JP6198302B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に搭載される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関し、より特定的には、長尺円柱状の外形を有するいわゆるシリンダ型ガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で車両等に装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、展開されたエアバッグで乗員の体を受け止めるものである。ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時に瞬時にガスを発生させてエアバッグを膨張および展開させる機器である。
ガス発生器には、車両等に対する設置位置や出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、「シリンダ型」と呼ばれる構造のガス発生器が存在する。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置や助手席用のエアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。
上述したシリンダ型ガス発生器の具体的な構造が開示された文献として、たとえば特開2005−313812号公報(特許文献1)や特開2011−143777号公報(特許文献2)等がある。これら特許文献1ないし2に開示のシリンダ型ガス発生器にあっては、長尺円筒状のハウジングの軸方向の一端部に点火器および伝火薬が配置され、軸方向の略中央部にガス発生剤が収容されてこのガス発生剤が燃焼することで作動ガスが生成される作動ガス生成室が設けられ、軸方向の他端部にフィルタが収容されたフィルタ室およびガス噴出口が設けられている。
当該構成のシリンダ型ガス発生器においては、点火器が作動することによって生じた火炎が伝火薬の燃焼を介してガス発生剤に伝達され、これによりガス発生剤が燃焼して高温高圧の作動ガスが作動ガス生成室にて生成され、生成された作動ガスがハウジングの軸方向に沿って作動ガス生成室からフィルタ室に流入し、フィルタを通過してガス噴出口よりハウジングの外部へと噴出される。ガス噴出口から噴出された作動ガスは、その後エアバッグの膨張および展開に利用される。
このうち、上記特許文献2には、ガス発生剤の中に区画部材が配置されており、区画部材には第1連通孔および第2連通孔が設けられているガス発生器が開示されている。当該区画部材が配置されているガス発生器にあっては、未燃焼のガス発生剤が作動するガスの流動抵抗なることが未然に防止されることになり、安定した出力特性が得られる。
特開2005−313812号公報 特開2011−143777号公報
上述した特許文献2に開示のガス発生器にあっては、区画部材を配置するにあたり、部品点数が増え、組立工数も増加する懸念がある。
したがって本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、部品点数を増加させることなく、未燃焼のガス発生剤が作動するガスの流動抵抗なることが未然に防止され、所望の出力特性を実現でき、安価に製作することができる簡素な構成のガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に本発明に基づくガス発生器は、ハウジングと、点火器と、仕切り部と、ガス発生剤収容室とを備えている。上記ハウジングは、ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室およびフィルタが収容されたフィルタ室を内部に含み、軸方向の両端が閉塞されてなる長尺筒状である。上記ハウジングは、上記フィルタ室を規定する部分にガスを噴出するためのガス噴出口を備える。上記点火器は、上記ハウジングの軸方向の一端部に組付けられ、作動することで上記ガス発生剤を燃焼させるための火炎を発生する。上記仕切り部は、上記ハウジングの内部に位置し、ハウジングの内部の空間を軸方向に上記ガス発生剤収容室と上記フィルタ室とに仕切る。上記ガス発生剤収容室は、単一のガス発生剤がに充填されているガス発生剤充填層がハウジングの軸方向に複数層積層されており、少なくともハウジングの点火器側端部には第1ガス発生剤充填層が、ハウジングの閉塞側端部には第2ガス発生剤充填層がそれぞれ設けられ、第1ガス発生剤充填層を占めているガス発生剤と、第2ガス発生剤充填層を占めているガス発生剤とは燃焼速度(例えば、線燃焼速度)が異なっている。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記点火器は、上記ハウジングの内部の空間に面するようにハウジングの軸方向の一端部に配置され、上記フィルタはハウジングの内部の空間のうち、ハウジングの軸方向の他端部寄りの位置に配置され、上記ガス発生剤収容室は、フィルタが配置された位置よりもハウジングの一端寄り(閉塞部材が存在する端部寄り)の位置に配置されていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記複数のガス発生剤層について、前記第1ガス発生剤充填層のガス発生剤の線燃焼速度が、前記第2ガス発生剤充填層のガス発生剤の線燃焼速度よりも速いことが好ましい。
また、上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記複数のガス発生剤層について、前記第1ガス発生剤層に充填されたガス発生剤と、前記第2ガス発生剤充填層に充填されたガス発生剤の粒径が異なっていてもよい。
