以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図15は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機1は、図1に示すように、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側にはガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、前枠4に対してヒンジ3と同じ側のヒンジ7により縦軸廻りに開閉自在に枢支されている。
ガラス扉5は窓孔8を有する扉枠9と、扉枠9の裏側に着脱自在に装着され且つ窓孔8を塞ぐガラス板(図示省略)とを備え、窓孔8のガラス板を介して遊技盤11側を透視可能になっている。前面板6の前側には、発射用の遊技球を貯留する球供給皿12と、球供給皿12から供給される遊技球を発射する発射手段(図示省略)の発射ハンドル13が設けられている。球供給皿12は前面板6に装着され、前側から皿カバー14により覆われている。皿カバー14の前中央部にはチャンスボタン15が配置されている。
前枠4は、図2に示すように、ガラス扉5の裏側に対応して矩形枠状に形成された遊技盤装着部4aを備え、この遊技盤装着部4aに遊技盤11が前側から着脱自在に嵌め込んで装着されている。遊技盤11はアクリル板等の透明板により略矩形状に構成されており、裏側外周部に枠状の補強部材16が積層して固定されている。遊技盤11と補強部材16との積層厚さが前枠4の遊技盤装着部4aの装着寸法と略一致しており、遊技盤11は遊技盤装着部4a内でその積層部分に対応するロック具により着脱自在にロックされている。
遊技盤11の裏側には裏構造体17が着脱自在に装着されている。裏構造体17は図2、図3に示すように各遊技役物の取り付け用であって、周方向に複数個の取り付け部18で補強部材16の裏側に位置決めしてネジ等により着脱自在に固定されている。なお、裏構造体17は遊技盤11の裏面に直接取り付けても良い。
遊技盤11の前面には、図1に示すように、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール19が略円弧状に配置されると共に、そのガイドレール19の内側の遊技領域20に画像表示手段22、普通図柄始動手段23、複合入賞手段24、普通入賞手段25等の各種の遊技役物が配置され、最下部にアウト球を裏側へと案内するアウト口26が設けられている。
また遊技盤11には遊技領域20を取り囲むようにガイドレール19の外側に装飾部材27が装着され、その装飾部材27の適当箇所に普通図柄表示手段28、特別図柄表示手段29が適宜装着されている。なお、遊技領域20、普通図柄表示手段28、特別図柄表示手段29はガラス扉5の窓孔8内に対応している。
画像表示手段22は遊技領域20の左右方向の略中央の上部に配置され、この画像表示手段22の下側に複合入賞手段24が配置されている。普通図柄始動手段23は画像表示手段22とガイドレール19との間に配置されている。普通入賞手段25は1個又は複数個の入賞口を一組として備え、複合入賞手段24の左右両側に設けられている。
複合入賞手段24は、図2、図5〜図8に示すように、入賞口31,32を有する特別図柄始動手段33と、入賞口34を有する可変入賞手段(開閉入賞手段)35とが上下に隣接して配置されたものである。特別図柄始動手段33は上下に隣接して配置された非開閉入賞手段36と開閉入賞手段37とを有する。非開閉入賞手段36は遊技盤11の前面で上向きに開口する非開閉型の第1入賞口31を有し、開閉入賞手段37は遊技盤11の前面で前向きに開口する開閉型の第2入賞口32を有する。また可変入賞手段35は遊技盤11の前面で前向きに開口する横長矩形状の第3入賞口34を有する。
画像表示手段22は、図2に示すように、裏構造体17の窓孔17aに対応して装着部17bに裏側から着脱自在に装着された表示手段本体(役物本体)38と、遊技盤11の前面側に配置され且つ結合手段41により裏構造体17に前側から着脱自在に装着された前飾り体39とを備えている。表示手段本体38は液晶式等の画像表示部40と、この画像表示部40を支持する支持枠(図示省略)とを有する。前飾り体39は光透過性を有し、遊技盤11の前面側に配置された前飾り部39aと、この前飾り部39aの内周側から画像表示部40の外周側に延びる表示窓用の周壁部39bとを備えている。
結合手段41は、図3、図4に示すように、裏構造体17の各取り付け部18から前側に突出する周方向に複数本のボス等の取り付け部41aと、前飾り部39aに前側から挿通され且つ取り付け部41aに着脱自在に螺合されたネジ41bとを有する。この結合手段41は前飾り体39を裏構造体17に前側から結合できるものであれば良い。
