以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の第1の実施形態(実施例1)によるレート制御装置は、ライブ映像のパケット転送量の推移を表すグラフを画面表示すると共に、ライブ映像を画面表示することで、ネットワーク利用者に対しライブ映像のエンコードレートの増減指示を入力させ、ネットワーク利用者の操作に従ってエンコードレートの増減指示を入力し、ライブ映像のエンコードレートを設定することを特徴とする。
実施例1の第1変形例によるレート制御装置は、実施例1の処理に加え、さらに、ライブ映像のデータに基づいてその画質を評価し、画質評価値に基づいてエンコードレートの増減指示を生成し、ネットワーク利用者の操作に従って入力したエンコードレートの増減指示または生成した増減指示に従って、ライブ映像のエンコードレートを変更させることを特徴とする。
実施例1の第2変形例によるレート制御装置は、実施例1の処理に加え、さらに、ライブ状況(本番中または本番中でない)に応じたエンコードレートを設定し、ネットワーク利用者の操作に従って入力したエンコードレートの増減指示に従って、ライブ映像のエンコードレートを改めて設定するものである。。
本発明の第2の実施形態(実施例2)によるレート制御装置は、ファイルのパケット転送量の推移を表すグラフを画面表示すると共に、受信済みデータの割合を受信進捗情報として画面表示することで、ネットワーク利用者に対しファイルの伝送レートの増減指示を入力させ、ネットワーク利用者の操作に従って伝送レートの増減指示を入力し、ファイルの伝送レートを設定するものである。
本発明の第3の実施形態(実施例3)によるレート制御装置は、実施例1の処理に実施例2の処理を加えたものであり、さらに、ネットワーク利用者の操作に従ってライブ映像若しくはファイルの優先度または帯域情報を入力し、ネットワークQoS(Quality of Service)を変更させることを特徴とする。
本発明の第4の実施形態(実施例4)によるレート制御装置は、実施例1〜3の処理に加え、さらに、ライブ映像のパケット転送量の推移を表すグラフを、複数のウェブクライアントに画面表示させることを特徴とする。
本発明の第5の実施形態(実施例5)によるレート制御装置は、実施例1〜4において、エンコードレートまたは伝送レートを設定する構成部の具体例を示すものであり、フェーダ型ミキサーインターフェースを操作するネットワーク利用者からのレートの増減指示に基づいて、エンコードレートまたは伝送レートを設定することを特徴とする。
本発明の第6の実施形態(実施例6)によるレート制御装置は、実施例1〜4において、エンコードレートまたは伝送レートを設定する構成部の具体例を示すものであり、グループフェーダを備えたフェーダ型ミキサーインターフェースを操作するネットワーク利用者からのレートの増減指示に基づいて、エンコードレートまたは伝送レートを設定することを特徴とする。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。実施例1は、前述のとおり、ライブ映像のパケット転送量の推移を表すグラフを画面表示すると共に、ライブ映像を画面表示することで、ネットワーク利用者に対しライブ映像のエンコードレートの増減指示を入力させ、ネットワーク利用者の操作に従ってエンコードレートの増減指示を入力し、ライブ映像のエンコードレートを設定するものである。
図1は、実施例1のレート制御装置を含む伝送システムの構成を示すブロック図である。この伝送システムは、ライブ映像をネットワーク上でリアルタイムに伝送する場合を想定しており、レート制御装置1−1、複数の映像エンコーダ(送信装置)2、パケットスイッチ装置3、及び複数の映像デコーダ(受信装置)4により構成される。レート制御装置1−1と複数の映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3及び複数の映像デコーダ4とは、放送局内ネットワーク、イーサネット(登録商標)、インターネット等のIPネットワークにより接続される。複数の映像エンコーダ2とパケットスイッチ装置3との間の接続、及びパケットスイッチ装置3と複数の映像デコーダ4との間の接続も同様である。
映像エンコーダ2は、カメラ等により撮影されたライブ映像を入力すると共に、レート制御装置1−1からエンコードレートを受信し、受信したエンコードレートにてライブ映像のデータを符号化して圧縮し、圧縮したライブ映像のデータをパケットに格納し、当該パケットを、パケットスイッチ装置3を介して対応する映像デコーダ4(当該ライブ映像の伝送を要求した映像デコーダ4)へ送信する。
パケットスイッチ装置3は、映像エンコーダ2により送信されたライブ映像のパケットを受信し、受信したライブ映像のパケットを、対応する映像デコーダ4へ転送する。また、パケットスイッチ装置3は、所定の時間毎に、転送したライブ映像のパケットの量を算出し、時間毎のパケット量の情報をレート制御装置1−1へ送信する。
この場合、パケットスイッチ装置3は、複数の映像エンコーダ2からライブ映像のパケットをそれぞれ受信し、そのライブ映像毎に、時間毎のパケット量を算出してレート制御装置1−1へ送信する。したがって、レート制御装置1−1へ送信される時間毎のパケット量の情報には、ライブ映像を識別するための情報も含まれ、レート制御装置1−1は、ライブ映像毎の時間毎のパケット量をパケットスイッチ装置3から受信する。ライブ映像を識別するための情報は、例えばポート情報である。後述する実施例2等において、パケットスイッチ装置3がファイルのパケットを受信する場合も同様である。
映像デコーダ4は、映像エンコーダ2により送信されたライブ映像のパケットを、パケットスイッチ装置3を介して受信し、受信したライブ映像のパケットからライブ映像のデータを取り出し、ライブ映像のデータ(圧縮されたライブ映像のデータ)を復号して元のライブ映像に戻し、画面表示する。また、映像デコーダ4は、復号した元のライブ映像をレート制御装置1−1へ送信する。
尚、映像デコーダ4は、受信したライブ映像のパケットをレート制御装置1−1へ送信するようにしてもよい。この場合、レート制御装置1−1は、映像デコーダ4からライブ映像のパケットを受信し、受信したライブ映像のパケットからライブ映像のデータを取り出し、ライブ映像のデータを復号して元のライブ映像に戻し、画面表示する。
レート制御装置1−1は、ネットワーク利用者によるレート増減指示に従って、ライブ映像のエンコードレートを設定し、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2(当該ライブ映像を送信する映像エンコーダ2)へ送信する。また、レート制御装置1−1は、パケットスイッチ装置3から時間毎のパケット量の情報を受信すると共に、映像デコーダ4からライブ映像を受信する。そして、レート制御装置1−1は、時間毎のパケット量をパケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフ(時間軸上のレートデータのグラフ)として画面表示すると共に、ライブ映像を画面表示する。
これにより、レート制御装置1−1を操作するネットワーク利用者は、ライブ映像のレートの時間的推移及びライブ映像の画質を視覚的に把握しながら、自らの意図に沿うように、当該ライブ映像のエンコードレートを増加または減少させることができる。
(レート制御装置1−1)
次に、レート制御装置1−1について詳細に説明する。図1を参照して、レート制御装置1−1は、転送パケット集計部(パケット量取得部)10及びユーザインターフェース部11を備えている。ユーザインターフェース部11は、レート描画部20、画質確認部21及びレート指示部22を備えている。レート描画部20及び画質確認部21により表示部が構成される。
転送パケット集計部10は、パケットスイッチ装置3から時間毎のパケット量の情報を受信し、ライブ映像毎に時間毎のパケット量を集計し、集計した時間毎のパケット量をユーザインターフェース部11のレート描画部20に出力する。例えば、転送パケット集計部10は、時間毎のパケット量として、パケットスイッチ装置3が1秒毎に転送したパケットのデータ量を出力する。
これにより、転送パケット集計部10は、パケットスイッチ装置3の各ポートを流れるライブ映像毎のパケットの転送状況を、所定のインターフェースを利用して取得することができる。
ユーザインターフェース部11のレート描画部20は、転送パケット集計部10から時間毎のパケット量を入力し、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフであって時間毎に更新されるグラフを画面表示する。これにより、ライブ映像毎に、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフが画面表示され、ネットワーク利用者は、画面表示されたグラフから、ライブ映像のレートの推移を視覚的に把握することができる。
