以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における平面方向とは遊技盤90の平面方向に沿う(平行な)方向を、前後方向とは遊技盤90の平面方向に直交する方向(遊技者側を前、その反対側を後とする)を、左右・上下方向とは、遊技盤90を正面から見たときにおける方向をいうものとする。
まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、主表示装置10(本発明における固定表示装置に相当する)、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。主表示装置10は、例えば液晶表示装置が用いられる。かかる主表示装置10の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
遊技盤90は、その後方に設けられるベース部材30に支持されている。ベース部材30には、主表示装置10が固定されている。また、副表示装置20(第一副表示装置21および第二副表示装置22。本発明における移動表示装置に相当する)が所定の範囲を移動可能となるように支持されている。副表示装置20としては液晶表示装置が用いられる。主表示装置10、副表示装置20、およびこれらを制御する手段(演出制御手段)の構成やそれを用いた演出の詳細については後述する。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、図示されない発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。その他、大当たりの抽選方法や以下で説明する演出以外の演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
以下、主表示装置10、副表示装置20、およびそれを制御する演出制御手段の構成について説明する。副表示装置20は、主表示装置10の前側に設けられる。本実施形態では二つの副表示装置20(第一副表示装置21および第二副表示装置22)が設けられる。両副表示装置20は、幅方向に並ぶように(幅方向左に第一副表示装置21が、幅方向右側に第二副表示装置22が位置する)、かつそれぞれが幅方向にスライド自在に設けられている。また、各副表示装置20は、それぞれが平面方向(主表示装置10の平面方向)に対する傾斜角度(以下単に傾斜角度というときは当該傾斜角度をいう)を所定の範囲内で変化させることが可能である。本実施形態では、各副表示装置20は、その平面方向が主表示装置10の平面方向と平行である状態から、幅方向内側の側縁が幅方向外側の側縁よりも後方に位置するように傾斜した状態に変化することが可能である。つまり、各副表示装置20は、その幅方向内側の側縁が、主表示装置10に近づくように回動することが可能である。
両副表示装置20が互いに最も離れた状態にあるとき、両者の間から主表示装置10が露出する。両副表示装置20が互いに最も近づいた状態(近接した状態)にあるとき、両者の間から主表示装置10を視認することはできない。つまり、両副表示装置20が近づけば近づくほど、主表示装置10における副表示装置20に覆われる領域が大きくなっていく。換言すれば、主表示装置10における両副表示装置20の間から露出する領域(視認可能な領域)が小さくなっていく。
なお、「近接」とは、複数の表示装置の表示部分が重なったり、隣接したりしている状態であれば「近接」に含まれるものとする。つまり、表示装置同士が接していても、表示装置間に多少の隙間が存在していてもよい。例えば、各表示装置が、表示部分の周囲に縁(額縁)を有するものであっても、各表示装置が上記のような位置関係にあれば、これらの表示装置は「近接」しているものとする。
このように各副表示装置20を駆動させることができるものであれば、各副表示装置20の駆動機構はどのようなものであってもよい。本実施形態における遊技機1は、図2に示すような駆動機構を備える。副表示装置20は、支持部材31に回動自在に支持されている(図2(b)参照)。支持部材31は、レール32によって幅方向にスライド自在に支持されている(図2(a)参照)。図示されない第一駆動源によって支持部材31をレール32に沿って幅方向にスライドさせると、当該支持部材31に支持された副表示装置20が幅方向にスライドする。図示されない第二駆動源(支持部材31に固定される)によって当該支持部材31に対して副表示装置20を回動させることにより、副表示装置20の傾斜角度が変化する。第一駆動源を停止したまま第二駆動源を駆動させると、副表示装置20がその傾斜角度を維持した状態で幅方向にスライドする。
