最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る無線通信装置は、交通情報を無線伝送するための主局および従局を備える無線通信システム、における無線通信装置であって、前記無線通信装置は、前記主局および前記従局の少なくともいずれか一方として使用可能であり、前記交通情報を含む無線信号を送信または受信する無線通信部と、前記無線通信部による前記交通情報の通信状況を認識可能に表示する制御を行なう表示制御部とを備える。
このような構成により、無線通信システムの保守作業において、設置されている各無線通信装置の通信状況、すなわち交通情報の通信状況を容易に把握することができるため、無線通信装置にPC等を接続して通信状況を確認する作業を行なう必要がなくなる。したがって、交通情報を無線伝送する無線通信システムの保守作業を効率的に行なうことができる。
(2)好ましくは、前記表示制御部は、所定の前記通信状況を表示する場合に、自己の前記無線通信装置が前記主局であるか前記従局であるかに応じて表示内容を変更する。
このような構成により、無線通信装置が主局であるか従局であるかを容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(3)より好ましくは、前記表示制御部は、前記無線通信部が前記交通情報を受信した状況を表示する場合に、自己の前記無線通信装置が前記主局であるか前記従局であるかに応じて表示内容を変更する。
このように、交通情報を受信した状況の表示内容を主局および従局の別に応じて変更する構成により、確認容易性を向上させることができる。また、無線局間の交通情報の通信状況をより実質的に表現することができる。
(4)好ましくは、前記交通情報は、車両の感知の有無を示す接点情報および前記接点情報と異なる情報であるシリアル情報を含み、前記無線通信システムにおいては、前記接点情報を含むパケットが前記主局およびすべての前記従局を経由することが可能であり、前記シリアル情報を含むパケットが対応の前記従局および前記主局間で送受信され、前記表示制御部は、前記接点情報の通信状況であるか前記シリアル情報の通信状況であるかに応じて表示対象を変更する。
このような構成により、伝送される交通情報の種類に応じた表示内容に基づき、より詳細な通信状況を把握することができる。
(5)好ましくは、前記無線通信システムにおいては、前記主局から送信されたパケットがすべての前記従局を経由して前記主局に戻ることが可能であり、かつ各前記従局が前記交通情報を前記パケットに含めることが可能であり、前記主局または前記従局は、自局に対して前記主局から前記従局への下り方向側に接続された前記従局である下位局へ前記パケットを所定回数送信しても、前記下位局から自局へ前記パケットが戻ってこない場合、前記パケットの送信先から前記下位局を除外し、他の前記下位局または前記主局へ前記パケットを送信し、前記表示制御部は、自己の前記無線通信装置が前記主局であり、かつ前記無線通信部が前記パケットを受信した状況を表示する場合に、前記パケットがすべての前記従局を経由したか否かに応じて表示内容を変更する。
このような構成により、交通情報を含むパケットの通信状況をより詳しく把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(6)好ましくは、前記表示制御部は、発光素子を用いて前記通信状況を表示する。
このような構成により、通信状況をより直感的に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(7)本発明の実施の形態に係る無線通信装置は、交通情報を無線伝送するための主局および1または複数の従局を備える無線通信システム、における無線通信装置であって、前記無線通信装置は、前記主局および前記従局の少なくともいずれか一方として使用可能であり、前記交通情報を含む無線信号を送信または受信する無線通信部と、前記無線通信システムにおける前記主局および前記従局の接続形態、ならびに前記接続形態における前記主局および自己の前記無線通信装置を認識可能に表示する制御を行なう表示制御部とを備える。
このような構成により、無線通信システムの保守作業において、設置されている各無線通信装置のうち、いずれの無線通信装置が主局であるか等、ネットワーク構成を容易に把握することができるため、無線通信装置にPC等を接続して当該無線通信装置が主局であるか等を確認する作業を行なう必要がなくなる。したがって、交通情報を無線伝送する無線通信システムの保守作業を効率的に行なうことができる。
(8)好ましくは、前記表示制御部は、並んで配置された複数の発光素子において、前記接続形態における前記主局および前記従局と前記発光素子とを前記接続形態における接続順に対応付け、対応付けた各前記発光素子を点灯させ、前記表示制御部は、対応付けた前記各発光素子のうち、自己の前記無線通信装置に対応する前記発光素子の点灯内容を他の前記発光素子の点灯内容と異ならせる。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、自己の無線通信装置を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(9)より好ましくは、前記表示制御部は、前記主局に対応する前記発光素子と前記従局に対応する前記発光素子との間に位置する前記発光素子を滅灯させるように制御する。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、主局および従局の区切りを容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(10)より好ましくは、前記無線通信システムは、さらに、前記主局および前記従局間において前記交通情報を中継する中継局を備え、前記無線通信装置は、前記主局、前記従局および前記中継局のうちの少なくともいずれか1つとして使用可能であり、前記表示制御部は、並んで配置された複数の発光素子において、前記接続形態における前記主局、前記中継局および前記従局と前記発光素子とを前記接続形態における接続順に対応付け、対応付けた各前記発光素子を点灯させ、前記表示制御部は、さらに、前記中継局に対応する前記発光素子と前記主局および従局に対応する前記発光素子との間に位置する各前記発光素子を滅灯させるように制御する。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、主局、中継局および従局の区切りを容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(11)好ましくは、前記表示制御部は、並んで配置された複数の発光素子と前記無線通信システムにおける前記主局および前記従局とを、前記主局および前記従局にそれぞれ付与された番号に基づいて対応付け、対応付けた各前記発光素子を点灯させ、前記表示制御部は、前記接続形態における接続順に応じて前記発光素子の点灯内容を異ならせる。
