JP6197741B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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本発明は、第1グランドを基準として動作する電力変換回路と、電力変換回路を制御する制御回路とを備えた電力変換装置に関する。
従来、第1グランドを基準として動作する電力変換回路と、電力変換回路を制御する制御回路とを備えた電力変換装置として、例えば以下に示す特許文献1に開示されている電力変換システムがある。
この電力変換システムは、コンバータ回路と、分圧回路と、差動増幅回路と、マイクロコンピュータと、インタフェース回路とを備えている。
コンバータ回路は、高圧系グランドを基準として動作し、高電圧バッテリの電圧を昇圧して出力する回路である。コンバータ回路は、高圧系グランドと絶縁された低圧系グランドを基準として動作するマイクロコンピュータによって制御される。
分圧回路は、コンバータ回路の入力端及び出力端に接続され、コンバータ回路の入出力電圧を絶縁して分圧する回路である。分圧回路は、高抵抗体と、低抵抗体とを備えている。高抵抗体は、抵抗値が数MΩ〜数十MΩの抵抗である。高抵抗体は、複数の抵抗を直列接続して構成されている。一方、低抵抗体は、抵抗値が数kΩ〜数百kΩの抵抗である。分圧回路に数MΩの高抵抗体を用いることで、絶縁を確実に保つことができる。しかも、複数の抵抗を直列接続して高抵抗体を構成することで、絶縁距離を長くすることができ、絶縁をより確実に保つことができる。
差動増幅回路は、分圧回路に接続され、分圧回路から入力される電圧を差動増幅する回路である。マイクロコンピュータは、差動増幅回路に接続され、低圧系グランドを基準として動作し、差動増幅回路から入力されるコンバータ回路の入出力電圧に関する情報に基づいて、ソフトウェアによってコンバータ回路を制御するための制御信号を生成し出力する。インタフェース回路は、マイクロコンピュータ及びコンバータ回路に接続され、マイクロコンピュータから入力される制御信号をコンバータ回路に絶縁して出力する。コンバータ回路は、インタフェース回路から入力される制御信号に基づいて動作し、高電圧バッテリの電圧を昇圧して出力する。
ここで、コンバータ回路及びマイクロコンピュータが電力変換回路及び制御回路に、高圧系グランドが第1グランドに相当する。
特開2013−038894号公報
前述した電力変換システムでは、コンバータ回路の入出力電圧に関する情報を、分圧回路及び差動増幅回路によって絶縁してマイクロコンピュータに伝達する。そして、コンバータ回路の入出力電圧に関する情報に基づいて生成した制御信号を、インタフェース回路によって絶縁してコンバータ回路に伝達する。分圧回路及び差動増幅回路を介することで、コンバータ回路の入出力電圧に関する情報の伝達に遅れが発生してしまう。また、インタフェース回路を介することで、制御信号の伝達に遅れが発生してしまう。そのため、電力変換システムの制御を高速化することが困難であった。差動増幅回路を介することで、オフセット誤差によってコンバータ回路の入出力電圧に関する情報の精度が低下してしまう。また、差動増幅回路を構成する複数の部品を介することで、それらの部品に伴う誤差が蓄積され、コンバータ回路の入出力電圧に関する情報の精度が低下してしまう。そのため、電力変換システムの制御を高精度化することが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、絶縁に伴う情報や制御信号の伝達遅れを抑え、制御を高速化するとともに、構成を簡素化して誤差の発生箇所を抑え、制御を高精度化することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、第1グランドを基準として動作し、入力される電力を変換して出力する電力変換回路と、電力変換回路から入力される電力変換回路の動作状態に関する情報と外部から入力される情報に基づいて電力変換回路を制御するための制御信号を生成する制御回路と、を備えた電力変換装置において、制御回路は、第1グランドと絶縁された第2グランドを基準として動作し、外部から入力される情報に基づいて電力変換回路に対する指令を生成する指令生成回路と、指令生成回路に接続され、指令生成回路から入力される指令を絶縁して出力する第1絶縁回路と、電力変換回路及び第1絶縁回路に接続され、第1グランドを基準として動作し、電力変換回路から入力される電力変換回路の動作状態に関する情報と第1絶縁回路から入力される指令に基づいて制御信号を生成する制御信号生成回路と、を有し、制御信号生成回路は、電力変換回路の動作状態に関する情報を出力し、制御回路は、制御信号生成回路に接続され、制御信号生成回路から入力される電力変換回路の動作状態に関する情報を絶縁して出力する第2絶縁回路を有し、指令生成回路は、第2絶縁回路に接続され、第2絶縁回路から入力される電力変換回路の動作状態に関する情報に基づいて電力変換装置の電力供給対象の異常の有無を判定することを特徴とする。
