以下に本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び参照する図面の記載において、同一又は類似の構成には、それぞれ同一又は類似の符号が付されている。
(1 前提)
「2」以降で説明する実施形態に共通の前提等について述べる。
以下の実施形態は、互いに通信可能なセンサネットワーク(通信には、例えばZigBeeや、Z−Wave、WiFi等の通信方式を用いることが可能である。しかし、これらの無線通信方式に限られるものではない。)を構成するセンサデバイスやアクチュエータデバイス(環境を変化させる動作を行う装置)等と、これらのセンサネットワーク内のデバイスと、センサネットワーク外の装置であるサーバやPC(Personal Computer)等との通信を中継処理するゲートウェイ(HGW:Home Gate Way、BGW:Building Gate Way等)とを含む通信ネットワークシステムに関する。そして、実施形態1及び実施形態2では、このような通信ネットワークシステムにおいて、例えばサーバがセンサデバイスを遠隔管理するために管理情報を取得する際に消費する電力の低減を図ることができる。また実施形態3では、管理情報の精度を保ちつつもセンサデバイスの遠隔管理において消費する電力の低減を図ることができる。
近年、スマートグリッドやM2M(Machine to Machine)ネットワーク、ホームネットワーク、オフィスネットワーク等の通信ネットワークシステムの分野において、センサデバイスやアクチュエータデバイス等に対して注目が集まっている。M2Mネットワークでは、オフィス、工場、家庭、自動車等のローカルエリアで刻々と変化する多量の環境情報(例えば、電力情報、温度情報、振動情報、音情報、放射線量等)を取得する為に、センサデバイスや環境情報測定装置が用いられることが多い。
これらセンサデバイスから得られた情報は、各ローカルエリア内に設置されるサーバ等の情報処理装置で扱われる他、インターネット網や3G(3rd Generation)網(あるいはLTE(Long Term Evolution)網も考えられる)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)網、PHS(Personal Handy−phone System)網、PLC(Power Line Communication)通信網等を介して外部のサーバにおいて処理されることがある。
例えば、各家庭にて得られた消費電力情報が、各家庭が備える情報処理装置で保存及び処理される他、電力供給を行う発電会社、送電会社、及び配電会社等が有するサーバにも送信され、サーバ内のアプリケーションで統合的に情報が処理されることが考えられる。
また、各ローカルエリアに設置されたアクチュエータデバイスも同様に、各ローカルエリアの情報処理装置で動作制御される他、インターネット網等を介して外部のサーバから制御される可能性もある。
特に、スマートグリッド分野では、電力スマートメータ、ガススマートメータ、及び水道スマートメータ等による自動検針や関連装置の遠隔制御や自動制御、その他の付加サービスが考えられており、これらのスマートメータがセンサデバイス及びアクチュエータデバイスとなり得る。以下、センサネットワークを構築するセンサデバイス及びアクチュエータデバイスを総称して「センサデバイス」と呼ぶことがある。
センサネットワークを用いたサービス提供を継続的に維持するには、センサデバイスの状態を継続的に管理する必要がある。なぜなら、センサデバイスの故障や不具合、整備不良はセンサデバイスを用いたサービスの障害となり得るからである。
しかしながら、センサデバイスを設置(配置)するエンドユーザ(多くの場合は、一般のコンシューマがエンドユーザに相当する)が、これらのセンサデバイスの管理に関する知識を持ち合わせていることは稀であり、また、このような知識を身につけるのも困難である。よって、センサデバイスの管理は、センサデバイスの管理知識を持つ専門業者などが、サーバ等から、センサデバイスを遠隔管理するのが好ましい。また、センサデバイスの遠隔管理には、標準的な技術を用いるのが好ましい。なぜならば、標準技術を用いることで、遠隔管理に関する汎用性を確保し、結果として様々なコストの節減を図ることができるためである。
ここで、標準的な遠隔管理に用いられる通信方式として、ブロードバンドルータ、STB(Set Top Box)、3G通信装置等を管理対象とするTR−069(Technical Report 069)やOMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)等の標準化された方式がある。これらの通信方式を用いた遠隔管理方式では、サーバが管理対象の装置と個々に通信し、サーバ側から、装置情報(管理情報)の入手や管理/制御に関する指示等を行うことにより、サーバで各端末を管理することができる。
(1.1 考えうるセンサデバイスの遠隔管理に係る実施形態)
従って、このような遠隔管理方式を用いてセンサデバイスを遠隔管理する場合、以下のような形態となることが考えられる。
まず、遠隔管理サーバ(TR−069サーバやOMA−DMサーバ等が該当し得る)が、ゲートウェイを中継して、センサネットワークを構成する1台以上のセンサデバイスを管理する通信システムのモデルを考える。ここで、遠隔管理サーバ及びゲートウェイは、定期的な間隔で各センサデバイスとユニキャスト通信することにより、遠隔管理を行う。これにより、遠隔管理サーバは、センサデバイスの状態を常時把握することが可能となる。
また、遠隔管理サーバが管理するセンサデバイスのパラメータとしては、例えば、製造ベンダ情報(ベンダ名、ベンダコード)、デバイスモデル名、製造番号、利用している電源の種別情報、電力残量情報(バッテリ残量情報)、ネットワークアドレス、MACアドレス、ルーティング情報、隣接リンク品質情報、保持するソフトウェアモジュール情報等が考えられる。
尚ここで、遠隔管理サーバとセンサデバイスとの間をゲートウェイが中継するのは、遠隔管理サーバとゲートウェイとの間の通信、及びゲートウェイとセンサデバイスとの間の通信とで、用いられる通信プロトコル及び通信方式が異なるためである。
ゲートウェイとセンサデバイスとの間の通信は、無線センサネットワーク上のマルチホップ通信により実現される。また、遠隔管理サーバの機能の全て或いは一部が従来のゲートウェイに備わることで、遠隔管理サーバが存在しない通信システムを考えることも可能である。
以下、ここで述べる通信システムでの遠隔管理方法を具体的に説明する。
遠隔管理サーバは、管理要求メッセージ(以下、「管理リクエスト」ともいう。)をゲートウェイへ送信する。管理要求メッセージを受信したゲートウェイは、管理要求メッセージを元に作成した管理情報要求メッセージを、管理対象のセンサデバイスへ送信する。センサデバイスは、自装置の状態情報(管理情報)を含む管理情報応答メッセージを作成し、ゲートウェイへ送信する。ゲートウェイは、受信した管理情報応答メッセージを元に管理応答メッセージ(以下「応答情報」ともいう。)を作成し、遠隔管理サーバへと送信する。
ここで、上述の通り、通常、ゲートウェイとセンサデバイスとの間では、管理情報要求メッセージ及び管理情報応答メッセージが、いずれもユニキャスト通信により送受信される。尚、管理情報の要求にかかるメッセージ伝播の効率化等を考慮し、管理情報要求メッセージがブロードキャスト又はマルチキャストにより送信されることもあり得る。例えば、全センサデバイスの状態管理を行うセンサデバイスの定期管理では、管理情報要求メッセージはブロードキャスト通信を用いるのが効率的である。
スマートグリッドやM2Mネットワークの分野でセンサデバイスを用いたサービスを継続的に維持するには、センサデバイスの遠隔管理だけでなく、省電力化も求められる。なぜならば、一般的に、無線通信を行うセンサデバイスはバッテリ駆動により動作するものが多いため、センサデバイスの電力消費をできるだけ抑制しなければ、これらのセンサデバイスから構築されるセンサネットワークを長時間駆動させることができないからである。
一方、センサデバイスの遠隔管理の際には、上述の通り定期的に管理情報要求メッセージ及びそれに対する管理情報応答メッセージの送受信が発生するため、この送受信を頻繁に行うと、過大な電力消費が発生し、センサネットワークの駆動時間を縮めかねない。特に、センサデバイスは、通信に関する電力の多くを通信に係る無線通信モジュールで消費するので、この送受信にかかる電力消費の発生は大きな課題となり得る。
よって、センサデバイスの遠隔管理を実現しつつも、センサデバイスの消費電力の抑制を図らなければならない。つまり、センサデバイスの遠隔管理に係る通信の通信トラヒックの抑制(低減)が必要である。ただし、むやみにセンサデバイスの遠隔管理に係る通信の通信トラヒックを抑制すると、センサデバイスの管理情報が不足して管理情報精度が低下するため、管理通信トラヒックの抑制は、ゲートウェイおよび遠隔管理サーバの管理情報の精度を考慮して行う必要がある。以下述べる実施形態は、この、遠隔管理に係る通信トラヒックの抑制を主たる目的の1つとしている。
(2 実施形態1)
図1乃至図9は、本発明の実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って本実施形態を説明する。まず、「2.1」で実施形態1全体の概要を示す。その上で、「2.2」で各装置の構成を、「2.3」で管理情報要求メッセージ及び管理情報応答メッセージの構成を、「2.4」では、装置管理に関する管理状態情報の構成を、それぞれ説明する。「2.5」では、処理の流れを説明する。最後に、「2.6」以降で、実施形態1に係る効果等を説明する。
(2.1 概要)
図1は、実施形態1に係る通信装置の具体例であるセンサデバイス及びゲートウェイを含む通信システムの概略構成を示している。図1に示すように、通信システム1は、センサデバイス100(個別のセンサデバイス100A乃至センサデバイス100Fに着目しない場合には、「センサデバイス100」として説明する。)、ゲートウェイ200、及び遠隔管理サーバ300を含んでいる。
センサデバイス100は、例えば、電力情報、温度情報、振動情報、音情報、放射線量等を含む環境情報を検出する装置であるセンサデバイス、又は環境を変化させる動作を行う装置であるアクチュエータデバイスであることが考えられる。センサデバイス100A乃至100Fは、センサネットワークN1を構成している。
ゲートウェイ200は、直接的又は間接的にセンサデバイス100と通信すると共に、インターネット網N2を介して遠隔管理サーバ300に接続される。尚、本実施形態では、ゲートウェイ200と遠隔管理サーバ300との間をインターネット網N2により接続される例に説明するが、接続方法はこれに限られるものではない。
遠隔管理サーバ300は、例えばサーバやPCなどであり、ゲートウェイ200を介してセンサデバイス100と遠隔管理通信することで、センサネットワークN1及びセンサデバイス100を遠隔的に管理することができる。
尚、実施形態1及び実施形態2を通じて、遠隔管理サーバ300とゲートウェイ200とを別装置として説明しているが、これに限られるものではない。例えば、遠隔管理サーバ300の機能の全て又は一部をゲートウェイ200が備えることで、遠隔管理サーバ300を含まないように通信システム1を構成することもできる。
以下、センサデバイス100及びゲートウェイ200間において、管理情報要求メッセージ400及び管理情報応答メッセージ500が送受信されることで行われる遠隔管理に係る処理を、図1を参照しながら説明する。
ゲートウェイ200は、遠隔管理サーバ300から、遠隔管理の指示(遠隔管理メッセージ/管理リクエスト)を受信すると、センサデバイス100の遠隔管理通信を開始する。この通信において、ゲートウェイ200は、各センサデバイス100A乃至100Fに対してブロードキャストにより管理情報要求メッセージ400を送信する。
尚、図1の例では、管理情報要求メッセージ400の伝播にブロードキャスト通信が用いられているが、これに限られるものではない。例えば、ユニキャスト通信やマルチキャスト通信を用いることも可能である。しかしながら、管理情報要求メッセージを各センサデバイスにユニキャスト通信で送信するよりも、ブロードキャスト通信で一斉送信した方が、メッセージの伝播効率がよく、一般的には電力消費を抑制できる。
実施形態1では、センサデバイス100は、ゲートウェイ200から送信された管理情報要求メッセージ400を受信した際に、管理情報要求メッセージ400に含まれる応答方法の指示を参照し、今回又は以前に受信した応答方法の指示に基づき、管理情報応答メッセージ500を作成し、ゲートウェイ200へと返信する。また、センサデバイス100は、この管理情報要求メッセージ400に含まれた応答方法を保持し続けるので、それ以降の管理情報要求メッセージ400に対しても、当該応答方法に従って処理する(管理情報応答メッセージ500の作成及び応答をする、またはしない)ことが可能となる。
図1に例を示す管理情報要求メッセージ400には、宛先としてブロードキャストアドレスである「0xFFFF」が、送信元としてゲートウェイ200のアドレスである「0x1234」が、管理命令として各センサデバイス100にパラメータのインスタンスの応答を指示する「パラメータ取得」が、命令対象のパラメータとして「電力残量情報」が、それぞれ指定されている。また、センサデバイス100に対して指示する応答方法として、「A、C,Fのセンサデバイスは、今回の管理情報要求メッセージから3回目の管理情報要求メッセージに応答すること」との内容が、管理情報要求メッセージ400内で指定されている。
管理情報要求メッセージ400を受信したセンサデバイス100B、100D、及び100Eは、応答方法に自装置向けの指示がないことを確認し、管理命令(パラメータ取得)と命令対象パラメータ(電力残量情報)とを参照することで、電力残量情報(バッテリ残量情報)の値を含む管理情報応答メッセージ500をゲートウェイ200へ送信(返信)する。
センサデバイス100Aが中継する管理情報応答メッセージ500(センサデバイス100B、100D、及び100Eがそれぞれ送信するので、センサデバイス100Aは計3つ中継する)には、宛先としてゲートウェイ200のアドレス「0x1234」が、送信元として、各センサデバイス100のアドレス(センサデバイス100Eであれば「0x000E」)が、管理応答としてパラメータ取得の命令に対する応答であることを示す「パラメータ応答」が、応答対象のパラメータとして「電力残量情報」が、パラメータのインスタンス値として、各センサデバイス100の電力残量値(センサデバイス100Eであれば「17830」)が、それぞれ含まれる。
一方、管理情報要求メッセージ400を受信したセンサデバイス100A、100C、及び100Fは、応答方法に自装置向けの指示があることを確認し、「A、C,Fのセンサデバイスは、今回の管理情報要求メッセージから3回目の管理情報要求メッセージに応答すること」との指示に従って、今回の管理情報要求メッセージ400には、応答しない。
ゲートウェイ200は、受信したセンサデバイス100B、100D、及び100Eに関する管理情報応答メッセージ500の情報を記憶すると共に、遠隔管理サーバ300へ、応答情報を通知(管理応答メッセージを送信)する。またゲートウェイ200は、定期管理の閾値を超えた時点(次の定期管理に入る直前)、或いは遠隔管理サーバ300に次の管理を指示された時点等に、未応答であるセンサデバイス100A、100C、及び100Fの応答情報を、以前にセンサデバイス100A、100C、及び100Fから取得(受信)していた管理状態情報に基づいて作成し、遠隔管理サーバ300へと送信する。
このように、センサデバイス100は、ゲートウェイ200から送信された管理情報要求メッセージ400に含まれる応答方法の指示に従い、管理情報要求メッセージ400へ応答するか否か(管理情報応答メッセージ500を送信するか否か)を判別する。
これにより、センサデバイス100は、管理情報要求メッセージ400の少なくとも一部に対しては応答しないことになり、結果として、遠隔管理通信における管理情報応答メッセージ500に係るトラヒックを抑制することが可能となる。
すなわち、ゲートウェイ200が、電力消費を抑制するように適切な応答方法を指定すれば、センサデバイス100の電力消費を低減し、結果として、センサネットワークN1全体の稼動寿命を延長することが可能となる。
また、ゲートウェイ200は、定められた時刻までに未応答のセンサデバイス100(管理情報応答メッセージ500を送信しなかったセンサデバイス100、又はパケットロス等により管理情報応答メッセージ500がゲートウェイ200に届かなかったセンサデバイス100)の応答情報を、保持している、該当センサデバイス100の過去の情報を元に作成することで、各センサデバイス100A乃至100Fの管理情報を遠隔管理サーバ300へ送信することができる。
従って、定期間隔でセンサデバイス100を管理する遠隔管理を実現しつつ、遠隔管理を実現する遠隔管理通信に係る通信トラヒックを抑制することで、センサネットワークN1及びセンサデバイス100の寿命を延ばすことが可能となる。
(2.2 各デバイスの構成)
以下、センサデバイス100の構成を「2.2.1」で説明し、ゲートウェイ200の構成を「2.2.2」で説明する。
(2.2.1 センサデバイス100の構成)
実施形態1に係るセンサデバイス100の構成について、図2を参照しながら説明する。図2において、実線の矢印は、各構成間の制御や参照、及び情報の流れを示す。