演出制御手段は、表示制御手段および駆動制御手段を含む。駆動制御手段および表示制御手段は、一つの基板に構築されていてもよいし、別々の基板に構築されていてもよい。駆動制御手段は、第一副表示装置21および第二副表示装置22を移動させる(所定の位置で停止させる)ことができる手段である。つまり、駆動制御手段は、駆動機構の駆動源(モータ等)を制御することで、両副表示装置20を移動(本実施形態における「移動」には、幅方向の移動だけでなく、回動も含む)させることができる。本実施形態における駆動制御手段は、第一副表示装置21と第二副表示装置22のそれぞれを独立して動作させることができる。表示制御手段は、主表示装置10および各副表示装置20に表示される画像を制御する手段である。本実施形態における表示制御手段は、主表示装置10、第一副表示装置21、第二副表示装置22のそれぞれに表示される画像を制御することができる。
かかる演出制御手段によって制御される、主表示装置10および両副表示装置20を用いた連動演出について説明する。連動演出は、固定された主表示装置10と、移動可能に設けられた副表示装置20を組み合わせて行う演出である。なお、以下で説明する連動演出は、いわゆるリーチ演出の一部として適用されるものであり、第一副表示装置21には、リーチ状態であることが表示される。ただし、連動演出は、リーチ演出以外の演出に適用することもできる。以下の説明では、主表示装置10および両副表示装置20の表示の態様や、両副表示装置20の移動についてのみ説明するが、「表示」については演出制御手段の一部である上記表示制御手段が、「移動」については演出制御手段の別の一部である上記駆動制御手段が制御しているものとする。
第一演出例について説明する。本例における演出開始時には、副表示装置20は、主表示装置10に対し所定の角度で傾斜した状態にある。具体的には、両副表示装置20がともに幅方向内側(主表示装置10側)の側縁を後方に位置させた状態にある。副表示装置20同士で見ると、互いの距離が前方に向かって徐々に離れるように傾斜した状態にある。各副表示装置20は、その主表示装置10側の一部が前後方向において主表示装置10に重なった状態、または微小な隙間が存在する状態にある。このように、遊技者から見て、二つの表示装置の表示画面が一体となっているかのように見える状態にあるとき、両表示装置は「近接している」ものとする。
本例では、まず固定された(動かない)主表示装置10に所定の図形(以下「画像」と称することもある)が表示される。具体的には、三体のキャラクタが、徐々に前進する画像が表示される(図3参照)。
演出が開始されてから所定時間経過すると、主表示装置10だけでなく副表示装置20にも画像が表示される。具体的には、三体のキャラクタが前進することによって、主表示装置10に収まりきらなくなった一部のキャラクタや背景の画像が、副表示装置20に表示される。例えば、三体のキャラクタのうち、幅方向左側のキャラクタが第一副表示装置21と主表示装置10に跨って表示され、幅方向右側のキャラクタが第二副表示装置22と主表示装置10に跨って表示される(図4参照)。
さらに所定時間経過し、三体のキャラクタが前進してくると、幅方向両側のキャラクタが副表示装置20にも収まらなくなる。つまり、幅方向中央のキャラクタのみ主表示装置10に表示された状態となる。かかる状態となった後、さらに前進しようとする中央のキャラクタ(本発明における「移動する図形」に相当する)の移動方向、すなわち当該中央のキャラクタがさらに前進してくるということを強調する集中線(本発明における「移動する図形の移動方向を示す図形」に相当する)が表示される。当該集中線は、第一副表示装置21と主表示装置10、第二副表示装置22と主表示装置10に跨って表示される(図5参照)。