この構成によれば、電力変換回路の動作状態に関する情報に基づいて制御信号を生成する制御信号生成回路は、電力変換回路と同じく第1グランドを基準として動作する。そのため、電力変換回路の動作状態に関する情報を絶縁することなく制御信号生成回路に入力することができる。また、制御信号生成回路で生成した制御信号を絶縁することなく電力変換回路に入力することができる。従って、従来に比べ、絶縁に伴う伝達遅れを抑えることができる。これにより、制御を高速化することができる。また、構成が簡素化され誤差の発生箇所が抑えられる。これにより、制御を高精度化することができる。
第1参考形態における電力変換装置の回路図である。 第2参考形態における電力変換装置の回路図である。 実施形態における電力変換装置の回路図である。
次に、形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本形態では、本発明に係る電力変換装置を、車両に搭載された高電圧バッテリから供給される電力を変換して出力する電力変換装置に適用した例を示す。
第1参考形態
まず、図1を参照して第1参考形態の電力変換装置の構成について説明する。
図1に示す電力変換装置1は、ハイブリッド車両に搭載され、高電圧バッテリB10から供給される直流電力を、さらに高電圧の直流電力に変換してインバータ回路(図略)に供給する装置である。ここで、インバータ回路は、車両に搭載され、車両を駆動するための駆動用モータに電力を供給する回路である。電力変換装置1は、コンバータ回路10(電力変換回路)と、制御回路11とを備えている。
コンバータ回路10は、高圧系グランドG1(第1グランド)を基準として動作し、高電圧バッテリB10から供給される直流電力を、さらに高電圧の直流電力に変換してインバータ回路に供給する回路である。コンバータ回路10は、コンデンサ100と、リアクトル101と、IGBT102(第1スイッチング素子)と、IGBT103(第2スイッチング素子)と、コンデンサ104と、駆動回路105(第1駆動回路)と、駆動回路106(第2駆動回路)とを備えている。
コンデンサ100は、高電圧バッテリB10から供給される直流を平滑化する素子である。コンデンサ100の一端は高電圧バッテリB10の正極端に、他端は高電圧バッテリB10の負極端に接続されるとともに、高圧系グランドG1に接続されている。
リアクトル101は、エネルギーを蓄積、又は、蓄積したエネルギーを放出する素子である。リアクトル101の一端はコンデンサ100の一端に、他端はIGBT102、103に接続されている。
IGBT102、103は、スイッチングすることで、リアクトル101にエネルギーを蓄積、又は、蓄積したエネルギーをリアクトル101から放出させるための素子である。IGBT102、103は、直列接続されている。具体的には、IGBT102のエミッタが、IGBT103のコレクタに接続されている。IGBT102、103の直列接続点は、リアクトル101の他端に接続されている。IGBT102のコレクタは、コンバータ回路10の一方の出力端を形成している。IGBT103のエミッタは、コンデンサ100の他端、つまり高圧系グランドG1に接続されるとともに、コンバータ回路10の他方の出力端を形成している。
コンデンサ104は、出力端から出力される直流を平滑化する素子である。コンデンサ104の一端はIGBT102のコレクタに、他端はIGBT103のエミッタに接続されている。
駆動回路105は、制御回路11から入力される制御信号に基づいて制御回路11から供給される電圧を印加することで、IGBT102を駆動する回路である。具体的には、制御回路11から電圧を供給され、制御信号に基づいてIGBT102のエミッタを基準としたゲートの電圧を制御してIGBT102を駆動する。駆動回路105は、レベルシフト回路105aを備えている。レベルシフト回路105aは、制御信号を、IGBT102、103の直列接続点の電位、つまりIGBT102のエミッタの電位を基準とした高電圧の信号に変換する回路である。駆動回路105の入力端、正極端及び負極端は制御回路11に、出力端はIGBT102のゲートに接続されている。
駆動回路106は、制御回路11から入力される制御信号に基づいて制御回路11から供給される電圧を印加することで、IGBT103を駆動する回路である。具体的には、制御回路11から電圧を供給され、制御信号に基づいてIGBT103のエミッタを基準としたゲートの電圧を制御してIGBT103を駆動する。駆動回路106は、駆動回路105と異なりレベルシフト回路を備えていない。駆動回路106の入力端、正極端及び負極端は制御回路11に、出力端はIGBT103のゲートに接続されている。
制御回路11は、外部から入力される情報、コンバータ回路10から入力されるコンバータ回路10の動作状態に関する情報に基づいてコンバータ回路10を制御するための制御信号を生成し出力する回路である。具体的には、外部から入力されるアクセル開度や車速等の情報、コンバータ回路10の入出力電圧及びリアクトル101に流れる電流に関する情報に基づいて制御信号を生成し出力する。制御回路11は、分圧回路110、111と、電流センサ112と、マイクロコンピュータ113(指令生成回路)と、絶縁回路114(第1絶縁回路)と、制御信号生成回路115と、駆動用電源回路116とを備えている。