画質確認部21は、映像デコーダ4からライブ映像を受信し、これを画面表示する。これにより、ネットワーク利用者は、画面表示されたライブ映像から、当該ライブ映像の画質を視覚的に把握することができる。
レート指示部22は、ネットワーク利用者(伝送システムの利用者であって、レート描画部20及び画質確認部21に画面表示されたグラフ及びライブ映像を監視している者)の操作に従ってレート増減指示を入力し、入力したレート増減指示のデータに基づいてライブ映像のエンコードレートを設定し、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へ送信する。具体的には、レート指示部22は、レート増減指示としてレート増加指示を入力した場合、現状のエンコードレートに、レート増加指示に応じた大きさのレートを加算し、加算後のエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信する。また、レート指示部22は、レート減少指示を入力した場合、現状のエンコードレートから、レート減少指示に応じた大きさのレートを減算し、減算後のエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信する。後述する他の実施例におけるレート指示部23,24,26,27についても同様である。これにより、ネットワーク利用者は、ライブ映像のエンコードレートを変更することができ、自らの意図に沿ったライブ映像の画質に変更することができる。
図2は、図1に示した実施例1のレート制御装置1−1の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、レート制御装置1−1の処理、及びネットワーク利用者による画面表示の確認作業及びレート指示作業の例を示している。
レート制御装置1−1の転送パケット集計部10は、パケットスイッチ装置3からライブ映像の時間毎のパケット量の情報を受信すると(ステップS201)、レート描画部20は、当該ライブ映像のパケット転送量の推移を表すグラフを画面表示する(ステップS202)。ネットワーク利用者は、画面表示されたグラフから当該ライブ映像のレートを確認し(ステップS1)、帯域利用状況を判断してエンコードレートの増減を指示する(ステップS2)。この場合、ネットワーク利用者は、後述するステップS3において、画面表示されたライブ映像の画質も確認している。
そして、レート指示部22は、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力し、エンコードレートを設定して映像エンコーダ2へ送信する(ステップS203)。画質確認部21は、映像デコーダ4から、ステップS203にて設定されたエンコードレートにて符号化されたライブ映像のパケットを受信し、ライブ映像を画面表示する(ステップS204)。ネットワーク利用者は、画面表示されたライブ映像の画質を確認する(ステップS3)。
エンコードレートを増加させると、その分利用帯域は増加するが、ライブ映像の画質は向上する。これに対し、エンコードレートを減少させると、その分利用帯域は減少するが、ライブ映像の画質は低下する。これにより、ネットワーク利用者は、ステップS3において、指示したエンコードレートによるライブ映像の画質が意図に沿ったものであるか否か、また許容できる範囲であるか否かを確認することができる。また、ネットワーク利用者は、ステップS1において、指示したとおりにエンコードレートが変更され、その結果、時間毎のパケット転送量が増加または減少しているか否かを確認することができる。
そして、レート制御装置1−1は、処理を終了しない限り(ステップS205)、ステップS201〜ステップS204を繰り返す。ネットワーク利用者も、ステップS1〜ステップS3の作業を繰り返す。
以上のように、実施例1のレート制御装置1−1によれば、レート描画部20は、転送パケット集計部10がパケットスイッチ装置3から受信した時間毎のパケット量を、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフとして画面表示し、画質確認部21は、映像デコーダ4から受信したライブ映像を画面表示し、レート指示部22は、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力し、ライブ映像のエンコードレートを設定して映像エンコーダ2へ送信するようにした。これにより、ネットワーク利用者は、レート増減を指示したライブ映像のパケット転送量の推移を視覚的に把握することができ、レート増減を指示したライブ映像の画質を把握することができ、さらに、自らの意図に沿うようにエンコードレートの増減を指示することができる。したがって、ネットワーク利用者がネットワークの状況を視覚的に把握している状況において、そのネットワーク利用者の意図に沿ったレート制御を実現することができる。
図1に示した伝送システムでは、複数のライブ映像を同時に伝送する際に、限られた帯域を複数のライブ映像の伝送ストリームで分け合う必要がある。実施例1のレート制御装置1−1によれば、ネットワーク利用者は、それぞれのライブ映像の画質を確認しながらエンコードレートの増減を指示し、その結果のパケット転送量(ライブ映像のエンコードレート)の変化を時系列の推移として確認することができる。レート制御装置1−1は、各伝送ストリームの帯域利用率と画質とをネットワーク利用者に対して視覚的に示しながら、ネットワーク利用者の意図に沿った、複数のライブ映像の伝送を実現することができる。
これにより、例えば動きが少なく画質劣化が目立たないライブ映像に対してエンコードレートを減少させ、より動きの激しいライブ映像に対して多くの帯域を割り当てるためにエンコードレートを増加させることで、当該ライブ映像の画質を向上させる等の制御を、ネットワーク利用者の操作により実現することができる。
〔実施例1の第1変形例〕
次に、実施例1の第1変形例について説明する。実施例1の第1変形例は、前述のとおり、実施例1の処理に加え、さらに、ライブ映像のデータに基づいてその画質を評価し、画質評価値に基づいてエンコードレートの増減指示を生成し、ネットワーク利用者の操作に従って入力したエンコードレートの増減指示または生成した増減指示に従って、ライブ映像のエンコードレートを設定するものである。
図3は、実施例1の第1変形例によるレート制御装置を含む伝送システムの構成を示すブロック図である。この伝送システムは、実施例1と同様に、ライブ映像をネットワーク上でリアルタイムに伝送する場合を想定しており、レート制御装置1−1−1、複数の映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3、及び複数の映像デコーダ4により構成される。映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3及び映像デコーダ4は、図1に示した実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
レート制御装置1−1−1は、図1に示した実施例1のレート制御装置1−1の処理に加え、ライブ映像の画質を評価し、画質評価値に基づいて、ライブ映像のエンコードレートに対するレート増減指示を生成する。そして、レート制御装置1−1−1は、生成したレート増減指示に従ってエンコードレートを設定し、対応する映像エンコーダ2へ送信する。また、レート制御装置1−1−1は、エンコードレートを設定する際に、画質評価値に基づいて生成したレート増減指示よりも、ネットワーク利用者の操作に従って入力したレート増減指示を優先する。
これにより、ライブ映像の画質に基づいて自動的にエンコードレートを変更することができ、ネットワーク利用者は、ライブ映像のレートの時間的推移及びライブ映像の画質を視覚的に把握しながら、自らの意図に沿うように、当該ライブ映像のエンコードレートを増加または減少させることができる。また、レート制御装置1−1−1による画質に基づくエンコードレートの自動的な変更処理よりも、ネットワーク利用者の意図を優先させることができる。
(レート制御装置1−1−1)
次に、レート制御装置1−1−1について詳細に説明する。図3を参照して、レート制御装置1−1−1は、転送パケット集計部10、ユーザインターフェース部12及び画質評価部13を備えている。ユーザインターフェース部12は、レート描画部20、画質確認部21及びレート指示部23を備えている。
