JP6197468B2 - 通信装置、通信システム、通信制御方法および通信制御プログラム - Google Patents

通信装置、通信システム、通信制御方法および通信制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、通信装置、通信システム、通信制御方法および通信制御プログラムに関し、特に、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて通信を行う通信装置、通信システム、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
”ウィキペディア”、[online]、[平成25年6月28日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/アドホック〉(非特許文献1)には、無線アドホックネットワークについて記載されている。すなわち、携帯電話等で用いられる移動体通信では、無線基地局装置、および、無線基地局装置間を繋ぐ固定網などの基盤設備が必須である。一方、無線アドホックネットワークでは、各無線端末装置が自律的にルーティングを行い、マルチホップ通信を行う。無線アドホックネットワークに固定ネットワークは不要であり、本質的にインフラレスである。したがって、ネットワークを構築したい環境に無線端末装置を散布し、無線端末装置が寄り集まる状態にするだけで、ネットワークを即席的に構築することが可能である。
"ウィキペディア"、[online]、[平成25年6月28日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/アドホック〉 "Ad-hoc on-demand distance vector (AODV) routing"、RFC 3561、2003年 "Optimized link state routing (OLSR) RFC"、RFC 3626、2003年
無線アドホックネットワークを介して通信装置間でパケットがやり取りされる場合、パケットは、パケットの中継を行う1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を通って通信装置間を伝送される。
たとえば、無線端末装置の故障および通信障害等の異常が通信経路において発生した場合、異常を検知した無線端末装置は、異常が発生したことを通信装置へ通知する。通信装置は、無線端末装置からの通知に基づいて、通信経路における異常の発生を認識し、新たな通信経路の構築を開始する。
しかしながら、通信経路において異常が発生してから通信装置が当該異常を認識するまでの時間が長くなる場合がある。この場合、通信装置間において、パケットのやり取りをすることができない時間が長くなってしまう。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて通信が行われる通信システムにおいて、通信経路の変更の必要性を迅速に検知して当該変更を行うことが可能な通信装置、通信システム、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信装置は、通信装置であって、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行う通信部と、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行う再構築処理部とを備え、上記再構築処理部は、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信システムは、通信の中継を行うことが可能な複数の無線端末装置と、1または複数の上記無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行う通信装置とを備え、上記通信装置は、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行い、上記通信装置は、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御方法は、通信の中継を行うことが可能な複数の無線端末装置と、1または複数の上記無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能な通信装置とを備える通信システムにおける通信制御方法であって、上記通信装置が、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行うステップと、上記通信装置が、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行うステップとを含み、上記通信経路を変更するための処理を行うステップにおいては、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御プログラムは、通信装置において用いられる通信制御プログラムであって、上記通信装置は、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、コンピュータに、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行うステップと、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行うステップとを実行させるためのプログラムであり、上記通信経路を変更するための処理を行うステップにおいては、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
本発明によれば、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて通信が行われる通信システムにおいて、通信経路の変更の必要性を迅速に検知して当該変更を行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置のソフトウェア構成および管理制御の一例を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が送受信するRREQメッセージの経路の一例を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が送受信するRREPメッセージの経路の一例を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が送受信するハローメッセージの経路の一例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が通信経路において発生した異常を検知する動作の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が通信経路を変更する際の動作の一例を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が通信経路を変更する際の動作の一例を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る従局が、通信経路において異常が発生した場合において、AODVプロトコルに従った通信経路の変更に要する時間の比較例を示す図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける主局の構成を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける従局の構成を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、主局が通信経路を変更するための処理を主導的に行う際のシーケンスの一例を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、従局が通信経路を変更するための処理を主導的に行う際のシーケンスの一例を示す図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態に係る主局または従局が、通信経路において異常が発生した場合において、通信経路の変更に要する時間の図9に示す比較例に対する短縮結果の一例を示す図である。 図15は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信経路の変更処理をモデル化したシミュレーションの概要を示す図である。 図16は、図15に示すシミュレーションにおいて、ハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて通信経路の異常を検知する場合に主局へ到達するパケット数の時間変化の一例を示す図である。 図17は、図15に示すシミュレーションにおいて、主局におけるアプリケーションまたは従局におけるアプリケーションが通信経路の異常を検知する場合に主局へ到達するパケット数の時間変化の一例を示す図である。 図18は、図17に示すシミュレーション結果における、時刻t=29〜32秒の到達パケット数変化の拡大図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図20は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置のソフトウェア構成および管理制御の一例を示す図である。 図21は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける主局の構成を示す図である。 図22は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける従局の構成を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る通信装置は、通信装置であって、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行う通信部と、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行う再構築処理部とを備え、上記再構築処理部は、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、通信信号の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
すなわち、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置が当該異常を通信装置へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから通信装置が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、通信装置および他の通信装置間において通信ができない期間を短縮することができる。
(2)好ましくは、上記再構築処理部は、新たな上記通信経路を決定するための上記他の通信装置または無線端末装置宛の経路探索情報をブロードキャストする。
このような構成により、通信装置が他の通信装置または無線端末装置までの通信経路を把握していない場合でも経路探索情報は他の通信装置または無線端末装置まで送信されるので、通信装置における処理を簡素化することができる。
また、経路探索情報が複数の通信経路を経由して他の通信装置または無線端末装置まで送信されるので、他の通信装置または無線端末装置では、受信した複数の経路探索情報がたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
(3)好ましくは、上記通信装置は、さらに、複数種類の上記通信経路を記憶する記憶部を備え、上記再構築処理部は、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記記憶部に記憶された複数種類の上記通信経路の中から新たな上記通信経路を選択し、上記通信部は、上記再構築処理部によって選択された上記通信経路を用いて上記他の通信装置と通信を行う。
このように、予め記憶しておいた通信経路をアクティブ化することで新たな通信経路を確立する構成により、ブロードキャストされた経路探索情報を用いて動的に新たな通信経路を確立する構成と比べて、所定のルールに反する状態が発生してから新たな通信経路が確立されるまでに要する時間を短縮することができるので、通信装置および他の通信装置間の通信を早期に再開することができる。
(4)好ましくは、上記通信装置は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作し、上記通信部は、上記複数レイヤのうちの第1のレイヤの処理を行うことにより通信を行い、上記再構築処理部は、上記複数レイヤのうち、上記第1のレイヤよりも上位の第2のレイヤの処理を行うことにより、上記通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、第2のレイヤで検知した通信経路の異常についての情報を第1のレイヤの処理に用いることができるので、第1のレイヤが第2のレイヤの処理に関与せずに単独で通信経路の異常を検知する構成と比べて、通信経路の変更の必要性をより早期に検知し、当該変更を行うことができる。
また、第1のレイヤが単独で通信経路の異常を検知するための情報のやり取りを不要とすることができるので、通信装置、他の通信装置および1または複数の無線端末装置により構成される通信システム全体の負荷を低減することができる。
(5)本発明の実施の形態に係る通信システムは、通信の中継を行うことが可能な複数の無線端末装置と、1または複数の上記無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行う通信装置とを備え、上記通信装置は、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行い、上記通信装置は、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、通信信号の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
すなわち、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置が当該異常を通信装置へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから通信装置が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、通信装置および他の通信装置間において通信ができない期間を短縮することができる。
(6)好ましくは、上記通信装置は、上記所定のルールに反する状態の発生を検知すると、上記通信経路の変更を上記他の通信装置または上記無線端末装置に要求し、上記他の通信装置または上記無線端末装置は、上記通信装置からの要求を受けて、新たな上記通信経路を決定する。
このような構成により、たとえば、他の通信装置および無線端末装置が所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合であっても、通信装置と他の通信装置または無線端末装置との間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
言い換えると、通信装置と他の通信装置または無線端末装置との間の通信においては、少なくとも通信装置が所定のルールに反する状態の発生を検知する機能を有していれば、通信装置と他の通信装置または無線端末装置との間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。すなわち、他の通信装置および無線端末装置の構成を簡素化することができるので、通信システム全体としてコストを低減することができる。
また、たとえば、他の通信装置または無線端末装置において所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合でも、他の通信装置または無線端末装置では、通信装置からの要求を受けることにより所定のルールに反する状態が発生したことを認識することができるので、必要な処理を講じることができる。
(7)より好ましくは、上記通信装置は、新たな上記通信経路を決定するための上記他の通信装置または上記無線端末装置宛の経路探索情報をブロードキャストし、上記他の通信装置または上記無線端末装置は、1または複数種類の上記通信経路を介して受信した上記経路探索情報に基づいて、新たな上記通信経路を決定する。
このような構成により、通信装置が他の通信装置または無線端末装置までの通信経路を把握していない場合でも経路探索情報は他の通信装置または無線端末装置まで送信されるので、通信装置における処理を簡素化することができる。
また、経路探索情報が複数の通信経路を経由して他の通信装置または無線端末装置まで送信されるので、他の通信装置または無線端末装置では、受信した複数の経路探索情報がたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、通信の中継を行うことが可能な複数の無線端末装置と、1または複数の上記無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能な通信装置とを備える通信システムにおける通信制御方法であって、上記通信装置が、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行うステップと、上記通信装置が、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行うステップとを含み、上記通信経路を変更するための処理を行うステップにおいては、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、通信信号の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
すなわち、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置が当該異常を通信装置へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから通信装置が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、通信装置および他の通信装置間において通信ができない期間を短縮することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る通信制御プログラムは、通信装置において用いられる通信制御プログラムであって、上記通信装置は、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、コンピュータに、所定のルールに従って上記他の通信装置と通信を行うステップと、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、上記通信経路を変更するための処理を行うステップとを実行させるためのプログラムであり、上記通信経路を変更するための処理を行うステップにおいては、上記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、上記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、通信信号の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
すなわち、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置が当該異常を通信装置へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから通信装置が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、通信装置および他の通信装置間において通信ができない期間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線通信システム(通信システム)401は、たとえばRFC 3561(非特許文献2参照)で規格化された無線アドホックネットワークを含む。無線通信システム401は、主局(通信装置)101と、従局(通信装置)102と、無線端末装置202A〜202Fとを備える。