分圧回路110は、コンバータ回路10の入力電圧を分圧して出力する回路である。分圧回路110は、数百kΩの抵抗110aと、数kΩの抵抗110bとを備えている。分圧回路110によって分圧された電圧は、高圧系グランドG1を基準として動作する制御信号生成回路115に入力される。高圧系グランドG1と絶縁された低圧系グランドG2(第2グランド)を基準として動作する回路に入力されるわけではない。そのため、従来のように、分圧回路110に、数MΩの高抵抗体を用いて絶縁する必要はない。抵抗110a、110bは直列接続されている。抵抗110aの一端はコンデンサ100の一端に、抵抗110bの一端はコンデンサ100の他端、つまり高圧系グランドG1に接続されている。また、抵抗110a、110bの直列接続点は、制御信号生成回路115に接続されている。
分圧回路111は、コンバータ回路10の出力電圧を分圧して出力する回路である。分圧回路111は、数百kΩの抵抗111aと、数kΩの抵抗111bとを備えている。分圧回路111によって分圧された電圧は、高圧系グランドG1を基準として動作する制御信号生成回路115に入力される。低圧系グランドG2を基準として動作する回路に入力されるわけではない。そのため、従来のように、分圧回路111に、数MΩの高抵抗体を用いて絶縁する必要はない。抵抗111a、111bは直列接続されている。抵抗111aの一端はコンデンサ104の一端に、抵抗111bの一端はコンデンサ104の他端、つまり高圧系グランドG1に接続されている。また、抵抗111a、111bの直列接続点は、制御信号生成回路115に接続されている。
電流センサ112は、リアクトル101に流れる電流を検出し、電圧に変換して出力するクランプ型の素子である。電流センサ112は、リアクトル101の他端とIGBT102、103を接続する配線にクランプされ、制御信号生成回路115に接続されている。
マイクロコンピュータ113は、低圧系グランドG2を基準として動作し、外部から入力される情報に基づいて指令を生成して出力する素子である。具体的には、外部から入力されるアクセル開度や車速等の情報に基づいて、コンバータ回路10の出力電圧を指示する出力電圧指令を生成して出力する。マイクロコンピュータ113は、電力変換装置1の電力供給対象であるインバータ回路を制御するためのマイクロコンピュータを兼用して構成されている。マイクロコンピュータ113の出力端は、絶縁回路114に接続されている。
絶縁回路114は、マイクロコンピュータ113から入力される出力電圧指令を制御信号生成回路115に絶縁して出力する回路である。具体的には、フォトカプラ等の絶縁素子である。絶縁回路114の入力端はマイクロコンピュータ113の出力端に、出力端は制御信号生成回路115に接続されている。
制御信号生成回路115は、高圧系グランドG1を基準として動作し、分圧回路110、111及び電流センサ112を介してコンバータ回路10から入力されるコンバータ回路10の動作状態に関する情報と、絶縁回路114から入力される出力電圧指令に基づいて制御信号を生成し出力する回路である。具体的には、コンバータ回路10の入出力電圧及びリアクトル101に流れる電流に関する情報と出力電圧指令に基づいて制御信号を生成し出力する。高圧系グランドG1を基準して動作するため、制御信号は、高圧系グランドG1を基準した信号となる。制御信号生成回路115は、ハードウェアで構成されている。そのため、ソフトウェアで処理する場合に比べ、高速に制御処理をすることができる。制御信号生成回路115の情報入力端は、抵抗110a、110bの直列接続点、抵抗111a、111bの直列接続点及び電流センサ112の出力端に接続されている。また、指令入力端は、絶縁回路114の出力端に接続されている。さらに、制御信号出力端は、駆動回路105、106の制御信号入力端に接続されている。
駆動用電源回路116は、負極端が低圧系グランドG2に接続され低圧系グランドG2を基準とする回路作動用電源B11から供給される電圧を、IGBT102、103を駆動する際に必要とされる、低圧系グランドG2と絶縁された電圧に変換して供給する回路である。駆動用電源回路116は、スイッチング素子116aと、トランス116bと、ダイオード116c、116dと、コンデンサ116e、116fとを備えている。
スイッチング素子116aは、スイッチングすることで、回路作動用電源B11から供給される直流を交流に変換する素子である。スイッチング素子116aの一端はトランス116bに、他端は低圧系グランドG2に接続されている。
トランス116bは、供給される交流を絶縁した状態で所定電圧の交流に変換して出力する素子である。トランス116bは、1次巻線116gと、2次巻線116h、116iとを備えている。1次巻線116gの一端は回路作動用電源B11の正極端に、他端はスイッチング素子116aの一端に接続されている。
