネルギー密度を利用することを可能にする。
体積超音波ビームが処置されるべき表面領域に対して横方向に、特に直交して配向されるときに、特に良好な結果が達成される。この配向は、体積超音波ビームの主軸を超音波放射の伝搬に沿って配向させる個々のトランスデューサ素子の位相および振幅を適用する一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドによって達成される。処置される表面領域に対して横方向の体積超音波ビームの配向は、幾何学的焦点における正確な脱合焦とともに、近距離場断面における超音波エネルギー密度の正確な設定を許容する。
前記命令の実行は、前記プロセッサに、表面の位置を表わす表面データを受領させる。表面データは、加熱体積の位置を定義する。高密度焦点式超音波システムは、加熱するために、超音波を焦点上に合焦する。それは典型的には、点または照射位置として記述される。本発明に基づく医療装置の動作は少し異なる動作をする。照射点を指定するのではなく、表面が記述され、それが照射される体積を制御するために使用されるのである。
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定させる。超音波トランスデューサ素子モデルは、特定のトランスデューサ素子によって生成される超音波が取り得る経路を予測するために使用されうるモデルである。このモデルはごく単純であってもよく、単に、超音波を直線的に進むものとしてモデル化するレイトレーシング型のモデルであってもよい。トランスデューサによって生成される、より現実的な超音波場を説明しうる、他の、より複雑なモデルもありうる。一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、加熱体積の断面形状が上記表面を包含するよう制御するための、所定の強度より上または下の、複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む。換言すれば、全体的な超音波トランスデューサ・アレイによって生成される超音波が上記表面の形状にマッチするよう、各トランスデューサ素子の強度が、ある特定のレベルより上または下に設定される。たとえば、上記所定の強度の強度レベルは、個々の超音波トランスデューサ素子のそれぞれを事実上オンまたはオフにするために使われる閾値であってもよい。
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて高密度焦点式超音波システムを制御することによって、加熱体積を加熱させる。いくつかの実施形態では、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて高密度焦点式超音波システムが制御されず、単にトランスデューサ・スイッチング・コマンドが計算される。この実施形態は、医療装置が比較的大きな領域を同時に加熱することができるという恩恵をもちうる。たとえば、高密度焦点式超音波システムは、典型的には、個々の点に照射することによって動作する。本発明の諸実施形態は、大きな領域を同時に加熱できてもよい。これは、大きな領域を非常に迅速に加熱または処置することが望ましい応用のために有用でありうる。たとえば、骨の悪性腫瘍の緩和処置に潜在的な応用がありうる。前記表面は骨の表面を記述することができる。その場合、加熱体積は、加熱体積内の神経細胞を加熱して不活性化し、それにより癌の際に患者が被る痛みを低減するために使用されることができる。
もう一つの実施形態では、前記表面データは医療撮像システムに由来することができる。
もう一つの実施形態では、前記表面は、超音波吸収表面である。本稿で使われるところの超音波吸収表面は、筋肉のような典型的な軟組織よりずっと大きな超音波減衰をもつ領域の境界である。たとえば、超音波吸収領域は、筋肉の3〜20倍の大きさの吸収をもつことがある。
もう一つの実施形態では、前記加熱体積は、超音波トランスデューサ・アレイによって生成される超音波の近距離場と称されてもよい。
もう一つの実施形態では、前記複数のトランスデューサ素子のそれぞれについての各強度レベルが個々に割り当てられる。
もう一つの実施形態では、前記所定の強度は、トランスデューサ素子が事実上オンまたはオフにされるようなものであってもよい。
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、前記加熱体積を前記超音波トランスデューサ・アレイ上に投影することによって、前記超音波トランスデューサ素子のどれがオンまたはオフにされるかを決定してもよい。本稿で使われるところの「投影」は、ある表面が別の表面上に移されるという幾何学的な意味で使われている。超音波トランスデューサ素子モデルはたとえば、そのような投影を実行するために使われてもよい。
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、個々の超音波トランスデューサ素子のそれぞれが、前記加熱体積に対して、あるレベルより上の超音波強度を寄与するかどうかを決定するために使われるまたは決定するよう動作可能である。これは、高密度焦点式超音波システムの動作の間、本質的には超音波トランスデューサ素子が前記所定の強度より上に設定されているか下に設定されているかまたは本質的にオンまたはオフにスイッチングされるかを決定するものであってもよい。
もう一つの実施形態では、超音波トランスデューサ・アレイは焦点をもつ。加熱体積は超音波トランスデューサと焦点との間である。この実施形態は、個々の照射点の集合において加熱体積を指定するために大きな表面が使われるので、有益でありうる。
もう一つの実施形態では、前記焦点は電子的に制御可能な焦点である。本稿で使われるところでは、電子的に制御可能な焦点は、個々の超音波トランスデューサ素子の強度(または振幅)および/または位相を制御することによってシフトまたは制御されうる超音波トランスデューサ・アレイの焦点である。トランスデューサ・スイッチング・コマンドはさらに、前記複数のトランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を含む。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させるよう、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を決定させる。この実施形態は、前記焦点が、意図的に加熱されるまたは照射される領域としては使用されないので、有益でありうる。前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させることにより、被験体のある領域が意図せずして加熱される可能性が低下する。脱合焦は、前記焦点の位相をずらすことと等価であると考えられてもよい。たとえば、個々の超音波トランスデューサ素子の位相は、前記焦点において相殺的干渉により強度が大幅に低下するよう、選択される。この特定の実施形態では、超音波トランスデューサ・アレイは、高密度焦点式超音波システムからの超音波トランスデューサ・アレイを使うための通常の方法ではない、合焦されないモードで動作させられる。
もう一つの実施形態では、前記複数のトランスデューサ素子から選ばれるトランスデューサ素子は、やはり前記複数のトランスデューサ素子から選ばれる最も近い隣接素子をもつ。前記トランスデューサ素子の位相値および前記最も近い隣接トランスデューサ素子の位相値は所定の位相値内である。この実施形態は、電子的に制御可能な焦点が脱同調されるときに有益でありうる。互いに近くにあるトランスデューサ素子は、前記所定の位相範囲内であった位相値をもつ。これは、相殺的干渉が加熱体積内の強度を低下させる可能性を減らす助けとなりうる。これは、増加的および相殺的干渉が加熱ゾーンを加熱するために使われる近接場に影響することを防ぐのを助けるために、最も近い隣接素子間の位相の差を制限することがある。