図1に示した実施例1のレート制御装置1−1と図3に示した実施例1の第1変形例のレート制御装置1−1−1とを比較すると、両レート制御装置1−1,1−1−1は、転送パケット集計部10、レート描画部20及び画質確認部21を備えている点で同一であるが、レート制御装置1−1−1は、レート制御装置1−1のレート指示部22とは異なるレート指示部23を備え、さらに、画質評価部13を備えている点で相違する。図3において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
レート制御装置1−1−1の画質評価部13は、映像デコーダ4からライブ映像のパケットを受信し、ライブ映像のデータに基づいてライブ映像の画質を評価し、ライブ映像の画質を数値化した画質評価値を求める。例えば、画質評価部13は、既存の手法にてブロックノイズ量を測定し、ブロックノイズ量と反比例するようにライブ映像の画質評価値を求める。そして、画質評価部13は、画質評価値が小さい場合はエンコードレートが高くなるように、画質評価値が大きい場合はエンコードレートが低くなるように、ライブ映像のエンコードレートに対するレート増減指示を生成する。そして、画質評価部13は、生成したレート増減指示をユーザインターフェース部12のレート指示部23に出力する。
図4は、画質評価部13の処理を示すフローチャートである。画質評価部13は、映像デコーダ4からライブ映像のパケットを受信すると(ステップS401)、ライブ映像のデータに基づいて画質を評価する(ステップS402)。画質評価部13は、画質評価値と所定の設定値とを比較し(ステップS403)、画質評価値が設定値よりも小さいと判定した場合(ステップS403:<)、ライブ映像は低画質であると判断し、レート増加指示を生成してレート指示部23に出力する(ステップS404)。
一方、画質評価部13は、ステップS403において、画質評価値が設定値よりも大きいと判定した場合(ステップS403:>)、ライブ映像は高画質であると判断し、レート減少指示を生成してレート指示部23に出力する(ステップS405)。また、画質評価部13は、ステップS403において、画質評価値が設定値と同じであると判定した場合(ステップS403:=)、画質はOKであると判断する。この場合、レート増減指示は生成されず、レート指示部23へ出力されない。
そして、画質評価部13は、処理を終了しない限り(ステップS406)、ステップS401〜ステップS405を繰り返す。
図3に戻って、ユーザインターフェース部12のレート指示部23は、画質評価部13からレート増減指示を入力すると共に、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力する。具体的には、レート指示部23は、図1に示したレート指示部22がネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力した場合の処理に加え、画質評価部13からレート増加指示を入力した場合、現状のエンコードレートに、レート増加指示に応じた大きさのレートを加算し、加算後のエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信する。また、レート指示部23は、画質評価部13からレート減少指示を入力した場合、現状のエンコードレートから、レート減少指示に応じた大きさのレートを減算し、減算後のエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信する。そして、レート指示部23は、画質評価部13からのレート増減指示よりもネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を優先し、ライブ映像のエンコードレートを設定して対応する映像エンコーダ2へ送信する。
図5は、レート指示部23の処理を示すフローチャートである。レート指示部23は、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力したか否かを判定し(ステップS501)、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力したと判定した場合(ステップS501:Y)、当該レート増減指示に従ってエンコードレートを設定する(ステップS502)。
一方、レート指示部23は、ステップS501において、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力していないと判定した場合(ステップS501:N)、ステップS503へ移行する。レート指示部23は、ステップS501から移行して、画質評価部13からレート増減指示を入力したか否かを判定し(ステップS503)、画質評価部13からレート増減指示を入力したと判定した場合(ステップS503:Y)、当該レート増減指示に従ってエンコードレートを設定する(ステップS504)。一方、レート指示部23は、ステップS503において、画質評価部13からレート増減指示を入力していないと判定した場合(ステップS503:N)、ステップS506へ移行する。
レート指示部23は、ステップS502またはステップS504から移行して、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へ送信する(ステップS505)。
そして、レート指示部23は、ステップS503またはステップS505から移行して、処理を終了しない限り(ステップS506)、ステップS501〜ステップS505を繰り返す。
以上のように、実施例1の第1変形例のレート制御装置1−1−1によれば、実施例1のレート制御装置1−1と同様に、レート描画部20は、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフを画面表示し、画質確認部21は、ライブ映像を画面表示するようにした。また、画質評価部13は、ライブ映像のデータに基づいてライブ映像の画質を示す画質評価値を求め、画質評価値に基づいてエンコードレートのレート増減指示を生成するようにし、レート指示部23は、画質評価部13により生成されたレート増減指示またはネットワーク利用者の操作に従って入力したレート増減指示を用いて、ライブ映像のエンコードレートを設定し、設定したエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信するようにした。これにより、実施例1と同様の効果を奏する。
また、ライブ映像から自動的に生成したレート増減指示に従って、当該ライブ映像のエンコードレートを変更するようにしたから、ライブ映像が低画質の場合はエンコードレートを高く設定して画質を向上させ、ライブ映像が高画質の場合はエンコードレートを低く設定して画質を低下させることができる。
また、レート制御装置1−1−1によれば、ライブ映像から自動的に生成したレート増減指示よりも、ネットワーク利用者の操作に従って手動的に入力したレート増減指示を優先し、ライブ映像のエンコードレートを設定するようにした。これにより、ネットワークの状況を視覚的に把握しているネットワーク利用者の意図に沿ったレート制御を実現すると共に、ネットワーク利用者からの指示がない場合は、ライブ映像の画質に基づいた自動的なレート制御を実現することができる。
〔実施例1の第2変形例〕
次に、実施例1の第2変形例について説明する。実施例1の第2変形例は、本伝送システムにより伝送されたライブ映像を番組制作等で利用する場合を想定したものであり、前述のとおり、実施例1の処理に加え、さらに、ライブ状況(本番中または本番中でない)に応じたエンコードレートを設定し、ネットワーク利用者の操作に従って入力したエンコードレートの増減指示に従って、ライブ映像のエンコードレートを改めて設定するものである。
図6は、実施例1の第2変形例によるレート制御装置を含む伝送システムの構成を示すブロック図である。この伝送システムは、実施例1と同様に、ライブ映像をネットワーク上でリアルタイムに伝送する場合を想定しており、レート制御装置1−1−2、複数の映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3、及び複数の映像デコーダ4により構成される。映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3及び映像デコーダ4は、図1に示した実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
レート制御装置1−1−2は、図1に示した実施例1のレート制御装置1−1の処理に加え、ライブの状況(本番中または本番中でない(例えば本番前))を判定し、その状況に応じたエンコードレートを設定し、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へ送信する。そして、レート制御装置1−1−2は、ネットワーク利用者によるレート増減指示を入力した場合、当該レート増減指示に従ってエンコードレートを設定し(ライブの状況に応じて設定したエンコードレートを改めて設定し)、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へ送信する。
