JP6198457B2 - ケリソンパンチ - Google Patents
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施術は内視鏡とモニターを用い、カニューレの先端周辺に創られる狭い空間でケリソンパンチを操作するという高度に繊細なものであるため、ケリソンパンチは術者にとって扱いやすいものでなくてはならない。
1.原形工程
ステンレス板材からの切り抜き成形と溶融したステンレス材を鋳型に流し込む鋳型成形とにより各部品の原形を得る。
2.粗仕上げ工程
各部品の原形に溝加工、孔加工、及び表面の粗仕上げ加工を行い、粗仕上げ部品を得る。必要な場合には、原形部品間で溶接を行い一体部品とする。
3.仮組立て工程
粗仕上げ部品を仮に組立て、各部品の相対的位置、寸法、ハンドル部を操作したときの各部の作動具合などを試行し、不都合部分を改善する。
4.捩り・湾曲工程
仮組立てされたケリソンパンチにおいて、本体部材にスライド部材が重合している挿入部分を前記の前後軸線の周りに約30°〜90°の間の設定した所定角度に捩る。さらに、その先端側の部分を前後軸線に関して上方と側方へ20°〜30°の間の設定した所定角度に湾曲させる。
5.仕上げ工程
仮に組立てた部品を分解し、それぞれに仕上げ加工を施す。仕上げ加工は、各部品に対する表面仕上げや研磨、面取り、丸み付けなどである。
以上の工程中、特に3,4の工程が特徴的である。
図1に示すケリソンパンチ1は、大きく分けると図において鎖線で区分けしたように、挿入部分2とハンドル部分3とからなる。挿入部分2は、カニューレに差し込まれる部分であり、概略、本体部材4とスライド部材5を重合させた構造である。ハンドル部分3は挿入部分2を操作するための部分であり、前ハンドル6と後ハンドル7を備え、後ハンドル7に対して前ハンドル6を回動軸8を中心に回動可能としてある。両ハンドル6,7間にはリーフばね9(9a,9b)が取り付けられ、後ハンドル7に対して前ハンドルを開き方向に常時付勢している。
前ハンドル6は上端部で前記スライド部材5の後端部と係合軸10により連繋している(後述)ので、後ハンドル7に対して前ハンドル6を引き寄せると前ハンドル6は回動軸8を中心に、図において、左回転し、係合軸10によってスライド部材5が前方に移動される構造となっている。
挿入部分2の先端部は切截部11とされており、本体部材4の先端にフットプレート12が形成される一方、スライド部材5の先端に切刃13が形成されている。いずれも、本体部材4、スライド部材5の先端から上方へ突出して形成され、スライド部材5が前方へ移動されると、先端の切刃13がフットプレート12に当接してこれらの間に介在させた術部を小片として切り取るものである。
なお、実施例のケリソンパンチ1は挿入部分2の形態に関して図2(ハ)に示すように、右捩じり、捩じりなし、左捩じりの3タイプを一組とする中の右捩じりタイプである。
一方、第1、第2の縁付き凸部22、23は、下部に両側に張り出した縁部25を有した断面が逆T字形となる凸部である。
第1、第2の縁付きガイド溝16、18や第1、第2の導入溝17,19はそれぞれ前記の前後軸線14に沿って長く、また、スライド部材5の移動量よりやや長い程度に形成されている。
前ハンドル6は上部が少し肉薄のレバー部29とされ、レバー部29の基部に軸孔30がまた上部に係合用の軸孔31が形成されている。
レバー部29は、前記のガイドスリット27に下方から挿通され、基体部26の軸孔28に軸孔30に重ね、これらに挿通される回動軸8(ねじ付き軸)で前ハンドル6が基体部26に対して回動可能に取付けられている。なお、この状態でレバー部29の上部は本体部材4の上面32から突出し、前記の係合用の軸孔31が露出している(図8)。