以下、無線端末装置202A〜202Fの各々を無線端末装置202とも称する。なお、図1では、6つの無線端末装置202を代表的に示しているが、無線通信システム401は、少数またはさらに多数の無線端末装置202を備える構成であってもよい。
無線通信システム401は、当該システムにおける各装置の管理者が同じである場合の例として、工場における品質管理、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)およびインフラの監視等に用いられる。また、無線通信システム401は、当該システムにおける各装置の管理者が異なる場合の例として、災害時において、各携帯電話を繋ぐ無線アドホックネットワークに用いられる。
主局101、従局102および各無線端末装置202は、近傍に位置する他の装置と無線通信により情報のやり取りを行うことが可能である。具体的には、たとえば、主局101は、近傍に位置する無線端末装置202D,202E,202Fと無線通信により情報のやり取りを行うことが可能である。また、たとえば、従局102は、近傍に位置する無線端末装置202A,202B,202Cと無線通信により情報のやり取りを行うことが可能である。
各無線端末装置202は、無線通信により情報を中継することが可能である。具体的には、たとえば、無線端末装置202Eは、主局101から受信した情報を無線端末装置202Bへ送信し、また、無線端末装置202Bから受信した情報を主局101へ送信することにより情報を中継する。無線端末装置202Bは、無線端末装置202Eから受信した情報を従局102へ送信し、また、従局102から受信した情報を無線端末装置202Eへ送信することにより情報を中継する。
主局101は、たとえば、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路、すなわち1または複数の無線端末装置202を中継装置として含む通信経路を用いて従局102と通信する。具体的には、図1に示す例では、主局101は、たとえば、無線端末装置202E,202Bを経由する通信経路を用いて従局102と通信する。この場合、無線端末装置202E,202Bは、主局101および従局102間でやり取りされる情報を中継する。
なお、主局101および従局102間で情報をやり取りする際に用いられる通信経路は、無線端末装置202E,202Bを経由する通信経路に限定するものではない。主局101および従局102間で情報をやり取りする際に用いられる通信経路は、たとえば、無線端末装置202E以外または202B以外を経由する通信経路であってもよい。
また、主局101および従局102の少なくとも一方は、無線端末装置202A〜202Fの中でやり取りされる情報を無線通信により中継することが可能であってもよい。
また、主局101および従局102の少なくとも一方は、無線端末装置202A〜202Fのうちのいずれかの無線端末装置202および無線端末装置202A〜202F以外の無線端末装置202間でやり取りされる情報を無線通信により中継することが可能であってもよい。
上記の通信経路は、たとえば、無線通信システム401における各装置間の通信状態および当該各装置の位置等に応じて確立され、また、変更される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置のソフトウェア構成および管理制御の一例を示す図である。
[主局]
図2を参照して、主局101は、通信部10と、アプリケーション11と、データベース17とを備える。通信部10は、TCP処理部12と、IP処理部13と、WiFi MAC処理部14と、WiFi PHY処理部15と、AODV処理部16とを含む。なお、アプリケーション11には、たとえば複数のアプリケーションが含まれてもよい。
主局101は、階層化された複数のレイヤを有するプロトコルに従って動作する。主局101において、アプリケーション11は、たとえば、アプリケーションレイヤの処理を行なうことにより、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて従局102と情報のやり取りを行う。
主局101において、TCP処理部12は、アプリケーションレイヤよりも下位のTCPレイヤの処理を行なう。IP処理部13およびAODV処理部16は、TCPレイヤよりも下位のIPレイヤの処理を行う。WiFi MAC処理部14は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。WiFi PHY処理部15は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
通信部10は、たとえば、1または複数の無線端末装置202経由で従局102から通信信号を受信し、受信した通信信号をIPフレームに変換してアプリケーション11へ出力する。
アプリケーション11は、たとえば、通信部10から受けたIPフレームから温度情報等のデータ情報を取得し、取得したデータ情報をデータベース17に保持する。
また、アプリケーション11は、データベース17に保持された情報に基づいて、従局102を制御するための制御情報を生成する。そして、アプリケーション11は、生成した制御情報の宛先(Destination)IPアドレスとして従局102のIPアドレスを設定し、当該制御情報の送信を通信部10に要求する。
通信部10は、アプリケーション11から制御情報の送信要求を受けると、制御情報を1または複数の無線端末装置202経由で従局102へ送信する。より詳細には、通信部10におけるIP処理部13は、アプリケーション11から送信要求を受けると、制御情報の次の送信先の無線端末装置202のIPアドレスであるネクストホップ(Next Hop)IPアドレスをAODV処理部16へ問い合わせる。
AODV処理部16は、たとえば、宛先IPアドレスとネクストホップIPアドレスとを対応付けて記録した経路表を保持する。AODV処理部16は、たとえば、宛先IPアドレスである従局102のIPアドレスに対応するネクストホップIPアドレスが経路表に記録されている場合、当該ネクストホップIPアドレスをIP処理部13へ出力する。
また、AODV処理部16は、たとえば、従局102のIPアドレスに対応するネクストホップIPアドレスが経路表に記録されていない場合、新たな通信経路を構築する。また、AODV処理部16は、たとえば、通信経路において異常が発生したと判断する場合、通信経路を変更する。AODV処理部16は、新たな通信経路を構築する際、または通信経路を変更する際、たとえば経路表を更新する。
そして、AODV処理部16は、たとえば、更新後の経路表からネクストホップIPアドレスを取得し、取得したネクストホップIPアドレスをIP処理部13へ出力する。なお、新たな通信経路の構築および通信経路の変更の詳細については後述する。
IP処理部13は、AODV処理部16からネクストホップIPアドレスを受けると、制御情報を含むIPパケットを、当該ネクストホップIPアドレスを有する無線端末装置202へWiFi MAC処理部14およびWiFi PHY処理部15経由で送信する。
[無線端末装置]
無線端末装置202は、通信部20と、アプリケーション21とを備える。通信部20は、TCP処理部22と、IP処理部23と、WiFi MAC処理部24と、WiFi PHY処理部25と、AODV処理部26とを含む。なお、アプリケーション21には、たとえば複数のアプリケーションが含まれてもよい。
無線端末装置202は、階層化された複数のレイヤを有するプロトコルに従って動作する。無線端末装置202において、アプリケーション21は、たとえば、アプリケーションレイヤの処理を行なう。TCP処理部22は、アプリケーションレイヤよりも下位のTCPレイヤの処理を行なう。IP処理部23およびAODV処理部26は、TCPレイヤよりも下位のIPレイヤの処理を行う。WiFi MAC処理部24は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。WiFi PHY処理部25は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
通信部20は、主局101、従局102または他の無線端末装置202から通信信号を受信し、受信した通信信号を中継する。
より詳細には、通信部20におけるIP処理部23は、主局101、従局102または他の無線端末装置202からIPパケットをWiFi MAC処理部24およびWiFi PHY処理部25経由で受信すると、受信したIPパケットの次の送信先のネクストホップIPアドレスをAODV処理部26へ問い合わせる。
AODV処理部26は、たとえば、宛先IPアドレスとネクストホップIPアドレスとを対応付けて記録した経路表を保持する。AODV処理部26は、たとえば、IP処理部23からネクストホップIPアドレスの問い合わせを受けると、経路表を参照し、当該IPパケットの宛先IPアドレスに対応するネクストホップIPアドレスを抽出する。そして、AODV処理部26は、抽出したネクストホップIPアドレスをIP処理部23へ出力する。
IP処理部23は、AODV処理部26からネクストホップIPアドレスを受けると、IPパケットを、当該ネクストホップIPアドレスを有する主局101、従局102または他の無線端末装置202へWiFi MAC処理部24およびWiFi PHY処理部25経由で送信する。
[従局]
従局102は、通信部30と、アプリケーション31と、センサ37とを備える。通信部30は、TCP処理部32と、IP処理部33と、WiFi MAC処理部34と、WiFi PHY処理部35と、AODV処理部36とを含む。なお、アプリケーション31には、たとえば複数のアプリケーションが含まれてもよい。
センサ37は、具体的には、温度センサである。なお、センサ37は、たとえば加速度センサおよび振動センサ等であってもよい。
従局102は、階層化された複数のレイヤを有するプロトコルに従って動作する。従局102において、アプリケーション31は、たとえば、アプリケーションレイヤの処理を行なうことにより、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて主局101と情報のやり取りを行う。
従局102において、TCP処理部32は、アプリケーションレイヤよりも下位のTCPレイヤの処理を行なう。IP処理部33およびAODV処理部36は、TCPレイヤよりも下位のIPレイヤの処理を行う。WiFi MAC処理部34は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。WiFi PHY処理部35は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
通信部30は、たとえば、1または複数の無線端末装置202経由で主局101から通信信号を受信し、受信した通信信号をIPフレームに変換してアプリケーション31へ出力する。
アプリケーション31は、たとえば、通信部30から受けたIPフレームから制御情報を取得し、自己の従局102に当該制御情報に従った動作を行わせる。
また、アプリケーション31は、たとえば、センサ37において測定された温度から温度情報をデータ情報として生成する。アプリケーション31は、たとえば、周期的に、具体的には125ミリ秒ごとにデータ情報を生成する。そして、アプリケーション31は、たとえば、生成したデータ情報の宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレスを設定し、当該データ情報の送信を通信部30に要求する。
通信部30は、アプリケーション31からデータ情報の送信要求を受けると、データ情報を1または複数の無線端末装置202経由で主局101へ送信する。より詳細には、通信部30におけるIP処理部33は、アプリケーション31から送信要求を受けると、データ情報の次の送信先のネクストホップIPアドレスをAODV処理部36へ問い合わせる。
AODV処理部36は、たとえば、宛先IPアドレスとネクストホップIPアドレスとを対応付けて記録した経路表を保持する。AODV処理部36は、たとえば、宛先IPアドレスである主局101のIPアドレスに対応するネクストホップIPアドレスが経路表に記録されている場合、当該ネクストホップIPアドレスをIP処理部33へ出力する。
また、AODV処理部36は、たとえば、主局101のIPアドレスに対応するネクストホップIPアドレスが経路表に記録されていない場合、新たな通信経路を構築する。また、AODV処理部36は、たとえば、通信経路において異常が発生したと判断する場合、通信経路を変更する。AODV処理部36は、新たな通信経路を構築する際、または通信経路を変更する際、たとえば経路表を更新する。
そして、AODV処理部36は、たとえば、更新後の経路表からネクストホップIPアドレスを取得し、取得したネクストホップIPアドレスをIP処理部33へ出力する。
IP処理部33は、AODV処理部36からネクストホップIPアドレスを受けると、データ情報を含むIPパケットを、当該ネクストホップIPアドレスを有する無線端末装置202へWiFi MAC処理部34およびWiFi PHY処理部35経由で送信する。
無線通信ネットワーク401において、アドホックネットワークの通信経路は、AODV処理部16,26,36が行うIPレイヤの処理により構築され、また、変更される。以下、AODV処理部16,26,36が新たな通信経路を構築する手順、およびAODV処理部16,26,36が通信経路の異常を検知し、通信経路を変更する手順について、詳細に説明する。
[新たな通信経路の確立]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が送受信するRREQメッセージの経路の一例を示す図である。
図3を参照して、主局101および従局102間において通信経路が確立されていない状況を想定する。
まず、従局102は、たとえば、従局102および主局101間の通信経路を新たに確立するために主局101宛の経路探索情報であるRREQ(Route Request)メッセージを作成し、作成したRREQメッセージをブロードキャストする。ここで、RREQメッセージには、宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレス、送信元(Originator)IPアドレスとして従局102のIPアドレス、ゼロで初期化したホップ数およびRREQメッセージのID等が含まれる(ステップS12)。
次に、従局102の近傍に位置する無線端末装置202A,202B,202Cは、たとえば、従局102からRREQメッセージを受信すると、受信したRREQメッセージに含まれる宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。無線端末装置202A,202B,202Cは、当該宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じでない場合、たとえばRREQメッセージに含まれるホップ数をインクリメントする。そして、無線端末装置202A,202B,202Cは、たとえば、RREQメッセージに含まれる送信元IPアドレスおよびRREQメッセージを送信した従局102のIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録した後、RREQメッセージをブロードキャストする(ステップS14)。
次に、無線端末装置202D,202E,202Fは、たとえば、無線端末装置202A,202B,202CからRREQメッセージをそれぞれ受信すると、受信したRREQメッセージに含まれる宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。無線端末装置202D,202E,202Fは、当該宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じでない場合、たとえばRREQメッセージに含まれるホップ数をインクリメントする。そして、無線端末装置202D,202E,202Fは、たとえば、RREQメッセージに含まれる送信元IPアドレスおよびRREQメッセージを送信した無線端末装置202のIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録した後、RREQメッセージをブロードキャストする(ステップS16)。
また、無線端末装置202A,202Cは、たとえば、無線端末装置202BからRREQメッセージを受信すると、RREQメッセージに含まれる、送信元IPアドレスおよびIDに基づいて、RREQメッセージを重複して受信したと認識し、無線端末装置202Bから受信したRREQメッセージを破棄する(ステップS18)。
次に、主局101は、たとえば、無線端末装置202D,202E,202FからRREQメッセージを受信すると、受信したRREQメッセージに含まれる宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。主局101は、当該宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じである場合、以下の処理を行う。すなわち、主局101は、たとえば、RREQメッセージを受信した時刻およびRREQメッセージに含まれるホップ数を取得する。そして、主局101は、たとえば、RREQメッセージに含まれる送信元IPアドレス、およびRREQメッセージを送信した無線端末装置202のIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する(ステップS20)。
次に、主局101は、たとえば、複数の無線端末装置202から受信したRREQメッセージのうち、各RREQメッセージの受信時刻およびホップ数に基づいて、1つのRREQメッセージを選択する。主局101は、選択したRREQメッセージがたどった経路を通信経路として決定する(ステップS22)。
また、無線端末装置202D,202Fは、たとえば、無線端末装置202EからRREQメッセージを受信すると、RREQメッセージに含まれる、送信元IPアドレスおよびIDに基づいて、RREQメッセージを重複して受信したと認識し、無線端末装置202Eから受信したRREQメッセージを破棄する(ステップS24)。
たとえば、主局101は、上記ステップS20において、無線端末装置202D,202E,202Fから受信した各RREQメッセージのホップ数は同じであるので、受信時刻に基づいて、1つのRREQメッセージを選択する。より詳細には、主局101は、たとえば、各RREQメッセージの受信時刻が異なる場合、受信時刻が最も早かったRREQメッセージを選択する。具体的には、主局101は、たとえば、無線端末装置202EからのRREQメッセージを最も早い受信時刻で受信した場合、当該RREQメッセージを選択し、選択したRREQメッセージがたどった経路を通信経路として決定する。すなわち、主局101は、情報を伝送するために要する時間が最も短い経路を通信経路として決定する。
また、主局101および無線端末装置202A〜202Fは、上記ステップS14、S16およびS20において、受信したRREQメッセージに基づいて経路表を更新する。
これにより、主局101および無線端末装置202A〜202Fが保持する経路表には、宛先IPアドレスとしての従局102のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとが対応付けて記録されるので、主局101および無線端末装置202A〜202Fは、従局102を宛先とするパケットを正しく転送することができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が送受信するRREPメッセージの経路の一例を示す図である。
図4を参照して、上述のように、主局101が、無線端末装置202EからのRREQメッセージを最も早い受信時刻で受信し、当該RREQメッセージがたどった経路を通信経路として決定した状況を想定する。
まず、主局101は、たとえば、従局102に対して通信経路を通知するために従局102宛のRREP(Route Reply)メッセージを作成する。そして、主局101は、たとえば、自己が保持する経路表、および通信経路の決定結果に基づいて、RREPメッセージのネクストホップIPアドレスとして無線端末装置202EのIPアドレスを設定し、RREPメッセージをユニキャストする。ここで、RREPメッセージには、宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレス、送信元IPアドレスとして従局102のIPアドレスおよびゼロで初期化したホップ数等が含まれる(ステップS32)。