もう一つの実施形態では、前記命令の実行は、前記プロセッサに、前記電子的に制御可能な焦点の脱合焦を引き起こすよう位相値における所定の勾配があるよう、前記所定の強度より上の強度をもつ前記複数のトランスデューサ素子に位相値を割り当てさせる。この実施形態は、前記焦点を脱合焦させつつ加熱体積中の増加的および相殺的干渉を低減する手段を提供するので、有益でありうる。
もう一つの実施形態では、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記複数のトランスデューサ素子を諸グループに分割させる。特定のグループ内の前記複数のトランスデューサ素子の各素子の位相値は、同一である。換言すれば、前記複数のトランスデューサ素子、特に前記所定の強度より上の強度をもつものは、諸グループに割り当てられるまたは分割される。その際、これら個々のグループのそれぞれは、同一の位相値をもつ。各グループの位相値は、前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させるよう選択されてもよい。
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルはレイトレーシング・モデルである。
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、超音波トランスデューサ素子によって生成される経路または強度場が解析的に計算される解析モデルである。
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、幾何学的モデルである。この実施形態では、超音波トランスデューサ素子によって生成される超音波場を近似するために幾何学的形状が使われる。これが超音波の経路を予測するために使用されてもよい。
もう一つの実施形態では、前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有する。
もう一つの実施形態では、前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有する。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、加熱体積に超音波エネルギーを集中させるよう前記アクチュエータを位置決めするようアクチュエータ・コマンドを決定させる。
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記アクチュエータ・コマンドを使って前記アクチュエータを制御させる。この実施形態は、前記超音波トランスデューサ・アレイが前記超音波トランスデューサ・アレイの加熱体積または近距離場を形作る助けとなるよう位置決めされるので、有益でありうる。
もう一つの実施形態では、前記アクチュエータ・コマンドは、前記アクチュエータに、アクチュエータを加熱ゾーンのより近くに移動させること、標的ゾーンの断面を増大させるようアクチュエータを移動および/または回転させることおよびそれらの組み合わせの任意の一つを実行させるよう機能できる:
もう一つの実施形態では、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記超音波トランスデューサ素子モデルを使って、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて、前記表面との入射角を決定させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記入射角が所定の角度範囲外である前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれに、前記所定の強度より下の前記強度レベルを割り当てさせる。この実施形態では、特定の超音波トランスデューサ素子によって生成される超音波が、所定の範囲より大きい入射角をもつ場合、その超音波トランスデューサ素子は事実上スイッチ・オフされる。これは、対象の正しくない部分が加熱されることにつながる散乱超音波の量を減らすことにおいて有益でありうる。これはたとえば、前記表面データおよびこれを行なうためのモデルを使って達成できる。レイトレーシングまたは幾何学的モデルのような上述したモデルがそのような計算に役立つであろう。
もう一つの実施形態では、前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有する。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記複数の超音波トランスデューサ素子のうち何個が前記所定の範囲外の入射角をもつかを減らすアクチュエータ・コマンドを決定させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記アクチュエータ・コマンドを使って前記アクチュエータを制御させる。本質的には、この実施形態では、超音波トランスデューサ・アレイは、動作している超音波トランスデューサ素子の数を増すよう異なる位置に機械的に位置決めされる。これは、前記プロセッサによって、既存の位置のまわりのあるパターンを使ったいくつかの試験位置を計算して、前記超音波トランスデューサ・アレイを位置決めし直すためにアクチュエータを動かすことが実際にアクティブである前記複数の超音波トランスデューサ素子の数を増すかどうかを判定することによって、簡単に達成できる。
もう一つの実施形態では、前記トランスデューサ・アレイは、放物トランスデューサ・アレイ、平坦トランスデューサ・アレイおよび球面状トランスデューサ・アレイのうちの任意のものである。
もう一つの実施形態では、前記医療装置はさらに、撮像体積から医療画像データを収集するための医療撮像システムを有する。前記加熱体積は前記撮像体積内である。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記医療画像データを取得させ、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記医療画像データ中の加熱位置データを指定することによって前記表面データを受領させる。これはたとえば、前記医療画像データを使ってレンダリングされた画像または医療画像をディスプレイ上に表示し、次いでユーザー・インターフェースから前記表面データを受領することによって達成されてもよい。他の実施形態では、前記表面データは、前記共画像(co-image)データまたは前記医療画像データから導出された画像の画像セグメンテーションを実行することによって受領されることができる。
もう一つの実施形態では、前記医療撮像システムは、磁気共鳴撮像システム、コンピュータ断層撮影システムおよび診断超音波システムのうちの任意のものである。
