JP6202567B2 - 分子量の異なるポリエチレングリコール鎖を2本含有する分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質、その製造方法 - Google Patents
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Description
この問題を解決するために、リポソームの表面をポリエチレングリコール(PEG)で修飾したPEGリポソームによって生体内挙動を改善する試みがなされている。PEGリポソームは、表面のPEG鎖が形成する水和層とPEG鎖自体の立体障害により、オプソニンのような血清タンパク質や、単核細胞系に属する細胞との相互作用が抑制され、高い血中滞留性を実現することができる。
このリポソームの水和層と血中滞留性とは相関関係があり、水和層を厚くすると血中滞留性が増大することが知られている。そこで、水和層を増大させる目的で、リポソームの構成成分であるPEG脂質誘導体の添加量の増大や、PEG鎖の分子量の増大が検討されている。しかし、PEG鎖の分子量の増大に伴い、リポソーム表面でのPEG鎖の構造が縦方向に伸びたブラシ構造から三次元的な横の広がりを持つマッシュルーム構造へと変化するため、PEG鎖の長さから予想されるより水和層の増大が起こらないという問題があった。
[1]下記式(1)
で表される分子量の異なるポリエチレングリコール鎖を2本含有する分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質。
[2]下記式(8)で表される、上記[1]においてX1が上記式(7)で示される基、X2が上記式(5)で示される基、X3がカーバメート結合である、分子量の異なるポリエチレングリコール鎖を2本含有する分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質。
[3]下記(A)、(B)、(C)、(D)全ての工程を順番に含むことを特徴とする、上記[2]記載の分子量の異なるポリエチレングリコール鎖を2本含有する分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質の製造方法。
工程(A):1,3−ジアミノ−2−プロパノールと、下記式(9)で示されるポリエチレングリコール誘導体(以下、化合物(9)ともいう)を反応させ、アミノ基の1つにポリエチレングリコール鎖を導入した後、もう1つのアミノ基を化学的に不活性な保護基で保護し、下記式(10)で示される化合物(以下、化合物(10)ともいう)を得る工程。
工程(B):上記式(10)で示される化合物のヒドロキシル基を活性基に変換させた後に、下記式(11)で示されるポリエチレングリコール誘導体(以下、化合物(11)ともいう)を反応させ、2本目のポリエチレングリコール鎖を導入した下記式(12)で示される化合物(以下、化合物(12)ともいう)を得る工程。
工程(C):工程(B)で得られた上記式(12)で示される化合物のアミノ基の保護基を脱保護し、下記式(13)で示される化合物(以下、化合物(13)ともいう)を得る工程。
工程(D):工程(C)で得られた上記式(13)で示される化合物と下記式(14)で示されるジアシルグリセロール誘導体(以下、化合物(14)ともいう)を反応させて下記式(8)で示される分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質を得る工程。
カーバメート結合は、−NH−COO−または−OCO−NH−である。
X1、X2及びX3は、原料であるグリセリン誘導体の入手しやすさ及び化学結合の安定性の面から、X1及びX2は、カーバメート結合を構成する上記式(5)及び式(7)で示される基、並びにアミド結合を構成する上記式(6)で示される基から選択される基が好ましく、X3はカーバメート結合が好ましい。より好ましくは、X1及びX2は、上記式(5)で示される基または式(7)で示される基であり、X3は−NH−COO−である。特に好ましくはX1は上記式(7)で示される基であり、X2は上記式(5)で示される基であり、X3は−NH−COO−である。
本発明の分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質(8)は例えば次のように製造することができる。
1,3−ジアミノ−2−プロパノールと、下記式(9)で示されるポリエチレングリコール誘導体を反応させ、アミノ基の1つにポリエチレングリコール鎖を導入した後、もう1つのアミノ基を化学的に不活性な保護基で保護し、下記式(10)で示される化合物を得る(工程(A))。次いで、下記式(10)で示される化合物のヒドロキシル基を活性基に変換させた後に、下記式(11)で示されるポリエチレングリコール誘導体を反応させ、2本目のポリエチレングリコール鎖を導入した下記式(12)で示される化合物を得る(工程(B))。次いで、工程(B)で得られた式(12)で示される化合物のアミノ基の保護基を脱保護し、式(13)で示される化合物を得る(工程(C))。最後に式(13)で示される化合物と式(14)で示されるジアシルグリセロール誘導体を反応させることで、式(8)で示される分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質を得ることができる(工程(D))。