センサデバイス100は、管理情報要求メッセージ400を受信し、当該管理情報要求メッセージ400内で指示された応答方法に従って、以降の管理情報要求メッセージ400に対する管理情報応答メッセージ500を作成及び送信する。
センサデバイス100は、管理情報要求メッセージ400を受信する管理情報要求メッセージ受信部110、受信した管理情報要求メッセージ400の受理及び転送の要否を判別するパケット処理決定部120、管理情報要求メッセージ400内の応答方法の処理及び管理情報応答メッセージ500の作成を行う応答処理部130、センサデバイス100の状態情報であるセンサ情報141を記憶する記憶媒体である記憶部140、管理情報応答メッセージ500の送信及び管理情報要求メッセージ400の転送を行う管理情報メッセージ送信部150、及び他のセンサデバイス100と直接に通信するためのセンサデバイスインタフェース160とを含む。
管理情報要求メッセージ受信部110は、他のセンサデバイス100或いはセンサモジュールを搭載したゲートウェイ200から、自装置宛の管理情報要求メッセージ400を受信し、受信処理を行ったうえで、パケット処理決定部120へ、受信した管理情報要求メッセージ400に係るデータを渡す。尚、管理情報要求メッセージ400は、ユニキャストパケット、ブロードキャストパケット、マルチキャストパケットの何れでもよく、管理情報要求メッセージ受信部110は、自装置宛と判断できるものを全て受信する。
尚、管理情報要求メッセージ受信部110が受信する管理情報要求メッセージ400のフォーマットについては、図4を参照しながら後述する。
パケット処理決定部120は、管理情報要求メッセージ受信部110から、管理情報要求メッセージ400のデータを受取り、次の2つの処理を行う。
まず、パケット処理決定部120は、受け取ったデータを参照し、管理情報要求メッセージ400を転送するか否かを判断する。パケット処理決定部120は、受け取ったデータの情報に基づき、転送すべき管理情報要求メッセージ400であると判断した場合には、他のセンサデバイス100へ管理情報要求メッセージ400を送信(転送)すべく管理情報要求メッセージ400のデータを、管理情報メッセージ送信部150へ渡す。
尚、パケット処理決定部120は、転送するか否かの判断を、一般的なセンサネットワークのルーティングと同様のルールに従って行えばよい。すなわち、ユニキャストパケット及びマルチキャストパケットに対しては、自装置宛でなければ、定められた転送先に転送し、また、ブロードキャストパケットについては、定められたブロードキャスト方式に従って、隣接のセンサデバイス100へと転送すべく、パケット処理決定部120は判断すれば良い。
2番目の処理として、パケット処理決定部120は、受け取った管理情報要求メッセージ400に係るデータを、自装置で処理するか否か(受理するか否か)を判別する。パケット処理決定部120は、データを受理する場合(データを処理すべきと判断した場合)、受信した管理情報要求メッセージ400に係るデータを応答処理部130の応答決定部131へ渡す。一方、データを受理しない(自装置で処理しない)場合には、パケット処理決定部120は当該データを破棄する。
例えば、管理情報要求メッセージ400をユニキャストパケットとして受信した場合、宛先が自装置宛ではなければ、パケット処理決定部120は自装置で処理すべきでない(受理すべきでない)と判断することができる。一方、例えば管理情報要求メッセージ400をブロードキャストパケットとして受信した場合には、以前受信した管理情報要求メッセージ400と同一でなければ、パケット処理決定部120は自装置で処理すべき(受理すべき)と判断することができる。
その他、管理情報要求メッセージ400の受理処理に関する上位レイヤの判断として、特定のセンサデバイス100が中継した管理情報要求メッセージ400であれば受理或いは破棄する、送信したゲートウェイ200のアドレスを参照して受理或いは破棄する、または、管理情報要求メッセージ400のセキュリティ情報を参照して受理或いは破棄する、等の判断基準を考えることもできる。
応答処理部130は、パケット処理決定部120から受け取った管理情報要求メッセージ400のデータ内にある応答方法を参照し、応答方法の指示に従った応答方法を決定して記憶(保持)する。また、応答処理部130は、保持(記憶)した応答方法を参照し、今回受け取った管理情報要求メッセージ400に対して管理情報応答メッセージ500を送信するか否かを判断し、管理情報応答メッセージ500を送信すると判断した場合には、自装置のセンサ情報141を元に、管理情報応答メッセージ500を作成する。
応答処理部130は、応答方法を決定し、応答するべきか否かを判別する応答決定部131、応答方法を応答方法情報136として記憶(保持)すると共に、管理情報要求メッセージ400の受信回数等にかかるパラメータである応答方法計算情報137を記憶する記憶部135、管理情報応答メッセージ500を作成する管理情報応答メッセージ作成部133を含む。
応答決定部131は、パケット処理決定部120から受け取った管理情報要求メッセージ400のデータ内にある応答方法を参照し、当該応答方法の指示に従った応答方法を決定して、記憶部135内の応答方法情報136として記憶する。管理情報要求メッセージ400内に応答方法が指示されていない場合には、応答方法の決定及び応答方法情報136への記憶は行わない。
尚、応答決定部131は、記憶部135に複数の応答方法情報136を記憶することができるが、応答方法情報136として記憶された応答方法と矛盾する応答方法での対応を受信した場合には、優先度の高い応答方法を応答方法情報136として記憶し、優先度の低い応答方法は、応答方法情報136から削除する。ここで、優先度は、センサネットワークN1の運用ポリシーに基づき、運用者等が自由に設定することができるが、一般的には、新たに決定された応答方法の方が優先度が高い。
また、応答決定部131は、今回自装置が受信した管理情報要求メッセージ400に対して、今回及び以前に応答方法情報136として保持した応答方法、及び応答方法計算情報137に基づき、管理情報応答メッセージ500を送信するか否か、すなわち、管理情報要求メッセージ400に対して応答するか否かを判断する。応答決定部131は、今回自装置が受信した管理情報要求メッセージ400に対して管理情報応答メッセージ500を送信すると判断した場合、管理情報応答メッセージ作成部133に、管理情報応答メッセージ500の作成を指示する。
また、応答決定部131は、管理情報要求メッセージ400を受信したことにより、応答方法計算情報137を更新する。例えば、応答方法情報136として、「管理情報要求メッセージを2回受信してから管理情報応答メッセージを1回送信しろ」との応答方法を応答方法情報136として保持していた場合には、応答決定部131は、今回の管理情報要求メッセージ400の受信が何回目なのかを、応答方法計算情報137として記憶し、更新する。
尚、応答決定部131は、センサ情報(自装置の状態情報)の内容を応答条件に含む応答方法を受け取っている場合には、記憶部140のセンサ情報141を参照する。そして、応答決定部131は、参照したセンサ情報141の内容に応じて、記憶部135の応答方法計算情報137を更新する。
記憶部135が記憶する応答方法情報136は、応答決定部131から受け取った応答方法の内容を記憶するものである。また、応答方法計算情報137は、応答方法情報136と対応付けて管理されるパラメータである。応答方法計算情報137は、上述の通り、管理情報要求メッセージ400の受信に伴い、パラメータとして更新される。応答決定部131が採用する応答方法で定める閾値や適合値を応答方法計算情報137のパラメータが充足した場合、応答決定部131にて、管理情報要求メッセージ400に対して応答する旨の判断がなされる。尚、上述の通り、記憶部135は、応答方法情報136及びそれに関連する応答方法計算情報137の組を、1つ以上保持することができる。
管理情報応答メッセージ作成部133は、応答決定部131からの指示に従い、管理情報応答メッセージ500を作成する。管理情報応答メッセージ内の管理情報は、記憶部140が記憶するセンサ情報141(自装置の状態情報)を参照して作成する。尚、管理情報応答メッセージ500の最終宛先は、管理情報要求メッセージ400の送信元(例えば、ゲートウェイ200)である。管理情報応答メッセージ作成部133は、作成した管理情報応答メッセージ500を、管理情報メッセージ送信部150へと渡す。尚、管理情報応答メッセージ作成部133が作成する管理情報応答メッセージ500のフォーマットについては、図5を参照しながら後述する。
記憶部140が記憶するセンサ情報141は、上述の通り、自装置の状態情報である。センサ情報141に含まれる情報は、自装置に関するあらゆる情報であり、一例として、製造ベンダ情報(ベンダ名、ベンダコード)、デバイスモデル名、製造番号、利用している電源の種別情報、電力残量情報(バッテリ残量情報)、ネットワークアドレス、MACアドレス、ルーティング情報、隣接リンク品質情報、保持するソフトウェアモジュール等がある。
管理情報メッセージ送信部150は、パケット処理決定部120から転送を指示された管理情報要求メッセージ400、及び応答処理部130の管理情報応答メッセージ作成部133が作成した管理情報応答メッセージ500を、指定の宛先へと送信する。
センサデバイスインタフェース160は、他のセンサデバイス100、及びセンサモジュールを搭載した(センサデバイス用のインタフェースを備えた)ゲートウェイ200と、管理情報要求メッセージ400及び管理情報応答メッセージ500の送受信を行うためのインタフェースである。
なお、センサデバイス100は、一般的なデバイス(又は通信装置)が有する任意のハードウェア構成を備えることができ、例えば、制御部、記憶部(例えば、ハードウェアディスク)、メモリ(例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory))などを備えることができる。この場合、センサデバイス100が有する上記の各機能構成は、例えば、制御部が、記憶部又はメモリからプログラムを展開して実行することで実現することができる。もしくは、センサデバイス100は、上記の各機能構成を実現するための回路を備えても良い。以降で説明する実施形態についても同様である。
(2.2.2 ゲートウェイ200の構成)
実施形態1に係るゲートウェイ200の構成について、図3を参照しながら説明する。図3において、実線の矢印は、各構成間の制御や参照、及び情報の流れを示す。
ゲートウェイ200は、遠隔管理サーバ300から遠隔管理のリクエスト(管理要求メッセージ/管理リクエスト)を受信した際に、現在の各センサデバイス100に係る管理状態情報等から各センサデバイス100に指示する応答方法を決定し、当該応答方法を含んだ管理情報要求メッセージ400を作成及び送信する。
ゲートウェイ200は、遠隔管理サーバ300から指示を受け、遠隔管理の処理を行うデバイス管理部210、センサデバイス100の省電力遠隔処理を行う遠隔管理メッセージ処理部220、管理情報要求メッセージ400の送信処理を行う管理情報要求メッセージ送信部230、管理情報応答メッセージ500の受信処理を行う管理情報応答メッセージ受信部240、遠隔管理サーバ300等の外部サーバと通信するための外部接続インタフェース250、センサデバイス100と通信するためのセンサデバイスインタフェース260を含む。
デバイス管理部210は、遠隔管理サーバ300から遠隔管理の要求を受信し、当該要求が、センサデバイス100の遠隔管理を必要とする内容であれば、遠隔管理メッセージ処理部220の応答方法指示決定部221へ、センサデバイス100の遠隔管理を指示する。応答方法指示決定部221への指示には、どのセンサデバイス100に対する指示であり(特定のセンサデバイス100A乃至100Fに対する指示か、全てのセンサデバイス100に対する指示か、等)、どのような管理命令であり、かつどのようなパラメータを扱うか、等の内容が含まれる。
また、デバイス管理部210は、遠隔管理メッセージ処理部220の応答メッセージ処理部227から、センサデバイス100の遠隔管理の応答情報を受け取り、その応答情報を、遠隔管理サーバ300への応答として送信する。
遠隔管理メッセージ処理部220は、デバイス管理部210からセンサデバイス100の遠隔管理の指示を受け取り、電力消費を抑制しつつ好適な遠隔管理を行うための応答方法を決定して管理情報要求メッセージ400を作成すると共に、センサデバイス100から受信した管理情報応答メッセージ500に含まれる応答情報、及び受信しなかった未応答のセンサデバイス分の応答情報を適宜管理、作成、及び加工等し、デバイス管理部210へと当該応答情報を出力する。
遠隔管理メッセージ処理部220は、応答方法指示決定部221、管理状態情報224を記憶する記憶部223、管理情報要求メッセージ作成部225、及び応答メッセージ処理部227を含む。
応答方法指示決定部221は、デバイス管理部210からセンサデバイス100の遠隔管理の指示を受け取り、各センサデバイス100の応答方法を決定する。応答方法は、管理状態情報224として保持されている各センサデバイス100の管理状態や、センサネットワークN1の構成及び状態等を参照して、センサネットワークN1全体の電力消費を抑制しつつ、適切な遠隔管理をおこなえる方法を判断して、センサデバイス100毎に決定される。
応答方法指示決定部221は、決定した応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成するように、管理情報要求メッセージ作成部225へ指示する。尚、応答方法の決定にあたり、応答方法指示決定部221がいずれのセンサデバイス100にも応答方法を指示しない場合もある。この場合には、応答方法指示決定部221は、管理情報要求メッセージ400による応答方法の指定を行わない。
また、応答方法指示決定部221は、決定した応答方法(センサデバイス100に指示する応答方法)を、応答メッセージ処理部227へ通知する。
記憶部223は、応答メッセージ処理部227から受け取った、各センサデバイス100に関する管理状態情報224を記憶(保持)する。各センサデバイス100の管理状態情報224には、今回新たに入手した最新の情報に加えて、以前、各センサデバイス100から取得(受信)した過去の情報も併せて含まれる。管理状態情報224の具体例については、図6を参照しながら後述する。
管理情報要求メッセージ作成部225は、応答方法指示決定部221が決定した各センサデバイス100へ指示する応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成し、管理情報要求メッセージ送信部230へと渡す。尚、応答方法指示決定部221から、特に応答方法が指示されない場合には、管理情報要求メッセージ作成部225は、特に応答方法を記述しない。尚、管理情報要求メッセージ作成部225が作成する管理情報要求メッセージ400の具体的内容については、図4を参照しながら後述する。
応答メッセージ処理部227は、管理情報応答メッセージ受信部240から管理情報応答メッセージ500を受取り、この中に含まれるセンサデバイス100の管理情報(各センサデバイス100の管理状態情報224)を、記憶部223に管理状態情報224として記録する。また、応答メッセージ処理部227は、受け取った管理情報応答メッセージ500のフォーマットを変換する等、情報を整理した上で、デバイス管理部210へ出力する。もし、受け取った管理情報応答メッセージ500の中の管理パラメータに一部欠損等があれば、応答メッセージ処理部227は、該当するセンサデバイス100に対応する管理状態情報224を記憶部223から読込むと共に応答方法指示決定部221が決定した応答方法を参照して、欠損した情報を補う(加工する)。
また、定められた時刻(或いは定められた時間)までに管理情報応答メッセージ500を送信してこなかったセンサデバイス100が存在する場合には、応答メッセージ処理部227は、当該センサデバイス100に対応する管理状態情報224、及び応答方法指示決定部221から受け取った応答方法を参照して、管理情報応答メッセージ500に対応するデータを作成し、デバイス管理部210へ出力する。尚、定められた時刻(閾値時刻)としては、例えば、ゲートウェイ200内で独自に定めた時刻、遠隔管理サーバ300から与えられた時刻、遠隔管理サーバ300から次のサイクルの遠隔管理指示を受信した時刻等、色々と考えうるが、何れであっても良い。
管理情報要求メッセージ送信部230は、遠隔管理メッセージ処理部220の管理情報要求メッセージ作成部225から受取った管理情報要求メッセージ400の送信処理を行い、センサデバイス100へ送信する。
管理情報応答メッセージ受信部240は、センサデバイス100から管理情報応答メッセージ500を受信して受信処理をした後、管理情報応答メッセージ500のデータを応答メッセージ処理部227へ渡す。
外部接続インタフェース250は、ゲートウェイ200が遠隔管理サーバ300等の外部サーバと通信するためのインタフェースである。
センサデバイスインタフェース260は、ゲートウェイ200がセンサデバイス100と通信するためのインタフェースである。