もう一つの実施形態では、前記医療撮像システムは、少なくとも前記加熱体積から熱磁気共鳴データ(thermal magnetic resonance data)を収集するよう動作可能な磁気共鳴撮像システムである。前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれは調整可能な振幅または強度レベルをもつ。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記加熱ゾーンの温度を記述する処置計画を受領させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記熱磁気共鳴データを収集させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記熱磁気共鳴データを使って熱マップを計算させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記熱マップおよび前記処置計画に従って前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて強度調整を決定させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記強度調整を使って前記複数の超音波トランスデューサ素子の強度を制御させる。たとえば、前記強度調整は、前記熱マップが前記処置計画における要求されるまたは投影される温度を満たすよう温度を上昇または低下させるようなされることができる。
もう一つの側面では、本発明はコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。本コンピュータ・プログラム・プロダクトは、医療装置を制御するプロセッサによる実行のためのコンピュータ実行可能コードを有するコンピュータ可読記憶媒体を有する。医療装置は、高密度焦点式超音波システムを有する。高密度焦点式超音波システムは、加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有する。超音波トランスデューサ・アレイは、複数の超音波トランスデューサ素子を有する。前記命令の実行は、前記プロセッサに、表面を記述する表面データを受領させる。前記表面は、前記加熱体積の位置を定義する。
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを割り当てさせる。前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、加熱体積の断面形状が上記表面を包含するよう制御するための、所定の強度より上または下の、複数の前記超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて前記高密度焦点式超音波システムを制御することによって、前記加熱体積を加熱させる。
もう一つの側面では、本発明は、医療装置を使った緩和処置の方法を提供する。医療装置は、高密度焦点式超音波システムを有する。高密度焦点式超音波システムは、対象の加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有する。超音波トランスデューサ・アレイは、複数の超音波トランスデューサ素子を有する。本方法は、対象内の骨表面の位置を表わす表面データを受領する段階を含む。前記表面データは、前記加熱体積の位置を定義する。本方法はさらに、前記加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを割り当てる段階を含む。前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、前記加熱体積の断面形状が骨表面を包含するよう制御するために、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて、所定の強度より上または下の強度レベルを有する。本方法はさらに、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて高密度焦点式超音波システムを制御することによって、前記加熱体積を加熱する段階を含む。
本発明の上述した実施形態の一つまたは複数が、組み合わされる実施形態が背反なものでない限り、組み合わされてもよいことが理解される。
下記では、本発明の好ましい実施形態が、単に例として、図面を参照して説明される。
本発明のある実施形態に基づく方法を示す流れ図である。 本発明のさらなる実施形態に基づく方法を示す流れ図である。 本発明のある実施形態に基づく医療装置を示す図である。 図3に描かれた高密度焦点式超音波システムをより詳細に示す図である。 本発明のさらなる実施形態に基づく医療装置を示す図である。 本発明のさらなる実施形態に基づく医療装置を示す図である。 超音波トランスデューサ素子が、加熱体積を加熱するためにどのようにスイッチングされうるかを示す図である。
図面における同様の番号を付された要素は等価な要素であるかまたは同じ機能を実行する。先に論じた要素は、機能が等価であればのちの図面では必ずしも論じられない。
図1は、本発明のある実施形態に基づく方法を示す流れ図を示している。段階100では、表面データが受領される。次に、段階102では、前記表面データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って、超音波トランスデューサ素子のためのトランスデューサ・スイッチング・コマンドが決定される。最後に、段階104では、トランスデューサ・スイッチング・コマンドを使って高密度焦点式超音波システムを制御することによって加熱体積が加熱される。
図2は、本発明のさらなる実施形態に基づく方法を示す流れ図を示している。まず、段階200では、医療画像データが取得される。次に、段階202では、医療画像データにおいて加熱位置を指定することによって、表面データが受領される。この段階は、医療画像データから医療画像を構築することや、表面データを受領するまたは医療画像データにおいて加熱位置を指定するいくつかの異なる方法を含んでいてもよい。これはユーザー・インターフェースから受領されてもよいし、あるいは画像セグメンテーション・モジュールのようなものによって自動的に実行されてもよい。次に、段階204において、トランスデューサ・スイッチング・コマンドが、表面データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って決定される。最後に、段階206において、トランスデューサ・スイッチング・コマンドを使って高密度焦点式超音波システムを制御することによって加熱体積が加熱される。
図3は、本発明のある実施形態に基づく医療装置300を示している。医療装置300は、高密度焦点式超音波システム302を有する。図4は、同じ高密度焦点式超音波システム302をより詳細に示している。図3および図4について一緒に説明する。
高密度焦点式超音波システム302は流体で満たされたチャンバ304を有する。流体で満たされたチャンバ304内に超音波トランスデューサ306がある。この図には示されていないが、超音波トランスデューサ306は、それぞれが超音波の個々のビームを生成できる複数の超音波トランスデューサ素子を有していてもよい。これは、各超音波トランスデューサ素子に供給される交流電流の位相および/または強度を制御することによって、電子的に焦点718の位置を操縦するために使われてもよい。焦点318は、標的ゾーン304を超音波照射するよう制御されるよう機能できる。
超音波トランスデューサ306は、超音波トランスデューサ306が機械的に位置決めし直されることを許容する機構308に接続されている。機構308は、機構308を作動させるよう適応されている機械的アクチュエータ310に接続される。機械的アクチュエータ310は、超音波トランスデューサ306に電力を供給するための電源をも表わしている。いくつかの実施形態では、電源は、個々の超音波トランスデューサ素子への電力の位相および/または強度を制御しうる。