周壁部39bは遊技盤11の開口42内に配置されている。周壁部39bには画像表示部40の下部側にステージ43が設けられている。ステージ43は前飾り体39のワープ口(図示省略)からの遊技球を左右方向に遊動させながら遊技盤11の前側に落下させるためのものである。画像表示手段22の前飾り体39には電気部品が装着されておらず、電気部品である画像表示部40は表示手段本体38に設けられている。
なお、前飾り体39は裏構造体17に前側から装着されているが、画像表示部40を支持する支持枠に対して前側から着脱自在に装着するようにしても良い。また前飾り体39と遊技盤11との間には、図3に示すように、前飾り部39aから裏側に突出する位置決め突起等の位置決め手段44が設けられ、この位置決め手段44により前飾り体39が遊技盤11に位置決めされている。
裏構造体17の前側には、図1、図2、図4に示すように、発光演出手段45と第1・第2可動演出手段46,47とが設けられている。発光演出手段45は発光基板45aの前面に装着された多数の発光素子45bを備え、遊技盤11の遊技領域20の内、画像表示手段22、複合入賞手段24等以外の部分の裏側に対応して配置されている。この発光演出手段45は所定の遊技状態となったときに、発光素子45bが発光して遊技領域20を裏側から発光させて所定の演出を行う。発光基板45aは裏構造体17の取り付け部45cにネジ等により装着されている。なお、遊技盤11の裏面には、非発光状態の発光演出手段45を透視し難くなるように絵柄が付された装飾シート(図示省略)が貼着されている。
第1・第2可動演出手段46,47は、図2、図4に示すように、前飾り体39及び発光演出手段45と画像表示部40との間で画像表示部40の上下両側に配置されている。第1可動演出手段46は円弧状の第1可動体46aと、この第1可動体46aを出退駆動する第1演出駆動手段46bとを備え、画像表示部40の上側で裏構造体17の取り付け部46cにネジ等により装着されている。第1可動体46aは前飾り体39及び発光演出手段45の裏側に退避する退避位置(図1の点線位置)と、画像表示部40の前側に突出する演出位置(図1の二点鎖線位置)との間で前後軸廻りに出退自在である。
第2可動演出手段47は大砲等を模した第2可動体47aと、この第2可動体47aを出退駆動する第2演出駆動手段47bとを左右に備え、画像表示部40の下側で裏構造体17の取り付け部47cにネジ等により装着されている。第2可動体47aは前飾り体39の下部裏側に退避する退避位置(図1の点線位置)と、画像表示部40の前側で上向きに突出する演出位置(図1の二点鎖線位置)との間で前後軸廻りに出退自在である。なお、第1・第2可動演出手段46,47は所定の遊技状態となったときに、第1・第2可体46a,47aが前後軸廻りに演出位置へと回動して所定の可動演出を行う。
普通図柄表示手段28は普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類の普通図柄(例えば二種類の「○」「×」)に対応する複数の発光素子により構成されている。この普通図柄表示手段28は普通図柄始動手段23が遊技球を検出することを条件に2個の発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅して、普通図柄始動手段23の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合に当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。なお、変動後の普通図柄は1/10程度の所定の確率で当たり態様となる。
特別図柄表示手段29は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段33が遊技球を検出することを条件に、特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段33の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄始動手段33は、図5〜図8に示すように、第2入賞口32の入賞領域を変化させるための左右一対の開閉翼(開閉手段)50をその左右両側に有し、普通図柄表示手段28の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、開閉翼50が所定時間(短時間)開放するようになっている。
可変入賞手段35は、図5〜図8に示すように、第3入賞口34の入賞領域を変化させるための開閉扉(開閉手段)51を有し、特別図柄表示手段29の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別遊技状態が発生したときに開閉扉51が前側に開放して、上方から落下する遊技球を開閉扉51を経て第3入賞口34へと入賞させるようになっている。