このような構成により、各無線局の番号を参照しながら通信解析を行なう場合等、各無線局の番号を用いて無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(12)より好ましくは、前記表示制御部は、対応付けた前記各発光素子のうち、自己の前記無線通信装置に対応する前記発光素子の点灯内容を他の前記発光素子の点灯内容と異ならせる。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、自己の無線通信装置を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(13)より好ましくは、前記表示制御部は、対応付けた前記各発光素子において、前記発光素子が前記主局に対応するか前記従局に対応するかに応じて前記発光素子の点灯内容を変更する。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、主局および従局の別を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(14)より好ましくは、前記表示制御部は、前記従局に対応する前記発光素子を点滅させ、前記接続形態における前記主局から前記従局への方向に、前記発光素子の点滅速度を順次速くする。
このような構成により、ネットワーク構成の詳細をより直感的に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(15)より好ましくは、前記表示制御部は、前記各発光素子のうち、自己の前記無線通信装置に対応する前記発光素子を、さらに、周期的に滅灯させ、滅灯させる期間を、最も遅い点滅速度で点滅する前記発光素子の滅灯期間よりも長くする。
このような構成により、ネットワーク構成の詳細をより直感的に把握可能な表示において、自己の無線通信装置を容易に把握することができる。
(16)より好ましくは、前記表示制御部は、前記主局に対応する前記発光素子を常時点灯させる。
このような構成により、ネットワーク構成の詳細をより直感的に把握可能な表示において、主局を容易に把握することができる。
(17)より好ましくは、前記無線通信システムは、共通の前記主局を一方の端点として直列接続された前記主局および前記従局の組を複数備え、前記表示制御部は、並んで配置された複数の発光素子の組が各前記発光素子の配置方向と交差する方向に複数設けられた表示部において、前記主局および前記従局の組と前記発光素子の組とを対応付け、対応付けた前記組の前記各発光素子を点灯させる。
このような構成により、無線通信システムにおいて主局から従局への接続ラインが分岐している場合に、このようなネットワーク構成の詳細を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
(18)より好ましくは、前記表示制御部は、前記主局および前記従局の組の数が前記発光素子の組の数よりも多い場合、前記発光素子の組と前記主局および前記従局の組との対応関係を変更可能である。
このような構成により、無線通信システムにおいて主局から従局への接続ラインの分岐が多い場合に、限られた表示リソースの中でネットワーク構成の詳細を容易に把握することができる。
(19)本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、主局および従局を備える無線通信システムであって、前記主局および前記従局の少なくともいずれか一方は、交通情報を含む無線信号を送信または受信する無線通信部と、前記無線通信部による前記交通情報の通信状況を認識可能に表示する制御を行なう表示制御部とを含む。
このような構成により、無線通信システムの保守作業において、設置されている各無線通信装置の通信状況、すなわち交通情報の通信状況を容易に把握することができるため、無線通信装置にPC等を接続して通信状況を確認する作業を行なう必要がなくなる。したがって、交通情報を無線伝送する無線通信システムの保守作業を効率的に行なうことができる。
(20)本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、主局および1または複数の従局を備える無線通信システムであって、前記主局および前記従局の少なくともいずれか一方は、交通情報を含む無線信号を送信または受信する無線通信部と、前記無線通信システムにおける前記主局および前記従局の接続形態、ならびに前記接続形態における前記主局および自己の前記主局または前記従局を認識可能に表示する制御を行なう表示制御部とを含む。
このような構成により、無線通信システムの保守作業において、設置されている各無線通信装置のうち、いずれの無線通信装置が主局であるか等、ネットワーク構成を容易に把握することができるため、無線通信装置にPC等を接続して当該無線通信装置が主局であるか等を確認する作業を行なう必要がなくなる。したがって、交通情報を無線伝送する無線通信システムの保守作業を効率的に行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線通信システム301は、主局101と、1または複数の従局202と、無線LANネットワーク201と、複数の端末A〜Eとを備える。無線LANネットワーク201は、1または複数の中継局151を含む。なお、無線LANネットワーク201は、1または複数の従局202を含む構成であってもよい。また、無線通信システム301は、中継局151を含まない構成であってもよい。
主局101、中継局151および従局202は、たとえば、IEEE802.11規格に従い、ISMバンド(Industry Science Medical band)である2.4GHz帯の無線信号を送受信することにより、互いに通信可能である。
以下、主局101、中継局151および従局202の各々を無線局と称する場合がある。
主局101は、無線通信システム301における各中継局151および各従局202を管理する。より詳細には、たとえば、主局101は、一定間隔で通信パケットを中継局151および従局202へ送信し、当該通信パケットに対する応答パケットを中継局151および従局202から受信する。また、主局101は、各中継局151および各従局202におけるRSSI(Received Signal Strength Indication)等の測定情報および設定情報等を参照可能である。
主局101は、端末Aと有線接続され、端末Aから受信した情報を無線信号に含めて中継局151または従局202へ送信し、中継局151または従局202から受信した無線信号に含まれる情報を端末Aへ送信する。
従局202は、端末と有線接続され、当該端末から受信した情報を無線信号に含めて主局101または中継局151へ送信し、主局101または中継局151から受信した無線信号に含まれる情報を当該端末へ送信する。図1では、3つの従局202に、端末B、端末Cおよび端末D,Eがそれぞれ接続される状態が一例として示されている。
交通管制システムに用いられる無線通信システム301では、周囲の景観の制限により大型の高利得アンテナを使用することが困難であり、1対の無線局間の伝送距離が300m前後となり、中継局が必要となる場合が多い。すなわち、中継局151は、たとえば、主局101および従局202間の距離が長い場合に配置され、主局101および従局202間でやり取りされる交通情報を中継し、また、交通情報を複数の無線局へ分岐することが可能である。また、たとえば、主局101、中継局151および従局202は、見通し内の無線伝送が可能な場所に設置される。
また、中継局151は、主局101、従局202および他の中継局151から送信された交通情報を取得し、各種処理を行なうことも可能である。また、中継局151に端末が有線接続されてもよい。この場合、中継局151および当該中継局151に接続された端末は、従局202および当該従局202に接続された端末と同様の通信動作を行なうことが可能である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの適用例を示す図である。
