JP6195306B2 - Elの酵素活性を阻害するelに対するモノクローナル抗体 - Google Patents
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Description
これらの知見は、ELの選択的阻害剤は脂質代謝異常症や動脈硬化症における治療薬としての有用性を示している。
これらの事情により、ELの酵素活性を選択的に阻害するモノクローナル抗体の作製が求められていた。
(1)配列番号1で示されるアミノ酸配列の331位から459位の領域に結合する、モノクローナル抗体またはその抗体断片、
(2)配列番号1で示されるアミノ酸配列の411位から459位の領域に結合する、前記(1)に記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片、
(3)ELの酵素活性を阻害する、前記(1)または(2)に記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片、
(4)1)配列番号7、配列番号8および配列番号9のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号11、配列番号12および配列番号13のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
2)配列番号7、配列番号8および配列番号9のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号11、配列番号12および配列番号13のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
3)配列番号7、配列番号8および配列番号9のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号11、配列番号12および配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
4)配列番号7、配列番号8および配列番号9のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号11、配列番号12および配列番号13のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
5)配列番号19、配列番号20および配列番号21のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号23、配列番号24および配列番号25のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
6)配列番号19、配列番号20および配列番号21のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号23、配列番号24および配列番号25のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
7)配列番号19、配列番号20および配列番号21のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号23、配列番号24および配列番号25のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
8)配列番号19、配列番号20および配列番号21のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号23、配列番号24および配列番号25のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
9)配列番号27、配列番号28および配列番号29のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号31、配列番号32および配列番号33のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
10)配列番号27、配列番号28および配列番号29のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号31、配列番号32および配列番号33のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
11)配列番号27、配列番号28および配列番号29のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号31、配列番号32および配列番号33のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
12)配列番号27、配列番号28および配列番号29のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号31、配列番号32および配列番号33のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
13)配列番号35、配列番号36および配列番号37のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号39、配列番号40および配列番号41のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
14)配列番号35、配列番号36および配列番号37のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号39、配列番号40および配列番号41のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
15)配列番号35、配列番号36および配列番号37のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号39、配列番号40および配列番号41のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
16)配列番号35、配列番号36および配列番号37のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号39、配列番号40および配列番号41のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
17)配列番号43、配列番号44および配列番号45のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号47、配列番号48および配列番号49のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
18)配列番号43、配列番号44および配列番号45のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号47、配列番号48および配列番号49のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
19)配列番号43、配列番号44および配列番号45のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号47、配列番号48および配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
20)配列番号43、配列番号44および配列番号45のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号47、配列番号48および配列番号49のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
21)配列番号51、配列番号52および配列番号53のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号55、配列番号56および配列番号57のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