ダイオード116c、116dは、2次巻線116h、116iから供給される交流を整流して直流に変換する素子である。ダイオード116c、116dのアノードは2次巻線116h、116iの一端に、カソードは駆動回路105、106の正極端に接続されている。
コンデンサ116e、116fは、ダイオード116c、116dを介して供給される直流を平滑化する素子である。コンデンサ116eの一端はダイオード116cのカソードに、他端は2次巻線116hの他端と駆動回路105の負極端に接続されている。コンデンサ116fの一端はダイオード116dのカソードに、他端は2次巻線116iの他端と駆動回路105の負極端に接続されるとともに、高圧系グランドG1に接続されている。
次に、図1を参照して第1参考形態の電力変換装置の動作について説明する。なお、コンバータ回路10の入出力電圧及びリアクトル101に流れる電流に関する情報に基づいてコンバータ回路10を制御することは一般的であり、本発明の内容と直接的な関係がないため、詳細な説明は省略する。
図1に示す分圧回路110、111は、高圧系グランドG1を基準として動作するコンバータ回路10の入出力電圧を分圧して出力する。電流センサ112は、リアクトル101に流れる電流を検出し、電圧に変換して出力する。
マイクロコンピュータ113は、低圧系グランドG2を基準として動作し、外部から入力される情報に基づいて出力電圧指令を生成して出力する。そして、絶縁回路114は、マイクロコンピュータ113から入力される出力電圧指令を制御信号生成回路115に絶縁して出力する。
制御信号生成回路115は、高圧系グランドG1を基準として動作し、コンバータ回路10の入出力電圧及びリアクトル101に流れる電流に関する情報と出力電圧指令に基づいて、ハードウェアによって制御信号を生成し出力する。
スイッチング素子116aは、スイッチングすることで回路作動用電源B11から供給される直流を交流に変換する。そして、トランス116bは、1次巻線116gに供給される交流を絶縁した状態で所定電圧の交流に変換して2次巻線116h、116iから出力する。ダイオード116c、116dは、2次巻線116h、116iから供給される交流を整流して直流に変換する。そして、コンデンサ116e、116fは、ダイオード116c、116dを介して供給される直流を平滑化する。これにより、IGBT102、103を駆動する際に必要とされる電圧が駆動用電源回路116から駆動回路105、106に供給される。
駆動回路105、106は、駆動用電源回路116から電圧を供給され、制御信号生成回路115から入力される制御信号に基づいてIGBT102、103のエミッタを基準としたゲートの電圧を制御してIGBT102、103を駆動する。これにより、高電圧バッテリB10から供給される直流が、さらに高電圧の直流に変換されインバータ回路に供給される。
次に、第1参考形態の電力変換装置の効果について説明する。
第1参考形態によれば、制御回路11は、マイクロコンピュータ113と、絶縁回路114と、制御信号生成回路115とを備えている。コンバータ回路10の動作状態に関する情報に基づいて制御信号を生成する制御信号生成回路115は、コンバータ回路10と同じく高圧系グランドG1を基準として動作する。そのため、コンバータ回路10の動作状態に関する情報を絶縁することなく制御信号生成回路115に入力することができる。また、制御信号生成回路115で生成した制御信号を絶縁することなくコンバータ回路10に入力することができる。従って、従来に比べ、絶縁に伴う伝達遅れを抑えることができる。これにより、制御を高速化することができる。また、構成が簡素化され誤差の発生箇所が抑えられる。これにより、制御を高精度化することができる。
第1参考形態によれば、制御信号生成回路115は、ハードウェアで構成されている。そして、コンバータ回路10の入出力電圧及びリアクトル101に流れる電流に関する情報と出力電圧指令に基づいて、ハードウェアによって制御信号を生成し出力する。そのため、従来のように、マイクロコンピュータがソフトウェアによって制御信号を生成する場合に比べ、制御をより高速化することができる。
第1参考形態によれば、コンバータ回路10は、直列接続されたIGBT102、103と、制御信号生成回路115から入力される制御信号に基づいてIGBT102、103を駆動する駆動回路105、106とを有している。IGBT103のエミッタは、高圧系グランドG1に接続されている。駆動回路106は、制御信号に基づいてIGBT103のエミッタに対するゲートの電圧を制御してIGBT103を駆動する。つまり、高圧系グランドG1に対するゲートの電圧を制御してIGBT103を駆動する。制御信号生成回路115が高圧系グランドG1を基準して動作するため、制御信号は、高圧系グランドG1を基準した信号となる。そのため、基準電位が共通しており、制御信号を、絶縁することなく駆動回路106に直接入力することができる。従って、絶縁回路を減らすことができる。これにより、絶縁に伴う伝達遅れを抑え、制御をより高速化することができる。また、部品点数を抑え、コストを削減することができる。