図2を参照して、無線通信システム301は、たとえば交通管制システム401に用いられる。交通管制システム401は、主局101と、中継局151と、3つの従局202と、中央側通信装置(TTR)160と、交通信号機161と、光ビーコン162と、画像センサ163と、超音波センサ164とを備える。中央側通信装置160、交通信号機161、光ビーコン162、画像センサ163および超音波センサ164は、図1に示す端末に相当する。
交通管制センタに設置される中央装置251は、たとえば、複数の交差点または道路等に設置された各信号灯器の灯色の全体的な制御を行なう。
より詳細には、中央装置251は、信号灯色の切り替えタイミングを示す信号制御指令情報を中央側通信装置160へ送信する。
中央側通信装置160は、中央装置251から受信した信号制御指令情報を主局101および従局202経由で交通信号機161へ送信する。
交通信号機161は、信号灯器および信号制御機を含む。信号灯器は、交差点または道路等に設置され、赤、青または黄等の灯色を切り替えて車両の運転者または歩行者に対して信号を表示する。信号制御機は、中央装置251から受信した信号制御指令情報に基づいて、信号灯器の灯色を切り替える制御を行なう。
また、信号制御機は、信号灯器の切り替え制御等、自己の動作履歴を示す信号制御実行情報を従局202および主局101経由で中央側通信装置160へ送信する。
中央側通信装置160は、信号制御機から受信した信号制御実行情報を中央装置251へ送信する。
また、中央装置251は、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)情報を作成して中央側通信装置160へ送信する。
中央側通信装置160は、中央装置251から受信したVICS情報を主局101、中継局151および従局202経由で光ビーコン162へ送信する。
光ビーコン162は、たとえば、車両に搭載された通信機と近赤外線を用いて双方向通信を行なうことが可能である。光ビーコン162は、たとえば、中央側通信装置160から受信したVICS情報を車両に提供するとともに、車両に搭載された通信機から受けた走行経路の旅行時間等の車両情報を従局202、中継局151および主局101経由で中央側通信装置160へ送信する。
画像センサ163は、車両を撮像し、当該車両の画像情報を従局202、中継局151および主局101経由で中央側通信装置160へ送信する。また、画像センサ163は、たとえば、車両の速度、通過台数または渋滞長を従局202、中継局151および主局101経由で中央側通信装置160へ送信する。
超音波センサ164は、超音波式の車両感知器であり、車両の感知の有無を2値で表すパルス信号である接点情報を従局202、中継局151および主局101経由で中央側通信装置160へ送信する。
中央側通信装置160は、光ビーコン162、画像センサ163および超音波センサ164から受信した各種情報を中央装置251へ送信する。
このように、主局101、中継局151および従局202間で送受信される交通情報には、たとえば、信号制御指令情報と、信号制御実行情報と、接点情報と、VICS情報と、車両情報とがある。また、交通情報には、たとえば、車両の画像情報と、車両の速度と、通過台数と、渋滞長とがある。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信パケットの伝送の一例を示す図である。
図3を参照して、主局101、中継局151および従局202は、通信パケットとして、たとえば、制御パケットを互いに送受信する。
制御パケットは、各無線局に対する命令および状態収集等に用いられる。具体的には、たとえば、制御パケットには、接点情報およびRSSIが挿入される。
無線通信システム301においては、制御パケットが主局101およびすべての従局202を経由することが可能である。
たとえば、無線通信システム301においては、図の太線矢印で示すように、主局101から送信された制御パケットがすべての従局202を経由して主局101に戻ることが可能であり、かつ各従局202が接点情報等の交通情報を制御パケットに含めることが可能である。
具体的には、制御パケットは、1周期の先頭タイミングにおいて1回、主局101から送信され、すべての中継局151および従局202を経由して主局101に戻る。この1周期の長さは、たとえば、デフォルト値として200msが設定されており、可変である。接点情報のサンプリング周期はたとえば10msであり、この場合、1つの制御パケットには20サンプル分の接点情報が含まれる。主局101は、制御パケットが戻ってこない場合、制御パケットの再送処理を行なう。
制御パケットは、通信パケットが定期的にすべての無線局を循環しているか、をチェックするヘルスチェックの役割を果たしている。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信パケットの伝送の一例を示す図である。
図4を参照して、主局101、中継局151および従局202は、通信パケットとして、たとえば、シリアルパケットを互いに送受信する。
シリアルパケットには、たとえば、制御パケットに含まれる接点情報等とは異なる情報であるシリアル情報が挿入される。シリアル情報は、たとえば、主局101、中継局151または従局202に接続された端末からの情報である。具体的には、シリアル情報は、たとえば、信号制御指令情報、信号制御実行情報、VICS情報または車両情報等の交通情報を含む。たとえば、シリアルパケットには、無線制御用の情報以外では、交通情報のみが含まれてもよいし、他の情報が含まれてもよい。
無線通信システム301においては、シリアルパケットが対応の従局202および主局101間で送受信される。
具体的には、たとえば、シリアルパケットは、制御パケットが主局101に戻ってきてから、1周期が終了するまでの間、一定間隔で主局101から送信される。この一定間隔の長さは、たとえば、デフォルト値として10msが設定されており、可変である。
各無線局は、シリアル情報をたとえば4チャネル並行して伝送することができる。無線局は、たとえば、シリアルパケットを1チャネルごとに順番に送信する。シリアルパケットは、主局101側の端末および従局202側の端末間でピアツーピア方式に従い、送受信される。
図4では、端末Aおよび端末B間にチャネル1が割り当てられ、端末Aおよび端末C間にチャネル2が割り当てられ、端末Aおよび端末D間にチャネル3が割り当てられ、端末Aおよび端末E間にチャネル4が割り当てられており、端末Dおよび端末Eに接続された従局202が2チャンネル分のシリアルパケットを処理する例が示されている。
上記他の情報として、FTP(File Transfer Protocol)に従う情報、およびTelnetに従う情報がシリアルパケットに含まれる場合、たとえば端末Aおよび端末B間でファイル転送および遠隔操作をそれぞれ行なうことが可能となる。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの主局による制御パケットおよびシリアルパケットの送信内容の一例を示す図である。図6は、図5に示す主局の送信内容の1周期目を詳細に示す図である。図5および図6では、1周期の長さが200msであり、送信間隔すなわち図に示す1マスが10msである場合を示している。