集中線が表示された後、各副表示装置20を回動させる。具体的には、各副表示装置20の幅方向内側の側縁(主表示装置10側の側縁)が前方に移動するように回動させる(図5(b)参照)。本実施形態では、主表示装置10と平行になるまで各副表示装置20を回動させる。このように副表示装置20を回動させると、前後方向における各副表示装置20と主表示装置10の重なる領域が大きくなっていく。つまり、各副表示装置20と主表示装置10の境界が変化していくことになる。したがって、各副表示装置20と主表示装置10に跨って表示されていた集中線の態様を、各副表示装置20の移動(回動)に合わせて変化させることとなる。このように、幅方向中央のキャラクタの移動方向を示す集中線が表示されるとともに、各副表示装置20の幅方向内側の側縁が前方に向かって変位するから、前進するキャラクタの表示を迫力のあるものとすることが可能である。
主表示装置10と平行になるまで各副表示装置20を回動させた後、各副表示装置20と主表示装置10に跨って表示されていた集中線を消去し、信頼度表示を行う。信頼度とは、「大当たり」等、所定の遊技状態や所定の演出に移行する確率を、数値や文言等によって示すものである。本例では、「大当たり」となる確率が信頼度として表示される(図6参照)。信頼度は、副表示装置20の一方(本例では第二副表示装置22)から主表示装置10に向かって移動するように表示され、最終的には主表示装置10における両副表示装置20の間で露出する部分の下方に表示された状態となる。本例では、この信頼度が表示された部分に、キャラクタが飛び乗ることができた場合には、大当たりの確率が信頼度として表示された確率であることが遊技者に報知される。
本例では、信頼度が表示された部分にキャラクタが飛び乗ろうとする画像が表示された後、両副表示装置20が主表示装置10に近づいたり離れたりするように往復動する(図7参照)。両副表示装置20が幅方向中央に移動し、幅方向内側の側縁を接触または近づけた(近接させた)状態(主表示装置10における両副表示装置20によって覆われる領域が最も大きい状態)となれば、両副表示装置20に跨って、信頼度が表示された部分へのキャラクタの飛び乗りが成功した画像が表示される(図8参照)。つまり、上記往復動は、飛び乗りが成功するかどうかを、遊技者に期待をもって見守らせるためのいわゆる煽り演出である。なお、飛び乗りが失敗する場合には、そのまま両副表示装置20を幅方向外側に移動させ、「失敗」等、主表示装置10に飛び乗りが成功しなかった旨の表示がされる。
第二演出例について説明する。第二演出例は、二体のキャラクタが対決し、一方のキャラクタ(遊技者側のキャラクタ)が勝利したときには「大当たり」となり、他方のキャラクタが勝利したとき(一方のキャラクタが敗北したとき)には「はずれ」となる演出である。
本例では、まず固定された主表示装置10に所定の図形(画像)が表示される。具体的には、二体のキャラクタが、徐々に前進する画像が表示される(図9参照)。二体のキャラクタが前進する際には、各副表示装置20と主表示装置10に跨って集中線が表示される(図10参照)。
このとき、本例では、各副表示装置20が(主表示装置10に対して所定角度で傾斜した状態のまま)幅方向内側に向かって移動する(図10(b)参照)。そのため、前後方向における各副表示装置20と主表示装置10の重なる領域が大きくなっていく。つまり、各副表示装置20と主表示装置10の境界が変化していくことになる。したがって、各副表示装置20と主表示装置10に跨って表示されていた集中線の態様を、各副表示装置20の移動(回動)に合わせて変化させることとなる。このように、幅方向中央のキャラクタの移動方向を示す集中線が表示されるとともに、各副表示装置20の幅方向内側に向かって移動するから、前進するキャラクタの表示を迫力のあるものとすることが可能である。
その後、集中線を削除し、両副表示装置20をさらに幅方向内側に移動させる。つまり、両副表示装置20を互いに近づける。そして、第一副表示装置21に一方のキャラクタを、第二副表示装置22に他方のキャラクタを表示するとともに、両副表示装置20の間である、主表示装置10における露出した部分(副表示装置20に覆われていない部分)に「VS」の文字を表示する(図11参照)。このように、主表示装置10と副表示装置20が組み合わされて、キャラクタ同士が対決することが表示される。