第1参考形態によれば、駆動回路105は、制御信号に基づいてIGBT102のエミッタに対するゲートの電圧を制御してIGBT102を駆動する。しかし、IGBT102のエミッタの電位は、IGBT102、103のスイッチング状態によって変化する。制御信号生成回路115が高圧系グランドG1を基準して動作するため、制御信号は、高圧系グランドG1を基準した信号となる。従って、基準電位が共通しておらず、一般的に、制御信号を絶縁して駆動回路105に入力する。しかし、駆動回路105は、制御信号を、IGBT102とIGBT103の直列接続点の電位、つまりIGBT102のエミッタの電位を基準とした高電圧の信号に変換するレベルシフト回路105aを有している。そのため、制御信号を絶縁することなく駆動回路105に直接入力することができる。従って、絶縁回路を減らすことができる。これにより、絶縁に伴う伝達遅れを抑え、制御をより高速化することができる。また、部品点数を抑え、コストをより削減することができる。
第1参考形態によれば、マイクロコンピュータ113が出力する指令は、コンバータ回路10の出力電圧を指示する出力電圧指令である。そのため、コンバータ回路10の出力電圧が出力電圧指令によって指示された電圧になるように、電力変換装置1を制御することができる。
第1参考形態によれば、マイクロコンピュータ113は、電力変換装置1の電力供給対象であるインバータ回路を制御するためのマイクロコンピュータを兼用して構成されている。そのため、電力変換装置1及びその電力供給対象を含めたシステムの構成を簡素化し、コストを抑えることができる。
第1参考形態によれば、制御信号を生成する際に用いられるコンバータ回路10の動作状態に関する情報は、コンバータ回路10の入出力電圧及びリアクトル101に流れる電流に関する情報である。そのため、コンバータ回路10の出力電圧が出力電圧指令によって指示された電圧になるように、電力変換装置1を確実に制御することができる。
第1参考形態によれば、コンバータ回路10は、車両に搭載されたインバータ回路に電力を供給する回路である。インバータ回路は、車両を駆動するための駆動用モータに電力を供給する回路である。このように、電力変換装置1の電力供給対象が車両の駆動用モータに電力を供給するインバータ回路である場合、車両の加減速等によってコンバータ回路10の入出力電圧が急激に変化する。そのため、コンバータ回路を高速に制御しなければならない。しかし、前述したように、電力変換装置1は、絶縁に伴う情報や制御信号の伝達遅れを抑え、制御を高速化することができる。そのため、車両の加減速等に影響されることなく、インバータ回路に安定して電力を供給することができる。従って、車両性能の低下を抑えることができる。
第2参考形態
次に、第2参考形態の電力変換装置について説明する。第2参考形態の電力変換装置は、第1参考形態の電力変換装置に対して、駆動用電源回路の構成を変更したものである。
まず、図2を参照して第2参考形態の電力変換装置の構成について説明する。
図2に示すように、電力変換装置2は、ハイブリッド車両に搭載され、高電圧バッテリB20から供給される直流電力を、さらに高電圧の直流電力に変換してインバータ回路に供給する装置である。電力変換装置2は、コンバータ回路20(電力変換回路)と、制御回路21とを備えている。
コンバータ回路20は、コンデンサ200と、リアクトル201と、IGBT202(第1スイッチング素子)と、IGBT203(第2スイッチング素子)と、コンデンサ204と駆動回路205(第1駆動回路)と、駆動回路206(第2駆動回路)とを備えている。コンデンサ200、リアクトル201、IGBT202、203、コンデンサ204及び駆動回路205、206は、第1参考形態のコンデンサ100、リアクトル101、IGBT102、103、コンデンサ104及び駆動回路105、106と同一のものであり、同一構成である。
制御回路21は、分圧回路210、211と、電流センサ212と、マイクロコンピュータ213(指令生成回路)と、絶縁回路214(第1絶縁回路)と、制御信号生成回路215と、駆動用電源回路216とを備えている。
分圧回路210、211は、抵抗210a、210b、211a、211bを備えている。抵抗210a、210b、211a、211bは、第1参考形態の抵抗110a、110b、111a、111bと同一のものであり、同一構成である。
電流センサ212、マイクロコンピュータ213、絶縁回路214及び制御信号生成回路215も、第1参考形態の電流センサ112、マイクロコンピュータ113、絶縁回路114及び制御信号生成回路115と同一のものであり、同一構成である。
駆動用電源回路216は、高電圧バッテリB20から供給される電圧を、IGBT202、203を駆動する際に必要とされる電圧に変換して供給する回路である。駆動用電源回路216は、スイッチング素子216jと、リアクトル216kと、コンデンサ216lと、ダイオード216m、216nと、コンデンサ216oとを備えている。