これにより、全てのライブ映像に同一のエンコードレートを設定するのではなく、ライブの状況に応じて自動的にエンコードレートを変更することができ、より多くのライブ映像を同時に伝送することができる。
(レート制御装置1−1−2)
次に、レート制御装置1−1−2について詳細に説明する。図6を参照して、レート制御装置1−1−2は、転送パケット集計部10、ユーザインターフェース部14及びライブ状況判定部15を備えている。
図1に示した実施例1のレート制御装置1−1と図6に示した実施例1の第2変形例のレート制御装置1−1−2とを比較すると、両レート制御装置1−1,1−1−2は、転送パケット集計部10、レート描画部20及び画質確認部21を備えている点で同一であるが、レート制御装置1−1−2は、レート制御装置1−1のレート指示部22とは異なるレート指示部24を備え、さらに、ライブ状況判定部15を備えている点で相違する。図6において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
レート制御装置1−1−2のライブ状況判定部15は、タリー信号を入力し、タリー信号に基づいてライブ映像におけるライブの状況(本番中または本番中でない)を判定し、その状況に応じたエンコードレートを設定し、設定したエンコードレートをレート指示部24に出力する。タリー信号は、ライブ映像の放送が行われている本番中であるか否かを示す信号である。
尚、ライブ状況判定部15は、タリー信号の代わりに、ネットワーク利用者の操作に従って、ライブの状況を示す信号を入力するようにしてもよい。
図7は、ライブ状況判定部15の処理を示すフローチャートである。ライブ状況判定部15は、タリー信号を入力すると(ステップS701)、タリー信号に基づいてライブの状況を判定する(ステップS702)。ライブ状況判定部15は、ステップS702において、ライブの状況が本番中であると判定した場合(ステップS702:本番中)、所定の高レートのエンコードレートを設定する(ステップS703)。一方、ライブ状況判定部15は、ステップS702において、ライブの状況が本番中でない(例えば本番前である)と判定した場合(ステップS702:本番前)、所定の低レートのエンコードレートを設定する(ステップS704)。
ここで、ステップS702におけるライブの状況は、レート制御装置1−1−2の電源がオンしたとき、またはタリー信号が変化したときに判定される。また、ステップS703における所定の高レートのエンコードレートは、レート制御装置1−1−2の電源オン時にタリー信号が本番中であるとき、またはタリー信号が本番前から本番中に変化したときに設定され、ステップS704における所定の低レートのエンコードレートは、レート制御装置1−1−2の電源オン時にタリー信号が本番前であるとき、またはタリー信号が本番中から本番前に変化したときに設定される。
ライブ状況判定部15は、ステップS703またはステップS704にて設定したエンコードレートをレート指示部24に出力する(ステップS705)。
そして、ライブ状況判定部15は、処理を終了しない限り(ステップS706)、ステップS701〜ステップS705を繰り返す。
図6に戻って、ユーザインターフェース部14のレート指示部24は、ライブ状況判定部15からエンコードレートを入力すると共に、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力する。そして、レート指示部24は、ライブ状況判定部15から入力したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へそのまま送信し、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力した場合、当該レート増減指示に従ってエンコードレートを設定し(ライブ状況判定部15から入力したエンコードレートを基準にして改めて設定し)、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へ送信する。
図8は、レート指示部24の処理を示すフローチャートである。レート指示部24は、ライブ状況判定部15からエンコードレートを入力したか否かを判定し(ステップS801)、ライブ状況判定部15からエンコードレートを入力したことを判定した場合(ステップS801:Y)、ステップS804へ移行する。
一方、レート指示部24は、ステップS801において、ライブ状況判定部15からエンコードレートを入力していないと判定した場合(ステップS801:N)、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力したか否かを判定する(ステップS802)。
レート指示部24は、ステップS802において、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力したと判定した場合(ステップS802:Y)、当該レート増減指示に従ってエンコードレートを設定する(ステップS803)。この場合、ステップS803におけるエンコードレートの設定は、ステップS801にてライブ状況判定部15から入力されたエンコードレートを基準にして、または当該ステップS803にて既にエンコードレートが設定されているときは、そのエンコードレートを基準にして行われる。
一方、レート指示部24は、ステップS802において、ネットワーク利用者の操作に従ったレート増減指示を入力していないと判定した場合(ステップS802:N)、ステップS805へ移行する。レート指示部24は、ステップS801またはステップS803から移行して、設定したエンコードレートを対応する映像エンコーダ2へ送信する(ステップS804)。
そして、レート指示部24は、ステップS802またはステップS804から移行して、処理を終了しない限り(ステップS805)、ステップS801〜ステップS804を繰り返す。
以上のように、実施例1の第2変形例のレート制御装置1−1−2によれば、実施例1のレート制御装置1−1と同様に、レート描画部20は、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフを画面表示し、画質確認部21は、ライブ映像を画面表示するようにした。また、ライブ状況判定部15は、タリー信号に基づいてライブ状況を判定し、ライブ状況が本番中である場合、所定の高レートのエンコードレートを設定し、ライブ状況が本番前である場合、所定の低レートのエンコードレートを設定するようにし、レート指示部24は、ライブ状況判定部15により設定されたエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信し、ネットワーク利用者の操作に従って入力したレート増減指示に従って、ライブ状況判定部15により設定されたエンコードレートを基準にしてエンコードレートを改めて設定し、改めて設定したエンコードレートを映像エンコーダ2へ送信するようにした。これにより、実施例1と同様の効果を奏する。また、ネットワークの状況を視覚的に把握しているネットワーク利用者の意図に沿って、ライブ状況に応じて設定したエンコードレートに対するレート制御を実現することができる。
また、実施例1の第2変形例のレート制御装置1−1−2によれば、ライブ状況が本番前の場合、所定の低レートのエンコードレートを設定するようにしたから、全てのライブ映像に対して同一のエンコードレートを設定するよりも、より多くのライブ映像を同時に伝送することが可能となる。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。実施例2は、前述のとおり、ファイルのパケット転送量の推移を表すグラフを画面表示すると共に、受信済みデータの割合を受信進捗情報として画面表示することで、ネットワーク利用者に対しファイルの伝送レートの増減指示を入力させ、ネットワーク利用者の操作に従って伝送レートの増減指示を入力し、ファイルの伝送レートを設定するものである。
図9は、実施例2のレート制御装置を含む伝送システムの構成を示すブロック図である。この伝送システムは、ファイルをネットワーク上で伝送する場合を想定しており、レート制御装置1−2、複数のファイル送信装置5、パケットスイッチ装置3、及び複数のファイル受信装置6により構成される。レート制御装置1−2と複数のファイル送信装置5、パケットスイッチ装置3及び複数のファイル受信装置6とは、放送局内ネットワーク、イーサネット(登録商標)、インターネット等のIPネットワークにより接続される。複数のファイル送信装置5とパケットスイッチ装置3との間の接続、及びパケットスイッチ装置3と複数のファイル受信装置6との間の接続も同様である。