対決中は、各副表示装置20を主表示装置10と平行にした上で、一方のキャラクタが攻撃しているとき(優勢なとき)には、当該キャラクタが表示されている副表示装置20を幅方向内側(中央)に向かって移動させ、攻撃されている(劣勢な)キャラクタが表示されている副表示装置20を幅方向外側に向かって移動させる(図12参照)。図12(a)に示すように、一方のキャラクタを一方の副表示装置20と主表示装置10に跨って表示させてもよい。このように、優勢なキャラクタが表示されている副表示装置20の方が、中央に向かって移動することになるから、遊技者は対決の優劣を容易に判別することが可能となる。
また、図12(a)に示すように、キャラクタの移動方向を示す線(本例では優勢なキャラクタの方から劣勢なキャラクタの方に流れる線)を表示してもよい。かかる線は、各副表示装置20と主表示装置10に跨って表示される。
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機1では、移動(幅方向に沿うスライドおよび回動)可能に設けられている副表示装置20と、固定されている(動かない)主表示装置10とに跨って種々の図形(画像)が表示される。つまり、移動する服表示装置が、他の表示装置と組み合わされる演出が実行されるから、従来に比して演出の趣向性を向上させることが可能である。
また、移動する副表示装置20を一部に含む複数の表示装置(本実施形態では副表示装置20と主表示装置10)に、移動する図形の移動方向を示す図形が表示されるから、図形の移動方向を示す図形が副表示装置20の移動によって変化することになり、図形の移動をより迫力のあるものとして描写することが可能となる。図5や図10に示したように、上記演出例では、キャラクタの前進動作を迫力あるものとして描写することが可能である。なお、移動する表示装置を含む一または複数の表示装置に移動する図形を表示し、固定された表示装置に移動方向を示す図形が表示されるようにしてもよい。また、移動する図形が表示される一または複数の表示装置と、移動方向を示す図形が表示される一または複数の表示装置の両方が、移動する表示装置を含んでいてもよい。
また、副表示装置20は、主表示装置10の平面方向に対し傾斜した状態となることが可能であるから、副表示装置20と主表示装置10を組み合わせて立体的な図形(画像)を表示することが可能となる。例えば、上記第二演出例における図11に示した状態では、幅方向内側の側縁が後方に位置するように傾斜した状態にある各副表示装置20にキャラクタが表示されるから、対決しようとするキャラクタ同士が向かい合ったような状態に見える。つまり、対決演出の迫力を向上させることが可能である。
また、副表示装置20は、主表示装置10の平面方向に対し傾斜した状態で移動することが可能であるから、副表示装置20と主表示装置10を組み合わせて動きのある立体的な図形(画像)を表示することが可能となる。例えば、上記第二演出例における図10に示した状態では、幅方向内側の側縁が後方に位置するように傾斜した状態にある各副表示装置20を幅方向内側に移動させつつ、各副表示装置20と主表示装置10に跨って集中線が表示されるから、キャラクタの前進が立体的に見える。つまり、キャラクタの前進をより迫力のあるものとすることが可能である。
また、両副表示装置20は、互いに近づいたり離れたりすることができるものであるから、様々な演出を実行することが可能となる。例えば、上記第一演出例における図7および図8に示した態様のように、副表示装置20が離れた状態でキャラクタが飛び乗ろうとする表示がなされた後、副表示装置20が近接した状態となれば当該飛び乗りが成功し、離れてしまえば当該飛び乗りが失敗する、といった、演出の成功・失敗と副表示装置20の変位(位置)をリンクさせた演出を実行することが可能となる。
また、両副表示装置20が離れていれば、両者の間から主表示装置10の中央部分が露出する。また、両副表示装置20が離れていても、各副表示装置20と主表示装置10は近接した状態にある。したがって、互いに離れた位置にある各副表示装置20と主表示装置10と組み合わせた演出とすることが可能である。別の見方をすれば、両副表示装置20が互いに離れた位置に位置するにも拘わらず、主表示装置10を介在させることによって、両副表示装置20が関連付けられた演出を実行することが可能であるということである。例えば、上記第二演出例における図12に示した態様では、第二副表示装置22と主表示装置10に跨って一方のキャラクタを表示することにより、第一副表示装置21に表示された他方のキャラクタとの関連付け(他方のキャラクタが、一方のキャラクタに攻撃されていること)を行うことができる。