なお、ゲートウェイ200は、一般的なデバイス(又は通信装置)が有する任意のハードウェア構成を備えることができ、例えば、制御部、記憶部(例えば、ハードウェアディスク)、メモリ(例えば、RAM、ROM)などを備えることができる。この場合、ゲートウェイ200が有する上記の各機能構成は、例えば、制御部が、記憶部又はメモリに記憶されたプログラムを展開して実行することで実現することができる。もしくは、ゲートウェイ200は、上記の各機能構成を実現するための回路を備えても良い。以降で説明する実施形態についても同様である。
(2.3 メッセージの構成)
次に、センサデバイス100が、ゲートウェイ200及び他のセンサデバイス100と送受信する管理情報要求メッセージ400及び管理情報応答メッセージ500のフォーマットについて、図4及び図5を用いて説明する。
(2.3.1 管理情報要求メッセージ400)
図4は、管理情報要求メッセージ400のフォーマットの一例を示す。管理情報要求メッセージ400は、宛先アドレス410、送信元アドレス430、管理内容450を含む。
宛先アドレス410は、管理情報要求メッセージ400の最終的な宛先となるセンサデバイス100のネットワークアドレスを示す。宛先アドレス410には、ユニキャストアドレス、マルチキャストアドレス、ブロードキャストアドレス、エニキャストアドレスのいずれも指定することができる。
送信元アドレス430は、管理情報要求メッセージ400の送信元センサデバイス、あるいは送信元のゲートウェイ200のセンサモジュールのネットワークアドレスを示す。
管理内容450は、センサデバイス100の遠隔管理に関するデータ群であり、遠隔管理の内容を示す管理命令451、遠隔管理の対象パラメータを示す管理パラメータ453、応答方法459を含む。
管理命令451は、管理情報要求メッセージ400が、宛先のセンサデバイス100に対して、どのような管理を行うかの命令が含まれる。管理命令451の内容としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
・センサデバイス100へ指定の管理パラメータに対するインスタンスの応答を指示。
・センサデバイス100へ指定の管理パラメータのインスタンスの設定を指示。
・センサデバイス100へ再起動を指示。
・センサデバイス100へ単純応答を指示(死活の管理のため)。
・センサデバイス100へ、デバイス内のソフトウェアモジュールのインストール、アンインストール、起動、又は停止を指示。
・センサデバイス100へ任意のソフトウェアモジュールのダウンロードを指示。
本実施形態1及び実施形態2での説明では、説明の簡単のため、主に管理命令451に「センサデバイス100へ指定の管理パラメータに対するインスタンスの応答を指示」が設定されている管理情報要求メッセージ400が送受信されている場合を例に説明している。すなわち、管理情報要求メッセージ400が、センサデバイス100に対して、センサデバイスの状態情報を要求する場合を例に説明している。しかしながら、他の命令が管理命令451に設定されていてもかまわない。つまり、どのような管理命令451が設定されていたとしても、センサデバイス100が、応答方法459で指示された応答方法に基づいて決定された応答方法に従って、管理情報応答メッセージ500を作成して応答する(若しくは応答しない)。
管理パラメータ453は、管理情報要求メッセージ400が扱うセンサデバイス100の状態情報に関するデータ群である。尚、管理パラメータ453は、管理命令451の種類によっては、存在しない場合がある。管理パラメータ453には、パラメータ455及びインスタンス457が含まれる。
パラメータ455は、センサデバイス100から取得する状態情報のパラメータ、あるいはセンサデバイス100へ設定する状態情報のパラメータを指定するためのものである。すなわち、製造ベンダ情報(ベンダ名、ベンダコード)、デバイスモデル名、製造番号、利用している電源の種別情報、電力残量情報(バッテリ残量情報)、ネットワークアドレス、MACアドレス、ルーティング情報、隣接リンク品質情報、保持するソフトウェアモジュール等の、センサデバイス100から取得したいパラメータ種別が、パラメータ455で指定される。
インスタンス457には、パラメータ455で指定されたパラメータ種別のインスタンス(実体、実体値)が記述される。例えば、パラメータ455にネットワークアドレスが指定されている場合、ネットワークアドレスの値が、インスタンス457に記述される。尚、インスタンス457は、管理命令451の種類や、パラメータ455の種類によっては、記述されない場合がある。
応答方法459は、センサデバイス100に対して、今回の管理情報要求メッセージ400の受信以降、どのように管理情報要求メッセージ400に対して応答すべきかの方法を指定するためのものである。応答方法459に記述される応答方法の一例としては、例えば以下のようなものが考えられる。尚、応答方法459には、以下の例を複数設定することも可能である。
また、応答方法459には、どのセンサデバイス100がどの応答方法を受理すべきかを指示する。(特に、図1に示すように、宛先アドレス410がブロードキャストアドレスである場合、下記する応答方法を受理すべきセンサデバイス100を指示する。)
・X回の管理情報要求メッセージ400に対して、Y回の管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、YはX以下の整数値。X=Yとすると、毎回応答する指示となる)。
・X回の管理情報要求メッセージ400の中で、N回目に管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、NはX以下の整数値。Nは複数回を指定可能であり、例えば1、3、5回目の応答を指示しても良い)。
・今回の管理情報要求メッセージ400の受信を起点に、Z回目の管理情報要求メッセージ400に対して管理情報応答メッセージ500を送信すること(Z回目の送信処理後に、本命例を繰り返して次のZ回目に応答するようにしても良い。例えば、Z回目の応答の後、起点となる受信からZ+Z回目の管理情報要求メッセージ400に対して応答しても良い)。
・今回以降の管理情報要求メッセージ400の中で、ある特定の管理パラメータ453、パラメータ455、又はインスタンス457を含む管理情報要求メッセージ400に対しては、管理情報応答メッセージ500を送信すること、或いは送信しないこと。
・今回の管理情報要求メッセージ400の受信を起点に、Z回目までの全ての管理情報要求メッセージ400に対して管理情報応答メッセージ500を送信すること(すなわち、Z回目以降の管理情報要求メッセージ400に対しては応答しなくて良い)。
・指定したセンサデバイス100のみ管理情報応答メッセージ500を送信すること、或いは送信しないこと(このとき、センサデバイス100の指定方法としては、ネットワークアドレスやMACアドレス、その他センサデバイス100の識別子による指定のほか、ゲートウェイ200からのホップ数による指定(Mホップ目まで、Mホップ目のみ、またはMホップ目以降等)、センサデバイス100の保持するアプリケーションによる指定、センサデバイス100の地理的位置情報による指定、等が考えられる)。
・管理情報要求メッセージ400に対して、Pの確率で管理情報応答メッセージ500を送信すること。
・管理情報要求メッセージ400の受信時、あるいはそれ以前の任意のタイミングにおいて、センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453の実測値(インスタンス)が、前回計測時と比べてW以上(又は以下)の変化である場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること。
・管理情報要求メッセージ400の受信時、あるいはそれ以前の任意のタイミングにおいて、センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453の実測値(インスタンス)が、閾値Vを上回っている(又は下回っていた)場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること。
・管理情報要求メッセージ400の受信時、あるいはそれ以前の任意のタイミングにおいて、センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453の実測値(インスタンス)に、新たな値(又は古い値)が設定されていた場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること。
・センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453に係る条件が、過去数回の計測においてU回以上(又は以下)成立した場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること。
尚、管理内容450の応答方法459にのみ情報が入り、他方の管理命令451、管理パラメータ453、パラメータ455、インスタンス457が空情報の管理情報要求メッセージ400もある。この場合、実質的に、管理情報要求メッセージ400は、センサデバイス100に対して管理情報を要求するのではなく、応答方法459を指示するためのメッセージとなる。
上記のような応答方法459情報のみの管理情報要求メッセージ400は、他の管理情報要求メッセージ400と同じように、ゲートウェイ200のデバイス管理部210、応答方法指示決定部221、及び管理情報要求メッセージ作成部225にて作成され、管理情報要求メッセージ送信部230にてセンサネットワークN1に送信処理される。
また、センサデバイス100において、上記のような応答方法459情報のみの管理情報要求メッセージ400は、他の管理情報要求メッセージ400と同じように、管理情報要求メッセージ受信部110にて受信処理され、パケット処理決定部120および応答決定部131の処理を経て、記憶部135に、応答方法情報136および応答方法計算情報137として保持される。
(2.3.2 管理情報応答メッセージ500)
続いて、図5を参照しながら、管理情報応答メッセージ500について説明する。図5は、管理情報応答メッセージ500のフォーマットの例を示す図である。
管理情報応答メッセージ500は、宛先アドレス510、送信元アドレス520、管理内容530を含む。
宛先アドレス510は、管理情報応答メッセージ500の最終的な宛先となるセンサデバイス100、或いはゲートウェイ200(のセンサモジュール)のネットワークアドレスである。
送信元アドレス520は、管理情報応答メッセージ500の送信元となるセンサデバイス100のネットワークアドレスである。
管理内容530は、センサデバイス100の遠隔管理に関するデータ群であり、遠隔管理の内容を示す管理応答531、遠隔管理の対象パラメータ種別を示す管理パラメータ533を含む。
管理応答531は、管理情報要求メッセージ400により自センサデバイス100に対して指示された管理の命令内容に対する応答内容が記述される。すなわち、どのような管理命令451に対して応答しているのか、が管理応答531に記述される。
管理パラメータ533は、管理情報応答メッセージ500が扱うセンサデバイス100の状態情報に関するデータ群である。管理パラメータ533には、パラメータ535、インスタンス537が含まれる。尚、管理パラメータ533は、管理応答531の種類によっては、存在しない場合がある。
パラメータ535は、センサデバイス100の状態情報のパラメータ種別を指定するためのものである。すなわち、製造ベンダ情報(ベンダ名、ベンダコード)、デバイスモデル名、製造番号、利用している電源の種別情報、電力残量情報(バッテリ残量情報)、ネットワークアドレス、MACアドレス、ルーティング情報、隣接リンク品質情報、保持するソフトウェアモジュール、等の種別が、パラメータ535により指定される。
インスタンス537には、パラメータ535で指定されたパラメータ種別のインスタンス(実体、実体値)が記述される。例えば、パラメータ535で、種別としてデバイスモデル名が指定されている場合、インスタンス537には、デバイスモデルの名前の文字列あるいは文字列コードが記述される。尚、インスタンス537は、管理応答531の種類や、パラメータ535の種類によっては、存在しない(記述されない)場合もある。
(2.4 管理状態情報224)
次に、ゲートウェイ200の記憶部223が記憶する管理状態情報224について、図6を参照しながら説明する。図6は、実施形態1に係るゲートウェイ200の記憶部223に記録される管理状態情報224の例である。
管理状態情報224は、ゲートウェイ200の応答方法指示決定部221が応答方法を決定する際や、応答メッセージ処理部227が欠損データの加工や未応答センサデバイスの応答情報を作成する際等に参照される情報である。
ここで、管理状態情報224は、センサデバイス100の管理状態を、例えば図6に例を示す表のような形で保持する。但し、管理状態情報224の管理形式は表に限られるものではなく、同様の機能を実現できる形であれば、リスト構造やツリー構造、リング構造等、どのような形式であっても良い。
管理状態情報224は、センサデバイスID224A、時刻224B、及び製造番号や電力残量情報等の管理パラメータ224Cを含む。管理状態情報224は、情報検索や情報挿入及び修正、削除において、センサデバイスID224A、時刻224B、管理パラメータ224Cのいずれの情報も、他の情報の鍵(キー)として使用することができる。例えば、センサデバイスID224Aをキーとして、新たな任意の時刻224B及び管理パラメータ224Cのデータを追加することができる。
センサデバイスID224Aは、センサデバイス100を固有に識別可能な識別子である。例えば、センサデバイスID224Aに用いられる情報の例としては、各センサデバイス100の通信モジュールに固有に割り当てられるMACアドレスや、或いはこれに相当する、装置固有の識別情報を使うことが考えられる。
時刻224Bは、各センサデバイス100から管理情報応答メッセージ500を受信した時刻(或いは、管理情報応答メッセージ500を受信して、管理状態情報224にその情報を登録する時刻)である。時刻224Bは、絶対時刻(年月日、及び時、分、秒、ミリ秒)で示しても良いし、ゲートウェイ200の起動時刻を基準とした相対時刻で示しても良い。図6の例では、絶対時刻で時刻224Bが表現されている。また、時刻224Bでの記述粒度(何ミリ秒まで記述するか、或いは何マイクロ秒まで記述するか等)は、自由に設定することが可能である。
管理パラメータ224Cは、各センサデバイス100から、時刻224に記載の時刻に取得した各センサデバイス100の状態情報である。状態情報としては、例えば、製造ベンダ情報(ベンダ名、ベンダコード)、デバイスモデル名、製造番号、利用している電源の種類情報、電力残量情報(バッテリ残量情報)、ネットワークアドレス、MACアドレス、ルーティン偽情報、隣接リンク品質情報、保持するソフトウェアモジュール、等が挙げられる。
(2.5 処理の流れ)
センサデバイス100及びゲートウェイ200の処理の流れを、図7及び図8をそれぞれ参照しながら説明する。
(2.5.1 センサデバイス100の処理の流れ)
センサデバイス100の処理の流れを、図7を用いて説明する。図7は、実施形態1に係るセンサデバイス100の処理の流れを示すフローチャートである。尚、センサデバイス100は、図7に係るフローチャートの終了後、再度この処理を実行しても良い。
管理情報要求メッセージ受信部110が管理情報要求メッセージ400を受信すると(S701)、パケット処理決定部120は、受信した管理情報要求メッセージ400が、転送する必要があるか否かを判別する(S703)。もし、受信した管理情報要求メッセージ400を転送する必要がある場合には(S703のYes)、管理情報メッセージ送信部150は、当該管理情報要求メッセージ400の転送処理を行う(S705)。
ここで、パケット処理決定部120による転送処理を行うか否かの判断は、一般的なセンサネットワークのルーティングと同様に行うことができる。たとえば、ユニキャストパケット及びマルチキャストパケットに対しては、自装置宛でなければ、パケット処理決定部120は、定められた転送先にパケットを転送すべく判断する。また、ブロードキャストパケットについては、パケット処理決定部120は定められたブロードキャスト方式に従い、隣接のセンサデバイス100に送信すべく判断する。
受信した管理情報要求メッセージ400が転送する必要がない場合(S703のNo)、若しくは転送処理が完了した場合(S705)には、パケット処理決定部120は、当該管理情報要求メッセージ400が、自装置で処理すべき要求メッセージであるか否かを判別する(S707)。例えば、管理情報要求メッセージ400をユニキャストパケットとして受信した場合は、パケット処理決定部120は、宛先が自装置宛でなければ処理すべきでないパケットであると判断することができる。一方で、例えば管理情報要求メッセージ400をブロードキャストパケットとして受信した場合は、パケット処理決定部120は、自装置で処理すべきパケットだと判断することができる。その他、前述の通り、管理情報要求メッセージ400の受理処理に関する上位レイヤの判断に基づく受理及び破棄の判断もあり得る。
受信した管理情報要求メッセージ400を、自装置で処理すべきでない(受理すべきでない)と判断された場合には、S701に戻り、センサデバイス100は次の管理情報要求メッセージ400の受信を待つ。