ファイル送信装置5は、伝送対象のファイルを入力して蓄積すると共に、レート制御装置1−2から伝送レートを受信し、ファイルのデータをパケットに格納し、受信した伝送レートにて当該パケットを、パケットスイッチ装置3を介して対応するファイル受信装置6(当該ファイルの伝送を要求したファイル受信装置6)へ送信する。
ここで、ファイル送信装置5は、ファイル受信装置6へ向けた伝送レートを制御できるものとする。複数のファイル送信装置5が同時にファイルを伝送する場合、急いで伝送したいファイル、及び後で伝送しても構わないファイルがある場合を想定する。ネットワーク利用者には、各ファイルの伝送レートを調節して所望の時間までに所望のファイルを受信したいという要求があるものとする。
パケットスイッチ装置3は、図1に示した実施例1と同様に、ファイル送信装置5により送信されたファイルのパケットを受信し、受信したファイルのパケットを、対応するファイル受信装置6へ転送する。また、パケットスイッチ装置3は、所定の時間毎に、転送したパケットの量(パケット量)を算出し、時間毎のパケット量の情報をレート制御装置1−2へ送信する。この場合、パケットスイッチ装置3は、複数のファイル送信装置5からファイルのパケットをそれぞれ受信し、そのファイル毎に、時間毎のパケット量を算出してレート制御装置1−2へ送信する。
ファイル受信装置6は、ファイル送信装置5により送信されたファイルのパケットを、パケットスイッチ装置3を介して受信し、受信したパケットからファイルのデータを取り出し、元のファイルに戻す。また、ファイル受信装置6は、元のファイルに戻す際に、元のファイルを構成する全体のデータに対する受信済みデータの割合を算出し、受信済みデータの割合の情報をレート制御装置1−2へ送信する。
レート制御装置1−2は、ネットワーク利用者による指示に従って、ファイルの伝送レートを設定し、設定した伝送レートを対応するファイル送信装置5(当該ファイルを送信するファイル送信装置5)へ送信する。また、レート制御装置1−2は、パケットスイッチ装置3から時間毎のパケット量の情報を受信すると共に、ファイル受信装置6から受信済みデータの割合の情報を受信する。そして、レート制御装置1−2は、時間毎のパケット量をパケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフとして画面表示すると共に、受信済みデータの割合を受信進捗情報として画面表示する。
これにより、レート制御装置1−2を操作するネットワーク利用者は、ファイルのレートの推移及びファイルの受信進捗情報を視覚的に把握しながら、自らの意図に沿うように、当該ファイルの伝送レートを増加または減少させることができる。
(レート制御装置1−2)
次に、レート制御装置1−2について詳細に説明する。図9を参照して、レート制御装置1−2は、転送パケット集計部10及びユーザインターフェース部16を備えている。ユーザインターフェース部16は、レート描画部20、受信進捗確認部25及びレート指示部26を備えている。
転送パケット集計部10は、図1に示した実施例1と同様に、パケットスイッチ装置3から時間毎のパケット量の情報を受信し、ファイル毎に時間毎のパケット量を集計し、時間毎のパケット量をユーザインターフェース部16のレート描画部20に出力する。
ユーザインターフェース部16のレート描画部20は、図1に示した実施例1と同様に、転送パケット集計部10から時間毎のパケット量を入力し、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフであって時間毎に更新されるグラフを画面表示する。これにより、ファイル毎に、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフが画面表示され、ネットワーク利用者は、画面表示されたグラフから、ファイルの伝送レートの推移を視覚的に把握することができる。
受信進捗確認部25は、ファイル受信装置6から受信済みデータの割合の情報を受信し、受信済みデータの割合を受信進捗情報として画面表示する。例えば、受信進捗確認部25は、ファイル容量に対する受信済みデータの割合をプログレスバー等で画面表示したり、時間毎の受信データ量をグラフ描画したりすることで、ネットワーク利用者に伝送状況の進捗を視覚的に提示する。これにより、ネットワーク利用者は、画面表示された受信進捗情報から、当該ファイルの伝送が完了している割合を示す進捗状況を、視覚的に確認することができる。
レート指示部26は、図1に示した実施例1のレート指示部22と同様の処理、すなわち図2に示した処理を、伝送レートについて行う。具体的には、レート指示部26は、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力し、入力したレート増減指示のデータに基づいてファイルの伝送レートを設定し、設定した伝送レートを対応するファイル送信装置5へ送信する。
以上のように、実施例2のレート制御装置1−2によれば、レート描画部20は、転送パケット集計部10がパケットスイッチ装置3から受信した時間毎のパケット量を、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフとして画面表示し、受信進捗確認部25は、ファイル受信装置6から受信した受信済みデータの割合を受信進捗情報として画面表示し、レート指示部26は、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力し、ファイルの伝送レートを設定してファイル送信装置5へ送信するようにした。これにより、ネットワーク利用者は、レート増減を指示したファイルのパケット転送量の推移を視覚的に把握することができ、レート増減を指示したファイルの受信進捗を把握することができ、さらに、自らの意図に沿うように伝送レートの増減を指示することができる。したがって、ネットワーク利用者がネットワークの状況を視覚的に把握している状況において、そのネットワーク利用者の意図に沿ったレート制御を実現することができる。
図9に示した伝送システムでは、複数のファイルを同時に伝送する際に、限られた帯域を複数のファイルの伝送ストリームで分け合う必要がある。実施例2のレート制御装置1−2によれば、ネットワーク利用者は、それぞれのファイルの受信進捗を確認しながら伝送レートの増減を指示し、その結果のパケット転送量(ファイルの伝送レート)の変化を時系列の推移として確認することができる。レート制御装置1−2は、各伝送ストリームの帯域利用率と受信進捗とをネットワーク利用者に対して視覚的に示しながら、ネットワーク利用者の意図に沿った、複数のファイルの伝送を実現することができる。
これにより、例えば受信進捗が進んでいるファイルに対して伝送レートを減少させ、受信進捗が進んでいないファイルに対して多くの帯域を割り当てるために伝送レートを増加させることで、全ての伝送対象のファイルに対して全体の進捗を考慮した制御を、ネットワーク利用者の操作により実現することができる。
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。実施例3は、前述のとおり、実施例1の処理に実施例2の処理を加えたものであり、さらに、ネットワーク利用者の操作に従ってライブ映像若しくはファイルの優先度または帯域情報を入力し、ネットワークQoSを変更させるものである。
図10は、実施例3のレート制御装置を含む伝送システムの構成を示すブロック図である。この伝送システムは、ライブ映像及びファイルをネットワーク上で伝送する場合を想定しており、レート制御装置1−3、複数の映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3、複数の映像デコーダ4、複数のファイル送信装置5及び複数のファイル受信装置6により構成される。各装置は、実施例1,2と同様に、IPネットワークにより接続される。
映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3、映像デコーダ4、ファイル送信装置5及びファイル受信装置6は、図1に示した実施例1及び図9に示した実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。
レート制御装置1−3は、図1に示した実施例1のレート制御装置1−1及び図9に示した実施例2のレート制御装置1−2のそれぞれの処理に加え、さらに、ネットワーク利用者による操作に従って優先度及び帯域情報を入力し、ネットワークQoSの指示を生成し、生成したネットワークQoSの指示をパケットスイッチ装置3へ送信する。