次に、無線端末装置202Eは、たとえば、主局101からRREPメッセージを受信すると、受信したRREPメッセージに含まれる送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。無線端末装置202Eは、当該送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じでない場合、たとえばRREPメッセージに含まれるホップ数をインクリメントする。無線端末装置202Eは、たとえば、RREPメッセージに含まれる宛先IPアドレス、およびRREPメッセージを送信した主局101のIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する。そして、無線端末装置202Eは、たとえば、当該送信元IPアドレスおよび経路表に記録された内容に基づいてRREPメッセージのネクストホップIPアドレスとして無線端末装置202BのIPアドレスを設定し、RREPメッセージをユニキャストする(ステップS34)。
次に、無線端末装置202Bは、たとえば、無線端末装置202EからRREPメッセージを受信すると、受信したRREPメッセージに含まれる送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。無線端末装置202Bは、当該送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じでない場合、たとえばRREPメッセージに含まれるホップ数をインクリメントする。無線端末装置202Bは、たとえば、RREPメッセージに含まれる宛先IPアドレス、およびRREPメッセージを送信した無線端末装置202EのIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する。そして、無線端末装置202Bは、たとえば、当該送信元IPアドレスおよび経路表に記録された内容に基づいてRREPメッセージのネクストホップIPアドレスとして従局102のIPアドレスを設定し、RREPメッセージをユニキャストする(ステップS36)。
次に、従局102は、たとえば、無線端末装置202BからRREPメッセージを受信すると、受信したRREPメッセージに含まれる送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。従局102は、当該送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じである場合、たとえば、RREPメッセージに含まれる宛先IPアドレス、およびRREPメッセージを送信した無線端末装置202BのIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する。そして、従局102は、RREPメッセージに含まれるホップ数を取得した後、RREPメッセージを破棄する(ステップS38)。
たとえば、無線端末装置202E、無線端末装置202Bおよび従局102は、それぞれ上記ステップS34、S36およびS38において、受信したRREPメッセージに基づいて経路表を更新する。
これにより、無線端末装置202E、無線端末装置202Bおよび従局102が保持する経路表には、宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとが対応付けて記録されるので、無線端末装置202E、無線端末装置202Bおよび従局102は、主局101を宛先とするパケットを正しく転送することができる。
すなわち、主局101および従局102間において、無線端末装置202E,202Bを経由する通信経路が確立される。
また、たとえば、無線端末装置202は、上記ステップS14およびS16において、主局101までの通信経路を有する場合、すなわち、自己が保持する経路表において宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとしてのIPアドレスとを対応付けて記録した部分を有する場合、以下の処理を行う。
すなわち、無線端末装置202は、たとえば、RREQメッセージを受信すると、受信したRREQメッセージが経由した経路を通信経路として決定し、RREQメッセージを中継する代わりに、RREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを従局102へ送信する。
これにより、無線通信システム401において、RREQメッセージがブロードキャストされることによる通信の負荷を軽減し、かつ、通信経路の決定に要する時間を短縮することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システム401では、従局102がRREQメッセージを主局101へ送信し、主局101がRREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを従局102へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、主局101がRREQメッセージを従局102へ送信し、従局102がRREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを主局101へ送信する構成であってもよい。
[通信経路の状態確認]
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が送受信するハローメッセージの経路の一例を示す図である。
図5を参照して、無線通信システム401における主局101、従局102および無線端末装置202A〜202Fは、たとえば、周期的に、具体的には10秒周期で、通信が正常であるか否かを確認するためのハローメッセージをブロードキャストする(ステップS52)。
次に、主局101、従局102および無線端末装置202A〜202Fは、たとえば、自己の近傍に位置する装置からハローメッセージを周期的に正しく受信できている場合、自己の近傍に位置する装置が正常に動作していると認識する(ステップS54)。
なお、上記ステップS52において、無線通信システム401における各装置がハローメッセージを送信するタイミングは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[通信経路の異常通知]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が通信経路において発生した異常を検知する動作の一例を示す図である。
図6を参照して、主局101および従局102間において、無線端末装置202E,202Bを経由する通信経路が確立されている状況を想定する。また、主局101、従局102および各無線端末装置202は、図5に示すように、ハローメッセージを周期的に送受信することにより、自己の近傍に位置する装置が正常に動作しているか否かを確認する。
まず、たとえば、主局101および無線端末装置202E間において、通信を行うことができない状況が発生する(ステップS72)。
次に、主局101および無線端末装置202D,202E,202Fは、たとえば10秒周期のハローメッセージの送信タイミングにおいて、ハローメッセージをブロードキャストする(ステップS74)。なお、図示していないが、従局102および無線端末装置202A,202B,202Cも、たとえばハローメッセージの送信タイミングにおいて、ハローメッセージをブロードキャストする。
次に、主局101および無線端末装置202Eは、それぞれ無線端末装置202Eおよび主局101から、たとえば周期的に受信すべきハローメッセージを受信できなかったことを認識する(ステップS76)。
次に、主局101および無線端末装置202D,202E,202Fは、たとえば次の送信タイミングにおいて、ハローメッセージをブロードキャストする(ステップS78)。なお、図示していないが、従局102および無線端末装置202A,202B,202Cも、たとえば次の送信タイミングにおいて、ハローメッセージをブロードキャストする。
次に、主局101および無線端末装置202Eは、たとえば、周期的に受信すべきハローメッセージを2回連続で受信できなかったことを認識し、主局101および無線端末装置202E間において通信を行うことができない状況が発生したと判断する(ステップS80)。
次に、無線端末装置202Eは、たとえば、主局101のIPアドレスが、通信をすることができない不達送信先IPアドレスとなった旨を示すRERR(Route Error)メッセージを自己の近傍に位置する無線端末装置202Bへユニキャストする(ステップS82)。この際、無線端末装置202Eは、たとえば、自己が保持する経路表において、宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとしての主局101のIPアドレスとを対応付けて記録した部分を無効にする。
次に、無線端末装置202Bは、たとえば、無線端末装置202EからRERRメッセージを受信すると、受信したRERRメッセージを自己の近傍に位置する従局102へユニキャストする(ステップS84)。この際、無線端末装置202Eは、たとえば、自己が保持する経路表において、宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとしての無線端末装置202EのIPアドレスとを対応付けて記録した部分を無効にする。
次に、従局102は、たとえば、無線端末装置202BからRERRメッセージを受信すると、受信したRERRメッセージに基づいて、以下の処理を行う。すなわち、従局102は、たとえば、自己が保持する経路表において、宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとしての無線端末装置202BのIPアドレスとを対応付けて記録した部分を無効にする(ステップS86)。
なお、無線端末装置202Eおよび無線端末装置202Bは、それぞれ上記ステップS82およびS84においてRERRメッセージをユニキャストしたが、ブロードキャストしてもよい。
[通信経路の変更]
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が通信経路を変更する際の動作の一例を示す図である。
図7を参照して、上述のように、無線端末装置202E,202Bおよび従局102がRERRメッセージを受信し、受信したRERRメッセージに基づいて、自己が保持する経路表の一部を無効にした状況を想定する。
まず、図2に示す従局102におけるアプリケーション31は、たとえば、125ミリ秒ごとに温度情報をデータ情報として生成する。そして、アプリケーション31は、たとえば、生成したデータ情報の宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレスを設定し、当該データ情報の送信をIP処理部33に要求する。IP処理部33は、アプリケーション31から送信要求を受けると、データ情報のネクストホップIPアドレスをAODV処理部36へ問い合わせる(ステップS90)。
次に、AODV処理部36は、経路表を参照し、宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとしての無線端末装置202BのIPアドレスとを対応付けて記録した部分が無効になっていることを認識する。そして、AODV処理部36は、従局102および主局101間の通信経路を変更するために主局101宛の経路探索情報であるRREQメッセージを作成し、作成したRREQメッセージをブロードキャストする(ステップS92)。
ステップS92〜S98の動作は、図3に示すステップS12〜S18の動作と同様であるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
次に、主局101は、たとえば、無線端末装置202D,202FからRREQメッセージを受信すると、受信したRREQメッセージに含まれる宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。主局101は、当該宛先IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じである場合、以下の処理を行う。すなわち、主局101は、たとえば、RREQメッセージを受信した時刻およびRREQメッセージに含まれるホップ数を取得する。そして、主局101は、たとえば、RREQメッセージに含まれる送信元IPアドレス、およびRREQメッセージを送信した無線端末装置202のIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する(ステップS100)。
次に、主局101は、たとえば、複数の無線端末装置202から受信したRREQメッセージのうち、各RREQメッセージの受信時刻およびホップ数に基づいて、1つのRREQメッセージを選択する。主局101は、選択したRREQメッセージがたどった経路を通信経路として決定する(ステップS102)。
また、無線端末装置202D,202Fは、たとえば、無線端末装置202EからRREQメッセージを受信すると、RREQメッセージに含まれる、送信元IPアドレスおよびIDに基づいて、RREQメッセージを重複して受信したと認識し、無線端末装置202Eから受信したRREQメッセージを破棄する(ステップS104)。
たとえば、主局101は、上記ステップS100において、無線端末装置202D,202Fから受信した各RREQメッセージのホップ数は同じであるので、受信時刻に基づいて、1つのRREQメッセージを選択する。具体的には、主局101は、たとえば、無線端末装置202DからのRREQメッセージを最も早い受信時刻で受信した場合、当該RREQメッセージを選択し、選択したRREQメッセージがたどった経路を通信経路として決定する。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置が通信経路を変更する際の動作の一例を示す図である。
図8を参照して、上述のように、主局101が、たとえば、無線端末装置202DからのRREQメッセージを最も早い受信時刻で受信し、当該RREQメッセージがたどった経路を通信経路として決定した状況を想定する。
まず、主局101は、たとえば、従局102に対して通信経路を通知するために従局102宛のRREPメッセージを作成する。そして、主局101は、たとえば、自己が保持する経路表、および通信経路の決定結果に基づいて、RREPメッセージのネクストホップIPアドレスとして無線端末装置202DのIPアドレスを設定し、RREPメッセージをユニキャストする。ここで、RREPメッセージには、宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレス、送信元IPアドレスとして従局102のIPアドレスおよびゼロで初期化したホップ数等が含まれる(ステップS122)。
次に、無線端末装置202Dは、たとえば、主局101からRREPメッセージを受信すると、受信したRREPメッセージに含まれる送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。無線端末装置202Dは、当該送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じでない場合、たとえばRREPメッセージに含まれるホップ数をインクリメントする。無線端末装置202Dは、たとえば、RREPメッセージに含まれる宛先IPアドレス、およびRREPメッセージを送信した主局101のIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する。そして、無線端末装置202Dは、たとえば、当該送信元IPアドレスおよび経路表に記録された内容に基づいてRREPメッセージのネクストホップIPアドレスとして無線端末装置202AのIPアドレスを設定し、RREPメッセージをユニキャストする(ステップS124)。
次に、無線端末装置202Aは、たとえば、無線端末装置202DからRREPメッセージを受信すると、受信したRREPメッセージに含まれる送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。無線端末装置202Aは、当該送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じでない場合、たとえばRREPメッセージに含まれるホップ数をインクリメントする。無線端末装置202Aは、たとえば、RREPメッセージに含まれる宛先IPアドレス、およびRREPメッセージを送信した無線端末装置202DのIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する。そして、無線端末装置202Aは、たとえば、当該送信元IPアドレスおよび経路表に記録された内容に基づいてRREPメッセージのネクストホップIPアドレスとして従局102のIPアドレスを設定し、RREPメッセージをユニキャストする(ステップS126)。
次に、従局102は、たとえば、無線端末装置202AからRREPメッセージを受信すると、受信したRREPメッセージに含まれる送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じであるか否かを確認する。従局102は、当該送信元IPアドレスと自己のIPアドレスとが同じである場合、たとえば、RREPメッセージに含まれる宛先IPアドレス、およびRREPメッセージを送信した無線端末装置202AのIPアドレスを、それぞれ宛先IPアドレスおよびネクストホップIPアドレスとして経路表に対応付けて記録する。そして、従局102は、RREPメッセージに含まれるホップ数を取得した後、RREPメッセージを破棄する(ステップS128)。
次に、図2に示す従局102におけるAODV処理部36は、従局102および主局101間の通信経路の変更処理が完了したので、IP処理部33からのネクストホップIPアドレスについての問い合わせに対し、更新後の経路表に基づいて無線端末装置202AのIPアドレスをIP処理部33へ出力する(ステップS130)。
[課題]
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る従局が、通信経路において異常が発生した場合において、AODVプロトコルに従った通信経路の変更に要する時間の比較例を示す図である。
図9を参照して、「状態確認」に相当する時間は、たとえば、無線通信システム401における主局101、従局102および各無線端末装置202がハローメッセージを送信する周期に対してハローメッセージの受信ロスの許容回数を乗じた時間である。たとえば、送信周期が10秒および許容回数が2回の場合、「状態確認」に相当する時間は、20秒である。
より詳細には、主局101、従局102および各無線端末装置202は、たとえば時刻t0において、ハローメッセージをブロードキャストし、通信経路において異常がないことを確認する(図5に示すステップS52およびS54)。
たとえば、時刻t1において、通信経路の一部に異常が発生する(図6に示すステップS72)。
たとえば、主局101、従局102および各無線端末装置202は、時刻t2およびt3において、ハローメッセージをブロードキャストする(図6に示すステップS74およびS78)。一方、主局101および無線端末装置202Eは、時刻t2およびt3において、それぞれ無線端末装置202Eおよび主局101から、たとえば10秒周期で受信すべきハローメッセージを受信できなかったことを認識する(図6に示すステップS76およびS80)。
また、主局101および無線端末装置202Eは、時刻t3において、ハローメッセージの受信ロスの回数が許容回数に達したので、主局101および無線端末装置202E間において通信を行うことができない状況が発生したと判断する(図6に示すステップS80)。
すなわち、無線通信システム401における通信経路に異常が発生してから、主局101、従局102または各無線端末装置202が、通信を行うことができない状況が発生したと判断するまでの時間である検知所要時間は、たとえば、ハローメッセージの送信周期より長く、かつ当該送信周期の2倍より短い。