なお、特別遊技状態中は開閉扉51の開放から所定時間(例えば30秒程度)が経過するか、その間に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉扉51を閉じる動作を1ラウンドとし、この動作を所定回数(例えば16ラウンド)継続するようになっている。
画像表示部40は、図1に示すように、特別図柄表示手段29の特別図柄に対応する演出図柄52a〜52cの変動表示、チャンスボタン15の操作指示画像53を表示する操作指示等、遊技の進行に従って適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示するものである。即ち、特別図柄表示手段29の特別図柄の変動に際して、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数個、例えば3個の演出図柄52a〜52cが画像表示部40に変動表示される。このとき演出図柄52a〜52cは特別図柄始動手段33の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序(例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
演出図柄52a〜52cの変動後の停止図柄は、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃う大当たり演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、演出図柄52a〜52cには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が大当たり態様で停止する場合に演出図柄52a〜52cは「7・7・7」等の大当たり演出態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合に演出図柄52a〜52cは「2・4・5」等の外れ演出態様で停止する。
チャンスボタン15の操作指示に際しては、変動後の特別図柄が大当たり態様となる信頼度の高い演出図柄変動パターンを抽選したとき等、遊技者に対して期待感を抱かせる所定の遊技状態、例えば1個の演出図柄52bを除く2個の演出図柄52a,52cが同じとなるリーチとなった場合に、画像表示部40の所定箇所に発光演出手段45の操作を指示する操作指示画像53が表示される。
そして、例えば特別図柄始動手段33が遊技球を検出したときに大当たりを抽選しており、変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に特別遊技状態が発生する場合には、その操作指示画像53に従って図柄変動中に適宜タイミングでチャンスボタン15を押圧操作すれば、チャンスボタン15が発光状態又は点滅発光状態となって、その後の大当たり態様での特別図柄の停止、及びこれに続く特別遊技状態の発生を予告する。
複合入賞手段24は特別図柄始動手段33と可変入賞手段35とを複合化したものであって、図2、図5〜図13に示すように構成されている。即ち、この複合入賞手段24は、裏構造体17に装着され且つ前部側が遊技盤11の開口55に裏側から装入された入賞手段本体(役物本体)56と、遊技盤11の前側に当接して配置され且つ入賞手段本体56に着脱自在に装着された前飾り体57とを備えている。
入賞手段本体56は、図2、図9に示すように、裏構造体17の装着部17cの前側に装着された裏ケース59を備え、この裏ケース59内に特別図柄始動手段33及び可変入賞手段35の後部機構58が収容され、また前飾り体57と裏ケース59との間には、特別図柄始動手段33及び可変入賞手段35の中間機構60が遊技盤11の開口55内に配置されている。
非開閉入賞手段36、開閉入賞手段37は、図5〜図13に示すように、第1・第2入賞口31,32と、第2入賞口32を開閉する開閉翼50と、第1・第2入賞口31,32からの遊技球を後方へと案内する第1・第2案内通路61,62と、第1・第2案内通路61,62からの遊技球を遊技盤11の裏側で下側へと案内する第1・第2球経路63,64と、第1・第2球経路63,64からの遊技球を下方へと落下させる第1落下口65と、開閉翼50を開閉駆動する第1開閉駆動手段66と、第1・第2入賞口31,32に入賞した遊技球を検出する第1・第2検出スイッチ67,68とを備えている。
なお、非開閉入賞手段36は第1入賞口31、第1案内通路61、第1球経路63、第1落下口65、第1検出スイッチ67等により構成され、開閉入賞手段37は第2入賞口32、開閉翼50、第2案内通路62、第2球経路64、第1落下口65、第1開閉駆動手段66、第2検出スイッチ68等により構成されている。