図5および図6を参照して、まず、主局101は、1周期Tの先頭タイミングにおいて制御パケットを送信し、当該制御パケットが戻ってくるまで待機する(NOP)。ここでは、主局101は、制御パケットを送信してから所定時間経過しても当該制御パケットが戻ってこないため、新たな制御パケットを再送している。
そして、主局101は、3回目に送信した制御パケットが戻って来たことから、シリアルパケットの送信を開始する。主局101は、チャネル1〜4のシリアルパケットを順番に送信し、チャネル2のシリアルパケットの送信で1周期Tが終了する。
次に、主局101は、2周期目の先頭タイミングにおいて制御パケットを送信し、当該制御パケットが戻ってくるまで待機する(NOP)。ここでは、主局101は、1回目に送信した制御パケットが戻って来たことから、制御パケットの再送を行なうことなくシリアルパケットの送信を開始する。主局101は、チャネル1〜4のシリアルパケットを順番に送信し、チャネル4のシリアルパケットの送信で2周期目が終了する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線通信装置の構成を示す図である。
図7を参照して、無線通信装置91は、主局101、中継局151または従局202として使用可能であり、アンテナ10と、無線通信部11と、有線通信部12と、制御部13と、操作部14と、表示部15と、記憶部16とを備える。
無線通信部11は、アンテナ10において受信された他の無線局からの無線信号をたとえばベースバンド信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換する。そして、無線通信部11は、変換したデジタル信号に対して種々の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を有線通信部12および制御部13へ出力する。このデジタル信号には、交通情報等が含まれる。
有線通信部12は、無線通信部11から受けたデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換して有線経由で端末へ送信する。
また、有線通信部12は、端末から受信した所定のフレームフォーマットのデータの一部または全部を無線通信部11へ出力する。このデータには、交通情報等が含まれる。
無線通信部11は、有線通信部12から受けたデータを制御部13へ出力するとともに、デジタル信号である当該データに対して種々の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してアンテナ10へ出力する。
無線通信装置91が中継局151として用いられる場合、無線通信部11は、アンテナ10において受信された他の無線局からの無線信号を変換したデジタル信号に対して上記信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してアンテナ10へ再び出力する。
記憶部16は、たとえば、無線通信システム301における各無線局の接続形態、ならびに主局101、従局202および中継局151の無線チャネル設定等の情報を記憶する。ユーザは、操作部14等を介して記憶部16の記憶内容を参照することが可能である。なお、記憶部16の記憶内容は、主局101、中継局151および従局202の各々で異なってもよいし、同じであってもよい。
制御部13は、無線通信部11から受けたデジタル信号に基づいて、無線通信装置91の通信状況、具体的には、無線通信部11による交通情報を含む無線信号の通信状況を監視する。
操作部14は、無線通信装置91に対するユーザからの操作を受け付け、当該操作の内容を示す操作情報を制御部13へ出力する。
制御部13は、上記通信状況の監視結果、記憶部16の記憶内容および操作情報に基づいて、制御信号を表示部15へ出力することにより、表示部15において情報を表示する。
より詳細には、制御部13は、無線通信部11による交通情報の通信状況を認識可能に表示する制御を行なう。たとえば、制御部13は、発光素子を用いて通信状況を表示する。
また、制御部13は、無線通信システム301における主局101、中継局151および従局202の接続形態、ならびに当該接続形態における主局101および自己の無線通信装置91を認識可能に表示する制御を行なう。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置における表示部および操作部の構成の一例を示す図である。
図8を参照して、操作部14および表示部15の一部または全部が実装された基板45は、発光部31〜33と、スイッチ部34と、ディップスイッチ35とを含む。
発光部31は、1列に並んで配置されたLED(Light Emitting Diode)等の複数の発光素子41を含む。発光素子41は、たとえば、14個設けられ、7色の発光が可能である。
発光部32では、1列に並んで配置された複数の発光素子42の組、すなわち1列分が各発光素子42の配置方向と交差する方向に複数設けられている。具体的には、発光部32は、1列に並んで配置されたLED等の複数の発光素子42を3列含む。発光素子42は、たとえば、1列につき10個設けられ、白色の発光が可能である。
発光部33は、2つの7セグメントLEDを含む。スイッチ部34は、1列に並んで配置された3つのロータリスイッチを含む。
制御部13は、たとえば自己の無線通信装置91における各種状態を、発光部33における2つの7セグメントLEDに数字で表示する。ユーザは、スイッチ部34におけるロータリスイッチの番号を選択することにより、2つの7セグメントLEDに何の状態を表示するかを選択することができる。たとえば、ユーザは、スイッチ部34におけるロータリスイッチの番号を選択することにより、無線通信装置91の局番、無線チャネルおよびRSSI等を表示することができる。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置における表示部の表示内容の一例を説明するための図である。
表示部15における発光部31は、制御部13から受けた制御信号に基づいて、無線通信装置91の各種通信パケットの通信状況を表示する。
より詳細には、制御部13は、所定の通信状況を表示する場合に、自己の無線通信装置91が主局101であるか従局202であるかに応じて表示内容を変更する。たとえば、制御部13は、無線通信部11が交通情報を含む通信パケットを受信した状況を表示する場合に、自己の無線通信装置91が主局101であるか従局202であるかに応じて表示内容を変更する。
また、制御部13は、たとえば同じ通信状況を表示する場合に、接点情報を含む通信パケットの通信状況であるかシリアル情報を含む通信パケットの通信状況であるかに応じて表示対象を変更する。
具体的には、図9を参照して、発光部31における発光素子41であるLEDを紙面左から順番にLED1〜LED9,LED_A〜LED_Eとする。
LED1は、接点情報を含む制御パケットの送信状態を示すLEDであり、緑色の場合が「送信中」を示し、赤色の場合が「送信停止」を示す。LED2は、接点情報を含む制御パケットの受信状態を示すLEDであり、桃色の場合が「無線通信装置91が主局101」かつ「受信中」を示し、緑色の場合が「無線通信装置91が従局202または中継局151」かつ「受信中」を示し、赤色の場合が「受信停止」を示す。