リーフばね9a,9bは上端部が相互に係合されると共にそれぞれの下部が前後のハンドル6,7の内面側にねじ35により固定されている。
この状態から、術者がハンドル部分3を操作し、図9のように前ハンドル6を後ハンドル7側に引くとスライド部材5は本体部材4の上面を移動して、先端部の切刃13がフットプレート12に当接する。
なお、後ハンドル7は中間部に親指と人差し指との間に接する支持部7aを有する。支持部7aは、図2(イ)のように、左方へ突出し後方へ湾曲した特別な形態とされている。
次いで、図9のように、前ハンドル6を絞ると、スライド部材5は、本体部材4の上面に沿ってスムーズに移動し、やがて、切刃13がフットプレート12に当接する。これにより、フットプレート12と切刃13の間にあった術部を予定どおり切截することができる。
原形工程
挿入部分2とハンドル部分3に分けて作られる(図10)。
挿入部分2のスライド部材原形36と本体部材原形37は、ステンレス(SUS420)の板材を切り抜いて成形する。なお、この場合、スライド部材5は、前記のスライド部材原形36と基部側のスライド部材基部側原形36bとに分離されて成形される。
前記のスライド部材基部側原形36bとハンドル部分3となる基体部原形38、後ハンドル原形39、前ハンドル原形40は、溶融させたステンレス材料(SUS630)を鋳型に鋳込み、鋳物としてそれぞれの原形を得る。なお、基体部原形38と後ハンドル原形39は一体の鋳物として成形される。
まず、前記のスライド部材原形36と基部側のスライド部材基部側原形36bとを溶接により一体化する。
本体部材原形37を基体部原形38と後ハンドル原形39の一体成形物(原形)に溶接し、一体化する。
溶接はアルゴンガス中でのTIG溶接などで行われる。
前記の各原形部品(符号36〜40)の寸法及び表面精度を仮組み付けに支障のない程度に仕上げ、粗仕上げ部品とする。
ついで、工作機械を用いて、粗仕上げ本体部材37a(図示を省略)の設定された位置に第1、第2の縁付きガイド溝16,18、第1、第2の導入溝17,19、ガイド溝20、粗仕上げ基体部38aにガイドスリット27及び軸孔28,30などを形成し、また、粗仕上げスライド部材36aに第1、第2の縁付き凸部22,23及び凸部24を形成する。なお、これらの凸部は別途棒材から成形したものを本体側へ嵌合により取り付けてもよい。
フットプレート12、切刃13も粗仕上げされる。
挿入部分2となるSUS420部材は刃付け前に焼きいれ処理(1000°C程度)される。前ハンドル原形40(SUS630)は470°Cで1時間の熱処理をする。
そして、これらの粗仕上げ部品を組立てて仮組立品を得、各部の位置、回転、スライド状態およびその他機構上の一次調整を行う。調整は手工具などを使って行う。
粗仕上げをした本体部材37aと粗仕上げをしたスライド部材36aから成る粗仕上げ挿入部41aは、図10のように前後軸線14に沿った直線状であり、粗仕上げ本体部材37aの上面に粗仕上げスライド部材36aが重合して粗仕上げスライド部材36aが前後に移動可能であるとともに、粗仕上げ本体部材37aの先端部に予定されているフットプレート12に粗仕上げスライド部材36aの先端部に予定されている切刃13が当接した配置とされる。
挿入部分2のSUS420部材に焼き戻し(260°C程度)を行い、前工程の加熱によって硬化したステンレス組成を軟化させ、素材に靱性を付与し、仕上げの刃付けをする。
仮組立てを解き、各部品を寸法的にさらに精密に仕上げると共に、研磨及び表面処理などを施す。この仕上げ加工は、切刃13への刃付けや挿入部分2を先端へ向けて細く、また、断面が丸くなるような優美な形態に仕上げる、すなわち、全体として、身体組織に接触しても損傷を与えない形態にすることを含む。