可変入賞手段35は、図5〜図13に示すように、第3入賞口34と、この第3入賞口34を開閉する開閉扉51と、第3入賞口34に連通する入賞室69と、入賞室69からの遊技球をアウト口26へと落下させる第2落下口70と、開閉扉51を開閉駆動する第2開閉駆動手段71と、第3入賞口34に入賞した遊技球を検出する第3検出スイッチ72とを備えている。
なお、後部機構58は第1・第2球経路63,64、第1・第2検出スイッチ67,68、第1・第2開閉駆動手段66,71等により構成され、中間機構60は第1・第2案内通路61,62、入賞室69、第3検出スイッチ72等により構成されている。第1・第2球経路63,64、第1・第2開閉駆動手段66,71、第1・第2検出スイッチ67,68は裏ケース59内に設けられ、また入賞室69、第3検出スイッチ72は裏ケース59の前面に設けられている。
第2・第3入賞口32,34は口枠体73に設けられ、また口枠体73には第2入賞口32の開閉翼50と第3入賞口34の開閉扉51とが設けられている。口枠体73は裏ケース59の前面に結合手段54により裏側から着脱自在に結合され、裏ケース59と共に複数種類のパチンコ機に共通な汎用部品である裏側ユニットを構成している。前飾り体57はパチンコ機1の機種毎の専用部品を構成するもので、遊技盤11の前面側に当接してネジ等の結合手段74により裏ケース59に前側から着脱自在に結合されている。
結合手段54は、図12に示すように、口枠体73から後方に突出する筒状の間隔保持兼用の取り付け部54aと裏ケース59に裏側から挿通され且つ取り付け部54aに螺合するネジ54bとを有する。
結合手段74は、図9、図11、図15に示すように、前飾り体57から後方に突出する筒状の間隔保持突起74aと、この間隔保持突起74aに対応して裏ケース56に設けられた位置決め凹部74b及び取り付け部74cと、間隔保持突起74aに挿通され且つ取り付け部74cに螺合するネジ74dとを有する。この結合手段74は前飾り体57を裏構造体17に位置決めする位置決め手段を兼用する。前飾り体57は位置決め突起等の位置決め手段(図示省略)により遊技盤11に対して所定位置に位置決めされている。
前飾り体57は、図15に示すように、特別図柄始動手段33の前周辺を飾る板状の第1前飾り部76と、可変入賞手段35の第3入賞口34の前周辺を飾る板状の第2前飾り部77とを上下に一体に備えている。第1前飾り部76には開閉入賞手段37の前側に対応する第1開口部76aと、第2前飾り部77には可変入賞手段35の前側に対応する第2開口部77aとが上下に連通して形成されている。前飾り体57の上端部には非開閉入賞手段36の第1入賞口31と第1案内通路61とが第1前飾り部76の前後に突出して一体に形成されている。なお、結合手段74は前飾り体57の第1・第2前飾り部76,77の外周部分に複数個設けられている。
口枠体73は、図14に示すように、遊技盤11の前面で第1・第2入賞口31,32の後部側外周を飾る上側の第1飾り部79と、遊技盤11の前面で第3入賞口34の外周を飾る下側の第2飾り部80とを上下に一体に備えている。第1飾り部79は前飾り体57の第1前飾り部76の第1開口部76aに、第2飾り部80は前飾り体57の第2前飾り部77の第2開口部77aに夫々前後方向に嵌脱自在であり、その前面が前飾り体57の前面と略面一状になっている。
第1飾り部79には、図14に示すように、第2入賞口32用の球受け部81と、この球受け部81の裏側に連通する第2案内通路62とが前後両側に突出して一体に設けられ、その球受け部81の前面に、球受け部81の前側を塞ぐ左右方向の前壁部81aが左右一対のネジ81bにより着脱自在に固定されている。球受け部81、第2案内通路62はU字状、その他の樋状に構成されている。
第2入賞口32の左右両側の開閉翼50は、前後両端部が第1前飾り部76と前壁部81aとにより回動自在に支持された前後方向の枢軸82により開閉自在に枢支され、開状態のときに上方からの遊技球を第2入賞口32へと案内するようになっている。開閉翼50は、図7に二点鎖線で示すように、閉状態にしたときに第1飾り部79の外周よりも内側に収まる大きさであり、組み立て・分解時には開閉翼50を閉状態にすることにより、前飾り体57の第1開口部76aを前後に通過可能である。
第2入賞口32は第3入賞口34の上側で前飾り体57の前面に装着された前カバー83により覆われている。前カバー83は第2入賞口32の下側から左右両側、前側を覆う形状になっており、前飾り体57に裏側から挿通されたネジ83aにより着脱自在に固定されている。