LED3は、シリアル回線1の送信状態すなわちチャネル1のシリアルパケットの送信状態を示すLEDであり、青色の場合が「送信中」を示し、赤色の場合が「送信停止」を示し、滅灯の場合が「チャネル1未使用」を示す。LED4は、シリアル回線1の受信状態すなわちチャネル1のシリアルパケットの受信状態を示すLEDであり、桃色の場合が「無線通信装置91が主局101」かつ「受信中」を示し、青色の場合が「無線通信装置91が従局202または中継局151」かつ「受信中」を示し、赤色の場合が「受信停止」を示す。
LED5は、シリアル回線2の送信状態を示すLEDであり、表示内容はLED3と同様である。LED6は、シリアル回線2の受信状態を示すLEDであり、表示内容はLED4と同様である。
LED7は、シリアル回線3の送信状態を示すLEDであり、表示内容はLED3と同様である。LED8は、シリアル回線3の受信状態を示すLEDであり、表示内容はLED4と同様である。
LED9は、シリアル回線4の送信状態を示すLEDであり、表示内容はLED3と同様である。LED_Aは、シリアル回線4の受信状態を示すLEDであり、表示内容はLED4と同様である。
LED_Bは、シリアル回線0の送信状態を示すLEDであり、表示内容はLED3と同様である。LED_Cは、シリアル回線0の受信状態を示すLEDであり、表示内容はLED4と同様である。
LED_Dは、リセット無効スイッチ設定中を示すLEDであり、たとえばディップスイッチ35における特定のスイッチがオンされている場合、点灯する。
LED_Eは、RUN LEDであり、無線ドライバ動作中すなわち無線通信装置91が無線通信を行なっている場合、白色に点灯する。
また、発光部31におけるすべての発光素子41が点灯している場合、無線通信装置91が無線通信を行なわずに通信パラメータ等の変更を行なう保守モードで動作中であることを示す。
ここで、主局101において通信パケットの送信が停止してしまう可能性は低いことから、送信状態を示すLEDは、常に点滅している状態となる可能性が高い。すなわち、受信状態を示すLEDが、送信状態を示すLEDと比べて、無線局間の通信パケットの通信状況をより実質的に表現し得ると言える。このため、図9に示す例では、受信状態を示すLEDにより多くの情報を集約している。なお、送信状態を示すLEDにおいて、「無線通信装置91が主局101」であるかまたは「無線通信装置91が従局202または中継局151」であるかに応じて表示内容を変更することも可能である。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置における表示部の表示内容の一例を示す図である。図11は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各無線局のネットワーク構成の一例を示す図である。図10において、◆は点滅を表し、□は滅灯を表し、●は点灯を表す。
表示部15における発光部32は、制御部13から受けた制御信号に基づいて、無線通信システム301における各無線局のネットワーク構成をグループ分けして表示する。
より詳細には、制御部13は、1列に並んで配置された複数の発光素子42において、無線通信システム301における各無線局の接続形態における主局101、中継局151および従局202と発光素子42とを当該接続形態における接続順に対応付け、対応付けた各発光素子42を点灯させる。そして、制御部13は、対応付けた各発光素子42のうち、自己の無線通信装置91に対応する発光素子42の点灯内容を他の発光素子42の点灯内容と異ならせる。
また、たとえば、制御部13は、主局101に対応する発光素子42と従局202に対応する発光素子42との間に位置する発光素子42を滅灯させるように制御する。また、無線通信システム301が中継局151を備える場合、たとえば、制御部13は、中継局151に対応する発光素子42と主局101および従局202に対応する発光素子42との間に位置する各発光素子42を滅灯させるように制御する。
具体的には、発光部32では、以下の(1)〜(4)のルールで発光素子42が点灯制御される。すなわち、(1)自己の無線局に対応する発光素子42は点滅する。(2)主局101と中継局151との間の発光素子42、および中継局151と従局202との間の発光素子42は滅灯する。(3)中継局151が複数あるときは連続する発光素子42が表示対象となる。(4)構成1から順に1つの構成の表示対象が発光素子42の1行となる。
図11を参照して、無線通信システム301は、共通の主局101を一方の端点として直列接続された主局101および従局202の組を複数備える。たとえば、無線通信システム301は、構成1および構成2からなる。
構成1は、局番9の主局101を一方の端点として直列接続された局番2,3,4の3つの中継局および他方の端点である局番1の従局202を含む。すなわち、構成1では、局番9,2,3,4,1の順に各無線局が直列接続されている。
構成2は、局番9の主局101を一方の端点として直列接続された局番2,6の中継局および他方の端点である局番5の従局202を含む。すなわち、構成2では、局番9,2,6,5の順に各無線局が直列接続されている。
制御部13は、表示部15において、主局101、中継局151および従局202の組と1列分の発光素子42の組とを対応付け、対応付けた組の各発光素子42を点灯させる。
具体的には、図10を参照して、図11に示すようなネットワーク構成において、発光部32では、構成1が紙面上から1行目のLED群に相当し、構成2が紙面上から2行目のLED群に相当する。
1行目のLED群において、構成1の一方の端点である局番9の主局101が1番目のLEDすなわち紙面左から1つ目のLEDに相当し、局番2の中継局151が3つ目のLEDに相当し、局番3の中継局151が4つ目のLEDに相当し、局番4の中継局151が5つ目のLEDに相当し、他方の端点である局番1の従局202が7つ目のLEDに相当する。また、主局101と中継局151と間の2つ目のLEDは滅灯しており、中継局151と従局202との間の6つ目のLEDは滅灯している。
2行目のLED群において、構成2の一方の端点である局番9の主局101が1番目のLEDに相当し、局番2の中継局151が3つ目のLEDに相当し、局番6の中継局151が4つ目のLEDに相当し、他方の端点である局番5の従局202が6つ目のLEDに相当する。また、主局101と中継局151との間の2つ目のLEDは滅灯しており、中継局151と従局202との間の5つ目のLEDは滅灯している。
そして、局番9の主局101における発光部32では、1行目および2行目のLED群において、自己の無線局に対応する1つ目のLEDが点滅している。
また、局番3の中継局151における発光部32では、1行目のLED群において、自己の無線局に対応する4つ目のLEDが点滅している。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置の表示部におけるロータリスイッチ設定と表示対象のネットワーク構成との関係の一例を示す図である。
制御部13は、主局101、中継局151および従局202の組の数が発光素子42の組の数よりも多い場合、発光素子42の組と主局101、中継局151および従局202の組との対応関係を変更可能である。
具体的には、図12を参照して、スイッチ部34における特定のロータリスイッチRSW1の値が0に設定されている場合、発光部32では、構成1−3が表示対象となる。同様に、ロータリスイッチRSW1の値が1,2,3,4,5に設定されている場合、発光部32では、構成4−6,7−9,10−12,13−15,16がそれぞれ表示対象となる。