工程(A1):1,3−ジアミノ−2−プロパノールのアミノ基の1つと、式(9)で示されるポリエチレングリコール誘導体を反応させて、1本目のポリエチレングリコール鎖を導入する工程。
工程(A2):工程(A1)で得られた化合物の未反応のもう1つのアミノ基を化学的に不活性な保護基で保護し、式(10)で示される化合物を得る工程。
工程(B1):化合物(10)のヒドロキシル基を活性化基に変換する工程。
工程(B2):工程(B1)で得られた化合物に式(11)で示されるポリエチレングリコールアミン体を反応させて、2本目のポリエチレングリコール鎖が導入された式(12)で示される化合物を得る工程。
工程(C):工程(A2)で導入した保護基を脱保護し、式(13)で示される化合物を得る工程。
工程(D):化合物(13)と式(14)で示されるジアシルグリセロール誘導体を反応させる工程。
<1H-NMRの分析方法> 1H-NMR分析では、日本電子データム(株)製JNM-ECP400、JNM-ECP600を用いた。NMR測定値における積分値は理論値である。
<GPCの分析方法> GPC分析では、GPCシステムとしてSHODEX GPC SYSTEM-11を用い、下記条件にて測定を行った。
展開溶媒:テトラヒドロフラン 流速:1mL/min カラム:SHODEX KF-801,KF-803,KF-804(I.D.8mm×30cm) カラム温度:40℃ 検出器:RI×8 サンプル量:1mg/g,
100μLリファレンスにはトリエチレングリコール、PEG4000、PEG20000を用いた。GPC測定値には、高分子量不純物と低分子量不純物を、溶出曲線の変曲点からベースラインを垂直に切って除いたメーンピークの解析値を示した。
Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量、Mw/Mnは多分散度、Mpはピークトップ分子量を表す。
<TOF-MSの分析方法> TOF-MS分析では、Bruker製 autoflexIIIを用いた。サンプルのマトリックスに1,8,9-Anthracenetriol、リファレンスにAngiotensin II[M+H]1+ Mono 分子量1046.5418、Somatostain 28[M+H]1+Mono 分子量3147.4710を用いた。
1−([2,3−ジステアロイル]プロポキシカルボニルアミノ)−2−(メチルポリオキシエチレン−オキシプロピルアミノ カルボニルオキシ)−3−(メチルポリオキシエチレン−オキシカルボニルアミノ)−プロパン(化合物(I))の合成(m≒45、n≒11(PEG分子量約2,000、500の場合))
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機を付した100mL丸底フラスコへ1,3−ジアミノ−2−プロパノール4.5g(50mmol)、ジクロロメタン80gを入れ、ジクロロメタン50gに溶解させたメトキシポリエチレグリコール−p−ニトロフェニルカーボネート(SUNBRIGHT MENP-20H、重量平均分子量2,000、日油(株)製)10g(5mmol)を1時間かけて窒素雰囲気下で滴下した。滴下後25℃で3時間反応を行った。反応終了後、溶液をろ過した後、25%食塩水で3回洗浄し、有機層をエバポレータで減圧濃縮した。残った濃縮物をトルエン80gで溶解し、硫酸ナトリウム3gを加えて25℃で1時間攪拌し脱水した。その後、溶液をろ過して、KW2000(協和化学工業株式会社製)による処理を2回行った。処理溶液にヘキサン70gを加えて、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は酢酸エチル100gを加えて40℃にて加温溶解後、15℃まで冷却し、ヘキサンを添加して晶析を行った。ろ別した結晶をヘキサンで洗浄した後、結晶をろ取し、乾燥し、下記に示す化合物(II)8.5gを得た。(4.3mmol;収率85%)
1H-NMR(CDCl3,内部標準TMS)δ(ppm):2.62 (1H, dd)、2.81 (1H, dd)、3.13 (1H, m)、3.35 (1H, m)、3.38 (3H, s)、3.52-3.78 (180H, m)、4.22 (2H, m)、5.45 (1H, br)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機、および冷却管を付した50mL丸底フラスコへ化合物(II)7.5g(3.75mmol)及びトルエン22.5gを加え、窒素雰囲気下で40℃で攪拌し、化合物(II)を溶解させた。二炭酸ジ−tert−ブチル1.03g(4.7mmol)を加えて40℃で3時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル、ヘキサンで晶析を2回繰り返した後にヘキサンで洗浄し、結晶をろ取し、乾燥し下記に示す化合物(III)6.4gを得た。(3.2mmol;収率85%)