スイッチング素子216j、リアクトル216k、コンデンサ216l及びダイオード216mは、降圧コンバータ回路を構成するための素子である。スイッチング素子216jの一端は高電圧バッテリB20の正極端に接続されている。リアクトル216kの一端はスイッチング素子216jの他端に接続されている。コンデンサ216lの一端はリアクトル216kの他端に、他端は高圧系グランドG1に接続されている。ダイオード216mのアノードはコンデンサ216lの他端に、カソードはリアクトル216kの一端に接続されている。また、コンデンサ216lの一端は駆動回路206の正極端に、他端は駆動回路206の負極端とIGBT203のエミッタに接続されている。
ダイオード216n及びコンデンサ216oは、ブートストラップ回路を構成するための素子である。ダイオード216nのアノードはコンデンサ216lの一端に接続されている。コンデンサ216oの一端はダイオード216nのカソードと駆動回路205の正極端に、他端は駆動回路205の負極端とIGBT202のエミッタに接続されている。
次に、図2を参照して第2参考形態の電力変換装置の動作について説明する。ここでは、第1参考形態の電力変換装置との相違点である、駆動用電源回路の動作についてのみ説明する。
図2に示す降圧コンバータ回路を構成するスイッチング素子216jがスイッチングすることで、高電圧バッテリB20の電圧が降圧され、コンデンサ216lから出力される。IGBT203を駆動する際に必要とされる電圧として、コンデンサ216lから出力される電圧が駆動回路206に供給される。一方、IGBT203がオン状態になると、コンデンサ216lからブートストラップ回路を構成するダイオード216nを介してコンデンサ216oに電流が流れ、コンデンサ216oが充電される。IGBT202を駆動する際に必要とされる電圧として、コンデンサ216oから出力される電圧が供給される。
次に、第2参考形態の電力変換装置の効果について説明する。
第2参考形態によれば、第1参考形態と同様の効果を得ることができる。
実施形態
次に、実施形態の電力変換装置について説明する。実施形態の電力変換装置は、第1参考形態の電力変換装置に対して、コンバータ回路の動作状態に関する情報をマイクロコンピュータに伝え、その情報に基づいて異常の判定等するようにしたものである。
まず、図3を参照して実施形態の電力変換装置の構成について説明する。
図3に示すように、電力変換装置3は、ハイブリッド車両に搭載され、高電圧バッテリB30から供給される直流電力を、さらに高電圧の直流電力に変換してインバータ回路に供給する装置である。電力変換装置3は、コンバータ回路30(電力変換回路)と、制御回路31とを備えている。
コンバータ回路30は、コンデンサ300と、リアクトル301と、IGBT302(第1スイッチング素子)と、IGBT303(第2スイッチング素子)と、コンデンサ304と、駆動回路305(第1駆動回路)と、駆動回路306(第2駆動回路)とを備えている。コンデンサ300、リアクトル301、IGBT302、303、コンデンサ304及び駆動回路305、306は、第1参考形態のコンデンサ100、リアクトル101、IGBT102、103、コンデンサ104及び駆動回路105、106と同一のものであり、同一構成である。
制御回路31は、分圧回路310、311と、電流センサ312と、マイクロコンピュータ313(指令生成回路)と、絶縁回路314(第1絶縁回路)と、制御信号生成回路315と、駆動用電源回路316とを備えている。さらに、絶縁回路317(第2絶縁回路)を備えている。
分圧回路310、311は、抵抗310a、310b、311a、311bを備えている。抵抗310a、310b、311a、311bは、第1参考形態の抵抗110a、110b、111a、111bと同一のものであり、同一構成である。
電流センサ312は、第1参考形態の電流センサ112と同一のものであり、同一構成である。
マイクロコンピュータ313は、第1参考形態のマイクロコンピュータ113と同一の機能を有する素子である。また、絶縁回路317を介して制御信号生成回路315から入力されるコンバータ回路30の動作状態に関する情報に基づいて、コンバータ回路30の異常の有無を判定、及び、電力変換装置3の電力供給対象であるインバータ回路の異常の有無等を判定する素子でもある。具体的には、コンバータ回路30の入出力電圧及びリアクトル301に流れる電流に関する情報に基づいて、コンバータ回路30の異常の有無、及び、インバータ回路の異常の有無等を判定する。そして、異常があると判定した場合には、出力電圧指令を停止する。また、必要に応じて出力電圧指令を調整する。
絶縁回路314は、第1参考形態の絶縁回路114と同一のものであり、同一構成である。