超音波トランスデューサ306は、経路312をたどって示されている超音波を生成する。超音波312は流体で満たされたチャンバ304および超音波窓314を通って進む。この実施形態では、超音波は次いでゲル・パッド316を通過する。ゲル・パッドはすべての実施形態に必ず存在するわけではないが、この実施形態では、ゲル・パッド316を受け容れるために対象台328における凹部がある。ゲル・パッド316は、トランスデューサ306と対象326との間で超音波パワーを結合するのを助ける。
ゲル・パッド716を通過したのち、超音波712は対象326の中を通り、照射点718に合焦される。照射点718は、標的ゾーン604内で合焦されている。照射点718は、超音波トランスデューサ706を機械的に位置決めすることと標的ゾーン604全体を処置するよう照射点718の位置を操縦することとの組み合わせを通じて移動されてもよい。高密度焦点式超音波312は、高密度焦点式超音波トランスデューサ306の焦点318において焦点に持ち込まれてもよい。対象台328上に存在する対象326がある。高密度焦点式超音波システム302は、対象台328の下に取り付けられる。
対象326内にオブジェクト320がある。オブジェクトはたとえば骨組織であってもよい。焦点318はオブジェクト320内にある。オブジェクト320は表面322をもつ。表面322を取り囲む、超音波312が交差する加熱ゾーン324がある。焦点318を持ち込んで表面322上の複数の点を照射する代わりに、表面322の大きな領域が同時に照射されてもよいことが見て取れる。
高密度焦点式超音波システムは、コンピュータ・システム330のハードウェア・インターフェース332に接続されている。コンピュータ・システムはさらに、ハードウェア・インターフェース332に接続されているプロセッサ334を有する。ハードウェア・インターフェース332は、プロセッサ334が、医療装置300のさまざまなコンポーネントを制御し、動作させることができるようにする。
プロセッサ334は、さらにユーザー・インターフェース336、コンピュータ記憶338およびコンピュータ・メモリ340に接続されているものとして示されている。
コンピュータ記憶338は、表面データ342を含むものとして示されている。コンピュータ記憶338はさらにトランスデューサ・スイッチング・コマンド334を含むものとして示されている。トランスデューサ・スイッチング・コマンド334は、表面データ342を使って決定されてもよい。
コンピュータ・メモリ340は、制御モジュール350を含むものとして示されている。制御モジュール350は、プロセッサ334が医療装置300の動作および機能を制御できるようにするためのコンピュータ実行可能命令を有する。たとえば、制御モジュール350は、高密度焦点式超音波システム302の動作を制御するためにトランスデューサ・スイッチング・コマンド344を使ってもよい。コンピュータ・メモリ340は、トランスデューサ素子モデル352をさらに有するものとして示されている。トランスデューサ素子モデル352は、トランスデューサ・スイッチング・コマンド344を決定または計算するために、トランスデューサ・スイッチング・コマンド生成モジュール354によって、表面データ342と関連して使用されてもよい。
図5は、本発明のさらなる実施形態に基づく医療装置500を示している。図5に示される医療装置500は図3および図4に示されるものと同様だが、医療撮像システム502が加わっている。この図では、医療装置500がさらに、撮像ゾーン504から医療撮像データ506を取得するよう動作可能な医療撮像システム502を有することが見て取れる。コンピュータ記憶338は、医療画像データ506および該医療画像データ506から再構成された一つまたは複数の医療画像508を含むものとして示されている。
コンピュータ・メモリ340は、画像再構成モジュール510を含むものとして示されている。画像再構成モジュールは、プロセッサ344が医療撮像データ506から医療画像508を再構成できるようにするコンピュータ実行可能コードを含んでいる。コンピュータ・メモリ340はさらに、画像セグメンテーション・モジュール512を含むものとして示されている。画像セグメンテーション・モジュールは、プロセッサ334が医療画像508から表面データ342を生成できるようにするよう、表面データ生成モジュール514との関連で使用されてもよい。医療撮像システム502が、磁気共鳴撮像、コンピュータ断層撮影および診断超音波のような多くの型の医療撮像システムの一般的な表現であることが意図されていることを注意しておくべきである。
図6は、本発明のさらなる実施形態に基づく医療装置600を示している。図6に示される実施形態は図5に示したものと同様だが、この場合には、医療撮像システムは磁気共鳴撮像システム602となっている。図6では、医療装置600はさらに、磁気共鳴撮像システム602を有する。
磁気共鳴撮像システム602は、磁石604を有するものとして示されている。磁石604は、円筒型の超伝導磁石であり、その中心を通るボア606をもつ。磁石604は、超伝導コイルをもつ液体ヘリウム冷却クライオスタットを有する。永久磁石または抵抗性の磁石を使うことも可能である。異なる型の磁石の使用も可能である。たとえば、分割円筒型磁石といわゆる開放型磁石の両方を使うことも可能である。分割円筒型磁石は標準的な円筒型磁石と同様だが、磁石のアイソ面(iso-plane)へのアクセスを許容するようクライオスタットが二つのセクションに分割されている。そのような磁石はたとえば、荷電粒子線療法との関連で使用されることがある。開放型磁石は上下二つの磁石セクションをもち、その中間の空間が対象を受け容れるのに十分な大きさとなっている。二つのセクションの配置はヘルムホルツ・コイルの配置と同様である。開放型磁石は、対象者がそれほど閉じ込められないので、人気がある。円筒型磁石のクライオスタットの内部では、超伝導コイルの集合がある。円筒型磁石のボア内では、磁場が磁気共鳴撮像を実行するのに十分強く、一様である撮像ゾーン504がある。いくつかの実施形態では、機械的アクチュエータ/電源310は磁石604のボア606の外部に位置される。
やはり磁石のボア内に、磁石の撮像ゾーン504内の磁気スピンを空間的にエンコードするよう磁気共鳴データの収集のために使われる傾斜磁場コイル610がある。傾斜磁場コイル610は傾斜磁場コイル電源612に接続されている。この傾斜磁場コイルは代表的である。典型的には、傾斜磁場コイルは、三つの直交する空間方向における空間エンコードのために別個の三組のコイルを含む。傾斜磁場電源612は傾斜磁場コイルに電流を供給する。磁場コイルに供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ状にされたり(ramped)および/またはパルス状にされたり(pulsed)してもよい。
撮像ゾーン504に隣接して、高周波コイル614がある。高周波コイル614は高周波トランシーバ616に接続されている。やはり磁石604のボア内には、対象台328の上に安置され、部分的に撮像ゾーン504内にはいる対象618がある。