22)配列番号51、配列番号52および配列番号53のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号55、配列番号56および配列番号57のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
23)配列番号51、配列番号52および配列番号53のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号55、配列番号56および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
24)配列番号51、配列番号52および配列番号53のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号55、配列番号56および配列番号57のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
25)配列番号59、配列番号60および配列番号61のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号63、配列番号64および配列番号65のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
26)配列番号59、配列番号60および配列番号61のアミノ酸配列を有する3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号63、配列番号64および配列番号65のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
27)配列番号59、配列番号60および配列番号61のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号63、配列番号64および配列番号65のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、および、
28)配列番号59、配列番号60および配列番号61のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む重鎖可変領域、ならびに、
配列番号63、配列番号64および配列番号65のアミノ酸配列を有する3つのCDRのうち1つ以上のCDRにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる3つのCDRを含む軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
からなる群より選ばれる抗体またはその抗体断片、
(5)1)配列番号6のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
2)配列番号6のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号10のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
3)配列番号6のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
4)配列番号6のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号10のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
5)配列番号18のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号22のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
6)配列番号18のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号22のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
7)配列番号18のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号22のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
8)配列番号18のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号22のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
9)配列番号26のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号30のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
10)配列番号26のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号30のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
11)配列番号26のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号30のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
12)配列番号26のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号30のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
13)配列番号34のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号38のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
14)配列番号34のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号38のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
15)配列番号34のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号38のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
16)配列番号34のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号38のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
17)配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号46のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
18)配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号46のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
19)配列番号42のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号46のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
20)配列番号42のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号46のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
21)配列番号50のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