「異常通知」に要する時間は、たとえば、無線端末装置202Eが時刻t3にRERRメッセージを無線端末装置202Bへユニキャストしてから従局102が時刻t4にRERRメッセージを受信するまでの時間である(図6に示すステップS82〜S86)。
ユニキャストによるメッセージの転送時間は、たとえば1ホップあたり1ミリ秒程度である。したがって、「異常通知」に要する時間は、たとえば数ミリ秒である。
「アプリケーション周期」に相当する時間は、たとえば、図2に示すAODV処理部36がRERRメッセージを時刻t4に受信してから(図6に示すステップS86)IP処理部33がアプリケーション31から送信要求を受け、時刻t5にデータ情報のネクストホップIPアドレスをAODV処理部36へ問い合わせるまで(図7に示すステップS90)の時間である。
AODVプロトコルはリアクティブ型のプロトコルであるので、AODV処理部36は、たとえば、時刻t4においてRERRメッセージを受信しても、時刻t5においてIP処理部33からネクストホップIPアドレスの問い合わせがあるまでRREQメッセージを送信しない。したがって、「アプリケーション周期」に相当する時間は、アプリケーション31がデータ情報の送信要求をIP処理部33へ出力する周期である125ミリ秒未満である。
「経路要求」に要する時間は、たとえば、従局102が時刻t5に主局101宛のRREQメッセージをブロードキャストしてから主局101が時刻t6に当該RREQメッセージを受信するまでの時間である(図7に示すステップS92〜S102)。ブロードキャストによるメッセージの転送時間は、たとえば1ホップあたり数十ミリ秒程度である。したがって、「経路要求」に要する時間は、たとえば数十〜数百ミリ秒である。
「経路通知」に要する時間は、たとえば、主局101が時刻t6に従局102宛のRREPメッセージをユニキャストしてから従局102が時刻t7に当該RREPメッセージを受信し、通信経路が変更されるまでの時間である(図8に示すステップS122〜S130)。「経路通知」に要する時間は、たとえば数ミリ秒である。
上記のように、時刻t1において無線通信システム401における通信経路に異常が発生してから、時刻t7において通信経路が変更されるまでの時間のうち、検知所要時間が10秒より長いのに対して、「異常通知」、「アプリケーション周期」、「経路要求」および「経路通知」の合計時間は数百ミリ秒である。
したがって、通信経路に異常が発生してから通信経路が変更されるまでの時間を短縮するためには、検知所要時間を短くすることが効果的であると考えられる。
しかしながら、たとえば、ハローメッセージの送信周期を短くする場合、無線通信システム401における通信負荷が増加してしまうので好ましくない。
また、ハローメッセージの受信ロスの許容回数を減少させる場合、通信経路の変更を要する程の異常が発生していないにもかかわらず通信経路の変更を要すると誤って判断してしまう確率が高くなる。
たとえば、主局101、従局102または各無線端末装置202が通信経路に異常が発生していると誤って判断した場合、RERRメッセージ、RREQメッセージおよびRREPメッセージを送信してしまうので、無線通信システム401における通信負荷が増加してしまう。
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[主局の構成]
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける主局の構成を示す図である。
図10を参照して、主局101は、通信部10と、無線受信部40と、無線送信部41と、データ情報取得部42と、再構築処理部43と、記憶部46と、通信制御部47とを備える。再構築処理部43は、ルール判断部44と、AODV制御部45とを含む。データ情報取得部42、再構築処理部43および通信制御部47は、アプリケーション11の一部または全部に相当する。記憶部46は、データベース17の一部または全部に相当する。
無線受信部40は、無線端末装置202から無線信号を受信し、受信した無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して通信部10へ出力する。
無線送信部41は、通信部10から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換して無線端末装置202へ送信する。
通信部10は、たとえば、1または複数の無線端末装置202を介して、従局102と通信する。また、通信部10は、たとえば、自己の主局101および従局102間の通信経路を取得し、取得した通信経路を記憶部46に記憶させる。
また、通信部10は、たとえば、1または複数の無線端末装置202を介して従局102からTCP/IPパケットを受信すると、当該TCP/IPパケットを受信した旨を示すACKを従局102へ送信する。
データ情報取得部42は、従局102からのデータ情報たとえば温度情報を通信部10から取得し、取得したデータ情報を記憶部46に記憶させる。
また、データ情報取得部42は、たとえば、データ情報の取得を完了した旨を示す取得完了情報を、通信部10から温度情報を取得したタイミングで再構築処理部43へ出力する。
記憶部46は、たとえば、経路表およびデータ情報取得部42から受けるデータ情報を記憶する。経路表には、たとえば、通信部10から受ける通信経路が記録される。なお、記憶部46は、たとえば主局101の外部に設けられてもよい。
再構築処理部43は、たとえば、通信部10が所定のルールに従って従局102と通信を行っているか否かを判断する。具体的には、再構築処理部43は、たとえば、従局102から規則的に送信される自己の主局101宛の通信信号の到着状況に基づいて、通信部10が上記所定のルールに従って従局102と通信を行っているか否かを判断する。そして、再構築処理部43は、たとえば、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
より詳細には、再構築処理部43におけるルール判断部44は、たとえば、通信部10が所定の周期ごと、具体的には125ミリ秒ごとにデータ情報を受信している場合、通信部10が所定のルールに従って従局102と通信していると判断する。また、ルール判断部44は、たとえば、通信部10が125ミリ秒ごとにデータ情報を受信していない場合、通信部10が所定のルールに従った通信を従局102と行っていないと判断する。
具体的には、ルール判断部44は、たとえば、データ情報取得部42から取得完了情報を受けるタイミングの間隔が125ミリ秒である場合、通信部10が所定のルールに従って従局102と通信していると判断する。
また、ルール判断部44は、たとえば、データ情報取得部42から取得完了情報を受けるタイミングの間隔が125ミリ秒より長い場合、または当該間隔が125ミリ秒より短い場合、通信部10が所定のルールに従った通信を従局102と行っていないと判断する。この際、ルール判断部44は、たとえば、所定のルールに反する状態が発生した旨を示す通信異常情報をAODV制御部45へ出力する。
なお、ルール判断部44は、たとえば、データ情報取得部42から取得完了情報を受けるタイミングの間隔が125ミリ秒に許容時間αを加えた時間より短い場合、通信部10が所定のルールに従って従局102と通信を行っていると判断してもよい。
ここで、許容時間αは、たとえば、従局102から主局101への通信経路において混雑が発生した場合に予想されるデータ情報の延着時間である。
これにより、たとえば、通信経路において混雑が発生し、データ情報が主局101に到着するタイミングが遅れた場合においても、ルール判断部44が、所定のルールに反する状態が発生したと誤って判断してしまう可能性を低減することができる。
また、ルール判断部44は、データ情報取得部42から取得完了情報を受けるタイミングの間隔が125ミリ秒より長い場合、または当該間隔が125ミリ秒より短い場合が1回生じれば、通信部10が所定のルールに従った通信を従局102と行っていないと判断したが、これに限定するものではない。ルール判断部44は、たとえば、当該間隔が125ミリ秒より長い場合、または当該間隔が125ミリ秒より短い場合が複数回連続するとき、通信部10が所定のルールに従った通信を従局102と行っていないと判断してもよい。
これにより、ルール判断部44は、通信部10が所定のルールに従った通信を従局102と行っているか否かをより正確に判断することができる。
AODV制御部45は、たとえば、ルール判断部44から通信異常情報を受けると、通信経路を変更するための処理を行う。具体的には、AODV制御部45は、ルール判断部44から通信異常情報を受けると、たとえば、通信経路の変更を従局102へ要求する。より詳細には、AODV制御部45は、たとえば、従局102宛の経路探索情報をブロードキャストさせる旨を示す通信経路変更命令を図2に示す通信部10におけるAODV処理部16へ出力する。
AODV処理部16は、AODV制御部45から通信経路変更命令を受けると、宛先IPアドレスとして従局102のIPアドレスを含むRREQメッセージをブロードキャストする。
通信制御部47は、たとえば、記憶部46が保持する温度情報等のデータ情報に基づいて、従局102におけるセンサ37の測定条件を変更するための制御情報を作成し、作成した制御情報を通信部10経由で従局102へ送信する。
また、通信制御部47は、たとえば、記憶部46が保持する温度情報等のデータ情報が不足している場合、データ情報の再送を要求する旨を示す制御情報を作成し、作成した制御情報を通信部10経由で従局102へ送信する。
[従局の構成]
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける従局の構成を示す図である。
図11を参照して、従局102は、通信部30と、センサ37と、無線受信部60と、無線送信部61と、データ情報処理部62と、再構築処理部63と、記憶部66と、通信制御部67とを備える。再構築処理部63は、ルール判断部64と、AODV制御部65とを含む。データ情報処理部62、再構築処理部63および通信制御部67は、アプリケーション31の一部または全部に相当する。センサ37は、図2に示すセンサ37と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
無線受信部60は、無線端末装置202から無線信号を受信し、受信した無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して通信部30へ出力する。
無線送信部61は、通信部30から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換して無線端末装置202へ送信する。
通信部30は、たとえば、1または複数の無線端末装置202を介して、主局101と通信する。また、通信部30は、たとえば、自己の従局102および主局101間の通信経路を取得し、取得した通信経路を記憶部66に記憶させる。
記憶部66は、たとえば、経路表を記憶する。経路表には、たとえば、通信部30から受ける通信経路が記録される。なお、記憶部66は、たとえば従局102の外部に設けられてもよい。
データ情報処理部62は、たとえば、125ミリ秒の周期で、センサ37において測定された温度から温度情報を生成し、生成した温度情報をデータ情報として通信制御部67へ出力する。
通信制御部67は、たとえば、データ情報処理部62からデータ情報を受けると、受けたデータ情報をTCPプロトコルに従って主局101へ送信すべき旨を示す要求を通信部30へ出力する。この際、通信制御部67は、たとえば、データ情報を主局101へ送信した旨を示す送信完了情報を再構築処理部63へ出力する。
また、通信制御部67は、通信部30から受けたIPフレーム等から制御情報を取得する。通信制御部67は、たとえば、制御情報の内容に従って、測定周期等のセンサ37の測定条件を変更し、また、温度情報等のデータ情報を主局101へ再送する。
通信部30は、たとえば、通信制御部67から上記要求を受けると、データ情報を無線端末装置202経由で主局101へTCPプロトコルに従って送信する。そして、通信部30は、たとえば、データ情報の送信に対するACKを無線端末装置202経由で主局101から受信すると、ACKを受信した旨を示すACK受信情報を再構築処理部63へ出力する。
再構築処理部63は、たとえば、通信部30が所定のルールに従って主局101と通信を行っているか否かを判断する。具体的には、再構築処理部63は、たとえば、主局101から規則的に送信される自己の従局102宛の通信信号の到着状況に基づいて、通信部30が上記所定のルールに従って主局101と通信を行っているか否かを判断する。そして、再構築処理部63は、たとえば、上記所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
より詳細には、再構築処理部63におけるルール判断部64は、たとえば、通信部30がデータ情報を送信した後、所定時間内に当該データ情報に対するACKを受信している場合、通信部30が所定のルールに従って主局101と通信していると判断する。また、ルール判断部64は、たとえば、通信部30がデータ情報を送信した後、所定時間内に当該データ情報に対するACKを受信できなかった場合、通信部30が所定のルールに従った通信を主局101と行っていないと判断する。
具体的には、ルール判断部64は、たとえば、通信制御部67が出力する送信完了情報を受けてから通信部30が出力するACK受信情報を受けるまでの時間を計測する。ルール判断部64は、たとえば、計測時間が所定時間以内である場合、通信部30が所定のルールに従って主局101と通信していると判断する。
データ情報および当該データ情報に対するACKは、通信経路に沿ってユニキャストされるので、上記所定時間は、たとえば数十ミリ秒に設定される。
また、ルール判断部64は、たとえば、計測時間が所定時間を越えた場合、通信部30が所定のルールに従った通信を主局101と行っていないと判断する。この際、ルール判断部64は、たとえば、所定のルールに反する状態が発生した旨を示す通信異常情報をAODV制御部65へ出力する。
なお、ルール判断部64は、たとえば、計測時間が所定時間に許容時間βを加えた時間以内である場合、通信部30が所定のルールに従って主局101と通信を行っていると判断してもよい。
ここで、許容時間βは、たとえば、従局102および主局101間の通信経路において混雑が発生した場合に予想されるデータ情報および当該データ情報に対するACKの延着時間である。
これにより、たとえば、通信経路において混雑が発生し、データ情報および当該データ情報に対するACKが到着するタイミングが遅れた場合においても、ルール判断部64が、所定のルールに反する状態が発生したと誤って判断してしまう可能性を低減することができる。
また、ルール判断部64は、計測時間が所定時間を越える場合が1回生じれば、通信部30が所定のルールに従った通信を主局101と行っていないと判断したが、これに限定するものではない。ルール判断部64は、たとえば、計測時間が所定時間を越える場合が複数回連続するとき、通信部30が所定のルールに従った通信を主局101と行っていないと判断してもよい。
これにより、ルール判断部64は、通信部30が所定のルールに従った通信を主局101と行っているか否かをより正確に判断することができる。
AODV制御部65は、たとえば、ルール判断部64から通信異常情報を受けると、通信経路を変更するための処理を行う。具体的には、AODV制御部65は、たとえば、ルール判断部64から通信異常情報を受けると、通信経路の変更を主局101へ要求する。より詳細には、AODV制御部65は、たとえば、主局101宛の経路探索情報をブロードキャストさせる旨を示す通信経路変更命令を図2に示す通信部30におけるAODV処理部36へ出力する。
AODV処理部36は、AODV制御部65から通信経路変更命令を受けると、宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレスを含むRREQメッセージをブロードキャストする。
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置の動作について図面を用いて説明する。
主局101、従局102および無線端末装置202の各々は、以下に示すシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムをそれぞれ図示しないメモリから読み出して実行する。これらのプログラムは、外部からインストールすることができる。
[主局が通信経路の変更処理を主導的に行う場合]
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、主局が通信経路を変更するための処理を主導的に行う際のシーケンスの一例を示す図である。
図12を参照して、主局101および従局102間において、無線端末装置202J,202Kを経由する通信経路が確立されており、かつ、データ情報が従局102から主局101へ周期的に送信される状況を想定する。また、無線端末装置202J,202K,202Lは、無線端末装置202A〜202Fと同様である。以下、無線端末装置202J,202K,202Lの各々を無線端末装置202とも称する。
まず、従局102は、たとえば、125ミリ秒周期の温度測定におけるN周目の温度測定を行う(ステップS202)。
次に、従局102は、たとえば、N周目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として生成し、125ミリ秒周期の送信タイミングである時刻ts1において、生成したデータ情報を主局101へ送信する。データ情報は、たとえば、無線端末装置202K,202Jによって中継され、主局101に到着する(ステップS204)。
次に、主局101は、従局102からデータ情報を受信すると、たとえば、受信したデータ情報が従局102から規則的に送信されたか否かを判断する。具体的には、主局101におけるアプリケーション11は、たとえば、従局102からデータ情報を125ミリ秒間隔で受信できたので、通信部10が所定のルールに従って従局102と通信を行っていると判断する、すなわち通信経路において異常がないと判断する(ステップS206)。
次に、従局102は、たとえば、125ミリ秒周期の温度測定における(N+1)周目の温度測定を行う(ステップS208)。
次に、従局102は、たとえば、(N+1)周目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として生成し、時刻ts1から125ミリ秒経過した時刻ts2において、生成したデータ情報を主局101へ送信する。データ情報は、たとえば、無線端末装置202K,202Jによって中継され、主局101に到着する(ステップS210)。
次に、主局101は、従局102からデータ情報を受信する。この際、主局101におけるアプリケーション11は、たとえば、従局102からデータ情報を125ミリ秒間隔で受信できたので、通信経路において異常がないと判断する(ステップS212)。
次に、たとえば、通信経路の一部である無線端末装置202J,202K間において、通信を行うことができない状況が発生する(ステップS214)。
また、従局102は、たとえば、125ミリ秒周期の温度測定における(N+2)周目の温度測定を行う(ステップS216)。
次に、従局102は、たとえば、(N+2)周目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として生成し、時刻ts2から125ミリ秒経過した時刻ts3において、生成したデータ情報を主局101へ送信する。しかしながら、無線端末装置202J,202K間では通信を行うことができないので、当該データ情報は、たとえば無線端末装置202Kのバッファにおいて滞留した後、無線端末装置202Kにより破棄される(ステップS218)。
次に、主局101におけるアプリケーション11は、たとえば、従局102からデータ情報を125ミリ秒間隔で受信できなかったことを認識し、通信部10が所定のルールに従った通信を行っていないと判断する、すなわち通信経路において異常があると判断する(ステップS220)。
次に、主局101におけるアプリケーション11は、たとえば、従局102宛の経路探索情報であるRREQメッセージを通信部10にブロードキャストさせる。RREQメッセージは、たとえば、無線端末装置202J,202L等の各無線端末装置202によって中継され、従局102に到着する。従局102は、たとえば、RREQメッセージが経由した経路ごとにRREQメッセージを受信する(ステップS222)。