受信した管理情報要求メッセージ400を、自装置で処理すべき(受理すべき)と判断された場合には、応答決定部131にて、管理情報要求メッセージ400内に、応答方法の指示が含まれているか否かを判別する(S709)。
もし、受信した管理情報要求メッセージ400内に応答方法がある場合には(S709のYes)、当該応答方法と、記憶部135の応答方法情報136として記憶している、以前登録された応答方法とが、矛盾する内容であるか否かを応答決定部131は判断する(S711)。
もし、今回新たに指示された応答方法と、登録された応答方法とが矛盾する場合には、応答決定部131は、どちらの優先度が高いかを判断し(S713)、今回受信した管理情報要求メッセージ400により指示された応答方法の方が優先度が高い場合には(S713のYes)、応答決定部131は、当該応答方法を記憶部135に応答方法情報136として登録する(S715)。S713において、記憶部135に登録された応答方法の方が優先度が高い場合には、応答決定部131は、受信した管理情報要求メッセージ400により今回指示された応答方法を無視して、S717の処理に進む。
S711で、今回受信した管理情報要求メッセージ400で指示された応答方法と、応答方法情報136として登録済みの応答方法とが矛盾しない場合には(S711のNo)、応答決定部131は、今回の管理情報要求メッセージ400で指示された応答方法を、応答方法情報136に新たに記録(登録/更新)する(S715)。
S715で応答方法を新たに記録した後、S709で応答方法の指示がなかった場合(S709のNo)、又はS713で受信した管理情報要求メッセージ400の優先度が低かった場合には(S713のNo)、応答決定部131は、記憶部135に記録された応答方法情報136及び応答方法計算情報137に基づいて(S717)、今回の管理情報要求メッセージ400に対して応答すべきか否かを判断する(S719)。
S719において、例えば、今回を含めて、これまでに応答方法情報136として登録された応答方法が何も存在しない場合には、応答決定部131は、今回の管理情報要求メッセージ400に応答すべきであると判断することができる。また、応答方法情報136として登録された応答方法が存在し、当該応答方法に対応する応答方法計算情報137で管理されるパラメータが定められた閾値や適合値を満たしている場合には、管理情報要求メッセージ400に対して応答すべきであると、満たしていない場合には応答すべきでないと、応答決定部131は判断することができる。応答すべきでないと判断する場合には、センサデバイス100は、図7に係る一連の処理を終了する。
応答決定部131が、今回の管理情報要求メッセージ400に対して応答すると判断した場合には(S719のYes)、管理情報応答メッセージ作成部133は、記憶部140内の自装置の状態情報にかかるセンサ情報141を元に、管理情報応答メッセージ500を作成し、管理情報メッセージ送信部150はこれを送信する(S721)。
(2.5.2 ゲートウェイ200の処理の流れ)
続いて、ゲートウェイ200の処理の流れを、図8を用いて説明する。図8は、実施例2に係るゲートウェイ200の処理の流れを示すフローチャートである。尚、ゲートウェイ200は、図8に係るフローチャートの終了後、再度この処理を実行しても良い。
デバイス管理部210は、遠隔管理サーバ300から管理リクエストを受信したか否かを判別し(S801)、受信していない場合には(S801のNo)後述するS811の処理へ進む。
遠隔管理サーバ300から管理リクエストを受信した場合には(S801のYes)、デバイス管理部210は、受信した管理リクエストの内容を解析し、どのような管理情報要求メッセージ400を送信すべきかを判断すると共に、管理情報要求メッセージ400の作成に必要な情報を抽出する(S803)。
そして、応答方法指示決定部221は、作成するべき管理情報要求メッセージ400の内容(遠隔管理サーバ300からのリクエスト内容)と、センサデバイス100及びセンサネットワークN1の管理状態情報224とを元に、各センサデバイス100の応答方法(各センサデバイス100に指示する応答方法)を決定する(S805)。
決定したセンサデバイス100の応答方法(各センサデバイス100A乃至100Fにどのように応答すべきと指示したのか)は、ゲートウェイ200内で保持(記憶)しておくと共に(S807)、管理情報要求メッセージ作成部225は、決定した応答方法を元に管理情報要求メッセージ400を作成し、管理情報要求メッセージ送信部230はこれを送信する(S809)。
ステップ801で、遠隔管理サーバ300から管理リクエストを受信していない場合には(S801のNo)、管理情報応答メッセージ受信部240は、センサデバイス100から管理情報応答メッセージ500を受信したか否かを判別する(S811)。管理情報応答メッセージ500を受信していなかった場合には、後述のS819の処理へ移る。
もし、管理情報応答メッセージ500を受信した場合には(S811のYes)、応答メッセージ処理部227は、当該管理情報応答メッセージ500に欠損があるか否かを調べる(S813)。もし、一部にでも欠損があった場合には(S813のYes)、応答メッセージ処理部227は、該当するセンサデバイス100に関する管理状態情報224、及びセンサネットワークN1の管理状態情報、及びステップS807で記憶(保持)した応答方法を参照して、欠損データを補填(加工)する(S815)。
ステップS815の終了後、又はステップ813でNoであった場合、受信した管理情報応答メッセージ500のデータ(欠損があった場合には、欠損データが補填された後の管理情報応答メッセージ500のデータ)を元に(S813のNo、815)、応答メッセージ処理部227は応答情報を作成し、デバイス管理部210は当該応答情報を遠隔管理サーバ300へ送信する(S817)。
応答メッセージ処理部227は、定期間隔で行う遠隔管理の期間内において、定められた閾値時刻(管理情報応答メッセージ500の受信を受け付ける限界時刻)を途過したか否かを調べる。もし、閾値時刻を途過していなければ(S819のNo)、S801へ戻って、ゲートウェイ200は管理リクエストの新たな受信を判別する。
尚、閾値時刻は、ゲートウェイ200内で独自に定めた時刻、遠隔管理サーバ300から与えられた時刻、遠隔管理サーバ300から次のサイクルの遠隔管理指示を受信した時刻等の、いずれであっても良い。
もし、閾値時刻を経過して(S819のYes)、まだ未応答のセンサデバイス100が存在する場合には(管理情報応答メッセージ500を送信してこなかったセンサデバイス100、若しくはパケットロス等により管理情報応答メッセージ500をゲートウェイ200が受信することができなかったセンサデバイス100が存在する場合)、応答メッセージ処理部227は、該当するセンサデバイス100に対応する管理状態情報224、及びステップ807で記憶した応答方法を参照して、遠隔管理サーバ300へ応答する応答情報を作成(加工)する(S821)。
そして、デバイス管理部210は、応答メッセージ処理部227が作成した応答情報を、遠隔管理サーバ300へと送信する(S823)。
(2.6 本実施形態に係る効果)
以上説明したように、本実施形態1では、センサデバイス100が、ゲートウェイ200により送信された管理情報要求メッセージ400の応答方法の指示に従い、管理情報要求メッセージ400へ応答するか否か(管理情報応答メッセージ500を送信するか否か)を判別する。これにより、少なくとも一部の管理情報要求メッセージ400に対しては応答する必要がなくなり、結果として、遠隔管理通信における管理情報応答メッセージ500に係るトラヒックを抑制することが可能となる。
すなわち、ゲートウェイ200が、電力消費を抑制するように適切な応答方法を指定すれば、センサデバイス100の電力消費を低減し、結果として、センサネットワークN1全体の稼動寿命を延長することが可能となる。
また、ゲートウェイ200は、定められた時刻までに未応答のセンサデバイス100(管理情報応答メッセージ500を送信しなかったセンサデバイス100、又はパケットロス等により管理情報応答メッセージ500がゲートウェイ200に届かなかったセンサデバイス100)の応答情報を、該当センサデバイス100の過去の情報を元に作成することで、各センサデバイス100A乃至100Fの管理情報を遠隔管理サーバ300へ送信することができる。
従って、定期間隔でセンサデバイス100を管理する遠隔管理を実現しつつ、遠隔管理を実現する遠隔管理通信に係る通信トラヒックに係る電力消費を抑制できるため、センサネットワークN1及びセンサデバイス100の寿命を延ばすことが可能となる。
(3 実施形態2)
以下、実施形態2について説明する。尚、実施形態1と同一若しくは対応する構成については、実施形態1と同様の符号を付すと共に、説明を省略している場合がある。構成以外でも、作用、効果、及び処理内容等について、実施形態1と共通する部分については、説明を省略している。以下、実施形態1との相違点を中心に、説明を行う。
図9乃至図11は、本発明の実施形態2を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って本実施形態を説明する。まず、「3.1」で実施形態2全体の概要を示す。その上で、「3.2」でセンサデバイス100の構成を、「3.3」で処理の流れを説明する。最後に、「3.4」で実施形態2に係る効果等を説明する。
(3.1 概要)
実施形態2に係るセンサデバイス100は、管理情報要求メッセージ400を受信した際に、今回又は以前管理情報要求メッセージ400により指示された応答方法、又はセンサデバイス100の内部で独自に設定された応答方法に基づいて、管理情報応答メッセージ500を作成、送信する。
つまり、センサデバイス100が、応答方法の指示を含む管理情報要求メッセージ400を受信した際に、指示された応答方法を参照して保持することに加えて、任意のタイミングでセンサデバイス100の内部で独自に定めた応答方法を保持する点が、実施形態1との大きな違いである。
以下、図9を参照しながら実施形態2の概要(具体例)を説明する。
図9は、実施形態2に係る通信装置であるセンサデバイス100及びゲートウェイ200が含まれる、具体例に係る通信システム1の概略構成を示す図である。図9に示すように、本実施形態に係る通信システム1も、実施形態1と同様に、センサデバイス100、ゲートウェイ200、及び遠隔管理サーバ300を含む。各装置の大まかな機能等については、実施形態1とほぼ同様であるので、説明を省略する。
尚、図9の例では、通信システム1に遠隔管理サーバ300が含まれるが、実施形態1と同様に、遠隔管理サーバ300の機能の全て或いは一部がゲートウェイ200に備わることで、遠隔管理サーバ300が存在しない構成とすることも可能である。
任意のタイミングにおいて、センサデバイス100Cは、新たにローカルに自装置の応答方法(「管理情報要求メッセージ400に対して、毎回応答する」)を策定する。この応答方法は、以前から応答方法情報136として記憶している応答方法と矛盾しているため、センサデバイス100Cは、この以前から記憶している応答方法と、自装置で策定した応答方法との優先度を比較する。ここでは、センサデバイス100Cは、新たに策定した応答方法の方が優先度が高いものと判断し、新規に保持するものとする。以降の動作説明は、この処理が完了した後のものである。
ゲートウェイ200は、遠隔管理サーバ300から、遠隔管理の指示を受信し、センサデバイス100との遠隔管理通信を開始する。より具体的には、ゲートウェイ200は、各センサデバイス100A乃至100Fに対して、ブロードキャストによって管理情報要求メッセージ400を送信する。
尚、図9の例では、管理情報要求メッセージ400の伝播にブロードキャスト通信が用いられているが、これに限られるものではない。例えば、ユニキャスト通信やマルチキャスト通信を用いることも可能である。
図9に例を示す管理情報要求メッセージ400には、宛先としてブロードキャストアドレスである「0xFFFF」が、送信元としてゲートウェイ200のアドレスである「0x1234」が、管理命令として各センサデバイス100にパラメータのインスタンスの応答を指示する「パラメータ取得」が、命令対象のパラメータとして「電力残量情報」が、それぞれ指定されている。また、センサデバイス100に対する応答方法として、「A、C、Fのセンサデバイスは、今回の管理情報要求メッセージから3回目の管理情報要求メッセージに応答すること」との内容が、管理情報要求メッセージ400内で指定されている。
管理情報要求メッセージ400を受信したセンサデバイス100A及び100Fは、応答方法に自装置向けの指示があることを確認し、「A、C、Fのセンサデバイスは、今回の管理情報要求メッセージから3回目の管理情報要求メッセージに応答すること」との指示に従い、今回の管理情報要求メッセージ400に対して応答しない。
一方で、管理情報要求メッセージ400を受信したセンサデバイス100Cは、管理情報要求メッセージ400に含まれる応答方法(「今回から3回目の管理情報要求メッセージに応答すること」)と、自装置が保持する応答方法(ローカルで策定した応答方法であり、「管理情報要求メッセージには毎回応答すること」)とが矛盾することを判断する。センサデバイス100Cは、両応答方法の優先度を比較し、もし自装置が保持する応答方法の優先度が高いと判断した場合には、管理情報要求メッセージ400内で指示された応答方法を破棄する。そして、センサデバイス100Cは、管理命令451と命令対象のパラメータ455とを参照することで、電力残量情報(バッテリ残量情報)の値を含む管理情報応答メッセージ500を作成して送信する。
また、管理情報要求メッセージ400を受信したセンサデバイス100B、100E、及び100Dは、応答方法に自分向けの指示がないことを確認し、管理命令451と命令対象のパラメータ455とを参照することで、電力残量情報(バッテリ残量情報)の値を含めた管理情報応答メッセージ500を、ゲートウェイ200へ送信する。
センサデバイス100C、100B、100E、100Dが送信する管理情報応答メッセージ500には、宛先としてゲートウェイ200のアドレス「0x1234」、送信元として各センサデバイス100のアドレス(図9のセンサデバイス100Cの場合、「0x000C」)、管理応答としてパラメータ取得の命令に対する応答であることを示す「パラメータ応答」、応答対象のパラメータ種別として「電力残量情報」、パラメータのインスタンス値として、各デバイスの電力残量値(図9のセンサデバイス100Cの場合、「18188」)が、それぞれ含まれる。
ゲートウェイ200は、受信した管理情報応答メッセージ500の情報を保持すると共に、遠隔管理サーバ300へ応答情報を通知する。また、定期管理の閾値を超えた時点(次の定期管理に入る直前)、或いは遠隔管理サーバ300に次の管理を指示された時点等に、ゲートウェイ200は、未応答のセンサデバイス100A及び100Fの応答情報を、以前にセンサデバイス100A及び100Fから取得していた管理状態情報224に基づいて作成し、作成した応答情報を遠隔管理サーバ300へ通知する。
上述の通り、センサデバイス100は、ゲートウェイ200により送信された管理情報要求メッセージ400の応答方法、或いは任意のタイミングにおいてセンサデバイス100がローカルに策定した応答方法の指示に従って、管理情報要求メッセージ400への応答として管理情報応答メッセージ500を送信するか否かを判定する。
これにより、センサデバイス100は少なくとも一部の管理情報要求メッセージ400に対しては応答する必要がなくなるため、結果として、遠隔管理通信における、管理情報応答メッセージ500に係るトラヒックを抑制することが可能となる。
すなわち、ゲートウェイ200又はセンサデバイス100が、適切な応答方法を指定(選択)することで、センサデバイス100の電力消費を低減し、結果として、センサネットワークN1全体の稼動寿命を延ばすことが可能となる。
また、任意のタイミングにおいて、センサデバイス100内で応答方法をローカルに策定することによって、センサデバイス100の製造者や設置者、及び利用者のポリシーを反映した消費電力の抑制を実現することが可能となる。
また、ゲートウェイ200は、定められた時刻までに未応答のセンサデバイス100(管理情報応答メッセージ500を送信しなかったセンサデバイス100、又はパケットロス等により管理情報応答メッセージ500がゲートウェイ200に届かなかったセンサデバイス100)の応答情報を、保持している、当該センサデバイス100の過去の情報を元に作成することで、センサデバイス100A乃至100F全ての管理情報を、遠隔管理サーバ300へ送信することができる。
従って、定期間隔でセンサデバイス100を管理する遠隔管理を実現しつつ、センサデバイス100の製造者や設置者、及び利用者のポリシーを反映する形で、遠隔管理を実現する遠隔管理通信に係る通信トラヒックを抑えて、センサネットワークN1及びセンサデバイス100の寿命を延ばすことが可能となる。
(3.2 デバイスの構成)
本実施形態に係るセンサデバイス100の構成について、図10を参照しながら説明する。尚、図10において、実線の矢印は、各構成間の制御や参照、情報の流れを示す。
先述した通り、実施形態2に係るセンサデバイス100は、管理情報要求メッセージ400を受信し、当該管理情報要求メッセージ400内で指示された応答方法、及び、任意のタイミングに、センサデバイス100内で独自に定めた応答方法に従って、それ以降の管理情報要求メッセージ400に対する管理情報応答メッセージ500を作成及び送信する。