22)配列番号50のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号54のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
23)配列番号50のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
24)配列番号50のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号54のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
25)配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
26)配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
配列番号62のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
27)配列番号58のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、および
28)配列番号58のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する重鎖可変領域、および
配列番号62のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸を有する軽鎖可変領域を有し、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
からなる群より選ばれる抗体またはその抗体断片、
(6)前記(3)〜(5)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片を含有する、ELが関連する疾患の治療または予防のための医薬組成物、
(7)ELが関連する疾患が動脈硬化症である(6)記載の医薬組成物、
(8)ELが関連する疾患の治療または予防のための、前記(3)〜(5)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片、
(9)ELが関連する疾患が動脈硬化症である(8)記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片、
(10)前記(3)〜(5)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片を投与することを特徴とする、ELが関連する疾患の予防または治療方法、
(11)ELが関連する疾患が動脈硬化症である(10)記載の方法、
(12)配列番号1で示されるアミノ酸配列の331位から459位を含有してなるペプチド、または、該ペプチドにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたペプチド、を用いることを特徴とする、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、もしくは該モノクローナル抗体またはその抗体断片を産生するハイブリドーマクローンのスクリーニング方法、
(13)配列番号1で示されるアミノ酸配列の411位から459位を含有してなるペプチド、または、該ペプチドにおいて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたペプチド、を用いることを特徴とする、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片、もしくは該モノクローナル抗体またはその抗体断片を産生するハイブリドーマクローンのスクリーニング方法、
(14)前記(12)または(13)のスクリーニング方法をその工程に含む、ELの酵素活性を阻害するモノクローナル抗体またはその抗体断片の製造方法、
(15)前記(14)の製造方法により作製されたモノクローナル抗体またはその抗体断片、
に関する。
細胞融合に用いられるミエローマ細胞としては、一般的にはマウスから得られた株化細胞、例えばP3−U1、NS−1、SP−2、653、X63、AP−1などを使用することができる。
懸濁し、37℃で45分間インキュベーションし、その後、遠心により細胞を除去して得た上清をEL酵素溶液として、阻害活性測定に使用する。20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、0.5%ウシ血清アルブミン、4mM 塩化カルシウム、150mM 塩化ナトリウム、2mg/mLヒトHDL(Athens Research&Technology社製)で構成される反応溶液にモノクローナル抗体を添加した後に、EL酵素溶液を添加する。37℃で2時間反応後、EL酵素によってHDLから生成される遊離脂肪酸(NEFA)をNEFA C−テストワコー(和光純薬工業社製)で測定し、そのNEFA量を酵素活性指標とする。抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、抗体の各濃度でのコントロール値に対する比活性を算出、その阻害曲線より抗体の50%阻害濃度(IC50値)を求めることができる。
懸濁し、37℃で45分間インキュベーションし、その後、遠心により細胞を除去して得た上清をHL酵素溶液とする。同様の操作により、LPL酵素溶液を調製する。20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、0.5%ウシ血清アルブミン、4mM 塩化カルシウム、150mM 塩化ナトリウム、0.5mg/mLヒトVLDL(INTRACEL社製)で構成される反応溶液に、モノクローナル抗体を添加した後に、HLまたはLPL酵素溶液を添加する。37℃で2時間反応後、HLまたはLPL酵素によって、VLDLから生成される遊離脂肪酸(NEFA)をNEFA C−テストワコー(和光純薬工業社製)で測定し、そのNEFA量を酵素活性指標として、モノクローナル抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、コントロール値に対する比活性を算出する。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、ELに対して特異的結合性を有するので、脂質代謝異常症、高脂血症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、糖尿病、肥満および/またはシンドロームXの診断にも応用可能である。
pShuttleベクター(クロンテック社製)に、PCR法、制限酵素を用いた手法により、C2タグ(配列番号3)を付加したヒトELcDNA配列をクローニングした。このサブクローンベクターと、アデノウイルス骨格遺伝子を有するベクターを、PI−SceIおよびI−CeuI酵素により消化した(Adeno−x Accessory Kit, クロンテック社製)。消化断片のライゲーション反応を16℃、3時間行い(ligation high, 東洋紡社製)、ライゲーション産物を大腸菌株(ワンショットStbl3ケミカルコンピテントセル, インビトロジェン社製)にトランスフォームした。アンピシリン選択後、得られたクローンよりプラスミドを精製し(QIAprep spin Miniprep Kit, QIAGEN社製)、次いでPacI酵素(New England Biolabs社製)処理による大腸菌生育領域の切り出しを行った。以上により、アデノウイルスベクター作製のためのプラスミドDNAを得た。得られたプラスミドDNAをHEK293細胞(ヒューマンサイエンス振興財団より分与)にLipofectamine2000(インビトロジェン社製)を用いてトランスフェクションし、10%ウシ血清含有DMEM培地中、37℃、5% CO2下で培養した。トランスフェクション後は5日おきに培地交換を行い、細胞変性効果(CPE)が確認されるまで培養を継続した。CPEの確認後、培養上清および細胞を回収した。