次に、従局102は、経路ごとのRREQメッセージを受信すると、たとえば、無線端末装置202Lから受信したRREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを無線端末装置202Lへユニキャストする。RREPメッセージは、たとえば、無線端末装置202L,202Jによって中継され、主局101に到着する(ステップS224)。
これにより、主局101および従局102間において、無線端末装置202J,202Lを経由する通信経路が確立される(ステップS226)。
次に、主局101におけるアプリケーション11は、たとえば、(N+2)周目の測定結果を含むデータ情報を受信できなかったので、当該データ情報の再送要求を従局102へ送信する。再送要求は、たとえば、無線端末装置202J,202Lによって中継され、従局102に到着する(ステップS228)。
次に、従局102は、たとえば、主局101から再送要求を受信すると、(N+2)周目の測定結果を含むデータ情報を主局101へ再送する。データ情報は、たとえば、無線端末装置202L,202Jによって中継され、主局101に到着する(ステップS230)。
次に、従局102は、たとえば、125ミリ秒周期の温度測定における(N+3)周目の温度測定を行う(ステップS232)。
次に、従局102は、たとえば、(N+3)周目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として生成し、時刻ts3から125ミリ秒経過した時刻ts4において、生成したデータ情報を主局101へ送信する。データ情報は、たとえば、無線端末装置202L,202Jによって中継され、主局101に到着する(ステップS234)。
次に、主局101は、従局102からデータ情報を受信する。この際、主局101におけるアプリケーション11は、たとえば、(N+2)周目の測定結果を含むデータ情報を除いて従局102からデータ情報を125ミリ秒間隔で受信できているので、通信経路において異常がないと判断する(ステップS236)。
主局101および従局102が、通信を行うことができない状況が発生したことについて(ステップS214)、たとえば図6に示すようにハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて検知する場合、当該状況が発生してから主局101および従局102が当該状況を認識するまでの時間は、以下の時間となる。すなわち、たとえばハローメッセージの送信周期が10秒であり、かつハローメッセージの受信ロスの許容回数が2回である場合、当該時間は、10秒〜20秒程度である。
一方、主局101におけるアプリケーション11は、上記ステップS220において、従局102からデータ情報を125ミリ秒間隔で受信できなかったことから、通信を行うことができない状況が発生したことを認識する。通信を行うことができない状況が発生してから主局101が当該異常を検知するまでの時間は、125ミリ秒未満である。
すなわち、主局101におけるアプリケーション11が、周期的に受信するデータ情報に基づいて、無線通信システム401において発生した通信の異常を検知する構成により、ハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて通信の異常を検知する構成と比べて、通信の異常が発生してから主局101が当該異常を検知するまでの時間を短縮することができる。
これにより、主局101では、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
また、無線通信システム401では、通信経路において発生した通信の異常を検知するためのハローメッセージおよびRERRメッセージを不要にすることができるので、無線通信システム401における通信の負荷を軽減することができる。
[従局が通信経路の変更処理を主導的に行う場合]
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、従局が通信経路を変更するための処理を主導的に行う際のシーケンスの一例を示す図である。
図13を参照して、主局101および従局102間において、無線端末装置202K,202Lを経由する通信経路が確立されており、かつ、双方向の通信が行われる状況を想定する。具体的には、従局102は、TCPプロトコルに従ってデータ情報を主局101へ送信した後、当該データ情報に対するACKを受信する。
まず、従局102は、たとえば、M回目の温度測定を行う(ステップS302)。
次に、従局102は、たとえば、M回目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として主局101へ送信する。データ情報は、たとえば、無線端末装置202L,202Kによって中継され、主局101に到着する(ステップS304)。
次に、主局101は、従局102からデータ情報を受信すると、データ情報を受信した旨を示すACKを従局102へ送信する。ACKは、たとえば、無線端末装置202K,202Lによって中継され、従局102に到着する(ステップS306)。
次に、従局102は、たとえば、主局101からACKを規則的に受信できたか否かを判断する。具体的には、従局102におけるアプリケーション31は、たとえば、主局101へデータ情報を送信してから所定時間以内に当該データ情報に対するACKを受信できたので、通信部30が所定のルールに従って主局101と通信を行っていると判断する、すなわち通信経路において異常がないと判断する(ステップS308)。
次に、たとえば、通信経路の一部である無線端末装置202L,202K間において、通信を行うことができない状況が発生する(ステップS310)。
また、従局102は、たとえば、(M+1)回目の温度測定を行う(ステップS312)。
次に、従局102は、たとえば、(M+1)回目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として主局101へ送信する。しかしながら、無線端末装置202L,202K間では通信を行うことができないので、当該データ情報は、たとえば無線端末装置202Lのバッファにおいて滞留した後、無線端末装置202Lにより破棄される(ステップS314)。
次に、従局102におけるアプリケーション31は、たとえば、主局101へデータ情報を送信してから所定時間以内に当該データ情報に対するACKを受信できなかったことを認識し、通信部30が所定のルールに従った通信を行っていないと判断する、すなわち通信経路において異常があると判断する(ステップS316)。
次に、従局102におけるアプリケーション31は、たとえば、主局101宛の経路探索情報であるRREQメッセージを通信部30にブロードキャストさせる。RREQメッセージは、たとえば、無線端末装置202L,202J等の各無線端末装置202によって中継され、主局101に到着する。主局101は、たとえば、RREQメッセージが経由した経路ごとにRREQメッセージを受信する(ステップS318)。
次に、主局101は、経路ごとのRREQメッセージを受信すると、たとえば、無線端末装置202Jから受信したRREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを無線端末装置202Jへユニキャストする。RREPメッセージは、たとえば、無線端末装置202J,202Lによって中継され、従局102に到着する(ステップS320)。
これにより、従局102および主局101間において、無線端末装置202L,202Jを経由する通信経路が確立される(ステップS322)。
次に、従局102は、たとえば、通信経路において異常があると判断したので、(M+1)回目の測定結果を含む温度情報をデータ情報として主局101へ再送する。データ情報は、たとえば、無線端末装置202L,202Jによって中継され、主局101に到着する(ステップS324)。
次に、主局101は、従局102からデータ情報を受信すると、データ情報を受信した旨を示すACKを従局102へ送信する。ACKは、たとえば、無線端末装置202J,202Lによって中継され、従局102に到着する(ステップS326)。
次に、従局102は、たとえば、主局101からACKを受信する。この際、従局102におけるアプリケーション31は、たとえば、主局101へデータ情報を送信してから所定時間以内に当該データ情報に対するACKを受信できたので、通信経路において異常がないと判断する(ステップS328)。
従局102および主局101が、通信を行うことができない状況が発生したことについて(ステップS310)、たとえば図6に示すようにハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて検知する場合、当該状況が発生してから従局102および主局101が当該状況を認識するまでの時間は、上述したように、10秒〜20秒程度である。
一方、従局102におけるアプリケーション31は、上記ステップS316において、主局101へデータ情報を送信してから所定時間以内に当該データ情報に対するACKを受信できなかったことから、通信を行うことができない状況が発生したことを認識する。通信を行うことができない状況が発生してから従局102が当該異常を検知するまでの時間は、従局102がデータ情報を送信するタイミングの間隔より短い時間、たとえば125ミリ秒より短い時間である。
すなわち、従局102におけるアプリケーション31が、主局101へデータ情報を送信してから規則的に受信するACKに基づいて、無線通信システム401において発生した通信の異常を検知する構成により、ハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて通信の異常を検知する構成と比べて、通信の異常が発生してから従局102が当該異常を検知するまでの時間を短縮することができる。
これにより、従局102では、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
また、無線通信システム401では、通信経路において発生した通信の異常を検知するためのハローメッセージおよびRERRメッセージを不要にすることができるので、無線通信システム401における通信の負荷を軽減することができる。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る主局または従局が、通信経路において異常が発生した場合において、通信経路の変更に要する時間の図9に示す比較例に対する短縮結果の一例を示す図である。
図14を参照して、「異常検出」に要する時間は、たとえば、時刻t1において通信経路上で通信の異常が発生してから時刻t12において主局101または従局102が当該異常を検出するまでの時間である。
具体的には、主局101における「異常検出」に要する時間は、たとえば、従局102から受信するデータ情報の受信周期である125ミリ秒に許容時間αを加えた時間より短い時間である。たとえば、許容時間αを50ミリ秒に設定した場合、「異常検出」に要する時間は、175ミリ秒未満である。
また、従局102における「異常検出」に要する時間は、従局102がデータ情報を送信するタイミングの間隔より短い時間、たとえば125ミリ秒に許容時間βを加えた時間より短い時間である。たとえば、許容時間βを50ミリ秒に設定した場合、「異常検出」に要する時間は、175ミリ秒より短い時間となる。
「経路要求」および「経路通知」については、図9に示す「経路要求」および「経路通知」とそれぞれ同様であるので、説明を簡単に行う。
時刻t12から時刻t13までの「経路要求」に要する時間は、たとえば、主局101または従局102がRREQメッセージをブロードキャストしてから従局102または主局101が当該RREQメッセージをそれぞれ受信するまでの時間である。「経路要求」に要する時間は、具体的には数十〜数百ミリ秒である。
時刻t13から時刻t14までの「経路通知」に要する時間は、たとえば、主局101または従局102がRREPメッセージをユニキャストで送信してから従局102または主局101が当該RREPメッセージをそれぞれ受信し、新たな通信経路が確立されるまでの時間である。「経路通知」に要する時間は、具体的には数ミリ秒である。
したがって、時刻t1において無線通信システム401における通信経路に異常が発生してから、時刻t14において新たな通信経路が確立されるまでの時間は、数百ミリ秒である。
すなわち、通信経路において異常が発生した場合において、AODVプロトコルに従った通信経路の変更処理では10秒より長い時間が必要であるのに対して、通信経路の変更処理に要する時間を数百ミリ秒に短縮することができる。
[シミュレーション]
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける通信経路の変更処理をモデル化したシミュレーションの概要を示す図である。
図15を参照して、無線通信システム401をモデル化した無線通信システム402は、主局101と、従局102と、無線端末装置202P,202Q,202R,202S,202Tとを備える。
従局102は、無線端末装置202Qから500メートル離れた位置に配置される。無線端末装置202Pは、無線端末装置202Qに対する従局102の正反対の位置に配置される。
無線端末装置202Tは、従局102から500メートル離れた位置であって、従局102から無線端末装置202Qを見た方向から左へ90度の方向に配置される。
無線端末装置202Sは、無線端末装置202Qから500メートル離れた位置であって、無線端末装置202Qから無線端末装置202Pを見た方向から左へ90度の方向に配置される。
無線端末装置202Rは、無線端末装置202Pから500メートル離れた位置であって、無線端末装置202Pから無線端末装置202Qを見た方向から右へ90度の方向に配置される。
主局101は、無線端末装置202Pから500メートル離れた位置であって、無線端末装置202Pから無線端末装置202Qを見た方向から右へ150度の方向に配置される。
シミュレーションでは、主局101、従局102および無線端末装置202P,202Q,202R,202S,202Tが周期125ミリ秒で双方向にパケットを送受信する状況を想定する。
また、シミュレーションは、以下の手順で行った。すなわち、(1)主局101、従局102および無線端末装置202P,202Q,202R,202S,202Tのパケットの送信開始タイミングは乱数で決定される。(2)主局101は、従局102からのパケットについては、時刻t=30秒まで無線端末装置202Q,202P経由で受信する。(3)無線端末装置202Qは、時刻t=30秒において故障し、通信ができなくなる。
図16は、図15に示すシミュレーションにおいて、ハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて通信経路の異常を検知する場合に主局へ到達するパケット数の時間変化の一例を示す図である。
図16を参照して、縦軸の到達パケット数は、たとえば1秒ごとに演算される。主局101は、乱数により決定された送信開始タイミングから時刻t=30秒までにおいて、従局102および無線端末装置202P,202Q,202R,202S,202Tから概ね8パケット毎秒の割合でパケットを受信する。
そして、主局は、時刻t=30秒以後において、無線端末装置202P,202R,202S,202Tから概ね8パケット毎秒の割合でパケットを引き続き受信する。パケットの受信レートが変化しない理由は、主局101が無線端末装置202P,202R,202S,202Tから受信するパケットは、無線端末装置202Qを経由しないからである。
また、主局101は、時刻t=30秒以後において、故障した無線端末装置202Qからパケットを受信できなくなる。
また、時刻t=30秒以後から時刻t=58秒までは、ハローメッセージおよびRERRメッセージを用いて主局101および従局102間の通信経路の再構築が行われているため、主局101は、従局102からパケットを受信できない。そして、主局101は、時刻t=58秒以後において、再構築された通信経路、すなわち従局102から無線端末装置202T,202S,202Rを経由する通信経路を用いて従局102からパケットを受信する。
上記のように、無線端末装置202Qにおいて故障が発生してから主局101が従局102からパケットを受信できるようになるまで、概ね28秒かかってしまう。
図17は、図15に示すシミュレーションにおいて、主局におけるアプリケーションまたは従局におけるアプリケーションが通信経路の異常を検知する場合に主局へ到達するパケット数の時間変化の一例を示す図である。
図17を参照して、縦軸の到達パケット数は、たとえば1秒ごとに演算される。主局101は、乱数により決定された送信開始タイミングから時刻t=30秒までにおいて、従局102および無線端末装置202P,202Q,202R,202S,202Tから概ね8パケット毎秒の割合でパケットを受信する。
そして、主局101は、時刻t=30秒以後において、故障した無線端末装置202Qからパケットを受信できなくなる。
また、主局は、時刻t=30秒以後において、従局102および無線端末装置202P,202R,202S,202Tから概ね8パケット毎秒の割合でパケットを引き続き受信する。
図18は、図17に示すシミュレーション結果における、時刻t=29〜32秒の到達パケット数変化の拡大図である。
図18を参照して、主局101は、時刻t=29秒からt=32秒までにおいて、無線端末装置202P,202R,202S,202Tから概ね8パケット毎秒の割合でパケットを受信する。
また、主局101は、時刻t=29秒からt=30秒までにおいて、従局102から概ね8パケット毎秒の割合でパケットを受信する。主局101は、時刻t=30秒からt=31秒までにおいて、従局102から概ね5パケット毎秒の割合でパケットを受信する。そして、主局101は、時刻t=31秒以後において、従局102から再び概ね8パケット毎秒の割合でパケットを受信する。
シミュレーション結果では、主局101および従局102間の通信経路の再構築は、時刻t=30秒から概ね300ミリ秒経過したタイミングで完了する。このため、主局101が従局102から受信するパケットの受信レートが時刻t=30秒からt=31秒までにおいて、概ね8パケット毎秒から概ね5パケット毎秒に低下する。
より詳細には、時刻t=30.000秒において、無線端末装置202Qが故障する。時刻t=30.090秒において、従局102は、主局101からパケットを受信できなくなったことに基づいて通信経路の異常を検知し、RREQメッセージをブロードキャストする。時刻t=30.158秒において、無線端末装置202Tは、従局102から受信したRREQメッセージをブロードキャストする。時刻t=30.228秒において、無線端末装置202Sは、無線端末装置202Tから受信したRREQメッセージをブロードキャストする。時刻t=30.278秒において、無線端末装置202Rは、無線端末装置202Sから受信したRREQメッセージをブロードキャストする。時刻t=30.308秒において、主局101は、無線端末装置202RからRREQメッセージを受信し、受信したRREQメッセージの応答であるRREPメッセージを無線端末装置202Rへユニキャストする。時刻t=30.309秒において、無線端末装置202Rは、主局101から受信したRREPメッセージを無線端末装置202Sへユニキャストする。時刻t=30.310秒において、無線端末装置202Sは、無線端末装置202Rから受信したRREPメッセージを無線端末装置202Tへユニキャストする。時刻t=30.311秒において、無線端末装置202Tは、無線端末装置202Sから受信したRREPメッセージを従局102へユニキャストする。時刻t=30.312秒において、従局102は、無線端末装置202TからRREPメッセージを受信する。そして、主局101および従局102間において無線端末装置202R,202S,202Tを経由する通信経路が確立される。
上記のように、通信経路の異常を検知するために要した時間T1は、90ミリ秒である。RREQメッセージをブロードキャストで送信するために要した時間T2は、218ミリ秒である。RREPメッセージをユニキャストで送信するために要した時間T3は、4ミリ秒である。