なお、スライド部材5先端部の上方及び前方への湾曲の程度(α、β)を本体部材4側よりもわずかに緩くして、ばね性を発揮させ、スライド部材5先端部の第1、第2の縁付き凸部22,23が本体部材4の第1、第2の縁付きガイド溝16,18の縁部に軽く圧接されて摺動する構成とすることもある。
前ハンドル6や後ハンドル7の形態は、実施例のものに限定されない。
スライド部材5と前ハンドル6との連繋構造は、前ハンドル6のレバー部29をフォーク状に形成して外側からスライド部材5の後部を挟むように連繋してもよい。
スライド部材5、本体部材4は、原形工程の際、図10のように、先端部と後部とに分離せず、一体に原形成形(鍛造など)してもよい(図11)。この場合、前記の溶接工程は必要がない。
2 挿入部分
2a 第1ガイド部
2b 第2ガイド部
2c 第3ガイド部
3 ハンドル部分
4 本体部材
5 スライド部材
6 前ハンドル
7 後ハンドル
7a 支持部
8 回動軸
9 リーフばね
10 係合軸
11 切截部
12 フットプレート
13 切刃
14 前後軸線
15 基部
16 第1縁付きガイド溝
17 第1導入溝
18 第2縁付きガイド溝
19 第2導入溝
20 ガイド溝
21 縁部
22 第1縁付き凸部
23 第2縁付き凸部
24 凸部
25 縁部
26 基体部
27 ガイドスリット
28 軸孔
29 レバー部
30 軸孔
31 (係合用の)軸孔
32 (本体部材の)上面
33 ガイド溝
34 (係合用の)軸孔
35 ねじ
36 スライド部材原形
36a 粗仕上げスライド部材
37 本体部材原形
37a 粗仕上げ本体部材
38 基体部原形
39 後ハンドル原形
40 前ハンドル原形
41a 粗仕上げ挿入部
Claims (3)
- ハンドル部分と挿入部分を備え、挿入部分は本体部材とスライド部材からなり、ハンドル部分を操作すると、前記の本体部材に対してスライド部材が前後に移動し、挿入部分先端のフットプレートに対して切刃が当接して術部の切截が行われるケリソンパンチであって、挿入部分は先端側が挿入部分の基部付近において前後軸周りに30°〜90°の範囲において設定した所定の角度で捩ってあると共に前後方向の前後軸線に沿って先端側の部分が上方と側方へ湾曲していることを特徴としたケリソンパンチ。
- ハンドル部分と挿入部分を備え、挿入部分は本体部材とスライド部材からなり、ハンドル部分を操作すると、前記本体部材に対してスライド部材が前後に移動し、挿入部分先端のフットプレートに対して切刃が当接して術部の切截が行われるケリソンパンチの製造方法であって、
ハンドル部分は前ハンドルと後ハンドル及び後ハンドルと一体の基体部とで構成し、
前ハンドル原形、後ハンドル原形、スライド部材原形、本体部材原形及び基体部原形を得る原形工程、
これら原形に各部に設定されたガイド溝やガイドスリット及び各部軸孔を形成し、さらに原形表面の粗仕上げ加工を行って粗仕上げ部品を得る粗仕上げ工程、
粗仕上げ部品を仮組立して各部の位置、回転、スライド状態およびその他機構上の一次調整を行って仮組立品を得る仮組立工程、および仮組立品において、本体部にスライド部を組み合わせフットプレートに切刃を当接した状態で、挿入部分の先端側を挿入部分の基部付近において前記挿入部分の前後軸線の周りに30°〜90°の範囲で設定した角度に捩ると共に挿入部の前後軸線に沿って20°〜30°の範囲の設定した所定角度で上方と側方へ湾曲させて湾曲部を作る湾曲部工程とを有することを特徴としたケリソンパンチの製造方法。
- 請求項2の工程後、仮組立てを分解し、各部品ごとに研磨と寸法の調整及び表面処理の最終仕上げを施した後、再度組み付けて製品とすることを特徴としたケリソンパンチの製造方法。
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