センサデバイス100は、管理情報要求メッセージ400を受信する管理情報要求メッセージ受信部110、受信した管理情報要求メッセージ400の受理及び転送を判別するパケット処理決定部120、管理情報要求メッセージ400内の応答方法の処理並びに管理情報応答メッセージ500の作成を行う応答処理部130、センサデバイス100の状態情報であるセンサ情報141を記憶する記憶媒体である記憶部140、管理情報応答メッセージ500の送信及び管理情報要求メッセージ400の転送を行う管理情報メッセージ送信部150、他のセンサデバイス100と直接に通信するためのセンサデバイスインタフェース160、及び、任意のタイミングで応答方法を設定する応答方法指示部170を含む。
管理情報要求メッセージ受信部110、及びパケット処理決定部120の機能及び他の機能との連携については、実施形態1と同様であるので説明を省略する。また、管理情報要求メッセージ受信部110で受信する管理情報要求メッセージ400のフォーマット等についても、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
応答処理部130は、パケット処理決定部120から受取った管理情報要求メッセージ400のデータ内にある応答方法を参照し、当該応答方法と、応答方法指示部170に指示された応答方法とから、応答方法を決定して記憶(保持)する。また、応答処理部130は、保持した応答方法を参照し、今回受取った管理情報要求メッセージ400に対して管理情報応答メッセージ500を送信するか否かを判断し、管理情報応答メッセージ500を送信すると判断した場合には、自装置のセンサ情報141を元に、管理情報応答メッセージ500を作成する。
応答処理部130は、応答方法を決定し、応答するべきか否かを判別する応答決定部131、応答方法を応答方法情報136として記憶(保持)すると共に、管理情報要求メッセージ400の受信回数等のパラメータである応答方法計算情報137を記憶する記憶部135、管理情報応答メッセージ500を作成する管理情報応答メッセージ作成部133を含む。
応答決定部131は、パケット処理決定部120から受取った管理情報要求メッセージ400のデータ内にある応答方法、或いは応答方法指示部170から指示された応答方法を参照し、最終的に選択する応答方法を決定して、記憶部135に応答方法情報136として記録する。
尚、応答決定部131は、記憶部135に複数の応答方法情報136を記憶させることができるが、応答方法情報136として記憶された応答方法と矛盾する応答方法での対応を決定した場合には、優先度の高い応答方法を応答方法情報136として記憶し、優先度の低い応答方法は、応答方法情報136から削除する。
ここで、優先度は、パケット処理決定部120から受取った管理情報要求メッセージ400のデータ内にある応答方法、及び応答方法指示部170から指示された応答方法のいずれに対しても、共通のものを用いる。優先度は、センサネットワークN1の運用ポリシーに基づき、運用者やセンサデバイス100の製造者及び設置者等が自由に設定できるが、一般的には、新たに決定された応答方法の方が優先度が高い。
また、応答決定部131は、今回自装置が受信した管理情報要求メッセージ400に対して、今回及び以前に応答方法情報136として保持した応答方法、及び応答方法計算情報137に基づき、管理情報応答メッセージ500を送信するか否か、すなわち、管理情報要求メッセージ400に対して応答するか否かを判断する。応答決定部131は、今回自装置が受信した管理情報要求メッセージ400に対して管理情報応答メッセージ500を送信すると判断した場合、管理情報応答メッセージ作成部133に、管理情報応答メッセージ500の作成を指示する。
また、応答決定部131は、管理情報要求メッセージ400を受信したことにより、応答方法計算情報137を更新する。例えば、応答方法情報136として、「管理情報要求メッセージを2回受信してから管理情報応答メッセージを1回送信しろ」との応答方法を保持していた場合には、応答決定部131は、今回の管理情報要求メッセージ400の受信が何回目なのかというパラメータを、応答方法計算情報137として記憶し、更新する。
尚、応答決定部131は、センサ情報(自装置の状態情報)の内容を応答条件に含む応答方法を受け取っている場合には、記憶部140のセンサ情報141を参照する。そして、応答決定部131は、参照したセンサ情報141の内容に応じて、記憶部135の応答方法計算情報137を更新する。
記憶部135が記憶する応答方法情報136及び応答方法計算情報137、並びに記憶部140が記憶するセンサ情報141の内容等は、実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
また、管理情報応答メッセージ作成部133、管理情報メッセージ送信部150、及び管理情報メッセージ送信部150の機能及び他の機能との連携については、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
応答方法指示部170は、任意のタイミングにおいて、自装置の応答方法を作成し、応答決定部131に、作成した応答方法を指示する。応答方法指示部170による応答方法の策定は、例えば、センサデバイス100の外部から直接に指示される場合や、センサデバイス100に予め設定されたアルゴリズム(応答方法の決定アルゴリズム)に基づき決定される場合等が考えられる。応答方法決定アルゴリズムの例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
・センサデバイス100のバッテリ残量が、定められた閾値を超えた場合に、何らかの応答方法を策定する。
・センサデバイス100のセンサ情報141の任意のパラメータが、定めた変動値内であれば、何らかの応答方法を策定する。
・センサデバイス100の製造者、設置者、及び利用者の定めた任意パラメータの応答限界回数ポリシーに従い、何らかの応答方法を策定する。
・センサデバイス100のゲートウェイ200までのホップ数によって、何らかの応答方法を策定する。
・センサデバイス100の備えるモジュール(アプリケーション)、或いは、アクティブになったモジュールに応じて、何らかの応答方法を策定する。
・センサデバイス100がゲートウェイ200までの中継処理を行うセンサデバイス100の数に応じて、何らかの応答方法を策定する。
・センサデバイス100が、ゲートウェイ200から受信した管理情報要求メッセージ400の応答方法を参照して、何らかの応答方法を策定する。
尚、応答方法指示部170が策定する応答方法は、実施形態1のゲートウェイ200が策定しうる応答方法と同様であるので、ここでは説明を省略する。
尚、実施形態1に係るセンサデバイス100と実施形態2にかかるセンサデバイス100とは、相互に通信することが可能である。
(3.3 処理の流れ)
次に、実施形態2に係るセンサデバイス100の、応答方法の策定に係る処理の流れを、図11を参照しながら説明する。図11は、センサデバイス100の動作を示すフローチャートである。尚、管理情報要求メッセージ400及び管理情報応答メッセージ500の送受信に関する一連の動作は、第1実施形態とほぼ同様であるので、ここでは説明を省略する。尚、センサデバイス100は、図11に係るフローチャートの終了後、再度この処理を実行しても良い。
応答方法指示部170は、任意のタイミングにおいて、応答方法を策定する(S1101)。応答方法の策定は、センサデバイス100の外部から直接指示される場合や、センサデバイス100が備えるアルゴリズム(応答方法決定アルゴリズム)により決定する場合等がある。
次に、応答決定部131は、応答方法指示部170が新たに策定した応答方法が、記憶部135に応答方法情報136として以前から保持する応答方法と矛盾する内容でないかを調べる(S1103)。両応答方法に矛盾がある場合には(S1103のYes)、応答決定部131は、どちらの優先度が高いかを判別する(S1105)。
この判別の結果、もし、応答方法指示部170が策定した応答方法の方が優先度が高ければ(S1105のYes)、当該応答方法を応答方法情報136として記憶部135に記録し、更新する。また、S1103で、応答方法指示部170が指示した応答方法と、応答方法情報136として記憶されている応答方法とが矛盾しない場合にも(S1103のNo)、応答決定部131は、当該応答方法を応答方法情報136として記憶部135に記録する(S1107)。
もし、記憶している応答方法よりも応答方法指示部170が策定した応答方法の方が優先度が低ければ(S1105のNo)、当該応答方法を破棄して一連の処理を終了する。
(3.4 本実施形態に係る効果)
上述の通り、センサデバイス100は、ゲートウェイ200により送信された管理情報要求メッセージ400の応答方法、或いは任意のタイミングにおいてセンサデバイス100がローカルに策定した応答方法の指示に従って、管理情報要求メッセージ400への応答として管理情報応答メッセージ500を送信するか否かを判定する。
これにより、センサデバイス100は少なくとも一部の管理情報要求メッセージ400に対しては応答する必要がなくなるため、結果として、遠隔管理通信における、管理情報応答メッセージ500に係るトラヒックを抑制することが可能となる。
すなわち、ゲートウェイ200又はセンサデバイス100が、適切な応答方法を指定(選択)することで、センサデバイス100の電力消費を低減し、結果として、センサネットワークN1全体の稼動寿命を延ばすことが可能となる。
また、任意のタイミングにおいて、センサデバイス100内で応答方法をローカルに策定することによって、センサデバイス100の製造者や設置者、及び利用者のポリシーを反映した消費電力の抑制を実現することが可能となる。
また、ゲートウェイ200は、定められた時刻までに未応答のセンサデバイス100(管理情報応答メッセージ500を送信しなかったセンサデバイス100、又はパケットロス等により管理情報応答メッセージ500がゲートウェイ200に届かなかったセンサデバイス100)の応答情報を、保持している、当該センサデバイス100の過去の情報を元に作成することで、センサデバイス100A乃至100F全ての管理情報を、遠隔管理サーバ300へ送信することができる。
従って、定期間隔でセンサデバイス100を管理する遠隔管理を実現しつつ、センサデバイス100の製造者や設置者、及び利用者のポリシーを反映する形で、遠隔管理を実現する遠隔管理通信に係る通信トラヒックを抑えて、センサネットワークN1及びセンサデバイス100の寿命を延ばすことが可能となる。
(4 実施形態3)
以下、実施形態3について説明する。尚、実施形態1、2と同一若しくは対応する構成については、実施形態1、2と同様の符号を付すと共に、説明を省略している場合がある。構成以外でも、作用、効果、及び処理内容等について、実施形態1、2と共通する部分については、説明を省略している。以下、実施形態1、2との相違点を中心に、説明を行う。
図12乃至図13及び図16は、本発明の実施形態3を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って本実施形態を説明する。まず、「4.1」で実施形態3全体の概要を示す。その上で、「4.2」でゲートウェイ200の構成を、「4.3」で処理の流れを説明する。最後に、「4.4」で実施形態3に係る効果等を説明する。
(4.1 概要)
実施形態3のゲートウェイ200は、自律的に適切な遠隔管理を行うべく、現在までの各センサデバイス100の管理状態情報224やセンサネットワークN1の構成及び状態等を参照し、各センサデバイス100に対して、管理状態情報の精度を高める必要があるか否かを判断する。ゲートウェイ200は、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法(すなわち、電力消費を犠牲にしてでも管理状態情報を取得するような応答方法)を決定し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法(すなわち、電力消費を抑制するような応答方法)を決定する。なお、管理状態情報の精度を高めるか否かの決定後、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。なお、応答方法の決定は任意のタイミングで行われる。例えば、現在の管理サイクルの終了時刻、ゲートウェイ200内で独自に定めた時刻、遠隔管理サーバ300から与えられた時刻、管理サイクル遠隔管理サーバ300より次のサイクルの遠隔管理指示を受信した時刻等のうち、いずれかのタイミングで応答方法を決定することができる。
例えば、応答メッセージ処理部227により、不足する応答情報(=管理状態情報)(すなわち、定められた時刻、或いは定められた時間までに管理情報応答メッセージ500を送信してこなかったセンサデバイス100の管理状態情報)が作成された場合、ゲートウェイ200は、この応答情報が作成された方法に応じて、不足する管理状態情報を現在適切に作成できているか否かをセンサデバイス100毎に確認する。ゲートウェイ200は、不適切と判断されたセンサデバイス100に対しては、応答の頻度を上げる応答方法を決定し、適切と判断されたセンサデバイス100に対しては、応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
なお、先述のとおり、何も応答方法を設定しないことを決定することもある。なお、不足する管理状態情報を作成する方法としては、各センサデバイス100の過去の管理状態情報224を用いて、最小二乗法を用いた回帰分析による推定、平均値による推定、単純に過去の値を採用する推定、カルマンフィルタを用いた推定など、様々なものを用いることができる。
より詳細な例を述べると、例えば、管理情報として隣接リンク品質情報を管理している場合において、ゲートウェイ200は、まず、あるセンサデバイス100からの応答で取得した隣接リンク品質情報と、同センサデバイス100が応答を返さなかったとした場合に応答メッセージ処理部227により作成される隣接リンク品質情報とを比較する。比較した結果、実際に取得した隣接リンク品質情報と応答メッセージ処理部227が作成する隣接リンク品質情報との間の差異が、許容できない乖離であることを示す所定の閾値以上である場合には(すなわち、応答の抑制の結果、該センサデバイス100が応答を返さない管理サイクルにおいても、応答メッセージ処理部227が作成した最終的な遠隔管理の結果となる管理状態情報の精度が十分でないだろうと判断できる場合には)、ゲートウェイ200は、該センサデバイス100に応答の頻度を上げる応答方法を決定する。そうでない場合には(すなわち、応答の抑制の結果、該センサデバイス100が応答を返さない管理サイクルにおいても、応答メッセージ処理部227が作成した最終的な遠隔管理の結果となる管理状態情報の精度が十分だろうと判断できる場合には)、ゲートウェイ200は、該センサデバイス100に応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
すなわち言い換えると、センサデバイス100およびセンサネットワークN1の遠隔管理に用いている、電力消費を抑制するために各センサデバイス100に指示した応答方法と、同応答方法により不足する管理状態情報を作成する作成方法とが、遠隔管理において適切に作用しているか否かを判断し、不適切であれば電力消費を犠牲にしてでも管理状態情報を取得するような応答方法を決定し、適切であれば電力消費を抑制するような応答方法を決定する。
上述のとおり、ゲートウェイ200は、自律的に、現在までの各センサデバイス100の管理状態情報224やセンサネットワークN1の構成及び状態、および応答方法指示決定部221で決定され各センサデバイスに指示された応答方法等を参照し、適切な遠隔管理を行うべく、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法を決定し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法を決定する。さらに、ゲートウェイ200は、決定した各センサデバイス100に対する応答方法を、次回の管理サイクル(遠隔管理サーバ300から遠隔管理のリクエストを受信した際などに開始する管理サイクル)等(次回に限らない)において、管理情報要求メッセージ400により各センサデバイス100に指示する。
これにより、電力消費を抑制するために応答を抑制する応答方法を用いた遠隔管理の結果、最終的に遠隔管理の結果となる管理状態情報の精度が低下することを避けることができる。さらに、同管理状態情報の精度を十分に保ちつつも、できる限り電力消費を抑制するような遠隔管理が可能となる。
(4.2 デバイスの構成)
本実施形態に係るゲートウェイ200の構成について、図12及び図16を参照しながら説明する。図12及び図16において、実線の矢印は、各構成間の制御や参照、情報の流れを示す。尚、図12は、ゲートウェイ200と他の通信装置であるセンサデバイス100及び遠隔管理サーバ300との接続関係を示しており、図16は、ゲートウェイ200単体での構成を示している。