すなわち、通信経路の異常を検知してから通信経路が確立されるまでの時間Ts=T1+T2+T3は、312ミリ秒である。時間Tsのうち、時間T1,T2,T3が占める割合は、それぞれ29%,70%,1%となる。したがって、RREQメッセージをブロードキャストせずにユニキャストすることにより、時間Tsを短縮することができる。
[変形例]
RFC 3561(非特許文献2参照)で規格化された無線アドホックネットワークでは、通信経路は、たとえば、各無線端末装置202間の通信状態および各無線端末装置202の位置等に応じて確立され、また、変更される。
たとえば、主局101および従局102間において、IPパケットまたはメッセージを中継する各無線端末装置202の位置が固定である場合、以下のような構成により、主局101、従局102および各無線端末装置202は、RREQメッセージをブロードキャストすることなく、通信経路を確立し、また、変更する。
再び図1を参照して、無線通信システム401における主局101、従局102および無線端末装置202A〜202Fにおける経路表には、たとえば、IPパケットの宛先IPアドレスと当該IPパケットのネクストホップIPアドレスとが対応付けて予め記録されている。
より詳細には、たとえば、図10に示す主局101における記憶部46は、複数種類の通信経路を予め記憶する。具体的には、記憶部46における経路表には、たとえば、宛先IPアドレスとしての従局102のIPアドレスと、ネクストホップIPアドレスとしての無線端末装置202D,202E,202FのIPアドレスとが予め対応付けられて記録されている。
なお、ネクストホップIPアドレスには、たとえば、無線端末装置202EのIPアドレス、無線端末装置202DのIPアドレスおよび無線端末装置202FのIPアドレスの順に優先度が設けられていてもよい。
また、たとえば、図11に示す従局102における記憶部66は、複数種類の通信経路を予め記憶する。具体的には、記憶部66における経路表には、たとえば、宛先IPアドレスとしての主局101のIPアドレスと、ネクストホップIPアドレスとしての無線端末装置202A,202B,202CのIPアドレスとが予め対応付けられて記録されている。
なお、ネクストホップIPアドレスには、たとえば、無線端末装置202BのIPアドレス、無線端末装置202AのIPアドレスおよび無線端末装置202CのIPアドレスの順に優先度が設けられていてもよい。
無線端末装置202A〜202Fにおける経路表には、たとえば、宛先IPアドレスである主局101のIPアドレスまたは従局102のIPアドレスと、主局101宛または従局102宛のIPパケットのネクストホップIPアドレスとがそれぞれ予め対応付けられて記録されている。
[通信経路の確立]
従局102は、たとえば、主局101との通信経路を確立するために、宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレス、および送信元IPアドレスとして自己のIPアドレスを含むRREQメッセージを作成する。そして、従局102は、たとえば、記憶部66における経路表を参照し、作成したRREQメッセージを無線端末装置202Bへユニキャストする。
無線端末装置202Bは、従局102からRREQメッセージを受信すると、RREQメッセージに含まれる宛先IPアドレスおよび自己が保持する経路表に基づいて、RREQメッセージを無線端末装置202Eへユニキャストする。
無線端末装置202Eは、無線端末装置202BからRREQメッセージを受信すると、RREQメッセージに含まれる宛先IPアドレスおよび自己が保持する経路表に基づいて、RREQメッセージを主局101へユニキャストする。
主局101は、無線端末装置202EからRREQメッセージを受信すると、RREQメッセージに含まれる送信元IPアドレスおよび自己が保持する経路表に基づいて、従局102に対して通信経路を通知するために従局102宛のRREPメッセージを作成する。そして、主局101は、たとえば、記憶部46における経路表を参照し、作成したRREPメッセージを無線端末装置202Eへユニキャストする。
以下、RREPメッセージは、図4に示すように、無線端末装置202E、202Bを経由して従局102へユニキャストで送信される。そして、主局101および従局102間において無線端末装置202B,202Eを経由する通信経路が確立される。
[従局が通信経路の異常を検知する場合]
たとえば、従局102が、温度情報をデータ情報として主局101へTCPプロトコルに従って送信している際に、主局101および無線端末装置202E間において通信を行うことができない状況が発生する。
図11に示す従局102におけるルール判断部64は、たとえば、送信したデータ情報に対するACKを所定時間内に受信できなかったので、通信部30が所定のルールに従った通信を主局101と行っていないと判断し、通信異常情報をAODV制御部65へ出力する。
AODV制御部65は、たとえば、ルール判断部64から通信異常情報を受けると、記憶部66に記憶された複数種類の通信経路の中から新たな通信経路を選択する。具体的には、AODV制御部65は、たとえば、記憶部66における経路表を参照し、2番目の優先度を有する無線端末装置202AのIPアドレスをネクストホップIPアドレスとして選択する。
そして、AODV制御部65は、たとえば、宛先である主局101のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとして選択した無線端末装置202AのIPアドレスとを経路情報として通信部30へ出力する。
通信部30は、たとえば、AODV制御部65から受けた経路情報を用いて主局101と通信を行う。具体的には、通信部30は、たとえば、主局101との通信経路を変更するために、宛先IPアドレスとして主局101のIPアドレスおよび送信元IPアドレスとして自己のIPアドレスを含むRREQメッセージを作成する。そして、通信部30は、たとえば、作成したRREQメッセージを無線端末装置202Aへユニキャストする。
RREQメッセージは、無線端末装置202A、202Dを経由して主局101へユニキャストで送信される。そして、主局101は、RREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを無線端末装置202Dへユニキャストする。
RREPメッセージは、無線端末装置202D、202Aを経由して従局102へユニキャストで送信される。そして、従局102および主局101間の通信経路は、無線端末装置202A,202Dを経由する通信経路に変更される。
[主局が通信経路の異常を検知する場合]
たとえば、主局101が、温度情報をデータ情報として従局102から125ミリ秒ごとに受信している場合に、主局101および無線端末装置202E間において通信を行うことができない状況が発生する。
図10に示す主局101におけるルール判断部44は、たとえば、通信部10が125ミリ秒ごとにデータ情報を受信していないので、通信部10が所定のルールに従った通信を従局102と行っていないと判断し、通信異常情報をAODV制御部45へ出力する。
AODV制御部45は、たとえば、ルール判断部44から通信異常情報を受けると、記憶部46に記憶された複数種類の通信経路の中から新たな通信経路を選択する。具体的には、AODV制御部45は、たとえば、記憶部46における経路表を参照し、2番目の優先度を有する無線端末装置202DのIPアドレスをネクストホップIPアドレスとして選択する。
そして、AODV制御部45は、たとえば、宛先である従局102のIPアドレスとネクストホップIPアドレスとして選択した無線端末装置202DのIPアドレスとを経路情報として通信部10へ出力する。
通信部10は、たとえば、AODV制御部45から受けた経路情報を用いて従局102と通信を行う。具体的には、通信部10は、たとえば、従局102との通信経路を変更するために、宛先IPアドレスとして従局102のIPアドレスおよび送信元IPアドレスとして自己のIPアドレスを含むRREQメッセージを作成する。そして、通信部10は、たとえば、作成したRREQメッセージを無線端末装置202Dへユニキャストする。
RREQメッセージは、無線端末装置202D、202Aを経由して従局102へユニキャストで送信される。そして、従局102は、RREQメッセージに対する応答であるRREPメッセージを無線端末装置202Aへユニキャストする。
RREPメッセージは、無線端末装置202A、202Dを経由して主局101へユニキャストで送信される。そして、主局101および従局102間の通信経路は、無線端末装置202D,202Aを経由する通信経路に変更される。
ところで、無線アドホックネットワークを介して通信装置間でパケットがやり取りされる場合、パケットは、パケットの中継を行う1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を通って通信装置間を伝送される。
たとえば、無線端末装置の故障および通信障害等の異常が通信経路において発生した場合、異常を検知した無線端末装置は、異常が発生したことを通信装置へ通知する。通信装置は、無線端末装置からの通知に基づいて、通信経路における異常の発生を認識し、新たな通信経路の構築を開始する。
しかしながら、通信経路において異常が発生してから通信装置が当該異常を認識するまでの時間が長くなる場合がある。この場合、通信装置間において、パケットのやり取りをすることができない時間が長くなってしまう。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る主局101では、通信部10は、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて従局102と通信可能であり、所定のルールに従って従局102と通信を行う。そして、再構築処理部43は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を主局101へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから主局101が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、主局101および従局102間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る主局101では、再構築処理部43は、従局102から規則的に送信される自己の主局101宛のデータ情報の到着状況に基づいて、通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、データ情報の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る主局101では、再構築処理部43は、新たな通信経路を決定するための従局102宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。
このような構成により、主局101が従局102までの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは従局102まで送信されるので、主局101における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して従局102まで送信されるので、従局102では、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、従局102により選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが従局102から主局101までユニキャストで転送されることにより、主局101および従局102間の新たな通信経路を確立することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る主局101では、記憶部46は、複数種類の通信経路を記憶する。再構築処理部43は、所定のルールに反する状態が発生した場合、記憶部46に記憶された複数種類の通信経路の中から新たな通信経路を選択する。そして、通信部10は、再構築処理部43によって選択された通信経路を用いて従局102と通信を行う。
このように、予め記憶しておいた通信経路をアクティブ化することで新たな通信経路を確立する構成により、ブロードキャストされたRREQメッセージを用いて動的に新たな通信経路を確立する構成と比べて、所定のルールに反する状態が発生してから新たな通信経路が確立されるまでに要する時間を短縮することができるので、IPパケットの送受信を早期に再開することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る主局101は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作する。通信部10は、複数レイヤのうちのアプリケーションレイヤより下位のTCPレイヤ、IPレイヤ、MACレイヤおよびPHYレイヤを含む通信レイヤの処理を行うことにより通信を行う。再構築処理部43は、複数レイヤのうち、通信レイヤよりも上位のアプリケーションレイヤの処理を行うことにより、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、アプリケーションレイヤで検知した通信経路の異常についての情報を通信レイヤの処理に用いることができるので、通信レイヤがアプリケーションレイヤの処理に関与せずに単独で通信経路の異常を検知する構成と比べて、通信経路の変更の必要性をより早期に検知し、当該変更を行うことができる。
また、通信レイヤが単独で通信経路の異常を検知するためのハローメッセージおよびRERRメッセージ等の情報のやり取りを不要とすることができるので、主局101、従局102および1または複数の無線端末装置202により構成される無線通信システム401全体の負荷を低減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、複数の無線端末装置202は、通信の中継を行うことが可能である。主局101は、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて従局102と通信可能であり、所定のルールに従って従局102と通信を行う。主局101は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を主局101へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから主局101が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、主局101および従局102間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、主局101は、従局102から規則的に送信される自己の主局101宛のデータ情報の到着状況に基づいて、通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、データ情報の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、主局101は、所定のルールに反する状態の発生を検知すると、通信経路の変更を従局102に要求する。従局102は、主局101からの要求を受けて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、たとえば、従局102が所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合であっても、主局101および従局102間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
言い換えると、主局101および従局102間の通信においては、少なくとも主局101が所定のルールに反する状態の発生を検知する機能を有していれば、主局101および従局102間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。すなわち、従局102の構成を簡素化することができるので、通信システム全体としてコストを低減することができる。
また、たとえば、従局102において所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合でも、従局102では、主局101からの要求を受けることにより所定のルールに反する状態が発生したことを認識することができるので、必要な処理を講じることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、主局101は、新たな通信経路を決定するための従局102宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。従局102または無線端末装置202は、1または複数種類の通信経路を介して受信したRREQメッセージに基づいて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、主局101が従局102までの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは従局102まで送信されるので、主局101における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して従局102、または従局102までの通信経路を有する無線端末装置202まで送信されるので、従局102または当該無線端末装置202では、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、従局102または当該無線端末装置202により選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが従局102または当該無線端末装置202から主局101までユニキャストで転送されることにより、主局101および従局102間の新たな通信経路を確立することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る従局102では、通信部30は、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて主局101と通信可能であり、所定のルールに従って主局101と通信を行う。そして、再構築処理部63は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を従局102へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから従局102が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、従局102および主局101間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る従局102では、再構築処理部63は、主局101から規則的に送信される自己の従局102宛のACKの到着状況に基づいて、通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、ACKの到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る従局102では、再構築処理部63は、新たな通信経路を決定するための主局101宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。
このような構成により、従局102が主局101までの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは主局101まで送信されるので、従局102における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して主局101まで送信されるので、主局101では、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、主局101により選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが主局101から従局102までユニキャストで転送されることにより、従局102および主局101間の新たな通信経路を確立することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る従局102では、記憶部66は、複数種類の通信経路を記憶する。再構築処理部63は、所定のルールに反する状態が発生した場合、記憶部66に記憶された複数種類の通信経路の中から新たな通信経路を選択する。そして、通信部30は、再構築処理部63によって選択された通信経路を用いて主局101と通信を行う。