これにより、レート制御装置1−3を操作するネットワーク利用者は、ライブ映像またはファイルのレートの推移、ライブ映像の画質またはファイルの受信進捗情報を視覚的に把握しながら、自らの意図に沿うように、当該ライブ映像のエンコードレートまたはファイルの伝送レートを増加または減少させることができる。また、ネットワーク利用者は、自らの意図に沿うように、映像エンコーダ2またはファイル送信装置5におけるレートを直接変更することができることに加え、パケットスイッチ装置3に対し、特定のパケットを優先的に通過させたり、特定のパケットについて帯域制限を行なったりすることができる。
(レート制御装置1−3)
次に、レート制御装置1−3について詳細に説明する。図10を参照して、レート制御装置1−3は、転送パケット集計部10及びユーザインターフェース部17を備えている。ユーザインターフェース部17は、レート描画部20、画質確認部21、受信進捗確認部25及びレート指示部27を備えている。
転送パケット集計部10及びレート描画部20は、図1に示した実施例1及び図9に示した実施例2と同様である。画質確認部21は、図1に示した実施例1と同様である。受信進捗確認部25は、図9に示した実施例2と同様である。
ユーザインターフェース部17のレート指示部27は、図1に示した実施例1のレート指示部22及び図9に示した実施例2のレート指示部26と同様の処理を行う。さらに、レート指示部27は、ネットワーク利用者の操作に従って、特定のライブ映像またはファイルが格納されたパケットの転送に関する優先度を入力し、入力した優先度をネットワークQoS指示としてパケットスイッチ装置3へ送信する。
パケットスイッチ装置3は、優先度のネットワークQoS指示を受信すると、当該ネットワークQoS指示が示すライブ映像またはファイルのパケット、及び他のライブ映像等のパケットを同じタイミングで受信した場合に、当該ネットワークQoS指示が示すライブ映像またはファイルのパケットを、他のライブ映像等のパケットよりも優先的に通過させる。
また、レート指示部27は、ネットワーク利用者の操作に従って、特定のライブ映像またはファイルに対する帯域情報を入力し、入力した帯域情報をネットワークQoS指示としてパケットスイッチ装置3へ送信する。パケットスイッチ装置3は、帯域情報のネットワークQoS指示を受信すると、当該ネットワークQoS指示が示すライブ映像またはファイルのパケットについての帯域制限を行い、制限値を超えるパケットを転送しないで廃棄する。つまり、パケットスイッチ装置3は、当該ネットワークQoS指示が示すライブ映像またはファイルのパケットについて帯域を確保し、制限値以内のパケットを転送し、制限値を超えるパケットを廃棄する。
以上のように、実施例3のレート制御装置1−3によれば、レート描画部20は、転送パケット集計部10がパケットスイッチ装置3から受信した時間毎のパケット量を、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフとして画面表示し、画質確認部21は、映像デコーダ4から受信したライブ映像を画面表示し、受信進捗確認部25は、ファイル受信装置6から受信した受信済みデータの割合を受信進捗情報として画面表示するようにした。また、レート指示部27は、ネットワーク利用者の操作に従ってレート増減指示を入力し、ライブ映像のエンコードレート及びファイルの伝送レートをそれぞれ設定して映像エンコーダ2及びファイル送信装置5へそれぞれ送信し、ネットワーク利用者の操作に従って特定のライブ映像またはファイルのパケットに対する優先度または帯域情報を入力し、ネットワークQoS指示としてパケットスイッチ装置3へ送信するようにした。これにより、実施例1及び実施例2と同様に、ネットワーク利用者がネットワークの状況を視覚的に把握している状況において、そのネットワーク利用者の意図に沿ったレート制御を実現することができる。
また、ネットワーク利用者は、自らの意図に沿うように、映像エンコーダ2及びファイル送信装置5におけるレートを直接変更することができることに加え、パケットスイッチ装置3に対し、特定のパケットを優先的に通過させたり、特定のパケットについて帯域制限を行なったりすることができる。
つまり、映像エンコーダ2及びファイル送信装置5に対するレートの変更により、レートの総計がパケットスイッチ装置3の帯域を超えた場合であっても、パケットスイッチ装置3において特定のパケットのみを優先的に通過させることができ、例えばライブ映像のパケットをファイルのパケットよりも優先的に通過させて、映像デコーダ4においてライブ映像が途切れることを防ぐことができる。また、廃棄したパケットは後から再送して補完することができるから、ネットワーク利用者の意図に沿った帯域管理を実現することができる。
また、映像エンコーダ2またはファイル送信装置5における実際のレートが、レート制御装置1−3から受信したレートに収まらない場合であっても、レート制御装置1−3からパケットスイッチ装置3へ送信したネットワークQoS指示に従って、レート制御装置1−3において該当するパケットを廃棄することができ、レートを補正することができる。
尚、実施例3は、実施例1の処理に実施例2の処理を加えたものを前提にして、さらに、パケットスイッチ装置3に対してネットワークQoSを変更させるものであるが、実施例1の第1変形例または第2変形例の処理に実施例2の処理を加えたものを前提にするようにしてもよい。
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。実施例4は、前述のとおり、実施例1〜3の処理に加え、ライブ映像のパケット転送量の推移を表すグラフを、複数のウェブクライアントに画面表示させるものである。
図11は、複数のウェブクライアントのそれぞれにレート描画部を備えた実施例4の伝送システムの概略構成を示すブロック図である。この伝送システムは、レート制御装置1−1〜1−3のうちのいずれかの装置、パケットスイッチ装置3、ウェブサーバ7及び複数のウェブクライアント8により構成される。尚、図11において、映像エンコーダ2、ファイル送信装置5、映像デコーダ4及びファイル受信装置6、並びに、レート制御装置1−1〜1−3に備えた構成部のうち転送パケット集計部10以外の構成部は省略してある。各装置は、実施例1〜3と同様に、IPネットワークにより接続される。
映像エンコーダ2、パケットスイッチ装置3、映像デコーダ4、ファイル送信装置5及びファイル受信装置6、並びに、レート制御装置1−1〜1−3に備えた構成部のうち転送パケット集計部10以外の構成部は、図1に示した実施例1、図9に示した実施例2及び図10に示した実施例3と同様であるから、ここでは説明を省略する。
レート制御装置1−1〜1−3に備えた転送パケット集計部10は、図1に示した実施例1等の処理に加え、さらに、時間毎のパケット量をウェブサーバ7へ送信する。転送パケット集計部10は、例えば、パケットスイッチ装置3から受信した時間毎のパケット量を集計し、パケットスイッチ装置3が1秒毎に転送したパケットのデータ量を、時間毎のパケット量としてウェブサーバ7へ送信する。
ウェブサーバ7は、レート制御装置1−1〜1−3の転送パケット集計部10から送信された時間毎のパケット量を受信し、ウェブクライアント8−1〜8−3のウェブブラウザからの要求に従い、時間毎のパケット量をウェブクライアント8−1〜8−3へ送信する。
ウェブクライアント8−1〜8−3は、ウェブサーバ7から時間毎のパケット量を受信し、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフとして画面表示する。ウェブサーバ7からウェブクライアント8−1〜8−3へ高頻度にかつリアルタイムにデータを配信する手法として、Websocket等を利用する。
以上のように、実施例4によれば、実施例1〜3と同様の効果を奏する。また、実施例4によれば、レート制御装置1−1〜1−3の転送パケット集計部10は、時間毎のパケット量をウェブサーバ7へ送信するようにし、ウェブクライアント8−1〜8−3は、ウェブサーバ7から時間毎のパケット量を受信し、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフを画面表示するようにした。これにより、ウェブクライアント8−1〜8−3を操作する複数のネットワーク利用者が同時にパケット転送量の時間軸上の推移を把握することができ、帯域利用状況を監視することが可能となる。この場合、パケット転送量の時間軸上の推移を表すグラフをウェブクライアント8−1〜8−3に描画させるようにしたから、ウェブサーバ7は、時間毎のパケット量の配信処理のみを行えばよく、ウェブサーバ7の処理負荷を低減させることができる。また、少数のウェブサーバ7等は、多数のウェブクライアント8−1〜8−3等に対し、時間毎のパケット量を配信すれば済むから、全体として効率的なデータ配信を実現することができる。