1H-NMR(CDCl3,内部標準TMS)δ(ppm):1.44 (9H, s)、3.14-3.33 (4H, m)、3.38 (3H, s)、3.52-3.77 (180H, m)、4.21-4.24 (2H, m)、5.43 (1H, s)、5.61 (1H, s)
GPCMn:2,195、Mw2,245、Mw/Mn:1.011、Mp2,236
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機を付した50mL丸底フラスコへ化合物(III)6.1g、及びジクロロメタン15.5gを加え、窒素雰囲気下25℃で攪拌し、化合物(III)を溶解させた。炭酸ジ(N−スクシンイミジル)1.59g(6.2mmol)、次いでトリエチルアミン0.94g (9.3mmol)を加えて25℃で4時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をろ過し、エバポレータを用いて濃縮した後、トルエン40gを加えて再び濃縮した。析出物をろ過した後、ろ液にKW700(協和化学工業株式会社製)を加えて精製処理を2回行った。処理溶液にヘキサンを加えて、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は酢酸エチルを加えて40℃にて加温溶解後、15℃まで冷却し、ヘキサンを添加して晶析を行った。ろ別した結晶をヘキサンで洗浄した後、結晶をろ取し、乾燥し、下記に示す化合物(IV)5.5gを得た。(2.8mmol;収率90%)
1H-NMR(CDCl3,内部標準TMS)δ(ppm):1.44 (9H, s)、2.84 (4H, s)、3.33-3.34 (1H, m)、3.38 (3H, s)、3.52-3.77 (182H, m)、4.23 (2H, t)、4.85 (1H, t)、5.17 (1H, m)、5.63(1H, s)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機を付した50mL丸底フラスコへ化合物(IV)5.5g(2.75mmol)、トルエン25gを加え、窒素雰囲気下40℃で攪拌し、化合物(IV)を溶解させた。トルエン5gに溶解させたメトキシポリエチレグリコールプロピルアミン(SUNBRIGHT MEPA-05H、重量平均分子量500、日油(株)製)1.7g(3.4mmol)を加えて40℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をイオン交換水により2回洗浄したあと、クロロホルムで2回抽出した。クロロホルム層を濃縮し、硫酸マグネシウムで脱水した後ろ過した。処理溶液をエバポレータで減圧濃縮し、酢酸エチル、ヘキサンによる晶析を15℃で行った。結晶をろ別後、ヘキサンを加え、結晶を洗浄し、下記に示す化合物(V) 4.2gを得た。(1.7mmol;収率76%)
1H-NMR(CDCl3,内部標準TMS)δ(ppm):1.43 (9H, s)、1.77 (2H, t)、3.33-3.34 (4H, m)、3.38 (6H, s)、3.52-3.77 (183H, m)、4.21 (2H, d)、4.73 (1H, t)、5.21 (1H, s)、5.52 (1H, s)、5.60 (1H, s)
GPCMn:2,721、Mw2,780、Mw/Mn:1.022、Mp2,787
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機を付した50mL丸底フラスコへ化合物(V) 3.5g(1.4mmol)、ジクロロメタン35gを加え、窒素雰囲気下25℃で攪拌して化合物(V)を溶解させた。メタンスルホン酸2.0g(21mmol、15当量)を加えて25℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を濃縮脱水した後、エバポレータで減圧濃縮し、酢酸エチル35g、ヘキサン35gによる晶析を15℃で行った。結晶をろ別後、ヘキサン35gを加え、結晶を洗浄し、下記に示す化合物(VI)を2.8g(収率79%)得た。
1H-NMR(CDCl3,内部標準TMS)δ(ppm):1.78 (2H, t)、2.79-2.87 (2H, m)、3.26-3.45 (3H, m)、3.38 (6H, s)、3.52-3.77 (224H, m)、4.21 (2H, t)、4.68 (1H, s)、5.46 (1H, s)