本発明によれば、部品点数を増加させることなく、未燃焼のガス発生剤が作動するガスの流動抵抗なることが未然に防止され、安価に製作することができる簡素な構成のガス発生器とすることができる。
本発明の実施の形態におけるガス発生器の概略図である。 本発明の実施の形態におけるガス発生時の作動状況を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれるいわゆるシリンダ型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示するものである。
図1は、本発明の実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の内部構造を示す模式断面図である。以下においては、これら図1を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器の内部構造について説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aは、長尺略円柱状の外形を有しており、ハウジング10と、閉塞部材12と、ホルダ20とを含んでいる。ハウジング10は、軸方向の両端に開口を有する長尺の円筒状の部材からなる。閉塞部材12は、所定の厚みを有する円盤状の部材からなり、その周面に後述するかしめ固定のための環状溝部13を有している。このかしめ固定のための環状溝部13は、閉塞部材12の周面に周方向に向かって延びるように形成されている。
ホルダ20は、ハウジング10の軸方向と同方向に延びる中空開口部21を有する筒状の部材からなり、その外周面の所定位置に後述するかしめ固定のための環状溝部23を有している。このかしめ固定のための環状溝部23は、ホルダ20の外周面に周方向に向かって延びるように形成されている。
閉塞部材12は、ハウジング10の一方の開口端を閉塞するようにハウジング10に取付けられている。一方、ホルダ20は、ハウジング10の他方の開口端に取付けられている。また、ハウジング10の軸方向の所定位置には、略円筒状の部材からなる仕切り部材14が配置されている。仕切り部材14は、ハウジング10の軸方向と同方向に延びる中空開口部15を有する筒状の部材からなり、その外周面の所定位置に後述するかしめ固定のための環状溝部16を有している。このかしめ固定のための環状溝部16は、仕切り部材14の外周面に周方向に向かって延びるように形成されている。また、この仕切り部材14は、ハウジング10の内部の空間を軸方向に燃焼室17とフィルタ室18とに区画するものである。
これらハウジング10、閉塞部材12、仕切り部材14およびホルダ20は、いずれもステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。また、ハウジング10、閉塞部材12、仕切り部材14およびホルダ20は、かしめ固定によってそれぞれが連結・固定されている。具体的には、ハウジング10の一方の開口端に閉塞部材12の一部が内挿された状態で、閉塞部材12の周面に設けられた環状溝部13に対応する部分のハウジング10の周壁を径方向内側に縮径させて(かしめて)当該環状溝部13に係合させることにより、ハウジング10に対する閉塞部材12のかしめ固定が行なわれており、ハウジング10の他方の開口端にホルダ20の一部が内挿された状態で、ホルダ20の外周面に設けられた環状溝部23に対応する部分のハウジング10の周壁を径方向内側に縮径させて(かしめて)当該環状溝部23に係合させることにより、ハウジング10に対するホルダ20のかしめ固定が行なわれている。また、ハウジング10の所定位置に内挿された仕切り部材14は、仕切り部材14の外周面に設けられた環状溝部16に対応する部分のハウジング10の周壁を径方向内側に縮径させて(かしめて)当該環状溝部16に係合させることにより、ハウジング10に対する仕切り部材14のかしめ固定が行なわれている。
これらかしめ固定は、いずれもハウジング10の周壁を径方向内側に向かって均等に縮径させる八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。
図1に示すように、ハウジング10のホルダ20が取付けられた側の端部近傍の周壁には、ガス噴出口11が設けられている。このガス噴出口11は、シリンダ型ガス発生器1Aの内部において発生したガスを外部に噴出するための穴であり、ハウジング10の周方向および軸方向に沿って複数個設けられている。
図1に示すように、ハウジングの軸方向の一端部(すなわち、ホルダ20寄りの部分)には、点火手段としての点火器30、および伝火薬36が配置されている。点火手段としての点火器30および伝火薬36は、後述する粒状のガス発生剤52を燃焼させるための火炎を発生させるためのものであり、このうちの伝火薬36は、伝火薬収納部材37に収容されている。
点火器30は、ホルダ20の貫通部21に内挿されてかしめ固定されている。より詳細には、ホルダ20は、ハウジングの内部の空間に面する側の端部にかしめ部26を有しており、点火器30が貫通部21に内挿されてホルダ20に当て留めされた状態で当該かしめ部26をかしめることにより、点火器30がホルダ20に挟持されて点火器30がホルダ20に固定されている。