尚、実施例4は、実施例1〜3の処理を前提にして、ライブ映像のパケット転送量の推移を表すグラフを、複数のウェブクライアント8−1〜8−3に提示するものであるが、実施例1の第1変形例、第2変形例、後述する実施例5または実施例6の処理を前提にするようにしてもよい。
〔実施例5〕
次に、実施例5について説明する。実施例5は、前述のとおり、実施例1〜4においてエンコードレートまたは伝送レートを設定する構成部(レート指示部22〜24,26,27)の具体例を示すものであり、フェーダ型ミキサーインターフェースを操作するネットワーク利用者からのレートの増減指示に基づいて、エンコードレートまたは伝送レートを設定するものである。
(レート指示部22〜24,26,27)
以下、レート指示部22〜24,26,27の詳細について説明する。図12は、実施例5において、フェーダ型ミキサーインターフェースを有するレート指示部22〜24,26,27の外観例を示す図である。ネットワーク利用者は、図12に示すフェーダ型ミキサーインターフェースを有する入力装置を用いて、入力装置に備えた移動部であるフェーダF1〜F6を操作することで、その移動部の位置が反映されたレート増減指示がレート指示部22〜24,26,27に入力される。
フェーダF1〜F6のそれぞれには、伝送対象のライブ映像またはファイルが予め割り当てられている。例えば、フェーダF1〜F6に伝送対象のライブ映像のみが割り当てられていてもよいし、フェーダF1〜F6に伝送対象のファイルのみが割り当てられていてもよい。ネットワーク利用者は、例えば、フェーダF1を上方向へスライドさせてフェーダ位置を高くすると、スライドした移動分に対応してフェーダF1に対応するライブ映像またはファイルのレートが増加し、伝送中のライブ映像及びファイルのうち、フェーダF1に対応するライブ映像またはファイル以外のライブ映像またはファイルのレートが相対的に減少する。一方、フェーダF1を下方向へスライドさせてフェーダ位置を低くすると、スライドした移動分に対応してそのレートが減少し、他の伝送中のライブ映像等のレートが相対的に増加する。
これにより、ネットワーク利用者は、図12に示したフェーダ型ミキサーインターフェースを有する入力装置を利用して、映像エンコーダ2から送信されるライブ映像のエンコードレートまたはファイル送信装置5から送信されるファイルの伝送レートを変更することができる。
図13は、レート指示部22〜24,26,27の構成を示すブロック図である。このレート指示部22〜24,26,27は、同時伝送数カウント部30、入力センサー部31、レート計算部32及びレート送信部33を備えている。
同時伝送数カウント部30は、転送パケット集計部10がパケットスイッチ装置3から受信した時間毎のパケット量のライブ映像またはファイルを識別するための情報(識別情報)を、転送パケット集計部10から入力する。そして、同時伝送数カウント部30は、識別情報に基づいて、現在同時に伝送しているライブ映像及びファイルの伝送数nをカウントし、その伝送数n及び識別情報をレート計算部32に出力する。
入力センサー部31は、ネットワーク利用者による図12に示したフェーダ型ミキサーインターフェースの操作に従ったレート増減指示を入力し、レート増減指示に従って、フェーダ位置に対応するセンサー値Fxを算出する。そして、入力センサー部31は、算出したセンサー値Fxをレート計算部32に出力する。
レート計算部32は、同時伝送数カウント部30から伝送数n及び識別情報を入力すると共に、入力センサー部31からセンサー値Fxを入力し、入力したセンサー値Fx(ネットワーク利用者が操作したフェーダに対応するライブ映像またはファイルのセンサー値Fx)を、当該ライブ映像またはファイルのセンサー値としてメモリに格納する。そして、レート計算部32は、識別情報から伝送中のライブ映像及びファイルを特定し、特定した伝送中の伝送数nのライブ映像及びファイルのセンサー値F0〜Fnをメモリから読み出す。
レート計算部32は、読み出したセンサー値F0〜Fn毎に(伝送中のライブ映像等毎に)、センサー値F0〜FnをFxにそれぞれ代入し、以下の式によりレートVxを算出し、算出したレートVxをレート送信部33に出力する。ここで、Rはパケットスイッチ装置3のワイヤーレートであり、予め設定される。
[数1]
Vx=R×Fx/(F0+F1+・・+Fn) ・・・(1)
ここで、メモリには、少なくとも伝送中のライブ映像及びファイルのセンサー値F0〜Fnが格納されている。レート計算部32は、入力センサー部31からセンサー値Fxを入力する毎に、メモリに格納されているそのセンサー値を更新する。尚、伝送中のライブ映像及びファイルとフェーダとの関係、並びに、伝送中のライブ映像及びファイルとセンサー値との関係が、予め設定されているものとする。
このように、レート計算部32は、フェーダの位置が反映されたセンサー値Fxから、高い位置にあるフェーダに対してより高いレートが割り当てられ、かつ伝送中のライブ映像及びファイルの各レートVxの合計がパケットスイッチ装置3のワイヤーレートRと等しくなり全帯域を使い切るように、複数のフェーダの位置関係が相対的に反映されたレートVxをそれぞれ計算する。尚、フェーダに割り当てられたライブ映像等であっても、伝送中でない場合(例えば伝送が完了している場合)は、前記式(1)の計算から除外される。
レート送信部33は、レート計算部32から伝送中のライブ映像等のレートVxを入力し、入力したレートVxを対応する映像エンコーダ2及びファイル送信装置5へ送信する。
以上のように、実施例5によれば、実施例1〜4と同様の効果を奏する。また、実施例5によれば、レート制御装置1−1〜1−3のレート指示部22〜24,26,27のレート計算部32は、ネットワーク利用者による図12に示したフェーダ型ミキサーインターフェースの操作に伴い、そのフェーダの位置が反映されたセンサー値Fxから、伝送中のライブ映像及びファイルの各レートの合計がパケットスイッチ装置3のワイヤーレートRと等しくなり全帯域を使い切るように、複数のフェーダの位置関係が相対的に反映されたレートVxをそれぞれ計算し、レート送信部33は、レート計算部32により計算されたレートVxを、対応する映像エンコーダ2及びファイル送信装置5へ送信するようにした。
これにより、ネットワーク利用者は、全帯域を利用しながら、各伝送の帯域利用率を直感的に割り当てることが可能となる。
尚、図12ではフェーダ型ミキサーインターフェースの例を示したが、設置または利用の形態によっては、ダイヤル型のインターフェースを利用するようにしてもよい。要するに、ネットワーク利用者によりアナログ操作が可能なインターフェースを利用できればよい。
〔実施例6〕
次に、実施例6について説明する。実施例6は、前述のとおり、実施例1〜4においてエンコードレートまたは伝送レートを設定する構成部(レート指示部22〜24,26,27)の具体例を示すものであり、グループフェーダを備えたフェーダ型ミキサーインターフェースを操作するネットワーク利用者からのレートの増減指示に基づいて、エンコードレートまたは伝送レートを設定するものである。
(レート指示部22〜24,26,27)
以下、レート指示部22〜24,26,27の詳細について説明する。図14は、実施例6において、フェーダ型ミキサーインターフェースを有するレート指示部22〜24,26,27の外観例を示す図である。図14に示すフェーダ型ミキサーインターフェースは、図12に示したフェーダ型ミキサーインターフェースに加え、グループフェーダG1,G2を備えている。ネットワーク利用者は、図14に示すフェーダ型ミキサーインターフェースを有する入力装置を用いて、入力装置に備えた移動部であるフェーダF1〜F6及びグループフェーダG1,G2を操作することで、その移動部の位置が反映されたレート増減指示がレート指示部22〜24,26,27に入力される。
フェーダF1〜F6のそれぞれには、図12と同様に、伝送対象のライブ映像またはファイルが予め割り当てられており、フェーダF1〜F6のそれぞれは、グループフェーダG1,G2のいずれかに所属している。つまり、グループフェーダG1,G2のそれぞれには、当該グループフェーダに所属しているフェーダF1〜F6が割り当てられている。レート上限値はグループフェーダG1,G2の位置により決定され、フェーダF1〜F6のレートは、当該フェーダF1〜F6が所属するグループのレート上限値の範囲内で、そのグループに所属するフェーダF1〜F6の位置により相対的に決定される。
これにより、ネットワーク利用者は、図14に示したフェーダ型ミキサーインターフェースを有する入力装置を利用して、映像エンコーダ2から送信されるライブ映像のエンコードレートまたはファイル送信装置5から送信されるファイルの伝送レートを、所属するグループのレート上限値の範囲内で変更することができる。