先述したとおり、実施例3に係るゲートウェイ200は、自律的に、任意のタイミングにおいて、各センサデバイス100に対して応答頻度を上げる応答をするか、あるいは応答頻度を下げる応答をするかを決定し、決定後のいずれかの管理サイクル(遠隔管理サーバ300から遠隔管理のリクエストを受信した際などに開始する管理サイクル)において、各センサデバイス100に指示する応答方法として採用し、当該応答方法を含んだ管理情報要求メッセージ400を作成及び送信する。
ゲートウェイ200は、遠隔管理サーバ300から指示を受け、遠隔管理の処理を行うデバイス管理部210、センサデバイス100の省電力遠隔処理を行う遠隔管理メッセージ処理部220、管理情報要求メッセージ400の送信処理を行う管理情報要求メッセージ送信部230、管理情報応答メッセージ500の受信処理を行う管理情報応答メッセージ受信部240、遠隔管理サーバ300等の外部サーバと通信するための外部接続インタフェース250、センサデバイス100と通信するためのセンサデバイスインタフェース260を含む。
デバイス管理部210、管理情報要求メッセージ送信部230、管理情報応答メッセージ受信部240、外部接続インタフェース250、センサデバイスインタフェース260は、実施例1と同様であるので説明を省略する。なお、センサデバイス100は、実施例1または実施例2のいずれかを用いることができるため、ここでは説明を省略する。また、管理情報要求メッセージ400、管理情報応答メッセージ500のフォーマット等についても、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
遠隔管理メッセージ処理部220は、任意のタイミングにおいて、各センサデバイス100に対して応答頻度を上げる応答方法を設定するか、あるいは応答頻度を下げる応答方法を設定するかを決定し、デバイス管理部210からセンサデバイス100の遠隔管理の指示を受け取った際に、上記決定した応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成する。なお、ゲートウェイ200は、決定した応答方法をどのタイミングで送信される管理情報要求メッセージ400に含めて送信するかを決定する送信タイミング決定部を備えても良い。この場合、遠隔管理メッセージ処理部220は、送信タイミング決定部が決定したタイミングに従って、応答方法を決定し、決定した応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成する。
さらに、遠隔管理メッセージ処理部220は、センサデバイス100から受信した管理情報応答メッセージ500に含まれる応答情報、及び受信しなかった未応答のセンサデバイス分の応答情報を適宜管理、作成、及び加工等して管理状態情報とすると共に、デバイス管理部210へと当該応答情報(=管理状態情報)を出力する。
遠隔管理メッセージ処理部220は、応答方法指示決定部221、管理状態情報224を記憶する記憶部223、管理情報要求メッセージ作成部225、応答メッセージ処理部227、及び自律応答方法決定部228を含む。
応答方法指示決定部221は、デバイス管理部210からセンサデバイス100の遠隔管理の指示を受け取った際に、自律応答方法決定部228に各センサデバイスに指示すべき応答方法を確認し、自律応答方法決定部228にて決定された各センサデバイスに指示する応答方法を採用する。
応答方法指示決定部221は、採用した応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成するように、管理情報要求メッセージ作成部225へ指示する。尚、応答方法の採用にあたり、応答方法指示決定部221がいずれのセンサデバイス100にも応答方法を指示しない場合もある。この場合には、応答方法指示決定部221は、管理情報要求メッセージ400による応答方法の指定を行わない。
また、応答方法指示決定部221は、決定した応答方法(センサデバイス100に指示する応答方法)を、応答メッセージ処理部227へ通知する。
管理状態情報224を記憶する記憶部223、管理状態情報224、管理情報要求メッセージ作成部225については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
応答メッセージ処理部227は、管理情報応答メッセージ受信部240から管理情報応答メッセージ500を受取り、この中に含まれるセンサデバイス100の管理情報(各センサデバイス100の管理状態情報224)を、記憶部223に管理状態情報224として記録する。また、応答メッセージ処理部227は、受け取った管理情報応答メッセージ500のフォーマットを変換する等、情報を整理した上で、デバイス管理部210へ出力する。もし、受け取った管理情報応答メッセージ500の中の管理パラメータに一部欠損等があれば、応答メッセージ処理部227は、該当するセンサデバイス100に対応する管理状態情報224を記憶部223から読込むと共に応答方法指示決定部221が決定した応答方法を参照して、欠損した情報を補う(加工する)(すなわち、不足している情報を補填する)。当該情報が補われた管理パラメータは、デバイス管理部210へ出力されると共に、記憶部223に記録される。
また、応答メッセージ処理部227は、定められた時刻(或いは定められた時間)に、当該センサデバイス100に対応する管理状態情報224、及び応答方法指示決定部221から受け取った応答方法を参照して、管理情報応答メッセージ500に対応するデータ(管理状態情報)を作成する。応答メッセージ処理部227は、定められた時刻(或いは定められた時間)までに管理情報応答メッセージ500を送信してこなかった(もしくは、管理情報応答メッセージ500を送信したがゲートウェイ200により受信されなかった)センサデバイス100に関して(すなわち、現在の管理サイクルにおいて最新の管理状態情報が不足するセンサデバイス100に関して)、作成したデータを最終的な管理状態情報として(すなわち、不足している情報を補填して)デバイス管理部210へ出力すると共に、記憶部223に記録する。一方、応答メッセージ処理部227は、各センサデバイスが応答を返してきたか否かに関わらず、自律応答方法決定部228に、作成した各センサデバイスの管理状態情報を出力する。尚、定められた時刻(閾値時刻)としては、例えば、ゲートウェイ200内で独自に定めた時刻、遠隔管理サーバ300から与えられた時刻、遠隔管理サーバ300から次のサイクルの遠隔管理指示を受信した時刻、管理サイクルの終了時刻等、色々と考えうるが、何れであっても良い。
なお、不足する管理状態情報の作成方法は、先述のとおり、各センサデバイス100の過去の管理状態情報224を用いた最小二乗法を用いた回帰分析による推定、平均値による推定、単純に過去の値を採用する推定、カルマンフィルタを用いた推定など、様々なものを用いることができる。
自律応答方法決定部228は、記憶部223の管理状態情報224に保持する各センサデバイス100の管理状態情報およびセンサネットワークN1の構成及び状態と、応答メッセージ処理部227が作成した各センサデバイス100の管理状態情報から、自律的に各センサデバイス100の次回の管理サイクルの応答方法を決定する。先述のとおり、応答方法は、現在の各センサデバイス100の管理状態情報の精度が十分であるか否かから判断し、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法を決定し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法を決定する。なお、管理状態情報の精度を高めるか否かの決定後、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。
具体的な応答方法の決定の仕方の例を以下に記す。ただし、本実施の形態は以下の例に限るものではない。
あるセンサデバイス100からの応答で取得した応答情報(=管理状態情報)(以下、実管理情報と呼ぶ)と、応答メッセージ処理部227が管理状態情報224及び応答方法指示決定部221から受け取った応答方法を参照して作成した管理状態情報(以下、作成管理情報と呼ぶ)を用いて、下記のいずれかの処理を行う。なお、下記の処理は、1つ以上の複数を併せて実行することも可能である。
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報が、任意に定めた閾値Tより小さい(あるいは、T以下の)センサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)センサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報と作成管理情報との差分の絶対値(あるいは比率の絶対値)が、任意に定める閾値Tより小さい(あるいは、T以下である)センサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)センサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。
・センサデバイス100に関して、最新の実管理情報と任意のN回前(Nは1以上の整数)の実管理情報との差分の絶対値(あるいは比率の絶対値)が、現在までにおいて任意に定めるY回(Yは1以上の整数)だけ(あるいはY回連続して)、任意に定める閾値Tより小さい(あるいは、T以下である)場合には応答の頻度を下げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)場合には応答の頻度を上げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。(すなわち、あるセンサデバイス100の、最新とN回前の実管理情報が閾値Tを下回ったか上回ったかをカウントし、カウント回数がY回になった場合に応答の頻度の上げ下げを決定する。)
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報が、本来その管理状態情報が取るはずのない値(すなわち異常値やバグ値など)であるセンサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を、逆に正常値であるセンサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
・センサネットワークN1のトポロジを把握した上で、特にゲートウェイを頂点とするマルチホップツリートポロジにおいて、すべての子および孫センサデバイス100から実管理情報の応答がないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げる応答方法を決定し、逆にいずれかの子および孫センサデバイス100から実管理情報の応答があるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
上記のいずれの処理方法においても、先述したとおり、管理状態情報の精度を高める応答方法とするか否かの決定後(あるいは決定の最中に)、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。
また、応答の頻度を上げる応答方法はどのような方法を用いてもかまわない。具体例としては、実施例1に記載の応答方法459の例において、次のような方法を用いることができる。
・X回の管理情報要求メッセージ400に対して、Y回の管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、YはX以下の整数値。X=Yとすると、毎回応答する指示となる)、という応答方法の、YとXの差(や比)を小さくする(あるいはX=Yとする)。
・X回の管理情報要求メッセージ400の中で、N回目に管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、NはX以下の整数値。Nは複数回を指定可能であり、例えば1、3、5回目の応答を指示しても良い)、という応答方法の、Nの指定する回数を増やすか、あるいはXを小さくする。
・指定したセンサデバイス100のみ管理情報応答メッセージ500を送信すること、或いは送信しないこと(このとき、センサデバイス100の指定方法としては、ネットワークアドレスやMACアドレス、その他センサデバイス100の識別子による指定のほか、ゲートウェイ200からのホップ数による指定(Mホップ目まで、Mホップ目のみ、またはMホップ目以降等)、センサデバイス100の保持するアプリケーションによる指定、センサデバイス100の地理的位置情報による指定、等が考えられる)、という応答方法を設定することで、送信するべきセンサデバイスとして指定する。
・管理情報要求メッセージ400の受信時、あるいはそれ以前の任意のタイミングにおいて、センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453の実測値(インスタンス)が、閾値Vを上回っている(又は下回っていた)場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること、という応答方法の、Vの値を大きくあるいは小さくする。
また、応答の頻度を下げる応答方法もどのような応答方法を用いてもかまわず、具体的には、上記の応答頻度を上げる具体例と逆の設定をすればよい。
自律応答方法決定部228は、決定した各センサデバイス100の応答方法を保持し、応答方法指示決定部221からの確認(問い合わせ)に対して、保持する応答方法を返す。
(4.3 処理の流れ)
次に、実施形態3に係るゲートウェイ200の、応答方法の決定に係る処理の流れを、図13を参照しながら説明する。図13は、ゲートウェイ200の動作を示すフローチャートである。尚、図13は、第1実施形態の図8におけるS805に相当する部分の動作に関する。一方、実施形態3に係るゲートウェイ200の一連の動作において、図8のS805以外の動作は、第1実施形態の図8とほぼ同様であるので、ここでは説明を省略する。
自律応答方法決定部228は、任意のタイミングにおいて応答方法の決定処理を開始し、すべての管理対象のセンサデバイス100の決定処理を試みるべく、処理済センサデバイス100のチェックを初期化する。(S1201)
全ての管理対象のセンサデバイス100に対して応答方法の決定処理をした場合は(S1202のYes)、決定した各センサデバイス100の応答方法を保持し、外部の機能へ同応答方法を公開する(S1207)。一方、決定処理すべきセンサデバイス100が残っている場合は(S1202のNo)、次のセンサデバイス100の応答方法の決定処理に進む。
センサデバイス100に関して、管理状態情報の精度を高める必要があるか否かを確認し、管理状態情報の精度を高める必要があると判断した場合には(S1203のYes)、応答の頻度を上げるような応答方法を決定し(S1204)、一方で管理状態情報の精度を高める必要がないと判断した場合には(S1203のNo)、応答の頻度を下げるような応答方法を決定する(S1205)。なお、S1204、S1205のいずれにおいても、応答方法の決定の結果(あるいは決定の最中に)、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定してもよい。S1203、S1204、S1205の一連の応答方法決定処理に関して、具体的な処理例を以下に記す。ただし、本実施の形態は以下の例に限るものではない。
あるセンサデバイス100からの応答で取得した応答情報(=管理状態情報)(以下、実管理情報と呼ぶ)と、応答メッセージ処理部227が管理状態情報224及び応答方法指示決定部221から受け取った応答方法を参照して作成した管理状態情報(以下、作成管理情報と呼ぶ)を用いて、下記のいずれかの処理を行う。なお、下記の処理は、1つ以上の複数を併せて実行することも可能である。
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報が、任意に定めた閾値Tより小さい(あるいは、T以下の)センサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)センサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報と作成管理情報との差分の絶対値(あるいは比率の絶対値)が、任意に定める閾値Tより小さい(あるいは、T以下である)センサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)センサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。
・センサデバイス100に関して、最新の実管理情報と任意のN回前(Nは1以上の整数)の実管理情報との差分の絶対値(あるいは比率の絶対値)が、現在までにおいて任意に定めるY回(Yは1以上の整数)だけ(あるいはY回連続して)、任意に定める閾値Tより小さい(あるいは、T以下である)場合には応答の頻度を下げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)場合には応答の頻度を上げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。(すなわち、あるセンサデバイス100の、最新とN回前の実管理情報が閾値Tを下回ったか上回ったかをカウントし、カウント回数がY回になった場合に応答の頻度の上げ下げを決定する。)