温度計、窒素吹き込み管、攪拌機を付した50mL丸底フラスコへ化合物(VI)2.71g(1.08mmol)、炭酸ナトリウム0.28g、トルエン13.8gを加え、窒素雰囲気下40℃で化合物(VI)を溶解させた。次いでN−スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ−ジステアロイルグリセリルエーテル1.01g(1.32mmol)を加え、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、KW2000(協和化学工業株式会社製)による処理を4回行い、反応により遊離したN−ヒドロキシスクシンイミドを除去した。次にトルエン溶液を濃縮し、濃縮物をアセトニトリル/ヘキサンで洗浄を繰り返すことにより脂質系不純物を除去した。最後にアセトニトリル層をエバポレータにより減圧濃縮、乾固し、下記に示す化合物(I)を2.8g(収率79%)得た。
得られた化合物(I)は、TLC(薄層クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール=85/15、90/10)にて展開後、ヨウ素発色にて確認したところ、純度は94%以上であった(リファレンスとして分子量2,000の末端メトキシのポリエチレングリコールを使用)。残存脂肪酸の分析は、TLC(薄層クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール=99/5)にて展開し、リン酸硫酸銅の発色にて分析した。その結果、残存ステアリン酸は見られなかった。
1H-NMR(CDCl3,内部標準TMS)δ(ppm):0.88 (6H, t)、1.25-1.31 (56H, m)、1.60 (4H, quint)、1.78 (2H, t)、2.31 (4H, t)、3.26-3.36 (5H, m)、3.38 (6H, s)、3.52-3.77 (224H, m)、4.11-4.30 (6H, m)、4.74 (1H, br)、5.24 (1H, br)、5.53-5.65 (3H, m)
分子量(TOF-MS):3,387
化合物(VII)の合成(m≒22、n≒11(PEG分子量約1,000、500の場合))
ポリエチレングリコール誘導体として、メトキシポリエチレグリコール−p−ニトロフェニルカーボネート(SUNBRIGHT MENP-10H、重量平均分子量1,000、日油(株)製)及びメトキシポリエチレグリコールプロピルアミン(SUNBRIGHT MEPA-05H、重量平均分子量500、日油(株)製)を用い、実施例1−1〜1−6と同様に合成した。
得られた化合物(VII)は、TLC(薄層クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール=85/15、90/10)にて展開後、ヨウ素発色にて確認したところ、純度は95%以上であった(リファレンスとして分子量1,000の末端メトキシのポリエチレングリコールを使用)。残存脂肪酸の分析は、TLC(薄層クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール=99/5)にて、展開し、リン酸硫酸銅の発色にて分析した。その結果、残存ステアリン酸は検出されなかった。
分子量(TOF-MS):2,370
化合物(VIII)の合成:(m≒45、n≒22(PEG分子量約2,000、1,000の場合))
ポリエチレングリコール誘導体として、メトキシポリエチレグリコール−p−ニトロフェニルカーボネート(SUNBRIGHT MENP-20H、重量平均分子量2,000、日油(株)製)及びメトキシポリエチレグリコールプロピルアミン(SUNBRIGHT MEPA-10H、重量平均分子量1,000、日油(株)製)を用い、実施例1−1〜1−6と同様に合成した。
得られた化合物(VIII)は、TLC(薄層クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール=85/15、90/10)にて展開後、ヨウ素発色にて確認したところ、純度は97%以上であった(リファレンスとして分子量2,000の末端メトキシのポリエチレングリコールを使用)。残存脂肪酸の分析は、TLC(薄層クロマトグラフィー:クロロホルム/メタノール=99/5)にて、展開し、リン酸硫酸銅の発色にて分析した。その結果、残存ステアリン酸は検出されなかった。
分子量(TOF-MS):4,074
L−α−ジステアロイルホスファチジルコリン、コレステロール、L−α−ジステアロイルホスファチジル−DL−グリセロールナトリウム、化合物(I)が100:100:60:15 μmolとなるように秤取し、クロロホルム/メタノール混液(4/1(v/v))に溶解した後、エバポレーターを用いて溶媒を留去することにより脂質の薄膜を形成した。更にデシケーター内で一晩静置することにより有機溶媒を完全に除去した。その後、9.0 %スクロース 10 mM乳酸緩衝液を用いて再水和し、エクストルージョン法にてサイズコントロールを行いリポソーム懸濁液とした。また、化合物(VII)、化合物(VIII)に関しても同様にリポソームの調製を行った。