無線通信システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以上のような処理の一部または全部をステップ化したプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
ところで、無線通信システムにおいて通信障害が発生した場合等、無線通信システムの保守作業を行なう必要がある場合、作業者は、各地点に散在している無線通信装置にPC等を接続して通信状況を確認する作業を行なう必要があり、また、当該無線通信装置が主局であるか否かの情報をPC等経由で取得する作業を、主局が見つかるまで総当たり的に行なう必要があり、保守作業に長時間を要する。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、無線通信部11は、交通情報を含む無線信号を送信または受信する。制御部13は、無線通信部11による交通情報の通信状況を認識可能に表示する制御を行なう。
このような構成により、無線通信システム301の保守作業において、設置されている各無線通信装置91の通信状況、すなわち交通情報の通信状況を容易に把握することができるため、無線通信装置91にPC等を接続して通信状況を確認する作業を行なう必要がなくなる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、交通情報を無線伝送する無線通信システムの保守作業を効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、所定の通信状況を表示する場合に、自己の無線通信装置91が主局101であるか従局202であるかに応じて表示内容を変更する。
このような構成により、無線通信装置91が主局101であるか従局202であるかを容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、無線通信部11が交通情報を受信した状況を表示する場合に、自己の無線通信装置91が主局101であるか従局202であるかに応じて表示内容を変更する。
このように、交通情報を受信した状況の表示内容を主局101および従局202の別に応じて変更する構成により、確認容易性を向上させることができる。また、無線局間の通信パケットの通信状況をより実質的に表現することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、交通情報は、車両の感知の有無を示す接点情報および接点情報と異なる情報であるシリアル情報を含む。無線通信システム301においては、制御パケットがすべての主局101およびすべての従局202を経由することが可能であり、シリアルパケットが対応の従局202および主局101間で送受信される。制御部13は、接点情報の通信状況であるかシリアル情報の通信状況であるかに応じて表示対象を変更する。
このような構成により、伝送される交通情報の種類に応じた表示内容に基づき、より詳細な通信状況を把握することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、発光素子を用いて通信状況を表示する。
このような構成により、通信状況をより直感的に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、無線通信システム301における主局101および従局202の接続形態、ならびに当該接続形態における主局101および自己の無線通信装置91を認識可能に表示する制御を行なう。
このような構成により、無線通信システム301の保守作業において、設置されている各無線通信装置91のうち、いずれの無線通信装置91が主局101であるか等、ネットワーク構成を容易に把握することができるため、無線通信装置91にPC等を接続して当該無線通信装置91が主局101であるか等を確認する作業を行なう必要がなくなる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、交通情報を無線伝送する無線通信システムの保守作業を効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、並んで配置された複数の発光素子42において、当該接続形態における主局101および従局202と発光素子42とを当該接続形態における接続順に対応付け、対応付けた各発光素子42を点灯させる。そして、制御部13は、対応付けた各発光素子42のうち、自己の無線通信装置91に対応する発光素子42の点灯内容を他の発光素子42の点灯内容と異ならせる。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、自己の無線通信装置91を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、主局101に対応する発光素子42と従局202に対応する発光素子42との間に位置する発光素子42を滅灯させるように制御する。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、主局101および従局202の区切りを容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、並んで配置された複数の発光素子42において、当該接続形態における主局101、中継局151および従局202と発光素子42とを当該接続形態における接続順に対応付け、対応付けた各発光素子42を点灯させる。そして、制御部13は、さらに、中継局151に対応する発光素子42と主局101および従局202に対応する発光素子42との間に位置する各発光素子42を滅灯させるように制御する。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、主局101、中継局151および従局202の区切りを容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムは、共通の主局101を一方の端点として直列接続された主局101および従局202の組を複数備える。本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置において、制御部13は、並んで配置された複数の発光素子42の組が各発光素子42の配置方向と交差する方向に複数設けられた表示部15において、主局101および従局202の組と発光素子42の組とを対応付け、対応付けた組の各発光素子42を点灯させる。
このような構成により、無線通信システム301において主局101から従局202への接続ラインが分岐している場合に、このようなネットワーク構成の詳細を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、主局101および従局202の組の数が発光素子42の組の数よりも多い場合、発光素子42の組と主局101および従局202の組との対応関係を変更可能である。