回収した細胞は、ドライアイス・メタノール浴と温水浴を用い凍結融解を5回程度繰り返した後、3000rpmにて15分遠心して得られた上清を、細胞抽出液として回収した。この細胞抽出液と、培養上清を混合し、ウイルスベクター含有液とした。このウイルスベクター含有液をHEK293細胞に添加し、同様の操作を繰り返すことにより、ウイルスベクターの増幅を行った。増幅後、最終的に得られた細胞抽出液を、Benzonase(Merck−Novagen社製)で37℃、30分間処理後遠心し、得られた上清を、以下の密度勾配遠心によるウイルスベクター精製に用いた。1.5、1.35、1.25g/cm3の塩化セシウムを含むPBS(Phosphate buffered saline)を遠心管内に重層し、次いで上記上清を重層した。これを35000rpm, 16℃で1時間遠心し、目視によって得られたウイルスベクターを回収した。回収したウイルスベクターは、10%グリセロール含有PBSに対して透析を行い、精製アデノウイルスベクターとした。ウイルスベクターは一部をタイター測定(Adeno−X rapid titer kit, クロンテック社製)および自己増殖能獲得型出現判定に用い、異常のないもののみを以下の免疫に使用した。
ヒトEL−C2タグを得るために、ヒトELをコードするDNA断片の3'側にC2タグをコードするDNA断片を付加し、制限酵素サイトHindIIIとXbaIを介して発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン社製)に挿入し、ヒトEL発現プラスミドを構築した。ヒトEL発現ベクターとLipofectamine2000(インビトロジェン社製)を用いて、HEK293細胞(ATCC社より購入)をトランスフェクションし、48時間培養後に、細胞を回収し、ヒトEL過剰発現細胞とした。この細胞を、Lysis buffer(1% TritonX−100、100mM Naclを含む25mMトリス緩衝液pH8.0)にて溶解し、遠心にて可溶化画分を回収し、ヒトEL Lysateとした。同様の方法で、ウサギEL Lysateを調製した。
ヒトEL−C2タグのアミノ酸配列は配列番号1に、ウサギEL−C2タグのアミノ酸配列は配列番号2に記載した。
配列番号1の411位から500位のアミノ酸を含む断片をコードするcDNAの5'側にHisタグと3'側にC2タグをコードするcDNAを付加し、pcDNA3.3(インビトロジェン社製)にクローニングして、ヒトEL_411−500断片発現ベクターとした。同様の方法で、ヒトEL_411−459断片発現ベクターを調製した。
それぞれのヒトEL断片発現ベクターとLipofectamine2000(インビトロジェン社製)を用いて、HEK293細胞(ATCC社製)をトランスフェクションし、48時間培養後に、細胞をLysis buffer(1% TritonX−100、100mM NaClを含む25mM トリス緩衝液pH8.0)にて溶解し、遠心にて可溶化画分を回収し、それぞれヒトEL_411−500断片Lysate、ヒトEL_411−459断片Lysateとした。
精製したヒトEL発現アデノウイルスベクター2×109i.f.u.相当を、8週齢の雌マウス(BALB/cAnNCrlCrlj種、日本エスエルシーより入手)の静脈内、皮下または後肢筋肉内に投与した。投与後は、7日毎に尾静脈より血液を採取し、これより調製した血清を用いて抗体価の測定を行った。また、初回のアデノウイルスベクター投与に加えて、追加免疫として同量のアデノウイルスベクターを静脈内、皮下または後肢筋肉内に投与した。抗体価の上昇を認めたマウスについて、最終免疫として、尾静脈よりブースター免疫を実施した。
最終免疫の3日後に、ヒトELに対する抗体価の上昇が認められた個体について開腹し、脾臓を摘出し、脾臓細胞を回収した。脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(p3×63−Ag8.U1、東京腫瘤研究所)を50%のポリエチレングリコール4000を用いて融合させ、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含む培地で選択した。
細胞融合10日後に特異抗体産生細胞のスクリーニングを行った。スクリーニングに用いたELSIAは以下の通りである。384穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の各ウェルに0.35μgの抗マウスIgG−Fc抗体(Jackson Immuno Research社製)を含むトリス緩衝液(50mM Tris−HCl、pH7.5)を35μl加えて4℃、16時間固定した。これらのウェルを90μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を100μl加えて室温で2時間放置して、ブロッキングを行った(抗マウスIgG−Fc抗体固相化プレート)。各ウェルを90μlの洗浄液で1回洗浄した後、15μlのハイブリドーマ培養上清を加えて2時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのヒトEL lysateを含むアッセイバッファー(4%ブロックエース、0.05% Tween20、150mM NaClを含む50mMトリス緩衝液pH7.4)を加えて、4℃で16時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのビオチン標識抗C2タグ抗体(Fab)とHRP標識ストレプトアビジン(Thermo scientific社製)を含むアッセイバッファーを加え、室温で1時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、15μlのTMB+−Substrate−Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、15μlの0.05Mの硫酸を添加し反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。スクリーニングの結果から、リコンビナントヒトELと結合したハイブリドーマのクローン(12B10)を得た。12B10のクローンが産出する抗体を12B10抗体と命名した。マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(BD Bioscience)を用いて、12B10の抗体のサブクラスを決定した結果、12B10抗体のサブクラスは、IgG2aであった。
抗マウスIgG−Fc抗体固相化プレートに、15μlの12B10抗体(1μg/mL)を含むアッセイバッファー加えて2時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのヒトEL lysate、ウサギEL lysate、またはMock lysate(ネガティブコントロール)を含むアッセイバッファーを加えて、4℃で16時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのビオチン標識抗C2タグ抗体(Fab)とHRP標識ストレプトアビジンを含むアッセイバッファーを加え、室温で1時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、15μlのTMB+−Substrate−Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、15μlの0.05Mの硫酸を添加し反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。その結果、12B10抗体は、ヒトELおよびウサギELに結合することが示された(図1)。