より具体的には、点火器30は、一対の端子ピン32を挿通・保持する基枠と、基枠上に取付けられたスクイブカップとを備えており、スクイブカップ内に挿入された端子ピン32の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するようにスクイブカップ内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。スクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン32を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、この熱を受けて点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器30が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には2ミリ秒以下である。
図1に示すように、ハウジング10、閉塞部材12およびホルダ20によって規定されるシリンダ型ガス発生器1Aの内部の空間には、燃焼室17およびフィルタ室18が設けられている。フィルタ室18は、ハウジング10、ホルダ20および仕切り部材14によって主として規定され、ハウジング10の一方の開口端寄りの部分(図中の下側の部分)に設けられている。一方、燃焼室17は、ハウジング10、仕切り部材14および閉塞部材12によって主として規定され、ハウジング10の他方の開口端寄りの部分(図中の上側の部分)に設けられている。又、ハウジングの内部にはカップ状部材40が存在しており、カップ状部材は、上記燃焼室に収容されたガス発生剤が上記伝火薬室に対向した状態となるように燃焼室及び伝火薬室が内部に配置されている。
燃焼室17の内部には、クッション材51、ガス発生剤52が主として配置されている。また、フィルタ室18の内部には、フィルタ53が配置されている。さらに、ガス発生剤52は第1ガス発生剤充填層54と第2ガス発生剤充填層55に分かれて配置されている。第1ガス発生剤充填層54および第2ガス発生剤充填層55については、詳細を後述する。
伝火薬収容部材37は、有底筒状の形状を有しており、点火器30に面するように配置されている。この伝火薬収容部材37の内部の空間には、伝火薬(エンハンサ)36が収容されている。
伝火薬36は、点火器30が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬36としては、ガス発生剤52を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO3 等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物やB/5−アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物などが用いられる。伝火薬36は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成型されたもの等が利用される。バインダによって成型された伝火薬の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
フィルタ室18には、フィルタ53が収容されている。フィルタ室18は、上述のハウジング10の周壁に設けられたガス噴出口11を介して外部と通じている。
フィルタ53は、ハウジング10の軸方向と同方向に延びる中空部を有する円筒状の部材からなる。このように円筒状の部材からなるフィルタ53を利用すれば、作動時においてフィルタ室18を流動する作動ガスの流動抵抗が低く抑えられ、効率的なガスの流動が実現可能となる。フィルタ53は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属からなる線材や網材を巻き回したものやプレス加工することによって押し固めたもの等が利用される。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。フィルタ53は、燃焼室17にて発生したガスがこのフィルタ53中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ等を除去する除去手段としても機能する。
燃焼室17の内部には、クッション材51、ガス発生剤52が主として配置されている。また、ガス発生剤52は第1ガス発生剤充填層54と第2ガス発生剤充填層55に分かれて配置されている。
ガス発生剤52は、点火器30によって点火された伝火薬36が燃焼することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させるものである。ガス発生剤52は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成型体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩や、過塩素酸アンモニウムや過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばヒドロキシプロピレンメチルセルロース等のセルロース誘導体や、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤52の成型体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状など様々な形状のものがある。また、成型体内部に孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成型体も利用される。
ここで、第1ガス発生剤充填層54に充填された第1ガス発生剤56の粒径が第2ガス発生剤充填層55に充填された第2ガス発生剤57より粒径を小さくすることで、これらのガス発生剤が混合することを生じ難くすることが可能となる。