第2飾り部80には、図14に示すように、第3入賞口34が横長矩形状に形成されると共に、この第3入賞口34を開閉する開閉扉51がその下部の左右両側の横方向の枢軸85により開閉自在に枢支されている。開閉扉51は前側に開放したときに前飾り体57の第2開口部77aから遊技盤11の前側に突出して、前側、上方からの遊技球を受けて第3入賞口34へと案内するようになっている。
裏ケース59は、図8に示すように、前後に偏平な背面視略矩形状の箱型であって、前後方向に着脱自在に結合された前ケース体87と裏ケース体88とを備え、その前ケース体87に結合手段54により口枠体73が着脱自在に結合されている。
第1・第2球経路63,64、第1落下口65、第1・第2検出スイッチ67,68、第1・第2開閉駆動手段66,71は、裏ケース59の内部、即ち前ケース体87の裏側に設けられている。また入賞室69、第2落下口70、第3検出スイッチ72は、裏ケース59の前側、即ち前ケース体87の前側で前ケース体87と口枠体73との間に設けられている。従って、複合入賞手段24の前飾り体57には電気部品が設けられておらず、検出スイッチ67,68,72、開閉駆動手段66,71等の電気部品の全ては入賞手段本体56に設けられている。
第1・第2開閉駆動手段66,71は、図13に示すように、下向きに突出するプランジャー91a,92aを備えた第1・第2ソレノイド91,92により構成されており、その第1・第2ソレノイド91,92は左右方向の略中央の第2球経路64に対して第1球経路63とは反対側に配置されている。第1・第2ソレノイド91,92は前ケース体87の裏面の位置決め部91b,92bにより位置決めされ、且つ両ケース体87,88により前後両側から挟持されて固定されている。
特別図柄始動手段33側の第1ソレノイド91と開閉翼50は、第1連動体93、第1連動機構94を介して連動しており、第1ソレノイド91が励磁したきにプランジャー91aが上昇して開閉翼50が第2入賞口32を開放し、第1ソレノイド91が消磁したときに戻しバネによりプランジャー91aが下降して開閉翼50が第2入賞口32を閉じるようになっている。可変入賞手段35の第2ソレノイド92と開閉扉51も第2連動体90、第2連動機構96を介して連動しており、第2ソレノイド92が励磁したきにプランジャー92aが上昇して開閉扉51が第3入賞口34を開放し、第2ソレノイド92が消磁したときに戻しバネによりプランジャー92aが下降して開閉扉51が第3入賞口34を閉じるようになっている。
このパチンコ機1では、普通図柄始動手段23が遊技球を検出すると、普通図柄表示手段28の普通図柄が所定時間変動する。そして、変動後の普通図柄が当たり態様で停止すると、特別図柄始動手段33の開閉翼50が所定条件で開閉し、その開放時に第2入賞口32に遊技球が入賞し易くなる。
また特別図柄始動手段33の第1・第2入賞口31,32に遊技球が入賞し、その遊技球を第1・第2検出スイッチ67,68が検出すると、特別図柄表示手段29の特別図柄が変動すると共に、特別図柄の変動に同期して画像表示部40の演出図柄52a〜52cが変動する。そして、変動後の特別図柄が大当たり態様で停止すると、可変入賞手段35の開閉扉51が所定条件で開閉し、上方から落下する多数の遊技球が開閉扉51を経て第3入賞口34へと入賞し易くなる。普通入賞手段25、特別図柄始動手段33の第1・第2入賞口31,32、可変入賞手段35の第3入賞口34等に遊技球が入賞すると、その1入賞毎に規定数の遊技球が賞球として払い出される。なお、賞球数は入賞手段24,25に応じて異なっており、例えば第3入賞口34に入賞したときの賞球数が最も多くなっている。
特別図柄始動手段33の第1・第2入賞口31,32に入賞した遊技球は第1・第2案内通路61,62を経て裏ケース59内の第1・第2球経路63,64へと入り、この第1・第2球経路63,64を経て裏ケース59内を下方へと移動した後、裏ケース59の下端の第1落下口65から遊技盤11の裏側に落下する。そして、第1・第2球経路63,64を通過中の遊技球を第1・第2検出スイッチ67,68が検出し、その検出信号により大当たり抽選処理、特別図柄の変動処理、賞球の払い出し処理等の所定の制御が行われる。
可変入賞手段35の第3入賞口34に入賞した遊技球は、入賞室69を経て第2落下口70へと案内され、この第2落下口70から下方へと落下した後、遊技盤11に形成されたアウト口26を経て遊技盤11の裏側へと案内される。そして、第2落下口70から落下する遊技球を第3検出スイッチ72が検出し、その検出信号により賞球の払い出し処理等が行われる。
遊技盤11の組み立てに際しては、先ず裏構造体17側の装着部17bに画像表示手段22の表示手段本体38を、装着部17cに複合入賞手段24の入賞手段本体56を夫々装着する。また裏構造体17の前側に発光演出手段45、可動演出手段46,47を、裏側に各種の制御基板を夫々装着し、表示手段本体38の画像表示部40、入賞手段本体56の検出スイッチ67,68,72及び開閉駆動手段66,71、更には発光演出手段45、可動演出手段46,47等の電気部品をハーネスを介して制御基板等に接続する。