異なる濃度のNaCl溶液中と9.0 %スクロース 10 mM乳酸緩衝液を混合した溶液中に実施例4で調製した化合物(I)のリポソームを懸濁し、ゼータ電位を測定した。NaCl濃度より算出したパラメーターκに対して対応するゼータ電位をプロットし、得られた傾きの絶対値を水和層の厚みとした。ゼータ電位の測定にはZetasizer Nano ZS(Malvern Instruments 社製)を用いた。また、化合物(VII)、化合物(VIII)のリポソームに関しても同様にFALTの算出を行い、それぞれ実施例6、及び実施例7とした。
下記式(IX)で示される、PEG鎖を一本持つ脂質PEG(SUNBRIGHT GS-020、重量平均分子量2,000、日油(株)製)を用いて、実施例4及び5と同様にリポソームの調製、及びFALTの算出を行った。
Claims (3)
- 下記式(1)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜7の炭化水素基、R3COは炭素数4〜24のアシル基である。m及びnは、それぞれ独立して、オキシエチレン基の平均付加モル数であって、10〜125の間の整数であり、n≦25かつ2n≦m、またはm≦25かつ2m≦nを満たす整数である。X1及びX2は、それぞれ独立して、以下の式(3)〜(7)で示される基から選択され、X3はカーボネート結合、カーバメート結合及びエーテル結合のいずれかより選択される。)
(式中、rは1〜5の整数であり、sは2〜5の整数である。)
で表される分子量の異なるポリエチレングリコール鎖を2本含有する分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質。 - 下記(A)、(B)、(C)、(D)全ての工程を順番に含むことを特徴とする、請求項2記載の分子量の異なるポリエチレングリコール鎖を2本含有する分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質の製造方法。
工程(A):1,3−ジアミノ−2−プロパノールと、下記式(9)で示されるポリエチレングリコール誘導体を反応させ、アミノ基の1つにポリエチレングリコール鎖を導入した後、もう1つのアミノ基を化学的に不活性な保護基で保護し、下記式(10)で示される化合物を得る工程。
(式中、R1は炭素数1〜7の炭化水素基である。mはオキシエチレン基の平均付加モル数であって、10〜125の間の整数であり、L1はN−スクシンイミジルオキシ基又はp−ニトロフェノキシ基であり、Pはアミノ基の保護基である。)
工程(B):上記式(10)で示される化合物のヒドロキシル基を活性基に変換させた後に、下記式(11)で示されるポリエチレングリコール誘導体を反応させ、2本目のポリエチレングリコール鎖を導入した下記式(12)で示される化合物を得る工程。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜7の炭化水素基である。m及びnは、それぞれ独立して、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、10〜125の間の整数であって、n≦25かつ2n≦m、またはm≦25かつ2m≦nを満たす整数であり、sは2〜5の整数であり、Pはアミノ基の保護基である。)
工程(C):工程(B)で得られた上記式(12)で示される化合物のアミノ基の保護基を脱保護し、下記式(13)で示される化合物を得る工程。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜7の炭化水素基である。m及びnは、それぞれ独立して、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、10〜125の間の整数であって、n≦25かつ2n≦m、またはm≦25かつ2m≦nを満たす整数であり、sは2〜5の整数である。)
工程(D):工程(C)で得られた上記式(13)で示される化合物と下記式(14)で示されるジアシルグリセロール誘導体を反応させて下記式(8)で示される分岐型ポリエチレングリコール修飾脂質を得る工程。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜7の炭化水素基、R3COは炭素数4〜24のアシル基であり、L3はN−スクシンイミジルオキシ基又はp−ニトロフェノキシ基である。m及びnは、それぞれ独立して、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、10〜125の間の整数であって、n≦25かつ2n≦m、またはm≦25かつ2m≦nを満たす整数であり、sは2〜5の整数である。)
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