このような構成により、無線通信システム301において主局101から従局202への接続ラインの分岐が多い場合に、限られた表示リソースの中でネットワーク構成の詳細を容易に把握することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、主局101および従局202は、交通情報を双方向に無線伝送する構成であるとしたが、これに限定するものではない。主局101から従局202への方向、および従局202から主局101への方向のいずれか一方において、交通情報が無線伝送される構成であってもよい。すなわち、無線通信装置91における無線通信部11は、交通情報を含む無線信号の送信および受信のいずれか一方を行なう構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置は、主局101、中継局151および従局202で共用される構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信装置91は、主局101、中継局151および従局202のいずれか1つのみ、またはいずれか2つとして使用可能であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置は、表示部15を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。表示部15は、無線通信装置91の外部に設けられてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置は、表示部15において複数の発光部を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信装置91は、1つの発光部を備える構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置では、発光部31,32の各々は、複数の発光素子を含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。発光部31,32の各々は、1つの発光素子を含む構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置における制御部13は、発光部31における発光素子41の点灯色を変更する構成に限らず、発光素子41の点滅および当該点滅の速度を変更する構成であってもよい。また、制御部13は、発光部32における発光素子42の点灯、点滅および滅灯を変更する構成に限らず、発光素子42の点灯色を変更する構成であってもよい。さらに、制御部13は、発光部31および発光部32における発光素子の輝度を変更することも可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置における制御部13は、スイッチ部34におけるロータリスイッチの値に応じて表示対象のネットワーク構成を変更する構成に限らず、たとえば、PCからのレジスタ設定等、何らかのユーザ操作で表示対象のネットワーク構成を変更する構成であってもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信装置と比べて表示内容を変更した無線通信装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信装置と同様である。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置における表示部の表示内容の一例を示す図である。
制御部13は、1列に並んで配置された複数の発光素子42と無線通信システム301における主局101および従局202とを、主局101および従局202にそれぞれ付与された番号に基づいて対応付け、対応付けた各発光素子42を点灯させる。
具体的には、図13を参照して、発光部32では、たとえば、1列に並んで配置された複数の発光素子42を紙面左から順番に1番〜9番の無線局に対応付ける。
図11に示すようなネットワーク構成において、発光部32では、構成1が紙面上から1行目のLED群に相当し、構成2が紙面上から2行目のLED群に相当する。
制御部13は、1行目のLED群において、紙面左から1つ目〜4つ目のLEDおよび9つ目のLEDを点灯させ、2行目のLED群において、紙面左から1つ目〜2つ目のLED、5つ目〜6つ目のLED、および9つ目のLEDを点灯させる。
また、制御部13は、各無線局の接続形態における接続順に応じて発光素子42の点灯内容を異ならせる。
より詳細には、たとえば、制御部13は、従局202に対応する発光素子42を点滅させ、各無線局の接続形態における主局101から従局202への方向に、発光素子42の点滅速度を順次速くする。すなわち、制御部13は、主局101からの通信パケットの通過順を各発光素子42の点滅速度の相違によって表示する。
具体的には、図13において、●は常時点灯を表し、★は2秒周期の点滅を表し、☆は1秒周期の点滅を表し、※は500ミリ秒周期の点滅を表し、◇は200ミリ秒周期の点滅を表し、◆は100ミリ秒周期の点滅を表し、□は滅灯を表す。
制御部13は、主局101の次段の局番2の中継局151に対応する紙面左から2つ目のLEDの点滅周期を2秒に設定する。また、制御部13は、局番2の中継局151の次段の局番3,6の中継局151に対応する3つ目および6つ目のLEDの点滅周期を1秒に設定する。また、制御部13は、局番3の中継局151の次段の局番4の中継局151に対応する4つ目のLED、および局番6の中継局151の次段の局番5の従局202に対応する5つ目のLEDの点滅周期を500ミリ秒に設定する。また、制御部13は、局番4の中継局151の次段の局番1の従局202に対応する1つ目のLEDの点滅周期を200ミリ秒に設定する。
また、たとえば、制御部13は、対応付けた各発光素子42において、発光素子42が主局101に対応するか従局202に対応するかに応じて当該発光素子42の点灯内容を変更する。
より詳細には、たとえば、局番3の中継局151における制御部13は、主局101に対応する発光素子42を常時点灯させる。すなわち、局番3の中継局151における制御部13は、局番9の主局101に対応する紙面左から9つ目のLEDを常時点灯させる。
また、たとえば、制御部13は、対応付けた各発光素子42のうち、自己の無線通信装置91に対応する発光素子42の点灯内容を他の発光素子42の点灯内容と異ならせる。
より詳細には、たとえば、制御部13は、1列に並んで配置された各発光素子42のうち、自己の無線通信装置91に対応する発光素子42を、さらに、周期的に滅灯させ、滅灯させる期間を、最も遅い点滅速度で点滅する発光素子42の滅灯期間よりも長くする。
具体的には、局番9の主局101における制御部13は、局番9の主局101に対応する紙面左から9つ目のLEDを点滅させ、滅灯期間を最長の5秒に設定する。また、局番3の中継局151における制御部13は、局番3の中継局151に対応する紙面左から3つ目のLEDを、500ミリ秒周期で点滅する状態を5秒間継続させた後、次に滅灯する状態を5秒間継続させる動作を繰り返す。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける各無線局のネットワーク構成の他の例を示す図である。
図14を参照して、この例では、構成1は、局番9の主局101を一方の端点として直列接続された局番2,3の2つの中継局および他方の端点である局番1の従局202を含む。すなわち、構成1では、局番9,2,3,1の順に各無線局が直列接続されている。
構成2は、局番9の主局101を一方の端点として直列接続された局番2,6,4の中継局および他方の端点である局番5の従局202を含む。すなわち、構成2では、局番9,2,6,4,5の順に各無線局が直列接続されている。
構成3は、局番9の主局101を一方の端点として直列接続された局番2,6,7の中継局および他方の端点である局番8の従局202を含む。すなわち、構成3では、局番9,2,6,7,8の順に各無線局が直列接続されている。