また、両副表示装置20が離れれば離れるほど、主表示装置10における両者の間から露出する部分が大きくなる。そのため、当該露出する部分の大きさを変化させつつ、副表示装置20と主表示装置10が組み合わされた演出を実行することができ、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。例えば、上記第二演出例における図10に示した状態では、両副表示装置20を近づけることによって主表示装置10の露出する部分を小さくしている。主表示装置10の露出する部分が小さくなれば、当該露出する部分に表示されているキャラクタが徐々に近づいてくる両副表示装置20によってクローズアップされるから、そのキャラクタへの注目度合を高めることが可能となる。
以上の構成により、複数の表示装置を多彩に使用することが可能であり、趣向性を高めることが可能である。また、表示領域を変化させることも可能であり、趣向性を高めることが可能である。特に一つの固定表示装置でいろいろな演出を行うよりも趣向性を高めることが可能であり、各副表示装置20を傾斜させたりすることも可能であるから、一つの固定表示装置が設けられた遊技機と比較して大きく表示領域を見せることも可能である。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態では、固定された表示装置である主表示装置10が一つ設けられていることを説明したが、このような固定された表示装置が複数設けられていてもよい。また、移動可能な表示装置である副表示装置20が二つ設けられていることを説明したが、このような移動可能な表示装置が一つまたは三つ以上設けられていてもよい。
また、上記実施形態における各表示装置は、二以上の表示装置間に跨って種々の図形が表示される構成であればよく、全てが移動するようにしてもよい。また、上記実施形態では、副表示装置20は傾斜した状態で幅方向に移動する場合があることを説明したが、傾斜角度を変化させつつ幅方向に移動することがある構成としてもよい。つまり、傾斜角度を変化させるタイミングや、幅方向に移動するタイミングは適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、固定された主表示装置10の前方に移動可能な副表示装置20が配置された構成であることを説明したが、それに限るものではなく、固定された主表示装置の後方に副表示装置が配置された構成としてもよい。その場合、固定された主表示装置として透過型の表示装置を用いることで、違和感なく演出を行うことが可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1にかかる遊技機は、少なくとも一つが移動可能な移動表示装置である複数の表示装置と、前記複数の表示装置のそれぞれに種々の図形を表示させる演出を実行する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記複数の表示装置のうち近接位置にある少なくとも二つの表示装置に跨って種々の図形を表示させる表示制御手段と、前記移動表示装置を移動させる駆動制御手段と、を含み、前記移動表示装置が移動している際にも、前記複数の表示装置のうちの前記移動表示装置と当該移動表示装置と近接位置にある表示装置とに跨って種々の図形が表示されるように前記表示制御手段と前記駆動制御手段を調整することで演出を実行することを特徴とする。
なお、「種々の図形」には、図柄や文字等、表示装置に画像として表示されうるあらゆる態様のものが含まれる。
手段2の遊技機は、手段1の遊技機において、前記演出制御手段は、前記表示制御手段により、前記複数の表示装置のうちのある一部の表示装置に移動する図形を表示した上で、当該ある一部の表示装置とは異なる別の一部の表示装置を含む二以上の表示装置に当該移動する図形の移動方向を示す図形を跨って表示し、前記ある一部の表示装置と前記別の一部の表示装置の少なくともいずれか一方に前記移動表示装置が含まれ、前記駆動制御手段により、前記移動する図形の移動方向を示すように少なくとも一つの前記移動表示装置を駆動させる演出が実行可能であることを特徴とする。
手段3の遊技機は、手段1または手段2の遊技機において、前記複数の表示装置の一部は固定された固定表示装置であり、前駆動制御手段により、前記移動表示装置は、前記固定表示装置の平面方向に対して所定の角度範囲内で傾斜するように動作可能に制御されることを特徴とする。