このように、予め記憶しておいた通信経路をアクティブ化することで新たな通信経路を確立する構成により、ブロードキャストされたRREQメッセージを用いて動的に新たな通信経路を確立する構成と比べて、所定のルールに反する状態が発生してから新たな通信経路が確立されるまでに要する時間を短縮することができるので、IPパケットの送受信を早期に再開することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る従局102は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作する。通信部30は、複数レイヤのうちのアプリケーションレイヤより下位のTCPレイヤ、IPレイヤ、MACレイヤおよびPHYレイヤを含む通信レイヤの処理を行うことにより通信を行う。再構築処理部63は、複数レイヤのうち、通信レイヤよりも上位のアプリケーションレイヤの処理を行うことにより、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、アプリケーションレイヤで検知した通信経路の異常についての情報を通信レイヤの処理に用いることができるので、通信レイヤがアプリケーションレイヤの処理に関与せずに単独で通信経路の異常を検知する構成と比べて、通信経路の変更の必要性をより早期に検知し、当該変更を行うことができる。
また、通信レイヤが単独で通信経路の異常を検知するためのハローメッセージおよびRERRメッセージ等の情報のやり取りを不要とすることができるので、主局101、従局102および1または複数の無線端末装置202により構成される無線通信システム401全体の負荷を低減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、複数の無線端末装置202は、通信の中継を行うことが可能である。従局102は、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて主局101と通信可能であり、所定のルールに従って主局101と通信を行う。従局102は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を従局102へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから従局102が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、従局102および主局101間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、従局102は、主局101から規則的に送信される自己の従局102宛のACKの到着状況に基づいて、通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、ACKの到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、従局102は、所定のルールに反する状態の発生を検知すると、通信経路の変更を主局101に要求する。主局101は、従局102からの要求を受けて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、たとえば、主局101が所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合であっても、従局102および主局101間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
言い換えると、従局102および主局101間の通信においては、少なくとも従局102が所定のルールに反する状態の発生を検知する機能を有していれば、従局102および主局101間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。すなわち、主局101の構成を簡素化することができるので、通信システム全体としてコストを低減することができる。
また、たとえば、主局101において所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合でも、主局101では、従局102からの要求を受けることにより所定のルールに反する状態が発生したことを認識することができるので、必要な処理を講じることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る通信システムでは、従局102は、新たな通信経路を決定するための主局101宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。主局101または無線端末装置202は、1または複数種類の通信経路を介して受信したRREQメッセージに基づいて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、従局102が主局101までの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは主局101まで送信されるので、従局102における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して主局101、または主局101までの通信経路を有する無線端末装置202まで送信されるので、主局101または当該無線端末装置202では、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、主局101または当該無線端末装置202により選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが主局101または当該無線端末装置202から従局102までユニキャストで転送されることにより、従局102および主局101間の新たな通信経路を確立することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システム401では、主局101から従局102へ送信される情報の通信経路と、従局102から主局101へ送信される情報の通信経路とが同じであるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、主局101から従局102へ送信される情報の通信経路と、従局102から主局101へ送信される情報の通信経路とが異なっていてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システム401は、RFC 3561(非特許文献2参照)で規格化された無線アドホックネットワークを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信システム401は、たとえば、RFC 3626(非特許文献3参照)で規格化された無線アドホックネットワークを含む構成であってもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る通信装置と比べて無線アドホックネットワークを構成しない通信装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る通信装置と同様である。
[構成および基本動作]
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図19を参照して、無線通信システム(通信システム)403は、第1の実施の形態に係る無線通信システム401と比べて、さらに、無線端末装置202G,202Hを備え、主局101および従局102の代わりに主局111(通信装置)および従局112(通信装置)をそれぞれ備え、さらに、ネットワーク301A,301Bを備える。
以下、無線端末装置202A〜202Hの各々を無線端末装置202とも称する。ネットワーク301A,301Bの各々をネットワーク301とも称する。なお、図19では、8つの無線端末装置202を代表的に示しているが、無線通信システム403は、少数またはさらに多数の無線端末装置202を備える構成であってもよい。
ネットワーク301には、たとえば1または複数のルータが含まれる。ルータは、たとえば、主局111、従局112および無線端末装置202間で送受信されるIPパケットをIPプロトコルに従ってルーティングする。
無線端末装置202は、近傍に位置する他の無線端末装置202と無線通信により情報のやり取りを行うことが可能である。具体的には、たとえば、無線端末装置202Hは、近傍に位置する無線端末装置202D,202E,202Fと無線通信により情報のやり取りを行うことが可能である。また、たとえば、無線端末装置202Gは、近傍に位置する無線端末装置202A,202B,202Cと無線通信により情報のやり取りを行うことが可能である。
主局111および従局112は、たとえばネットワーク301を介して無線端末装置202と情報のやり取りを行うことが可能である。具体的には、主局111は、たとえばネットワーク301Aを介して無線端末装置202Hと情報のやり取りを行うことが可能である。また、従局112は、たとえばネットワーク301Bを介して無線端末装置202Gと情報のやり取りを行うことが可能である。
主局111は、たとえば、1または複数の無線端末装置202を経由する通信経路を用いて従局112と通信する。具体的には、主局111は、たとえば、ネットワーク301A、無線端末装置202H,202E,202B,202Gおよびネットワーク301Bを経由する通信経路を用いて従局112と通信する。この際、無線端末装置202H,202E,202B,202Gは、主局111および従局112間でやり取りされる情報を中継する。
なお、主局111および従局112間で情報をやり取りする際に用いられる通信経路は、無線端末装置202H,202E,202B,202Gを経由する通信経路に限定するものではない。主局111および従局112間で情報をやり取りする際に用いられる通信経路は、たとえば、無線端末装置202H,202E,202B,202Gを経由する通信経路以外の通信経路であってもよい。
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける各装置のソフトウェア構成および管理制御の一例を示す図である。
[主局]
図20を参照して、主局111は、第1の実施の形態に係る主局101と比べて、通信部10の代わりに通信部110を備える。通信部110は、第1の実施の形態に係る通信部10と比べて、WiFi MAC処理部14およびWiFi PHY処理部15の代わりにEther MAC処理部114およびEther PHY処理部115をそれぞれ含む。
Ether MAC処理部114は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。Ether PHY処理部115は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
通信部110は、たとえば、ネットワーク301B、無線端末装置202およびネットワーク301A経由で従局112から通信信号を受信し、受信した通信信号をIPフレームに変換してアプリケーション11へ出力する。
アプリケーション11は、たとえば、通信部110から受けたIPフレームから温度情報等のデータ情報を取得し、取得したデータ情報をデータベース17に保持する。
また、アプリケーション11は、データベース17に保持された情報に基づいて、従局112を制御するための制御情報を生成する。そして、アプリケーション11は、生成した制御情報の宛先IPアドレスとして従局112のIPアドレスを設定し、当該制御情報の送信を通信部110に要求する。
通信部110は、アプリケーション11から制御情報の送信要求を受けると、制御情報をネットワーク301A、無線端末装置202およびネットワーク301B経由で従局112へ送信する。
[従局]
従局112は、第1の実施の形態に係る従局102と比べて、通信部30の代わりに通信部130を備える。通信部130は、第1の実施の形態に係る通信部30と比べて、WiFi MAC処理部34およびWiFi PHY処理部35の代わりにEther MAC処理部134およびEther PHY処理部135をそれぞれ含む。
Ether MAC処理部134は、IPレイヤよりも下位のMACレイヤの処理を行う。Ether PHY処理部135は、MACレイヤよりも下位のPHYレイヤの処理を行う。
通信部130は、たとえば、ネットワーク301A、無線端末装置202およびネットワーク301B経由で主局111から通信信号を受信し、受信した通信信号をIPフレームに変換してアプリケーション31へ出力する。
アプリケーション31は、たとえば、通信部130から受けたIPフレームから制御情報を取得し、自己の従局112に当該制御情報に従った動作をさせる。
また、アプリケーション31は、たとえば、周期的に生成したデータ情報の宛先IPアドレスとして主局111のIPアドレスを設定し、当該データ情報の送信を通信部130に要求する。
通信部130は、アプリケーション31からデータ情報の送信要求を受けると、データ情報をネットワーク301B、無線端末装置202およびネットワーク301A経由で主局111へ送信する。
[主局の構成]
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける主局の構成を示す図である。
図21を参照して、主局111は、第1の実施の形態に係る主局101と比べて、通信部10、無線受信部40および無線送信部41の代わりに通信部110、受信部50および送信部51を備える。
受信部50は、ネットワーク301Aからたとえば光信号を受信し、受信した光信号を電気信号等に変換して通信部110へ出力する。
送信部51は、通信部110から受けた電気信号等をたとえば光信号へ変換し、ネットワーク301Aへ送信する。
通信部110は、たとえば、ネットワーク301A、無線端末装置202およびネットワーク301Bを介して、従局112と通信する。また、通信部110は、たとえば、自己の主局111および従局112間の通信経路を取得し、取得した通信経路を記憶部46に記憶させる。
記憶部46には、たとえば、無線アドホックネットワークおよびネットワーク301A間でやり取りされる情報を中継する無線端末装置202HのIPアドレスと、無線アドホックネットワークおよびネットワーク301B間でやり取りされる情報を中継する無線端末装置202GのIPアドレスとが予め記録されている。
再構築処理部43におけるAODV制御部45は、たとえば、ルール判断部44から通信異常情報を受けると、通信経路を変更するための処理を行う。具体的には、AODV制御部45は、たとえば、ルール判断部44から通信異常情報を受けると、通信経路の変更を従局112または無線端末装置202Gへ要求する。より詳細には、AODV制御部45は、たとえば、RREQメッセージの宛先IPアドレスとして従局112または無線端末装置202GのIPアドレスを記憶部46から取得する。
AODV制御部45は、たとえば、従局112または無線端末装置202G宛の経路探索情報をブロードキャストさせる旨を示す通信経路変更命令を図20に示す通信部110におけるAODV処理部16へ出力する。通信経路変更命令には、たとえば、従局112または無線端末装置202GのIPアドレスが含まれる。
AODV処理部16は、たとえば、AODV制御部45から通信経路変更命令を受けると、受けた通信経路変更命令に基づいて、宛先IPアドレスとして従局112または無線端末装置202GのIPアドレスを含むRREQメッセージをブロードキャストする。
また、AODV制御部45は、たとえば、ルール判断部44から通信異常情報を受けると、従局112または無線端末装置202G宛の経路探索情報を無線端末装置202Hにブロードキャストさせる旨を示す通信経路変更命令を通信部110へ出力する。通信経路変更命令には、たとえば、従局112または無線端末装置202GのIPアドレスが含まれる。
通信部110は、たとえば、AODV制御部45から通信経路変更命令を受けると、受けた通信経路変更命令をネットワーク301A経由で無線端末装置202Hへ送信する。
無線端末装置202HにおけるAODV処理部26は、たとえば、主局111から通信経路変更命令を受けると、受けた通信経路変更命令に基づいて、宛先IPアドレスとして従局112または無線端末装置202GのIPアドレスを含むRREQメッセージをブロードキャストする。
[従局の構成]
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおける従局の構成を示す図である。
図22を参照して、従局112は、第1の実施の形態に係る従局102と比べて、通信部30、無線受信部60および無線送信部61の代わりに通信部130、受信部70および送信部71を備える。
受信部70は、ネットワーク301Bからたとえば光信号を受信し、受信した光信号を電気信号等に変換して通信部130へ出力する。
送信部71は、通信部130から受けた電気信号等をたとえば光信号へ変換し、ネットワーク301Bへ送信する。
通信部130は、たとえば、ネットワーク301B、無線端末装置202およびネットワーク301Aを介して、主局111と通信する。また、通信部130は、たとえば、自己の従局112および主局111間の通信経路を取得し、取得した通信経路を記憶部66に記憶させる。
記憶部66には、たとえば、無線アドホックネットワークおよびネットワーク301A間でやり取りされる情報を中継する無線端末装置202HのIPアドレスと、無線アドホックネットワークおよびネットワーク301B間でやり取りされる情報を中継する無線端末装置202GのIPアドレスとが予め記録されている。
再構築処理部63におけるAODV制御部65は、たとえば、ルール判断部64から通信異常情報を受けると、通信経路を変更するための処理を行う。具体的には、AODV制御部65は、たとえば、ルール判断部64から通信異常情報を受けると、通信経路の変更を主局111または無線端末装置202Hへ要求する。より詳細には、AODV制御部65は、たとえば、RREQメッセージの宛先IPアドレスとして主局111または無線端末装置202HのIPアドレスを記憶部66から取得する。
AODV制御部65は、たとえば、主局111または無線端末装置202H宛の経路探索情報をブロードキャストさせる旨を示す通信経路変更命令を図20に示す通信部130におけるAODV処理部36へ出力する。通信経路変更命令には、たとえば、主局111または無線端末装置202HのIPアドレスが含まれる。
AODV処理部36は、たとえば、AODV制御部65から通信経路変更命令を受けると、受けた通信経路変更命令に基づいて、宛先IPアドレスとして主局111または無線端末装置202HのIPアドレスを含むRREQメッセージをブロードキャストする。
また、AODV制御部65は、たとえば、ルール判断部64から通信異常情報を受けると、主局111または無線端末装置202H宛の経路探索情報を無線端末装置202Gにブロードキャストさせる旨を示す通信経路変更命令を通信部130へ出力する。通信経路変更命令には、たとえば、主局111または無線端末装置202HのIPアドレスが含まれる。
通信部130は、たとえば、AODV制御部65から通信経路変更命令を受けると、受けた通信経路変更命令をネットワーク301B経由で無線端末装置202Gへ送信する。
無線端末装置202GにおけるAODV処理部26は、たとえば、従局112から通信経路変更命令を受けると、受けた通信経路変更命令に基づいて、宛先IPアドレスとして主局111または無線端末装置202HのIPアドレスを含むRREQメッセージをブロードキャストする。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る主局111では、通信部110は、ネットワーク301A、1または複数の無線端末装置202およびネットワーク301Bを経由する通信経路を用いて従局112と通信可能であり、所定のルールに従って従局112と通信を行う。そして、再構築処理部43は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を主局111へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから主局111が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、主局111および従局112間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る主局111では、再構築処理部43は、新たな通信経路を決定するための従局112または無線端末装置202G宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。