レート指示部22〜24,26,27の構成は、図13に示した実施例5と同様である。同時伝送数カウント部30は、図13に示した実施例5と同様の処理を行う。
入力センサー部31は、ネットワーク利用者による図14に示したフェーダ型ミキサーインターフェースの操作に伴ったレート増減指示を入力し、レート増減指示に従って、フェーダ位置に対応するセンサー値Gx,Fxを算出する。そして、入力センサー部31は、算出したセンサー値Gx,Fxをレート計算部32に出力する。入力センサー部31は、図14に示したグループフェーダG1,G2に対してセンサー値Gxを算出し、フェーダF1〜F6に対してセンサー値Fxを算出する。
レート計算部32は、同時伝送数カウント部30から伝送数n及び識別情報を入力すると共に、入力センサー部31からセンサー値Gx,Fxを入力する。レート計算部32は、グループフェーダのセンサー値Gxを入力した場合、入力したセンサー値Gx(ネットワーク利用者が操作したグループフェーダに対応するグループのセンサー値Gx)を、当該グループのセンサー値としてメモリに格納する。そして、レート計算部32は、各グループのセンサー値G0〜Gmをメモリから読み出し、読み出したセンサー値G0〜Gm毎に(グループ毎に)、センサー値G0〜GmのそれぞれをGxに代入し、以下の式によりレート上限値GMx(エンコードレートまたは伝送レートの上限値)を以下の式により算出する。レート計算部32は、算出したレート上限値GMxをメモリに格納すると共に、レート送信部33に出力する。ここで、Rはパケットスイッチ装置3のワイヤーレートであり、予め設定される。mはグループフェーダの数であり、図14の場合、2である。
[数2]
GMx=R×Gx/(G0+G1+・・+Gm) ・・・(2)
レート計算部32は、ネットワーク利用者が操作したグループフェーダに所属する各フェーダのセンサー値F0〜Fs(ネットワーク利用者が操作したグループフェーダに所属する伝送中のライブ映像及びファイルのセンサー値F0〜Fs)をメモリから読み出し、読み出したセンサー値F0〜Fs毎に(ライブ映像等毎に)、センサー値F0〜FsのそれぞれをFxに代入し、ネットワーク利用者が操作したグループフェーダに所属するライブ映像等のレートVx(エンコードレートまたは伝送レート)を以下の式により算出し、算出したレートVxをレート送信部33に出力する。
[数3]
Vx=GMx×Fx/(F0+F1+・・+Fs) ・・・(3)
一方、レート計算部32は、入力センサー部31からグループフェーダではなくフェーダのセンサー値Fxを入力した場合、当該センサー値Fxのフェーダが所属するグループのレート上限値GMx及び当該グループに所属する伝送中のライブ映像等のセンサー値F0〜Fsをメモリから読み出す。そして、レート計算部32は、読み出したセンサー値F0〜Fs毎に(伝送中のライブ映像等毎に)、センサー値F0〜FnのそれぞれをFxに代入し、前記式(3)によりレートVxを算出し、算出したレートVxをレート送信部33に出力する。
ここで、メモリには、少なくともグループ毎のセンサー値G0〜Gm及びレート上限値GM0〜GMm、及び伝送中のライブ映像及びファイルのセンサー値F0〜Fsが格納されているものとする。レート計算部32は、入力センサー部31からセンサー値Gxを入力する毎に、メモリに格納されているそのグループのセンサー値及び全てのグループのレート上限値を更新する。また、レート計算部32は、入力センサー部31からセンサー値Fxを入力する毎に、メモリに格納されているそのセンサー値を更新する。尚、伝送中のライブ映像及びファイルとフェーダとの関係、伝送中のライブ映像及びファイルとセンサー値との関係、並びに、グループフェーダとそれに所属するフェーダとの関係は、予め設定されているものとする。
このように、レート計算部32は、フェーダの位置が反映されたセンサー値Fxから、高い位置にあるフェーダに対してより高いレートが割り当てられ、かつ伝送中のライブ映像及びファイルの各レートVxの合計がパケットスイッチ装置3のワイヤーレートRと等しくなり全帯域を使い切るように、複数のフェーダの位置関係が相対的に反映されたレートVxをそれぞれ計算する。尚、フェーダに割り当てられたライブ映像等であっても、伝送中でない場合(例えば伝送が完了している場合)は、前記式(1)の計算から除外される。
このように、レート計算部32は、グループフェーダの位置が反映されたセンサー値Gxから、高い位置にあるグループフェーダに対してより高いレート上限値となり、かつ全てのグループのレート上限値の合計がパケットスイッチ装置3のワイヤーレートRと等しくなりその帯域を使い切るように、複数のグループフェーダの位置関係が相対的に反映されたグループ毎のレート上限値GMxを計算する。また、レート計算部32は、フェーダの位置が反映されたセンサー値Fxから、高い位置にあるフェーダに対してより高いレートを割り当てるように、かつ当該フェーダが所属するグループ内で伝送中のライブ映像及びファイルの各レートの合計が当該グループのレート上限値GMxと等しくなりその帯域を使い切るように、グループ内の複数のフェーダの位置関係が相対的に反映されたレートVxを計算する。
すなわち、グループフェーダに対応して例えば伝送種別毎にレート上限値を設け、フェーダの相対的な位置関係から、高い位置にあるフェーダに対して、より高いレートを割り当てるように、各レートの合計がパケットスイッチ装置3のワイヤーレートRと等しくなり全帯域を使い切るように、レートVxを制御する。例えば、グループフェーダG1にライブ映像の伝送、グループフェーダG2にファイルの伝送を割り当て、それぞれにレート上限値を設け、その範囲内で各ライブ映像のエンコードレート及び各ファイルの伝送レートを定めることができる。
レート送信部33は、レート計算部32から伝送中のライブ映像等のレートVxを入力し、入力したレートVxを対応する映像エンコーダ2及びファイル送信装置5へ送信する。
以上のように、実施例6によれば、実施例1〜4と同様の効果を奏する。また、実施例6によれば、レート制御装置1−1〜1−3のレート指示部22〜24,26,27のレート計算部32は、ネットワーク利用者による図14に示したフェーダ型ミキサーインターフェースの操作に伴い、グループフェーダの位置が反映されたセンサー値Gxから、高い位置にあるグループフェーダに対してより高いレート上限値GMxを設定し、かつ伝送中のライブ映像及びファイルの各レートの合計がパケットスイッチ装置3のワイヤーレートRと等しくなりその帯域を使い切るように、複数のグループフェーダの位置関係が相対的に反映されたグループ毎のレート上限値GMxを計算するようにした。また、レート計算部32は、フェーダの位置が反映されたセンサー値Fxから、高い位置にあるフェーダに対してより高いレートを割り当て、かつ当該フェーダが所属するグループ内で伝送中のライブ映像等の各レートの合計が当該グループのレート上限値GMxと等しくなりその帯域を使い切るように、グループ内の複数のフェーダの位置関係が相対的に反映されたレートVxを計算するようにした。そして、レート送信部33は、レート計算部32により計算されたレートVxを、対応する映像エンコーダ2及びファイル送信装置5へ送信するようにした。
これにより、ネットワーク利用者は、例えば伝送種別毎の分類で割り当てられるグループのレート上限値GMxを定めながら、相対的なレートの増減指示を、レート上限値GMxの範囲内で各映像エンコーダ2またはファイル送信装置5へ指示することができ、全帯域を利用しながら、各伝送の帯域利用率を直感的に割り当てることが可能となる。
尚、図14ではフェーダ型ミキサーインターフェースの例を示したが、設置または利用の形態によっては、ダイヤル型のインターフェースを利用するようにしてもよい。要するに、ネットワーク利用者によりアナログ操作が可能なインターフェースを利用できればよい。
本発明の実施例によるレート制御装置1−1〜1−3等のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。レート制御装置1−1〜1−3等は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。レート制御装置1−1〜1−3等に備えた転送パケット集計部10及びユーザインターフェース部11,12,14,16,17の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
以上、実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施例では、伝送対象をライブ映像またはファイルとしたが、ライブ映像には音声が含まれる。また、前記実施例の伝送システムは、放送局内ネットワークを用いた放送処理に適用があるのみならず、インターネットを用いたコンテンツ配信サービスにも適用がある。