次に裏構造体17の取り付け部18を遊技盤11に固定された補強部材16の裏面に固定する。このとき裏構造体17は位置決め手段により遊技盤11に対して位置決めする。そして、裏構造体17の固定が完了すれば、遊技盤11の前側から画像表示手段22の前飾り体39を表示手段本体38に、複合入賞手段24の前飾り体57を入賞手段本体56に夫々対応させて、遊技盤11の開口42,55を経て結合手段54,74により各本体38,56に結合する。このとき各前飾り体39,57は、遊技盤11に対して位置決め手段を介して所定位置に位置決めし、また遊技盤11の前面に当接して固定する。
複合入賞手段24の前飾り体57を入賞手段本体56に結合する場合には、口枠体73の第1飾り部79を前飾り体57の第1前飾り部76に形成された第1開口部76aに、口枠体73の第2飾り部80を前飾り体57の第2前飾り部77に形成された第2開口部77aに夫々対応させて、前飾り体57の各開口部76a,77aに口枠体73の各飾り部79,80を嵌め込み、その後に前飾り体57を入賞手段本体56に結合すれば良い。これによって口枠体73の周辺を前飾り体57で覆うことができる。
この実施形態では、次のような利点がある。複合入賞手段24は遊技盤11の裏側の入賞手段本体56と遊技盤11の前側の前飾り体57とに分けて、入賞手段本体56は遊技盤11の裏側に配置された裏構造体17に装着し、前飾り体57はその入賞手段本体56に前側から着脱自在に装着しているので、複合入賞手段24を遊技盤11に直接装着する場合に比較して遊技盤11の負担を軽減することができる。
特に透明型の遊技盤11の場合には、透明板の厚さを薄くして製造コストの低減を図る傾向にあるが、そのような場合に遊技盤11の負担を軽減できる点で非常に効果的である。また遊技盤11の裏側外周部に補強部材16を設け、この補強部材16に裏構造体17を装着することにより、遊技盤11の厚さを薄くしながらもその歪み等の変形を防止することができる。なお、合板製の遊技盤11を使用する場合にも、同様にその負担を軽減できることは云うまでもない。
また画像表示手段22も複合入賞手段24と同様に、遊技盤11の裏側の表示手段本体38と遊技盤11の前側の前飾り体39とに分けて、表示手段本体38は遊技盤11の裏側の裏構造体17に装着し、前飾り体39はその表示手段本体38に前側から着脱自在に装着しているため、画像表示手段22側においても遊技盤11の負担を軽減することができる。
しかも、画像表示手段22は画像表示部40を、複合入賞手段24は検出スイッチ67,68,72、開閉駆動手段66,71を夫々有するが、その画像表示部40は表示手段本体38に、検出スイッチ67,68,72、開閉駆動手段66,71は入賞手段本体56に夫々設けているので、裏構造体17側で予めハーネスを接続した状態で遊技盤11に装着することが可能であり、組立て時の作業性が向上する利点がある。
更に画像表示手段22、複合入賞手段24の電気部品を表示手段本体38、入賞手段本体56側に設けることにより、その各前飾り体39,57側に電気部品を設ける必要がなくなり、前飾り体39,57を成型品で容易に構成することができる。従って、画像表示手段22、複合入賞手段24の前飾り体39,57をその機種に専用の専用部品とし、表示手段本体38、入賞手段本体56を複数種類の機種の共通の汎用部品とする等によって、遊技盤11全体の製造コストの低減を図ることができる。
画像表示手段22、複合入賞手段24の前飾り体39,57は裏構造体17側の表示手段本体38、入賞手段本体56に装着しているが、遊技盤11の前側から表示手段本体38、入賞手段本体56に対して取り付けるため、表示手段本体38、入賞手段本体56を含む裏構造体17を遊技盤11の裏側に取り付けた後であれば、前飾り体39,57を表示手段本体38、入賞手段本体56に容易に装着することができる。
また画像表示手段22の前飾り体39と表示手段本体38、及び複合入賞手段24の前飾り体57と入賞手段本体56は、夫々位置決め手段により位置決めしているため、表示手段本体38及び入賞手段本体56に対して各前飾り体39,57が上下方向、左右方向等に位置ずれする等の問題も未然に防止することができる。同様に画像表示手段22、複合入賞手段24の前飾り体39,57は位置決め手段により遊技盤11に対して位置決めするため、裏構造体17側の表示手段本体38、入賞手段本体56に装着しているにも拘わらず、遊技盤11側の装着位置に対する前飾り体39,57の位置ずれを防止できる。