撮像ゾーン504に隣接して、撮像ゾーン504内の磁気スピンの配向を操作するためおよびやはり撮像ゾーン504内のスピンからの電波放出を受信するための高周波コイル614がある。高周波コイル614は複数のコイル要素を含んでいてもよい。高周波コイル614は、チャネルまたはアンテナと称されてもよい。高周波コイルは高周波トランシーバ616に接続されている。高周波コイル614および高周波トランシーバ616は、別個の送信および受信コイルおよび別個の送信器および受信器によって置き換えられてもよい。高周波コイル614および高周波トランシーバ616は代表的であることが理解される。高周波コイル614は、専用の送信アンテナおよび専用の受信アンテナをも代表することが意図されている。同様に、トランシーバ616は、別個の送信機および別個の受信器をも代表してもよい。
傾斜磁場コイル電源612および高周波トランシーバ616はコンピュータ/システム330のハードウェア・インターフェース332にも接続されている。コンピュータ・システム330およびその記憶338およびメモリ340の内容は、図3および図5に示したものと等価である。
コンピュータ記憶338はさらに、パルス・シーケンス620を含むものとして示されている。本稿で使われるところのパルス・シーケンスは、磁気共鳴撮像データの収集を制御するためのコマンドを生成するために使用されうる一組のコマンドまたはデータである。この実施形態では、医療撮像データ506は磁気共鳴データである。コンピュータ記憶338はさらに、処置計画622を含むものとして示されている。処置計画は、ある継続時間にわたってある温度より上まで加熱されるべき対象326の領域を記述するデータを含んでいてもよい。この実施形態では、トランスデューサ・スイッチング・コマンド生成モジュール354は、トランスデューサ・スイッチング・コマンド344の生成において、さらに処置計画622を使ってもよい。コンピュータ記憶338はさらに、磁気共鳴撮像システム602を制御するためにパルス・シーケンス620を使って収集された熱磁気共鳴データ624を含むものとして示されている。コンピュータ記憶338はさらに、熱磁気共鳴データ624を使って再構成された熱マップ626を含むものとして示されている。
コンピュータ・メモリ340は、さらに高密度焦点式超音波制御モジュール628を含むものとして示されている。高密度焦点式超音波制御モジュール628は、プロセッサ338が、処置計画622および熱マップ628を使う閉じた制御ループとして機能して、加熱体積324を照射または加熱するよう高密度焦点式超音波システム302を制御することができるようにするコンピュータ実行可能コードを含む。
図7は、超音波トランスデューサ素子が、加熱体積324を加熱するためにどのようにスイッチングされうるかを示す図である。線306は超音波トランスデューサ306を表わし、その表面を横断して複数の超音波トランスデューサ素子を有している。超音波は焦点318に合焦される。312によって表わされる表面312は、対象326内の骨のような構造を表わす。線322はオブジェクト312の表面を表わす。表面322のまわりの破線324は加熱体積324を表わす。超音波トランスデューサ306上に、超音波トランスデューサ素子がアクティブであるまたはオンにされている領域700と、超音波トランスデューサ素子がオフにされている第二の領域702があることが見て取れる。超音波トランスデューサ素子のグループ700からの超音波は表面322に交差し、加熱ゾーン324を加熱する。超音波トランスデューサ306は、超音波ビームの重心704が表面322とできるだけ垂直になるよう機械的に位置決めされた。これは、加熱体積324の加熱効率を高め、散乱超音波のリスクを低減する。
本発明は、図面および上記の記述において詳細に図示され、説明されているが、そのような図示および説明は、例解または例示するものであり、制約するものではないと考えられるものである。本発明は開示されている実施形態に限定されるものではない。
ここに記載した本発明の実施形態は、現行の骨処置パラダイムに関係するいくつかの問題を解決することがある。第一に、現行の処置パラダイムでは、アブレーションのために焦点が使われるか近距離場が使われるかにかかわらず、療法のためにはいくつかの照射が必要とされる。各照射は準備のための時間、冷却時間などがかかり、処置を長引かせ、患者に不快感を引き起こす。患者は典型的には重病であり、処置の間を通じてじっとしていることが難しい。ここに記載した処置パラダイムでは、療法照射の回数が最小限にされることができ、処置がより高速で、より耐えられるものとなる。第二に、現行の処置パラダイムでは、アブレーションのために焦点が使われるか近距離場が使われるかにかかわらず、ビーム角が骨表面にできるだけ垂直となることを保証するために、トランスデューサが常に機械的に回転される必要がある。時に、トランスデューサ・アレイを作動〔アクチュエーション〕させるために使われる機構はこれを達成することができない。また、大きなトランスデューサ角を求める設計上の要求は、機械的な設計には不都合を引き起こす。また、機構がサポートできる骨表面角を達成するよう患者の位置を直すことは、時間がかかることがあり、患者にとって苦痛であることがある。ここでの処置パラダイムでは、トランスデューサの一方の側に重みをかけたアクティブ要素パターンを選ぶことによって、効果的なビーム入射角が電子的に変更できる。第三に、現行の処置パラダイムでは、処置のために近距離場が使われる場合、焦点の位置における意図されない組織損傷の危険がある。この損傷は、ここに記載される脱合焦技法を使って最小限にされることができる。第四に、現行の処置パラダイムでは、焦点が所望される標的上に局在化されるようトランスデューサを患者から遠くに位置決めすることは難しいことがしばしばである。これは、患者の位置決めの困難および遅延ならびに上下に重ねたいくつかのゲル・パッドの必要性につながっていた。ここに記載される処置パラダイムは、トランスデューサ、患者のより近くでのトランスデューサの位置決めを可能にするであろう。
本発明の実施形態に基づく装置は、可能性としては、HIFU骨療法を実行するために使われてもよい。この処置パラダイムの骨療法では、可能な作業フローは次のようなものとなるであろう。
1.ユーザーがどこで加熱が所望されているかの骨表面領域を同定する。
2.システム/ユーザーが、最適なトランスデューサの機械的位置/素子スイッチ・オフ・パターンを選ぶ。決定は、以下のような事情を考慮に入れてなされる。
・処置のために近距離場が使われる。
・処置位置における近距離場の形状が標的表面の形状にできるだけよくマッチする。このようにして、加熱は、標的表面のあらゆるところで同時に達成される。骨処置のための電力要求は比較的低いので、処置結果を危うくすることなく、素子の大半がスイッチ・オフされることさえできる。
・機構が提供できるより大きなトランスデューサ角が必要とされる場合、トランスデューサの前記側に重みがあるよう、要素スイッチ・オフ・パターンが選ばれる。このようにして、トランスデューサを機械的に動かすことなく、有効ビーム角が制御できる(図7参照)。
・膜(および標的)からのトランスデューサ距離は、鮮鋭な場のエッジが達成されるよう最適化され、意図されない領域における加熱のリスクが最小限にされる。
3.必要と見られれば、試験照射が実行されてもよい。
4.処置照射が実行される。入念な計画により、一回の照射が処置の実行に十分となろう。
5.標的の背後のどこかに位置する幾何学的な焦点における意図されない損傷を避けるため、幾何学的な焦点において最小点の干渉しか生じないよう、個々の素子の位相が選ばれる。
・すべての素子が使われる場合、最も簡単なアプローチは、各トランスデューサ素子の位相を、ラジアル座標系(radial coordinate system)で表わしたトランスデューサ上でのその素子の物理的な座標と同じ度数だけ変えることであろう。このようにして、トランスデューサ表面上の向かい合う素子は常に180°の位相差をもつことになる。理論上は、すべての素子からの音響ビームは幾何学的焦点においては互いに打ち消し合うはずである。