ヒトELおよびウサギELをコードするDNAをそれぞれクローニングしたpcDNA3.1(インビトロジェン社製)をFreeStyle HEK293F細胞にトランスフェクションし、37℃、8% CO2で2日間培養した。培養液を遠心し、細胞を回収して、20U/mLのヘパリンを含むPBSにて懸濁し、37℃で45分間インキュベーションした。その後、遠心により細胞を除去して得た上清をヒトEL酵素溶液とした。20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、0.5%ウシ血清アルブミン、4mM 塩化カルシウム、150mM 塩化ナトリウム、2mg/mLヒトHDL(Athens Research&Technology社製)で構成される反応溶液に12B10抗体を添加した後に、ヒトEL酵素溶液またはウサギEL酵素溶液を添加した(全量で10μl )。37℃で2時間反応後、EL酵素によってHDLから生成される遊離脂肪酸(NEFA)をNEFA C−テストワコー(和光純薬工業社製)で測定し、そのNEFA量を酵素活性指標とした。12B10抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、抗体の各濃度でのコントロール値に対する比活性を算出、その阻害曲線より12B10抗体の50%阻害濃度(IC50値)を求めた(図2)。その結果、12B10抗体はヒトELおよびウサギELの酵素活性を阻害し、そのIC50は、それぞれ、47nM (ヒトEL)および201nM (ウサギEL)であった。
ヒトHLをコードするDNAをクローニングしたpcDNA3.1(インビトロジェン社製)をFreeStale HEK293F細胞にトランスフェクションし、37℃、8%CO2で2日間培養した。培養液を遠心し、細胞を回収して、20U/mLのヘパリンを含むPBSにて懸濁し、37℃で45分間インキュベーションした。その後、遠心により細胞を除去して得た上清をヒトHL酵素溶液とした。同様の操作によりウサギHL、ならびにヒトLPLおよびウサギLPL酵素溶液を調製した。20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、0.5%ウシ血清アルブミン、4mM 塩化カルシウム、150mM 塩化ナトリウム、0.5mg/mLヒトVLDL(INTRACEL社製)で構成される反応溶液に12B10抗体溶液(終濃度 32μg/ml)を添加した後、ヒトもしくはウサギHL、またはヒトもしくはウサギLPL酵素溶液を添加した(全量で10μl)。37℃で2時間反応後、HLもしくはLPL酵素によって、VLDLから生成される遊離脂肪酸(NEFA)をNEFA C−テストワコー(和光純薬工業社製)で測定し、そのNEFA量を酵素活性指標とした。12B10抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、コントロール値に対する比活性を算出した(図3)。その結果、12B10抗体は、HLとLPLの酵素活性を阻害しないことがわかった。
抗マウスIgG−Fc抗体固相化プレートに、15μlの12B10抗体(5μg/mL)を含むアッセイバッファー加えて加えて2時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で3回洗浄した後、15μlのヒトEL_411−500断片LysateまたはヒトEL_411−459断片Lysateを含むアッセイバッファー(4%ブロックエース、0.05%Tween20、150mM NaClを含む50mM トリス緩衝液pH7.4)加えて、4℃で一晩放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのビオチン標識抗C2タグ抗体(Fab)とHPR標識ストレプトアビジン(Thermo scientific社製)を含むアッセイバッファーを加え、室温で1時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、15μlのTMB+−Substrate−Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、15μlの0.05Mの硫酸を添加し反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。その結果、12B10抗体は、ヒトEL_411−500断片、ヒトEL_411−459断片とも結合することが確認できた(図4)。
ヒトEL、ヒトLPL及びヒトHLのアミノ酸配列のアライメントを図5Aに示している。2種以上で共通するアミノ酸配列を実線の枠で囲い、catalytic triadのアミノ酸残基を★印で示しているが、当該アミノ酸残基付近は上記の3種のタンパク質間でアミノ酸配列の相同性が高かった。
一方、12B10抗体が結合する領域のアミノ酸を破線の枠で囲んでいるが、当該領域のアミノ酸配列は、ヒトEL、ヒトLPL及びヒトHL間で相同性が高くないため、実施例6で検討したように、12B10抗体がEL選択的な阻害能を有していると考えられた。
12B10抗体について、常法を用いて可変領域の配列を決定した(図6A)。
12B10抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号6で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号7で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は8で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号9であった。12B10抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号10で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号11で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は12で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号13であった。
pShuttleベクター(クロンテック社製)に、PCR法、制限酵素を用いた手法により、C2タグ(配列番号3)を付加したヒヒELcDNA配列をクローニングした。このサブクローンベクターと、アデノウイルス骨格遺伝子を有するベクターを、PI−SceIおよびI−CeuI酵素により消化した(Adeno−x Accessory Kit, クロンテック社製)。消化断片のライゲーション反応を16℃、3時間行い(ligation high, 東洋紡社製)、ライゲーション産物を大腸菌株(ワンショットStbl3ケミカルコンピテントセル, インビトロジェン社製)にトランスフォームした。アンピシリン選択後、得られたクローンよりプラスミドを精製し(QIAprep spin Miniprep Kit, QIAGEN社製)、次いでPacI酵素(New England Biolabs社製)処理による大腸菌生育領域の切り出しを行った。以上により、アデノウイルスベクター作製のためのプラスミドDNAを得た。得られたプラスミドDNAをHEK293細胞(ヒューマンサイエンス振興財団より分与)にLipofectamine2000(インビトロジェン社製)を用いてトランスフェクションし、10%ウシ血清含有DMEM培地中、37℃、5% CO2下で培養した。トランスフェクション後は5日おきに培地交換を行い、細胞変性効果(CPE)が確認されるまで培養を継続した。CPEの確認後、培養上清および細胞を回収した。回収した細胞は、ドライアイス・メタノール浴と温水浴を用い凍結融解を5回程度繰り返した後、3000rpmにて15分遠心して得られた上清を、細胞抽出液として回収した。この細胞抽出液と、培養上清を混合し、ウイルスベクター含有液とした。このウイルスベクター含有液をHEK293細胞に添加し、同様の操作を繰り返すことにより、ウイルスベクターの増幅を行った。増幅後、最終的に得られた細胞抽出液を、Benzonase(Merck−Novagen社製)で37℃、30分間処理後遠心し、得られた上清を、以下の密度勾配遠心によるウイルスベクター精製に用いた。1.5、1.35、1.25g/cm3の塩化セシウムを含むPBS(Phosphate buffered saline)を遠心管内に重層し、次いで上記上清を重層した。これを35000rpm, 16℃で1時間遠心し、目視によって得られたウイルスベクターを回収した。回収したウイルスベクターは、10%グリセロール含有PBSに対して透析を行い、精製アデノウイルスベクターとした。ウイルスベクターは一部をタイター測定(Adeno−X rapid titer kit, クロンテック社製)および自己増殖能獲得型出現判定に用い、異常のないもののみを以下の免疫に使用した。