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報が、本来その管理状態情報が取るはずのない値(すなわち異常値やバグ値など)であるセンサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を、逆に正常値であるセンサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
・センサネットワークN1のトポロジを把握した上で、特にゲートウェイを頂点とするマルチホップツリートポロジにおいて、すべての子および孫センサデバイス100から実管理情報の応答がないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げる応答方法を決定し、逆にいずれかの子および孫センサデバイス100から実管理情報の応答があるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
上記のいずれの処理方法においても、先述したとおり、管理状態情報の精度を高める応答方法とするか否かの決定後(あるいは決定の最中に)、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。
また、応答の頻度を上げる応答方法は、実施例1に記載の応答方法459を用いるなど、どのような方法を用いてもかまわない。具体例としては、実施例1に記載の応答方法459の例において、次のような方法を用いても良い。
・X回の管理情報要求メッセージ400に対して、Y回の管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、YはX以下の整数値。X=Yとすると、毎回応答する指示となる)という応答方法の、YとXの差(や比)を小さくする(あるいはX=Yとする)。
・X回の管理情報要求メッセージ400の中で、N回目に管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、NはX以下の整数値。Nは複数回を指定可能であり、例えば1、3、5回目の応答を指示しても良い)という応答方法の、Nの指定する回数を増やすか、あるいはXを小さくする。
・指定したセンサデバイス100のみ管理情報応答メッセージ500を送信すること、或いは送信しないこと(このとき、センサデバイス100の指定方法としては、ネットワークアドレスやMACアドレス、その他センサデバイス100の識別子による指定のほか、ゲートウェイ200からのホップ数による指定(Mホップ目まで、Mホップ目のみ、またはMホップ目以降等)、センサデバイス100の保持するアプリケーションによる指定、センサデバイス100の地理的位置情報による指定、等が考えられる)という応答方法を設定することで、送信するべきセンサデバイスとして指定する。
・管理情報要求メッセージ400の受信時、あるいはそれ以前の任意のタイミングにおいて、センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453の実測値(インスタンス)が、閾値Vを上回っている(又は下回っていた)場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること、という応答方法の、Vの値を大きく、あるいは小さくする。
また、応答の頻度を下げる応答方法もどのような応答方法を用いてもかまわず、具体的には、上記の応答頻度を上げる具体例と逆の設定をすればよい。
その後、次のセンサデバイス100にチェックをして(S1206)、すべての管理対象のセンサデバイス100の決定処理を試みるべくS1202へ進む。
(4.4 本実施形態に係る効果)
上述の通り、センサデバイス100は、ゲートウェイ200により送信された管理情報要求メッセージ400の応答方法、或いは任意のタイミングにおいてセンサデバイス100がローカルに策定した応答方法の指示に従って、管理情報要求メッセージ400への応答として管理情報応答メッセージ500を送信するか否かを判定する。
これにより、センサデバイス100は少なくとも一部の管理情報要求メッセージ400に対しては応答する必要がなくなるため、結果として、遠隔管理通信における、管理情報応答メッセージ500に係るトラヒックを抑制することが可能となる。
すなわち、ゲートウェイ200又はセンサデバイス100が、適切な応答方法を指定(選択)することで、センサデバイス100の電力消費を低減し、結果として、センサネットワークN1全体の稼動寿命を延ばすことが可能となる。
また、ゲートウェイ200は、定められた時刻までに未応答のセンサデバイス100(管理情報応答メッセージ500を送信しなかったセンサデバイス100、又はパケットロス等により管理情報応答メッセージ500がゲートウェイ200に届かなかったセンサデバイス100)の応答情報を、保持している、当該センサデバイス100の過去の情報を元に作成することで、センサデバイス100A乃至100F全ての管理情報を、遠隔管理サーバ300へ送信することができる。
さらに、ゲートウェイ200が自律的に、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法を指示し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法を指示するため、遠隔管理を継続する上で、管理状態情報の精度を保つことが可能となる。
従って、センサネットワークの運用において十分な管理状態情報の精度を保つことにより定期間隔でセンサデバイス100を管理する適切な遠隔管理を実現しつつ、遠隔管理を実現する遠隔管理通信に係る通信トラヒックを抑えて、センサネットワークN1及びセンサデバイス100の寿命を延ばすことが可能となる。
(5 実施形態4)
以下、実施形態4について説明する。尚、実施形態1、2、3と同一若しくは対応する構成については、実施形態1、2、3と同様の符号を付すと共に、説明を省略している場合がある。構成以外でも、作用、効果、及び処理内容等について、実施形態1、2、3と共通する部分については、説明を省略している。以下、実施形態1、2、3との相違点を中心に、説明を行う。
図14乃至図15は、本発明の実施形態4を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って本実施形態を説明する。まず、「5.1」で実施形態4全体の概要を示す。その上で、「5.2」でゲートウェイ200の構成を、「5.3」で処理の流れを説明する。最後に、「5.4」で実施形態4に係る効果等を説明する。
(5.1 概要)
実施形態4のゲートウェイ200は、自律的に、現在までの各センサデバイス100の管理状態情報224やセンサネットワークN1の構成及び状態等を参照し、適切な遠隔管理を行うべく、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法を決定し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法を決定する。そして、決定した応答方法をいずれの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知するかを決定する。一例としては、決定した応答方法を直近の管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できるか否かを判断し、通知できる場合は、決定した応答方法と対象のセンサデバイス100を直近の管理サイクルの送信内容として保持し、通知できない場合は、決定した応答方法と対象のセンサデバイス100を次回以降の送信可能な管理サイクルの送信内容として保持する。なお、管理状態情報の精度を高めるか否かの決定後、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。なお、応答方法の決定は任意のタイミングで良く、現在の管理サイクルの終了時刻、ゲートウェイ200内で独自に定めた時刻、遠隔管理サーバ300から与えられた時刻、管理サイクル遠隔管理サーバ300より次のサイクルの遠隔管理指示を受信した時刻等いずれでもよい。
例えば、管理サイクルNにおいて管理状態情報の精度を確認した結果、センサデバイス100Aには応答の頻度を上げる応答方法が、センサデバイス100Bには応答の頻度を下げる応答方法が決定されたとする。管理サイクルN+1においては応答の頻度を上げる応答方法のみセンサネットワークN1に通知できる場合、ゲートウェイ200は、管理サイクルN+1において、センサデバイス100Aに対して応答の頻度を上げる応答方法を送信するような内容を保持し、一方で管理サイクルN+2以降(例えば管理サイクルN+2や管理サイクルN+3)において、センサデバイス100Bに対して応答の頻度を下げる応答方法を送信するような内容を保持する。ゲートウェイ200は、管理サイクルN+1において、保持した該内容を参照し、センサデバイス100Aに関して応答の頻度を上げる応答方法を付加した管理情報要求メッセージ400をセンサネットワークN1に送信し、管理サイクルN+2以降(例えば管理サイクルN+2)において、保持した内容を参照し、センサデバイス100Bに関して応答の頻度を下げる応答方法を付加した管理情報要求メッセージ400をセンサネットワークN1に送信する。
これにより、管理情報要求メッセージ400や管理情報応答メッセージ500のパケットサイズの限界や通信環境の影響(遅延、帯域、ロス率など)、及び運用ポリシなどにより、決定したものの1つの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できない分の、センサデバイス100と応答方法のセットを他の管理サイクルで通知できるようになるために、管理状態情報の精度を確認した結果、複数のセンサデバイス100に異なる応答方法が決定された場合にも、最終的に、決定した全ての応答方法をセンサネットワークN1に通知することができる。
なお、1つの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できる決定したセンサデバイス100と応答方法のセットは、1つ以上の複数である。また、センサデバイス100と応答方法はN対Nの関係であり、例えば1つの応答方法に複数のセンサデバイス100が関連付けられることがある。
(5.2 デバイスの構成)
本実施形態に係るゲートウェイ200の構成について、図14を参照しながら説明する。尚、図14において、実線の矢印は、各構成間の制御や参照、情報の流れを示す。
先述したとおり、実施例4に係るゲートウェイ200は、自律的に、任意のタイミングにおいて、各センサデバイス100に対して応答頻度を上げる応答をするか、あるいは応答頻度を下げる応答をするかを決定し、決定後の管理サイクル(遠隔管理サーバ300から遠隔管理のリクエストを受信した際などに開始する管理サイクル)において、各センサデバイス100に指示する応答方法として採用し、当該応答方法を含んだ管理情報要求メッセージ400を作成及び送信する。このとき、一例として、決定した応答方法を直近の管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できるか否かを判断し、通知できる場合は、決定した応答方法と対象のセンサデバイス100を直近の管理サイクルの送信内容として保持し、通知できない場合は、決定した応答方法と対象のセンサデバイス100を次回以降の送信可能な管理サイクルの送信内容として保持し、その結果に従って、管理情報要求メッセージ400を作成及び送信を行う。
ゲートウェイ200は、遠隔管理サーバ300から指示を受け、遠隔管理の処理を行うデバイス管理部210、センサデバイス100の省電力遠隔処理を行う遠隔管理メッセージ処理部220、管理情報要求メッセージ400の送信処理を行う管理情報要求メッセージ送信部230、管理情報応答メッセージ500の受信処理を行う管理情報応答メッセージ受信部240、遠隔管理サーバ300等の外部サーバと通信するための外部接続インタフェース250、センサデバイス100と通信するためのセンサデバイスインタフェース260を含む。
管理情報要求メッセージ送信部230、管理情報応答メッセージ受信部240、外部接続インタフェース250、センサデバイスインタフェース260は、実施例1、3と同様であるので説明を省略する。なお、センサデバイス100は、実施例1あるいは実施例2のいずれかを用いることができるため、ここでは説明を省略する。また、管理情報要求メッセージ400、管理情報応答メッセージ500のフォーマット等についても、実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
デバイス管理部210は、遠隔管理サーバ300から遠隔管理の要求を受信し、当該要求が、センサデバイス100の遠隔管理を必要とする内容であれば、遠隔管理メッセージ処理部220の応答方法指示決定部221へ、センサデバイス100の遠隔管理を指示する。応答方法指示決定部221への指示には、どのセンサデバイス100に対する指示であり(特定のセンサデバイス100A乃至100Fに対する指示か、全てのセンサデバイス100に対する指示か、等)、どのような管理命令であり、かつどのようなパラメータを扱うか、等の内容が含まれる。
また、デバイス管理部210は、遠隔管理メッセージ処理部220の自律応答方法決定部228の管理サイクル対応部229へ、デバイス管理部210として意識する管理サイクルがどのような間隔であるか、という情報を通知する。
また、デバイス管理部210は、遠隔管理メッセージ処理部220の応答メッセージ処理部227から、センサデバイス100の遠隔管理の応答情報を受け取り、その応答情報を、遠隔管理サーバ300への応答として送信する。
遠隔管理メッセージ処理部220は、任意のタイミングにおいて、各センサデバイス100に対して応答頻度を上げる応答方法を設定するか、あるいは応答頻度を下げる応答方法を設定するかを決定し、該決定内容をいずれの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知するかを決定した上で保持する。さらに、遠隔管理メッセージ処理部220は、デバイス管理部210からセンサデバイス100の遠隔管理の指示を受け取った際に、上記決定した応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成すると共に、センサデバイス100から受信した管理情報応答メッセージ500に含まれる応答情報、及び受信しなかった未応答のセンサデバイス分の応答情報を適宜管理、作成、及び加工等して管理状態情報とすると共に、デバイス管理部210へと当該応答情報(=管理状態情報)を出力する。
遠隔管理メッセージ処理部220は、応答方法指示決定部221、管理状態情報224を記憶する記憶部223、管理情報要求メッセージ作成部225、応答メッセージ処理部227、自律応答方法決定部228、及び管理サイクル対応部229を含む。
応答方法指示決定部221は、デバイス管理部210からセンサデバイス100の遠隔管理の指示を受け取った際に、自律応答方法決定部228の管理サイクル対応部229に直近の管理サイクルで送信するべき各センサデバイスの応答方法を確認し、自律応答方法決定部228にて決定された直近の管理サイクルで送信するべき各センサデバイスに指示する応答方法を採用する。
応答方法指示決定部221は、採用した応答方法を含む管理情報要求メッセージ400を作成するように、管理情報要求メッセージ作成部225へ指示する。尚、応答方法の採用にあたり、応答方法指示決定部221がいずれのセンサデバイス100にも応答方法を指示しない場合もある。この場合には、応答方法指示決定部221は、管理情報要求メッセージ400による応答方法の指定を行わない。
また、応答方法指示決定部221は、決定した応答方法(センサデバイス100に指示する応答方法)を、応答メッセージ処理部227へ通知する。
管理状態情報224を記憶する記憶部223、管理状態情報224、管理情報要求メッセージ作成部225、応答メッセージ処理部227については、実施例1、3と同様であるので説明を省略する。
自律応答方法決定部228は、記憶部223の管理状態情報224に保持する各センサデバイス100の管理状態情報およびセンサネットワークN1の構成及び状態と、応答メッセージ処理部227が作成した各センサデバイス100の管理状態情報から、自律的に各センサデバイス100の次回の管理サイクルの応答方法を決定する。先述のとおり、応答方法は、現在の各センサデバイス100の管理状態情報の精度が十分であるか否かから判断し、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法を決定し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法を決定する。なお、管理状態情報の精度を高めるか否かの決定後、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。
具体的な応答方法の決定の仕方の例を以下に記す。ただし、本実施の形態は以下の例に限るものではない。
あるセンサデバイス100からの応答で取得した応答情報(=管理状態情報)(以下、実管理情報と呼ぶ)と、応答メッセージ処理部227が管理状態情報224及び応答方法指示決定部221から受け取った応答方法を参照して作成した管理状態情報(以下、作成管理情報と呼ぶ)とを用いて、下記のいずれかの処理を行う。なお、下記の処理は、1つ以上の複数を併せて実行することも可能である。