・要素のいくつかがスイッチ・オフされる場合、同じ原理が当てはまる。第一に、アクティブ・トランスデューサ素子パターンの重みの中心が決定される。次いで、この中心から互いに反対側にある素子が常に互いに打ち消し合うよう、素子の位相が選ばれる。アクティブ素子パターンがより対称的であるほど、これは簡単になる。
・焦点における最小限の干渉を達成するための他の方法もきっと存在するはずである。
骨表面上の温度をさらに制御するため、超音波照射の間、個々の素子のパワーを制御するために、いくつかの実施形態では、温度撮像フィードバックが使われることができる。このようにして、骨表面に対する一層均等な加熱が達成されるであろう。
ここに記載される技法は、骨以外の他の用途のために適用されることもできる。一回の療法照射しかないより高速な処置は、処置の際の麻酔の使用をより簡単かつよりリスクが少ないものとするはずである。これは、患者が覚醒している間に計画立案ができるという利点をもちうる。速効性で比較的軽い麻酔は、処置照射によって必要とされる一〜二分だけのために投与されることができる。
開示される実施形態に対する他の変形が、図面、本開示および付属の請求項を吟味することから、特許請求される発明を実施する際に、当業者によって理解され、実施されることができる。請求項において、「有する/含む」の語は、他の要素または段階を排除せず、単数形の表現は複数を排除しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、請求項に記載されるいくつかの項目の機能を充足してもよい。ある種の施策が互いに異なる従属請求項において記載されているというだけの事実が、それらの施策の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータ・プログラムは、他のハードウェアと一緒にまたは他のハードウェアの一部として供給される、光記憶媒体または半導体媒体のような好適な媒体上で記憶/頒布されてもよいが、インターネットまたは他の有線もしくは無線の遠隔通信システムなどを介して他の形で頒布されてもよい。請求項に参照符号があったとしても、その範囲を限定すると解釈されるべきではない。
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
医療装置であって、
・加熱ゾーン中に体積超音波ビームを発するトランスデューサ素子を含む超音波トランスデューサ・アレイを備える高密度焦点式超音波(HIFU)療法システムと;
・当該医療装置を制御するプロセッサとを有しており、
前記プロセッサは、
・前記トランスデューサ・アレイの位置に対する、処置されるべき表面領域の位置を表わす表面データを受領する段階と;
・前記表面データに基づいて、前記トランスデューサ素子を制御するための一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定する段階と;
・前記体積超音波ビームを、
(i)前記体積超音波ビームの近距離場における、ビームの伝搬方向に沿った主軸に対して横方向の、前記体積超音波ビームの断面の位置が、前記表面領域の位置に対応し、
(ii)前記表面の位置に対応する前記断面において、前記体積超音波ビームのエネルギー密度が事前設定された療法閾値を超え、
(iii)前記体積超音波ビームを脱合焦させるよう、
発する段階とを実行するよう構成されている、
医療装置。
〔態様2〕
前記トランスデューサ・スイッチング・コマンドはさらに、前記体積超音波ビームの主軸を、前記表面領域に対して横方向のビームの伝搬方向に沿って配向させるよう決定される、態様1記載の医療装置。
〔態様3〕
・機械実行可能命令を記憶するメモリと;
・当該医療装置を制御するプロセッサとを有しており、
前記命令の実行が前記プロセッサに:
・前記トランスデューサ・アレイの位置に対して前記加熱体積の位置を定義する、処置されるべき前記表面領域の位置を表わす表面データを受領する段階と;
・前記加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定する段階であって、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、前記処置されるべき表面領域を包含するよう前記加熱体積の断面形状を制御するための、所定の強度より上または下の、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む、段階と;
・前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて前記高密度焦点式超音波システムを制御する段階とを実行させる、
態様1記載の医療装置。
〔態様4〕
前記超音波トランスデューサ・アレイが焦点をもち、前記加熱体積は前記超音波トランスデューサと前記焦点との間である、態様1記載の医療装置。
〔態様5〕
前記焦点は電子的に制御可能な焦点であり、前記トランスデューサ・スイッチング・コマンドはさらに、前記複数のトランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を含み、前記命令の実行は、前記プロセッサに、前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させるよう、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を決定させる、態様4記載の医療装置。
〔態様6〕
前記複数のトランスデューサ素子から選ばれるトランスデューサ素子は、前記複数のトランスデューサ素子から選ばれる最も近い隣接トランスデューサ素子をもち、前記トランスデューサ素子の位相値および前記最も近い隣接トランスデューサ素子の位相値は所定の位相値内である、態様5記載の医療装置。
〔態様7〕
前記命令の実行は、前記プロセッサに、前記電子的に制御可能な焦点の脱合焦を引き起こすよう、前記超音波トランスデューサ・アレイを横断して位相値に所定の勾配があるよう、前記前記複数のトランスデューサ素子に位相値を割り当てさせる、態様5または6記載の医療装置。
〔態様8〕
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記複数のトランスデューサ素子を諸グループに分割させ、前記諸グループから選択されたあるグループ内の前記複数のトランスデューサ素子の各素子の位相値は同一である、態様5記載の医療装置。
〔態様9〕
前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有し、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに:
・前記表面データおよび前記超音波トランスデューサ素子モデルを使って、前記加熱体積に超音波エネルギーを集中させるよう前記アクチュエータを位置決めするようアクチュエータ・コマンドを決定する段階と;
・前記アクチュエータ・コマンドを使って前記アクチュエータを制御する段階とを実行させる、
態様1ないし8のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様10〕
前記アクチュエータ・コマンドは、前記機械的アクチュエータに、該アクチュエータを前記加熱ゾーンのより近くに移動させること、前記標的ゾーンの断面積を増大させるよう該アクチュエータを移動および/または回転させることおよびそれらの組み合わせの任意の一つを実行させる、態様8記載の医療装置。