上記の通り燃焼室17の内部には、第1ガス発生剤充填層54及び第2ガス発生剤充填層が配置されている。第1ガス発生剤充填層54は、燃焼室17の内部において、点火器30寄りの空間に配置されている。一方、第2ガス発生剤充填層55は、燃焼室17の内部において、閉塞部材12寄りの空間に配置されている。第1ガス発生剤充填層54及び第2ガス発生剤充填層55においては、燃焼速度(例えば、線燃焼速度等)といった燃焼特性の異なる、単一のガス発生剤が均一(一様)に充填されている。
本実施の形態1においては、第1ガス発生剤充填層54に充填された第1ガス発生剤56は、第2ガス発生剤充填層55に充填された第2ガス発生剤57より速い燃焼速度のガス発生剤で構成されている。この時、第1ガス発生剤56が第2ガス発生剤57より燃焼速度が速く設定されていることから、第1ガス発生剤が第2ガス発生剤の燃焼速度(例えば、線燃焼速度等)より遅く設定された場合と比較して、点火装置が作動した後に、フィルタ室に近いガス発生剤の燃焼がより早く進行することとなる。そのため、衝突を検知してからエアバックへのガスの流入への立ち上がりまでの時間がより早いものとなる。さらに、第2ガス発生剤の燃焼速度が第1ガス発生剤の燃焼速度より遅く設定されていることから、燃焼室の内圧が過度に上昇することを防止することができる。その上で、その後燃焼速度の遅い第2ガス発生剤が第1ガス発生剤から伝わる火炎により境界部位の略全面を経て着火・燃焼するため、ガスをより長時間に渡って、エアバッグへ流入させ続けることが可能となる。
さらに、本実施の形態1においては、第1ガス発生剤と第2ガス発生剤が各ガス発生剤充填層に各々均一に充填されているため、安定した燃焼状態、すなわち、点火装置により、第1ガス発生剤が点火され、ついで、第1ガス発生剤の燃焼時の火炎により、第2ガス発生剤が点火する状態を維持でき、燃焼室内のガス発生剤の充填状態が均一であることから、インフレータ毎の作動のばらつきを抑えて、安定した作動性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態1においては、第1ガス発生剤充填層と第2ガス発生剤充填層が配置されているものを示したが、ガス発生剤充填層を3層以上にする形態も本発明の効果を阻害しない限りで適用することができる。
フィルタ室18には、フィルタ53が収容されている。フィルタ室18は、上述のハウジング10の周壁に設けられたガス噴出口11を介して外部と通じている。
フィルタ53は、ハウジング10の軸方向と同方向に延びる中空部を有する円筒状の部材からなる。このように円筒状の部材からなるフィルタ53を利用すれば、作動時においてフィルタ室18を流動する作動ガスの流動抵抗が低く抑えられ、効率的なガスの流動が実現可能となる。フィルタ53は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属からなる線材や網材を巻き回したものやプレス加工することによって押し固めたもの等が利用される。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。フィルタ53は、燃焼室17にて発生したガスがこのフィルタ53中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ等を除去する除去手段としても機能する。
なお、シリンダ型ガス発生器1Aのホルダ20が配置された方の端部には、雌型コネクタ(不図示)が取付けられる。この雌型コネクタは、シリンダ型ガス発生器1Aとは別途設けられる衝突検知手段からの信号を伝達するハーネスの雄型コネクタが接続される部位である。雌型コネクタには、必要に応じてショーティングクリップ(不図示)が取付けられる。このショーティングクリップは、シリンダ型ガス発生器1Aの搬送時等において静電放電等によってシリンダ型ガス発生器1Aが誤動作することを防止するために取付けられるものであり、エアバッグ装置への組付け段階においてハーネスの雄型コネクタが雌型コネクタに挿し込まれることによってその端子ピン32への接触が解除されるものである。
次に、以上において説明したシリンダ型ガス発生器1Aの作動時における動作について説明する。本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれたエアバッグ装置が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器30が作動する。点火器30が作動すると、点火薬の燃焼によって点火部31内の圧力が上昇し、これによって点火部31が破裂し、火炎が点火部31の外部へと流出する。伝火薬収容部材37内に収容された伝火薬36は、点火器30が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬36の燃焼により、伝火薬収容部材37内の圧力が上昇し、これによって伝火薬収納部材37が破裂し、上述の熱粒子がガス発生剤52へと至る。
流れ込んだ熱粒子により、ガス発生剤52は着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。このガス発生剤52の燃焼により、燃焼室17内の圧力が上昇し、これによって発生したガスがフィルタ室18へと流れ込む。そして、流れ込んだガスは、フィルタ53を経由して所定の温度にまで冷却される。冷却された多量のガスは、カップ状部材40内の圧力を上昇させて、ガス噴出口11の近くでカップ状部材40を破裂させて、ガス噴出口11からシリンダ型ガス発生器1Aの外部へと噴出される。ガス噴出口11から噴出されたガスは、エアバッグの内部に導かれてエアバッグを膨張・展開させる。