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報が、任意に定めた閾値Tより小さい(あるいは、T以下の)センサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)センサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報と作成管理情報との差分の絶対値(あるいは比率の絶対値)が、任意に定める閾値Tより小さい(あるいは、T以下である)センサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)センサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。
・センサデバイス100に関して、最新の実管理情報と任意のN回前(Nは1以上の整数)の実管理情報との差分の絶対値(あるいは比率の絶対値)が、現在までにおいて任意に定めるY回(Yは1以上の整数)だけ(あるいはY回連続して)、任意に定める閾値Tより小さい(あるいは、T以下である)場合には応答の頻度を下げる応答方法を、逆に閾値T以上である(あるいは、Tより大きい)場合には応答の頻度を上げる応答方法を決定する。なお、閾値Tは、全センサデバイス100に対して、あるいはセンサデバイス100毎に設定可能とする。(すなわち、あるセンサデバイス100の、最新とN回前の実管理情報が閾値Tを下回ったか上回ったかをカウントし、カウント回数がY回になった場合に応答の頻度の上げ下げを決定する。)
・任意の過去X回分(Xは1以上の整数)の実管理情報が、本来その管理状態情報が取るはずのない値(すなわち異常値やバグ値など)であるセンサデバイス100には応答の頻度を上げる応答方法を、逆に正常値であるセンサデバイス100には応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
・センサネットワークN1のトポロジを把握した上で、特にゲートウェイを頂点とするマルチホップツリートポロジにおいて、すべての子および孫センサデバイス100から実管理情報の応答がないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げる応答方法を決定し、逆にいずれかの子および孫センサデバイス100から実管理情報の応答があるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げる応答方法を決定する。
上記のいずれの処理方法においても、先述したとおり、管理状態情報の精度を高める応答方法とするか否かの決定後(あるいは決定の最中に)、センサデバイス100に指示している現状の応答方法が適切であると判断した場合、該センサデバイス100に対して何も応答方法を設定しないことを決定することもある。
また、応答の頻度を上げる応答方法は、実施例1に記載の応答方法459を用いるなど、どのような方法を用いてもかまわない。具体例としては、実施例1に記載の応答方法459の例において、次のような方法を用いることができる。
・X回の管理情報要求メッセージ400に対して、Y回の管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、YはX以下の整数値。X=Yとすると、毎回応答する指示となる)、という応答方法の、YとXの差(や比)を小さくする(あるいはX=Yとする)。
・X回の管理情報要求メッセージ400の中で、N回目に管理情報応答メッセージ500を送信すること(但し、NはX以下の整数値。Nは複数回を指定可能であり、例えば1、3、5回目の応答を指示しても良い)、という応答方法の、Nの指定する回数を増やすか、あるいはXを小さくする。
・指定したセンサデバイス100のみ管理情報応答メッセージ500を送信すること、或いは送信しないこと(このとき、センサデバイス100の指定方法としては、ネットワークアドレスやMACアドレス、その他センサデバイス100の識別子による指定のほか、ゲートウェイ200からのホップ数による指定(Mホップ目まで、Mホップ目のみ、またはMホップ目以降等)、センサデバイス100の保持するアプリケーションによる指定、センサデバイス100の地理的位置情報による指定、等が考えられる)、という応答方法を設定することで、送信するべきセンサデバイスとして指定する。
・管理情報要求メッセージ400の受信時、あるいはそれ以前の任意のタイミングにおいて、センサデバイス100における、管理情報要求メッセージ400で指定された管理パラメータ453の実測値(インスタンス)が、閾値Vを上回っている(又は下回っていた)場合に、管理情報応答メッセージ500を送信すること、という応答方法の、Vの値を大きく、あるいは小さくする。
また、応答の頻度を下げる応答方法もどのような応答方法を用いてもかまわず、具体的には、上記の応答頻度を上げる具体例と逆の設定をすればよい。
自律応答方法決定部228は、決定した各センサデバイス100の応答方法を管理サイクル対応部229に通知する。
管理サイクル対応部229は、自律応答方法決定部228から取得した各センサデバイス100の応答方法をいずれの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知するかを決定し、決定した内容でセンサネットワークN1に通知できるように各センサデバイス100の応答方法の情報を保持する。決定と保持の一例としては、自律応答方法決定部228から取得したセンサデバイス100と応答方法のセットを直近の管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できるか否かを判断し、通知できる場合は、該応答方法と対象のセンサデバイス100を直近の管理サイクルの送信内容として保持し、通知できない場合は、該応答方法と対象のセンサデバイス100を次回以降の送信可能な管理サイクルの送信内容として保持する。
なお、管理サイクル対応部229は、上記の決定において、デバイス管理部210から取得した管理サイクルの間隔や、その他の運用ポリシに基づく情報(管理サイクルの間隔、いずれの管理サイクルでどのような応答方法を指示するべきか、あるいは可能か、いずれの管理サイクルでどのセンサデバイス100に指示するべきか、あるいは可能か、1つの管理サイクルで通知可能な応答方法とセンサデバイス100のセット数、1つの管理サイクルで送信可能な管理情報要求メッセージ400の数など)を参考する。
また、管理サイクル対応部229は、上記保持した応答方法と対象のセンサデバイス100の情報を他の機能に公開し、例えば、応答方法指示決定部221からの直近の管理サイクルにて送信するべき応答方法と対象のセンサデバイス100のセットの問い合わせに対して、対象となる一覧を回答する。なお、公開する情報は、直近の管理サイクルにて送信するべき応答方法と対象のセンサデバイス100の情報に限らず、他の管理サイクルにて送信するべき内容も確認可能である。
(5.3 処理の流れ)
次に、実施形態4に係るゲートウェイ200の、応答方法の決定と保持に係る処理の流れを、図15を参照しながら説明する。図15は、ゲートウェイ200の動作を示すフローチャートである。尚、図15は、第3の実施形態と同様に、第1実施形態の図8におけるS805に相当する部分の動作に関する。したがって、実施形態4に係るゲートウェイ200の一連の動作において、図8のS805以外の動作は、第1実施形態の図8と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、図15において、S1201からS1206までは第3の実施形態の図13と同様であるため、ここでは説明を省略する。
管理サイクル対応部229は、取得した応答方法と対象のセンサデバイス100をいずれの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知するべきかを判断する。例えば、取得したセンサデバイス100と応答方法のセットを直近の管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できるか否かを判断し(S1207)、通知できる場合は(S1207のYes)、該応答方法と対象のセンサデバイス100を直近の管理サイクルの送信内容として保持し(S1208)、通知できない場合は(S1207のYes)、該応答方法と対象のセンサデバイス100を次回以降の送信可能な管理サイクルの送信内容として保持する(S1209)。
なお、管理サイクル対応部229は、S1207の判断において、デバイス管理部210から取得した管理サイクルの間隔や、その他の運用ポリシに基づく情報(管理サイクルの間隔、いずれの管理サイクルでどのような応答方法を指示するべきか、あるいは可能か、いずれの管理サイクルでどのセンサデバイス100に指示するべきか、あるいは可能か、1つの管理サイクルで通知可能な応答方法とセンサデバイス100のセット数、1つの管理サイクルで送信可能な管理情報要求メッセージ400の数など)を参考する。
管理サイクル対応部229は、S1208およびS1209で整理して保持した、応答方法と対象のセンサデバイス100をいずれの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知するかの情報を、外部機能に公開する(S1210)。
(5.4 本実施形態に係る効果)
上述の通り、センサデバイス100は、ゲートウェイ200により送信された管理情報要求メッセージ400の応答方法、或いは任意のタイミングにおいてセンサデバイス100がローカルに策定した応答方法の指示に従って、管理情報要求メッセージ400への応答として管理情報応答メッセージ500を送信するか否かを判定する。
これにより、センサデバイス100は少なくとも一部の管理情報要求メッセージ400に対しては応答する必要がなくなるため、結果として、遠隔管理通信における、管理情報応答メッセージ500に係るトラヒックを抑制することが可能となる。
すなわち、ゲートウェイ200又はセンサデバイス100が、適切な応答方法を指定(選択)することで、センサデバイス100の電力消費を低減し、結果として、センサネットワークN1全体の稼動寿命を延ばすことが可能となる。
また、ゲートウェイ200は、定められた時刻までに未応答のセンサデバイス100(管理情報応答メッセージ500を送信しなかったセンサデバイス100、又はパケットロス等により管理情報応答メッセージ500がゲートウェイ200に届かなかったセンサデバイス100)の応答情報を、保持している、当該センサデバイス100の過去の情報を元に作成することで、センサデバイス100A乃至100F全ての管理情報を、遠隔管理サーバ300へ送信することができる。
さらに、ゲートウェイ200が自律的に、管理状態情報の精度を高める必要のあるセンサデバイス100に対しては応答の頻度を上げるような応答方法を指示し、一方で管理状態情報の精度を高める必要のないセンサデバイス100に対しては応答の頻度を下げるような応答方法を指示するため、遠隔管理を継続する上で、管理状態情報の精度を保つことが可能となる。
さらに加えて、ゲートウェイ200が決定された応答方法と対象のセンサデバイス100をいずれの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知するかを判断して、同情報を保持および公開することで、管理情報要求メッセージ400や管理情報応答メッセージ500のパケットサイズの限界や通信環境の影響(遅延、帯域、ロス率など)、及び運用ポリシなどにより、1つの管理サイクルでセンサネットワークN1に通知できない分の決定したセンサデバイス100と応答方法のセットを他の管理サイクルで通知できるようになるために、管理状態情報の精度を確認した結果、複数のセンサデバイス100に異なる応答方法が決定された場合にも、最終的に、決定した全ての応答方法をセンサネットワークN1に通知することができる。
従って、センサネットワークの運用において、各センサデバイス100にそれぞれ異なる適切な応答方法を指示することが可能となるため、十分な管理状態情報の精度を保つことにより定期間隔でセンサデバイス100を管理する適切な遠隔管理を実現しつつ、遠隔管理を実現する遠隔管理通信に係る通信トラヒックを抑えて、センサネットワークN1及びセンサデバイス100の寿命を延ばすことが可能となる。
(4 付記事項)
尚、前述の各実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は前述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
尚、前述の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
他の通信装置に対して、管理情報の要求メッセージを送信する送信手段と、
前記要求メッセージに対する応答メッセージにより前記他の通信装置の管理情報を受信する受信手段と、
前記受信した前記他の通信装置の管理情報を用いて、前記他の通信装置が前記要求メッセージに応答するか否かを定める応答条件を決定する応答条件決定手段と、
前記決定した応答条件を含めて、前記決定後に所定のタイミングで前記送信手段により送信される前記要求メッセージを作成するメッセージ作成手段と
を備える通信装置。
(付記2)
前記受信した前記他の通信装置の管理情報を記憶する記憶手段と、
前記受信した前記他の通信装置の管理情報を用いて、前記記憶された管理情報の精度が低いか否かを判断する精度判断手段と
を備え、
前記応答条件決定手段は、前記精度判断手段による判断結果に応じて、前記応答条件を決定する付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記応答条件決定手段は、前記精度判断手段により精度が低いと判断された場合に、前記他の通信装置の応答の頻度を上げるように前記応答条件を決定する付記2に記載の通信装置。
(付記4)
前記応答条件決定手段は、前記精度判断手段により精度が高いと判断された場合に、前記他の通信装置の応答の頻度を下げるように前記応答条件を決定する付記2又は3に記載の通信装置。
(付記5)
前記応答条件決定手段により決定した前記応答条件を、どのタイミングで送信される前記要求メッセージに含めるかを決定する送信タイミング決定手段を備え、
前記メッセージ作成手段は、前記送信タイミング決定手段により決定したタイミングに従って、前記決定した応答条件を含めて前記要求メッセージを作成する付記1から4のいずれか1つに記載の通信装置。
(付記6)
通信装置において実施される通信方法であって、
他の通信装置に対して、管理情報の要求メッセージを送信する送信ステップと、
前記要求メッセージに対する応答メッセージにより前記他の通信装置の管理情報を受信する受信ステップと、
前記受信した前記他の通信装置の管理情報を用いて、前記他の通信装置が前記要求メッセージに応答するか否かを定める応答条件を決定する応答条件決定ステップと、
前記決定した応答条件を含めて、前記決定後に所定のタイミングで送信される前記要求メッセージを作成するメッセージ作成ステップと
を備える通信方法。
(付記7)
前記受信した前記他の通信装置の管理情報を記憶する記憶ステップと、
前記受信した前記他の通信装置の管理情報を用いて、前記記憶された管理情報の精度が低いか否かを判断する精度判断ステップと
を備え、
前記応答条件決定ステップは、前記精度判断ステップによる判断結果に応じて、前記応答条件を決定する付記6に記載の通信方法。
(付記8)
前記応答条件決定ステップは、前記精度判断ステップにより精度が低いと判断された場合に、前記他の通信装置の応答の頻度を上げるように前記応答条件を決定する付記7に記載の通信方法。
(付記9)
前記応答条件決定ステップは、前記精度判断ステップにより精度が高いと判断された場合に、前記他の通信装置の応答の頻度を下げるように前記応答条件を決定する付記7又は8に記載の通信方法。
(付記10)
前記応答条件決定ステップにより決定した前記応答条件を、どのタイミングで送信される前記要求メッセージに含めるかを決定する送信タイミング決定ステップを備える付記6から9のいずれか1つに記載の通信方法。
(付記11)
前記メッセージ作成ステップは、前記送信タイミング決定ステップにより決定したタイミングに従って、前記決定した応答条件を含めて前記要求メッセージを作成する付記10に記載の通信方法。
(付記12)
第1の通信装置と第2の通信装置とが通信する通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記第2の通信装置に対して、管理情報の要求メッセージを送信する手段と、
前記要求メッセージに対する応答メッセージにより前記第2の通信装置の管理情報を受信する手段と、
前記受信した前記第2の通信装置の管理情報を用いて、前記第2の通信装置が前記要求メッセージに応答するか否かを定める応答条件を決定する手段と、
前記決定した応答条件を含めて、前記決定後に所定のタイミングで前記送信手段により送信される前記要求メッセージを作成する手段と
を備え、
前記第2の通信装置は、
前記第1の通信装置から管理情報の要求メッセージを受信する手段と、
前記受信した要求メッセージに前記応答条件が含まれる場合に、当該応答条件に基づいて、前記受信した要求メッセージに対する応答として、管理情報を含めたメッセージを送信する手段と
を備えた通信システム。