ヒヒEL−C2タグのアミノ酸配列は、配列番号14に記載した。
精製したヒヒEL発現アデノウイルスベクター2×109i.f.u.相当を、8週齢の雌マウス(BALB/cAnNCrlCrlj種、日本エスエルシーより入手)の静脈内、皮下または後肢筋肉内に投与した。投与後は、7日毎に尾静脈より血液を採取し、これより調製した血清を用いて抗体価の測定を行った。また、初回のアデノウイルスベクター投与に加えて、追加免疫として同量のアデノウイルスベクターを静脈内、皮下または後肢筋肉内に投与した。抗体価の上昇を認めたマウスについて、最終免疫として、尾静脈よりブースター免疫を実施した。
最終免疫の3日後に、ヒヒELに対する抗体価の上昇が認められた個体について開腹し、脾臓を摘出し、脾臓細胞を回収した。脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(p3×63−Ag8.U1、東京腫瘤研究所)を50%のポリエチレングリコール4000を用いて融合させ、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含む培地で選択した。
ヒヒELをコードするDNAをそれぞれクローニングしたpcDNA3.1(インビトロジェン社製)をFreeStyle HEK293F細胞にトランスフェクションし、37℃、8% CO2で3日間培養した。培養液を遠心し、細胞を回収して、20U/mLのヘパリンを含むPBSにて懸濁し、37℃で45分間インキュベーションした。その後、遠心により細胞を除去して得た上清をヒヒELヘパリン抽出液とした。同様の方法で、カニクイザルEL、ウサギEL、マウスEL−C2タグ、およびヒト[331-459]-マウスELのヘパリン抽出液を調製した。
カニクイザルEL−C2タグのアミノ酸配列は配列番号15に、マウスEL−C2タグのアミノ酸配列は配列番号16に、ヒト[331-459]-マウスEL−C2タグのアミノ酸配列は配列番号17に記載した。
細胞融合10日後に特異抗体産生細胞のスクリーニングを行った。スクリーニングに用いたELSIAは以下の通りである。384穴マイクロタイタープレート(ヌンク社製)の各ウェルに0.35μgの抗マウスIgG−Fc抗体(Jackson Immuno Research社製)を含むトリス緩衝液(50mM Tris−HCl、pH7.5)を35μl加えて4℃、16時間固定した。これらのウェルを90μlの洗浄液(0.01% Tween20を含む生理食塩水)で1回洗浄した後、ブロックエース(大日本製薬社製)を100μl加えて室温で2時間放置して、ブロッキングを行った(抗マウスIgG−Fc抗体固相化プレート)。各ウェルを90μlの洗浄液で1回洗浄した後、15μlのハイブリドーマ培養上清を加えて2時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのヒトEL lysateを含むアッセイバッファー(4%ブロックエース、0.05% Tween20、150mM NaClを含む50mMトリス緩衝液pH7.4)を加えて、4℃で16時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後、15μlのビオチン標識抗C2タグ抗体(Fab)とHRP標識ストレプトアビジン(Thermo scientific社製)を含むアッセイバッファーを加え、室温で1時間放置した。これらのウェルを90μlの洗浄液で3回洗浄した後に、15μlのTMB+−Substrate−Chromogen(DAKO社製)を添加して室温で30分間発色させた後に、15μlの0.05Mの硫酸を添加し反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。スクリーニングの結果から、リコンビナントヒヒELと結合したハイブリドーマのクローン(47B2、25E4、8F5、3B1、41H8)を得た。47B2、25E4、8F5、3B1および41H8のクローンが産出する抗体を、それぞれ47B2、25E4、8F5、3B1および41H8抗体と命名した。マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(BD Bioscience)を用いて、抗体のサブクラスを決定した結果、47B2抗体はIgG2a、25E4抗体はIgG2b、8F5抗体はIgG2a、3B1抗体はIgG1、41H8抗体はIgG1であった。
ヒトELのC末領域をコードするcDNAをpGEX6P−1(GEヘルスケア社製)にクローニングし、大腸菌BL21Star株(ライフテクノロジーズ社製)に形質転換した。この大腸菌の培養液にIPTGを添加し、ELのC末断片タンパク質の発現を誘導した。一晩培養した後に菌体を回収し、GSTrapカラムにてELのC末断片を精製し、これを免疫原とした。調製したELのC末断片タンパク質100μgをフロイント完全アジュバントと共に4週齢A/J Jms Slc雌マウスに腹腔内投与し、初回免疫とした。その後、21日後、42日後、63日後にELのC末断片タンパク質100μgをフロイント不完全アジュバントと共に投与し、追加免疫とした。さらに84日後にELのC末断片タンパク質100μgを生理食塩水0.1mlに縣濁した溶液を腹腔内投与し、最終免疫とした。実施例17と同様の方法でスクリーニングした結果から、リコンビナントヒヒELと結合したハイブリドーマのクローン(16A11)を得た。16A11のクローンが産出する抗体を16A11抗体と命名した。マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(BD Bioscience)を用いて、抗体のサブクラスを決定した結果、16A11抗体はIgG1であった。
12B10抗体について、実施例15で調製したカニクイザル、ヒヒおよびヒト[331-459]-マウスELに対するEL活性阻害能を、実施例8と同様の手法を用いて測定した。抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、抗体の各濃度でのコントロール値に対する比活性を算出した(図7A)。
また、47B2、25E4、16A11、8F5、3B1および41H8の各抗体について、実施例15で調製したカニクイザル、ヒヒ、ウサギおよびヒト[331-459]-マウスELに対するEL活性阻害能を、実施例8と同様の手法を用いて測定した。抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、抗体の各濃度でのコントロール値に対する比活性を算出した(図7B〜G)。
図2および図7A〜図7Gの阻害曲線より、各抗体の50%阻害濃度(IC50値)を求め、結果を後述の表1にまとめた。
ヒトHLをコードするDNAをクローニングしたpcDNA3.1(インビトロジェン社製)をFreeStyle HEK293F細胞にトランスフェクションし、37℃、8%CO2で2日間培養した。培養液を遠心し、細胞を回収して、20U/mLのヘパリンを含むPBSにて懸濁し、37℃で45分間インキュベーションした。その後、遠心により細胞を除去して得た上清をヒトHL酵素溶液とした。同様の操作により、ヒトLPL酵素溶液を調製した。20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、0.5%ウシ血清アルブミン、4mM 塩化カルシウム、150mM 塩化ナトリウム、0.5mg/mLヒトVLDL(INTRACEL社製)で構成される反応溶液にEL抗体溶液を添加した後、ヒトHL、またはヒトLPL酵素溶液を添加した(全量で10μl)。37℃で2時間反応後、HLもしくはLPL酵素によって、VLDLから生成される遊離脂肪酸(NEFA)をNEFA C−テストワコー(和光純薬工業社製)で測定し、そのNEFA量を酵素活性指標とした。EL抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、コントロール値に対する比活性を算出した。比較のため、結果をカニクイザルELの阻害曲線と並べて記載した(図8A〜G)。