手段4の遊技機は、手段3の遊技機において、前記演出制御手段は、前記固定表示装置の平面方向に対して前記移動表示装置を所定の角度範囲内で傾斜するように動作させる際に、近接位置にある前記固定表示装置と前記移動表示装置とに跨って種々の図形が表示されるように前記表示制御手段と前記駆動制御手段を調整することを特徴とする。
手段5の遊技機は、手段4の遊技機において、前記駆動制御手段により、前記移動表示装置は、前記固定表示装置の平面方向に対し傾斜した状態で当該平面方向に沿って移動可能に制御され、前記演出制御手段は、前記移動表示装置が傾斜した状態で移動する際に、当該移動表示装置と前記固定表示装置に跨って種々の図形が表示されるように前記表示制御手段と前記駆動制御手段を調整することを特徴とする。
手段6の遊技機は、手段1から手段5のいずれかの遊技機において、前記移動表示装置が複数設けられ、前記演出制御手段は、前記駆動制御手段により、複数の前記移動表示装置のうち、少なくとも二つの移動表示装置を互いに近づけるまたは離すように制御することを特徴とする。
手段7の遊技機は、手段6の遊技機において、前記複数の表示装置の一部は固定された固定表示装置であり、前記固定表示装置は、少なくとも二つの前記移動表示装置が離れているとき、前記各移動表示装置に近接する位置に設けられ、前記演出制御手段は、少なくとも二つの前記移動表示装置が離れているとき、前記表示制御手段により、前記固定表示装置に所定の図形を表示することで、少なくとも二つの前記移動表示装置と前記固定表示装置に跨って図形が表示されるように制御することを特徴とする。
手段8の遊技機は、手段7の遊技機において、前記固定表示装置は、少なくとも二つの前記移動表示装置が離れているときに、当該移動表示装置の間から少なくとも一部が露出し、前記移動表示装置と前記固定表示装置における当該露出した部分が近接する位置関係となるように設定されていることを特徴とする。
手段1の遊技機では、移動表示装置と当該移動表示装置と近接位置にある表示装置とに跨って種々の図形が表示される。つまり、移動する表示装置が、他の表示装置と組み合わされる演出が実行されるから、従来に比して演出の趣向性を向上させることが可能である。
手段2のように、二以上の表示装置に、移動する図形の移動方向を示す図形を表示するようにすれば、移動する図形または図形の移動方向を示す図形の少なくともいずれかが移動表示装置の移動によって変化することになるから、図形の移動をより迫力のあるものとして描写することが可能となる。
手段3のように、移動表示装置が固定表示装置の平面方向に対し傾斜可能であれば、移動表示装置と固定表示装置を組み合わせて立体的な図形(画像)を表示することが可能となる。この場合、手段4のように、傾斜する移動表示装置と固定表示装置に跨って種々の図形が表示されるようにすれば、移動表示装置の傾斜によって動きのある図形(画像)を立体的に表示することが可能となる。
手段5のように、移動表示装置が固定表示装置の平面方向に対し傾斜した状態で当該平面方向に沿って移動可能であり、移動表示装置と固定表示装置に跨って種々の図形が表示されるようにすれば、移動表示装置の移動によって動きのある図形(画像)を立体的に表示することが可能となる。
手段6のように、互いに近づいたり、離れたりすることができる少なくとも二つの移動表示装置を備える構成であれば、両移動表示装置を同時または別々に移動させつつ、各移動表示装置に種々の図形を表示することにより、様々な演出を実行することが可能となる。また、大きさを変化させることも可能である。
手段7のように、移動表示装置と固定表示装置が組み合わされた演出が実行されるようにすれば、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。また、移動表示装置間に隙間が生ずる場合であっても、当該隙間に固定表示装置が位置するため、両者が組み合わされた演出(固定表示装置と移動表示装置に跨った演出)を実行することが可能となる。また、手段8のように、移動表示装置の移動によって固定表示装置の少なくとも一部が露出する構成とすれば、移動表示装置間に隙間が生ずる場合であっても、当該隙間に固定表示装置が位置するため、両者が組み合わされた演出(固定表示装置と移動表示装置に跨った演出)を実行することが可能となる。