制御信号生成回路315は、第1参考形態の制御信号生成回路115と同一の機能を有する回路である。また、分圧回路310、311及び電流センサ312を介してコンバータ回路30から入力されるコンバータ回路30の動作状態に関する情報を出力する回路でもある。具体的には、コンバータ回路30の入出力電圧及びリアクトル301に流れる電流に関する情報を出力する。制御信号生成回路315は、ハードウェアで構成されている。そのため、ソフトウェアで処理する場合に比べ、高速に制御処理をすることができる。制御信号生成回路315の情報入力端は、抵抗310a、310bの直列接続点、抵抗311a、311bの直列接続点及び電流センサ312の出力端接続されている。指令入力端は、絶縁回路314の出力端に接続されている。制御信号出力端は、駆動回路305、306の制御信号入力端に接続されている。情報出力端は絶縁回路317に接続されている。
駆動用電源回路316は、負極端が低圧系グランドG2に接続され低圧系グランドG2を基準とする回路作動用電源B31から供給される電圧を、IGBT302、303を駆動する際に必要とされる、低圧系グランドG2と絶縁された電圧に変換して供給する回路である。駆動用電源回路316は、スイッチング素子316aと、トランス316bと、ダイオード316c、316dと、コンデンサ316e、316fとを備えている。トランス316bは、1次巻線316gと、2次巻線316h、316iとを備えている。スイッチング素子316a、トランス316b、ダイオード316c、316d、コンデンサ316e、316f、1次巻線316g及び2次巻線316h、316iは、第1参考形態のスイッチング素子116a、トランス116b、ダイオード116c、116d、コンデンサ116e、116f、1次巻線116g及び2次巻線116h、116iと同一のものであり、同一構成である。
絶縁回路317は、制御信号生成回路315から入力されるコンバータ回路30の入出力電圧及びリアクトル301に流れる電流に関する情報をマイクロコンピュータ313に絶縁して出力する回路である。具体的には、フォトカプラ等の絶縁素子である。絶縁回路317の入力端は制御信号生成回路315の情報出力端に、出力端はマイクロコンピュータ313の入力端に接続されている。
次に、図3を参照して実施形態の電力変換装置の動作について説明する。ここでは、第1参考形態の電力変換装置との相違点である、コンバータ回路の動作状態に関する情報をマイクロコンピュータに伝え、その情報に基づいて異常の判定等を行う動作についてのみ説明する。
図3に示す制御信号生成回路315は、分圧回路310、311及び電流センサ312を介してコンバータ回路30から入力されるコンバータ回路30の入出電圧及びリアクトル301に流れる電流に関する情報を出力する。そして、絶縁回路317は、制御信号生成回路315から入力されるコンバータ回路30の入出力電圧及びリアクトル301に流れる電流に関する情報をマイクロコンピュータ313に絶縁して出力する。
マイクロコンピュータ313は、絶縁回路317を介して制御信号生成回路315から入力されるコンバータ回路30の入出力電圧及びリアクトル301に流れる電流に関する情報に基づいてコンバータ回路30の異常の有無を判定する。そして、異常があると判定した場合には、出力電圧指令を停止する。また、インバータ回路の動作を制限又は停止する場合には、出力電圧指令を調整する。さらに、インバータの動作に過負荷等の異常が発生した場合にも、リアクトル301に流れる電流に関する情報に基づいてインバータ回路の動作を制限又は停止するために、出力電圧指令を調整する。これにより、異常等がある場合には、コンバータ回路30の動作が停止等することになる。
次に、実施形態の電力変換装置の効果について説明する。
実施形態によれば、第1参考形態と同様の効果を得ることができる。
実施形態によれば、制御回路31は、マイクロコンピュータ313と、制御信号生成回路315と、絶縁回路317とを備えている。制御信号生成回路315は、コンバータ回路30の動作状態に関する情報を出力する。そして、絶縁回路317は、制御信号生成回路315から入力されるコンバータ回路30の動作状態に関する情報をマイクロコンピュータ313に絶縁して出力する。マイクロコンピュータ313は、絶縁回路317を介して制御信号生成回路315から入力されるコンバータ回路30の動作状態に関する情報に基づいてコンバータ回路30の異常の有無を判定する。そのため、コンバータ回路30が異常であると判定した場合、出力電圧指令を停止して動作を停止させ、コンバータ回路30を保護することができる。また、インバータ回路の動作を制限又は停止する場合には、出力電圧指令を調整する。そのため、インバータ回路を保護することができる。さらに、インバータ回路で過負荷等の異常が発生した場合にも、リアクトル301に流れる電流に関する情報に基づいてインバータ回路の動作を制限又は停止するために、出力電圧指令を調整する。そのため、リアクトル301の破壊等を抑えることができる。
なお、第1、第2参考形態、実施形態では、制御信号を生成する際に用いられるコンバータ回路の動作状態に関する情報が、コンバータ回路の入出力電圧及びリアクトルに流れる電流に関する情報である例を挙げているが、これに限られるものではない。コンバータ回路の動作状態に関する情報は、少なくともコンバータ回路の入出力電圧に関する情報であればよい。