また画像表示手段22、複合入賞手段24の前飾り体39,57は遊技盤11の前面に当接した状態で裏構造体17に固定しているため、遊技盤11と前飾り体39,57との接触部分での微振動による騒音の発生等も少なくすることができる。
図16〜図18は本説明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、図16に示すように、画像表示手段22の前飾り体39の一部、例えば左上部に対応して開閉入賞手段100が設けられている。
この開閉入賞手段100は、図17、図18に示すように、画像表示手段22の前飾り体39の一部を利用して一体に設けられた前飾り体101と、この前飾り体101の裏側に配置された入賞手段本体56とを有する。画像表示手段22の前飾り体39は、第1の実施形態と同様に裏構造体17に前側から装着されており、その前飾り部39aが遊技盤11の前面に当接している。
開閉入賞手段100の前飾り体101は、前飾り体39の外周壁39cと一体に形成された底面部101a及び案内部101bと、前飾り体39の前飾り部39aと一体に形成された前面部101cと、前飾り体39の当接壁39dと一体に形成された当接部101dとを有し、入賞手段本体56の入賞口102に対応して遊技盤11の前面に当接している。
入賞手段本体56は前面に開口する入賞口102を有する入賞ケース103と、入賞ケース103に前後方向の支軸104を介して開閉自在に枢支された開閉翼105と、入賞ケース103内に固定され且つアーム106を介して開閉翼105を開閉駆動する開閉駆動手段107と、入賞口102に入賞した遊技球を検出する検出スイッチ(図示省略)とを備え、裏構造体17の装着部108に着脱自在に装着されている。
入賞ケース103は上部側に遊技盤11の開口110内に突出する突出部109を有し、その突出部109の前端に入賞口102が設けられている。突出部109の前端は前飾り体101の当接部101dの開口101eの裏側に対応している。
開閉翼105は前飾り体101の案内部101bとの間で入賞口102を開閉するもので、突出部109の前側に配置され、通常は上端が案内部101bの上部に当接又は近接して入賞口102を閉じている。入賞口102は入賞ケース103内の縦方向の球通路111に連通し、球通路111は入賞口102に入賞した遊技球を下方の回収側へと案内するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
この開閉入賞手段100は、所定の遊技状態になれば開閉駆動手段107により開閉翼105が支軸104廻りに回動して入賞口102を開放する。そして、入賞口102に所定数の遊技球が入賞するか、または開放から所定時間が経過すると、開閉翼105が逆方向に回動して入賞口102を閉じる。なお、開閉翼105は複数回開閉動作するようにしても良い。
このような構成の開閉入賞手段100の場合にも、表示手段本体38及び入賞手段本体56を有する裏構造体17を遊技盤11の裏側に装着し、その後に画像表示手段22の前飾り体39を裏構造体17に取り付けることにより、開閉入賞手段100の前飾り体101を入賞手段本体56に対応して配置することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、この実施形態では、開閉入賞手段100の前飾り体39を画像表示手段22の前飾り体101に一体に設けて、画像表示手段22の前飾り体39を介して開閉入賞手段100の前飾り体101を入賞手段本体56に結合している。しかし、開閉入賞手段100の前飾り体39と入賞手段本体56とを直接結合するようにしても良い。その場合には、入賞手段本体56の前飾り体101は開閉入賞手段100の前飾り体39から分離すれば良い。
図19、図20は本説明の第3の実施形態を例示する。この実施形態の開閉入賞手段100は、図19、図20に示すように、裏構造体17側に装着された入賞手段本体56と、遊技盤11の前側に配置された前飾り体101とを有する。入賞手段本体56は前側に横長状に開口する入賞口102が形成された入賞ケース103と、下部側が横方向の支軸113により入賞ケース103に枢支され且つ入賞口102を開閉する開閉扉114と、開閉扉114を開閉駆動する開閉駆動手段107と、入賞口102に入賞した遊技球を下方の回収側へと案内する球通路111と、入賞口102に入賞した遊技球を検出する検出スイッチ(図示省略)とを備え、前部側が遊技盤11の開口110に裏側から挿入されている。開閉扉114は所定の遊技状態のときに前側に開放して、上側から落下する遊技球を入賞口102へと案内するようになっている。
前飾り体101は遊技盤11の前面に当接して入賞ケース103の前端側の外周を覆う板状であって、画像表示手段22の前飾り体39に一体に形成されている。この前飾り体101には入賞ケース103に対応する開口116が形成され、この開口116に入賞ケース103の前端部が裏側から挿入されている。他の構成は第1又は第2の実施形態と同様である。