図2は、本発明の実施の形態におけるガス発生時の作動状況を示す図である。次に、この図2を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aのガス発生時の作動状況について、より詳細に説明する。
図2(a)は作動直後の火炎の向きを図示している。点火器30で発生した火炎は伝火薬36に移動する。伝火薬36が燃焼して増幅した火炎は、フィルタ室18を通過し、第1ガス発生剤層へ移動する。
図2(b)は第1ガス発生剤層に火炎が到達した際の火炎の向きおよび発生ガスの流れる向きを図示している。第1ガス発生剤層54に火炎が到達すると、図中矢印F1の向きに示すように、第1ガス発生剤層54は到達した端面から燃焼を開始する。ここで発生したガスは、図中矢印F2の向きに示すように、フィルタ53へ移動し、カップ状部材40を破裂させて、ガス噴出口11からシリンダ型ガス発生器1Aの外部へと噴出される。ここでフィルタ53が第1ガス発生剤層54と近接する場合、第1ガス発生剤層54で発生したガスが未燃焼のガス発生剤に阻害されることなく、フィルタ53、ガス噴出口11およびガス発生器1Aの外部に到達する。
図2(c)は第2ガス発生剤層に火炎が到達した際の火炎の向きおよび発生ガスの流れる向きを図示している。第2ガス発生剤層55に火炎が到達すると、図中矢印F1の向きに示すように、第1ガス発生剤層より線燃焼速度が遅いため、急激に燃焼が完了することはなく、作動後半は緩やかに燃焼が進行する。緩やかに燃焼が進行することで、図中矢印F2の向きに示すように、作動後半においてもガスが緩やかに発生する。
以上において説明した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aとすることにより、第1ガス発生剤層54の燃焼により、ガス発生器外部へガスを放出するまでの時間を短くし、第2ガス発生剤層55の燃焼により、ガス発生器の作動後半にもガスが緩やかに発生することとなる。したがって、製作が容易でかつ安価に製作が可能な高信頼性の小径シリンダ型ガス発生器とすることができる。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A シリンダ型ガス発生器、10 ハウジング、11 ガス噴出口、12 閉塞部材、13
環状溝部、14 仕切り部材、17 燃焼室、18 フィルタ室、20 ホルダ、21
中空開口部、22 外周面、23 環状溝部、26 かしめ部、30点火器、31 点火部、32 端子ピン、36 伝火薬、40 カップ状部材、41
カップ部、42シール部、51 クッション材、52 ガス発生剤、53 フィルタ、54第1ガス発生剤層、55 第2ガス発生剤層、F1 火炎の向き、F2 発生ガスの向き

Claims (3)

  1. ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室およびフィルタが収容されたフィルタ室を内部に含む、軸方向の両端が閉塞されてなる長尺筒状のハウジングと、
    前記ハウジングの軸方向の一端部に組付けられ、作動することで前記ガス発生剤を燃焼させるための火炎を発生する点火器と、
    前記点火器に面するように配置されている伝火薬が収容されている伝火薬収容部材と、
    前記ハウジングの内部に位置し、前記ハウジングの内部の空間を軸方向に前記ガス発生剤収容室と前記フィルタ室とに仕切る仕切り部と、
    前記ハウジングは、前記フィルタ室を規定する部分にガスを噴出するためのガス噴出口を備えており、
    前記ハウジングは前記ガス発生剤収容室及び前記フィルタ室の2室構造を有し、
    前記ガス発生剤収容室においては、単一のガス発生剤が充填されているガス発生剤充填層がハウジングの軸方向に複数層積層されており、少なくともハウジングの点火器側端部には第1ガス発生剤充填層が、ハウジングの閉塞側端部には第2ガス発生剤充填層がそれぞれ設けられ、
    前記点火器が組み付けられた一端部から順に、前記点火器、前記伝火薬収容部材、前記第1ガス発生剤充填層、前記第2ガス発生剤充填層がハウジングの軸方向に直列に配置され、
    前記第1ガス発生剤充填層及び前記第2ガス発生剤充填層が両充填層間に壁が存在していない単一の前記ガス発生剤収容室に収容され、
    前記第1ガス発生剤充填層を占めているガス発生剤と、前記第2ガス発生剤充填層を占めているガス発生剤とは燃焼速度が異なっていて、前記第1ガス発生剤層に充填されたガス発生剤の線燃焼速度が、前記第2ガス発生剤充填層に充填されたガス発生剤の線燃焼速度よりも速い、
    ガス発生器。
  2. 前記点火器は、前記ハウジングの内部の空間に面するように前記ハウジングの軸方向の一端部に配置され、前記フィルタは前記ハウジングの内部の空間のうち、前記ハウジングの軸方向の他端部寄りの位置に配置され、
    前記ガス発生剤収容室は、前記フィルタが配置された位置よりも前記ハウジングの前記一端寄りの位置に配置されている、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記複数のガス発生剤層について、前記第1ガス発生剤層に充填されたガス発生剤と、前記第2ガス発生剤充填層に充填されたガス発生剤の粒径が異なる、請求項1又は2のいずれかに記載のガス発生器。

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