その結果、12B10、47B2、25E4、16A11、8F5、3B1および41H8のEL抗体全てが、HLとLPLの酵素活性を阻害しないことがわかった。
同様の操作によりウサギHLおよびウサギLPL酵素溶液を調製し、EL抗体を添加しない時の酵素活性をコントロール値とし、コントロール値に対する比活性を算出した。比較のため、結果をウサギELの阻害曲線と並べて記載した(図8H〜I)。
その結果、8F5および47B2抗体はHLとLPLの酵素活性を阻害しないことがわかった。
47B2、25E4、16A11、8F5、3B1および41H8抗体のエピトープマッピングを実施例10と同様の手法で行った。
47B2、16A11、8F5および3B1抗体は、12B10抗体と同様に、ヒトEL_411−459断片に結合することが確認できたので、これらの抗体のエピトープは、12B10抗体と同様だと結論付けた。
一方、25E4および41H8抗体は、ヒトEL_411−459断片には結合せず、ヒトEL[331-459]−マウスELにのみ結合するので、これらの抗体のエピトープは、ELのアミノ酸配列331−459であると結論付けた。
以上のことから、本発明の抗体は、ヒトELのアミノ酸配列331−459位の領域に結合することを特徴としていることが結論付けられたので、本発明の抗体が結合するヒトELの領域を図5Bに示した。
図5B中に、本発明の抗体が結合する領域のアミノ酸を破線の枠で囲んでいるが、この領域のアミノ酸配列は、ヒトEL、ヒトLPL及びヒトHL間で相同性が高くないため、実施例19で検討したように、本発明の抗体がEL選択的な阻害能を有していると考えられた。
実施例で得た抗体の特徴を表1にまとめた。
表1
EL抗体の結合親和性をBiacoreを用いて測定した。抗C2タグ抗体をSensor chip CM5(GE HealthCare社製)にアミンカップリング法により固定化し、HBS−P(GE HealthCare社製)で希釈したヒヒEL‐C2ヘパリン抽出液、もしくはカニクイザルEL−C2ヘパリン抽出液を添加し、Sensor ChipにELをトラップした。その後、HBS−Pで希釈したEL抗体を添加し、BIAevaluation softwareを用いて、Bivalent fittingにより結合親和性を算出した(図9A〜G)。各抗体の結合親和性についての結果を、表2および表3にまとめた。
表2 カニクイザルELに対する結合親和性
表3 ヒヒELに対する結合親和性
ウサギ(ニュージーランドホワイト種、北山ラベスより購入)にPBSで希釈した47B2および8F5抗体を10mg/kgの用量で耳介周囲静脈より投与した。群構成は、EL中和抗体投与群を抗体毎に3羽、コントロール抗体投与群を2羽とした。抗体投与後、1日、2日、5日、7日および9日後に採血し、コレステストNHDL(積水メディカル社製にて血中のHDL−c濃度を測定し、その結果を図10Aおよび図10Bに記載した。
47B2、25E4、16A11、8F5、3B1および41H8抗体について、実施例11と同様の手法を用いて、可変領域の配列を決定した。
47B2抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号18で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号19で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は20で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号21であった。47B2抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号22で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号23で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は24で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号25であった(図6B)。
25E4抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号26で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号27で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は28で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号29であった。25E4抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号30で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号31で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は32で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号33であった(図6C)。
16A11抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号34で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号35で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は36で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号37であった。16A11抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号38で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号39で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は40で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号41であった(図6D)。
8F5抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号42で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号43で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は44で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号45であった。8F5抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号46で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号47で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は48で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号49であった(図6E)。