このように開閉入賞手段100は、開閉扉114が横方向の支軸113廻りに回動して入賞口102を開閉するようにしたものであっても良い。またこの実施形態の場合にも、開閉入賞手段100の前飾り体101を画像表示手段22の前飾り体39に一体に設けて、画像表示手段22の前飾り体39を介して開閉入賞手段100の前飾り体101を入賞手段本体56に結合しているが、開閉入賞手段100の前飾り体101と入賞手段本体56とを直接結合するようにしても良い。
図21、図22は本説明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、裏構造体17の外周部に、遊技盤11の裏側に当接する補強枠部118と、この補強枠部118の外周から前側に屈曲する保護部119とが一体に設けられている。裏構造体17にはその前側で画像表示部40の外周側に発光演出手段45が設けられている。発光演出手段45は装飾体(又は演出体)45dと、発光基板45aに装着された発光素子45bとを有し、所定の遊技状態になったときに発光して装飾体45dに裏側から光を当てて演出するようになっている。
補強枠部118は裏板部118aと、遊技領域の外周側で裏板部118aから前側に突出する周壁部118bと、保護部119と周壁部118bとの間に縦横に形成された補強リブ118cと、補強リブ118cの交差部に設けられた筒状の取り付け部118dとを一体に備え、取り付け部118dから挿通されたネジ118eにより遊技盤11の裏面に着脱自在に装着されている。取り付け部118d、ネジ118eは周方向に複数個配置されている。遊技盤11は保護部119内に配置され、外周から保護部119により保護されている。保護部119は遊技盤11の略全周を取り囲む周壁状に構成されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように裏構造体17の外周に補強枠部118を一体に設けて、この補強枠部118を介して裏構造体17を遊技盤11に装着しても良く、この場合には遊技盤11に対して裏構造体17及び補強枠部118を同時に装着できる利点がある。また補強枠部118に保護部119を設けて、この保護部119により遊技盤11を外周側から保護するようにしても良い。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、遊技役物として画像表示手段22、複合入賞手段24、開閉入賞手段100等を例示しているが、これら以外のものでも同様に実施可能である。また複合入賞手段24は特別図柄始動手段33と可変入賞手段35とを複合化したものの他、普通入賞手段25と可変入賞手段35とを複合化したものでも良い。普通入賞手段25は複合入賞手段24と同様に裏構造体17側の入賞手段本体56に装着するようにしても良い。
第1の実施形態の画像表示手段22は、表示手段本体38と前飾り体39とに分けて、表示手段本体38を裏構造体17に、前飾り体39を遊技盤11の前側から裏構造体17に夫々装着するようにする一方、その前飾り体39には電気部品を備えない構成としている。しかし、画像表示手段22の前飾り体39に発光演出手段45、可動演出手段46,47の一方又は両方を設けて、この前飾り体39を裏構造体17又は表示手段本体38に装着しても良い。
遊技盤11は透明型の他、合板製、その他の不透明型でも良い。また実施形態では、透明型の遊技盤11を示し、その厚さを遊技盤装着部4aの装着寸法の略半分程度にしているが、遊技盤装着部4aの装着寸法と略同一のものでも良い。また遊技盤11の外周側に補強部材16を設ける場合、その補強部材16は遊技盤11の前面側に設けてもよいし、他の構造の補強部材16を設けるようにしても良い。
また遊技役物の役物本体38,56と、遊技盤11の前側に配置されて役物本体38,56に前側から装着される前飾り体39,57との間には、前飾り体39,57と役物本体38,56との結合部分を相対的に案内する案内手段を設けることが望ましい。
更に遊技領域20内の遊技盤11の裏側部分、例えば裏構造体17、複合入賞手段24の裏ケース59、画像表示手段22の画像表示部40の外周部分、退避位置の可動演出手段46,47等は、遊技盤11の裏側に配置された発光演出手段45等で前側から覆い、遊技盤11の前面から透視できないようにすることが望ましい。なお、遊技盤11の裏面に装着された装飾シートにより、それらの透視を遮るようにしても良い。更に実施形態ではパチンコ機について例示しているが、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施可能である。