このような構成により、主局111が従局112または無線端末装置202Gまでの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは従局112または無線端末装置202Gまで送信されるので、主局111における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して従局112または無線端末装置202Gまで送信されるので、従局112または無線端末装置202Gでは、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、従局112または無線端末装置202Gにより選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが従局112または無線端末装置202Gから主局111までそれぞれユニキャストで転送されることにより、主局111および従局112間の新たな通信経路を確立することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、複数の無線端末装置202は、通信の中継を行うことが可能である。主局111は、ネットワーク301A、1または複数の無線端末装置202およびネットワーク301Bを経由する通信経路を用いて従局112と通信可能であり、所定のルールに従って従局112と通信を行う。主局111は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を主局111へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから主局111が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、主局111および従局112間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、主局111は、従局112から規則的に送信される自己の主局111宛のデータ情報の到着状況に基づいて、通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、データ情報の到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、主局111は、所定のルールに反する状態の発生を検知すると、通信経路の変更を従局112または無線端末装置202Gに要求する。従局112または無線端末装置202Gは、主局111からの要求を受けて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、たとえば、従局112および無線端末装置202Gが所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合であっても、主局111と従局112または無線端末装置202Gとの間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
言い換えると、主局111と従局112または無線端末装置202Gとの間の通信においては、少なくとも主局111が所定のルールに反する状態の発生を検知する機能を有していれば、主局111と従局112または無線端末装置202Gとの間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。すなわち、従局112および無線端末装置202Gの構成を簡素化することができるので、通信システム全体としてコストを低減することができる。
また、たとえば、従局112または無線端末装置202Gにおいて所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合でも、従局112または無線端末装置202Gでは、主局111からの要求を受けることにより所定のルールに反する状態が発生したことを認識することができるので、必要な処理を講じることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、主局111は、新たな通信経路を決定するための従局112または無線端末装置202G宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。従局112または無線端末装置202は、1または複数種類の通信経路を介して受信したRREQメッセージに基づいて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、主局111が従局112または無線端末装置202Gまでの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは従局112または無線端末装置202Gまで送信されるので、主局111における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して従局112、無線端末装置202G、または無線端末装置202G以外の無線端末装置202であって従局112までの通信経路を有する無線端末装置202まで送信されるので、従局112、無線端末装置202G、または従局112までの通信経路を有する無線端末装置202では、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、従局112、無線端末装置202G、または従局112までの通信経路を有する無線端末装置202により選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが従局112、無線端末装置202G、または従局112までの通信経路を有する無線端末装置202から主局111までユニキャストで転送されることにより、主局111および従局112間の新たな通信経路を確立することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る従局112では、通信部130は、ネットワーク301B、1または複数の無線端末装置202およびネットワーク301Aを経由する通信経路を用いて主局111と通信可能であり、所定のルールに従って主局111と通信を行う。そして、再構築処理部63は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を従局112へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから従局112が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、従局112および主局111間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る従局112では、再構築処理部63は、新たな通信経路を決定するための主局111または無線端末装置202H宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。
このような構成により、従局112が主局111または無線端末装置202Hまでの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは主局111または無線端末装置202Hまで送信されるので、従局112における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して主局111または無線端末装置202Hまで送信されるので、主局111または無線端末装置202Hでは、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、主局111または無線端末装置202Hにより選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが主局111または無線端末装置202Hから従局112までそれぞれユニキャストで転送されることにより、従局112および主局111間の新たな通信経路を確立することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、複数の無線端末装置202は、通信の中継を行うことが可能である。従局112は、ネットワーク301B、1または複数の無線端末装置202およびネットワーク301Aを経由する通信経路を用いて主局111と通信可能であり、所定のルールに従って主局111と通信を行う。従局112は、所定のルールに反する状態が発生した場合、通信経路を変更するための処理を行う。
このような構成により、所定のルールに反する状態が発生したタイミングで通信経路の異常を認識することができるので、通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
これにより、異常が発生したことを検知した無線端末装置202が当該異常を従局112へ通知する構成と比べて、通信経路において異常が発生してから従局112が当該異常を認識するまでの時間を短縮することができるので、従局112および主局111間において、IPパケットの送受信ができない期間を短縮することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、従局112は、主局111から規則的に送信される自己の従局112宛のACKの到着状況に基づいて、通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する。
このような構成により、ACKの到着状況に基づいて、所定のルールに反する状態が発生したことを容易かつ迅速に認識することができるので、通信経路を変更するための処理を行うか否かの判断を効率よく行うことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、従局112は、所定のルールに反する状態の発生を検知すると、通信経路の変更を主局111または無線端末装置202Hに要求する。主局111または無線端末装置202Hは、従局112からの要求を受けて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、たとえば、主局111および無線端末装置202Hが所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合であっても、従局112と主局111または無線端末装置202Hとの間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。
言い換えると、従局112と主局111または無線端末装置202Hとの間の通信においては、少なくとも従局112が所定のルールに反する状態の発生を検知する機能を有していれば、従局112と主局111または無線端末装置202Hとの間の通信経路の変更の必要性を迅速に検知し、当該変更を行うことができる。すなわち、主局111および無線端末装置202Hの構成を簡素化することができるので、通信システム全体としてコストを低減することができる。
また、たとえば、主局111または無線端末装置202Hにおいて所定のルールに反する状態の発生を検知することができない場合でも、主局111または無線端末装置202Hでは、従局112からの要求を受けることにより所定のルールに反する状態が発生したことを認識することができるので、必要な処理を講じることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る通信システムでは、従局112は、新たな通信経路を決定するための主局111または無線端末装置202H宛の経路探索情報であるRREQメッセージをブロードキャストする。主局111または無線端末装置202は、1または複数種類の通信経路を介して受信したRREQメッセージに基づいて、新たな通信経路を決定する。
このような構成により、従局112が主局111または無線端末装置202Hまでの通信経路を把握していない場合でもRREQメッセージは主局111または無線端末装置202Hまで送信されるので、従局112における処理を簡素化することができる。
また、RREQメッセージが複数の通信経路を経由して主局111、無線端末装置202H、または無線端末装置202H以外の無線端末装置202であって主局111までの通信経路を有する無線端末装置202まで送信されるので、主局111、無線端末装置202H、または主局111までの通信経路を有する無線端末装置202では、受信した複数のRREQメッセージがたどった通信経路から適切な通信経路を選択することができる。
また、主局111、無線端末装置202H、または主局111までの通信経路を有する無線端末装置202により選択された通信経路に対応するRREQメッセージの応答であるRREPメッセージが主局111、無線端末装置202H、または主局111までの通信経路を有する無線端末装置202から従局112までユニキャストで転送されることにより、従局112および主局111間の新たな通信経路を確立することができる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システム403では、主局111および従局112は、それぞれネットワーク301Aおよび301Bを介して無線端末装置202と通信接続する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信システム403において、たとえば、主局111および従局112の少なくとも一方が、ネットワーク301を介さずに無線端末装置202と通信接続する構成であってもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20,30,110,130 通信部
11,21,31 アプリケーション
12,22,32 TCP処理部
13,23,33 IP処理部
14,24,34 WiFi MAC処理部
15,25,35 WiFi PHY処理部
16,26,36 AODV処理部
17 データベース
37 センサ
40,60 無線受信部
41,61 無線送信部
42 データ情報取得部
43,63 再構築処理部
44,64 ルール判断部
45,65 AODV制御部
46,66 記憶部
47,67 通信制御部
50,70 受信部
51,71 送信部
62 データ情報処理部
101,111 主局(通信装置)
102,112 従局(通信装置)
114,134 Ether MAC処理部
115,135 Ether PHY処理部
202 無線端末装置
301 ネットワーク
401,403 無線通信システム

Claims (8)

  1. 通信装置であって、
    1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、所定のルールに従って前記他の通信装置と通信を行う通信部と、
    前記所定のルールに反する状態が発生した場合、前記通信経路を変更するための処理を行う再構築処理部とを備え、
    前記再構築処理部は、前記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、前記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する判断処理を行い、
    前記通信装置は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作し、
    前記判断処理は、アプリケーションレイヤの処理である、通信装置。
  2. 前記再構築処理部は、新たな前記通信経路を決定するための前記他の通信装置または無線端末装置宛の経路探索情報をブロードキャストする、請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記通信装置は、さらに、
    複数種類の前記通信経路を記憶する記憶部を備え、
    前記再構築処理部は、前記所定のルールに反する状態が発生した場合、前記記憶部に記憶された複数種類の前記通信経路の中から新たな前記通信経路を選択し、
    前記通信部は、前記再構築処理部によって選択された前記通信経路を用いて前記他の通信装置と通信を行う、請求項1に記載の通信装置
  4. 通信の中継を行うことが可能な複数の無線端末装置と、
    1または複数の前記無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、所定のルールに従って前記他の通信装置と通信を行う通信装置とを備え、
    前記通信装置は、前記所定のルールに反する状態が発生した場合、前記通信経路を変更するための処理を行い、
    前記通信装置は、前記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、前記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する判断処理を行い、
    前記通信装置は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作し、
    前記判断処理は、アプリケーションレイヤの処理である、通信システム。
  5. 前記通信装置は、前記所定のルールに反する状態の発生を検知すると、前記通信経路の変更を前記他の通信装置または前記無線端末装置に要求し、
    前記他の通信装置または前記無線端末装置は、前記通信装置からの要求を受けて、新たな前記通信経路を決定する、請求項に記載の通信システム。
  6. 前記通信装置は、新たな前記通信経路を決定するための前記他の通信装置または前記無線端末装置宛の経路探索情報をブロードキャストし、
    前記他の通信装置または前記無線端末装置は、1または複数種類の前記通信経路を介して受信した前記経路探索情報に基づいて、新たな前記通信経路を決定する、請求項に記載の通信システム。
  7. 通信の中継を行うことが可能な複数の無線端末装置と、1または複数の前記無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能な通信装置とを備える通信システムにおける通信制御方法であって、
    前記通信装置が、所定のルールに従って前記他の通信装置と通信を行うステップと、
    前記通信装置が、前記所定のルールに反する状態が発生した場合、前記通信経路を変更するための処理を行うステップとを含み、
    前記通信経路を変更するための処理を行うステップにおいては、前記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、前記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する判断処理を行い、
    前記通信装置は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作し、
    前記判断処理は、アプリケーションレイヤの処理である、通信制御方法。
  8. 通信装置において用いられる通信制御プログラムであって、
    前記通信装置は、1または複数の無線端末装置を経由する通信経路を用いて他の通信装置と通信可能であり、
    コンピュータに、
    所定のルールに従って前記他の通信装置と通信を行うステップと、
    前記所定のルールに反する状態が発生した場合、前記通信経路を変更するための処理を行うステップとを実行させるためのプログラムであり、
    前記通信経路を変更するための処理を行うステップにおいては、前記他の通信装置から規則的に送信される自己の通信装置宛の通信信号の到着状況に基づいて、前記通信経路を変更するための処理を行うか否かを判断する判断処理を行い、
    前記通信装置は、複数レイヤを有するプロトコルに従って動作し、
    前記判断処理は、アプリケーションレイヤの処理である、通信制御プログラム。
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