3B1抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号50で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号51、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は52で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号53であった。3B1抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号54で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号55で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は56で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号57であった(図6F)。
41H8抗体の重鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号58で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号59、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は60で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号61であった。3B1抗体の軽鎖の可変領域のアミノ酸配列は配列番号62で、可変領域のCDR1のアミノ酸配列は配列番号63で、可変領域のCDR2のアミノ酸配列の配列番号は64で、可変領域のCDR3のアミノ酸配列は配列番号65であった(図6G)。
実施例11および23より得られた12B10、47B2、25E4、16A11、8F5、3B1および41H8抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列をアライメントした(図11A、図11B)。
重鎖、軽鎖のCDRの配列を解析すると、以下の点が明らかになった。
重鎖のCDR1のアミノ酸配列は、T(SorY)(GorN)(MorV)GVGの7つのアミノ酸配列からなっていた。
重鎖のCDR2のアミノ酸配列は、HIWW(NorH)(DorEorG)(EorNorY)(KorY)YY(KorNorS)(PorT)(AorDorGorS)LKSの16アミノ酸配列からなっていた。
重鎖のCDR3のアミノ酸配列は、(SorM)(AorY)(DorP)G(SorT)PFPSまたは(IorS)(GorSorY)(AorDorGorP)G(TorVorY)P(ForL)DYの9アミノ酸配列からなっていた。
軽鎖のCDR1のアミノ酸配列は、KASQDI(HorN)(KorRorT)(ForY)I(AorV)の11アミノ酸配列からなっていた。
軽鎖のCDR2のアミノ酸配列は、(HorY)(PorT)(ForS)TLQPの7アミノ酸配列からなっていた。
軽鎖のCDR3のアミノ酸配列は、LQYD(DorIorNorT)L(LorT)WTの9アミノ酸配列からなっていた。
以上の事実から、7つの抗体の重鎖および軽鎖のCDRには共通性があることが見出された。
Claims (4)
- 1)CDR1として配列番号7、CDR2として配列番号8およびCDR3として配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号11、CDR2として配列番号12およびCDR3として配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
2)CDR1として配列番号19、CDR2として配列番号20およびCDR3として配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号23、CDR2として配列番号24およびCDR3として配列番号25のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
3)CDR1として配列番号27、CDR2として配列番号28およびCDR3として配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号31、CDR2として配列番号32およびCDR3として配列番号33のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
4)CDR1として配列番号35、CDR2として配列番号36およびCDR3として配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号39、CDR2として配列番号40およびCDR3として配列番号41のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
5)CDR1として配列番号43、CDR2として配列番号44およびCDR3として配列番号45のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号47、CDR2として配列番号48およびCDR3として配列番号49のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
6)CDR1として配列番号51、CDR2として配列番号52およびCDR3として配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号55、CDR2として配列番号56およびCDR3として配列番号57のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
7)CDR1として配列番号59、CDR2として配列番号60およびCDR3として配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、ならびに、
CDR1として配列番号63、CDR2として配列番号64およびCDR3として配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
からなる群より選ばれるELに対するモノクローナル抗体またはその抗体断片。 - 1)配列番号6のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
2)配列番号18のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号22のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
3)配列番号26のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号30のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
4)配列番号34のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号38のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
5)配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号46のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
6)配列番号50のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
7)配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および、
配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体またはその抗体断片、
からなる群より選ばれるモノクローナル抗体またはその抗体断片。 - 請求項1または2に記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片を含有する、ELが関連する疾患の治療または予防のための医薬組成物。
- ELが関連する疾患が動脈硬化症である請求項3記載の医薬組成物。
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