〔態様11〕
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに:
・前記超音波トランスデューサ素子モデルを使って、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて、前記表面との入射角を決定する段階と;
・前記入射角が所定の角度範囲外である前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれに、ある所定の強度より下の強度レベルを割り当てる段階とを実行させる、
態様1ないし10のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様12〕
前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有し、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに:
・前記複数の超音波トランスデューサ素子のうち何個が前記所定の範囲外の入射角をもつかを減らすアクチュエータ・コマンドを決定する段階と;
・前記アクチュエータ・コマンドを使って前記アクチュエータを制御する段階とを実行させる、
態様12記載の医療装置。
〔態様13〕
当該医療装置はさらに、撮像体積から医療画像データを収集するための医療撮像システムを有し、前記加熱体積は前記撮像体積内であり、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記医療画像データを収集させ、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記医療画像データにおいて前記加熱位置データを指定することによって前記表面データを受領させる、態様1ないし12のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様14〕
前記医療撮像システムは、少なくとも前記加熱体積から熱磁気共鳴データを収集するよう動作可能な磁気共鳴撮像システムであり、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれは調整可能な振幅または強度をもち、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに:
・前記加熱ゾーンにおける温度を記述する処置計画を受領する段階と;
・前記熱磁気共鳴データを収集する段階と;
・前記熱磁気共鳴データを使って熱マップを計算する段階と;
・前記熱マップおよび前記処置計画に従って前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて強度調整を決定する段階と;
・前記強度調整を使って前記複数の超音波トランスデューサ素子の強度を制御する段階とを実行させる、
態様12記載の医療装置。
〔態様15〕
医療装置を制御するプロセッサによる実行のためのコンピュータ・プログラムであって、前記医療装置は、高密度焦点式超音波システムを有し、前記高密度焦点式超音波システムは、加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有し、前記超音波トランスデューサ・アレイは、複数の超音波トランスデューサ素子を有し、前記命令の実行は、前記プロセッサに:
・表面の位置を記述する表面データを受領させる段階であって、前記表面データは、前記加熱体積の位置を定義する、段階と;
・前記加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを割り当てる段階であって、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、前記表面を包含するよう前記加熱体積の断面形状を制御するための、所定の強度より上または下の、前記複数の前記超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む、段階と;
・前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて前記高密度焦点式超音波システムを制御することによって、前記加熱体積を加熱する段階とを実行させる、
コンピュータ・プログラム。
300 医療装置
302 高密度焦点式超音波
304 流体で満たされたチャンバ
306 超音波トランスデューサ
308 機構
310 機械的アクチュエータ/電源
312 超音波の経路
314 超音波窓
316 ゲル・パッド
318 焦点
320 オブジェクト
322 オブジェクトの表面
324 加熱体積
326 被験体
328 被験体台
330 コンピュータ
332 ハードウェア・インターフェース
334 プロセッサ
336 ユーザー・インターフェース
338 コンピュータ記憶
340 コンピュータ・メモリ
342 表面データ
344 トランスデューサ・スイッチング・コマンド
350 制御モジュール
352 トランスデューサ素子モデル
354 トランスデューサ・スイッチング・コマンド生成モジュール
500 医療装置
502 医療撮像システム
504 撮像ゾーン
506 医療撮像データ
508 医療画像
510 画像再構成モジュール
512 画像セグメンテーション・モジュール
514 表面データ生成モジュール
600 医療装置
602 磁気共鳴撮像システム
604 磁石
606 磁石のボア
610 傾斜磁場コイル
612 傾斜磁場コイル電源
614 高周波コイル
616 高周波トランシーバ
620 パルス・シーケンス
622 処置計画
624 熱磁気共鳴データ
626 熱マップ
628 高密度焦点式超音波制御モジュール
700 アクティブなトランスデューサ
702 アクティブでないトランスデューサ
704 超音波ビームの重心

Claims (15)

  1. 医療装置であって、
    標的体積を加熱するよう体積超音波ビームを発する複数のトランスデューサ素子を含む超音波トランスデューサ・アレイを備える高密度焦点式超音波(HIFU)療法システムと;
    ・当該医療装置を制御するプロセッサとを有しており、
    前記プロセッサは、
    ・前記トランスデューサ・アレイの位置に対する、前記標的体積の表面領域の位置を表わす表面データを受領する段階と;
    ・前記表面データに基づいて、前記体積超音波ビームを発するよう前記トランスデューサ素子を制御するための一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定する段階と;
    ・前記体積超音波ビームを発する段階であって
    (i)前記体積超音波ビームの近距離場内の前記体積超音波ビームが、前記表面領域の位置において、ビームの伝搬方向に沿った主軸に対して横方向の断をもち
    (ii)前記表面領域の位置における前記断面において、前記体積超音波ビームのエネルギー密度が事前設定された療法閾値を超え、かつ
    (iii)前記体積超音波ビームは、前記表面領域において療法効果を誘起し、かつ意図しない超音波ホットスポットを回避するよう脱合焦されている
    階とを実行するよう構成されている、
    医療装置。
  2. 前記トランスデューサ・スイッチング・コマンドはさらに、前記体積超音波ビームの主軸を、前記表面領域に対して横方向のビームの伝搬方向に沿って配向させるよう決定される、請求項1記載の医療装置。
  3. 前記プロセッサがさらに