また、第1、第2参考形態、実施形態では、高電位側のIGBTを駆動する駆動回路がレベルシフト回路を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。レベルシフト回路を備えていない場合、フォトカプラ等の絶縁回路を介して駆動回路に制御信号を入力するようにすればよい。この場合、レベルシフト回路を備えている場合に比べ、高電位側のIGBTの駆動に多少時間を要することになる。しかし、コンバータ回路の応答性に影響を与えるのは低電位側のIGBTの駆動である。そのため、絶縁回路を介して駆動回路に制御信号を入力し、高電位側のIGBTを駆動しても、コンバータ回路の応答性は維持される。
1・・・電力変換装置、10・・・コンバータ回路(電力変換回路)、11・・・制御回路、113・・・マイクロコンピュータ(指令生成回路)、114・・・絶縁回路(第1絶縁回路)、115・・・制御信号生成回路、

Claims (8)

  1. 第1グランドを基準として動作し、入力される電力を変換して出力する電力変換回路(30)と、
    前記電力変換回路から入力される前記電力変換回路の動作状態に関する情報と外部から入力される情報に基づいて前記電力変換回路を制御するための制御信号を生成する制御回路(31)と、
    を備えた電力変換装置において、
    前記制御回路は、
    前記第1グランドと絶縁された第2グランドを基準として動作し、外部から入力される情報に基づいて前記電力変換回路に対する指令を生成する指令生成回路(313)と、
    前記指令生成回路に接続され、前記指令生成回路から入力される前記指令を絶縁して出力する第1絶縁回路(314)と、
    前記電力変換回路及び前記第1絶縁回路に接続され、前記第1グランドを基準として動作し、前記電力変換回路から入力される前記電力変換回路の動作状態に関する情報と前記第1絶縁回路から入力される前記指令に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成回路(315)と、
    を有し、
    前記制御信号生成回路は、前記電力変換回路の動作状態に関する情報を出力し、
    前記制御回路は、前記制御信号生成回路に接続され、前記制御信号生成回路から入力される前記電力変換回路の動作状態に関する情報を絶縁して出力する第2絶縁回路(317)を有し、
    前記指令生成回路は、前記第2絶縁回路に接続され、前記第2絶縁回路から入力される前記電力変換回路の動作状態に関する情報に基づいて電力変換装置の電力供給対象の異常の有無を判定することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記指令生成回路は、前記第2絶縁回路に接続され、前記第2絶縁回路から入力される前記電力変換回路の動作状態に関する情報に基づいて前記電力変換回路の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御信号生成回路は、ハードウェアで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換回路は、
    直列接続された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、
    前記制御信号生成回路から入力される前記制御信号に基づいて前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をそれぞれ駆動する第1駆動回路及び第2駆動回路と、
    を有し、
    前記制御信号は、絶縁されることなく前記第2駆動回路に入力されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第1駆動回路は、前記制御信号を前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子の直列接続点の電位を基準とした信号に変換するレベルシフト回路を有し、
    前記制御信号は、絶縁されることなく前記第1駆動回路に入力されることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記指令は、前記電力変換回路の出力電圧を指示する出力電圧指令であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記電力変換回路の動作状態に関する情報は、少なくとも入出力電圧に関する情報であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記電力変換回路は、車両に搭載されたインバータ回路に電力を供給することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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