無線通信システム301は、主局101から送信された制御パケットがすべての従局202および中継局151を経由して主局101に戻ることができない場合、一部の従局202および中継局151を経由して制御パケットを主局101に戻すことが可能である。
より詳細には、主局101または従局202は、自局に対して主局101から従局202への下り方向側に接続された従局202である下位局へ制御パケットを所定回数送信しても、当該下位局から自局へ制御パケットが戻ってこない場合、制御パケットの送信先から当該下位局を除外し、他の下位局または主局101へ制御パケットを送信する。
具体的には、たとえば、局番6の中継局151において障害が発生し、局番2,3,1の無線局を制御パケットが経由できた一方で、局番6,4,5,7,8の無線局を制御パケットが経由できない場合を考える。
この場合、局番2の中継局151が、局番2,3,1,3,2の順に伝送された制御パケットを局番6の中継局151へ送信しても、局番2の中継局151には制御パケットが戻ってこない。局番2の中継局151は、制御パケットを所定回数再送しても局番6の中継局151から制御パケットが戻ってこない場合、当該制御パケットを局番9の主局101へ送信する。これにより、局番9,2,3,1の間では、制御パケットを正常に送受信することができる。
そして、制御部13は、自己の無線通信装置91が主局101であり、かつ無線通信部11が制御パケットを受信した状況を表示する場合に、当該制御パケットがすべての中継局151および従局202を経由したか否かに応じて交通情報の通信状況の表示内容を変更する。
たとえば、図9において説明したLED2では、桃色の場合が「無線通信装置91が主局101」かつ「すべての中継局151および従局202を経由した制御パケットを受信中」を示し、緑色の場合が「無線通信装置91が従局202または中継局151」かつ「受信中」を示し、赤色の場合が「受信停止」を示す。これに加えて、LED2において、黄色の場合が「無線通信装置91が主局101」かつ「一部の中継局151および従局202を経由した制御パケットを受信中」を示してもよい。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置における表示部の表示内容の一例を説明するための図である。以下で説明する内容以外は図9に示す表示内容と同様である。
具体的には、図15を参照して、LED2は、接点情報を含む制御パケットの受信状態を示すLEDであり、桃色の場合が「無線通信装置91が主局101」かつ「すべての中継局151および従局202を経由した制御パケットを受信中」を示し、黄色の場合が「無線通信装置91が主局101」かつ「一部の中継局151および従局202を経由した制御パケットを受信中」を示し、青色の場合が「無線通信装置91が従局202または中継局151」かつ「受信中」を示し、赤色の場合が「受信停止」を示す。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、自己の無線通信装置91が主局101であり、かつ無線通信部11が制御パケットを受信した状況を表示する場合に、当該制御パケットがすべての従局202を経由したか否かに応じて交通情報の通信状況の表示内容を変更する。
このような構成により、交通情報を含むパケットの通信状況をより詳しく把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、並んで配置された複数の発光素子42と無線通信システム301における主局101および従局202とを、主局101および従局202にそれぞれ付与された番号に基づいて対応付け、対応付けた各発光素子42を点灯させる。そして、制御部13は、各無線局の接続形態における接続順に応じて発光素子42の点灯内容を異ならせる。
このような構成により、各無線局の番号を参照しながら通信解析を行なう場合等、各無線局の番号を用いて無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、対応付けた各発光素子42のうち、自己の無線通信装置91に対応する発光素子42の点灯内容を他の発光素子42の点灯内容と異ならせる。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、自己の無線通信装置91を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、対応付けた各発光素子42において、発光素子42が主局101に対応するか従局202に対応するかに応じて当該発光素子42の点灯内容を変更する。
このような構成により、表示されたネットワーク構成において、主局101および従局202の別を容易に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、従局202に対応する発光素子42を点滅させ、各無線局の接続形態における主局101から従局202への方向に、発光素子42の点滅速度を順次速くする。
このような構成により、ネットワーク構成の詳細をより直感的に把握することができるため、無線通信システムの保守作業をより効率的に行なうことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、各発光素子42のうち、自己の無線通信装置91に対応する発光素子42を、さらに、周期的に滅灯させ、滅灯させる期間を、最も遅い点滅速度で点滅する発光素子42の滅灯期間よりも長くする。
このような構成により、ネットワーク構成の詳細をより直感的に把握可能な表示において、自己の無線通信装置91を容易に把握することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置では、制御部13は、主局101に対応する発光素子42を常時点灯させる。
このような構成により、ネットワーク構成の詳細をより直感的に把握可能な表示において、主局101を容易に把握することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
交通情報を無線伝送するための主局および従局を備える無線通信システム、における無線通信装置であって、
前記無線通信装置は、前記主局および前記従局の少なくともいずれか一方として使用可能であり、
前記交通情報を含む無線信号を送信または受信する無線通信部と、
前記無線通信部による前記交通情報の通信状況を認識可能に表示する制御を行なう表示制御部とを備え、
前記無線通信システムは、交通管制システムに用いられる無線LANシステムであり、
前記主局はアクセスポイントであり、
前記無線通信装置は、さらに、前記表示制御部の制御対象であるLEDを含む表示部を備える、無線通信装置。
[付記2]
交通情報を無線伝送するための主局および1または複数の従局を備える無線通信システム、における無線通信装置であって、
前記無線通信装置は、前記主局および前記従局の少なくともいずれか一方として使用可能であり、
前記交通情報を含む無線信号を送信または受信する無線通信部と、
前記無線通信システムにおける前記主局および前記従局の接続形態、ならびに前記接続形態における前記主局および自己の前記無線通信装置を認識可能に表示する制御を行なう表示制御部とを備え、
前記無線通信システムは、交通管制システムに用いられる無線LANシステムであり、
前記主局はアクセスポイントであり、
前記無線通信装置は、さらに、前記表示制御部の制御対象であるLEDを含む表示部を備える、無線通信装置。