    ・超音波トランスデューサ素子モデルを使って前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定する段階であって、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、前記表面領域を包含するよう前記体積超音波ビームの断面形状を制御するための、所定の強度より上または下の、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む、段階と;
    前記標的体積を加熱するよう前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて前記高密度焦点式超音波システムを制御する段階とを実行させる、
    請求項1記載の医療装置。
  4. 前記超音波トランスデューサ・アレイが焦点をもち、前記標的体積は前記超音波トランスデューサと前記焦点との間である、請求項1記載の医療装置。
  5. 前記焦点は電子的に制御可能な焦点であり、前記トランスデューサ・スイッチング・コマンドはさらに、前記複数のトランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を含み、前記プロセッサ、前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させるよう、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を決定するよう構成されている、請求項4記載の医療装置。
  6. 前記複数のトランスデューサ素子から選ばれるトランスデューサ素子は、前記複数のトランスデューサ素子から選ばれる最も近い隣接トランスデューサ素子をもち、前記トランスデューサ素子の位相値および前記最も近い隣接トランスデューサ素子の位相値は所定の位相値内である、請求項5記載の医療装置。
  7. 記プロセッサ、前記電子的に制御可能な焦点の脱合焦を引き起こすよう、前記超音波トランスデューサ・アレイを横断して位相値に所定の勾配があるよう、前記複数のトランスデューサ素子に位相値を割り当てるよう構成されている、請求項5または6記載の医療装置。
  8. 記プロセッサさらに、前記複数のトランスデューサ素子を諸グループに分割するよう構成されており、前記諸グループから選択されたあるグループ内の前記複数のトランスデューサ素子の各素子の位相値は同一である、請求項5記載の医療装置。
  9. 前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有し、前記プロセッサさらに:
    ・前記表面データおよび前記超音波トランスデューサ素子モデルを使って、前記標的体積に超音波エネルギーを集中させるよう前記機械的アクチュエータを位置決めするようアクチュエータ・コマンドを決定する段階と;
    ・前記アクチュエータ・コマンドを使って前記機械的アクチュエータを制御する段階とを実行するよう構成されている
    請求項記載の医療装置。
  10. 前記アクチュエータ・コマンドは、前記機械的アクチュエータに、該アクチュエータを前記標的体積のより近くに移動させること、前記断面を増大させるよう該アクチュエータを移動および/または回転させることおよびそれらの組み合わせの任意の一つを実行させる、請求項記載の医療装置。
  11. 記プロセッサさらに:
    ・前記超音波トランスデューサ素子モデルを使って、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて、前記表面領域との入射角を決定する段階と;
    ・前記入射角が所定の角度範囲外である前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれに、ある所定の強度より下の強度レベルを割り当てる段階とを実行するよう構成されている
    請求項記載の医療装置。
  12. 前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有し、前記プロセッサさらに:
    ・前記複数の超音波トランスデューサ素子のうち何個が前記所定の範囲外の入射角をもつかを減らすアクチュエータ・コマンドを決定する段階と;
    ・前記アクチュエータ・コマンドを使って前記機械的アクチュエータを制御する段階とを実行するよう構成されている
    請求項11記載の医療装置。
  13. 当該医療装置はさらに、撮像体積から医療画像データを収集するための医療撮像システムを有し、前記撮像体積が前記標的体積を含み、前記プロセッサさらに、前記医療画像データを収集し、前記医療画像データにおいて加熱位置を指定することによって前記表面データを受領するよう構成されている、請求項1ないし12のうちいずれか一項記載の医療装置。
  14. 前記医療撮像システムは、少なくとも前記標的体積から熱磁気共鳴データを収集するよう動作可能な磁気共鳴撮像システムであり、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれは調整可能な振幅または強度をもち、前記プロセッサさらに:
    ・前記標的体積における温度を記述する処置計画を受領する段階と;
    ・前記熱磁気共鳴データを収集する段階と;
    ・前記熱磁気共鳴データを使って熱マップを計算する段階と;
    ・前記熱マップおよび前記処置計画に従って前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて強度調整を決定する段階と;
    ・前記強度調整を使って前記複数の超音波トランスデューサ素子の強度を制御する段階とを実行するよう構成されている
    請求項13記載の医療装置。
  15. 医療装置を制御するプロセッサによる実行のためのコンピュータ・プログラムであって、前記医療装置は、高密度焦点式超音波システムを有し、前記高密度焦点式超音波システムは、加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有し、前記超音波トランスデューサ・アレイは、複数の超音波トランスデューサ素子を有し、前記コンピュータ・プログラムは、前記プロセッサに:
    前記加熱体積の表面領域の位置を記述する表面データを受領させる段階と
    ・前記表面データに基づいて、体積超音波ビームを発するよう前記超音波トランスデューサ素子を制御するための一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定する段階と;
    ・前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて前記体積超音波ビームを発するよう前記高密度焦点式超音波システムを制御することによって、前記加熱体積を加熱する段階であって、
    (i)前記体積超音波ビームの近距離場内の前記体積超音波ビームが、前記表面領域の位置において、ビームの伝搬方向に沿った主軸に対して横方向の断面をもち、
    (ii)前記表面領域の位置における前記断面において、前記体積超音波ビームのエネルギー密度が事前設定された療法閾値を超え、かつ
    (iii)前記体積超音波ビームは、前記表面領域において療法効果を誘起し、かつ意図しない超音波ホットスポットを回避するよう脱合焦されている、
    段階とを実行するような制御を実行させる、
    コンピュータ・プログラム。
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